JPH0815689A - 液晶表示器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 短ピッチコレステリック液晶層は、特定波長
の所定回転方向の光を反射し、逆方向の光を透過させ
る。この性質を利用して、円偏光選択性を有するコレス
テリック液晶層に光学手段を積層する。その光学手段
は、単なる液晶セルであったり複屈折を利用する液晶セ
ルであったりドットマトリクス型液晶セルである。いず
れにおいても略円偏光を生じる。ここで導出した光をそ
の光学層の性質に合わせて、特定方向に導くように、光
ファイバー集合体等を積層する。また、カラーフィルタ
ー層に光束を収束させ、カラーフィルター層から導出さ
れた光束を観察者側に拡散させる導光手段を積層する。 【効果】 コレステリック円偏光の光はその光路に沿っ
て観察される事になり、あるいは効率よくフィルターに
光が導かれ、表示に寄与した後拡大されるので、高いコ
ントラストと、一定コントラストの広い視野が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は高表示品位のカラー表示
が行える液晶表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より電界効果型の液晶表示器は消費
電力が小さく薄型の表示器が構成できるという長所をも
っていた。このような表示器はツイストネマティック
（ＴＮ）型とかスーパーツイストネマティック（ＳＴ
Ｎ）型の表示モードと呼ばれ、特公昭５１−１３６６６
号公報、特開昭６０−１０７０２０号公報等に開示され
ている。このような表示モードでは液晶分子を９０〜２
７０度の螺旋状にねじって配置するもので、旋光性や液
晶の複屈折性を利用するため、不所望の干渉光が混入し
やすく、また透過型でなければ実用的コントラストが得
にくい。これは主として偏光板による光損失と偏光軸の
視角依存性により生じる欠点で、光損失は一般に５０％
を越える。さらにカラー表示に当っては、フィルターに
よりさらに光損失は増大する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで我々は先にコレ
ステリック液晶と複屈折性を有する光学手段を積層し、
コレステリック液晶で高効率に反射された特定の波長の
光を光学手段で選択して表示を行うことを提案した。し
かしながらこのような表示手段はコレステリック液晶の
円偏光波長依存性とそれに積層する電界効果型液晶のた
め視角依存性がなくならない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明はこの点に鑑みて
なされたもので、コレステリック液晶層からなるカラー
フィルター層と電界印加手段を有した複屈折性を有する
光学手段を積層し、カラーフィルター層の反射光を特定
方向に導く導光手段をさらに積層したものである。また
本発明はその導光手段としてコレステリック液晶層の反
射光を特定方向に導くように光軸がコレステリック液晶
層の分子軸螺旋方向に略平行になるよう配置された光フ
ァイバー集合体を用い、あるいは光学手段として液晶セ
ルを用いるとき光ファイバーからなる光透過部材を光放
出面が略平面状になるように整列させ相互に遮光性樹脂
で固着し、光透過部材の光導出部がコレステリック液晶
層からの透過光の１８００倍の４０％以内である導光手
段を用いるものである。

【０００５】また、本発明はカラーフィルター層と、該
カラーフィルター層に積層され、電界印加手段を有した
液晶層から成る光学手段と、カラーフィルター層に光束
を収束させ、カラーフィルター層から導出された光束を
観察者側に拡散させる導光手段と積層するもので、その
導光手段は好ましくは凹・凸レンズ集合体などのマイク
ロレンズアレイによって構成したものである。

【０００６】さらに本発明は、ドットマトリクスカラー
表示において画素集合体からなるドットマトリクス表示
に略対応するよう整列配置された、隣接周辺部に光反射
要素を有する光透過部材集合体からなり、当該光透過部
材の表面は画素面積の７８％以下４０％以上の大きさで
ある導光手段を用いたものである。

【０００７】

【作用】これにより、コレステリック円偏光の光はその
光路に沿って観察されることになり、あるいは効率よく
フィルターに光が導かれ、表示に寄与した後拡大される
ので、高いコントラストと一定コントラストの広い視野
が得られる。

【０００８】

【実施例】図１は本発明実施例の液晶表示器の断面図
で、１は特定波長の光に対して円偏光選択性を有するコ
レステリック液晶層で、特定の波長の右（若しくは左）
旋回の円偏光した光を反射し、他の波長並びに逆旋回円
偏光の光は透過する。このコレステリック液晶層１は後
述するようにカラーフィルター層の役目をし、より好ま
しくは、コレステリック液晶層１の背面に黒色の金属薄
膜からなる光吸収層３を基台１０の上に積層しており、
その光吸収層３に積層されたコレステリック液晶層１
は、赤、青、緑の各々異なった所定の波長の円偏光した
光を反射するようにストライプ状に交互に選択波長が異
ならしめて配置されている。

【０００９】２はそのコレステリック液晶層１に積層さ
れた電界効果型の液晶層から成る光学手段であり、例え
ば複屈折性を有する液晶層２１と偏光子２２を有する。
この場合、液晶層２１は強誘電性液晶層もしくはスーパ
ーツイストネマティック液晶層からなり、配向膜２３と
電極２４ｘ、２４ｙによって挟まれている。その電極２
４ｘ、２４ｙは例えば上下でマトリクスを構成するよう
に直交したストライプ電極からなり、液晶層２１に対す
る電圧印加手段となっている。また光学手段２は、ＯＮ
状態若しくはＯＦＦ状態において可視光域内の３原色に
相当する波長のいずれにおいても直線偏光を略円偏光に
変換するものであることが好ましい。そして、光学層２
の中には必要に応じて液晶層２１に積層された薄膜状の
位相膜２６が設けられ、液晶層２１はコレステリック液
晶層１の特定波長の各々に対して略円偏光を生じるよう
な複屈折性を有している。

【００１０】５はカラーフィルター層であるコレステリ
ック液晶層１の反射光を特定方向に導く導光手段で、図
２に示すように１画素ドットＡに対して、１本もしくは
複数本（例えば５〜２０本）１組とし、光軸が基板４に
垂直になるように配置された光ファイバー集合からな
る。

【００１１】このような構成において、例えば赤の表示
を例に取ると、波長６１０ｎｍ近傍の光がコレステリッ
ク液晶層１で左円偏光反射されるとすると、右円偏光の
光や他の色波長の光はコレステリック液晶層１を透過
し、光吸収層３で吸収されて表示には寄与しない。コレ
ステリック液晶層１で反射された赤色の左円偏光の光は
光学層２で透過・遮光される。具体的には、電界が印加
されないときにはレターデーション調整された光学層２
により位相がπだけ進み、左偏光となる。そして電界印
加時にはレターディションが崩されるので右偏光のまま
で光学層２を透過する。そしてこれらの光は偏光子２２
において無電界のときは選択された波長域の逆方向の光
であるから反射され表示の色は無彩色（黒）となり、電
界時には透過され表示は赤色となり、この時の光吸収は
著しく小さい。レターデ−ション調整の大きさによって
位相がπ／４と３π／４の組み合わせなどになってもよ
い。そしてこのためには液晶層２１のみでレターデーシ
ョン調整してもよいし、液晶層２１と位相膜２６との組
み合わせでレターデーション調整してもよい。又偏光子
２２の偏光軸を回転させることで、無電界の時に色表示
をして電界印加で黒になるように配置してもよい。いず
れにしてもこの光学層２を透過した光は導光手段５によ
って光束の進行方向が限定され、観察者に届くことにな
る。

【００１２】上述の例において、コレステリック液晶層
１は、例えば特開昭５７−１６５４８０号公報や特開昭
６１−１３７１３３号公報に示される様なコレステリッ
ク相を持つ高分子液晶材料が利用できる。例えば、シロ
キサンリングに他のリングとの結合を行う例えばアクリ
ル基とコレステリック液晶が交互に周囲に結合されたも
のを利用できる。このコレステリック液晶層１は、コレ
ステリックのピッチにより波長選択性を持つ。

【００１３】一方光学手段２は、上述した原理通りに働
かせようとするとＯＮ状態とＯＦＦ状態とで複屈折特性
のみが光学的に作用し、かつその光学特性が安定してい
ることが望ましく、この意味からは強誘電液晶が適して
いる。しかし現実的には旋光性が影響することもあり、
また２状態の複屈折性が安定している強誘電性液晶は安
定配向が崩れやすい。上述した光ファイバーの光束制限
性が良好であれば、この光学手段２に厳格な複屈折調節
の必要性がなくなる。具体的にはコレステリック液晶層
１に積層される光学手段２として、電界印加手段を有し
たＴＮ等のネマティック液晶層を含むように構成し、導
光手段５としてコレステリック液晶層１の反射光を特定
方向に導くように光軸がコレステリック液晶層１の分子
軸螺旋方向に略平行になるよう配置された光ファイバー
集合体を用いればよい。

【００１４】そして、図１における導光手段５として
は、例えば直径ｒ＝５０μｍ、長さＬ＝０．５ｍｍの硝
子からなる光ファイバー５１を蜂の巣状に束ね、黒色シ
リコン樹脂などで固定したもので、投射型液晶装置で光
束を平行に絞るために用いる光ファイバープレートより
も開口数が大きく収束率も低いものを用いる。これは投
射装置などでは液晶から出てきた光を干渉なく投影面ま
で導く必要があるのに対し、本発明では表示面を直接観
察されるため、光束の収束性を上げると表示を観察でき
る視野角が制限されるためである。このような光ファイ
バー５１は必要に応じて、束ねる前にポリアクリロニト
リルなどからなる光吸収部を焼結形成しておいてもよ
く、また硝子を素材としないでアクリル線等の光透過性
のよい透明樹脂ファイバーを用いてもよい。

【００１５】また、このような導光手段５は、コレステ
リック液晶層１からの円偏光された特定波長に対して画
素の光が鮮明に見えるためには、光ファイバー５１部分
の長さＬが透過光の波長４６０〜７８０ｎｍの２０００
倍から２５０倍であれば正面から見たときのコントラス
トが高い。即ち、コレステリック液晶層１と液晶層から
成る光学手段２とを積層し、光ファイバー５１からなる
光透過部材を光放出面が略平面状になるように整列させ
相互に遮光性樹脂で固着し、光透過部材（光ファイバ
ー）の光導出部がコレステリック液晶層からの透過光の
中心波長５５０ｎｍの１８００倍から３６０倍の範囲以
内である導光手段を設ければよく、より好ましくはコン
トラスト向上のため光を収束させると共に視野角を制限
しないためには中心波長５５０ｎｍの１０００倍から４
００倍とするのがよい。

【００１６】そしてドットマトリクス表示を行うに当っ
ては、ドットマトリクス表示の画素に対応して配置され
た特定波長の光に対して選択性を有するコレステリック
液晶層と、そのドットマトリクス表示に対応した電界印
加手段を有した液晶層からなる光学手段を有することに
なるが、この場合には、１色ドットもしくは３原色集合
体ドット（以下画素という）に対して、１本もしくは複
数本（例えば５〜２０本）１組の光ファイバーを配置す
ることとなり、この場合、光透過部材である光ファイバ
ーはその画素の全体をカバーする必要がないことが分か
った。即ち、光の利用効率から言えば画素面積の１００
％に対する光を光ファイバーに導くほうがよいように思
われるが、光を多く導くことはそれだけドット間の判別
が困難となり、むしろ色褪せた、即ち白色の強い表示と
して観察される。従って色の濃さを考慮し、全消灯で
黒、全点灯で白の表示を３原色で行うには、実験的に導
光手段は、画素集合体からなるドットマトリクス表示に
略対応するように整列配置され、隣接周辺部に光反射要
素を有する光透過部材（光ファイバー）集合体からな
り、その光透過部材の表面（１ドット１本ファイバー対
応の場合にはその光学的開口面積、複数本１組の光ファ
イバーの場合には１画素に対応する光ファイバーの光学
的開口面積の総和であって、１画素に対応する光ファイ
バーの数が場所によってことなるときはその総和の平均
値）は画素面積の７８％以下４０％以上の大きさとなる
ように構成しておけばよいことが分かった。

【００１７】更に、このようなコレステリック液晶層に
光を集中させ、その反射光を拡散させることで、より効
率的に表示に利用できる。即ち、図３に示すように、コ
レステリック液晶層から成るカラーフィルター層１００
と、そのカラーフィルター層１００に積層され、対向し
て設けられたストライプ状の電極２４０からなる電界印
加手段を有した液晶層２１０から成る光学手段２００
と、カラーフィルター層１００に光束を収束させ、カラ
ーフィルター層１００から導出された光束を観察者側に
拡散させる導光手段５００とを設ける。偏光板や位相板
あるいは光吸収層は図１で説明したと同様に用いてよ
い。

【００１８】この図の例において導光手段５００は、例
えば画素より少し大きい凸レンズアレイもしくは画素に
対応する凸レンズと画素間に対応する凹レンズアレイか
らなり、凸レンズの焦点は、基板２５０や液晶層２１０
の屈折率を考慮して焦点位置がカラーフィルター層１０
０の僅かに下側、例えば基台の裏面に光吸収層３００を
設け、その真上に焦点が位置する様に調整されており、
これによって外光は画素面積より広い範囲の光が画素中
心部に導かれる。カラーフィルター層１００により反射
された光は液晶層を通って導光手段５００に導かれ、レ
ンズにより拡散される。この時カラーフィルター層１０
０に導く光は自然光に近い円偏光や楕円偏光の成分の少
ない光であり、カラーフィルター層１００から反射され
た光はカラーフィルター層や液晶層２１０を透過するこ
とによって円偏光や楕円偏光の成分が増えていることを
利用して、導光手段５００として、円偏光成分を有する
光に対して凹レンズの働きをする複屈折調節型レンズシ
ート５０１と凸レンズアレイ５０２を積層して形成する
とより好ましい。

【００１９】

【発明の効果】以上の如く、本発明にあっては特定の波
長域の光に着目してその波長域の光を有効に利用し、し
かも波長選択性を利用するコレステリック液晶には電界
を印加しないので明るく色コントラストのよい高時分割
駆動の表示が行え、コレステリック円偏光の光はその光
路に沿って観察されることになり、あるいは効率よくフ
ィルターに光が導かれ、表示に寄与した後拡大されるの
で、高いコントラストの表示が行えるのみでなく、一定
コントラストの広い視野が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の液晶表示器の断面図である。

【図２】液晶表示器の画素の説明図である。

【図３】本発明の他の実施例の液晶表示器の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ コレステリック液晶層 ２ 光学手段 ２１ 液晶層 ２２ 偏光子 ２６ 位相膜 ３ 光吸収層 ５ 導光手段

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コレステリック液晶層からなるカラーフ
   ィルター層と、該カラーフィルター層に積層され、電界
   印加手段を有した複屈折性を有する光学手段と、カラー
   フィルター層の反射光を特定方向に導く導光手段とを具
   備したことを特徴とする液晶表示器。
2. 【請求項２】 複数の異なる特定波長の光に対して各々
   円偏光選択性を有するコレステリック液晶層と、該コレ
   ステリック液晶層に積層され、電界印加手段を有したネ
   マティック液晶層を含む光学手段と、コレステリック液
   晶層の反射光を特定方向に導くように光軸がコレステリ
   ック液晶層の分子軸螺旋方向に略平行になるよう配置さ
   れた光ファイバー集合体からなる導光手段とを具備した
   ことを特徴とする液晶表示器。
3. 【請求項３】 特定波長の光に対して円偏光選択性を有
   するコレステリック液晶層と、該コレステリック液晶層
   に積層され、電界印加手段を有した液晶層から成る光学
   手段と、光ファイバーからなる光透過部材を光放出面が
   略平面状になるように整列させ相互に遮光性樹脂で固着
   し、光透過部材の光導出部がコレステリック液晶層から
   の透過光の波長の１８００倍から３６０倍以内である導
   光手段とを具備したことを特徴とする液晶表示器。
4. 【請求項４】 カラーフィルター層と、該カラーフィル
   ター層に積層され、電界印加手段を有した液晶層から成
   る光学手段と、カラーフィルター層に光束を収束させ、
   カラーフィルター層から導出された光束を観察者側に拡
   散させる導光手段とを具備したことを特徴とする液晶表
   示器。
5. 【請求項５】 ドットマトリクス表示の画素に対応して
   配置された特定波長の光に対して選択性を有するコレス
   テリック液晶層と、該コレステリック液晶層に積層さ
   れ、ドットマトリクス表示に対応した電界印加手段を有
   した液晶層からなる光学手段と、該光学手段に積層さ
   れ、画素集合体からなるドットマトリクス表示に略対応
   するよう整列配置された、隣接周辺部に光反射要素を有
   する光透過部材集合体からなり、当該光透過部材の表面
   は画素面積の７８％以下４０％以上の大きさである導光
   手段とを具備したことを特徴とする液晶表示器。