JPH08158113A - バストパッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳房の形状の個人差により着用者に圧迫感を
与えることがなく、所定のバストパッド形状を保持でき
る。 【構成】 弾力性を有する材料で湾曲状に成形されたバ
ストパッド本体２と、このバストパッド本体２の内側中
間部に張設された伸縮性を有する布片４とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば、水着に適用
されるバストパッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、バストパッドは、布地や不織布
を縫製することで作られたり、軟質ウレタン樹脂のよう
な合成樹脂材料、または、布地や不織布に合成樹脂材料
を含浸した材料を湾曲状に成形した芯体を布地で覆うこ
とで作られており、使用に際しては、水着やブラジャー
に組み込まれ、女性の乳房を保護したりボディラインを
整えるようにしている。

【０００３】最近では、女性の乳房を保護するだけでは
なく、バストアップを目的として、バストパッドに金属
線や形状記憶合金を組み込んだものも開発されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記形式のバ
ストパッドでは、女性の乳房に密着する部分が厚いた
め、空気の流通性が悪く、着用感に欠けるという難点が
ある。そこで、本出願人は、弾力性を有する材料で湾曲
状に成形されたバストパッド本体の周縁部に伸縮性を有
する布片を張設することで、布片を女性の乳房と密着さ
せてバストパッド本体と女性の乳房との間に空間を形成
するとともに、空気の流通性を高めることで着用感をよ
くするバストパッドを開発した。しかし、上記バストパ
ッドは、バストパッド自体の形状にもよるが、乳房の形
状の個人差、特に、乳房の大きい女性に用いた場合に
は、着用者に圧迫感を与えてしまうことがある。

【０００５】本発明は上記した点に鑑みてなされたもの
で、バストパッド本体に張設される伸縮性を有する布片
をバストパッド本体の内側中間部に位置させることで、
女性の乳房と密着度合いを緩和しながら、バストパッド
本体と女性の乳房との間に空間を形成し、空気の流通性
を高めることで着用感をよくするバストパッドを提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のバストパッド
は、弾力性を有する材料で湾曲状に成形されたバストパ
ッド本体と、このバストパッド本体の内側中間部に張設
された伸縮性を有する布片とから構成される。

【０００７】

【作用】本発明のバストパッドでは、バストパッド本体
に張設された布片に女性の乳房が適度に密着するので、
着用者に圧迫感を与えてしまうことがなく、バストパッ
ド本体と女性の乳房との間に形成される空間が空気通路
として作用するので、通気性に富み、着用感がよくな
る。

【０００８】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面につき説明す
る。図１は本発明によるバストパッドの断面図を示し、
このバストパッド１は、ＥＶＡ（エチレン−酢酸ビニル
コポリマー）樹脂や軟質ウレタン樹脂のような弾力性を
有する合成樹脂材料を通常の成形型で成形したバストパ
ッド本体２と、このバストパッド本体２の表面を覆うよ
うに接着された布片３と、バストパッド本体２の内側中
間部２ａに張設されたた伸縮性を有する布片４とから構
成され、この布片４の周縁部分４ａはバストパッド本体
２の周縁部２ｂに接着されている。上記バストパッド本
体２と布片４の間にには、空気通路となる空間５が形成
されている。

【０００９】上記バストパッド本体２は、中心部を高
く、側辺部を低くし、乳房の表面部の形状に対応してな
だらかなふくらみを形成する湾曲状をなしている。この
バストパッド本体２の大きさおよび形状は着用者の乳房
の形状を考慮して適当に選択される。上記バストパッド
本体２には通気性を高めるために、適当間隔を置いて通
気孔６が形成されている。また、バストパッド本体２の
表面を覆う布片３は、たとえば、ナイロン繊維を使用し
てニット地が適している。

【００１０】上記伸縮性を有する布片４としては、スパ
ンデックス糸やハイバルキー糸を用いた織地や、トリコ
ット編地あるいはパワーネット地が適している。この布
片４は、超音波ウエルダーや高周波ウエルダーあるいは
ヒートシーラによりバストパッド本体２の周縁部に接着
される。このような機械を用いない場合は、ビニール系
接着剤を用いて接着する。

【００１１】しかして、バストパッド１を作るには、ま
ず、厚さ０．５ミリないし０．７ミリ程度のＥＶＡ（エ
チレン−酢酸ビニルコポリマー）樹脂のような弾力性を
有する合成樹脂材料シートの一面にＥＶＡ接着剤を介し
て布片３を接着したバストパッド素材を用意する。つい
て、このバストパッド素材を、加熱炉の内部に置き、約
５０℃ないし１２０℃の温度で５秒から６０秒程度加熱
処理して、バストパッド素材を軟化させる。そして、軟
化したバストパッド素材を、通常の成形型に布片３が下
側になるように配置する。つぎに、この成形型を冷却プ
レス機により圧力８ｋｇ／平方ｃｍで１０秒から１２秒
の間で加圧してバストパッド本体２を成形し、成形され
たバストパッド本体２を成形型より取り出して冷却す
る。つぎに、この成形されたバストパッド本体２に、内
側凹部を覆うように伸縮性を有する布片４を配置し、布
片４の周縁部４ａを、布片４が多少の湾曲を有する状態
で張設するように、超音波ウエルダーや高周波ウエルダ
ーを用いてバストパッド本体２の周縁部２ｂに溶着す
る。つぎに、布片４を周縁部２ｂに溶着したバストパッ
ド本体２の布片４を、バストパッド本体２側に押し込ん
で、布片４の中間部分をバストパッド本体２の高さ方向
中間位置の内面に、超音波ウエルダーや高周波ウエルダ
ーを用いて溶着することにより行なう。バストパッド本
体２への布片４の接合を、超音波ウエルダーや高周波ウ
エルダーを用いない場合には、成形されたバストパッド
本体２を布片３が内側に位置するように反転し、バスト
パッド本体２の外面に布片４を配置し、ミシン機械を用
いて、布片４の周縁部４ａおよび中間部をバストパッド
本体２に縫着し、布片３が外側に位置するように反転す
ることで行う。この場合、布片４の中間部のバストパッ
ド本体２への縫着位置の変更は簡単である。

【００１２】図３はバストパッド１をブラスリップ１０
のブラジャー１１に適用した例を示す。この場合、バス
トパッド１はブラジャー１１の内側に取付けられる。

【００１３】なお、バストパッド１は、ブラスリップ１
０にかぎらず、ブラジャーや水着あるいはレオタード等
にも利用できるのはもちろんである。ブラジャーや水着
に適用した場合にはバストアップの効果がある。

【００１４】バストパッド１をブラジャー１１に組み込
んだブラスリップ１０の使用に際しては、着用者の乳頭
部がバストパッド１の布片４の中心部に軽く接し、つい
で、バストパッド本体２の周辺部に乳房が接するが、布
片４が伸縮性を有するので、乳房の形状の個人差に関係
なくバストパッド１の形状は所定の形状を保持する。バ
ストパッド１と着用者の乳房の接触部分は、バストパッ
ド本体２の周辺部と布片４であるから、バストパッド本
体２と布片４の間に空間５が維持され、通気性を保つこ
とができる。

【００１５】なお、上記実施例では、バストパッド本体
２を湾曲状としてう乳房全体を覆うようにしたが、必要
に応じてバストパッド本体２の下側部分だけとし乳房の
乳頭部を含む下側部分を覆う形状としてもよい。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、弾力
性を有する材料で湾曲状に成形されたバストパッド本体
の内側中間位置に伸縮性を有する布片を張設すること
で、着用者の乳房の形状の個人差により、着用者に圧迫
感を与えることなく、所定のバストパッド形状を保持で
きるとともに、バストパッド本体と女性の乳房との間に
空気通路として作用する空間が形成され、通気性に富み
着用感がよくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるバストパッドの断面図。

【図２】本発明によるバストパッドのバストパッド本体
部分を示す図。

【図３】本発明によるバストパッドをブラスリップに適
用した例を示す図。

【符号の説明】

１ バストパッド ２ バストパッド本体 ２ａ バストパッド本体の内側中間部 ２ｂ バストパッド本体の周縁部 ４ 布片 ４ａ 布片の周縁部 ５ 空間 ６ 通気孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】弾力性を有する材料で湾曲状に成形された
   バストパッド本体と、このバストパッド本体の内側中間
   部に張設された伸縮性を有する布片とを有するバストパ
   ッド。