JPH08155810A - エアーサンダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 研磨時に発生する振動を吸収すると共に研磨
粉等の粉塵をエアーモータ側に侵入させることなく効率
よく回収し得るエアーサンダーを提供する。 【構成】 エアーサンダー本体であるハウジング１の上
端外周面と該外周面を被覆したゴム製カバー４との間に
スポンジよりなるクッション材５を介在させて、研磨時
に発生する振動を該クッション材５により吸収させるよ
うにすると共にこのクッション材５の介在によってハウ
ジング１の上端部を拡大把持頭部1bに形成して操作性を
良くする。さらに、ハウジング１の開口下端に集塵カバ
ー７を取付けてこの集塵カバー７の下端とエアーモータ
２によって旋回動する研磨パッド３の外周部上面との間
の隙間を吸塵口８に形成すると共に集塵カバー７の内方
にエアーモータ２側と隔離する筒状の可撓性仕切壁９を
配設して粉塵がエアーモータ２側に侵入するのを防止す
ると共にこの仕切壁９と集塵カバー７との対向面間で吸
込通路10を形成して安定した粉塵回収の空気流を得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エアーモーターの回転
によって研磨パッドを旋回動させながら研磨作業を行う
ようにしたエアーサンダーの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、ハウジング内に配設したエア
ーモータの回転を該エアーモータの回転軸の下端偏心軸
に伝達し、この偏心軸によってハウジングの開口下端に
配設した研磨パッドを旋回動させることにより研磨を行
うようにしたエアーサンダーは広く知られている。そし
て、このエアーサンダーによって研磨作業を行う場合、
ハウジングから突設した把手を把持して研磨作業を行う
と、研磨パッドを被研磨面に押し付けるには比較的大き
な押付力を要して短時間で疲労すると共に操作性にも難
点があるため、ハウジングを直接把持して研磨作業を行
うように構成したエアーサンダーが使用されている。

【０００３】又、研磨作業時には研磨パッドの下面研磨
材によって研磨された研磨粉や塵埃等が周囲に飛散して
作業環境を悪化させるために、ハウジングの開口下端に
集塵カバーを取付け、エアーモータの排気によって該集
塵カバー内で負圧を発生させることにより、この集塵カ
バーの下端内周面と研磨パッドの外周端面との間に設け
た空間部や研磨パッドの外周部に上下面間に亘って貫通
した吸塵孔から粉塵を集塵カバー内に吸い込み、排気通
路を通じて排出するように構成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハウジ
ングを把持して研磨作業を行うと、研磨パッドの旋回動
による振動が手に直接伝わって円滑な操作の妨げとなっ
て作業性を低下させることになる。このような問題点は
ハウジングを硬質ゴムよりなるカバーによって被覆して
も殆ど解消することができないものである。さらに、ハ
ウジングの外周面は全高に亘って略等しい径に形成され
ているため、ハウジングを把持した際に抜け出るような
感じを受けて不安定となり、比較的強く把持して研磨作
業を行わねばならなくて疲労し易いという問題点があっ
た。

【０００５】又、研磨粉等の粉塵をハウジング内に吸い
込むために、エアーモータの排気によるエジェクター作
用によって集塵カバー内に負圧を発生させているが、集
塵カバーでハウジングを被覆しただけでは、その内部の
空気の流れが変動して効率のよい吸塵が行えなくなる虞
れがあるばかりでなく、研磨パッドに穿設している吸塵
孔等から内部に吸い込まれた粉塵がエアーモータ側に侵
入し、故障が発生する虞れがある等の問題点があった。
本発明はこのような問題点を全面的に解消し得るエアー
サンダーの提供を目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のエアーサンダーは、下端が開口したハウジン
グ内にエアーモータを配設し、該エアーモータの回転に
よって偏心軸を介してハウジングの開口端下方に配設し
た研磨パッドを旋回動させると共にハウジングにエアー
モータへの圧縮空気供給口とエアーモータからの排気口
とを連結連通させてなるエアーサンダーにおいて、ハウ
ジングを被覆したゴム製カバーとハウジングの上端部外
周面との間にスポンジ等のクッション材を介在させてハ
ウジングの上端部を拡大把持頭部に形成した構造として
いる。

【０００７】さらに、請求項２に記載した発明は、上記
エアーサンダーにおいて、ハウジングの下端外周部に集
塵カバーを取付けて該集塵カバーの下端と上記研磨パッ
ドの外周上面との間の隙間を吸塵口に形成すると共に、
この集塵カバーの内周方におけるハウジングの下端と研
磨パッドの上面間に上記偏心軸を囲繞するようにして筒
状の可撓性仕切壁を取付け、この可撓性仕切壁と集塵カ
バーとの間の空間部を上記エアーモータからの排気口に
連通する吸込通路に形成し、この吸込通路に上記研磨パ
ッドの外周部数個所に上下面間に亘って貫設している吸
塵孔を連通させると共に吸込通路の上端側にエアーモー
タ側からの空気噴出ノズルを排気口に向かって設けた構
造を有している。

【０００８】

【作用】ハウジングの上端部を拡径した把持頭部に形成
しているので、この頭部を把持すると、指先が拡大把持
頭部の下周面に係止して安定した把持が行え、軽快な操
作が可能となる。さらに、この把持状態で研磨作業を行
うと、研磨パッドの旋回動による振動がハウジングに伝
達するが、拡大把持頭部はハウジングを被覆したゴム製
カバーとハウジングの上端部外周面との間にスポンジ等
のクッション材を介在させてなるものであるから、この
クッション材によって固有の振動が制振、吸収されて手
に殆ど伝達することはなく、その上、重量も軽く且つ柔
らかいタッチでもって把持し得るから疲労を低減して能
率よく研磨作業が行える。

【０００９】又、請求項２に記載した発明によれば、集
塵カバーの内側にエアーモータ側の偏心軸を囲繞する筒
状の可撓性仕切壁を設け、この可撓性仕切壁と集塵カバ
ーとの間の空間部をエアーモータの排気口に連通する吸
込通路に形成しているので、これらの仕切壁と集塵カバ
ーとの平滑な対向面によって空気流が殆ど変化すること
なく円滑な空気の流れが確保できるものであり、さら
に、集塵カバーの下端を研磨パットの外周上面に隙間を
介して被覆させ、その隙間を吸塵口に形成しているの
で、上記吸込通路に発生する吸引力が集中的に該吸塵口
に作用して研磨時に四方に飛散する粉塵が効率よく吸塵
口に吸収され、研磨パッドに穿設している吸塵孔と共に
研磨粉等が吸込通路内を通じて確実に回収される。その
際、吸込通路内を流通する粉塵が仕切壁によってエアー
モータ側に侵入するのを防止され、故障の発生をなくし
得るものである。

【００１０】

【実施例】本発明の実施例を図面について説明すると、
図１、図２において、１は金属製のハウジングで、上面
が閉止した下向き短筒形状に形成されていると共に、そ
の下端部を拡径させて大径開口部1aに形成している。こ
のハウジング１内にはエアーモータ２が装着されている
と共に該モータ２の回転軸2aの下端に偏心軸2bを下方に
向かって突設し、この偏心軸2bの下端部外周面にベアリ
ング21を介して取付金具14を被嵌させ、該取付金具14に
研磨パッド３の取付板15を固着している。

【００１１】上記ハウジング１の外周面（表面）にはそ
の大径開口部1a以外の全面に亘って一定厚みのゴム製カ
バー４を被覆していると共に、ハウジング１の上端部外
周面とゴム製カバー４との間に中硬質のスポンジよりな
るクッション材５を内装し、このクッション材５の厚み
によってハウジング１の上端部を拡大把持頭部1bに形成
してある。このクッション材は、棒状のものを図３に示
すように平面馬蹄形状にしてハウジング１の上端部外周
面を巻層するように装着してあり、従って、このクッシ
ョン材５によってハウジング１の上端部を被覆したゴム
製カバー４が外径方向に膨出した外観を呈しているもの
である。

【００１２】６はハウジング１の背面上端部に設けた圧
縮空気供給口で、ハウジング１の背面側内部に設けた導
入路16を通じてエアーモータ２に圧縮空気を圧送してエ
アーモータ２を回転させるように構成していると共にそ
の導入路16の途中に弁室17を設けて該弁室17内に弁18の
弁軸18a を上下摺動自在に配設してある。そして、弁18
をスプリング19によって常時上方に付勢して常態におい
ては導入路16を閉止していると共にその弁軸18a の上端
部をハウジング１から上方に突出させて、該突出端をハ
ウジング１の背面側上面に起伏自在に枢着された操作レ
バー20の下面に当接させている。操作レバー20はハウジ
ング１の上面に接近して配設され、この操作レバー20を
下方に回動させることによって弁18を下動させて導入路
16を開放させるように構成している。

【００１３】７はハウジング１の大径開口部1aの外周部
にその上端内周面を固着した短いスカート形状のゴム製
集塵カバーで、その下端面を上記研磨パッド３の外周部
上面に小間隔を存して対向させてあり、その小間隔部の
隙間を吸塵口８に形成している。研磨パッド３はハウジ
ング１の大径開口部1aの下方に水平状態にしてその上面
を上記取付板15にビス止めによって一体に取付けられて
あり、さらに、この取付板15の上面中央部に上記取付金
具14をビス止めによって固着し、該取付金具14を偏心軸
2bに外嵌合した上記ベアリング21の外側レースに嵌着さ
せている。

【００１４】さらに、ハウジング１の大径開口部1aの内
周部と取付金具14の外周面との間の空間部に上記偏心軸
2bを囲繞するようにしてゴム製の筒状可撓性仕切壁９を
配設している。この筒状仕切壁９の上端はハウジング１
の大径開口部1aの内周部に気密状態に固着していると共
に下端は取付金具14の外周部と取付板15の上面とで気密
的に挟着されてあり、該筒状仕切壁９の平滑な外周面と
上記集塵カバー７の平滑な内周面との間の環状空間部を
吸込通路10に形成している。そして、この吸込通路10
に、図４に示すように、上記研磨パッド３の外周部数個
所に上下面間に亘って貫設している吸塵孔11の開口上端
を連通させている。尚、研磨パッド３の下面にはサンド
ペーパ（図示せず）が取り外し自在に貼着されるが、こ
のサンドペーパにも上記吸塵孔11に連通する孔が設けら
れているものである。

【００１５】一方、ハウジング１の背面側における上記
圧縮空気供給口６の下方にはエアーモータ２からの排気
通路22と上記吸込通路10の上端とに連通する排気口12が
設けられていると共にエアーモータ２からの排気通路22
の出口端には、排気口12に向かって開口した噴出ノズル
13が設けられていて、排気通路22からの圧縮空気がこの
噴出ノズル13から噴出することによって吸込通路10内に
負圧を発生させるようにしている。

【００１６】このように構成した実施例におけるエアー
サンダーの作用を述べると、研磨パッド３の下面にサン
ドペーパを貼着したのち、ハウジング１の拡大把持頭部
1bを把持して研磨パッド３を被研磨面に当接させ、把持
した手の平で操作レバー20を下方に押圧して伏動させる
ことにより弁18を押し下げて圧縮空気導入路16を開放さ
せる。この開放によって圧縮空気供給源から供給口６を
通じて該導入路16に圧縮空気が供給され、エアーモータ
２が回転して研磨パッド３を旋回動させ、サンドペーパ
によって被研磨面を研磨する。

【００１７】一方、エアーモータ２の回転駆動に供され
た圧縮空気は排気通路22から噴出ノズル13を通じて排気
口12内に排出されるものであるが、その際、噴出ノズル
13から噴出する圧縮空気のエジェクター作用によって吸
込通路10側が負圧となり、該吸込通路10内に吸気力が発
生する。この吸気力によって集塵カバー７と研磨パッド
３との間の吸塵口８と研磨パッド３に穿設している吸塵
孔11に外気を吸収しようとする吸引力が集中して、サン
ドペーパによる研磨粉や四方に飛散する粉塵がこれらの
吸塵孔11と吸塵口８を通じて外気と共に吸収され、吸込
通路10を通じて排気口12側に排出されるものである。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明のエアーサンダーに
よれば、下端が開口したハウジング内にエアーモータを
配設し、該エアーモータの回転によって偏心軸を介して
ハウジングの開口端下方に配設した研磨パッドを旋回動
させると共にハウジングにエアーモータへの圧縮空気供
給口とエアーモータからの排気口とを連結連通させてな
るエアーサンダーにおいて、ハウジングを被覆したゴム
製カバーとハウジングの上端部外周面との間にスポンジ
等のクッション材を介在させてハウジングの上端部を拡
大把持頭部に形成しているので、この拡大把持頭部の下
周面に指先を係止させて確実且つ安定した把持が可能と
なり、エアーサンダーを軽快に操作することができて優
れた作業性を発揮し得るものである。

【００１９】さらに、この把持状態で研磨作業を行う場
合、研磨パッドの旋回動による振動がハウジングに伝達
するが、拡大把持頭部はハウジングを被覆したゴム製カ
バーとハウジングの上端部外周面との間にスポンジ等の
クッション材を介在させてなるものであるから、このク
ッション材によって上記振動を効率よく吸収することが
できて把持した手に殆ど振動が伝達することがないもの
であり、その上、該クッション材の介在によってハウジ
ングを柔らかいタッチでもって把持し得るから疲労を低
減して能率よく研磨作業が行えるものである。

【００２０】また、請求項２に記載している発明によれ
ば、上記エアーサンダーにおいて、ハウジングの下端外
周部に集塵カバーを取付けて該集塵カバーの下端と上記
研磨パッドの外周上面との間の隙間を吸塵口に形成する
と共に、この集塵カバーの内周方におけるハウジングの
下端と研磨パッドの上面間に上記偏心軸を囲繞するよう
にして筒状の可撓性仕切壁を取付け、この可撓性仕切壁
と集塵カバーとの間の空間部を上記エアーモータからの
排気口に連通する吸込通路に形成し、この吸込通路に上
記研磨パッドの外周部数個所に上下面間に亘って貫設し
ている吸塵孔を連通させると共に吸込通路の上端側にエ
アーモータ側からの空気噴出ノズルを排気口に向かって
設けた構造としているので、空気噴出ノズルから噴出す
る圧縮空気のエジェクター作用によって吸込通路10側が
負圧となって該吸込通路10内に排気口側に向かう空気の
流れが発生するが、吸込通路10は筒状の可撓性仕切壁と
集塵カバーとによって形成されているので、これらの平
滑な対向面によって空気流が殆ど変化することなく円滑
な空気の流れが確保できるものである。

【００２１】その上、集塵カバーの下端を研磨パットの
外周上面に隙間を介して被覆させ、その隙間を吸塵口に
形成しているので、上記吸込通路に発生する吸引力を該
吸塵口や研磨パッドに設けた吸塵孔に集中的に作用させ
ることができ、従って、研磨時における研磨パッド下面
側の研磨粉や四方に飛散する粉塵を確実に吸塵孔及び吸
塵口に吸収させて吸込通路内を通じて回収することがで
きるものである。又、エアーモータ側は筒状の可撓性仕
切壁によって囲繞されているので、吸込通路内を流通す
る粉塵がエアーモータ側に侵入するのを防止することが
でき、故障の発生をなくし得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】装置全体の縦断側面図、

【図２】その縦断正面図、

【図３】ハウジングに装着したクッション材部分の横断
面図、

【図４】研磨パッドの吸塵口部分の断面図、

【図５】装置全体の斜視図。

【符号の説明】

１ ハウジング 1a 大径開口部 1b 拡大把持頭部 ２ エアーモータ 2b 偏心軸 ３ 研磨パッド ４ ゴム製カバー ５ クッション材 ６ 圧縮空気供給口 ７ 集塵カバー ８ 吸塵口 ９ 筒状の可撓性仕切壁 10 吸込通路 11 吸塵孔 12 排気口 13 噴出ノズル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下端が開口したハウジング内にエアーモ
   ータを配設し、該エアーモータの回転によって偏心軸を
   介してハウジングの開口端下方に配設した研磨パッドを
   旋回動させると共にハウジングにエアーモータへの圧縮
   空気供給口とエアーモータからの排気口とを連結連通さ
   せてなるエアーサンダーにおいて、ハウジングを被覆し
   たゴム製カバーとハウジングの上端部外周面との間にス
   ポンジ等のクッション材を介在させてハウジングの上端
   部を拡大把持頭部に形成したことを特徴とするエアーサ
   ンダー。
2. 【請求項２】 ハウジングの下端外周部に集塵カバーを
   取付けて該集塵カバーの下端と上記研磨パッドの外周上
   面との間の隙間を吸塵口に形成すると共に、この集塵カ
   バーの内周方におけるハウジングの下端と研磨パッドの
   上面間に上記偏心軸を囲繞するようにして筒状の可撓性
   仕切壁を取付け、この可撓性仕切壁と集塵カバーとの間
   の空間部を上記エアーモータからの排気口に連通する吸
   込通路に形成し、この吸込通路に上記研磨パッドの外周
   部数個所に上下面間に亘って貫設している吸塵孔を連通
   させると共に吸込通路の上端側にエアーモータ側からの
   空気噴出ノズルを排気口に向かって設けていることを特
   徴とする請求項１記載のエアーサンダー。