JPH08158242A - 捲縮の付与されたアクリル繊維トウの絞り方法及びその装置 - Google Patents

捲縮の付与されたアクリル繊維トウの絞り方法及びその装置

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JPH08158242A
JPH08158242A JP33058594A JP33058594A JPH08158242A JP H08158242 A JPH08158242 A JP H08158242A JP 33058594 A JP33058594 A JP 33058594A JP 33058594 A JP33058594 A JP 33058594A JP H08158242 A JPH08158242 A JP H08158242A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 絞り後の水分率を低く安定した状態で得るこ
とができると同時にトウの浸漬される浴槽の液面レベル
の安定した制御が可能な捲縮の付与されたアクリル繊維
トウの絞り方法とその装置を提供する。 【構成】 捲縮の付与されたアクリル繊維トウを浴槽の
液中に浸漬させ次いで取り出し、トウ進行方向に対して
2段階に配置した絞りローラーによりトウを絞る方法に
おいて、前記絞りローラー間の緊張比を1.00より大
きく1.10以下にしたことを特徴とする捲縮の付与さ
れたアクリル繊維トウの絞り方法、及び捲縮の付与され
たアクリル繊維トウを浸漬するための浴槽と、前記繊維
トウを絞るための2段階に配置した絞りローラーと、前
記繊維トウを前記浴槽に浸漬させ次いで取り出し前記絞
りローラーで絞るように走行させるための手段とを含む
捲縮の付与されたアクリル繊維トウの絞り装置におい
て、前記絞りローラー間の緊張比を1.00より大きく
1.10以下の範囲で制御できる手段を設けたことを特
徴とする捲縮の付与されたアクリル繊維トウの絞り装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は捲縮の付与されたアクリ
ル繊維トウの絞り方法とその装置に関し、さらに詳しく
は絞り後の水分率を低く安定した状態で得ることができ
ると同時にトウの浸漬される浴槽の液面レベルの安定し
た制御が可能な捲縮の付与されたアクリル繊維トウの絞
り方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル繊維トウは紡績工程を通過さ
せ、最終製品の嵩高性を高めるために捲縮が付与され
る。かかる捲縮はアクリル繊維トウを70〜90℃の熱
水中に浸漬して又はアクリル繊維トウに蒸気を吹き付け
て適当な熱と水分を与え、これを外接する二つの金属ロ
ーラーでニップし、直方体状のスタフィングボックスの
中に押し込んで繊維に損傷を与えることなく座屈させる
ことにより付与される。捲縮の付与されたアクリル繊維
トウはまず110〜140℃の飽和蒸気中の蒸し釜の中
で熱セットされた後、次いで水洗工程及び/又は紡績用
油剤付与工程を経て絞り工程を通過し、乾燥されて最終
製品となる。
【0003】捲縮の付与されたアクリル繊維トウの絞り
工程では、付与された捲縮が最終製品となった時に品質
規格内の値で保持されると同時に、水分率をできるだけ
低い状態で安定させ油剤に浸漬させ絞る場合は油剤の付
着率の変動を抑制すると同時に乾燥コストを低減するこ
とが望ましい。これによって結果的に浴槽の液面変動幅
が小さくなり、液面レベルを安定した状態で運転できる
ようにもなる。
【0004】上記アクリル繊維トウの絞り工程として
は、例えば1段で絞る方法(図1(a)(b)参
照)、2段で絞る方法(図2(a)(b)参照)が従
来から採用されている。しかしながら、1段で絞る方法
では捲縮の付与されたトウの水分率を充分に下げようと
上側の押えローラーの荷重を高めようとするも、水分率
の低下には限界があるばかりでなく、トウの単糸への損
傷が発生したり、ローラーゴムの剥離やローラーの溶接
部の割れ等の設備的な故障が発生するという問題があっ
た。また、2段で絞る方法では1段で絞る方法より水分
率を少しは下げられるが、上側の押えローラーの荷重を
トウへの損傷が発生しない範囲で高めたり、押え側のロ
ーラー形状を変えて対処しても依然水分率を低い状態で
安定させることができなかった。
【0005】さらに、従来採用されていたトウの絞り方
法は、いずれも絞り工程前のトウが浸漬される浴槽の液
温度が全く制御されていなかったため、浴槽内の液温度
が生産開始時からトウの温度に平衡するまでの間に絞り
後の水分率が変化し、しかも油剤付与する場合は油剤の
付着率が変動するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の問題点を解消するために創案されたものであり、そ
の目的とするところは、絞り後の水分率を低く安定した
状態で得ることができると共に、トウの浸漬される浴槽
の液面レベルの安定した制御が可能な捲縮の付与された
アクリル繊維トウの絞り方法とその装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するために、2段階に配置した絞りローラーによっ
て捲縮の付与されたアクリル繊維トウを絞る方法及びそ
の装置について鋭意検討した結果、本発明の完成に到達
した。
【0008】即ち、本発明の絞り方法は捲縮の付与され
たアクリル繊維トウを浴槽の液中に浸漬させ次いで取り
出し、トウ進行方向に対して2段階に配置した絞りロー
ラーによりトウを絞る方法において、前記絞りローラー
間の緊張比を1.00より大きく1.10以下にしたこ
とを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の絞り方法は捲縮の付与され
たアクリル繊維トウに水分付与し、トウ進行方向に対し
て2段階に配置した絞りローラーによりトウを絞り(第
1絞り工程)、次にこの繊維トウを油剤の満たされた浴
槽に浸漬させ次いで取り出し、トウ進行方向に対して2
段階に配置した絞りローラーによりトウを絞る(第2絞
り工程)方法において、前記第1絞り工程及び第2絞り
工程における各絞りローラー間の緊張比を1.00より
大きく1.10以下にしたことを特徴とするものであ
る。
【0010】また、本発明の絞り装置は捲縮の付与され
たアクリル繊維トウを浸漬するための浴槽と、前記繊維
トウを絞るための2段階に配置した絞りローラーと、前
記繊維トウを前記浴槽に浸漬させ次いで取り出し前記絞
りローラーで絞るように走行させるための手段とを含む
捲縮の付与されたアクリル繊維トウの絞り装置におい
て、前記絞りローラー間の緊張比を1.00より大きく
1.10以下の範囲で制御できる手段を設けたことを特
徴とするものである。
【0011】また、本発明の絞り装置は捲縮の付与され
たアクリル繊維トウに水分を付与するための手段と、水
分付与された前記繊維トウを絞るための2段階に配置し
た絞りローラーと、前記繊維トウを浸漬するための油剤
浴槽と、浸漬され取り出された前記繊維トウを絞るため
の2段階に配置した絞りローラーと、前記繊維トウに水
分付与し、前記絞りローラーで絞り、次に前記繊維トウ
を前記油剤浴槽に浸漬させ取り出し、前記絞りローラー
で絞るように走行させるための手段とを含む捲縮の付与
されたアクリル繊維トウの絞り装置において、各前記絞
りローラー間の緊張比を1.00より大きく1.10以
下の範囲で制御できる手段を設けたことを特徴とするも
のである。
【0012】ここで、絞りローラー間の緊張比は下記の
ように定義される: 緊張比=(2段目絞りローラー速度)/(1段目絞りロ
ーラー速度)
【0013】本発明では、2段階に配置した各絞りロー
ラー間の緊張比が上述のように1.00より大きく1.
10以下の範囲になるように制御される。緊張比を全く
制御しない場合(緊張比=1.00)は絞り後の水分率
の低下が小さく、一方緊張比が1.10より大きい場合
は水分率を小さくできるものの付与された捲縮が伸ばさ
れて品質規格を外れる可能性があるためである。本発明
における緊張比の最適値は絞り後の水分率、脱捲縮率等
を考慮すると1.04である。
【0014】本発明では、さらに浴槽内の液温度を50
℃以下に制御することが好ましい。液温度が50℃を越
えると製品が品質規格を外れる可能性があるからであ
る。例えば絞りローラー間の緊張比が1.04の場合、
浴槽内の液温度は35℃が最適である。浴槽内の液温度
がこれより高いとせっかく付与された捲縮が伸ばされ、
これより低いと絞り後の水分率の低下が小さくなる傾向
を示すためである。従って、浴槽内の液温度は緊張比、
絞り後の水分率及び脱捲縮率等を考慮して50℃以下の
範囲で適宜最適な値を設定することが好ましい。
【0015】
【作用】上記のように構成された装置に捲縮の付与され
たアクリル繊維トウを適用して絞ると、2段階に配置さ
れた絞りローラー間の緊張比が1.00より大きい値で
制御されているため、捲縮があっても単糸が引き伸ばさ
れ、単糸間の隙間が少なくなり、絞った時に液がトウ内
部から外部に容易に出るようになる。結果として上側の
絞りローラーの荷重を高めることなく水分率の低下を達
成することができる。また絞りローラー間の緊張比が
1.10以下の値で制御されているため、せっかく付与
した捲縮が引き伸ばされすぎて品質規格内の値を保持で
きなくなる心配もない。
【0016】また、上記のように水分又は紡績用油剤付
与のために浸漬される浴槽内の液温度は50℃以下の一
定値に制御されているため、高温のために捲縮が引き伸
ばされて品質規格を外れることもなく、しかも浴槽内の
温度を生産開始時点からライン走行中のトウの温度とほ
ぼ平衡状態に設定できるため、絞り後の水分率の変動が
少ない。
【0017】
【実施例】本発明の捲縮の付与されたアクリル繊維トウ
の絞り方法とそのための装置を以下の実施例により説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0018】本発明の絞り装置の一実施例を図3に示
す。図3の装置では、捲縮の付与されたアクリル繊維ト
ウ1はローラー2及び3aを経て浴槽内の液に浸漬さ
れ、ローラー3bを経て浴槽内の液から取り出された
後、1段目絞りローラー4a,4b及び2段目絞りロー
ラー5a,5bによって順次絞られるようになってお
り、これらのトウの移動は1段目駆動絞りローラー4b
及び2段目駆動絞りローラー5bの駆動により行われ
る。
【0019】トウを浴槽内の液に浸漬する方法は上述の
ように二つのローラー3a,3bによって行う以外に図
3の破線で示したように一つのローラー3cによって浴
槽内の液に浸漬する方法も採用することができる。浴槽
内の液は一般に水洗用の水又は紡績用油剤であるが、そ
の液位はトウ全面に液が浸漬されれば充分であり、通常
ローラー3a,3bの中心より少し下の位置(例えば7
の位置)である。
【0020】本発明では浴槽内の液温度は50℃以下の
一定値に制御されることが好ましいが、その方法として
は例えば浴槽の内部に取り付けたチューブ式の熱交換装
置又は浴槽の外部に設けた熱交換装置を用いて浴槽に供
給される液温度を一定に制御する方法が採用される。た
だし、この場合、加温・冷却のいずれの制御も可能にす
る必要がある。
【0021】図3の装置では1段目絞りローラー及び2
段目絞りローラーの上側のローラー4a,5aはそれぞ
れ上下に移動し、下側のローラー4b,5bに荷重を掛
けてトウを絞るようになっており、1段目絞りローラー
4a,4b及び2段目絞りローラー5a,5bによって
絞られた液は下に落ち、浴槽6に戻るようになってい
る。
【0022】1段目絞りローラー4a,4bと2段目絞
りローラー5a,5b間の緊張比は本発明では1.00
より大きく1.10以下の範囲に制御されるが、その方
法として例えば図5(a)及び(b)に示した方法を採
用することができる。図5(a)の方法によれば1段目
駆動絞りローラーを一つのモーターで駆動し、シャフト
とギアボックスにより2段目駆動絞りローラーに駆動力
を伝達し、適宜ギア比を変えて1段目及び2段目駆動絞
りローラーの速度を調整して所望の緊張比を得ることが
できる。この場合絞りローラー間の速度の調整はギアボ
ックスに設けられた無段階変速機能を用いることで達成
することができる。
【0023】また、図5(b)の方法によれば、1段目
駆動絞りローラー及び2段目駆動絞りローラーのそれぞ
れにモーターを取り付けて駆動し、各モーターに取り付
けられたインバータにより1段目及び2段目絞りローラ
ーの速度を調整して所望の緊張比を得ることができる。
【0024】本発明ではトウを2段階の絞りローラーで
絞ることができれば、絞りローラーの形状,寸法及び配
置形態に制限はなく、図3に示した2段階の絞りローラ
ーの配置以外に例えば図4(a),(b),(c)の設
備形態も採用することができる。図4(a)の装置は図
3の装置において1段目の上側絞りローラーを二つの小
ローラーに変更したものであり、この小ローラーが上下
に移動し下側のローラーに荷重を掛けてトウを絞るよう
になっている。また図4(b)及び図4(c)の装置は
図3及び図4(a)の装置において1段目と2段目絞り
ローラーの間に一つのローラーを介在させたものであ
る。介在させたローラーは駆動させてもさせなくても良
いが、駆動させる場合は2段目の絞りローラー速度と等
しくする必要がある。
【0025】次に本発明の他の実施例を図6(a),
(b)に示す。図6(a),(b)の装置では、捲縮の
付与されたトウにまず水分付与を行い第1絞り工程で絞
った後、油剤浴槽にトウを浸漬させて取り出し、次い
で、第2絞り工程で再度絞るようになっており、各絞り
工程では絞りローラー間の緊張比が1.00より大きく
1.10以下の範囲に制御されている。図6(a)と
(b)の装置の主な違いは前半のトウへの水分付与工程
であり、水分付与の方法は図6(a)では浴槽内の液へ
の浸漬により、図6(b)ではスプレーにより行われて
いる。これらの装置も浴槽内の液温度は前述と同様の理
由から50℃以下の一定値に制御されることが好まし
い。
【0026】〔試験例〕図3に示す本発明の絞り装置に
捲縮の付与されたアクリル繊維トウを適用し、緊張比と
浴槽の液温度を表2に記載のように変更して下記の試験
条件で絞り後の水分率,水分率の変動,脱捲縮率及び浴
槽の液面変動幅を測定した。なお、本発明の装置との比
較のために従来例として1段絞りの装置(図1(a))
と2段絞りの装置(図2(a))についても本発明の装
置と同様の条件で緊張比と浴槽の液温度を制御せずに試
験した。
【0027】試験条件 トウ幅1cm当りの押しつけ荷重:100kg/c
m トウの走行スピード:100m/分 アクリル繊維トウ:単糸繊度5デニール、総デニー
ル150万 浴槽内の液:水 室温:20℃
【0028】本試験例における水分率,脱捲縮率,液面
変動幅の測定方法は下記のとおりである:測定方法 ・水分率(X),水分率の変動(R) 絞られたトウを適当な長さにはさみで切ってサンプリン
グし、トウ重量(W1)を測定する。次にこのトウを乾
燥機に入れてトウに付着している液を蒸発させ絶乾状態
(水分率0%)の時のトウ重量(W2)を測定する。こ
れらの測定を同じ条件で5回行い、以下の計算式によ
り、絞り後の水分率(X)、及び水分率の変動(R)の
値を算出する。
【0029】・脱捲縮率 絞り工程入口及び絞り工程出口のトウをそれぞれはさみ
で切ってサンプリングした捲縮の付与されたトウを、本
来オンラインで乾燥処理をした時にトウが受ける熱履歴
をそのまま再現させながらオフラインにて乾燥させる事
によって捲縮を発現させ、製品ベースでの各トウの捲縮
度(α,β)(%)を測定する。そして以下の計算式に
より脱捲縮率の値を算出する。 なお脱捲縮率は20%を越えると品質規格から外れるよ
うな初期捲縮の付与及びセット条件に設定してあり、脱
捲縮率が20%以内であればそのレベルとは無関係に製
品の捲縮規格の範囲内に入るようにしている。 ・液面変動の幅 トウの浸漬される浴槽に取り付けた液面レベル検出装置
が連続的に示す値において、8時間以内に示した液面レ
ベルの最大値(%)と最小値(%)の差を液面変動幅
(%)とする。
【0030】従来例及び本発明の装置における絞り後の
水分率,水分率の変動,脱捲縮率,及び浴槽の液面変動
幅についての測定結果を表1及び表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】従来例の1段絞りの装置では表1からわか
るように水分率,液面変動幅がいずれも高く、特に液面
変動が大きいため浴槽内の液が時折オーバーフローする
ことがあった。また従来例の2段絞りの装置では1段絞
りの装置より水分率,液面変動幅はいずれも若干低くな
ったが、満足すべき程度ではなかった。本発明の装置で
は表2からわかるようにこれらの従来例に対して水分
率,水分率の変動、及び液面変動幅がいずれも著しく減
少し、しかも緊張比と浴槽の液温度を所定の範囲に制御
している場合は脱捲縮率は充分に品質規格の範囲内であ
った。
【0034】
【発明の効果】本発明では緊張比は1.00より大きく
1.10以下の範囲でトウが絞られるため、付与された
捲縮が伸ばされすぎることもなく、絞り後のトウの水分
率を低く安定した状態で得ることができ、その結果絞り
後のトウの乾燥コストを低減し、かつトウの浸漬される
浴槽の液面変動幅を減少することができる。そして、浴
槽内に油剤を満たし、捲縮の付与されたトウを浸漬させ
た後に絞る場合においては前述の如く安定した水分率が
得られるため、油剤付着率の変動を小さくでき品質向上
の効果も得られる。また本発明ではトウの浸漬される浴
槽内の液温度を50℃以下の一定値で制御できるため、
脱捲縮率が品質規格から外れることもなく、しかも浴槽
内の液温度がトウの温度にほぼ平衡するまでの間の水分
率の変動を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の1段絞り装置を示す図である。
【図2】従来の2段絞り装置を示す図である。
【図3】本発明の絞り装置の一実施例を示す図である。
【図4】本発明の絞り装置における絞りローラーの配置
形態例を示す図である。
【図5】本発明の絞り装置において緊張比を制御する方
法を示す図である。
【図6】本発明の絞り装置の一実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 トウ 2 ローラー 3a,3b,3c ローラー 4a 1段目絞りローラー 4b 1段目駆動絞りローラー 5a 2段目絞りローラー 5b 2段目駆動絞りローラー 6 浴槽 7 液面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】・脱捲縮率 絞り工程入口及び絞り工程出口のトウをそれぞれはさみ
で切ってサンプリングした捲縮の付与されたトウを、本
来オンラインで乾燥処理をした時にトウが受ける熱履歴
をそのまま再現させながらオフラインにて乾燥させる事
によって捲縮を発現させ、製品ベースでの各トウの捲縮
度(α,β)(%)を測定する。そして以下の計算式に
より脱捲縮率の値を算出する。 なお脱捲縮率は20%を越えると品質規格から外れるよ
うな初期捲縮の付与及びセット条件に設定してあり、脱
捲縮率が20%以内であればそのレベルとは無関係に製
品の捲縮規格の範囲内に入るようにしている。 ・液面変動の幅 トウの浸漬される浴槽に取り付けた液面レベル検出装置
が連続的に示す値において、8時間以内に示した液面レ
ベルの最大値(%)と最小値(%)の差を液面変動幅
(%)とする。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 捲縮の付与されたアクリル繊維トウを浴
    槽の液中に浸漬させ次いで取り出し、トウ進行方向に対
    して2段階に配置した絞りローラーによりトウを絞る方
    法において、前記絞りローラー間の緊張比を1.00よ
    り大きく1.10以下にしたことを特徴とする捲縮の付
    与されたアクリル繊維トウの絞り方法。
  2. 【請求項2】 捲縮の付与されたアクリル繊維トウに水
    分付与し、トウ進行方向に対して2段階に配置した絞り
    ローラーによりトウを絞り(第1絞り工程)、次にこの
    繊維トウを油剤の満たされた浴槽に浸漬させ次いで取り
    出し、トウ進行方向に対して2段階に配置した絞りロー
    ラーによりトウを絞る(第2絞り工程)方法において、
    前記第1絞り工程及び第2絞り工程における各絞りロー
    ラー間の緊張比を1.00より大きく1.10以下にし
    たことを特徴とする捲縮の付与されたアクリル繊維トウ
    の絞り方法。
  3. 【請求項3】 浴槽内の液温度を50℃以下の一定値に
    したことを特徴とする請求項1又は2記載の絞り方法。
  4. 【請求項4】 捲縮の付与されたアクリル繊維トウを浸
    漬するための浴槽と、前記繊維トウを絞るための2段階
    に配置した絞りローラーと、前記繊維トウを前記浴槽に
    浸漬させ次いで取り出し前記絞りローラーで絞るように
    走行させるための手段とを含む捲縮の付与されたアクリ
    ル繊維トウの絞り装置において、前記絞りローラー間の
    緊張比を1.00より大きく1.10以下の範囲で制御
    できる手段を設けたことを特徴とする捲縮の付与された
    アクリル繊維トウの絞り装置。
  5. 【請求項5】 捲縮の付与されたアクリル繊維トウに水
    分を付与するための手段と、水分付与された前記繊維ト
    ウを絞るための2段階に配置した絞りローラーと、前記
    繊維トウを浸漬するための油剤浴槽と、浸漬され取り出
    された前記繊維トウを絞るための2段階に配置した絞り
    ローラーと、前記繊維トウに水分付与し、前記絞りロー
    ラーで絞り、次に前記繊維トウを前記油剤浴槽に浸漬さ
    せ取り出し、前記絞りローラーで絞るように走行させる
    ための手段とを含む捲縮の付与されたアクリル繊維トウ
    の絞り装置において、各前記絞りローラー間の緊張比を
    1.00より大きく1.10以下の範囲で制御できる手
    段を設けたことを特徴とする捲縮の付与されたアクリル
    繊維トウの絞り装置。
  6. 【請求項6】 浴槽内の液温度を50℃以下の一定値で
    制御できる手段をさらに設けたことを特徴とする請求項
    4又は5記載の捲縮の付与されたアクリル繊維トウの絞
    り装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003064573A (ja) * 2001-08-27 2003-03-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 炭素繊維トウの洗浄装置
JP2009201440A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Shindo:Kk 鮮度保持シート

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