JPH08157898A - プラスチック製小袋入り液体洗浄剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも２層のプラスチック製フィルムを
積層した複合フィルム基材からなる小袋内に、液体洗浄
剤組成物を収容した小袋入り液体洗浄剤であって、複合
フィルム基材は、袋内面側最内層が直鎖状低密度ポリエ
チレンフィルムからなり、この袋外面側に補強用プラス
チックフィルムが積層されてなり、液体洗浄剤は、非イ
オン界面活性剤を主剤としエタノールを含有する液体洗
浄剤であって直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩と下記
化１の一般式（１）で示されるモノ長鎖アルキルトリメ
チルまたはジ長鎖アルキルジメチル第４級アンモニウム
塩からなるカチオン界面活性剤とを含有するプラスチッ
ク製小袋入り液体洗浄剤。 【効果】 長期保存時、特に屋外保存にて小袋内壁にダ
マが発生する事が防止され、小袋入りの洗浄剤の商品価
値を高めることができる。 【化１】 （Ｒ₁Ｒ₂：メチル基または炭素数１４〜２２のアルキル
基またはアルケニル基を示し、Ｒ₁とＲ₂が同時にメチル
基となることはない。 Ｘ：陰イオン）

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液体洗浄剤をプラスチ
ック製小袋に収容した場合に、長期保存時、特に屋外保
存時において発生するゲル状塊（ダマ）の生成を防止す
る安定な小袋入り組成物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、液体洗浄剤はワンウェイタイプの
プラスチックボトルに充填・包装されていたが、近年、
省資源やプラスチックゴミ問題の観点から、薄いプラス
チックフィルムの小袋に詰めた詰め替え用液体洗浄剤が
求められている。これらプラスチックフィルム製小袋が
ガス透過性であるためか、小袋入りの詰め替え用液体洗
浄剤は、長期保存により、特に屋外保存時に小袋内にダ
マが発生して商品価値が著しく損なわれていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、屋外保存時
でも小袋内にダマを発生させない安定な小袋入り液体洗
浄剤を提供する事を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、特定の合成樹
脂積層複合フィルムよりなる小袋に収容される非イオン
界面活性剤を主剤としエタノールを含有する液体洗浄剤
において、特定のアニオン界面活性剤とカチオン界面活
性剤を用いることにより、保存下でのダマ発生を防止す
る事を見出し本発明を完成するに至った。

【０００５】すなわち本発明の小袋入り液体洗浄剤は、
少なくとも２層のプラスチック製フィルムを積層した複
合フィルム基材からなる小袋内に、液体洗浄剤組成物を
収容した小袋入り液体洗浄剤であって、前記複合フィル
ム基材は、袋内面側最内層が直鎖状低密度ポリエチレン
フィルムからなり、この袋外面側に補強用プラスチック
フィルムが積層されてなり、また、前記液体洗浄剤は、
非イオン界面活性剤を主剤としエタノールを含有する液
体洗浄剤であって（ａ）直鎖アルキルベンゼンスルホン
酸塩と（ｂ）下記化２の一般式（１）で示されるカチオ
ン界面活性剤

【０００６】

【化２】 （Ｒ₁Ｒ₂：メチル基または炭素数１４〜２２のアルキル
基またはアルケニル基を示し、Ｒ₁とＲ₂が同時にメチル
基となることはない。 Ｘ：陰イオン）とを含有する事を特徴とする。

【０００７】

【発明の実施態様】本発明に用いられる主剤である非イ
オン界面活性剤は特に限定されるものではなく、例えば
以下のものが挙げられる。

【０００８】１）炭素数８〜１８の１級または２級アル
コールにエチレンオキサイド（ＥＯ）及び／又はプロピ
レンオキサイド（ＰＯ）を平均６〜１８モル付加したポ
リオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテ
ル、 ２）炭素数８〜２２の脂肪酸にエチレンオキサイド（Ｅ
Ｏ）及び／又はプロピレンオキサイド（ＰＯ）を平均６
〜１８モル付加したポリオキシアルキレンアルキルまた
はアルケニル脂肪酸エステルまたはその低級アルコール
エーテル、

【０００９】３）平均炭素数６〜１２のアルキル基を有
しエチレンオキサイドを平均６〜２０モル付加したポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、 ４）プロピレンオキサイドとプロピレングリコールとの
縮合物にエチレンオキサイドを付加したもの（プルロニ
ック型界面活性剤）、

【００１０】５）プロピレンオキサイドとエチレンジア
ミンとの縮合物にエチレンオキサイドを付加したもの
（テトロニック型界面活性剤）、 ６）平均炭素数１０〜２０の脂肪酸と蔗糖とのエステ
ル、 ７）平均炭素数１０〜２０の脂肪酸グリセリンモノエス
テル、

【００１１】８）炭素数１０〜２０のアルキル基または
アルケニル基を有するアルキルまたはアルケニルアミン
オキサイド、 ９）炭素数８〜２０のアルキルポリグリコシド これらのアルキル基またはアルケニル基は直鎖または分
岐鎖の何れであっても良い。

【００１２】これらのうち上記１）または２）の非イオ
ン界面活性剤が好ましく、さらに好ましくは上記１）の
非イオン界面活性剤である。これらは、単独で用いても
よく２種類以上組み合わせて用いても良い。本発明の液
体洗浄剤組成物において、非イオン界面活性剤の配合量
は特に限定されるものではないが、好ましくは１５重量
％〜５０重量％の範囲で用いられる。

【００１３】本発明中のエタノールの配合量としては特
に限定されるものではないが、好ましくは１重量％〜８
重量％、さらに好ましくは２重量％〜６重量％の範囲で
用いられる。

【００１４】本発明の（ａ）成分としては直鎖アルキル
ベンゼンスルホン酸塩が用いられ、アルキル基の炭素数
は８〜１６の範囲が好適であり、これはナトリウム塩、
カリウム塩、アルカノールアミン塩、アンモニウム塩な
どの水溶性塩のいずれであっても良い。（ａ）成分の配
合量としては特に限定はないが、好ましくは０．５重量
％〜１０重量％、さらに好ましくは１重量％〜６重量％
の範囲で用いられる。

【００１５】本発明の（ｂ）成分としては一般式（１）
で示されるカチオン界面活性剤が用いられる。具体的に
はモノアルキルまたはモノアルケニルトリメチルアンモ
ニウム塩あるいはジアルキルまたはジアルケニルジメチ
ルアンモニウム塩が挙げられ、これらは塩酸塩、硫酸塩
などのいずれであっても良い。（ｂ）成分の配合量とし
ては特に限定はないが、好ましくは０．３重量％〜１０
重量％、さらに好ましくは０．５重量％〜５重量％の範
囲で用いられる。

【００１６】さらに、本発明の液体洗浄剤組成物におい
ては、通常洗浄剤組成物に用いられている種々の添加
剤、例えば、多価アルコール、低級アリールスルホン酸
塩などのハイドロトロープ剤、安息香酸塩、イソチアゾ
ロン化合物などの防腐剤、高級アルキルまたは高級アル
ケニルアミン塩やシリコーン等の風合い改良剤、苦味催
吐剤等の誤飲防止剤、色素、香料、酸化防止剤などを必
要に応じて添加することもできる。

【００１７】本発明の小袋は、合成樹脂製の積層フィル
ム基材を袋状に成形して得られる。この積層フィルム基
材は、袋内面側に位置する最内層が直鎖状低密度ポリエ
チレンからなり、その外層側に袋としての機械的強度を
得るために補強フィルム層が１層または２層以上積層さ
れてなる。

【００１８】補強フィルム層は、機械的強度が大きいフ
ィルムからなり、例えばナイロン糸樹脂、ポリビニルア
ルコール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン
系樹脂などの合成樹脂からなる延伸フィルムが用いられ
る。

【００１９】直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの厚さ
は、５０〜３００μｍが好適であり、好ましくは９０〜
１５０μｍ、さらに好ましくは１３０〜１５０μｍが好
適である。一方、補強フィルムの厚さは一層分の厚みと
して１０〜３０μｍが好適であり、好ましくは１５〜２
０μｍである。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、非イオン界面活性剤を
主剤としエタノールを含有する液体洗浄剤において、特
定のアニオン界面活性剤と特定のカチオン界面活性剤を
組合せて液体洗浄剤組成物とし、この組成物を特定の複
合フィルム基材からなるプラスチック製小袋に充填する
ことにより、長期保存時、特に屋外保存にて小袋内壁に
ダマが発生する事が防止され、小袋入りの洗浄剤の商品
価値を高めることができる。

【００２１】

【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。

【００２２】《ダマの評価方法》容積６００ｍＬの小袋
に洗浄剤組成物を充填してサンプルとする。このサンプ
ルを屋上にて斜めに倒して静置し、３０日間放置し、ダ
マの発生状況を下記の基準にて評価する。 ○：ダマが認められない ×：ダマが認められる

【００２３】実施例１〜１０ 以下の合成樹脂フィルムを用いて、直鎖状低密度ポリエ
チレンフィルムが最内層となるようにヒートシールして
小袋（容積６００ｍＬ）を作成し、この中に表１および
表２に示した液体洗浄剤組成物を充填して、小袋入り液
体洗浄剤を製造し、ダマの発生を評価した。結果を表１
および表２に示した。

【００２４】積層フィルムＩ 延伸ナイロン（１５μｍ）／延伸ナイロン（１５μｍ）
／直鎖状低密度ポリエチレン（１３０μｍ）

【００２５】積層フィルムII 延伸ナイロン（１５μｍ）／高密度ポリエチレン（２０
μｍ）／直鎖状低密度ポリエチレン（１３０μｍ）

【００２６】積層フィルムIII 延伸ナイロン（１５μｍ）／延伸ポリプロピレン（２０
μｍ）／直鎖状低密度ポリエチレン（１３０μｍ）

【００２７】積層フィルムIV 延伸ポリエチレンテレフタレート（２０μｍ）／直鎖状
低密度ポリエチレン（１３０μｍ）

【００２８】積層フィルムＶ 延伸ポリプロピレン（２０μｍ）／エチレン−ビニルア
ルコールポリマー（１６μｍ）／直鎖状低密度ポリエチ
レン（１３０μｍ）

【００２９】積層フィルムVI 延伸ポリビニルアルコール（２０μｍ）／直鎖状低密度
ポリエチレン（１３０μｍ） 上記において括弧内はフィルムの厚さを示し、また、エ
チレン−ビニルアルコールコポリマーは中間層にのみ使
用される。

【００３０】

【表１】 表１： 実 施 例 １ ２ ３ ４ ５ ６ ７ 組成(wt%) ヤシアルコール(EO)₁₅H 20 20 − − 23 20 − Dobanol 23(EO)₁₃H*¹ − − 21 19 − − 19 C₁₂直鎖アルキルベンゼン 2.2 2.5 − 2.3 − 2.3 2.3 スルホン酸Na C₁₂直鎖アルキルベンゼン − − 1.0 − 2.3 − − スルホン酸K C₁₈アルキルトリメチル − 1.5 − 1.3 − 1.5 1.3 アンモニウムクロライド C₁₆アルキルトリメチル 2.0 0.5 − 1.0 − − − アンモニウムクロライド ジオレイルジメチル − − 1.0 − − − − アンモニウムクロライド エタノール 4 5 6 4 5 4 4 水 バ ラ ン ス 使用フイルム I II IV II III I IV 評価結果 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ＊１） Ｄｏｂａｄｏｌ ２３にエチレンオキシドが平均１３モル付加したポ リオキシエチレンアルキルエーテル。Ｄｏｂａｎｏｌ ２３は、炭素数１２〜１ ３を主成分とするα−メチル分岐含有合成高級アルコール（直鎖率８０％）（三 菱化学（株）製）

【００３１】

【表２】 表２： 実 施 例 比 較 例 ８ ９ 10 11 12 13 組成(wt%) ヤシアルコール(EO)₁₅H − 20 21 21 − 21 Dobanol 23(EO)₁₃H*¹ 21 − − − 21 − C₁₂直鎖アルキルベンゼン 2.5 − 2.5 2.5 − − スルホン酸Na C₁₂直鎖アルキルベンゼン − 2.5 − − − − スルホン酸K C₁₈アルキルトリメチル − 2.3 − − − − アンモニウムクロライド C₁₆アルキルトリメチル 2.2 − 1.9 − 1.9 − アンモニウムクロライド ジオレイルジメチル − − − − − − アンモニウムクロライド エタノール 4 5 5 4 5 6 水 バ ラ ン ス 使用フイルム I v VI V I II 評価結果 ○ ○ ○ × × × ＊１） Ｄｏｂａｄｏｌ ２３にエチレンオキシドが平均１３モル付加したポ リオキシエチレンアルキルエーテル。Ｄｏｂａｎｏｌ ２３は、炭素数１２〜１ ３を主成分とするα−メチル分岐含有合成高級アルコール（直鎖率８０％）（三 菱化学（株）製）

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【手続補正書】

【提出日】平成７年３月２０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３０

【補正方法】変更

【補正内容】

【００３０】

【表１】 表１： 実 施 例 １ ２ ３ ４ ５ ６ ７ 組成(wt%) ヤシアルコール(EO)₁₅H 20 20 − − 23 20 − Dobanol 23(EO)₁₃H*¹ − − 21 19 − − 19 C₁₂直鎖アルキルベンゼン 2.2 2.5 − 2.3 − 2.3 2.3 スルホン酸Na C₁₂直鎖アルキルベンゼン − − 1.0 − 2.3 − − スルホン酸K C₁₈アルキルトリメチル − 1.5 − 1.3 − 1.5 1.3 アンモニウムクロライド C₁₆アルキルトリメチル 2.0 0.5 − 1.0 − − − アンモニウムクロライド ジオレイルジメチル − − 1.0 − − − − アンモニウムクロライド エタノール 4 5 6 4 5 4 4 水 バ ラ ン ス 使用フイルム I II IV II III I IV 評価結果 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ＊１） Ｄｏｂａｎｏｌ ２３にエチレンオキシドが平均１３モル付加したポ リオキシエチレンアルキルエーテル。Ｄｏｂａｎｏｌ ２３は、炭素数１２〜１ ３を主成分とするα−メチル分岐含有合成高級アルコール（直鎖率８０％）（三 菱化学（株）製）

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３１

【補正方法】変更

【補正内容】

【００３１】

【表２】 表２： 実 施 例 比 較 例 ８ ９ 10 11 12 13 組成(wt%) ヤシアルコール(EO)₁₅H − 20 21 21 − 21 Dobanol 23(EO)₁₃H*¹ 21 − − − 21 − C₁₂直鎖アルキルベンゼン 2.5 − 2.5 2.5 − − スルホン酸Na C₁₂直鎖アルキルベンゼン − 2.5 − − − − スルホン酸K C₁₈アルキルトリメチル − 2.3 − − − − アンモニウムクロライド C₁₆アルキルトリメチル 2.2 − 1.9 − 1.9 − アンモニウムクロライド ジオレイルジメチル − − − − − − アンモニウムクロライド エタノール 4 5 5 4 5 6 水 バ ラ ン ス 使用フイルム I v VI V I II 評価結果 ○ ○ ○ × × × ＊１） Ｄｏｂａｎｏｌ ２３にエチレンオキシドが平均１３モル付加したポ リオキシエチレンアルキルエーテル。Ｄｏｂａｎｏｌ ２３は、炭素数１２〜１ ３を主成分とするα−メチル分岐含有合成高級アルコール（直鎖率８０％）（三 菱化学（株）製）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ１１Ｄ 1:62）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも２層のプラスチック製フィル
   ムを積層した複合フィルム基材からなる小袋内に、液体
   洗浄剤組成物を収容した小袋入り液体洗浄剤であって、 前記複合フィルム基材は、袋内面側最内層が直鎖状低密
   度ポリエチレンフィルムからなり、この袋外面側に補強
   用プラスチックフィルムが積層されてなり、 また、前記液体洗浄剤は、非イオン界面活性剤を主剤と
   しエタノールを含有する液体洗浄剤であって（ａ）直鎖
   アルキルベンゼンスルホン酸塩と（ｂ）下記化１の一般
   式（１）で示されるカチオン界面活性剤 【化１】 （Ｒ₁Ｒ₂：メチル基または炭素数１４〜２２のアルキル
   基またはアルケニル基を示し、Ｒ₁とＲ₂が同時にメチル
   基となることはない。 Ｘ：陰イオン）とを含有する事を特徴とするプラスチッ
   ク製小袋入り液体洗浄剤。