JPH08158224A - ケミカルレース用基布及びその製造方法 - Google Patents
ケミカルレース用基布及びその製造方法Info
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- JPH08158224A JPH08158224A JP6314206A JP31420694A JPH08158224A JP H08158224 A JPH08158224 A JP H08158224A JP 6314206 A JP6314206 A JP 6314206A JP 31420694 A JP31420694 A JP 31420694A JP H08158224 A JPH08158224 A JP H08158224A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 刺繍する際に、柄ずれ、刺繍針の針折れ、及
び目飛びを生じないケミカルレース用基布、及びその製
造方法を提供すること。 【構成】 本発明のケミカルレース用基布は、温水可溶
性ポリビニルアルコール系繊維(PVA繊維)からなる
絡合不織布が、該PVA繊維の交点でのみ固定されたも
のである。また、本発明のケミカルレース用基布の製造
方法は、PVA繊維からなる絡合不織布を、該PVA繊
維の溶解温度よりも20℃以上高い温度を有するニップ
ロール間を通過させ、該PVA繊維の交点でのみ固定し
たり、PVA繊維からなる絡合不織布に、その重量に対
して20〜500%の水を付与した後、加熱して、該P
VA繊維の交点でのみ固定する方法である。
び目飛びを生じないケミカルレース用基布、及びその製
造方法を提供すること。 【構成】 本発明のケミカルレース用基布は、温水可溶
性ポリビニルアルコール系繊維(PVA繊維)からなる
絡合不織布が、該PVA繊維の交点でのみ固定されたも
のである。また、本発明のケミカルレース用基布の製造
方法は、PVA繊維からなる絡合不織布を、該PVA繊
維の溶解温度よりも20℃以上高い温度を有するニップ
ロール間を通過させ、該PVA繊維の交点でのみ固定し
たり、PVA繊維からなる絡合不織布に、その重量に対
して20〜500%の水を付与した後、加熱して、該P
VA繊維の交点でのみ固定する方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はケミカルレース又はチュ
ールレースに用いることのできる基布、及びその製造方
法に関する。
ールレースに用いることのできる基布、及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ケミカルレース用基布(以下、
「基布」という)として、熱水可溶性ポリビニルアルコ
ール繊維からなる繊維積層物を水溶性接着剤で接着した
不織布(特公昭42−15839号公報)、水溶性ポリ
ビニルアルコール系繊維をアリル変性ポリビニルアルコ
ール系繊維により接着した不織布(特公昭54−296
38号公報)、或いは、熱水可溶性ポリビニルアルコー
ル繊維からなる流体流絡合シートを水溶性樹脂で固定し
た不織布(特公平1−18182号公報)が知られてい
る。
「基布」という)として、熱水可溶性ポリビニルアルコ
ール繊維からなる繊維積層物を水溶性接着剤で接着した
不織布(特公昭42−15839号公報)、水溶性ポリ
ビニルアルコール系繊維をアリル変性ポリビニルアルコ
ール系繊維により接着した不織布(特公昭54−296
38号公報)、或いは、熱水可溶性ポリビニルアルコー
ル繊維からなる流体流絡合シートを水溶性樹脂で固定し
た不織布(特公平1−18182号公報)が知られてい
る。
【0003】しかしながら、これら不織布からなる基布
は、ポリビニルアルコール系繊維を固定するために、繊
維状又は水溶性の接着成分を必要とするが、これら接着
成分を基布全体に、均一に分散させることが困難なた
め、強度のバラツキが生じ、刺繍する際に柄がずれると
いう問題があった。また、接着成分が不織布全体を接着
して基布が硬くなるため、刺繍する際に刺繍針が折れた
り、刺繍針の穴が残って目飛びを生じ、緻密な刺繍を行
うことができないものであった。
は、ポリビニルアルコール系繊維を固定するために、繊
維状又は水溶性の接着成分を必要とするが、これら接着
成分を基布全体に、均一に分散させることが困難なた
め、強度のバラツキが生じ、刺繍する際に柄がずれると
いう問題があった。また、接着成分が不織布全体を接着
して基布が硬くなるため、刺繍する際に刺繍針が折れた
り、刺繍針の穴が残って目飛びを生じ、緻密な刺繍を行
うことができないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決するためになされたものであり、刺繍する際に、柄
ずれ、刺繍針の針折れ、及び目飛びを生じないケミカル
レース用基布、及びその製造方法を提供するものであ
る。
解決するためになされたものであり、刺繍する際に、柄
ずれ、刺繍針の針折れ、及び目飛びを生じないケミカル
レース用基布、及びその製造方法を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のケミカルレース
用基布は、PVA繊維からなる絡合不織布が、このPV
A繊維の交点でのみ固定されたものである。
用基布は、PVA繊維からなる絡合不織布が、このPV
A繊維の交点でのみ固定されたものである。
【0006】本発明のケミカルレース用基布の製造方法
は、PVA繊維からなる絡合不織布を、このPVA繊維
の溶解温度よりも20℃以上高い温度を有するニップロ
ール間を通過させ、このPVA繊維の交点でのみ固定す
る方法や、PVA繊維からなる絡合不織布に、その重量
に対して20〜500%の水を付与した後、加熱して、
このPVA繊維の交点でのみ固定する方法である。
は、PVA繊維からなる絡合不織布を、このPVA繊維
の溶解温度よりも20℃以上高い温度を有するニップロ
ール間を通過させ、このPVA繊維の交点でのみ固定す
る方法や、PVA繊維からなる絡合不織布に、その重量
に対して20〜500%の水を付与した後、加熱して、
このPVA繊維の交点でのみ固定する方法である。
【0007】
【作用】本発明のケミカルレース用基布は、絡合不織布
を構成するPVA繊維自身で固定されているため、強度
のバラツキが少なく、柄のずれにくいものである。ま
た、基布はPVA繊維の交点でのみ固定されており、交
点以外におけるPVA繊維の自由度は大きいため、刺繍
針で刺したとしても、このPVA繊維が押し退けられる
ので、針折れが生じにくく、しかも刺繍針が戻った時に
は、このPVA繊維が元に戻りやすく、目飛びの生じに
くいものである。
を構成するPVA繊維自身で固定されているため、強度
のバラツキが少なく、柄のずれにくいものである。ま
た、基布はPVA繊維の交点でのみ固定されており、交
点以外におけるPVA繊維の自由度は大きいため、刺繍
針で刺したとしても、このPVA繊維が押し退けられる
ので、針折れが生じにくく、しかも刺繍針が戻った時に
は、このPVA繊維が元に戻りやすく、目飛びの生じに
くいものである。
【0008】本発明の基布を構成するポリビニルアルコ
ール系繊維は、刺繍後、容易に除去できるように、30
〜100℃の温水に可溶のもの、より好ましくは、40
〜95℃の温水に可溶である。このPVA繊維は単にポ
リ酢酸ビニルをケン化したものであっても良いし、必要
に応じて、熱処理やアセタール化したものであっても良
いが、溶解温度が30〜100℃のものである。
ール系繊維は、刺繍後、容易に除去できるように、30
〜100℃の温水に可溶のもの、より好ましくは、40
〜95℃の温水に可溶である。このPVA繊維は単にポ
リ酢酸ビニルをケン化したものであっても良いし、必要
に応じて、熱処理やアセタール化したものであっても良
いが、溶解温度が30〜100℃のものである。
【0009】このPVA繊維の繊度は、基布の均一性に
優れるように、0.5〜5デニールであるのが好まし
く、繊維長は絡合が生じ、基布強度に優れるように、5
〜110mmであるのが好ましい。
優れるように、0.5〜5デニールであるのが好まし
く、繊維長は絡合が生じ、基布強度に優れるように、5
〜110mmであるのが好ましい。
【0010】このようなPVA繊維から繊維ウエブを形
成した後に絡合して、絡合不織布を形成する。この繊維
ウエブの形成方法としては、例えば、カード法やエアレ
イ法などの乾式法、湿式法などがある。これらの中で
も、乾式法は25mm以上の比較的繊維長の長い繊維を使
用できるため、絡合処理により繊維同士が絡みやすく、
より強度の優れた基布を得ることができるので、より好
適な繊維ウエブの形成方法である。また、カード法によ
り繊維ウエブを形成する場合、クロスレイヤーなどによ
り、繊維ウエブの流れ方向に対して交差するように配向
させた交差繊維ウエブを含ませると、幅方向の強度にも
優れた基布とすることができるので、より好適な繊維の
配向方向である。なお、湿式法で得た繊維ウエブと乾式
法で得た繊維ウエブとを組み合わせても良い。
成した後に絡合して、絡合不織布を形成する。この繊維
ウエブの形成方法としては、例えば、カード法やエアレ
イ法などの乾式法、湿式法などがある。これらの中で
も、乾式法は25mm以上の比較的繊維長の長い繊維を使
用できるため、絡合処理により繊維同士が絡みやすく、
より強度の優れた基布を得ることができるので、より好
適な繊維ウエブの形成方法である。また、カード法によ
り繊維ウエブを形成する場合、クロスレイヤーなどによ
り、繊維ウエブの流れ方向に対して交差するように配向
させた交差繊維ウエブを含ませると、幅方向の強度にも
優れた基布とすることができるので、より好適な繊維の
配向方向である。なお、湿式法で得た繊維ウエブと乾式
法で得た繊維ウエブとを組み合わせても良い。
【0011】このようにして得られる繊維ウエブを絡合
すると、PVA繊維同士の交点が増加するため、後述の
ように、PVA繊維の交点で固定すると、強度的により
一層優れた基布を得ることができる。この絡合方法とし
ては、例えば、水流などの流体流による絡合や、ニード
ルによる絡合などがあるが、流体流による絡合であれ
ば、繊維ウエブ全体を均一に絡合することができ、しか
もその絡合が緻密で、繊維同士の交点が多くなるため、
より好適な絡合方法である。
すると、PVA繊維同士の交点が増加するため、後述の
ように、PVA繊維の交点で固定すると、強度的により
一層優れた基布を得ることができる。この絡合方法とし
ては、例えば、水流などの流体流による絡合や、ニード
ルによる絡合などがあるが、流体流による絡合であれ
ば、繊維ウエブ全体を均一に絡合することができ、しか
もその絡合が緻密で、繊維同士の交点が多くなるため、
より好適な絡合方法である。
【0012】この流体流による絡合について、簡単に述
べると、径0.05〜0.3mm、ピッチ0.2mm〜3mmの
ノズルを1列に配列したり、ノズルを規則正しく又は不
規則に、2列以上に配列したノズルプレートを使用し、
噴出圧力10〜200kg/cm2で流体を噴出して、絡合処
理を行う。なお、繊維ウエブを支持する支持体として
は、絡合不織布に孔が生じないように、40メッシュ以
上の目の細かいネットや、たて、よこ夫々10mmあたり
の孔数が平均15個以上の多孔板を使用するのが好まし
い。また、絡合処理は2度以上作用させても良いし、ど
ちらか一方の面からのみ作用させても良いし、両面から
作用させても良い。
べると、径0.05〜0.3mm、ピッチ0.2mm〜3mmの
ノズルを1列に配列したり、ノズルを規則正しく又は不
規則に、2列以上に配列したノズルプレートを使用し、
噴出圧力10〜200kg/cm2で流体を噴出して、絡合処
理を行う。なお、繊維ウエブを支持する支持体として
は、絡合不織布に孔が生じないように、40メッシュ以
上の目の細かいネットや、たて、よこ夫々10mmあたり
の孔数が平均15個以上の多孔板を使用するのが好まし
い。また、絡合処理は2度以上作用させても良いし、ど
ちらか一方の面からのみ作用させても良いし、両面から
作用させても良い。
【0013】なお、この絡合処理の後、ピンテンターな
どによって緊張処理を行うと、より基布の強度を向上さ
せることができるので、緊張処理を行うのがより好まし
い。
どによって緊張処理を行うと、より基布の強度を向上さ
せることができるので、緊張処理を行うのがより好まし
い。
【0014】このようにして得た絡合不織布のPVA繊
維により、PVA繊維の交点でのみ固定して、本発明の
基布を得る。なお、本発明における固定とは、PVA繊
維が交点でのみ溶融し、固化している状態や、繊維同士
が繊維形状を変形させて密接し、PVA繊維の交点にお
いてのみ自由度のない状態をいう。
維により、PVA繊維の交点でのみ固定して、本発明の
基布を得る。なお、本発明における固定とは、PVA繊
維が交点でのみ溶融し、固化している状態や、繊維同士
が繊維形状を変形させて密接し、PVA繊維の交点にお
いてのみ自由度のない状態をいう。
【0015】この固定方法としては、例えば、絡合不織
布をPVA繊維の溶解温度よりも20℃以上高い温度を
有するニップロール間を通過させると、このPVA繊維
以外に接着成分となるものが存在していないため、この
PVA繊維の交点でのみ固定が生じる。この場合の固定
は、主としてPVA繊維同士が繊維形状を変形させて密
接し、PVA繊維の交点においてのみ自由度のない状態
にある。
布をPVA繊維の溶解温度よりも20℃以上高い温度を
有するニップロール間を通過させると、このPVA繊維
以外に接着成分となるものが存在していないため、この
PVA繊維の交点でのみ固定が生じる。この場合の固定
は、主としてPVA繊維同士が繊維形状を変形させて密
接し、PVA繊維の交点においてのみ自由度のない状態
にある。
【0016】なお、このニップロール間を通過させて固
定する場合、このPVA繊維同士の固定を十分に行な
い、かつ、フィルム化(刺繍針の穴が残るため、目飛び
が生じたり、強度も低下する)することのないように、
特に、ロール温度、ニップロール間圧力、及び絡合不織
布を構成するPVA繊維の水分量に注意する必要があ
る。ロール温度は、PVA繊維の溶解温度よりも20℃
以上高くするのが好ましく、40℃以上高くするのがよ
り好ましい。なお、ロール温度を300℃以下、より好
ましくは250℃以下にすると、製造上、より取り扱い
やすい。また、このニップロールによる圧力は10〜3
00kg/cmとするのが好ましく、30〜250kg/cmとす
るのがより好ましい。更に、繊維の水分量は20%以下
とするのが好ましく、10%以下とするのがより好まし
い。
定する場合、このPVA繊維同士の固定を十分に行な
い、かつ、フィルム化(刺繍針の穴が残るため、目飛び
が生じたり、強度も低下する)することのないように、
特に、ロール温度、ニップロール間圧力、及び絡合不織
布を構成するPVA繊維の水分量に注意する必要があ
る。ロール温度は、PVA繊維の溶解温度よりも20℃
以上高くするのが好ましく、40℃以上高くするのがよ
り好ましい。なお、ロール温度を300℃以下、より好
ましくは250℃以下にすると、製造上、より取り扱い
やすい。また、このニップロールによる圧力は10〜3
00kg/cmとするのが好ましく、30〜250kg/cmとす
るのがより好ましい。更に、繊維の水分量は20%以下
とするのが好ましく、10%以下とするのがより好まし
い。
【0017】他の固定方法としては、例えば、絡合不織
布に、その重量に対して20〜500%の水を含浸やス
プレーなどの方法により付与した後、絡合不織布を加熱
し、このPVA繊維同士を固定する方法がある。この場
合も、PVA繊維以外に接着成分となるものが存在して
いないため、PVA繊維の交点でのみ固定が生じる。こ
の場合の固定は、主として、PVA繊維がその交点での
み溶融し、固化した状態にある。
布に、その重量に対して20〜500%の水を含浸やス
プレーなどの方法により付与した後、絡合不織布を加熱
し、このPVA繊維同士を固定する方法がある。この場
合も、PVA繊維以外に接着成分となるものが存在して
いないため、PVA繊維の交点でのみ固定が生じる。こ
の場合の固定は、主として、PVA繊維がその交点での
み溶融し、固化した状態にある。
【0018】この絡合不織布に付与する水の量が、絡合
不織布の重量の20%未満であると、PVA繊維同士を
十分に固定することができず、500%を越えると、加
熱時に繊維交点以外でもPVA繊維が溶解、固化してフ
ィルム化し、針折れや目飛びが発生しやすくなるため
で、より好ましくは、50〜400%である。 なお、
絡合不織布を水流絡合により形成すると、既に水を含ん
でいるため、水の付与工程を省略できるという利点があ
る。
不織布の重量の20%未満であると、PVA繊維同士を
十分に固定することができず、500%を越えると、加
熱時に繊維交点以外でもPVA繊維が溶解、固化してフ
ィルム化し、針折れや目飛びが発生しやすくなるため
で、より好ましくは、50〜400%である。 なお、
絡合不織布を水流絡合により形成すると、既に水を含ん
でいるため、水の付与工程を省略できるという利点があ
る。
【0019】この加熱はPVA繊維の溶解温度以上で行
い、このPVA繊維を溶融、固化及び乾燥するのが好ま
しい。なお、この際に、通風しながら加熱するなど、急
速に乾燥する条件下では、PVA繊維の溶融、固化が生
じにくいので、通風させないか、或いは通風させても通
風量を抑えて、加熱するのが好ましい。
い、このPVA繊維を溶融、固化及び乾燥するのが好ま
しい。なお、この際に、通風しながら加熱するなど、急
速に乾燥する条件下では、PVA繊維の溶融、固化が生
じにくいので、通風させないか、或いは通風させても通
風量を抑えて、加熱するのが好ましい。
【0020】なお、この方法で固定する場合、絡合不織
布が幅方向に収縮しやすいため、例えば、ピンテンター
や、ネットに挟むなどの方法によって、緊張下で加熱す
るのが好ましい。これらの中でも、ピンテンターによる
緊張処理は幅方向の収縮を抑えることができるばかりで
なく、幅方向に拡幅でき、幅方向の強度を向上させるこ
とができるので、より好ましい緊張処理方法である。
布が幅方向に収縮しやすいため、例えば、ピンテンター
や、ネットに挟むなどの方法によって、緊張下で加熱す
るのが好ましい。これらの中でも、ピンテンターによる
緊張処理は幅方向の収縮を抑えることができるばかりで
なく、幅方向に拡幅でき、幅方向の強度を向上させるこ
とができるので、より好ましい緊張処理方法である。
【0021】このようにして得られる基布の目付は15
〜60g/m2であるのが好ましい。目付15g/m2未満で
は、繊維の絶対量が少ないため強度のないものしか得ら
れず、60g/m2を越えると、刺繍針の針折れが多くなる
ためで、より好ましくは25〜45g/m2である。また、
基布の見掛密度は0.05〜0.7g/cm3であるのが好ま
しい。見掛密度が0.05g/cm3未満では、PVA繊維自
体が少なく、繊維同士の交点も少ないため、強度のない
基布となり、0.7g/cm3を越えると、PVA繊維の交点
が多すぎて、PVA繊維の自由度が低く、針折れが生じ
やすくなるためで、より好ましくは0.08〜0.5g/cm
3である。
〜60g/m2であるのが好ましい。目付15g/m2未満で
は、繊維の絶対量が少ないため強度のないものしか得ら
れず、60g/m2を越えると、刺繍針の針折れが多くなる
ためで、より好ましくは25〜45g/m2である。また、
基布の見掛密度は0.05〜0.7g/cm3であるのが好ま
しい。見掛密度が0.05g/cm3未満では、PVA繊維自
体が少なく、繊維同士の交点も少ないため、強度のない
基布となり、0.7g/cm3を越えると、PVA繊維の交点
が多すぎて、PVA繊維の自由度が低く、針折れが生じ
やすくなるためで、より好ましくは0.08〜0.5g/cm
3である。
【0022】本発明の基布はPVA繊維の交点でのみ固
定されており、交点以外におけるPVA繊維の自由度は
大きいため、刺繍針で刺した場合に、PVA繊維が押し
退けられる。その針刺しの抵抗が小さく、針折れの生じ
ないということを示す値である、針刺し抵抗値が1.2k
g/5cm幅以下、より好ましくは1.0kg/5cm幅以下であ
る。この針刺し抵抗値が1.2kg/5cm幅以下という値
は、絡合不織布を接着成分で固定した基布では得られな
かった値である。なお、この針刺し抵抗値は次のように
して得られる値をいう。まず、基材をたて50mm、よこ
(基材の幅方向)200mmに裁断し、この基材を引張試
験機((株)オリエンテック製、UCT−100)のチ
ャック間(100mm)に固定する。次いで、刺繍針(オ
ルガン針(株)製、ORGAN NEEDLES SH×
1 SISE2)を6秒に1回の割合で、基材の10箇
所を垂直に突き刺し、このチャック間にかかる荷重をロ
ードセルにより検出し、その値を測定する。この操作を
10回繰り返し、その平均値を基布の針刺し抵抗値とす
る。
定されており、交点以外におけるPVA繊維の自由度は
大きいため、刺繍針で刺した場合に、PVA繊維が押し
退けられる。その針刺しの抵抗が小さく、針折れの生じ
ないということを示す値である、針刺し抵抗値が1.2k
g/5cm幅以下、より好ましくは1.0kg/5cm幅以下であ
る。この針刺し抵抗値が1.2kg/5cm幅以下という値
は、絡合不織布を接着成分で固定した基布では得られな
かった値である。なお、この針刺し抵抗値は次のように
して得られる値をいう。まず、基材をたて50mm、よこ
(基材の幅方向)200mmに裁断し、この基材を引張試
験機((株)オリエンテック製、UCT−100)のチ
ャック間(100mm)に固定する。次いで、刺繍針(オ
ルガン針(株)製、ORGAN NEEDLES SH×
1 SISE2)を6秒に1回の割合で、基材の10箇
所を垂直に突き刺し、このチャック間にかかる荷重をロ
ードセルにより検出し、その値を測定する。この操作を
10回繰り返し、その平均値を基布の針刺し抵抗値とす
る。
【0023】以下に、本発明の実施例を記載するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、
10%モジュラスは、引張試験機((株)オリエンテッ
ク製、UCT−100)のチャック間(100mm)に固
定し、引張速度200mm/分で測定した時の値をいう。
発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、
10%モジュラスは、引張試験機((株)オリエンテッ
ク製、UCT−100)のチャック間(100mm)に固
定し、引張速度200mm/分で測定した時の値をいう。
【0024】
(実施例1)温水可溶温度80℃のPVA繊維(繊度
1.2デニール、繊維長51mm)をカード機により開繊
した一方向性繊維ウエブを、クロスレイヤーにより、繊
維ウエブの流れ方向に対して交差させて交差繊維ウエブ
を得た。この交差繊維ウエブを120メッシュの金網上
に載置し、径0.15mm、ピッチ1.0mmのノズルから、
ノズルの内圧30kg/cm2の水流を噴出させ、次いで、同
様のノズルからノズルの内圧60kg/cm2の水流を噴出さ
せた後、交差繊維ウエブを反転させ、同様のノズルか
ら、ノズルの内圧60kg/cm2の水流を噴出させた。次い
で、通風式乾燥機で乾燥した後、温度20℃、湿度65
%の室内に8時間放置して絡合不織布を得た。この絡合
不織布のPVA繊維の水分率は5%であった。その後、
絡合不織布を表面温度120℃、線圧50kg/cmのニッ
プロール間を通過させ、目付38g/m2、厚さ0.19m
m、見掛密度0.20g/cm3、針刺し抵抗値0.5kg/5cm
幅、10%モジュラス4.2kg/5cm幅(たて)及び2.5
kg/5cm幅(よこ)のケミカルレース用基布を得た。
1.2デニール、繊維長51mm)をカード機により開繊
した一方向性繊維ウエブを、クロスレイヤーにより、繊
維ウエブの流れ方向に対して交差させて交差繊維ウエブ
を得た。この交差繊維ウエブを120メッシュの金網上
に載置し、径0.15mm、ピッチ1.0mmのノズルから、
ノズルの内圧30kg/cm2の水流を噴出させ、次いで、同
様のノズルからノズルの内圧60kg/cm2の水流を噴出さ
せた後、交差繊維ウエブを反転させ、同様のノズルか
ら、ノズルの内圧60kg/cm2の水流を噴出させた。次い
で、通風式乾燥機で乾燥した後、温度20℃、湿度65
%の室内に8時間放置して絡合不織布を得た。この絡合
不織布のPVA繊維の水分率は5%であった。その後、
絡合不織布を表面温度120℃、線圧50kg/cmのニッ
プロール間を通過させ、目付38g/m2、厚さ0.19m
m、見掛密度0.20g/cm3、針刺し抵抗値0.5kg/5cm
幅、10%モジュラス4.2kg/5cm幅(たて)及び2.5
kg/5cm幅(よこ)のケミカルレース用基布を得た。
【0025】(実施例2)温水可溶温度60℃のPVA
繊維(繊度1.2デニール、繊維長38mm)をカード機
により開繊した一方向性の繊維ウエブと、クロスレイヤ
ーにより、この一方向性繊維ウエブに対して繊維ウエブ
を交差させながら積層し、積層繊維ウエブを得た。この
積層繊維ウエブを100メッシュの金網上に載置し、径
0.15mm、ピッチ0.8mmのノズルから、ノズルの内圧
20kg/cm2の水流を噴出させ、次いで、同様のノズルか
ら40kg/cm2の水流を噴出させた後、積層繊維ウエブを
反転させ、同様のノズルから、ノズルの内圧40kg/cm2
の水流を噴出させた。次いで、通風式乾燥機で乾燥した
後、温度20℃、湿度65%の室内に8時間放置し、絡
合不織布を得た。この絡合不織布のPVA繊維の水分率
は5%であった。その後、絡合不織布を表面温度120
℃、線圧100kg/cmのニップロール間を通過させ、目
付37g/m2、厚さ0.18mm、見掛密度0.21g/cm3、
針刺し抵抗値0.5kg/5cm幅、10%モジュラス3.8kg
/5cm幅(たて)及び2.2kg/5cm幅(よこ)のケミカル
レース用基布を得た。
繊維(繊度1.2デニール、繊維長38mm)をカード機
により開繊した一方向性の繊維ウエブと、クロスレイヤ
ーにより、この一方向性繊維ウエブに対して繊維ウエブ
を交差させながら積層し、積層繊維ウエブを得た。この
積層繊維ウエブを100メッシュの金網上に載置し、径
0.15mm、ピッチ0.8mmのノズルから、ノズルの内圧
20kg/cm2の水流を噴出させ、次いで、同様のノズルか
ら40kg/cm2の水流を噴出させた後、積層繊維ウエブを
反転させ、同様のノズルから、ノズルの内圧40kg/cm2
の水流を噴出させた。次いで、通風式乾燥機で乾燥した
後、温度20℃、湿度65%の室内に8時間放置し、絡
合不織布を得た。この絡合不織布のPVA繊維の水分率
は5%であった。その後、絡合不織布を表面温度120
℃、線圧100kg/cmのニップロール間を通過させ、目
付37g/m2、厚さ0.18mm、見掛密度0.21g/cm3、
針刺し抵抗値0.5kg/5cm幅、10%モジュラス3.8kg
/5cm幅(たて)及び2.2kg/5cm幅(よこ)のケミカル
レース用基布を得た。
【0026】(実施例3)温水可溶温度90℃のPVA
繊維(繊度1.2デニール、繊維長38mm)をカード機
により開繊した一方向性繊維ウエブをクロスレイヤーに
より、繊維ウエブの流れ方向に対して交差させた交差繊
維ウエブを得た。この交差繊維ウエブを100メッシュ
の金網上に載置し、径0.15mm、ピッチ1.0mmのノズ
ルから、ノズルの内圧30kg/cm2の水流を噴出させ、次
いで、同様のノズルから60kg/cm2の水流を噴出させた
後、交差繊維ウエブを反転させ、同様のノズルから、ノ
ズルの内圧60kg/cm2の水流を2回噴出させ、次いで、
ピンテンターにより1.3倍に拡幅しながら、通風式乾
燥機で乾燥した後、温度20℃、湿度65%の室内に8
時間放置し、絡合不織布を得た。この絡合不織布のPV
A繊維の水分率は5%であった。その後、絡合不織布を
表面温度150℃、線圧150kg/cmのニップロール間
を通過させ、目付33g/m2、厚さ0.12mm、見掛密度
0.28g/cm3、針刺し抵抗値1.0kg/5cm幅、10%モ
ジュラス2.8kg/5cm幅(たて)及び4.1kg/5cm幅(よ
こ)のケミカルレース用基布を得た。
繊維(繊度1.2デニール、繊維長38mm)をカード機
により開繊した一方向性繊維ウエブをクロスレイヤーに
より、繊維ウエブの流れ方向に対して交差させた交差繊
維ウエブを得た。この交差繊維ウエブを100メッシュ
の金網上に載置し、径0.15mm、ピッチ1.0mmのノズ
ルから、ノズルの内圧30kg/cm2の水流を噴出させ、次
いで、同様のノズルから60kg/cm2の水流を噴出させた
後、交差繊維ウエブを反転させ、同様のノズルから、ノ
ズルの内圧60kg/cm2の水流を2回噴出させ、次いで、
ピンテンターにより1.3倍に拡幅しながら、通風式乾
燥機で乾燥した後、温度20℃、湿度65%の室内に8
時間放置し、絡合不織布を得た。この絡合不織布のPV
A繊維の水分率は5%であった。その後、絡合不織布を
表面温度150℃、線圧150kg/cmのニップロール間
を通過させ、目付33g/m2、厚さ0.12mm、見掛密度
0.28g/cm3、針刺し抵抗値1.0kg/5cm幅、10%モ
ジュラス2.8kg/5cm幅(たて)及び4.1kg/5cm幅(よ
こ)のケミカルレース用基布を得た。
【0027】(実施例4)絡合不織布を表面温度220
℃、線圧200kg/cmのニップロール間を通過させたこ
と以外は、実施例3と全く同様にして、目付33g/m2、
厚さ0.07mm、見掛密度0.47g/cm3、針刺し抵抗値
1.1kg/5cm幅、10%モジュラス3.2kg/5cm幅(た
て)及び4.3kg/5cm幅(よこ)のケミカルレース用基
布を得た。
℃、線圧200kg/cmのニップロール間を通過させたこ
と以外は、実施例3と全く同様にして、目付33g/m2、
厚さ0.07mm、見掛密度0.47g/cm3、針刺し抵抗値
1.1kg/5cm幅、10%モジュラス3.2kg/5cm幅(た
て)及び4.3kg/5cm幅(よこ)のケミカルレース用基
布を得た。
【0028】(比較例1)実施例1と全く同様にして得
た絡合不織布をケミカルレース用基布とした。このケミ
カルレース用基布は目付39g/m2、厚さ0.39mm、見
掛密度0.1g/cm3、針刺し抵抗値0.4kg/5cm幅、10
%モジュラス0.6kg/5cm幅(たて)及び0.1kg/5cm幅
(よこ)であった。
た絡合不織布をケミカルレース用基布とした。このケミ
カルレース用基布は目付39g/m2、厚さ0.39mm、見
掛密度0.1g/cm3、針刺し抵抗値0.4kg/5cm幅、10
%モジュラス0.6kg/5cm幅(たて)及び0.1kg/5cm幅
(よこ)であった。
【0029】(比較例2)温水可溶温度80℃のPVA
繊維(繊度1.2デニール、繊維長51mm)をカード機
により開繊した一方向性繊維ウエブをクロスレイヤーに
より、繊維ウエブの流れ方向に対して交差させた交差繊
維ウエブを得た。この交差繊維ウエブを3%PVA溶液
中に浸漬して、PVA樹脂を固形分で3.1g/m2付着さ
せ、150℃の通風式乾燥機で乾燥し、目付32g/m2、
厚さ0.40mm、見掛密度0.08g/cm3、針刺し抵抗値
0.5kg/5cm幅、10%モジュラス2.4kg/5cm幅(た
て)及び1.6kg/5cm幅(よこ)のケミカルレース用基
布を得た。
繊維(繊度1.2デニール、繊維長51mm)をカード機
により開繊した一方向性繊維ウエブをクロスレイヤーに
より、繊維ウエブの流れ方向に対して交差させた交差繊
維ウエブを得た。この交差繊維ウエブを3%PVA溶液
中に浸漬して、PVA樹脂を固形分で3.1g/m2付着さ
せ、150℃の通風式乾燥機で乾燥し、目付32g/m2、
厚さ0.40mm、見掛密度0.08g/cm3、針刺し抵抗値
0.5kg/5cm幅、10%モジュラス2.4kg/5cm幅(た
て)及び1.6kg/5cm幅(よこ)のケミカルレース用基
布を得た。
【0030】(比較例3)実施例3と全く同様にして水
流を噴出した後、更に、3%PVA溶液中に浸漬して、
PVA樹脂を2.2g/m2付着させ、ピンテンターにより
1.3倍に拡幅しながら、通風式乾燥機で乾燥したもの
をケミカルレース用基布とした。このケミカルレース用
基布は、目付36g/m2、厚さ0.06mm、見掛密度0.6
0g/cm3、針刺し抵抗値1.5kg/5cm幅、10%モジュラ
ス3.5kg/5cm幅(たて)及び6.5kg/5cm幅(よこ)で
あった。
流を噴出した後、更に、3%PVA溶液中に浸漬して、
PVA樹脂を2.2g/m2付着させ、ピンテンターにより
1.3倍に拡幅しながら、通風式乾燥機で乾燥したもの
をケミカルレース用基布とした。このケミカルレース用
基布は、目付36g/m2、厚さ0.06mm、見掛密度0.6
0g/cm3、針刺し抵抗値1.5kg/5cm幅、10%モジュラ
ス3.5kg/5cm幅(たて)及び6.5kg/5cm幅(よこ)で
あった。
【0031】(比較例4)表面温度60℃、線圧30kg
/cmのニップロール間を通過させたこと以外は、実施例
1と全く同様にして、目付38g/m2、厚さ0.23mm、
見掛密度0.17g/cm3、針刺し抵抗値0.6kg/5cm幅、
10%モジュラス2.1kg/5cm幅(たて)及び0.9kg/5
cm幅(よこ)のケミカルレース用基布を得た。
/cmのニップロール間を通過させたこと以外は、実施例
1と全く同様にして、目付38g/m2、厚さ0.23mm、
見掛密度0.17g/cm3、針刺し抵抗値0.6kg/5cm幅、
10%モジュラス2.1kg/5cm幅(たて)及び0.9kg/5
cm幅(よこ)のケミカルレース用基布を得た。
【0032】(実施例5)実施例1と同様に絡合した
後、通風式乾燥機で乾燥し、絡合不織布を得た。次い
で、この絡合不織布に、その重量に対して200%の水
を含浸し、ピンテンターにより1.3倍に拡幅しなが
ら、150℃の乾燥機により湿熱状態で加熱して、目付
35g/m2、厚さ0.36mm、見掛密度0.10g/cm3、針
刺し抵抗値0.8kg/5cm幅、10%モジュラス3.1kg/5
cm幅(たて)及び4.0kg/5cm幅(よこ)のケミカルレ
ース用基布を得た。
後、通風式乾燥機で乾燥し、絡合不織布を得た。次い
で、この絡合不織布に、その重量に対して200%の水
を含浸し、ピンテンターにより1.3倍に拡幅しなが
ら、150℃の乾燥機により湿熱状態で加熱して、目付
35g/m2、厚さ0.36mm、見掛密度0.10g/cm3、針
刺し抵抗値0.8kg/5cm幅、10%モジュラス3.1kg/5
cm幅(たて)及び4.0kg/5cm幅(よこ)のケミカルレ
ース用基布を得た。
【0033】(実施例6)絡合不織布に、その重量に対
して60%の水を含浸したこと以外は、実施例5と全く
同様にして、目付35g/m2、厚さ0.40mm、見掛密度
0.09g/cm3、針刺し抵抗値0.7kg/5cm幅、10%モ
ジュラス2.1kg/5cm幅(たて)及び3.0kg/5cm幅(よ
こ)のケミカルレース用基布を得た。
して60%の水を含浸したこと以外は、実施例5と全く
同様にして、目付35g/m2、厚さ0.40mm、見掛密度
0.09g/cm3、針刺し抵抗値0.7kg/5cm幅、10%モ
ジュラス2.1kg/5cm幅(たて)及び3.0kg/5cm幅(よ
こ)のケミカルレース用基布を得た。
【0034】(実施例7)絡合不織布に、その重量に対
して400%の水を含浸したこと以外は、実施例5と全
く同様にして、目付35g/m2、厚さ0.37mm、見掛密
度0.10g/cm3、針刺し抵抗値1.0kg/5cm幅、10%
モジュラス3.3kg/5cm幅(たて)及び4.3kg/5cm幅
(よこ)のケミカルレース用基布を得た。
して400%の水を含浸したこと以外は、実施例5と全
く同様にして、目付35g/m2、厚さ0.37mm、見掛密
度0.10g/cm3、針刺し抵抗値1.0kg/5cm幅、10%
モジュラス3.3kg/5cm幅(たて)及び4.3kg/5cm幅
(よこ)のケミカルレース用基布を得た。
【0035】(比較例5)絡合不織布に、その重量に対
して10%の水を含浸したこと以外は、実施例5と全く
同様にして、目付35g/m2、厚さ0.45mm、見掛密度
0.08g/cm3、針刺し抵抗値0.6kg/5cm幅、10%モ
ジュラス1.0kg/5cm幅(たて)及び1.4kg/5cm幅(よ
こ)のケミカルレース用基布を得た。
して10%の水を含浸したこと以外は、実施例5と全く
同様にして、目付35g/m2、厚さ0.45mm、見掛密度
0.08g/cm3、針刺し抵抗値0.6kg/5cm幅、10%モ
ジュラス1.0kg/5cm幅(たて)及び1.4kg/5cm幅(よ
こ)のケミカルレース用基布を得た。
【0036】(比較例6)絡合不織布に、その重量に対
して700%の水を含浸したこと以外は、実施例5と全
く同様にして、目付35g/m2、厚さ0.35mm、見掛密
度0.10g/cm3、針刺し抵抗値1.7kg/5cm幅、10%
モジュラス4.3kg/5cm幅(たて)及び5.5kg/5cm幅
(よこ)のケミカルレース用基布を得た。
して700%の水を含浸したこと以外は、実施例5と全
く同様にして、目付35g/m2、厚さ0.35mm、見掛密
度0.10g/cm3、針刺し抵抗値1.7kg/5cm幅、10%
モジュラス4.3kg/5cm幅(たて)及び5.5kg/5cm幅
(よこ)のケミカルレース用基布を得た。
【0037】(刺繍試験)実施例1〜7及び比較例1〜
6のケミカルレース用基布(幅112cm、長さ14.5
m)をエムブロイダリーレース機によって刺繍した後、
95〜100℃の熱水中に浸漬して、ケミカルレース用
基布を溶解除去した。この時、刺繍作業時の針折れや、
刺繍の柄ずれ及び目飛び状態を評価した。この結果は表
1に示すように、本発明のケミカルレース用基布は針折
れを生じることなく作業でき、得られた刺繍は柄ずれ及
び目飛びを生じておらず、緻密なものであった。
6のケミカルレース用基布(幅112cm、長さ14.5
m)をエムブロイダリーレース機によって刺繍した後、
95〜100℃の熱水中に浸漬して、ケミカルレース用
基布を溶解除去した。この時、刺繍作業時の針折れや、
刺繍の柄ずれ及び目飛び状態を評価した。この結果は表
1に示すように、本発明のケミカルレース用基布は針折
れを生じることなく作業でき、得られた刺繍は柄ずれ及
び目飛びを生じておらず、緻密なものであった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のケミカルレース用基布は、絡合
不織布を構成するPVA繊維自身で固定されているた
め、強度のバラツキが少なく、柄のずれにくいものであ
る。また、基布はPVA繊維の交点でのみ固定されてい
るため、針折れが生じにくく、しかも目飛びの生じにく
いものである。
不織布を構成するPVA繊維自身で固定されているた
め、強度のバラツキが少なく、柄のずれにくいものであ
る。また、基布はPVA繊維の交点でのみ固定されてい
るため、針折れが生じにくく、しかも目飛びの生じにく
いものである。
【0040】本発明のケミカルレース用基布の製造方法
は、PVA繊維からなる絡合不織布を、このPVA繊維
の溶解温度よりも20℃以上高い温度を有するニップロ
ール間を通過させ、このPVA繊維の交点でのみ固定す
る方法や、PVA繊維からなる絡合不織布に、その重量
に対して20〜500%の水を付与した後、加熱して、
このPVA繊維の交点でのみ固定する方法であり、容易
に、PVA繊維の交点でのみ固定することのできる方法
である。
は、PVA繊維からなる絡合不織布を、このPVA繊維
の溶解温度よりも20℃以上高い温度を有するニップロ
ール間を通過させ、このPVA繊維の交点でのみ固定す
る方法や、PVA繊維からなる絡合不織布に、その重量
に対して20〜500%の水を付与した後、加熱して、
このPVA繊維の交点でのみ固定する方法であり、容易
に、PVA繊維の交点でのみ固定することのできる方法
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 温水可溶性ポリビニルアルコール系繊維
(以下、「PVA繊維」という)からなる絡合不織布
が、該PVA繊維の交点でのみ固定されていることを特
徴とするケミカルレース用基布。 - 【請求項2】 PVA繊維からなる絡合不織布を、該P
VA繊維の溶解温度よりも20℃以上高い温度を有する
ニップロール間を通過させ、該PVA繊維の交点でのみ
固定することを特徴とするケミカルレース用基布の製造
方法。 - 【請求項3】 PVA繊維からなる絡合不織布に、その
重量に対して20〜500%の水を付与した後、加熱し
て、該PVA繊維の交点でのみ固定することを特徴とす
るケミカルレース用基布の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6314206A JPH08158224A (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | ケミカルレース用基布及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6314206A JPH08158224A (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | ケミカルレース用基布及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08158224A true JPH08158224A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=18050558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6314206A Pending JPH08158224A (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | ケミカルレース用基布及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08158224A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6576575B2 (en) | 2000-05-15 | 2003-06-10 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Dispersible adherent article |
JP4796571B2 (ja) * | 2005-03-25 | 2011-10-19 | 株式会社クラレ | ケミカルレース用基布及びその製造方法 |
RU184769U1 (ru) * | 2018-08-27 | 2018-11-08 | Общество с ограниченной ответственностью "Гамма" | Водорастворимый стабилизатор для ткани |
-
1994
- 1994-11-24 JP JP6314206A patent/JPH08158224A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6576575B2 (en) | 2000-05-15 | 2003-06-10 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Dispersible adherent article |
JP4796571B2 (ja) * | 2005-03-25 | 2011-10-19 | 株式会社クラレ | ケミカルレース用基布及びその製造方法 |
RU184769U1 (ru) * | 2018-08-27 | 2018-11-08 | Общество с ограниченной ответственностью "Гамма" | Водорастворимый стабилизатор для ткани |
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