JPH08157387A - 電離放射線による生物障害作用の防護方法 - Google Patents
電離放射線による生物障害作用の防護方法Info
- Publication number
- JPH08157387A JPH08157387A JP4128091A JP12809192A JPH08157387A JP H08157387 A JPH08157387 A JP H08157387A JP 4128091 A JP4128091 A JP 4128091A JP 12809192 A JP12809192 A JP 12809192A JP H08157387 A JPH08157387 A JP H08157387A
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- JP
- Japan
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- vegetable
- biological disorder
- rays
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- disorder
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明はｘ線やγ線などの電離放射線の遺伝子
障害や致死障害などの生物障害を野菜または野菜加工物
により防護する。 【構成】本発明は、本発明者らの野菜または野菜加工物
がｘ線やγ線などの電離放射線による生物障害を防護す
るという発明に基づき、人に適用できる形態で人の電離
放射線被爆による生物障害を防護し軽減する。
障害や致死障害などの生物障害を野菜または野菜加工物
により防護する。 【構成】本発明は、本発明者らの野菜または野菜加工物
がｘ線やγ線などの電離放射線による生物障害を防護す
るという発明に基づき、人に適用できる形態で人の電離
放射線被爆による生物障害を防護し軽減する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は電離放射線に被爆した場
合に遺伝子障害あるいは致死などの生物障害が現れる
が、このような生物障害作用を防護する方法に関するも
のであり、特に野菜または野菜加工物により人に適用で
きる防護方法に関するものである。
合に遺伝子障害あるいは致死などの生物障害が現れる
が、このような生物障害作用を防護する方法に関するも
のであり、特に野菜または野菜加工物により人に適用で
きる防護方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】電離放射線の生物障害作用の防護に関し
ては鉛による防護の方法は存在したが、人に直接に適用
でき生命に安全な方法はないに等しく、外部被爆や内部
被爆を少なくするよう努力する以外に防護する方法はな
かった。 すなわち、人に直接適用することを目的とし
た技術は無いと言うことができる。
ては鉛による防護の方法は存在したが、人に直接に適用
でき生命に安全な方法はないに等しく、外部被爆や内部
被爆を少なくするよう努力する以外に防護する方法はな
かった。 すなわち、人に直接適用することを目的とし
た技術は無いと言うことができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は電離放射線の
生物障害を防護し、かつ人に適用できる物質を提供する
ことを目的とし、さらに本発明は電離放射線による生物
障害を防護する方法を提供することを目的とするもので
ある。
生物障害を防護し、かつ人に適用できる物質を提供する
ことを目的とし、さらに本発明は電離放射線による生物
障害を防護する方法を提供することを目的とするもので
ある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にショウジョウバエ（Drosophila melanogaster） にｘ
線を照射し、生物障害をＤＮＡ修復テスト（藤川和男、
環境変異原研究10、15ー25(1988)）及び翅毛スポットテス
ト（梁治子、環境変異原研究9、55ー65 (1987)）に記載の
方法で測定し、野菜の防護作用を検討した。 野菜は栽
培条件の定まったものを採取し水洗後、凍結乾燥し低温
保存したものを試料に混合しシヨウジョウバエに摂食さ
せた。
にショウジョウバエ（Drosophila melanogaster） にｘ
線を照射し、生物障害をＤＮＡ修復テスト（藤川和男、
環境変異原研究10、15ー25(1988)）及び翅毛スポットテス
ト（梁治子、環境変異原研究9、55ー65 (1987)）に記載の
方法で測定し、野菜の防護作用を検討した。 野菜は栽
培条件の定まったものを採取し水洗後、凍結乾燥し低温
保存したものを試料に混合しシヨウジョウバエに摂食さ
せた。
【０００５】
【作用】野菜または野菜加工物は電離放射線による遺伝
子障害または致死などのような生物障害を防護または軽
減する。
子障害または致死などのような生物障害を防護または軽
減する。
【０００６】
【実施例】Drosophilaインスタント培地（Formula 4-2
4, Plain, Carolina BiologicalSupply社製）2.4 g に
ホウレンソウ（品種マルス・春どり）の凍結乾燥標品 2
4mg（生重量0.4 g 相当量）を混入した培地と、対照と
して混入していない培地を作り、それぞれの培地上で生
育した幼虫が３齢のときにｘ線を15mA、フイルターなし
で培地上 27.5cmより 0〜9.0 Gy 照射した。 二つの群
のｘ線照射による障害の度合いを次の二つの方法（翅毛
スポットテスト・ＤＮＡ修復テスト）により比較し、野
菜の電離放射線の生物障害に対する防護作用を調べた。
翅毛スポットテスト法では、多翅毛系統（mwh jv ; s
papol）の未交尾雌と炎毛系統（flr3／TM3,ser）の雄の
交配より得られる幼虫を処理し、成虫の異常翅毛細胞の
集まり（スポット）を観察した。 その結果は、添付表
１に示すようにlargesingle spot（主として染色体組換
えによる突然変異によって生じるもので多数の細胞から
なる変異集落）の出現頻度を比べると、ｘ線量3.0 Gy
ではホウレンソウを含まない培地に生育した群（以下
(-)群 と略）は0.36、ホウレンソウを含んだ培地に生育
した群（以下 (+)群 と略）は0.13、6.0Gyでは(-)群は
0.79、(+)群は0.30、9.0Gyでは(-)群は1.10、(+)群は0.
22となり、すべての線量において(+)群の値の方が小さ
かった。 このことはｘ線による染色体突然変異障害が
ホウレンソウの摂食によって抑制されたことを示すもの
である。ＤＮＡ修復テストでは、Rec- 二重変異体 mei-
9a mei-41DS の雄と、Rec+で正常な修復遺伝子を持つ雌
の交配より得られる幼虫を処理し、成虫になった段階で
Rec-個体のRec+個体に対する数の比（雄／雌）を計算し
た。添付表２および３に示したように、ｘ線量 5.0Gy
では、(-)群の雄／雌 の比は、0.72 で (+)群における
比 1.05 よりも小さく、また、ｘ線量が 6.0 Gy 及び
7.5 Gy のときも同様の結果が得られた。 これより、
(+)群ではｘ線によるＤＮＡ損傷が抑制された。 以上
の結果より、ホウレンソウはショウジョウバエのｘ線に
よる障害を防護することが明らかになった。
4, Plain, Carolina BiologicalSupply社製）2.4 g に
ホウレンソウ（品種マルス・春どり）の凍結乾燥標品 2
4mg（生重量0.4 g 相当量）を混入した培地と、対照と
して混入していない培地を作り、それぞれの培地上で生
育した幼虫が３齢のときにｘ線を15mA、フイルターなし
で培地上 27.5cmより 0〜9.0 Gy 照射した。 二つの群
のｘ線照射による障害の度合いを次の二つの方法（翅毛
スポットテスト・ＤＮＡ修復テスト）により比較し、野
菜の電離放射線の生物障害に対する防護作用を調べた。
翅毛スポットテスト法では、多翅毛系統（mwh jv ; s
papol）の未交尾雌と炎毛系統（flr3／TM3,ser）の雄の
交配より得られる幼虫を処理し、成虫の異常翅毛細胞の
集まり（スポット）を観察した。 その結果は、添付表
１に示すようにlargesingle spot（主として染色体組換
えによる突然変異によって生じるもので多数の細胞から
なる変異集落）の出現頻度を比べると、ｘ線量3.0 Gy
ではホウレンソウを含まない培地に生育した群（以下
(-)群 と略）は0.36、ホウレンソウを含んだ培地に生育
した群（以下 (+)群 と略）は0.13、6.0Gyでは(-)群は
0.79、(+)群は0.30、9.0Gyでは(-)群は1.10、(+)群は0.
22となり、すべての線量において(+)群の値の方が小さ
かった。 このことはｘ線による染色体突然変異障害が
ホウレンソウの摂食によって抑制されたことを示すもの
である。ＤＮＡ修復テストでは、Rec- 二重変異体 mei-
9a mei-41DS の雄と、Rec+で正常な修復遺伝子を持つ雌
の交配より得られる幼虫を処理し、成虫になった段階で
Rec-個体のRec+個体に対する数の比（雄／雌）を計算し
た。添付表２および３に示したように、ｘ線量 5.0Gy
では、(-)群の雄／雌 の比は、0.72 で (+)群における
比 1.05 よりも小さく、また、ｘ線量が 6.0 Gy 及び
7.5 Gy のときも同様の結果が得られた。 これより、
(+)群ではｘ線によるＤＮＡ損傷が抑制された。 以上
の結果より、ホウレンソウはショウジョウバエのｘ線に
よる障害を防護することが明らかになった。
【０００７】
【表１】
【０００８】
【表２】
【０００９】
【表３】
【００１０】
【実施例２】コマツナ1.0gに水1.0gを加えホモジェネー
トし遠心分離（3000r.p.m.）した上澄液約1.7gにグルタ
チオン100mg、塩化ベンザルコニウム0.5mg、ほう酸35m
g、水5mlを加え滅菌した点眼剤。
トし遠心分離（3000r.p.m.）した上澄液約1.7gにグルタ
チオン100mg、塩化ベンザルコニウム0.5mg、ほう酸35m
g、水5mlを加え滅菌した点眼剤。
【００１１】
【実施例３】ホウレンソウ100g、コマツナ100gに水200g
を加えてホモジェネートし遠心分離（3000r.p.m.）した
上澄液約350gに水を加え約500gとし、塩化ナトリウムを
１ー１０％となるように添加した浣腸剤。
を加えてホモジェネートし遠心分離（3000r.p.m.）した
上澄液約350gに水を加え約500gとし、塩化ナトリウムを
１ー１０％となるように添加した浣腸剤。
【００１２】
【実施例４】ホウレンソウ10g、コマツナ10gに水20gを
加えホモジェネートし遠心分離（3000r.p.m.）した上澄
液約30gにカリウム17ミリ当量／ｌ、ナトリウム25ミリ
当量／ｌ、カルシウム180ミリ当量／ｌ、マグネシウム1
30ミリ当量／ｌ、クロール18ミリ当量／ｌ、リン酸217
ミリ当量／ｌとなるように塩類を加え５０％デキストロ
ーズ300mlを加え、全量を1ｌとした輸液剤。
加えホモジェネートし遠心分離（3000r.p.m.）した上澄
液約30gにカリウム17ミリ当量／ｌ、ナトリウム25ミリ
当量／ｌ、カルシウム180ミリ当量／ｌ、マグネシウム1
30ミリ当量／ｌ、クロール18ミリ当量／ｌ、リン酸217
ミリ当量／ｌとなるように塩類を加え５０％デキストロ
ーズ300mlを加え、全量を1ｌとした輸液剤。
【００１３】
【発明の効果】本発明の方法並びに組成物により電離放
射線の生物障害を防護または軽減することが可能とな
る。一般の医薬品連用による副作用を示さず、人への連
続適用或いは経口適用も可能である。
射線の生物障害を防護または軽減することが可能とな
る。一般の医薬品連用による副作用を示さず、人への連
続適用或いは経口適用も可能である。
Claims (4)
- 【請求項１】ｘ線やγ線などの電離放射線の遺伝子障害
や致死などの生物障害を野菜または野菜の加工物により
防護する方法。 - 【請求項２】電離放射線の生物障害を防護することを特
徴とする野菜または野菜加工物またはそれらを含む組成
物の製造方法。 - 【請求項３】野菜または野菜加工物により医療または診
断上での電離放射線による生物障害を防護することを特
徴とする点眼剤、浣腸剤、輸液剤などのような組成物の
製造方法及び用途。 - 【請求項４】放射性医薬品組成物の中に電離放射線によ
る生物障害を防護する目的で野菜または野菜加工物を使
用する方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4128091A JPH08157387A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 電離放射線による生物障害作用の防護方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4128091A JPH08157387A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 電離放射線による生物障害作用の防護方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08157387A true JPH08157387A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=14976182
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4128091A Pending JPH08157387A (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 電離放射線による生物障害作用の防護方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08157387A (ja) |
Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6335609A (ja) * | 1986-07-30 | 1988-02-16 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | エチレン性不飽和基を有する硬化性樹脂組成物の製造法 |
| JPH02203300A (ja) * | 1988-09-20 | 1990-08-13 | Fumio Onuki | 放射性物質その他を含む産業廃水よりこれら汚濁物をクラミドモナス属単細胞緑藻を用いて防去する方法 |
| JPH02222898A (ja) * | 1988-09-20 | 1990-09-05 | Fumio Onuki | 放射性物質その他を含む産業廃水よりこれら汚濁物をクラミドモナス属単細胞緑藻を用いて除去する装置 |
| JPH03167129A (ja) * | 1989-11-22 | 1991-07-19 | Wakunaga Pharmaceut Co Ltd | Ｓ−アリルシステイン高濃度含有組成物の製造方法 |
| JPH04204295A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-24 | Tomoji Tanaka | 原子力発電に於ける放射能汚染塵灰と排水及び土壌の淨化法 |
-
1992
- 1992-04-20 JP JP4128091A patent/JPH08157387A/ja active Pending
Patent Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6335609A (ja) * | 1986-07-30 | 1988-02-16 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | エチレン性不飽和基を有する硬化性樹脂組成物の製造法 |
| JPH02203300A (ja) * | 1988-09-20 | 1990-08-13 | Fumio Onuki | 放射性物質その他を含む産業廃水よりこれら汚濁物をクラミドモナス属単細胞緑藻を用いて防去する方法 |
| JPH02222898A (ja) * | 1988-09-20 | 1990-09-05 | Fumio Onuki | 放射性物質その他を含む産業廃水よりこれら汚濁物をクラミドモナス属単細胞緑藻を用いて除去する装置 |
| JPH03167129A (ja) * | 1989-11-22 | 1991-07-19 | Wakunaga Pharmaceut Co Ltd | Ｓ−アリルシステイン高濃度含有組成物の製造方法 |
| JPH04204295A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-24 | Tomoji Tanaka | 原子力発電に於ける放射能汚染塵灰と排水及び土壌の淨化法 |
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