JPH08155709A - 工具取付装置に用いられる位置決め具 - Google Patents

工具取付装置に用いられる位置決め具

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JPH08155709A
JPH08155709A JP29761394A JP29761394A JPH08155709A JP H08155709 A JPH08155709 A JP H08155709A JP 29761394 A JP29761394 A JP 29761394A JP 29761394 A JP29761394 A JP 29761394A JP H08155709 A JPH08155709 A JP H08155709A
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Masaichi Matsumoto
政一 松本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マシニングセンタ等の工作機械へエンドミル
等の工具5を装着する場合に用いる工具ホルダに対し、
工具5の取付位置(突出度合)を調節するためにその内
部にアジャストボルトを設けることがあるが、工具5の
取付後にその突出度合を調節しようとする場合、工具ホ
ルダから工具を抜き取ってからでないとアジャストボル
トの位置調節を行うことができなかった。これを解消す
る。 【構成】 工具5のシャンク部に設けられたタング7と
回転不能な状態で係合可能な係合凹部10を有した構成
とした。また、径小部分1bの外周部に雄ねじを設け
て、工具ホルダ内で軸方向に螺進可能なものとした。そ
のため、工具ホルダにおいて工具5の把持状態を若干弛
めた後、工具5を回転させることで、工具ホルダ内での
アジャストボルト1の位置調節ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工具取付装置に対して
用いられるアジャストボルト等の位置決め具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】工具取付装置は、マシニングセンタ等の
工作機械にエンドミル等の工具を装着する際に用いられ
るものであって、その一端部には工作機械へ差込用のシ
ャンク部が設けられ、他端部には工具保持手段が設けら
れて成る。この工具保持手段は、コレットチャック構造
により工具のシャンク部を直接的又は間接的に把持する
ようになっている。
【0003】従来、例えば小型の工具(径小で長さが短
いもの等)を把持可能とする工具保持手段では、その内
部(工具のシャンク部を差し込む部分)に、工具の後端
部を当たり止めしてその突出長さを調節可能とする、ア
ジャストボルト等の位置決め具が収容されたものがあ
る。この種位置決め具には、軸方向の一端部又は両端部
にマイナスドライバー等の作業具と係合する切欠が設け
られている。そして、その位置調節を行うに際しては、
工具取付装置の先端側(工具保持手段側)又は後端側
(シャンク部側)からこの作業具を差し入れて切欠に係
合させ、そのうえで作業具を回転させることで位置決め
具を螺進させるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】工具取付装置が工作機
械に装着され、且つ工具保持手段が既に工具を保持して
いる状態にあって、工具の突出長さを変更する(位置決
め具の位置調節を行う)には、一旦、工具保持手段から
工具を抜き取らなければ、その内部へ作業具を差し入れ
ることができない、即ち位置決め具の位置調節ができな
いという面倒さがあった。
【0005】なお、実公平4−35051号公報には、
工具保持手段内に位置決め部材がバネにより後押し付勢
された状態で収容され、工具をバネに抗しながら工具保
持手段内へ適量に差し込んでから、工具保持手段側に設
けたフォローセットビスにより、位置決め部材を径方向
に押圧する(位置決め部材の軸方向移動を固定する)と
いう技術が開示されている。これであれば、いちいち工
具の抜き取りをしなくても、その突出長さを調節するが
できる。
【0006】しかし、ここにおいて位置決め部材は工具
保持手段内を軸方向に進退自在であり、この位置決め部
材自体の位置変更により、工具の突出長さを調節すると
いうものではないため、その操作性及び位置精度の正確
さに劣るものであると言わざるを得ず、しかも位置決め
部材にはバネやフォローセットビス等が必要であるた
め、構造的に複雑化する嫌いがあった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、工具取付装置(工具保持手段)からいちいち
工具を抜き取らなくても、工具の突出長さを調節できる
ようにした工具取付装置に用いられる位置決め具を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明では、一端部に工作機械へ差込用のシャンク部が設け
られ他端部に工具保持手段が設けられて成る工具取付装
置に対して上記工具保持手段内に収容され工具の後端部
を当たり止めする位置決め具において、上記工具保持手
段内を軸方向に螺進可能となされ、先端側に工具の後端
部と回転不能に係合する係合凹部が形成されていると共
に、該係合凹部内に工具の後端部と軸方向に当接可能な
緩衝用座部が設けられていることを特徴としている。
【0009】前記座部には、工作機械側から供給される
切削油を工具の後端部へ導く導油路を形成することが可
能である。また、位置決め具の他端側に緩衝用座部を装
填するための装填開口部を形成し、該装填開口部に、緩
衝用座部の軸方向移動を規制すべくスチールブッシュを
嵌着することもできる。
【0010】
【作用】本発明に係る位置決め具は、工具保持手段内で
軸方向に螺進可能であると共に、工具のシャンク部(後
端部)に設けられたタングや面取り等の回止め構造と回
転不能に係合する係合凹部を有している。したがって、
工具を工具保持手段内に保持した状態で工具自体を回転
すると、位置決め具が螺進され、その位置調節がなさ
れ、これにより工具の突出長さが調節される。
【0011】また、工具締め込み時に工具が工具保持手
段内に引き込まれても、工具の後端部と軸方向に当接す
る緩衝用座部が圧縮して工具の軸方向移動が許容される
と共に、工具後端部と緩衝用座部との密着が一層高めら
れ、切削油の漏出が一層確実に防止される。また、緩衝
用座部は装填開口部から挿入することにより係合凹部内
に容易に装着でき、この装填開口部に嵌着されたスチー
ルブッシュにより緩衝用座部の軸方向移動が確実に防止
される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1及び図2は本発明の第1実施例に係る位置決め
具1を示したもので、この位置決め具1は段付き丸棒状
に形成されており、そのうち径大側(図1右側)が工具
受部1aとされ径小側(図1左側)が螺進軸部1bとさ
れている。
【0013】工具受部1aの内部及び螺進軸部1bの内
部はいずれも軸方向に貫通する空洞となっており、これ
ら両空洞の中間部には仕切壁2が設けられている。工具
受部1a側の空洞は、工具5のシャンク部6を差し込む
ための差込部8となされ、上記仕切壁2には孔状に貫通
した係合凹部10が形成されている。この係合凹部10
は開口形状が長方形状をしており、工具5のシャンク部
6に突設されたタング7と回転不能な状態で係合可能と
なっている。
【0014】一方、螺進軸部1b側の空洞は、上記仕切
壁2に対してその裏側(図1左側)に緩衝用座部12を
当接させるようにするための座部用装填開口部14とな
されている。すなわち、この装填開口部14は、位置決
め具1の他端側(図1左側)に形成されて、緩衝用座部
12を位置決め具1内に装填可能となされている。座部
12は、フッ素系樹脂(通称テフロン)等の弾性材によ
り円筒状に形成されたもので、装填開口部14に対して
圧入される固定用カラー15により、仕切壁2との密着
状態を維持すべく固定されている。この固定用カラー1
5としては、円筒状のスチールブッシュを採用するのが
好ましい。このように装填開口部14に嵌着された固定
用カラー15により、緩衝用座部12の軸方向移動が規
制されている。
【0015】従って、工具受部1aの差込部8へ工具5
が差し込まれ、タング7が係合凹部10へ挿入された場
合、このタング7の突端面7aが、係合凹部10を突き
抜けた奥側で座部12と当接するようになっている。ま
たこの状態にあって、工具5は座部12の軸方向圧縮に
応じた分だけ螺進軸部1bへ若干の軸方向移動が可能と
なっている。
【0016】なお、座部12の中央部に設けられた筒孔
12aは、工作機械側から供給される切削油を螺進軸部
1b(装填部14)側から工具受部1a(差込部8)側
へ導くための導油孔であって、上記係合凹部10よりも
径小となされている。工具受部1aの外周部にはOリン
グ16が嵌着されており、螺進軸部1bの外周面には、
言うまでもなく雄ねじが形成されている。
【0017】また、工具受部1a側の環状端面及び螺進
軸部1b側の環状端面には、それぞれ、マイナスドライ
バー等の作業具と係合する切欠18,19が直径方向に
通り抜けるようにして形成されており、マイナスドライ
バー等によって位置決め具1の軸方向位置調節を行うこ
ともできるようになっている。図3は、このようにして
成る位置決め具1を用いて工具5を工具取付装置20へ
装着させた状態を示している。なお、この工具取付装置
20において、21は工作機械に対して直接的又は間接
的に差し込むためのシャンク部であり、22は工具保持
手段である。
【0018】そして、この工具保持手段22の内部に
は、その先端寄り(図3右側)を径大孔部分23aとし
その後方を雌ねじ付き径小孔部分23bとする段付き貫
通孔23が形成されている。上記位置決め具1は、この
段付き貫通孔23に対し、工具受部1aの外周面(Oリ
ング16)を径大孔部分23aの内周面と密着させ、螺
進軸部1bを径小孔部分23b(雌ねじ)と螺合させる
状態で収容される。
【0019】上記段付き貫通孔23は、工作機械側から
供給される切削油を工具5の後端部(工具5には、その
後端部から先端刃部へ抜ける通油孔が貫通形成されてい
る)へ導くうえでの給油孔としても作用するものであ
る。なお、上記工具保持手段22はコレットチャック構
造を有したものであって、テーパコレット25(図示は
省略するが、先端寄り(図3右側)の中央孔まわりに複
数本の軸方向スリ割りを有している)をナット部材26
の締め込みによってテーパ孔27内へ押し込むことによ
り、このテーパコレット25を縮径させて工具5を把持
したり、反対にナット部材26を弛緩させてテーパコレ
ット25を拡径可能とし、工具5を解放させたりするよ
うになっている。
【0020】ナット部材26の締め込みによってテーパ
コレット25をテーパ孔27内へ押し込む際には、工具
5が工具保持手段22内へ引き込まれるようになる、即
ち、工具5のタング7(図1参照)が座部12へ押し付
けられるようになるが、前記したように座部12が弾性
を有しているため、このときの工具5の移動は座部12
の圧縮によって許容されると共に、タング7と座部12
との密着が一層高められるので切削油の漏出は確実に防
止される。
【0021】このようにして工具5の把持が終わった後
で、工具保持手段22に対する工具5の突出長さを変更
しようとするには、まずナット部材26を幾分弛めた状
態にし、工具保持手段22に対して工具5を回転させる
ようにする。これにより、工具5の回転がタング7、係
合凹部10を介して位置決め具1に伝わり、この位置決
め具1を螺進させるようになる。工具5の突出量を適量
とした後は、再びナット部材26を増締めすればよい。
【0022】なお、位置決め具1を最も奥(工具受部1
aが径大孔部分23aの後端へ当接する状態)までねじ
込んだ状態にした場合、係合凹部10は工具5(タング
7)に対する回止めとして作用するものである。ところ
で、係合凹部10は貫通した孔状とすることが限定され
るものではなく、文字通り、貫通しない凹部として形成
することが可能である。この場合、緩衝用座部12は、
この係合凹部10の底部へ設けるようにすればよい。
【0023】また、係合凹部10は、工具5のシャンク
部6に設けられる回止め構造が、タング7ではなく面取
りであるような場合にはこれに対応した開口形状にすれ
ばよいことは言うまでもない。図4及び図5は本発明の
第2実施例を示しており、上記第1実施例と同様の構成
については同符号を付して詳細説明を省略するととも
に、異なる構成、作用効果について説明する。
【0024】本第2実施例の位置決め具1は、工具受部
1aと、螺進軸部1bと、これら工具受部1aと螺進軸
部1bとの間の径大のフランジ部1cとが連設されてな
り、これら1a,1b,1cの内部は軸方向に貫通する
空洞となっている。工具5のタング7と回転不能に係合
可能な係合凹部10は、工具受部1aの先端側(図4右
側)に直径方向貫通状に形成されている。また、仕切壁
2は、工具受部1aの先端部に設けられており、この仕
切壁2により、緩衝用座部12の先端側への軸方向移動
が規制される。
【0025】図4にも示されるように、仕切壁2の肉厚
は、係合凹部10の切欠深さよりも小さくされて、緩衝
用座部12の先端部が係合凹部10内に臨入されてお
り、而して係合凹部10内に座部12が設けられてい
る。また、本実施例では、工具5のシャンク部6はスト
レートシャンクとされており、タング7付きである。
【0026】また、Oリング16はフランジ部1cの外
周部に嵌着されている。本実施例によっても上記第1実
施例と同様の作用効果を奏することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明は、上述の構成を具備するもので
あって、工具取付装置に対して、その工具保持手段内で
軸方向への螺進が可能であると共に、工具のシャンク部
(後端部)に設けられたタングや面取り等の回止め構造
と係合する係合凹部を有しているので、工具の突出長さ
を調節する場合には、工具自体を回転させることで位置
決め具の螺進、即ちその位置調節を可能としている。結
局、工具保持手段からいちいち工具を抜き取らなくて
も、工具の突出長さを調節できるものとなり、これが非
常に簡単となる。また、位置決め具自体が螺進可能であ
るため、位置決め精度を高精度にすることができる。
【0028】しかも、構造が簡潔であって製造コストの
高騰化を招来するおそれがない。さらに、装填開口部か
ら緩衝用座部を位置決め具内に装填して、装填開口部に
スチールブッシュを嵌着することにより緩衝用座部の軸
方向移動を規制しているので、構造の簡素化、製造の容
易化を図りつつも、工具の装着により緩衝用座部が圧縮
されたときでも、該圧縮力による緩衝用座部の軸方向移
動を確実に防止することができ、工具後端部と座部との
密着性を確保してかかる部分からの切削油の漏出の防止
をより確実化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る位置決め具を示す側
断面図である。
【図2】図1のA−A線矢視図である。
【図3】第1実施例に係る位置決め具を工具取付装置に
保持させた状態を示す側断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る位置決め具を示す半
断面側面図である。
【図5】図4のB−B線矢視図である。
【符号の説明】
1 位置決め具 5 工具 7 工具の後端部に設けられたタング 10 係合凹部 12 座部 12a 導油路 14 装填開口部 15 スチールブッシュ 20 工具取付装置 21 工具取付装置のシャンク部 22 工具保持手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部に工作機械へ差込用のシャンク部
    (21)が設けられ他端部に工具保持手段(22)が設
    けられて成る工具取付装置(20)に対して上記工具保
    持手段(22)内に収容され工具(5)の後端部(7)
    を当たり止めする位置決め具において、上記工具保持手
    段(22)内を軸方向に螺進可能となされ、先端側に工
    具(5)の後端部(7)と回転不能に係合する係合凹部
    (10)が形成されていると共に、該係合凹部(10)
    内に工具(5)の後端部と軸方向に当接可能な緩衝用座
    部(12)が設けられていることを特徴とする工具取付
    装置に用いられる位置決め具。
  2. 【請求項2】 前記座部(12)には、工作機械側から
    供給される切削油を工具(5)の後端部へ導く導油路
    (12a)が形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の工具取付装置に用いられる位置決め具。
  3. 【請求項3】 一端部に工作機械へ差込用のシャンク部
    (21)が設けられ他端部に工具保持手段(22)が設
    けられて成る工具取付装置(20)に対して上記工具保
    持手段(22)内に収容され工具(5)の後端部(7)
    を当たり止めする位置決め具において、 上記工具保持手段(22)内に軸方向に螺進可能に螺合
    されており、先端側には、工具(5)の後端部と回転不
    能に係合する係合凹部(10)が形成され、該係合凹部
    (10)内に工具(5)の後端部(7)と軸方向に当接
    可能な緩衝用座部(12)が設けられており、他端側に
    は、緩衝用座部(12)を装填するための装填開口部
    (14)が形成されており、該装填開口部(14)に
    は、緩衝用座部(12)の軸方向移動を規制すべくスチ
    ールブッシュ(15)が嵌着されていることを特徴とす
    る工具取付装置に用いられる位置決め具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008302472A (ja) * 2007-06-07 2008-12-18 Daishowa Seiki Co Ltd 工具ホルダ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008302472A (ja) * 2007-06-07 2008-12-18 Daishowa Seiki Co Ltd 工具ホルダ

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