JPH0816181B2 - 遮光性フィルム - Google Patents

遮光性フィルム

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JPH0816181B2
JPH0816181B2 JP4214385A JP21438592A JPH0816181B2 JP H0816181 B2 JPH0816181 B2 JP H0816181B2 JP 4214385 A JP4214385 A JP 4214385A JP 21438592 A JP21438592 A JP 21438592A JP H0816181 B2 JPH0816181 B2 JP H0816181B2
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light
film
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density polyethylene
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野 和 成 西
岡 春 樹 長
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、遮光性フィルムに関し、
さらに詳しくは、引裂強度、衝撃強度等の機械的特性に
優れるとともに、遮光性およびヒートシール性に優れ、
感光紙等の感光材料の包装材として利用可能な、ポリオ
レフィン製遮光性フィルムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】感光紙等の感光材料は、光に曝さ
れるとその使用が不能になるため、光を完全に遮断する
包装材で包装される。このような感光材料用包装材に要
求される主な特性としては、引裂強度、衝撃強度等の機
械的特性、遮光性およびヒートシール性などが挙げられ
る。
【0003】従来の感光紙等の包装材としては、たとえ
ばカーボンブラック1.0重量%以上含有の低密度ポリ
エチレン系で厚み30μm片面コートされた坪量70〜
73g/m2 のクラフト紙と、カーボンブラック4.5
重量%含有のポリエチレン系フィルムとを、ホットメル
ト接着剤等で点接着させてクラフト紙とポリエチレン系
フィルムとの間に空間部を設けた包装材がある。このよ
うな包装材は、一般に袋状にして用いられる。感光紙等
は、このような包装材からなる袋の中に収められ、袋の
口がヒートシールされて密封されることになる。
【0004】また、上記以外の感光紙等の包装材とし
て、特公平2−2701号公報には、支持体の少なくと
も一面に50重量%以上の線状低密度ポリエチレン(L
−LDPE)からなる遮光物質を実質的に含まないポリ
エチレン系ポリマー層を形成してなる積層体からなり、
この積層体が遮光に十分な遮光物質を有することを特徴
とする感光物質用包装材料が提案されている。上記の支
持体としては、クラフト紙が最も好ましいとされてい
る。また、この感光物質用包装材料は、ポリエチレン系
ポリマー層以外の層、たとえば支持体あるいは接着層
に、カーボンブラックなどの遮光性物質を混入させてな
る。
【0005】これらの包装材は、ポリエチレン系フィル
ムとクラフト紙とを複合、またはポリエチレン系ポリマ
ー層とポリエチレン系ポリマー層以外の支持体とを複合
してなるため、製造コストが高いという問題があり、ま
たリサイクルが困難であるという産業廃棄上の問題があ
る。
【0006】さらに、上記以外の感光紙等の包装材とし
て、特公平2−2700号公報には、ポリエチレン系ポ
リマーと1重量%以上の遮光性物質とからなり、全ポリ
エチレン系ポリマーの50重量%以上が線状低密度ポリ
エチレン(L−LDPE)である遮光性フィルムを少な
くとも一層有する感光物質包装用フィルムが提案されて
いる。この公報によれば、上記遮光性フィルム層を構成
しているポリエチレン系ポリマーの線状低密度ポリエチ
レン以外の残部は、実質上高圧法低密度ポリエチレン
(LDPE)とすることが好ましいとされている。ま
た、同公報で提案されている感光物質包装用フィルムを
大別すると、(1)上記遮光性フィルム層、およびこの
遮光性フィルム層以外の他の層から形成されてなる積層
フィルムと、(2)上記遮光性フィルムの一層からなる
単独フィルムとがある。
【0007】しかしながら、特公平2−2700号公報
で提案されている感光物質包装用フィルムは、引裂強度
(エルメンドルフ引裂強度)およびヒートシール強度が
必ずしも十分でない。また、積層フィルムの層構成全体
がポリエチレン化されていない感光物質包装用フィルム
の場合には、リサイクルが困難である等の問題がある。
【0008】本発明者らは、上記のような問題を解決す
べく鋭意研究し、特定のメルトフローレートおよび密度
を有する直鎖状低密度ポリエチレンと、特定のメルトフ
ローレートおよび密度を有する高密度ポリエチレンと、
カーボンブラックとを特定の割合で配合したブレンド物
でフィルムを形成したところ、エルメンドルフ引裂強
度、落錘衝撃強度等の機械的特性に優れるとともに、遮
光性およびヒートシール性に優れ、感光紙等の感光材料
の包装材として好適な遮光性フィルムが得られることを
見出し、また、このようなブレンド物で形成されてなる
遮光性フィルム層を含む、複数のポリエチレン系フィル
ム層からなる積層フィルムを形成したところ、上記特性
がさらに向上し、製造コストが安価で、しかも、リサイ
クルが容易な積層タイプの遮光性フィルムが得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、引裂強度、衝撃
強度等の機械的物性に優れるとともに、遮光性およびヒ
ートシール性に優れ、感光紙等の感光材料の包装材とし
て利用できる、低コストの遮光性フィルムを提供するこ
とにある。
【0010】また、本発明の第2の目的は、上記のよう
な特徴を有するとともに、感光材料を封入した包装品の
暗所での取扱いが容易な包装材として利用できる遮光性
フィルムを提供することにある。
【0011】さらに、本発明の第3の目的は、上記のよ
うな特徴を有するとともに、リサイクルが可能な遮光性
フィルムを提供することにある。
【0012】
【発明の概要】本発明に係る第1の遮光性フィルムは、
単体フィルムであって、メルトフローレートが2.0〜
3.0g/10分であり、密度が0.910〜0.92
0g/cm3 である直鎖状低密度ポリエチレン[A]5
5〜65重量部と、メルトフローレートが0.03〜
0.05g/10分であり、密度が0.940〜0.9
56g/cm3 であり、Q値(重量平均分子量Mw/数平
均分子量Mn)が20以上である高密度ポリエチレン
[B]35〜45重量部(上記成分[A]と[B]との
合計量は100重量部である)と、カーボンブラック
[C]2〜10重量部とからなるブレンド物で形成され
てなることを特徴としている。
【0013】また本発明に係る第2の遮光性フィルム
は、積層タイプのフィルムであって、複数のポリオレフ
ィン系フィルム層からなり、ポリオレフィン系フィルム
層の少なくとも1層が、メルトフローレートが2.0〜
3.0g/10分であり、密度が0.910〜0.92
0g/cm3 である直鎖状低密度ポリエチレン[A]5
5〜65重量部と、メルトフローレートが0.03〜
0.05g/10分であり、密度が0.940〜0.9
56g/cm3 であり、Q値(重量平均分子量Mw/数平
均分子量Mn)が20以上である高密度ポリエチレン
[B]35〜45重量部(上記成分[A]と[B]との
合計量は100重量部である)と、カーボンブラック
[C]2〜10重量部とからなるブレンド物で形成され
てなる遮光性フィルム層であることを特徴としている。
【0014】このような積層タイプの遮光性フィルムの
うち、上記遮光性フィルム層のほかに、ポリオレフィン
の全体量100重量部に対して、チタンホワイト[D]
を1〜10重量部含有させたポリオレフィン系フィルム
層を少なくとも1層有する遮光性フィルムが、感光材料
を封入した包装品の暗所での取扱い上好ましい。すなわ
ち、遮光性フィルム層のほかに、チタンホワイト含有の
ポリオレフィン系フィルム層を少なくとも1層有する積
層タイプの遮光性フィルムは、感光材料用包装材として
使用する際に、このチタンホワイト含有のポリオレフィ
ン系フィルム層が遮光性フィルム層よりも外側に位置す
るようにすると、包装表面が白色化して見えるため、感
光材料を封入した包装品の暗所での取扱いが容易とな
る。ただし、この場合、チタンホワイト含有のポリオレ
フィン系フィルム層よりも、外側にある層は、透明性を
有することが必要である。本発明では、表皮層(最外
層)をチタンホワイト含有のポリオレフィン系フィルム
層とすることが望ましい。
【0015】また、積層タイプの遮光性フィルムの中で
も、複数のポリオレフィン系フィルム層の一部が斜配向
クロスフィルムで構成されている遮光性フィルムは、特
に引裂強度、落錘衝撃強度およびヒートシール強度など
の特性に優れている。ここに、斜配向クロスフィルムと
は、一定の斜方向に分子配向を有するポリオレフィン系
フィルム(ポリオレフィン系斜配向フィルム)の複数枚
で互いに分子配向が交差するように積層されてなるフィ
ルムをいう。
【0016】上記積層タイプの遮光性フィルムは、リサ
イクル上、遮光性フィルムを構成する遮光性フィルム層
を含む全てのポリオレフィン系フィルム層がポリエチレ
ンで形成されていることが特に好ましい。
【0017】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る遮光性フィル
ムについて具体的に説明する。本発明に係る第1の遮光
性フィルムは、特定の直鎖状低密度ポリエチレン[A]
と、特定の高密度ポリエチレン[B]と、カーボンブラ
ック[C]とからなるブレンド物で形成されてなる単体
フィルムである。
【0018】また、本発明に係る第2の遮光性フィルム
は、複数のポリオレフィン系フィルム層からなり、ポリ
オレフィン系フィルム層の少なくとも1層が、特定の直
鎖状低密度ポリエチレン[A]と、特定の高密度ポリエ
チレン[B]と、カーボンブラック[C]とからなるブ
レンド物で形成されてなる遮光性フィルム層である。こ
の積層タイプの遮光性フィルムは、上記遮光性フィルム
層のほかに、チタンホワイト[D]含有のポリオレフィ
ン系フィルム層を1層以上有していてもよい。
【0019】以下、明細書中において、本発明に係る第
1の遮光性フィルムを「遮光性単体フィルム」と称し、
また、本発明に係る第2の遮光性フィルムを「遮光性積
層フィルム」と称する場合がある。
【0020】まず、本発明に係る遮光性フィルムで用い
られる成分について説明する。直鎖状低密度ポリエチレン[A] 本発明で用いられる直鎖状低密度ポリエチレン[A]
は、ASTM D 1238,Eによるメルトフローレー
ト(MFR)が2.0〜3.0g/10分の範囲にあ
り、かつ、ASTM D 1505による密度が0.91
0〜0.920g/cm3 の範囲にある。
【0021】直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフロー
レートが2.0g/10分未満であると、フィルム成形
における流動性が悪くなり、得られたフィルムにおいて
も相溶性不良で外観にサメ肌やブツブツ感があり、また
ピンホールが発生したりする。一方、直鎖状低密度ポリ
エチレンのメルトフローレートが3.0g/10分を超
えると、フィルム成形において流動性は若干良くなる傾
向があるが、溶融時の伸びや張力が小さくなり成形性が
悪く、得られたフィルムの特に引裂強度や衝撃強度、ヒ
ートシール強度が非常に劣る傾向がある。
【0022】また、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が
0.910g/cm3 未満であると、フィルム成形時の
粘性が高くベタツキが大きく、また押出機のモーター負
荷が大きくなり、成形性が著しく悪くなる傾向がある。
一方、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.920g
/cm3 を超えると、フィルム成形性は若干悪くなり、
また、得られたフィルムの引裂強度、衝撃強度、引張強
度の物性が劣る傾向がある。
【0023】上記のような性状を有する直鎖状低密度ポ
リエチレン[A]は、たとえばエチレンと、炭素原子数
が3〜20であるα- オレフィンとを、チーグラー触媒
の存在下に、低圧法によって共重合させることにより得
られる。重合形態としては、具体的には、スラリー重
合、気相重合、高温溶解重合など種々の形態を採用する
ことが可能である。
【0024】また、上記炭素原子数3〜20のα- オレ
フィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1- ペンテ
ン、1- ヘキセン、4- メチル-1-ペンテン、1- オク
テン、1- デセン、1- テトラデセン、1- オクタデセ
ンなどが挙げられる。なかでも、遮光性フィルムの耐衝
撃性の向上という面からは、炭素原子数が4〜20であ
るα- オレフィンが好ましく、特に炭素原子数が6〜1
6であるα- オレフィンが好ましい。直鎖状低密度ポリ
エチレン[A]におけるα- オレフィンの含量は、通常
20〜60重量%、好ましくは30〜60重量%、さら
に好ましくは40〜60重量%の量である。
【0025】本発明の遮光性単体フィルム、および上記
遮光性積層フィルムを構成する遮光性フィルム層では、
上記のような直鎖状低密度ポリエチレン[A]は、直鎖
状低密度ポリエチレン[A]および高密度ポリエチレン
[B]の合計量100重量部に対して55〜65重量部
の割合で用いられる。直鎖状低密度ポリエチレン[A]
を上記のような割合で用いると、引裂強度、衝撃強度な
どの機械的特性およびヒートシール性に優れた遮光性フ
ィルムが得られる。
【0026】高密度ポリエチレン[B] 本発明で用いられる高密度ポリエチレン[B]は、AS
TM D 1238,Eによるメルトフローレート(MF
R)が0.03〜0.05g/10分の範囲にあり、か
つ、ASTM D 1505による密度が0.940〜
0.956g/cm3 の範囲にある。
【0027】高密度ポリエチレンのメルトフローレート
が0.03g/10分未満であると、フィルム成形にお
いて、流動性が悪くなり、溶融時の粘性が高く、ベタツ
キが発生し成形性が悪くなる傾向がある。一方、高密度
ポリエチレンのメルトフローレートが0.05g/10
分を超えると、フィルム成形時の流動性は若干良くなる
傾向があるが、溶融時の伸びや張力が小さく、成形性が
悪くなる傾向がある。
【0028】また、高密度ポリエチレンの密度が0.9
40g/cm3 未満であると、フィルム成形において溶
融時に伸び(腰)が小さくなり成形性が悪く、また得ら
れたフィルムの引裂強度、衝撃強度、引張強度が劣る傾
向がある。一方、高密度ポリエチレンの密度が0.95
6g/cm3 を超えると、フィルム成形における溶融時
の伸びや張力は若干良くなる傾向があるが、得られたフ
ィルムのヒートシール強度が劣る傾向がある。
【0029】さらに、本発明で用いられる高密度ポリエ
チレン[B]としては、メルトフローレートおよび密度
が上記範囲にあり、高密度ポリエチレン[B]のQ値
(重量平均分子量Mw /数平均分子量Mn )が20以
上、特に25〜30の範囲にある高密度ポリエチレン
[B]が望ましい。
【0030】ここで、Q値は分子量分布の尺度を表わす
指標であり、その測定はゲルパーミエーションクロマト
グラフィーを用いて分子量分布曲線を求め、分子量既知
の単分散ポリスチレンをスタンダードとしてユニバーサ
ルキャリブレーション法により重量平均分子量と数平均
分子量を算出することにより求めた値である。
【0031】本発明で、メルトフローレート、密度およ
びQ値が上記範囲にある高密度ポリエチレン[B]を用
いれば、良好な成形性が得られるとともに、機械的強度
に優れた斜配向クロスフィルムが得られる。
【0032】上記のような性状を有する高密度ポリエチ
レン[B]は、従来既知の、たとえばマグネシウム化合
物に担持されたチタン化合物と有機金属化合物との複合
触媒に代表されるチーグラー触媒を用いて、エチレン、
あるいはエチレンと少量の炭素原子数が3〜20のα-
オレフィンとを低圧下に重合させる方法、シリカ・アル
ミナを担体とした酸化クロム触媒に代表されるフィリッ
プス触媒を用いて、エチレン、あるいはエチレンと少量
の炭素原子数が3〜20のα- オレフィンとを中圧下に
重合させる方法等、いわゆる中低圧法によって得られ
る。
【0033】本発明の遮光性単体フィルム、および上記
遮光性積層フィルムを構成する遮光性フィルム層では、
上記のような高密度ポリエチレン[B]は、直鎖状低密
度ポリエチレン[A]および高密度ポリエチレン[B]
の合計量100重量部に対して35〜45重量部の割合
で用いられる。高密度ポリエチレン[B]を上記のよう
な割合で用いると、引裂強度、衝撃強度などの機械的特
性およびヒートシール性に優れた遮光性フィルムが得ら
れる。
【0034】カーボンブラック[C] 本発明では、カーボンブラックを用いることにより、可
視光線および紫外線の透過を防止し、フィルムに遮光性
を付与する。
【0035】本発明の遮光性単体フィルム、および上記
遮光性積層フィルムを構成する遮光性フィルム層では、
上記のようなカーボンブラック[C]は、直鎖状低密度
ポリエチレン[A]および高密度ポリエチレン[B]の
合計量100重量部に対して2〜10重量部、好ましく
は3〜5重量部の割合で用いられる。カーボンブラック
[C]を上記のような割合で用いると、引裂強度、衝撃
強度などの機械的特性およびヒートシール性を低下させ
ることなく、遮光性に優れたフィルムが得られる。
【0036】チタンホワイト[D] チタンホワイト(TiO2 )は、上記積層遮光性積層フ
ィルムを構成する遮光性フィルム層以外の他のポリオレ
フィン層で用いられる任意成分であるが、上述したよう
に、本発明では、感光材料を封入した包装品の暗所での
取扱い上、チタンホワイトを用いることが望ましい。
【0037】本発明では、チタンホワイト[D]は、ポ
リオレフィンの全体量100重量部に対して、1〜10
重量部、好ましくは2〜5重量部の割合で用いられる。チタンホワイト含有ポリオレフィン層におけるポリオレ
フィン チタンホワイト含有ポリオレフィン層と遮光性フィルム
層とが接するような積層構成を採る遮光性フィルムの場
合、チタンホワイト含有ポリオレフィン層におけるポリ
オレフィンとしては、遮光性フィルム層で用いられるポ
リオレフィン、すなわち、直鎖状低密度ポリエチレン
[A]と高密度ポリエチレン[B]とのブレンド物が好
ましく用いられる。このようなポリオレフィンを用いる
と、チタンホワイト含有ポリオレフィン層と遮光性フィ
ルム層との層間接着性に優れる。
【0038】遮光性フィルム層およびチタンホワイト含
有ポリオレフィン層以外のポリオレフィン層におけるポ
リオレフィン 遮光性フィルム層およびチタンホワイト含有ポリオレフ
ィン層以外のポリオレフィン層におけるポリオレフィン
としては、各ポリオレフィン層が熱融着し易いようなポ
リオレフィンであれば特に制限はないが、ポリエチレン
を用いることが望ましい。なかでも、直鎖状低密度ポリ
エチレン[A]、直鎖状低密度ポリエチレン[A]と高
密度ポリエチレン[B]とのブレンド物、特に直鎖状低
密度ポリエチレン[A]が好ましく用いられる。積層タ
イプの遮光性フィルムを感光材料の包装材として用いる
場合に、ヒートシールされる予定のポリオレフィン層
(以下、シール層と称する場合がある)では、特にこれ
らのポリエチレンを用いることが好ましい。
【0039】遮光性単体フィルム 本発明の遮光性単体フィルムの厚みは、通常80〜18
0μm、好ましくは100〜160μm、さらに好まし
くは120〜140μmである。
【0040】本発明においては、遮光性フィルムの縦方
向(MD)の引裂強度と横方向(TD)の引裂強度との
比(MD/TD)が0.4以上、好ましくは0.5以上
であり、かつ、縦方向(MD)と横方向(TD)の引裂
強度が共に50g以上、好ましくは60g以上であり、
落錘衝撃強度が600g以上、好ましくは700g以上
である。
【0041】本発明の遮光性単体フィルムは、上述した
ように、上記直鎖状低密度ポリエチレン[A]、高密度
ポリエチレン[B]およびカーボンブラック[C]で構
成されてなるが、たとえば、従来公知の一般的なインフ
レーション成膜法により製造することができる。
【0042】遮光性積層フィルム 上記遮光性積層フィルムの層構成としては、以下のよう
な層構成が挙げられる。 (1)チタンホワイト含有のポリオレフィン層(表面
層)/遮光性フィルム層(中間層)/他のポリオレフィ
ン層(シール層) (2)チタンホワイト非含有のポリオレフィン層(表面
層)/遮光性フィルム層(中間層)/他のポリオレフィ
ン層(シール層) (3)遮光性フィルム層(表面層)/他のポリオレフィ
ン層(シール層) 遮光性積層フィルム全体の厚みは、通常80〜180μ
m、好ましくは100〜160μm、さらに好ましくは
120〜140μmである。また、遮光性積層フィルム
を構成する遮光性フィルム層の厚みは、通常40〜80
μm、好ましくは50〜70μm、さらに好ましくは5
5〜65μmである。また、チタンホワイト含有のポリ
オレフィン層の厚みは、通常10〜50μm、好ましく
は20〜40μm、さらに好ましくは25〜35μmで
ある。
【0043】遮光性積層フィルムは、上述したように、
ポリオレフィン系フィルム層の一部が、フィルムの長さ
方向に対して斜方向に延伸して配向させたポリオレフィ
ン系フィルムの複数枚で互いに分子配向が交差するよう
に積層されてなる斜配向クロスフィルムで構成されてい
ることが好ましい。また、ポリオレフィン系フィルム
複数枚が互いの分子配向軸の長手方向においてなす交差
角度は、30〜150度、好ましくは60〜120度で
ある。このような斜配向クロスフィルムを構成層として
有する遮光性フィルムは、特に引裂強度、落錘衝撃強度
およびヒートシール強度などの特性に優れ、また、ピン
ホールの発生を防止することができる。
【0044】本発明では、遮光性積層フィルムは、遮光
性フィルム層を含む全構成層がポリオレフィンで形成さ
れているが、構成層の全てをポリエチレンで形成するこ
とがリサイクル上、最も好ましい。
【0045】また、遮光性積層フィルムの縦方向(M
D)の引裂強度と横方向(TD)の引裂強度との比(M
D/TD)が0.4以上、好ましくは0.5以上であ
り、かつ、縦方向(MD)と横方向(TD)の引裂強度
が共に50g以上、好ましくは60g以上であり、落錘
衝撃強度が600g以上、好ましくは700g以上であ
る。
【0046】本発明の遮光性積層フィルムは、従来公知
のプラスチックフィルムのラミネート加工法により製造
することができる。このようなラミネート加工法として
は、たとえば、(1)2種類の単体もしくは共押出2層
フィルムを押出サンドイッチラミネートして積層する方
法、(2)2種類の単体もしくは共押出2層フィルムを
ドライラミネートして積層する方法、(3)2種類の単
体もしくは共押出2層フィルムを熱融着して積層する方
法、(4)2種類の単体もしくは共押出2層フィルムを
ホットメルトで積層する方法等の加工法があるが、上記
(1)の方法が一般的に最も多く用いられる方法で、品
質安定性も良く、最も好ましい。
【0047】上記ラミネート加工法のうち、共押出ラミ
ネート法がコスト面で好ましい。また、上述した斜配向
クロスフィルムは、次のようにして製造される。まず、
斜配向クロスフィルムの原反となるポリオレフィン系斜
配向フィルムは、従来公知の方法によって製造すること
ができる。たとえば、インフレーション法により得たチ
ューブラーフィルムをその軸方向に延伸した後、螺旋状
に切開する方法(特公昭40−5319号公報)、サー
キュラーダイにより押出されたチューブラーフィルムを
成膜方向に伸長しながら連続的にマンドレルおよびピン
チロールを回動させ、チューブラーフィルムを捩り螺旋
状に配向させた後、成膜方向に切開するか、切開するこ
となくそのまま折たたむ方法(特公昭47−38621
号公報)、サーキュラーダイにより押出されたチューブ
ラーフィルムを固定マンドレルと回転マンドレルの2つ
のマンドレルを設置することにより、両マンドレル間で
斜方向に延伸配向させた後ピンチロールおよび引張りロ
ールにより引き取る方法(特公昭53−38306号公
報)、さらにはサーキュラーダイおよび第1マンドレル
を回動させ、引張りロ―ルの第2マンドレルは引張りロ
ールに対するチューブラーフィルムのねじれを補償する
ように逆方向に回動させ、引張りロールおよび巻取りロ
ールを回動させることなく成形できるようにした装置
(特公昭54−15892号公報)により斜配向フィル
ムを得る方法などがある。なかでも、特公昭53−38
306号および特公昭54−15892号の公報に記載
の装置を用いる方法が、任意の配向比で延伸斜配向させ
適当な強度を得ることができるため好ましい。
【0048】原反フィルムの配向比(延伸フィルムの引
張強度/未延伸フィルムの引張強度)は用途により適宜
決定されるが、通常1.2倍以上、好ましくは1.5倍
〜5倍程度になるように延伸した原反フィルムを用いる
のがよい。また、原反フィルムの配向軸の方向も用途に
より適宜決定されるが、通常、原反フィルムをその配向
軸を交差して貼り合わせた場合の配向軸の交差角が、原
反フィルムの長さ方向において30度〜150度、好ま
しくは60度〜120度の範囲になるようにするのがよ
い。
【0049】次に、上記斜配向フィルム2枚を貼り合わ
せる方法としては、従来公知の種々の方法がある。たと
えば、原反フィルムの片方にビニル系、アクリル系、ポ
リアミド系、エポキシ系、ゴム系、ウレタン系等の接着
剤を塗布した後、接着剤を乾燥させて残る片方の原反フ
ィルムとを加圧加熱接着するドライラミネート法、原反
フィルムの片方をコロナ処理および/または有機チタン
系、ポリエチレンイミン系、イソシアネート系でアンカ
ー処理した後、低密度ポリエチレン(高圧法および中低
圧法を含む)、エチレン・酢酸ビニル共重合体などを押
出ラミネートをして残る片方の原反フィルムと圧着積層
する押出しラミネート法、あるいはホットメルトラミネ
ート法などが挙げられる。また、サーキュラーダイと引
張ロールとを相対的に回転させて斜配向フィルムを得る
ことができる前記特公昭47−38621号公報、ある
いは特公昭53−38306号公報に記載されている斜
配向フィルム成形装置を用いれば、直接積層クロスフィ
ルムとすることもできる。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る遮光性単体フィルムは、特
定のメルトフローレートおよび密度を有する直鎖状低密
度ポリエチレン[A]と、特定のメルトフローレート
密度およびQ値(Mw/Mn)を有する高密度ポリエチレン
[B]と、カーボンブラック[C]とを特定の割合で配
合されたブレンド物で形成されてなるので、引裂強度、
衝撃強度等の機械的物性に優れるとともに、遮光性およ
びヒートシール性に優れ、しかも、製造コストが安価で
ある。したがって、本発明に係る遮光性単体フィルム
は、感光紙等の感光材料の包装材として好適である。
【0051】また、本発明に係る遮光性積層フィルム
は、上記のようなブレンド物で形成されてなる遮光性フ
ィルム層を少なくとも1層有する、複数のポリオレフィ
ン層からなるので、上記のような特性がさらに優れ、し
かも、従来の積層タイプの遮光性フィルムと比べ、製造
コストが安価である。
【0052】特に、チタンホワイト[D]を特定量含有
させたポリオレフィン系フィルム層を少なくとも1層有
する遮光性フィルムは、感光材料を封入した包装品の暗
所での取扱いが容易である。また、複数のポリオレフィ
ン系フィルム層の一部が斜配向クロスフィルムで構成さ
れている遮光性フィルムは、特に引裂強度、落錘衝撃強
度およびヒートシール強度などの特性に優れている。さ
らに、遮光性フィルムを構成する全てのポリオレフィン
系フィルム層がポリエチレンで形成されてなる遮光性フ
ィルムは、リサイクルが容易にできる。
【0053】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例における遮光性フィルムの物性
評価は、下記の試験方法により行なった。 (1)分子配向角度 分子配向角度は、延伸されたフィルムにノッチを入れ、
裂けた方向角度を分度器で測定した。 (2)エルメンドルフ引裂強度 エルメンドルフ引裂強度は、JIS P 8116に準じ
て引裂強度試験を行なって求めた。ただし、遮光性フィ
ルム1枚を一回の試験片として用いた。 (3)落錘衝撃強度 落錘衝撃強度は、JIS Z 1707に準じて落錘衝撃
試験を行なって求めた。 (4)ヒートシール強度 ヒートシール強度は、JIS Z 1707に準じてヒー
トシール試験を行なって求めた。 試験温度は、130
℃および160℃である。 (5)遮光性 遮光性は、図1の如く、発光源2,2(100V、10
0Wの白熱燈、2個)を収納した、フランジ部1aを有
する金属製容器1のフランジ部1a上に、厚手のゴムパ
ッキン(5〜10mm厚)3aを載置し、このゴムパッ
キン3a上に当該フィルムサンプル(1.1m幅×1.
1m長さ)4を置き、さらにフィルムサンプル4を上部
からゴムパッキン(5〜10mm厚)3bを介して四方
向を完全に固定できるエアーシリンダー方式の治具5で
押さえて測定した。
【0054】この治具5は、フランジ部1aと対応する
形状を有する枠部材5aを有し、この枠部材5aは、ア
ーム6を介してエアシリンダー7のピストンロッド7a
に連結されている。したがって、治具5は、エアシリン
ダー7により、ピストンロッド7aを降下させると、枠
部材5aとフランジ部1aとで、ゴムパッキン3a,3
b間のフィルムサンプル4を押圧・挟持できるように構
成されている。
【0055】遮光性の測定評価は、測定室を暗室にし
て、フィルムサンプルを目視し、その透過光の状態を、
予め用意したカーボンブラック(C.B.)の添加量の異な
る5種類の評価サンプルと照合して行なった。なお、測
定有効サンプル幅は1m×1mである。
【0056】 評価サンプル: +2 ・・・・遮光性が非常に良好なもの C.B.量、多い +1 ・・・・遮光性が良好なもの ↑ 0 ・・・・遮光性が認められるもの (基準サンプル) −1 ・・・・遮光性が悪いもの ↓ −2 ・・・・遮光性が非常に悪いもの C.B.量、少ない なお、遮光性の評価表示方法は、下記の通りである。
【0057】 ○:遮光性がよいもの(+2,+1)、 △:○と×の中間の遮光性を有するもの(0)、 ×:遮光性が悪いもの(−1,−2)。 (6)ピンホール ピンホールは、上記(5)の遮光性の測定評価で用いら
れる装置を用いて、目視により評価した。
【0058】なお、ピンホールの評価表示は、下記の通
りである。 ○:ピンホールのないもの、 △:ピンホールが少しあるもの、 ×:ピンホールが多数あるもの。 (7)フィルムの総合評価 フィルムの総合評価は、下記のような5段階評価とし、
1〜5の数字で表示した。
【0059】 1:使用不可能なもの、 2:要求される品質に達していないもの、 3:要求される最低限の品質を有するもの、 4:品質の良好なもの、 5:非常に優れた品質を有するもの。
【0060】また、使用した高密度ポリエチレンおよび
直鎖状低密度ポリエチレンは、それぞれ第1表、第2表
に示す。高密度ポリエチレン
【0061】
【表1】
【0062】直鎖状低密度ポリエチレン
【0063】
【表2】
【0064】
【比較例1】上記第1表に示す高密度ポリエチレン
(A)100重量部と、カーボンブラック[東京インキ
(株)製、商品名ブラック40]4.5重量部とを、バ
ンバリーミキサーでブレンドし、次いで、このブレンド
物を、下記の条件でインフレーションフィルム成形し、
厚み130μmのフィルムを得た。 [インフレーションフィルム成形条件] 成形機:モダン90mmφ リングダイの直径:500mmφ ブロー比:1.5 L/D:32 得られたインフレーションフィルムの物性等を第3表に
示す。
【0065】
【比較例2】比較例1において、カーボンブラックの配
合量を0にするとともに、高密度ポリエチレン(A)の
代わりに、上記第2表に示す直鎖状低密度ポリエチレン
(E)を用いた以外は、比較例1と同様にして、厚み1
30μmのフィルムを得た。
【0066】得られたインフレーションフィルムの物性
等を第3表に示す。
【0067】
【比較例3】比較例1において、高密度ポリエチレン
(A)の代わりに、直鎖状低密度ポリエチレン(E)を
用いた以外は、比較例1と同様にして、厚み130μm
のフィルムを得た。
【0068】得られたインフレーションフィルムの物性
等を第3表に示す。
【0069】
【比較例4】比較例1において、高密度ポリエチレン
(A)の配合量を35重量部とし、さらに、上記第2表
に示す直鎖状低密度ポリエチレン(F)65重量部を用
いた以外は、比較例1と同様にして、厚み130μmの
フィルムを得た。
【0070】得られたインフレーションフィルムの物性
等を第3表に示す。
【0071】
【比較例5】比較例1において、カーボンブラックの配
合量を0にするとともに、高密度ポリエチレン(A)の
配合量を35重量部とし、さらに、上記第2表に示す直
鎖状低密度ポリエチレン(D)65重量部を用いた以外
は、比較例1と同様にして、厚み130μmのフィルム
を得た。
【0072】得られたインフレーションフィルムの物性
等を第3表に示す。
【0073】
【比較例6】比較例1において、高密度ポリエチレン
(A)の配合量を35重量部とし、さらに、直鎖状低密
度ポリエチレン(D)65重量部を用いた以外は、比較
例1と同様にして、厚み130μmのフィルムを得た。
【0074】得られたインフレーションフィルムの物性
等を第3表に示す。
【0075】
【比較例7】比較例1において、高密度ポリエチレン
(A)の配合量を0にし、高密度ポリエチレン(C)2
0重量部と、直鎖状低密度ポリエチレン(D)80重量
部を用いた以外は、比較例1と同様にして、厚み130
μmのフィルムを得た。
【0076】得られたインフレーションフィルムの物性
等を第3表に示す。
【0077】
【比較例8】比較例7において、高密度ポリエチレン
(C)および直鎖状低密度ポリエチレン(D)の配合量
をそれぞれ10重量部、90重量部とした以外は、比較
例1と同様にして、厚み130μmのフィルムを得た。
【0078】得られたインフレーションフィルムの物性
等を第3表に示す。
【0079】
【実施例1】比較例1において、高密度ポリエチレン
(A)の配合量を0にし、上記第1表に示す高密度ポリ
エチレン(C)35重量部と、直鎖状低密度ポリエチレ
ン(E)65重量部を用いた以外は、比較例1と同様に
して、厚み130μmのフィルムを得た。
【0080】得られたインフレーションフィルムの物性
等を第3表に示す。
【0081】
【実施例2】比較例1において、高密度ポリエチレン
(A)の配合量を0にし、高密度ポリエチレン(C)3
5重量部と、直鎖状低密度ポリエチレン(D)65重量
部を用いた以外は、比較例1と同様にして、厚み130
μmのフィルムを得た。
【0082】得られたインフレーションフィルムの物性
等を第3表に示す。
【0083】
【実施例3】比較例1において、高密度ポリエチレン
(A)の配合量を0にし、上記第1表に示す高密度ポリ
エチレン(B)35重量部と、直鎖状低密度ポリエチレ
ン(D)65重量部を用いた以外は、比較例1と同様に
して、厚み130μmのフィルムを得た。
【0084】得られたインフレーションフィルムの物性
等を第3表に示す。
【0085】
【比較例9】遮光性フィルムの表面層を形成する原料と
して、高密度ポリエチレン(A)50重量部および直鎖
状低密度ポリエチレン(F)50重量部のブレンド物
と、遮光性フィルムの中間層(I)を形成する原料とし
て、高密度ポリエチレン(A)35重量部、直鎖状低密
度ポリエチレン(F)65重量部および上記カーボンブ
ラック4.5重量部のブレンド物を用い、各層の厚みが
30μm、フィルム配向角度が45度のフィルムを成形
した。
【0086】次いで、遮光性フィルムの中間層(II)
を形成する原料として、高密度ポリエチレン(A)35
重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(F)65重量部お
よび上記カーボンブラック4.5重量部のブレンド物
と、遮光性フィルムのシール層を形成する原料として、
直鎖状低密度ポリエチレン(F)100重量部を用い、
上記フィルムと同様に、各層の厚みが30μm、フィル
ム配向角度が45度のフィルムを成形した。
【0087】次いで、上記のようにして得られた2種類
のフィルム1枚づつを互いに配向交差角度が90度にな
るように配して、低密度ポリエチレン[三井石油化学工
業(株)製、商品名 ミラソンTM M-11、ASTM
D 1238,Eによるメルトフローレート:6.5g
/10分、密度:0.917g/cm3 、ラミネート後
の厚み:10μm]を用いて押出サンドイッチラミネー
トし、5層の斜配向クロスフィルムを得た。得られた斜
配向クロスフィルムは、厚みが130μmであった。
【0088】得られた斜配向クロスフィルムの物性等を
第3表に示す。
【0089】
【実施例4】遮光性フィルムの表面層を形成する原料と
して、高密度ポリエチレン(C)50重量部、直鎖状低
密度ポリエチレン(D)50重量部およびチタンホワイ
ト[東京インキ(株)製、商品名 PZX 6800 ホ
ワイト]4重量部のブレンド物と、遮光性フィルムの中
間層(I)を形成する原料として、高密度ポリエチレン
(C)35重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(D)6
5重量部および上記カーボンブラック4.5重量部のブ
レンド物を用い、各層の厚みが30μm、フィルム配向
角度が45度のフィルムを成形した。
【0090】次いで、遮光性フィルムの中間層(II)
を形成する原料として、高密度ポリエチレン(C)35
重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(D)65重量部お
よび上記カーボンブラック4.5重量部のブレンド物
と、遮光性フィルムのシール層を形成する原料として、
直鎖状低密度ポリエチレン(D)100重量部を用い、
上記フィルムと同様に、各層の厚みが30μm、フィル
ム配向角度が45度のフィルムを成形した。
【0091】次いで、上記のようにして得られた2種類
のフィルムを、比較例9と同様な方法で押出サンドイッ
チラミネートし、5層の斜配向クロスフィルムを得た。
得られた斜配向クロスフィルムは、厚みが130μmで
あった。
【0092】得られた斜配向クロスフィルムの物性等を
第3表に示す。
【0093】
【実施例5】遮光性フィルムの表面層を形成する原料と
して、高密度ポリエチレン(C)35重量部、直鎖状低
密度ポリエチレン(D)65重量部および上記カーボン
ブラック4.5重量部のブレンド物で、厚みが45μ
m、フィルム配向角度が45度のフィルムを成形した。
【0094】次いで、遮光性フィルムの中間層(I)を
形成する原料として、高密度ポリエチレン(C)35重
量部、直鎖状低密度ポリエチレン(D)65重量部およ
び上記カーボンブラック4.5重量部のブレンド物と、
遮光性フィルムのシール層を形成する原料として、直鎖
状低密度ポリエチレン(D)100重量部を用い、中間
層(1)の厚み45μm、シール層の厚み30μmのト
ータル厚みが75μmである、フィルム配向角度45度
のフィルムを成形した。
【0095】次いで、上記のようにして得られた2種類
のフィルムを、実施例4と同様な方法で押出サンドイッ
チラミネートし、4層の斜配向クロスフィルムを得た。
得られた斜配向クロスフィルムは、厚みが130μmで
あった。
【0096】得られた斜配向クロスフィルムの物性等を
第3表に示す。
【0097】
【実施例6】遮光性フィルムの表面層とシール層を形成
する原料として、高密度ポリエチレン(C)35重量
部、直鎖状低密度ポリエチレン(D)65重量部および
上記カーボンブラック4.5重量部のブレンド物を用い
て、厚みが60μm、フィルム配向角度が45度のフィ
ルムを成形した。
【0098】次いで、上記のようにして得られた2枚の
フィルムを、実施例5と同様な方法で押出サンドイッチ
ラミネートし、3層の斜配向クロスフィルムを得た。得
られた斜配向クロスフィルムは、厚みが130μmであ
った。
【0099】得られた斜配向クロスフィルムの物性等を
第3表に示す。
【0100】
【表3】
【0101】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、遮光性およびピンホールを測定評価す
る際に用いられる装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・・・・ 金属製容器 1a ・・・・・・ フランジ部 2 ・・・・・・ 発光源 3a,3b ・・・・・・ ゴムパッキン 4 ・・・・・・ フィルムサンプル 5 ・・・・・・ エアーシリンダー方式の治具 5a ・・・・・・ 枠部材 6 ・・・・・・ アーム 7 ・・・・・・ エアシリンダー 7a ・・・・・・ ピストンロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/32 E 8413−4F C08K 3/04 KDZ // B65D 85/38 G03C 3/00 565 (C08L 23/08 23:06)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレートが2.0〜3.0g/
    10分であり、密度が0.910〜0.920g/cm
    3 である直鎖状低密度ポリエチレン[A]55〜65重
    量部と、 メルトフローレートが0.03〜0.05g/10分で
    あり、密度が0.940〜0.956g/cm3 であ
    り、Q値(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が20
    以上である高密度ポリエチレン[B]35〜45重量部
    (上記成分[A]と[B]との合計量は100重量部で
    ある)と、 カーボンブラック[C]2〜10重量部とからなるブレ
    ンド物で形成されてなることを特徴とする遮光性フィル
    ム。
  2. 【請求項2】前記遮光性フィルムの縦方向(MD)の引
    裂強度と横方向(TD)の引裂強度との比(MD/T
    D)が0.4以上であり、かつ、縦方向(MD)と横方
    向(TD)の引裂強度が共に50g以上であるととも
    に、落錘衝撃強度が600g以上であることを特徴とす
    る請求項1に記載の遮光性フィルム。
  3. 【請求項3】複数のポリオレフィン系フィルム層からな
    り、ポリオレフィン系フィルム層の少なくとも1層が、 メルトフローレートが2.0〜3.0g/10分であ
    り、密度が0.910〜0.920g/cm3 である直
    鎖状低密度ポリエチレン[A]55〜65重量部と、 メルトフローレートが0.03〜0.05g/10分で
    あり、密度が0.940〜0.956g/cm3 であ
    り、Q値(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が20
    以上である高密度ポリエチレン[B]35〜45重量部
    (上記成分[A]と[B]との合計量は100重量部で
    ある)と、 カーボンブラック[C]2〜10重量部とからなるブレ
    ンド物で形成されてなる遮光性フィルム層であることを
    特徴とする遮光性フィルム。
  4. 【請求項4】前記の遮光性フィルム層以外のポリオレフ
    ィン系フィルム層の少なくとも1層が、 メルトフローレートが2.0〜3.0g/10分であ
    り、密度が0.910〜0.920g/cm 3 である直
    鎖状低密度ポリエチレン[A]55〜65重量部と、 メルトフローレートが0.03〜0.05g/10分で
    あり、密度が0.940〜0.956g/cm 3 であ
    り、Q値(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が20
    以上である高密度ポリエチレン[B]35〜45重量部
    (上記成分[A]と[B]との合計量は100重量部で
    ある)と、 チタンホワイト[D]1〜10重量部とからなるブレン
    ド物で形成されていることを特徴とする請求項3に記載
    の遮光性フィルム。
  5. 【請求項5】前記ポリオレフィン系フィルム層の一部
    が、フィルムの長さ方向に対して斜方向に延伸して配向
    させたポリオレフィン系フィルムの複数枚で互いに分子
    配向が交差するように積層されてなる斜配向クロスフィ
    ルムで構成されていることを特徴とする請求項3または
    4に記載の遮光性フィルム。
  6. 【請求項6】前記斜配向クロスフィルムにおいて、ポリ
    オレフィン系フィルムの複数枚が互いの分子配向軸の長
    手方向においてなす交差角度が30〜150度であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の遮光性フィルム。
  7. 【請求項7】前記遮光性フィルムの縦方向(MD)の引
    裂強度と横方向(TD)の引裂強度との比(MD/T
    D)が0.4以上であり、かつ、縦方向(MD)と横方
    向(TD)の引裂強度が共に50g以上であるととも
    に、落錘衝撃強度が600g以上であることを特徴とす
    る請求項3〜のいずれかに記載の遮光性フィルム。
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