JPH0815773B2 - 水分散性ポリビニルアルコール系ラミネートフィルムおよびその製造法 - Google Patents
水分散性ポリビニルアルコール系ラミネートフィルムおよびその製造法Info
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- JPH0815773B2 JPH0815773B2 JP62238282A JP23828287A JPH0815773B2 JP H0815773 B2 JPH0815773 B2 JP H0815773B2 JP 62238282 A JP62238282 A JP 62238282A JP 23828287 A JP23828287 A JP 23828287A JP H0815773 B2 JPH0815773 B2 JP H0815773B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、水分散性ポリビニルアルコール系ラミネー
トフィルム、殊に、歯科用のアルギン酸塩系印象材の包
装用の袋として好適なラミネートフィルムに関するもの
であり、また、そのようなラミネートフィルムを製造す
る方法に関するものである。
トフィルム、殊に、歯科用のアルギン酸塩系印象材の包
装用の袋として好適なラミネートフィルムに関するもの
であり、また、そのようなラミネートフィルムを製造す
る方法に関するものである。
従来の技術 アルギン酸塩系印象材は、印象精度がよいこと、微細
な部分を再現することができること、印象操作が容易で
あることなどの特長を有しているため、歯科の分野にお
いて古くから使用されている。
な部分を再現することができること、印象操作が容易で
あることなどの特長を有しているため、歯科の分野にお
いて古くから使用されている。
歯科の診療や技工を行うにあたっては、アルギン酸塩
系印象材の計量の手間を省略することが要望されてい
る。
系印象材の計量の手間を省略することが要望されてい
る。
特開昭61−48352号公報には、1個の印象を採得する
に適する量のアルギン酸塩系印象材を水蒸気透過率の小
さい重合体フィルムで構成された密封容器に封入するこ
とが示されており、重合体フィルムとしては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリアミドなどのフィルム;これらのフィルム
の延伸フィルム;これらのフィルムにアルミニウム箔、
セロファン、紙等をラミネートしたもの;などを使用し
ている。
に適する量のアルギン酸塩系印象材を水蒸気透過率の小
さい重合体フィルムで構成された密封容器に封入するこ
とが示されており、重合体フィルムとしては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリアミドなどのフィルム;これらのフィルム
の延伸フィルム;これらのフィルムにアルミニウム箔、
セロファン、紙等をラミネートしたもの;などを使用し
ている。
アルギン酸塩系印象材の取扱いに際し、ほこりが生ず
るのを防止する試みもなされている。米国特許第439417
2号明細書には、アルギン酸塩粉末をポリプロピレング
リコールで被覆することが示されており、特開昭62−81
302号公報には、アルギン酸塩系印象材粉末をイソパラ
フィンで被覆することが示されている。
るのを防止する試みもなされている。米国特許第439417
2号明細書には、アルギン酸塩粉末をポリプロピレング
リコールで被覆することが示されており、特開昭62−81
302号公報には、アルギン酸塩系印象材粉末をイソパラ
フィンで被覆することが示されている。
計量の手間を省略すると共に、取扱い時の粉体飛散を
防止するため、該印象材を予め水溶性の小袋に分包して
おき、使用に際してはこの小袋を水中に投入して袋ごと
溶解する工夫もなされている。
防止するため、該印象材を予め水溶性の小袋に分包して
おき、使用に際してはこの小袋を水中に投入して袋ごと
溶解する工夫もなされている。
たとえば、特開昭61−115557号公報には、歯形採得材
あるいは歯形成型材を作成する方法として、加水硬化性
の粉末化学材料を水溶性フィルムにより所定量ずつ予め
包装したものを用いることが示されている。ここで水溶
性フィルムとしては、一般に知られているポリビニルア
ルコールやグルカン等の多糖類、さらにはゼラチン、セ
ルロース等が使用される旨の記載がある。
あるいは歯形成型材を作成する方法として、加水硬化性
の粉末化学材料を水溶性フィルムにより所定量ずつ予め
包装したものを用いることが示されている。ここで水溶
性フィルムとしては、一般に知られているポリビニルア
ルコールやグルカン等の多糖類、さらにはゼラチン、セ
ルロース等が使用される旨の記載がある。
なお、アルギン酸塩系印象材の包装または被覆とは全
く異なる用途に関するものであるが、特公昭60−40542
号公報には、ヤング率の高い硬質ポリビニルアルコール
系フィルムAと破壊伸度の高い軟質ポリビニルアルコー
ル系フィルムBとを積層したラミネートフィルムよりな
る刺しゅう用基材フィルムが示されており、その実施例
では、可塑剤少量配合の重合度1700、ケン化度88モル%
ポリビニルアルコール系フィルムAと、可塑剤多量配合
の重合度1700(または1000)、ケン化度96モル%のポリ
ビニルアルコール系フィルムBとのラミネートフィルム
を用いている。
く異なる用途に関するものであるが、特公昭60−40542
号公報には、ヤング率の高い硬質ポリビニルアルコール
系フィルムAと破壊伸度の高い軟質ポリビニルアルコー
ル系フィルムBとを積層したラミネートフィルムよりな
る刺しゅう用基材フィルムが示されており、その実施例
では、可塑剤少量配合の重合度1700、ケン化度88モル%
ポリビニルアルコール系フィルムAと、可塑剤多量配合
の重合度1700(または1000)、ケン化度96モル%のポリ
ビニルアルコール系フィルムBとのラミネートフィルム
を用いている。
発明が解決しようとする問題点 上述の従来法のうち特開昭61−48352号公報に技術
は、アルギン酸塩系印象材の計量の手間を省略すること
はできても、その加水硬化にあたっては袋を開封しなけ
ればならず、また開封の際、粉末の飛散やほこりを生じ
て診療室内を汚したり、粉末のロスを生じたりすること
を免かれない。
は、アルギン酸塩系印象材の計量の手間を省略すること
はできても、その加水硬化にあたっては袋を開封しなけ
ればならず、また開封の際、粉末の飛散やほこりを生じ
て診療室内を汚したり、粉末のロスを生じたりすること
を免かれない。
米国特許第4394172号明細書や特開昭62−81302号公報
の技術は、粉体取扱い時のほこりの防止は可能でも、計
量の手間の省略、粉体の飛散の点は何ら解決していな
い。
の技術は、粉体取扱い時のほこりの防止は可能でも、計
量の手間の省略、粉体の飛散の点は何ら解決していな
い。
この点、特開昭61−115557号公報に開示の方法は、計
量の手間の省略と取扱い時の粉体飛散防止の双方が図ら
れるので有利である。
量の手間の省略と取扱い時の粉体飛散防止の双方が図ら
れるので有利である。
しかしながら、この方法に従って加水硬化性の粉末化
学材料を水溶性フィルムにより所定量ずつ包装した包装
体を、対応する量の水に投入して混合し、歯形を採得し
得る状態を作り出すに際し、包装に用いた水溶性フィル
ムの溶解に時間がかかるという問題があり、また長期間
保存すると、しだいに包装材が不溶化してくる傾向があ
った。
学材料を水溶性フィルムにより所定量ずつ包装した包装
体を、対応する量の水に投入して混合し、歯形を採得し
得る状態を作り出すに際し、包装に用いた水溶性フィル
ムの溶解に時間がかかるという問題があり、また長期間
保存すると、しだいに包装材が不溶化してくる傾向があ
った。
本発明は、水溶性フィルムとして、重合度の異なる2
種のポリビニルアルコールフィルムからなるラミネート
フィルムを用いることにより、溶解時間の短縮および経
時変化の防止を図ろうとするものである。
種のポリビニルアルコールフィルムからなるラミネート
フィルムを用いることにより、溶解時間の短縮および経
時変化の防止を図ろうとするものである。
なお、特公昭60−40542号公報に記載のポリビニルア
ルコール系ラミネートフィルムは、溶解に時間がかか
り、特に少量の水に対する溶解時間が長く、本発明の目
的には不適当である。
ルコール系ラミネートフィルムは、溶解に時間がかか
り、特に少量の水に対する溶解時間が長く、本発明の目
的には不適当である。
問題点を解決するための手段 本発明の水分散性ポリビニルアルコール系ラミネート
フィルムは、ケン化度70〜93モル%、重合度800〜2000
の高重合度ポリビニルアルコールのフィルム(1)と、
ケン化度35〜95モル%、重合度800未満の低重合度ポリ
ビニルアルコールのフィルム(2)との積層物からなる
ものである。
フィルムは、ケン化度70〜93モル%、重合度800〜2000
の高重合度ポリビニルアルコールのフィルム(1)と、
ケン化度35〜95モル%、重合度800未満の低重合度ポリ
ビニルアルコールのフィルム(2)との積層物からなる
ものである。
また、本発明の水分散性ポリビニルアルコール系ラミ
ネートフィルムの製造法は、ケン化度35〜95モル%、重
合度800未満の低重合度ポリビニルアルコールの水溶液
を、離型性を有する基材フィルム(3)上に塗布、乾燥
して低重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)を
形成させると共に、別途形成したケン化度70〜93モル
%、重合度800〜2000の高重合度ポリビニルアルコール
のフィルム(1)を上記フィルム(2)上に熱圧着させ
た後、上記基材フィルム(3)を剥離除去することを特
徴とするものである。
ネートフィルムの製造法は、ケン化度35〜95モル%、重
合度800未満の低重合度ポリビニルアルコールの水溶液
を、離型性を有する基材フィルム(3)上に塗布、乾燥
して低重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)を
形成させると共に、別途形成したケン化度70〜93モル
%、重合度800〜2000の高重合度ポリビニルアルコール
のフィルム(1)を上記フィルム(2)上に熱圧着させ
た後、上記基材フィルム(3)を剥離除去することを特
徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水分散性ポリビニルアルコール系ラミネート
フィルムは、高重合度ポリビニルアルコールのフィルム
(1)と低重合度ポリビニルアルコールのフィルム
(2)との積層物からなる。
フィルムは、高重合度ポリビニルアルコールのフィルム
(1)と低重合度ポリビニルアルコールのフィルム
(2)との積層物からなる。
フィルム(1)における高重合度ポリビニルアルコー
ルとしては、ケン化度70〜93モル%、重合度800〜2000
のものが用いられる。ケン化度が70モル%未満では製膜
性が劣り、93モル%を越えると水溶性が低下する。また
重合度が800未満では機械的強度が低下し、2000を越え
ると製膜性が劣り、水溶性も低下する。
ルとしては、ケン化度70〜93モル%、重合度800〜2000
のものが用いられる。ケン化度が70モル%未満では製膜
性が劣り、93モル%を越えると水溶性が低下する。また
重合度が800未満では機械的強度が低下し、2000を越え
ると製膜性が劣り、水溶性も低下する。
フィルム(2)における低重合度ポリビニルアルコー
ルとしては、ケン化度35〜95モル%、重合度800未満の
ものが用いられる。ケン化度が35モル%未満では水溶性
が不足し、95モル%を越える場合も同様に水溶性が不足
する。また重合度が800以上では溶解速度が遅くなると
共に、被包装材(充填物)によるフィルムの不溶化現象
が起こる。
ルとしては、ケン化度35〜95モル%、重合度800未満の
ものが用いられる。ケン化度が35モル%未満では水溶性
が不足し、95モル%を越える場合も同様に水溶性が不足
する。また重合度が800以上では溶解速度が遅くなると
共に、被包装材(充填物)によるフィルムの不溶化現象
が起こる。
高重合度ポリビニルアルコールのフィルム(1)は、
これが基材フィルムとなる点を鑑み、機械的強度と水分
散性のバランスを考慮して、その厚みを5〜50μm、好
ましくは10〜25μmに設定することが望ましい。
これが基材フィルムとなる点を鑑み、機械的強度と水分
散性のバランスを考慮して、その厚みを5〜50μm、好
ましくは10〜25μmに設定することが望ましい。
低重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)は、
これが経時的な不溶化を防止するための層であることか
ら、その厚みを1〜20μm、殊に2〜7μmに設定する
ようにする。1μm未満ではラミネートした効果が認め
られず、一方20μmを越えると、得られるラミネートフ
ィルムの溶解性が極端に低下する。
これが経時的な不溶化を防止するための層であることか
ら、その厚みを1〜20μm、殊に2〜7μmに設定する
ようにする。1μm未満ではラミネートした効果が認め
られず、一方20μmを越えると、得られるラミネートフ
ィルムの溶解性が極端に低下する。
高重合度ポリビニルアルコールのフィルム(1)と低
重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)との積層
物からなる本発明の水分散性ポリビニルアルコール系ラ
ミネートフィルムは、それぞれのフィルム(1),
(2)を流延製膜法や押出製膜法により別個作成してお
き、これを適当な手段で積層接着することによっても得
られるが、フィルム(2)が薄層であることが望ましい
ため、工業的には次の手順で製造することが特に有利で
ある。
重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)との積層
物からなる本発明の水分散性ポリビニルアルコール系ラ
ミネートフィルムは、それぞれのフィルム(1),
(2)を流延製膜法や押出製膜法により別個作成してお
き、これを適当な手段で積層接着することによっても得
られるが、フィルム(2)が薄層であることが望ましい
ため、工業的には次の手順で製造することが特に有利で
ある。
フィルム(2)の形成 上述の低重合度ポリビニルアルコールの水溶液を、離
型性を有する基材フィルム(3)上に塗布、乾燥して低
重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)を形成さ
せる。
型性を有する基材フィルム(3)上に塗布、乾燥して低
重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)を形成さ
せる。
基材フィルム(3)としては、たとえば二軸延伸ポリ
エステルフィルム、二軸延伸または無延伸ポリプロピレ
ンフィルムなどが使用される。
エステルフィルム、二軸延伸または無延伸ポリプロピレ
ンフィルムなどが使用される。
この場合、基材フィルム(3)としてマット化された
フィルムを用いることが特に望ましい。というのは、マ
ット化された基材フィルム(3)面と接したフィルム
(2)面は、後述のにより基材フィルム(3)を剥離
した後にはマット化されて表面のスリップ性が改良され
るため、粉体の充填包装時の加工性の点で好ましいから
である。
フィルムを用いることが特に望ましい。というのは、マ
ット化された基材フィルム(3)面と接したフィルム
(2)面は、後述のにより基材フィルム(3)を剥離
した後にはマット化されて表面のスリップ性が改良され
るため、粉体の充填包装時の加工性の点で好ましいから
である。
フィルム(1)の準備 上述の高重合度ポリビニルアルコールのフィルム
(1)を別途形成しておく。フィルム(1)の形成は、
高重合度ポリビニルアルコールの水溶液をドラム方式ま
たはエンドレスベルト方式により流延製膜するか、ポリ
ビニルアルコールと水との混合物を押出機に供給して製
膜することによりなされる。
(1)を別途形成しておく。フィルム(1)の形成は、
高重合度ポリビニルアルコールの水溶液をドラム方式ま
たはエンドレスベルト方式により流延製膜するか、ポリ
ビニルアルコールと水との混合物を押出機に供給して製
膜することによりなされる。
ラミネート 上記の高重合度ポリビニルアルコールのフィルム
(1)を上記における低重合度ポリビニルアルコール
のフィルム(2)上に熱圧着させた後、上記基材フィル
ム(3)を剥離除去する。
(1)を上記における低重合度ポリビニルアルコール
のフィルム(2)上に熱圧着させた後、上記基材フィル
ム(3)を剥離除去する。
第1図は、このようにして得られた本発明のラミネー
トフィルムの一例を示した断面図である。
トフィルムの一例を示した断面図である。
本発明の水分散性ポリビニルアルコール系ラミネート
フィルムは、袋などの包装材用として有用である。袋に
形成した場合は、袋の内面側が低重合度ポリビニルアル
コールのフィルム(2)で構成されるようにする。
フィルムは、袋などの包装材用として有用である。袋に
形成した場合は、袋の内面側が低重合度ポリビニルアル
コールのフィルム(2)で構成されるようにする。
このような袋は、水中投入用の粉体、非水性液体、非
水性ペーストなどの包装の目的に好適に用いることがで
きる。
水性ペーストなどの包装の目的に好適に用いることがで
きる。
最適の用途は、歯科用のアルギン酸塩系印象材包装用
である。アルギン酸塩系印象材は、アルギン酸塩に、硬
化剤、充填材、反応調節剤などの添加剤を配合すること
により調製される。
である。アルギン酸塩系印象材は、アルギン酸塩に、硬
化剤、充填材、反応調節剤などの添加剤を配合すること
により調製される。
被包装材としては、そのほか、洗剤、農薬、医薬、肥
料、水棲動物の餌、接着剤、経糸糊剤、染料、入浴剤、
殺菌剤、その他化学工業薬品などがあげられる。
料、水棲動物の餌、接着剤、経糸糊剤、染料、入浴剤、
殺菌剤、その他化学工業薬品などがあげられる。
作用 本発明のラミネートフィルムにおいては、高重合度ポ
リビニルアルコールのフィルム(1)は水分散性と機械
的強度を兼備した基材フィルムの役割を果たす。一方、
低重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)は、主
として被包装材(充填物)と接触する側面として用いら
れ、高重合度ポリビニルアルコールのフィルム(1)単
独フィルムでは避けえない経時的な不溶化傾向を効果的
に抑制する役割を果たす。
リビニルアルコールのフィルム(1)は水分散性と機械
的強度を兼備した基材フィルムの役割を果たす。一方、
低重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)は、主
として被包装材(充填物)と接触する側面として用いら
れ、高重合度ポリビニルアルコールのフィルム(1)単
独フィルムでは避けえない経時的な不溶化傾向を効果的
に抑制する役割を果たす。
本発明のラミネートフィルムから作成した包装材で被
包装材を包装すれば、使用に際しこれを水中に投入する
だけで、短時間内に包装材が水に分散または溶解し、封
入した被包装材が水中に放散され、溶解または分散す
る。たとえば、本発明のラミネートフィルムから作成し
た袋にアルギン酸塩系印象材を封入した場合は、これを
所定量の水に袋ごと投入すれば10数秒程度で袋が溶解す
るので、あとは混練を行えばよい。
包装材を包装すれば、使用に際しこれを水中に投入する
だけで、短時間内に包装材が水に分散または溶解し、封
入した被包装材が水中に放散され、溶解または分散す
る。たとえば、本発明のラミネートフィルムから作成し
た袋にアルギン酸塩系印象材を封入した場合は、これを
所定量の水に袋ごと投入すれば10数秒程度で袋が溶解す
るので、あとは混練を行えばよい。
実 施 例 次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下
「部」、「%」とあるのは、特にことわりのない限り重
量基準で示したものである。
「部」、「%」とあるのは、特にことわりのない限り重
量基準で示したものである。
実施例1 ケン化度90モル%、重合度1400の高重合度ポリビニル
アルコールの15%水溶液をドラム上に流延、乾燥して製
膜することにより、厚み14μmおよび20μmの高重合度
ポリビニルアルコールフィルム(1)を得た。
アルコールの15%水溶液をドラム上に流延、乾燥して製
膜することにより、厚み14μmおよび20μmの高重合度
ポリビニルアルコールフィルム(1)を得た。
離型性を有するマット加工された基材フィルム(3)
の一例である厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルム(東レ株式会社製、YM−11)上に、ケン化度70モル
%、重合度500の低重合度ポリビニルアルコールの20%
水溶液を固形分として0.5g/m2、1g/m2、3g/m2、5g/m2、
10g/m2および20g/m2となるように塗布し、乾燥した。こ
れにより、基材フィルム(3)上に厚み0.5μm、1μ
m、3μm、5μm、10μmおよび20μmの低重合度ポ
リビニルアルコールフィルム(2)が形成された。
の一例である厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルム(東レ株式会社製、YM−11)上に、ケン化度70モル
%、重合度500の低重合度ポリビニルアルコールの20%
水溶液を固形分として0.5g/m2、1g/m2、3g/m2、5g/m2、
10g/m2および20g/m2となるように塗布し、乾燥した。こ
れにより、基材フィルム(3)上に厚み0.5μm、1μ
m、3μm、5μm、10μmおよび20μmの低重合度ポ
リビニルアルコールフィルム(2)が形成された。
基材フィルム(3)上の低重合度ポリビニルアルコー
ルフィルム(2)の上から、上述の厚み14μmの高重合
度ポリビニルアルコールフィルム(1)を重ね合せると
共に、温度80℃の熱ロール間を通して熱圧着した。
ルフィルム(2)の上から、上述の厚み14μmの高重合
度ポリビニルアルコールフィルム(1)を重ね合せると
共に、温度80℃の熱ロール間を通して熱圧着した。
ついで、熱ロールを経た積層フィルムから基材フィル
ム(3)を剥離していったところ、基材フィルム(3)
とフィルム(2)の界面で円滑な剥離がなされ、フィル
ム(1)/フィルム(2)の積層構成を有する厚み14.5
μm、15μm、17μm、19μm、24μm、34μmのラミ
ネートフィルムが得られた。
ム(3)を剥離していったところ、基材フィルム(3)
とフィルム(2)の界面で円滑な剥離がなされ、フィル
ム(1)/フィルム(2)の積層構成を有する厚み14.5
μm、15μm、17μm、19μm、24μm、34μmのラミ
ネートフィルムが得られた。
得られたラミネートフィルムのフィルム(2)側の面
はマット化されており、滑り性が良好であった。そのた
め、スリッター加工、粉体の充填適性の点で何ら問題を
生じなかった。
はマット化されており、滑り性が良好であった。そのた
め、スリッター加工、粉体の充填適性の点で何ら問題を
生じなかった。
このラミネートフィルムを、そのマット化されたフィ
ルム(2)が内面となるようにして製袋し、該袋に下記
組成組成のアルギン酸塩系印象材を充填、包装した。
ルム(2)が内面となるようにして製袋し、該袋に下記
組成組成のアルギン酸塩系印象材を充填、包装した。
アルギン酸カリウム 20部 硫酸カリウム 16部 酸化亜鉛 7部 フッ化チタンカリウム 6部 ケイソウ土 50部リン酸ナトリウム 1部 合 計 100部 上記の包装物を40℃で21日間保存し、保存前後の温度
20℃の水に対する袋の分散性を調べた。
20℃の水に対する袋の分散性を調べた。
結果を第1表に示す。
第1表から、フィルム(2)の厚みが1〜20μmのと
きに好ましい結果が得られることがわかる。
きに好ましい結果が得られることがわかる。
実施例2 ケン化度75モル%、重合度1100の高重合度ポリビニル
アルコールの15%水溶液をドラム上に流延、乾燥して製
膜することにより、厚み13μmの高重合度ポリビニルア
ルコールフィルム(1)を得た。
アルコールの15%水溶液をドラム上に流延、乾燥して製
膜することにより、厚み13μmの高重合度ポリビニルア
ルコールフィルム(1)を得た。
離型性を有するマット加工された基材フィルム(3)
の一例である厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルム上に、ケン化度50モル%、重合度300の低重合度ポ
リビニルアルコールの20%水溶液を固形分として4g/m2
となるように塗布乾燥した。これにより、基材フィルム
(3)上に厚み4μmの低重合度ポリビニルアルコール
フィルム(2)が形成された。
の一例である厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルム上に、ケン化度50モル%、重合度300の低重合度ポ
リビニルアルコールの20%水溶液を固形分として4g/m2
となるように塗布乾燥した。これにより、基材フィルム
(3)上に厚み4μmの低重合度ポリビニルアルコール
フィルム(2)が形成された。
基材フィルム(3)上の低重合度ポリビニルアルコー
ルフィルム(2)の上から、上述の高重合度ポリビニル
アルコールフィルム(1)を重ね合せると共に、温度80
℃の熱ロール間を通して熱圧着した。
ルフィルム(2)の上から、上述の高重合度ポリビニル
アルコールフィルム(1)を重ね合せると共に、温度80
℃の熱ロール間を通して熱圧着した。
ついで、熱ロールを経た積層フィルムから基材フィル
ム(3)を剥離していったところ、基材フィルム(3)
とフィルム(2)の界面で円滑な剥離がなされ、フィル
ム(1)/フィルム(2)の積層構成を有する厚み17μ
mのラミネートフィルムが得られた。
ム(3)を剥離していったところ、基材フィルム(3)
とフィルム(2)の界面で円滑な剥離がなされ、フィル
ム(1)/フィルム(2)の積層構成を有する厚み17μ
mのラミネートフィルムが得られた。
得られたラミネートフィルムのフィルム(2)側の面
はマット化されており、滑り性が良好であった。
はマット化されており、滑り性が良好であった。
このラミネートフィルムを、そのマット化されたフィ
ルム(2)が内面となるようにして製袋し、以下実施例
1と同様にして、アルギン酸塩系印象材の充填包装、水
分散性の測定を行った。
ルム(2)が内面となるようにして製袋し、以下実施例
1と同様にして、アルギン酸塩系印象材の充填包装、水
分散性の測定を行った。
袋の水分散性は、保存前が10秒、保存後は14秒と好ま
しく、保存による不溶化傾向はごくわずかであった。
しく、保存による不溶化傾向はごくわずかであった。
なお、厚み13μmのフィルム(1)のみから作成した
袋を用いた場合は、保存前が8秒、保存後が22秒であっ
た。
袋を用いた場合は、保存前が8秒、保存後が22秒であっ
た。
発明の効果 高重合度ポリビニルアルコールのフィルム(1)と低
重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)との積層
物からなる本発明のラミネートフィルムを水中投入用の
粉体などの包装材として用いれば、粉体の計量の手間の
省略と取扱い時の粉体飛散防止の双方が図られるだけで
なく、溶解時間の短縮および経時変化の防止も図られ
る。
重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)との積層
物からなる本発明のラミネートフィルムを水中投入用の
粉体などの包装材として用いれば、粉体の計量の手間の
省略と取扱い時の粉体飛散防止の双方が図られるだけで
なく、溶解時間の短縮および経時変化の防止も図られ
る。
この場合、低重合度ポリビニルアルコールのフィルム
(2)側の面をマット化すると、表面のスリップ性が改
良されるため、スリッター加工時や粉体の充填時の作業
性が良好となる。
(2)側の面をマット化すると、表面のスリップ性が改
良されるため、スリッター加工時や粉体の充填時の作業
性が良好となる。
従って、本発明のラミネートフィルムは、水中投入用
の被包装材を包装するための包装材、殊に、歯科用のア
ルギン酸塩系印象材包装用の袋の材料として有用であ
る。
の被包装材を包装するための包装材、殊に、歯科用のア
ルギン酸塩系印象材包装用の袋の材料として有用であ
る。
第1図は、本発明のラミネートフィルムの一例を示した
断面図である。 (1)……高重合度ポリビニルアルコールのフィルム、
(2)……低重合度ポリビニルアルコールのフィルム
断面図である。 (1)……高重合度ポリビニルアルコールのフィルム、
(2)……低重合度ポリビニルアルコールのフィルム
Claims (8)
- 【請求項1】ケン化度70〜93モル%、重合度800〜2000
の高重合度ポリビニルアルコールのフィルム(1)と、
ケン化度35〜95モル%、重合度800未満の低重合度ポリ
ビニルアルコールのフィルム(2)との積層物からなる
水分散性ポリビニルアルコール系ラミネートフィルム。 - 【請求項2】低重合度ポリビニルアルコールのフィルム
(2)がマット化されている特許請求の範囲第1項記載
のラミネートフィルム。 - 【請求項3】包装材用である特許請求の範囲第1項記載
のラミネートフィルム。 - 【請求項4】包装材が袋であり、かつ該袋の内面側が低
重合度ポリビニルアルコールのフィルム(2)で構成さ
れている特許請求の範囲第3項記載のラミネートフィル
ム。 - 【請求項5】袋が、歯科用のアルギン酸塩系印象材包装
用の袋である特許請求の範囲第4項記載のラミネートフ
ィルム。 - 【請求項6】袋の内面側を構成している低重合度ポリビ
ニルアルコールのフィルム(2)の厚みが1〜20μmで
ある特許請求の範囲第4項記載のラミネートフィルム。 - 【請求項7】ケン化度35〜95モル%、重合度800未満の
低重合度ポリビニルアルコールの水溶液を、離型性を有
する基材フィルム(3)上に塗布、乾燥して低重合度ポ
リビニルアルコールのフィルム(2)を形成させると共
に、別途形成したケン化度70〜93モル%、重合度800〜2
000の高重合度ポリビニルアルコールのフィルム(1)
を上記フィルム(2)上に熱圧着させた後、上記基材フ
ィルム(3)を剥離除去することを特徴とする水分散性
ポリビニルアルコール系ラミネートフィルムの製造法。 - 【請求項8】離型性を有する基材フィルム(3)が、マ
ット化されたフィルムである特許請求の範囲第7項記載
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62238282A JPH0815773B2 (ja) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | 水分散性ポリビニルアルコール系ラミネートフィルムおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62238282A JPH0815773B2 (ja) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | 水分散性ポリビニルアルコール系ラミネートフィルムおよびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6480527A JPS6480527A (en) | 1989-03-27 |
JPH0815773B2 true JPH0815773B2 (ja) | 1996-02-21 |
Family
ID=17027872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62238282A Expired - Fee Related JPH0815773B2 (ja) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | 水分散性ポリビニルアルコール系ラミネートフィルムおよびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0815773B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0773903B2 (ja) * | 1991-12-17 | 1995-08-09 | 技術研究組合医療福祉機器研究所 | 身体排泄物用品 |
JP2016064587A (ja) * | 2014-09-25 | 2016-04-28 | 積水フィルム株式会社 | 水溶性多層フィルム及びそれを用いた植生シート |
-
1987
- 1987-09-22 JP JP62238282A patent/JPH0815773B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6480527A (en) | 1989-03-27 |
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