JPH08511226A - 農薬を密封する水溶性バッグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 農薬のような毒性のもしくは危険な製品を貯蔵、包装および輸送するために特に適当なコンテナリゼーションシステムを提供する。前記コンテナリゼーションシステムは水溶性バッグの中に入ったゲル、固体または液体の形態の農薬からなる。前記バッグは流動性溶融状態において押出後直接的に結合される少なくとも２つの別個のポリビニルアルコール層の同時押出フィルムから作られる。フィルムは境界面を示さないことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】 農薬を密封する水溶性バッグ 本発明はコンテナリゼーションシステム（containerization system）ならび に農薬化合物のような毒性のもしくは危険な製品を貯蔵、包装および輸送するた めに特に適当な容器（container）に関する。特には、本発明は流動性溶融状態 において押出後直接的に結合される少なくとも２つの別個のポリビニルアルコー ル層の同時押出フィルムから作られる水溶性バッグの中に入れられるゲル、固体 または液体の形態の農薬化合物を密封する前記水溶性バッグに関する。前記フィ ルムは境界面を示さないことを特徴とする。 ゲル又は液状の農薬を入れる水溶性バッグはまさに近年開発されおよび実用化 されているものである。これらの水溶性バッグは噴霧システムの水タンク中に投 げ入れることができ、そうすると前記バッグが溶解しそしてその中に入れられた 薬品が給水中に分散する。従って、薬品の包装を処理する必要がない。ホダコウ スキー（Hodakowski）らによる米国特許第5,080,226号はゲル形態の農薬を入れ る、好ましくはポリビニルアルコール（ＰＶＡ）フィルムからできた水溶性バッ グを開示する。 近年まで、ポリビニルアルコールフィルムは流延法で製造されて次に強度を増 加させおよびピンホールを減少させるため、いくつかの層を貼り合わせる。しか しこれ らのバッグは貼り合わせたポリビニルアルコールフィルムの溶解時間が非常長い ので、決して完全に満足いくものではない。バッグが水タンク中で速やかに溶解 しないと、農業従事者はタンクの水を長時間、激しく攪拌させなければならない か、またはバッグが完全に溶解する前の早期の適用によりタンク装置の目詰まり の危険を受けなければならない。 さらに、ラミネートしたバッグが加圧による破損を受けやすいことで、それは 決して完全に満足いくものではない。 しかし、近年、ポリビニルアルコールは押出法により製造されている。例えば 、ヨーロッパ特許第0 347 222号公報では水溶性バッグを収納する半硬質外装容 器よりなるコンテナシステムを開示する。水溶性バッグはＰＶＡ、ポリエチレン オキシドまたはメチルセルロースよりなるとして開示されてる。この公開公報は 押出可能であるＰＶＡに言及する。 単一の押出ＰＶＡフィルムは急速に溶解するが、フィルムは強度を欠くため、 それもまた完全に満足いくものとは決していえない。 従って、本発明の目的は、迅速に溶解する農業用ゲル、固体または液体が入っ ている水溶性バッグを提供することである。 その他の本発明の目的は破損およびピンホール漏れに耐性のある十分な強度を もつ水溶性バッグを提供するこ とである。 この目的を達成するため、水溶性バッグは流動性溶融状態において押出後直接 結合される少なくとも２つの別個のポリビニルアルコール層の同時押出フィルム から作られる。前記フィルムは境界面を示さないことを特徴とする。 本発明は農薬化合物を完全に密封する同時押出フィルムから作られた水溶性バ ッグからなる、農薬化合物を保持しおよび保管するためのコンテナリゼーション システムであって；前記同時押出フィルムは流動性溶融状態において押出後直 接的に結合される少なくとも２つの別個のポリビニルアルコール層を含み、前記 フィルムはまた境界面を示さないことを特徴とする；コンテナリゼーション シ ステムに関する。 近年まで、全てのポリビニルアルコール（ＰＶＡ）フィルムは溶解されたＰＶ Ａをベルトまたはシート型のコンベア上に注ぎ、次にこのフィルムを乾燥後に取 り出すかまたは巻き取る、流延法により製造されている。強度を付加しおよびピ ンホールを減少させるため、これらのフィルムのいくつかの層を次に噴霧または 他の技術による接着剤の塗布を用いて一緒に貼り合わせる。 近年、ＰＶＡフィルムを作るための押出可能な樹脂法が開発された。流延法と は異なり、押出可能な樹脂法は押出吹込法（extrusion blown process）である 。この方法はいくつかの利点を有し、その一つはいくつかの層が 同時に形成されそして接着剤の使用なく一緒に結合し得ることである。 本願出願人は農業用のゲル、固体または液体を入れる水溶性バッグを使用する ため、これらの多層押出フィルムが、ゆっくりと溶解する貼り合わせた流延フィ ルムよりも、または破損およびピンホール漏れしやすい単一層押出フィルムより も利点を有すること確認した。特には、出願人は三重押出フィルム（tri-extrud ed film）（三層フィルム）が農業的ゲルまたは液体を入れる水溶性バッグに使 用するのに特に利点があることを確認した。 同時押出フィルムは好ましくは２０ないし２４０ミクロン、特には約４０ない し１６０ミクロンのおよび最も好ましくは約１２０ミクロンの厚さをもつ。この 厚さは迅速な溶解とバッグ安定性とのバランスをとるのに重要である。 貼り合わせたフィルムの層は、約２００倍の倍率における顕微鏡下で明らかに 認められるが、同時押出フィルムは１つの層として現れる。水溶性バッグに使用 されるとき同時押出フィルムは同じ厚さの単一層押出フィルムより強い。 バッグはゲル、固体または液体の約０．１ないし４．０リットルの容量を有す る。 農薬化合物は好ましくは有害生物防除剤または植物保護剤である。前記薬品は 例えば水分散性粉剤または粒剤として、乳化性の液体もしくは好ましくはゲルと して配 合できる。 バッグはヒートシール境界により２個のバッグを接続しているツインバッグと して、または２つの別のフィルム間に配置してヒートシールにより一緒に結合し たＰＶＡフィルムにより構築される２室バッグ（two-chamber bag）〔バッグオ ンバッグ（bag on bag）〕として、または少量の薬品を装填したＰＶＡバッグを 、薬品を装填したより大きな外側バッグ内に配置するバッグインバッグシステム （bag in bag system）として作ることが可能である。 以下の実施例は本発明を説明する目的のみにあるもので、本発明の範囲を制限 するいかなる方法をも意図しない。 実施例１： それぞれゲル製品６１０ｇを入れている２個の水溶性バッグを登録商標ランス モント（Lansmont）垂直自由落下衝撃試験機（vertical free fall shock machi ne）で衝撃試験を行う。第一のバッグは一重押出（mono-extruded）ＰＶＡフィ ルム３．０ｍｌから作られるが、第二のバッグは三重押出ＰＶＡフィルム３．０ ｍｌから作られる。第一の一重押出バッグは１２５インチ／秒の速度変化を示す が、第二の三重押出バッグは２１０インチ／秒の速度変化を示した。 実施例２： それぞれゲル製品６１０ｇを入れている２個の水溶性 バッグを登録商標ランスモント（Lansmont）垂直自由落下衝撃試験機で落下試験 を行う。第一のバッグは一重押出ＰＶＡフィルム３．０ｍｌから作られるが、第 二のバッグは三重押出ＰＶＡフィルム３．０ｍｌから作られる。第一の一重押出 バッグは４８インチの臨界落下高さを示すが、第二の三重押出バッグは４８イン チ以上の臨界落下高さ（この機械の測定能力を超える）を示した。 実施例３： 多重試験では、それぞれゲル製品２０４ｇを入れている３つの水溶性バッグを 、登録商標インストロン（Instron）テストシステムモデル４２００機において 圧縮する。第一のバッグは貼り合わせＰＶＡフィルム３．０ｍｌから作られ、第 二のバッグは一重押出ＰＶＡフィルム３．０ｍｌから作られ、そして第三のバッ グは３重押出ＰＶＡフィルム３．０ｍｌから作られる。試験値を平均後、第一の 貼り合わせフィルムバッグは平均３００Ｉｂｓで破損を示し、一重押出フィルム バッグは平均３２５Ｉｂｓで破損を示し、そして三重押出フィルムバッグは平均 ５２８Ｉｂｓで破損を示す。 本発明はその好ましい実例に関して上記に記載したが、種々の変更および改良 が通常の当業者にとって明らかになるであろう。従って、このような変更および 改良は添付する請求の範囲により定義された本発明の本来的精神および範囲内に あるつもりである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，Ｂ Ｙ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＦＩ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＧ ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ， ＭＷ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．農薬化合物を完全に密封する同時押出フィルムから作られた水溶性バッグか らなる、農薬化合物を保持および保管するためのコンテナリゼーションシステム （containerization system）であって；前記同時押出フィルムは流動性溶融状 態において押出後直接的に結合される少なくとも２つの別個のポリビニルアルコ ール層を含み、前記フィルムはまた境界面を示さないことを特徴とする；コンテ ナリゼーションシステム。 ２．前記農薬化合物が有害生物防除剤または植物保護剤である請求項１に記載の コンテナリゼーションシステム。 ３．前記同時押出ポリビニルアルコールフィルムが約２０ないし２４０ミクロン の厚さを有する請求項１に記載のコンテナリゼーションシステム。 ４．前記フィルムが約４０ないし１６０ミクロンの厚さを有する請求項３に記載 のコンテナリゼーションシステム。 ５．前記フィルムが約１２０ミクロンの厚さを有する請求項４に記載のコンテナ リゼーションシステム。 ６．前記バッグが約０．１ないし４．０リットルの容量を有する請求項１に記載 のコンテナリゼーションシステム。 ７．前記同時押出フィルムが三重押出フィルム（tri-extruded film）である請 求項１に記載のコンテナリゼーションシステム。 ８．前記農薬化合物がゲルの形態である請求項１に記載のコンテナリゼーション システム。