JPH08155876A - 伸縮アーム装置 - Google Patents

伸縮アーム装置

Info

Publication number
JPH08155876A
JPH08155876A JP32972194A JP32972194A JPH08155876A JP H08155876 A JPH08155876 A JP H08155876A JP 32972194 A JP32972194 A JP 32972194A JP 32972194 A JP32972194 A JP 32972194A JP H08155876 A JPH08155876 A JP H08155876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
arms
wire
pulley
extension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32972194A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiro Watanabe
好郎 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP32972194A priority Critical patent/JPH08155876A/ja
Publication of JPH08155876A publication Critical patent/JPH08155876A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】収縮した状態ではアームをできる限り小さくす
ることができ、伸長した状態では所望のストロークを得
ることができる構造の簡単な伸縮アーム装置を提供する
こと。 【構成】重ね合わされて相互にスライド可能にかみ合わ
された少なくとも3つのアームA1ないしA5と、複数
のアームに設定されるワイヤー案内手段26と、複数の
アームを順次繰り出して伸長するための伸長用のワイヤ
ー40であって、その一端が該当する段のワイヤー案内
手段26を介して次の段のアームに取り付けられている
伸長用のワイヤー40と、複数のアームを順次戻して収
納するための収縮用のワイヤー50であってその一端が
複数のアームの内の最先端に繰り出されるアームに取り
付けられている収縮用のワイヤー50と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば工場において
成形品を取り出す作業や、ゲーム場で自動的にサイコロ
を収納する等の定形作業に用いて最適な伸縮アーム装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業用の簡易型ロボットの基本構造とし
ては、X−Y直交動作型ロボットや、垂直面での回転お
よび水平面での回転を行う回転動作型の関節ロボットが
採用されている。これらの簡易型ロボットは、構造が簡
単でしかも精度が出し易く強度保持も容易であるため
に、作業力と作業精度を必要とする作業に多用されてい
る。またこのような簡易型ロボットは、構造が簡単でコ
ストが安くできるので、工場での成形品等の取り出し作
業等の定形作業に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの従
来の簡易型ロボットは、次のような問題がある。従来の
ロボットのアームはこれ以上短縮できないある長さを有
し、アームが回転する際にはアームの回転動作用の空間
が必要である。つまりこのアームの動作空間を十分にと
らないと、アームが作業者に当たって危険である。従っ
て、産業用ロボットを製造工場の現場で使用する場合
や、あるいは大勢の作業者を必要とする作業環境で従来
のロボットのアームを旋回あるいは回転あるいは上下動
をする場合としてたとえばゲーム場においてこの種のア
ームを有するロボットを用いて自動的にサイコロの収納
を行うなどの作業を行う場合には、アームの動作に伴な
う危険が大きい。
【0004】本発明は上記課題を解消するためになされ
たものであり、収縮した状態ではアームをできる限り小
さくすることができ、伸長した状態では所望のストロー
クを得ることができる構造の簡単な伸縮アーム装置を提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にあ
っては、重ね合わされて相互にスライド可能にかみ合わ
された少なくとも3つのアームと、前記複数のアームに
設定されるワイヤー案内手段と、前記複数のアームを順
次繰り出して伸長するための伸長用のワイヤーであっ
て、その一端が該当する段の前記ワイヤー案内手段を介
して次の段の前記アームに取り付けられている前記伸長
用のワイヤーと、前記複数のアームを順次戻して収納す
るための収縮用のワイヤーであって、その一端が、前記
複数のアームの内の最先端に繰り出される前記アームに
取り付けられている前記収縮用のワイヤーと、を備える
伸縮アーム装置により、達成される。本発明にあって
は、好ましくは前記複数のアームは、板状のアームであ
り、前記アームの相互間のスライドを案内するための手
段を備える。本発明にあっては、好ましくは前記収縮用
のワイヤーの他端側が、巻き取り、巻き戻しするための
ワイヤー操作手段の第1のプーリに取り付けられてい
て、前記伸長用のワイヤーの他端側が、巻き取り、巻き
戻しするためのワイヤー操作手段の第2のプーリに取り
付けられている。本発明にあっては、好ましくは前記ワ
イヤー操作手段の前記第1のプーリと前記第2のプーリ
は、回転軸に同軸状に固定されていて、前記第1のプー
リは前記第2のプーリよりも径が大きい。
【0006】
【作用】上記構成によれば、少なくとも3つのアーム
は、重ね合わされて相互にスライド可能にかみ合わされ
ている。伸長用のワイヤーは、複数のアームを順次繰り
出して伸長するために、ワイヤー案内手段を介して次の
段のアームを繰り出す。収縮用のワイヤーは、複数のア
ームを順次戻して収納するために、最先端に繰り出され
たアームを戻す。これにより、構造が簡単でありなが
ら、収縮した状態ではアームをできる限り小さくするこ
とができ、伸長した状態では所望のストロークを得るこ
とができる。本発明にあっては、好ましくは板状の複数
のアームは、アームの相互間のスライドを案内するため
の手段により安定してスライドすることができる。本発
明にあっては、好ましくは第1のプーリにより、収縮用
のワイヤーの他端側を巻き取り、巻き戻しする。第2の
プーリにより、伸長用のワイヤーの他端側を巻き取り、
巻き戻しする。本発明にあっては、好ましくは第1のプ
ーリと第2のプーリは、回転軸を回転することにより、
巻き戻しと巻き取り操作を行う。第1のプーリは第2の
プーリよりも径が大きいので、巻き取りと巻き戻しの操
作がスムーズに行える。
【0007】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、
本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種
々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説
明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、
これらの態様に限られるものではない。
【0008】好ましい実施例の説明 図1は、本発明の伸縮アーム装置とその伸縮アーム装置
の駆動装置を示す側面図であり、図2は、図1の伸縮ア
ーム装置と駆動装置の平面図である。図3は図1のW−
W線における断面を有する伸縮アーム装置と駆動装置の
正面図である。図1と図2において、伸縮アーム装置の
駆動装置は、伸縮アーム装置1、伸縮アーム装置1の各
アームを伸縮するためのアーム伸縮手段2、伸縮アーム
装置1の回転駆動手段3、伸縮アーム装置1の上下駆動
手段4、コントローラ5、およびロボット基台6を有し
ている。
【0009】まず伸縮アーム装置1の構造を、図3ない
し図5により説明する。伸縮アーム装置1は、図3と図
4に示すように、5枚のアームA1ないしA5を重ね合
せて構成したものである。この伸縮アーム装置1の各ア
ームA1ないしA5は、重ね合されて相互にスライド可
能にかみ合されている。図示の伸縮アーム装置1は、5
枚のアームA1ないしA5を備えているが、少なくとも
3枚のアームを備えていれば伸縮機能を果たすことがで
きる。アームA1は、最下段のアームであり、アームA
5は最上段のアームである。
【0010】図5と図6に示すように、最上段のアーム
A5は、最先端まで伸長されるアームであり、最下段の
アームA1は、これ自体は図1の基台6側に固定したま
まである。アームA1ないしA5の構造は、図3に示す
ように基本的には同じ断面形状を有している。アームA
1ないしA5は、それぞれ第1係合部10、第2係合部
12、中央曲げ部14、第3係合部16、端部曲げ部1
8を有している。
【0011】一例として、第2段目のアームA2と第1
段目のアームA1における相互の連結状態を説明する。
アームA2の第2係合部12は、アームA1の第1係合
部10との間において関わっており、これらの間にはア
ームA1とA2をスムーズにスライドするための手段2
0,20が回転可能に配置されている。このスライドさ
せるための手段20はたとえばコロである。同様にして
アームA2ないしA5の間でもスライドさせるための手
段20により相互にスムーズにスライドができるように
なっている。アームA1の第3係合部16とアームA2
の端部曲げ部18の間にもスライドさせるための手段2
2が配置されている。このスライドさせるための手段2
2もコロである。これらのころ20,22は、図5にお
いて示している。
【0012】図3の第1段目のアームA1から第4段目
のアームA4には、それぞれ2つずつプーリ26,26
が回転可能に取り付けられている。このプーリ26,2
6は、図5においてその位置が示されている。図3のケ
ース28の内部には、上述したアームA1ないしA5が
収納されている。最下段のアームA1は、ケース28に
対して固定されている。しかし最下段のアームA1に対
して伸縮移動する第2段目のアームA2ないし最上段の
アームA5には、それぞれカバー30,32,34,3
6が取り付けられている。つまりアームA2ないしA5
は、カバー30,36によりそれぞれ保護されている。
【0013】図5に示すように、上述したプーリ26,
26に対して後で述べるワイヤーをかけた時に、ワイヤ
ーの両側が中央曲げ部14を跨ぐようになっている。中
央曲げ部14はアームの補強をしている。図3のアーム
A1ないしA5は、第1係合部10、第2係合部12お
よびコロ20を備えているので、下段のアームと上段の
アームが互いに浮かないように相互にスライドすること
ができ、しかも図3において紙面垂直方向に相互にずれ
ない。しかもアームA1ないしA5は、第3係合部16
と端部曲げ部18およびコロ22を有しているので、下
段のアームと上段のアームは相互に浮かないように相互
にスライドすることができ、図3の紙面において垂直方
向にずれない。これらの第1係合部10、第2係合部1
2およびコロ20、第3係合部16と端部曲げ部18お
よびコロ22は、アームA1ないしA5の相互間のスラ
イドをスムーズに行うための手段を構成している。
【0014】コロ20,22はローラともいい、重なっ
たアームA1ないしA5の摺動の負荷を軽減するための
ものである。このローラ20,22には、この他にボー
ル状のものであっても構わない。上述した構造の伸縮ア
ーム装置1は、図5に示すように、矢印X1方向に伸長
することができ、矢印X2の方向に伸縮もしくは収納す
ることができるようになっている。
【0015】次に、上述した伸縮アーム装置1の各アー
ムA1ないしA5を伸長および収縮動作させるためのア
ーム伸縮手段2について、図4により説明する。アーム
伸縮手段2は、図4に示すように、2本の伸長用のワイ
ヤー40,40、1本の収縮用のワイヤー50、および
ワイヤー操作手段60を有している。収縮用のワイヤー
50は、アームA1ないしA5を矢印X2の方向に引張
って収縮するためのワイヤーである。収縮用のワイヤー
50の一端50aは、最上段のアームA5の後端部に固
定されている。収縮用のワイヤー50の他端は、中間プ
ーリ50bを介してワイヤー操作手段60の大プーリ
(第1のプーリ)61に固定されている。
【0016】これに対して、伸長用のワイヤー40,4
0の一端40aが、図5に示すように最下段のアームA
1の中央曲げ部14の中を通って、プーリ26,26を
介して矢印X2の方向に戻りそして第2段目のアームA
2の後端部40bに固定されている。図4の伸長用のワ
イヤー40の他端40cは、それぞれ小プーリ(第2の
プーリ)62,62にそれぞれ取り付けられている。
【0017】図4において1つの小プーリ62は実線で
示し、もう1つの小プーリ62は、大プーリ61の向こ
う側に位置していて破線で示されている。伸長用のワイ
ヤーとしては、1組目の伸長用ワイヤー40の他に、図
5に示すようにあと3組あり、伸長用のワイヤー41,
42,43がある。2組目の伸長用のワイヤー41の一
端41aは、2段目のアームA2の中央曲げ部14の中
を通って2つのプーリ26を介して3段目のアームA3
の後端部の取り付け部41bに固定されている。伸長用
のワイヤー41の他端41cは、1段目のアームA1の
後端部に固定されている。
【0018】同様にして、3組目の伸長用のワイヤー4
2,42の一端42aは、4段目のアームA4の後端部
の取り付け部42bに固定されている。伸長用のワイヤ
ー42の他端42cは、2段目のアームA2の後端部4
2dに固定されている。
【0019】4組目の伸長用のワイヤー43の一端43
aは、4段目のアームA4の中央曲げ部14の中を通っ
て、ころ20を介して、最上段のアームA5の後端部の
取り付け部43bに固定されている。伸長用のワイヤー
43の他端43cは3段目のアームA3の取り付け部4
3dに固定されている。なお、図5の収縮用のワイヤー
50の一端部は、既に述べたように、最上段のアームA
5の取り付け部50aに固定されいる。
【0020】図1と図4では、伸縮アーム装置1の各ア
ームA1ないしA5は完全に収縮して収納された状態に
ある。つまり図1のケース28内に全てのアームA1な
いしA5が収納されている。図4において、上述した大
プーリ61と小プーリ62,62は、回転軸63により
同軸上に固定されている。回転軸63は、アクチュエー
タであるモータ64の出力軸64aからの出力に応じて
ギア65,66を介して駆動力が伝達される。これによ
り回転軸63は、モータ64の駆動により、矢印R1方
向の正回転と矢印R2方向の逆回転を行うことができ
る。アームA2ないしアームA5を、図4の収納状態か
らアームA1に対して伸長する場合には、回転軸63と
ともに大プーリ61と小プーリ62を矢印R1の方向に
回転する。これにより収縮用のワイヤー50は、大プー
リ61から巻き戻されると共に伸長用のワイヤー40,
40は、小プーリ62,62に対して巻き取られる。
【0021】逆に、アームA2ないしA5を、固定のア
ームA1に対して収縮して図4に示すような収納状態に
する場合には、回転軸63と共に大プーリ61と小プー
リ62,62を矢印R2の方向に回転する。これによ
り、収縮用のワイヤー50は大プーリ61により巻き取
られると共に、伸長用のワイヤー40,40は小プーリ
62から巻き戻される。このようにして、収縮用のワイ
ヤー50と伸長用のワイヤー40,40を相互に緊張す
るようにして、アームA2ないしA5を固定のアームA
1に対して伸長させたり収縮させることができるように
なっている。
【0022】次に、図1と図2の回転駆動手段3につい
て説明する。回転駆動手段3は、アーム伸縮手段2、伸
縮アーム装置1およびケース28を、水平面内において
矢印θ方向に回転させて、伸縮アーム装置1を所望の方
向に向けるための手段である。この回転駆動手段3は、
図6と図7にさらに詳しく示している。回転駆動手段3
は、図6と図7に示すように、モータ80とそのモータ
80の出力ギア81により回転されるリング型のギア8
3を有している。このリング型のギア83はロボット基
台6に対して回転可能に設けられている。ロボット基台
6は、図1に示すようにベース接地面Fに対してねじに
より固定できるようになっている。モータ80を駆動す
ることにより、リング型のギア83は、図7のθ方向に
所定角度回転して、アーム伸縮手段2、伸縮アーム装置
1およびケース28をインデックスできるようになって
いる。
【0023】次に図1の上下駆動手段4について説明す
る。上下駆動手段4は、アーム収縮手段2と伸縮アーム
装置1およびケース28をγ方向に回転して、伸縮アー
ム装置1の上下方向の向きを設定するためのものであ
る。ケース28は、図1と図6に示すように、断面半円
形部分90を有している。この半円形状の部分90は、
リング状のギア83側の凹部92に嵌め込まれている。
図1に示すように、モータ93のギア94は、γ方向上
下用の扇形のギア95にかみ合っていて、モータ93を
正逆方向に回転することにより、ケース28、伸縮アー
ム装置1およびアーム伸縮手段2を、所定角度γ、ピン
96を中心として垂直面内において上下動可能になって
いる。これらの上述したモータ64,80および93
は、図1のコントローラ(制御手段)5によりその動作
が制御できるようになっている。
【0024】動作の説明 次に、上述した伸縮アーム装置とその駆動装置の動作を
説明する。図1のモータ80を作動して、伸縮アーム装
置1をθ方向の所定の方向に向ける。そして必要に応じ
てモータ93を作動して、ケース28の傾きを矢印γ方
向において所定の角度に設定する。図4のモータ64を
作動して、図4に示す回転軸63を矢印R1の方向に回
転する。これにより、図4の収縮用のワイヤー50は矢
印X1方向に巻き戻されると共に、伸長用のワイヤー4
0,40は矢印X2方向に巻き取られる。つまり、図5
で示す収縮用のワイヤー50が矢印X1方向に繰り出さ
れるので、最上段のアームA5は矢印X1方向に動ける
ようになる。これと同時に伸長用のワイヤー40,40
が矢印X2の方向に巻き取られる。つまり伸長用のワイ
ヤー40,40が矢印X2の方向に巻き取られると、図
5のローラ26,26を介して張られている伸長用のワ
イヤー40,40の一端40aと一体となった2段目の
アームA2が矢印X1方向に移動する。つまり伸長用の
ワイヤー40,40が方向X2に移動するのに対して、
固定の最下段のアームA1に関して、2段目のアームA
2が伸長方向X1方向に相対的に移動する。
【0025】同様にして、図5の伸長用のワイヤー4
1,41は、2段目のアームA2が矢印X1方向移動す
るに伴ない、その一端41aと一体となった3段目のア
ームA3が2段目のアームA2に対して矢印X1方向に
伸長する。同様にして、図5の4段目のアームA4は、
3段目のアームA3に対して矢印X1方向に伸長する。
最上段のアームA5は、4段目のアームA4に対して矢
印X1方向に伸長する。このようにして、固定のアーム
A1に対して、2段目ないし最上段のアームA2ないし
A5は、矢印X1方向に同時に伸長していき、所定のス
トロークまで伸びる。ただし、伸長用のワイヤー40,
40と収縮用のワイヤー50の張力のバランスをとるこ
とにより、アームA2ないしA5の伸長ストロークを所
望の値に維持することができる。つまり、最下段のアー
ムA1からの最上段のアームA5のストロークを、所定
の値に維持することができる。
【0026】図5の実施例では、伸長用のワイヤー4
0,41,42,43を2本ずつ用いている。このよう
に2本ずつ用いているのは、各アームA1ないしA5に
おける左右の張力バランスをとることができるためであ
り、これによりアームA2ないしA5が伸長する時に、
その先端が左右に捻られてしまうようなことがなくな
る。次に、図4のモータ64を逆回転して回転軸63を
矢印R2の方向に回転すると、収縮用のワイヤー50は
巻き取られると共に、伸長用のワイヤー40,40は巻
き戻される。これにより、上述したアームの伸長動作と
は逆に固定のアームA1に対して2段目のアームA2が
収縮方向X2方向に戻されると同時にアームA3、アー
ムA4および最上段のアームA5がそれぞれ矢印X2方
向に引き戻される。このようにして、図4に示すように
アームA1ないしA5は、収縮状態に戻る。
【0027】ところで、アームA1ないしA4におい
て、ワイヤーのストローク関係は次のようになってい
る。1つのアームA1ないしA5のストロークをLと
し、アームの部材数をn(図5の実施例ではアームA1
は基台6側に固定されているので、伸縮可能なアーム数
はn−1)とすると、ワイヤー40,41,42,43
のストロークはLであり、収縮用のワイヤー50のスト
ロークは(n−1)×Lである。図5の実施例の方式で
は、先のアームストロークは、もとのアームストローク
より大きくすることはできない。今ワイヤーの伸びが1
つのアーム当たりにΔLであるとすると、伸縮アーム装
置1の全ストロークは、(n−1)×(L−ΔL)とな
る。従って、伸長用のワイヤー40,40を2本にする
と、ΔLが半分になり、伸長用ワイヤー40を1本だけ
用いるのに比べて、上述した伸縮動作でのバランス効果
と合せて、ワイヤーの伸びを小さくする効果がある。
【0028】ワイヤーの数を多くするとワイヤーの伸び
が小さくなる原理を利用して、1段目のアームA1に対
応する伸長用のワイヤー40,40を二重巻きにする
と、伸長用のワイヤー40,40のストロークは、伸長
用のワイヤー40をアームA2の先端側で固定したとす
れば2倍であり、後端側(図5に示すような例)で固定
すると3倍となる。この意味は、それだけワイヤーの張
力が減らせると同時に、図4に示すワイヤー巻き取り用
のプーリ61,62の減速比が小さくなることになる。
従って特に減速機構が必要ではなく、プーリ61,62
の減速比でプーリ61,62の口径比での減速で充分で
ある。
【0029】伸長用のワイヤー40,41,42,43
の数は、可動するアーム×nだけ設定することができ
る。図5の例ではそのnは2である。伸長用のワイヤー
40と収縮用のワイヤー50の移動方向は、反対方向に
なっている。図4のプーリ61とプーリ62は、減速比
が一定の比になっており、これにより伸長用のワイヤー
40と収縮用のワイヤー50の張力を一定に維持する。
図5の伸長用のワイヤー40,41,42,43は、好
ましくは同一種類のワイヤーを用いている。図5の実施
例では、各アームを重ね合せてしかも相互にスライドで
きるようにかみ合わせたものになっている。各アームは
平板をプレスで折り曲げたような形状になっているが、
これに限らず棒状態のアームを用いても勿論構わない。
【0030】図5の実施例では、5枚のアームを用いて
伸縮させている例を示しているが、これに限らず任意の
数の要素、すなわち少なくとも3枚以上のもしくは3枚
以上のアームを同時に伸縮駆動させることができる。図
3と図5に示す実施例では、複数のアームを集中的に駆
動して伸縮作動でき、その駆動機構はシンプルである。
実施例の伸縮アーム装置1では、各アームの撓みによる
側圧を低減することができる。すなわち図3の第1係合
部10、第2係合部12、第3係合部16および端部曲
げ部18、そしてローラ26,22により各アーム間の
撓みによる側圧を低減して、スムーズに相互にスライド
させることができる。しかも同じ形状のアームを用いる
ことができるので、コンパクトに収縮状態で収納するこ
とができる。複数のアームをコンパクトに収縮して収納
することができ、必要に応じて所望のストローク位置で
伸長状態を維持することができるので、回転動作時にお
いて、従来の収縮しない関節を有するタイプのアームに
比べて、回転空間を必要としない。しかも伸縮アーム装
置による作業員に対するパンチング等の危険をなくする
ことができる。
【0031】なお図1の上下駆動手段4は、マニュアル
式の上下操作方法を採用することも可能である。つまり
本発明の実施例におけるアクチュエータを用いずに、マ
ニュアル式の調整機構により、γ方向の回転を行うこと
は可能である。図1に示すように、最上段のアームA5
には、図1に示すように、ヘッドブロック100が設け
られている。このヘッドブロック100には、必要なア
クチュエータやセンサを設定することができる。その場
合においてヘッドブロック100に対して通電用のケー
ブルが必要である。この通電用のケーブルは、アームの
伸縮に応じて、ケーブルが弛まないように巻き取るため
のプーリが必要となる。そこでそのケーブルは、伸長用
のワイヤー40ないし43と同様な動作をさせることに
より、アームA2ないしA5が伸長収縮しても弛むこと
がない。
【0032】図3のカバー30,32,34,36は、
アームA1ないしA5のプーリやワイヤーを保護するこ
とができると同時に、外観的に各アームA2ないしA5
がラダー状に突出してくるように見せる効果がある。図
5に示すように、伸縮アーム装置1は、伸長した状態で
は最上段のアームA5が最も外側に伸長する先細り形状
になる。しかし、これに限らず最上段のアームを固定し
て最下段のアームを最先端に伸長するようにアームを構
成しても勿論構わない。特にアームの数を増やして、ア
ーム値を次第に長くするような場合には、最下段のアー
ムを最先端アームとして用いる方が好ましい。この場合
には最先端アームに対してキャスターをつけて固定側に
対してこのキャスターを介して移動することが考えられ
る。図1においては、ガイドプーリ55の位置の例を示
している。つまりアームの数が増減する場合には、ガイ
ドプーリ55の位置を変更する必要がある。図1におい
てはこのガイドプーリ55がアームの数に対応して変え
ることを、概念的にプロフィールで示している。アーム
数を変更する場合に、このガイドプーリ55の位置の変
更とワイヤ25の長さの変更をする必要があるが、これ
らの変更だけで済むので、比較的に簡単にアーム数の変
更に対応することができる。
【0033】図8は、伸縮アーム装置1の伸長および収
縮状態を上から見た図である。図8(A)は、完全に各
アームが収縮した状態にある。図8(B)では、最上段
のアームA5が矢印X1方向に移動し始めた状態を示し
ている。図8(C)は、各アームA5ないしA2が所定
ストローク完全に伸長した状態を示している。図8
(D)は、逆にアームA5ないしA2が矢印X2の方向
に収縮を始めた状態を示し、図8(E)は完全に各アー
ムが収縮した状態を示している。
【0034】図9は、図5の実施例と異なり、伸長用の
ワイヤー40ないし43が1本ずつである。収縮用のワ
イヤー50は図5の実施例と同様である。収縮用のワイ
ヤー50はプーリ61に巻き取りおよび巻き戻しされる
ようになっている。伸長用のワイヤー40はプーリ62
に巻き取りおよび巻き戻しされるようになっている。回
転軸63には大形のプーリ61と小形のプーリ62が同
軸上に固定されている。回転軸63をR1方向に回転す
ると、プーリ61は収縮用のワイヤー50を図4と同様
に巻き戻すと同時に、プーリ62は伸長用のワイヤー4
0を巻き取るようになっている。逆に回転軸63を矢印
R2方向に回転すると、プーリ61は収縮用のワイヤー
50を巻き取ると同時に、プーリ62は伸長用のワイヤ
ー40を巻き戻すことができるようになっている。
【0035】伸長用のワイヤー40はプーリ26を介し
て2段目のアームA2に固定されている。同様にして伸
長用のワイヤー41の一端はプーリ26を介して3段目
のアームA3に固定されている。伸長用のワイヤー42
の一端は、プーリ26を介して4段目のアームA4に固
定されている。伸長用のワイヤー43の一端は、プーリ
26を介して5段目のアームA5に固定されている。
【0036】図10ないし図16は、図3に示したアー
ムA1ないしA5とは別のアームの断面形状を示してい
る。図10に示すアーム構造では、たとえば1段目のア
ームA1と2段目のアームA2の係合部分の基本的な構
造を示している。各アームA1,A2にはほぼT字型の
突起120が形成されており、相対するアームにはこの
突起120をかみ合せるかみ合い部130が形成されて
いる。図11は、さらに別の係合部の基本構造を示して
いる。図11において、1段目のアームA1には第1係
合部10が形成されており、2段目のアームA2には第
2係合部12が形成されている。この間にはローラもし
くはボール140が配置されている。同様に厚肉部15
0,150の間にもローラもしくはボール140が配置
されている。図12は、図10の実施例での厚肉部15
0を曲げる場合の曲げ角度の例を示している。図13
は、たとえば1段目のアームA1と2段目のアームA2
間の係合部の状態を示している。アームA1の突起16
0とアームA2の突起170の間にはボール180が配
置されている。さらにアームA2の突起170とアーム
A1の突起190の間にもボール200が配置されてい
る。図13のアームは、サッシ材等で簡単に構成する場
合の例である。
【0037】図14は、アームA1ないしA5を交互に
反転して配置することにより、平均ピッチDを小さくす
ることができることを示している。この平均ピッチD
は、たとえば4.5mmである。間隔D1は、たとえば
6mmであり、間隔D2は3mmである。図15は、最
下段の部材アームが最も突出する場合の例を示してい
る。図16は、最上段のアームが最も突出する場合の例
を示している。以上説明したように本発明の実施例で
は、アームの部品種類が少なく、安価に作ることができ
る。部品の種類が少ないので組立精度を出し易い。作業
範囲の用用なニーズに応えて、同じアームを複数用い
て、伸長ストロークを任意に設定することができる。ア
ーム間の摺動部においてコロやローラあるいはボール等
を用いることが可能である。各アームでは、少なくとも
1個以上のプーリを取り付けて、そのプーリの両サイド
のワイヤー端が、アームを跨いで上下にて自然な引張方
向が形成されるように中央部に曲げ構造を設けている。
本発明の実施例では、固定側のアームに対して伸縮する
アームを完全に収納することができ、その収納状態での
突出長さを極力短くすることができるので、伸縮アーム
装置がロボット基台に対して回転する場合に、作業者に
対してパンチングや肘鉄などの事故をなくすことがで
き、しかも設置スペースを小さくできる。固定側のアー
ムに対して伸縮するアームを伸長することにより、広い
作業範囲で所望の作業が行える。アームの伸縮動作が簡
単であり、その制御が容易である。固定側のアームに対
して伸縮するアームを完全に収納することができ、小型
であり、回転する際に伸縮アーム装置は障害物を避ける
ことができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、収
縮した状態ではアームをできる限り小さくすることがで
き、伸長した状態では所望のストロークを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伸縮アーム装置とその駆動装置の好ま
しい実施例を示す側面図。
【図2】図1の駆動装置の平面図。
【図3】図1のW−W線における断面を有する正面図。
【図4】本発明の伸縮アーム装置、そのアーム伸縮手
段、ワイヤー操作手段を示す斜視図。
【図5】図4のアーム装置の各アームの駆動関係を示す
分解斜視図。
【図6】アーム装置の回転駆動手段を示す分解斜視図。
【図7】回転駆動手段のリング状のギアとロータを示す
斜視図。
【図8】各アームの伸縮動作を示す平面図。
【図9】図5とは異なる別の実施例を示す実施例のアー
ムの駆動方式を示す図。
【図10】アームの係合構造の別の実施例を示す図。
【図11】アームの係合構造のさらに別の実施例を示す
図。
【図12】アームの厚肉部の曲げ角度の例を示す図。
【図13】アームの係合部分のさらに別の実施例を示す
図。
【図14】アームの重なり状態の例を示す図。
【図15】最上段のアームが最先端に突出する場合の例
を示す図。
【図16】最下段のアームが最先端に突出する場合の例
を示す図。
【符号の説明】
1 伸縮アーム装置 2 アーム伸縮手段 3 回転駆動手段 4 上下駆動手段 26 プーリ(ワイヤー案内手段) 28 ケース 40 伸長用のワイヤー 50 収縮用のワイヤー 50b,55 プーリ 60 ワイヤー操作手段 61 第1のプーリ(大プーリ) 62 第2のプーリ(小プーリ) 63 回転軸 64,80,93 モータ 10 第1係合部(スライドさせるための
手段) 12 第2係合部(スライドさせるための
手段) 20 コロ(スライドさせるための手段) 16 第3係合部(スライドさせるための
手段) 18 端部曲げ部(スライドさせるための
手段) 22 コロ(スライドさせるための手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重ね合わされて相互にスライド可能にか
    み合わされた少なくとも3つのアームと、 前記複数のアームに設定されるワイヤー案内手段と、 前記複数のアームを順次繰り出して伸長するための伸長
    用のワイヤーであって、その一端が該当する段の前記ワ
    イヤー案内手段を介して次の段の前記アームに取り付け
    られている前記伸長用のワイヤーと、 前記複数のアームを順次戻して収納するための収縮用の
    ワイヤーであって、その一端が、前記複数のアームの内
    の最先端に繰り出される前記アームに取り付けられてい
    る前記収縮用のワイヤーと、を備えることを特徴とする
    伸縮アーム装置。
  2. 【請求項2】 前記複数のアームは、板状のアームであ
    り、前記アームの相互間のスライドを案内するための手
    段を備える請求項1に記載の伸縮アーム装置。
  3. 【請求項3】 前記収縮用のワイヤーの他端側が、巻き
    取り、巻き戻しするためのワイヤー操作手段の第1のプ
    ーリに取り付けられていて、前記伸長用のワイヤーの他
    端側が、巻き取り、巻き戻しするためのワイヤー操作手
    段の第2のプーリに取り付けられている請求項1または
    請求項2に記載の伸縮アーム装置の駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記ワイヤー操作手段の前記第1のプー
    リと前記第2のプーリは、回転軸に同軸状に固定されて
    いて、前記第1のプーリは前記第2のプーリよりも径が
    大きい請求項3に記載の伸縮アーム装置の駆動装置。
JP32972194A 1994-12-02 1994-12-02 伸縮アーム装置 Pending JPH08155876A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32972194A JPH08155876A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 伸縮アーム装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32972194A JPH08155876A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 伸縮アーム装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08155876A true JPH08155876A (ja) 1996-06-18

Family

ID=18224531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32972194A Pending JPH08155876A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 伸縮アーム装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08155876A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014087879A1 (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 タツモ株式会社 リンク式搬送ロボット
CN107053244A (zh) * 2016-10-20 2017-08-18 张振宇 伸缩节机械臂系统

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014087879A1 (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 タツモ株式会社 リンク式搬送ロボット
US10137570B2 (en) 2012-12-04 2018-11-27 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Link-type transfer robot
CN107053244A (zh) * 2016-10-20 2017-08-18 张振宇 伸缩节机械臂系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060131908A1 (en) Joint drive mechanism and robot hand
JP4618769B2 (ja) 回転伸縮リンク機構
JP2798829B2 (ja) 2次元運動機構
JPH09505384A (ja) 伸縮システム
WO2008023718A1 (fr) Mécanisme manipulateur
CN108189018B (zh) 一种基于差速齿轮的柔性臂段与柔性机械臂
CN111376287B (zh) 机器人及其手指
US4534697A (en) Transfer device for robots
KR20150093411A (ko) 와이어 감속기
US7698966B2 (en) Control member with tensed cables
EP1915317B1 (en) Telescopic camera crane
KR102047327B1 (ko) 로봇 관절용 와이어 연결구조
JPH08155876A (ja) 伸縮アーム装置
JPH08155877A (ja) 伸縮アーム装置の駆動装置
CZ20003711A3 (cs) Způsob výroby podlouhlého vřetenového prvku, zařízení k provádění tohoto způsobu a podlouhlý řetěz
CN116761697A (zh) 线缆驱动机器人
CN115243837A (zh) 缆线驱动机器人
US5148716A (en) Plane motion mechanism
JP5102647B2 (ja) マニピュレータ機構
JPH08192332A (ja) 工作機械のテレスコピックダストカバー装置
JPS62288768A (ja) 伸縮装置
KR101850144B1 (ko) 독립형 신축 붐대를 갖는 고가 사다리 장치
KR102569390B1 (ko) 폴딩 및 롤링 수납 방식의 전개형 고강도 로봇 암 및 이를 포함하는 이동 로봇
CN215395313U (zh) 一种机械臂
JP7389991B2 (ja) ロボット