JPH08155504A - 材料の接合方法及び接合装置 - Google Patents

材料の接合方法及び接合装置

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JPH08155504A
JPH08155504A JP31950894A JP31950894A JPH08155504A JP H08155504 A JPH08155504 A JP H08155504A JP 31950894 A JP31950894 A JP 31950894A JP 31950894 A JP31950894 A JP 31950894A JP H08155504 A JPH08155504 A JP H08155504A
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Toshiyuki Kajiwara
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は複数個の材料の接合において、
バリ発生がなく短時間で強度の大きい接合を行うことが
できる接合方法及び装置を提供することにある。 【構成】被接合部材を互いに相対すべり摺動させ、該相
対すべり摺動により発生する摩擦エネルギ−により、前
記被接合部材の接合面の表層部のみを被接合部材の液相
生成温度以上として接合する接合方法及びその接合装
置。 【効果】接合に要するエネルギーが少なく、かつ接合強
度の大きい接合が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は材料の接合方法及び装置
に係り、特に熱間圧延材を粗圧延機群及び仕上げ圧延機
群にて圧延を行うに際し、短時間で熱間圧延材の接合を
行い連続圧延を可能とする熱間圧延材の接合方法及び熱
間圧延設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】材料の接合方法としては、材料全般に対
して、可塑性の有機材料を用いた接着剤を用いる方法,
金属材料に対しては、被接合金属より融点の低い接合用
金属(ろう材と呼ばれる)を用いる方法,被接合金属自
身を溶融させて接合する方法(溶接)等がある。これら
の接合方法は、接合目的に応じて適宜用いられるが、近
年の接合工程自動化の進展に伴い、高速接合への要求が
高まっている。一例として、熱間圧延設備での熱間圧延
材の圧延工程中での接合工程がある。熱間圧延設備での
仕上げ圧延を連続化して生産性の向上,品質の向上及び
操業の自動化を実現しようとする要望は極めて強い。そ
の鍵となる技術は、熱間圧延材(以下、バー材と呼ぶ)
の接合である。例えば接合機を走行式にした場合は、バ
ー材の接合が短時間に完了しないと接合機の走行距離が
長くなり実現困難となる。また接合機を固定型にした場
合は、バー材の厚みは通常30〜50mmと厚いため、こ
のバー材を蓄積するための巨大なルーパーが必要とな
る。従来、バー材の接合方法については、電熱法,ガス
加熱,溶削法及び摩擦法など数多くの方式が提案されて
いるが、未だ実現を見ていない。その実現していない最
大の理由は、接合に時間がかかりすぎることである。従
来のバー材接合の場合、接合前準備,押圧によるダレ,
バリ除去などを含めて最短でも20〜30秒を要する。
このような従来のバー材の接合方法には、例えば、特開
平5−303号公報,特開平4−158905号公報,特開昭61−
176482号公報,特開平5−76910号公報などに記載された
ものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術にはそれぞれ以下のような問題がある。特開平5−3
03 号公報に記載されたものは、摩擦接合でありアプセ
ット時のバリ取り時間が必要となり、接合時間を多く必
要とする問題がある。特開平4−158905 号公報に記載さ
れたものは、高周波接合であるため比較的短時間で接合
できるものの、接合面を溶融し接合するものなのでアプ
セット時のバリ発生は避けられず、バリ取り時間を必要
とする。仮にこのバリ取り操作を省略した場合、圧延ロ
ールを傷つける問題がのこる。特開昭61−176482号公報
に記載されたものは、重ね剪断接合であるが、剪断切り
口形状が剪断直後の活性な面が一旦大気にさらされるの
で新たな酸化皮膜の発生があり、接合は困難である。こ
のような背景のもと、新たに提案されたものとして、特
開平5−76910号公報に記載されたものがある。これは摺
動圧着接合方法であり、短時間接合が可能な上、バリ発
生も無いなど従来に無い特徴を有するものである。特に
融点,耐力の低いアルミニウム材では圧延中の破断もな
く好結果を得ている。しかしながら、融点,耐力の高い
炭素鋼,ステンレス鋼ではしばしば圧延中の破断があ
り、接合強度が弱いという問題がある。
【0004】本発明の目的は、従来より高速に複数個の
部材同士を接合する方法を提供することにある。
【0005】また、本発明の目的は、熱間圧延材の接合
方法において、上記のような従来技術の欠点を改善し、
従来より短時間にバー材を高い接合強度を有して接合
し、更にバリ発生の少ない熱間圧延材の接合方法及び熱
間圧延設備を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、複数個の被接合部材を互いに相対
すべり摺動させ、該相対すべり摺動により発生する摩擦
エネルギーにより、前記被接合部材の接合面の表層部の
みを被接合部材の液相生成温度以上として接合する材料
の接合方法が提供される。
【0007】また上記目的を達成するため、本発明によ
れば、熱間圧延設備のラインで先行圧延材と後行圧延材
を接合する熱間圧延材の接合方法において、前記熱間圧
延材を互いに相対すべり摺動させ、該相対すべり摺動に
より発生する摩擦エネルギーにより、前記熱間圧延材の
接合面の表層部のみを該熱間圧延材の液相生成温度以上
となる条件で接合する熱間圧延材の接合方法が提供され
る。
【0008】また、本発明によれば、熱間圧延設備のラ
インで先行圧延材と後行圧延材を接合する熱間圧延材の
接合方法において、外部より、前記圧延材の接合面端部
が溶融するほどの熱エネルギーを加えることなく前記先
行圧延材と前記後行圧延材の接合部端面の少なくとも一
部が前記圧延材の液相生成温度以上となる条件で接合す
る熱間圧延材の接合方法が提供される。
【0009】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、外部より、前記圧延材の接合面端部が溶融するほど
の熱エネルギーを加えることなく、かつ接合に要する時
間が3秒以内である熱間圧延材の接合方法が提供され
る。
【0010】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、先行圧延材と後行圧延材の接合面の清浄度,押圧圧
力,押圧力保持時間,相対すべり速度,押圧角度,圧延
材温度の各条件が、前記先行圧延材と前記後行圧延材の
接合部端面の少なくとも一部が前記圧延材の液相生成温
度以上となる条件で接合する熱間圧延材の接合方法が提
供される。
【0011】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、先行圧延材と後行圧延材の接合面の清浄度に関する
情報,前記先行圧延材と前記後行圧延材の押圧圧力に関
する情報,前記先行圧延材と前記後行圧延材の接合面の
押圧力保持時間に関する情報,前記先行圧延材と前記後
行圧延材の相対すべり速度に関する情報,前記先行圧延
材と前記後行圧延材の押圧角度に関する情報,前記先行
圧延材と前記後行圧延材の圧延材温度に関する情報の少
なくとも1つの情報に基づいて、予め求められた前記情
報と圧延材の接合性の関係から前記圧延材の接合条件を
決定する熱間圧延材の接合方法が提供される。
【0012】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部とをそれ
ぞれ独立してクランプする工程と,先行圧延材の後端部
と後行圧延材の先端部とを段付けする段付工程と,この
先行圧延材の後端部の端面と後行圧延材の先端部端面と
に両圧延材の接合部端面の少なくとも一部が前記圧延材
の液相生成温度以上となるように相対すべりを与える摺
動工程と,前記先行圧延材と後行圧延材とに押圧力を加
える押圧工程を順次含む熱間圧延材の接合方法が提供さ
れる。
【0013】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、両圧延材の接合部端面の板厚中央面面積の30%以
上、より好ましくは50%以上が溶融する熱間圧延材の
接合方法が好ましい。
【0014】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、先行圧延材と後行圧延材の接合面端部を傾斜切断
し、接合面形状を整える工程を含むことが好ましい。
【0015】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、先行圧延材と後行圧延材の接合面端部の切断は、走
間切断機で行うことが好ましい。具体的には、ペンジュ
ラムシャーあるいはドラム型シャーで行うことが好まし
い。
【0016】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部を突合わ
せ押圧成形する工程を含むことが好ましい。
【0017】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部の接合面
が平滑となるように押圧して成形することが好ましい。
【0018】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、圧延材の温度に応じ、前記圧延材の相対すべり速度
を、両圧延材の接合部端面の少なくとも一部が前記圧延
材の液相生成温度以上となるように設定することが好ま
しい。
【0019】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、前記先行圧延材及び後行圧延材の切断面角度を6〜
14°に設定し、前記熱間圧延材の温度T(℃),前記熱
間圧延材の融点Tm(℃),先行圧延材の後端部の端面と
後行圧延材の先端部端面とを被圧延材の板厚の1/2以
上の振幅で相対すべりを与える工程での相対すべり速度
を、相対すべり速度V(m/s)としたとき、 V≧−(1.16×10-3×T)+(1.19×10-3×T
m)−0.04 で表される関係を有することが好ましい。
【0020】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、圧延材の温度Tは接合直前の先行圧延材,後行圧延
材の接合部端面付近の表面温度のうち高いほうの温度で
あることが好ましい。
【0021】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、最終工程での押圧力F(MPa)は、各圧延材の温度
T(℃)及び各圧延材の耐力Te(MPa)に応じて、 F≧−0.32×T+418×(Te/280) で表される関係を有することが好ましい。
【0022】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、前記熱間圧延材の液相生成温度は、1400℃以上
であることが好ましい。
【0023】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、熱間圧延材は、炭素鋼,合金鋼,特殊用途鋼および
けい素鋼板から選ばれた金属材料であることが好まし
い。
【0024】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、相対すべりを与える工程で少なくとも1回の摺動作
用を行うことが好ましい。
【0025】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、先行圧延材と後行圧延材の押圧角度は6〜14°の
範囲であることが好ましい。
【0026】また、本発明によれば、熱間圧延設備のラ
インで先行圧延材と後行圧延材を接合する熱間圧延材の
接合装置において、前記先行圧延材と後行圧延材をそれ
ぞれ独立にクランプするクランプ手段と,前記先行圧延
材と後行圧延材とを互いに押圧する手段と,前記先行圧
延材の後端部と後行圧延材の先端部の一方を段付けする
段付手段と,前記先行圧延材の後端部の端面と後行圧延
材の先端部端面どうしに相対すべりを与える摺動手段
と,両圧延材の接合部端面の少なくとも一部が前記圧延
材の液相生成温度以上となる条件で接合する制御手段を
備えていることを特徴とする熱間圧延材の接合装置が提
供される。
【0027】また、上記熱間圧延材の接合装置におい
て、該接合装置は接合完了するまでの間、被圧延材の移
動と共に圧延方向に移動する移動手段を備えることが好
ましい。
【0028】また、本発明によれば、少なくとも1台の
粗圧延機と仕上圧延機群を有する熱間圧延設備におい
て、前記粗圧延機と前記仕上圧延機との間に設置され、
粗圧延機で圧延されたバー材を順次接合する接合装置を
備え、前記接合装置が前記先行圧延材と後行圧延材をそ
れぞれ独立にクランプするクランプ手段と,該クランプ
手段を昇降させる昇降手段と,最終的に押圧する手段と
から構成され、かつ先行圧延材の後端部と,後行圧延材
の先端部とをそれぞれ独立してクランプする工程と,先
行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部とを段付けする
工程と,この先行圧延材の後端部の端面と後行圧延材の
先端部端面とを押圧しながら両圧延材の端面に相対すべ
りを与える工程と,最終的に押圧力を加える工程を含
み、かつ両圧延材の接合部端面の少なくとも一部が前記
圧延材の液相生成温度以上となる条件で接合する工程が
組み込まれている熱間圧延設備が提供される。
【0029】また、本発明によれば、連続鋳造機と,少
なくとも1台の粗圧延機と,仕上圧延機群と,冷却機,
剪断機及び巻取り機を備える連続熱間圧延設備におい
て、前記粗圧延機と前記仕上圧延機との間に設置され、
粗圧延機で圧延されたバー材を順次接合する接合装置を
備え、前記接合装置が前記先行圧延材と後行圧延材をそ
れぞれ独立にクランプするクランプ手段と,該クランプ
手段を昇降させる昇降手段と,最終的に押圧する手段と
から構成され、かつ先行圧延材の後端部と,後行圧延材
の先端部とをそれぞれ独立してクランプする工程と,先
行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部とを段付けする
工程と,この先行圧延材の後端部の端面と後行圧延材の
先端部端面とを押圧しながら両圧延材の端面に相対すべ
りを与える工程と,最終的に押圧力を加える工程を含
み、かつ両圧延材の接合部端面の少なくとも一部が前記
圧延材の液相生成温度以上となる条件で接合する工程が
組み込まれていることを特徴とする連続熱間圧延設備が
提供される。
【0030】
【作用】圧延材の接合の可否は、接合面の清浄度C,
材料温度T,押圧力保持時間(接合時間)t,押
圧力Pに依存する。この場合清浄度に影響するのはほと
んど接合面に存在する圧延材の酸化皮膜である。従っ
て、酸化皮膜がなければ適度の材料温度Tと接合面の粗
さやうねりを解消する、すなわち密着化を図るに必要な
押圧力Pと接合時間tで圧着すれば確実に接合する。こ
こで押圧力Pは、後述するように摺動工程で発生する圧
力P1と摺動後に付加される押圧力P2との総圧力を示し
ている。しかし大気中での接合プロセスでは清浄化には
限界があること、接合面粗さやうねりに対応するために
は押圧力(接合圧力)を大きくしなければならないこと
など問題がある。これを解決するためには接合面間での
液相の介在が有効である。すなわち液相の介在によって
酸化皮膜の分散排出が促進されるし、接合面粗さやうね
りに起因する間隙が液体によって満たされるため接合率
が大幅に向上する。しかし通常、接合面を溶融しようと
すれば加熱エネルギーと時間を費やすばかりでなく接合
面の酸化皮膜と溶融中に生成される酸化物を押圧力を付
加して溶融金属と一緒に接合面外に排出しなければなら
ない。したがってバリの発生は避けられない。
【0031】本発明では、摺動速度(圧着速度または相
対すべり速度とも呼ぶ)を従来の方法に比べ(臨界の摺
動速度以上に)大きくすることにより発生する摩擦熱に
よって表面層のみ溶融を起こさせ、摺動による酸化皮膜
の剥離とこれによりバリをほとんど出すこと無く接合を
終了させることができる。すなわち、摺動による摩擦熱
で接合部端面の表面のみを溶融させるため、溶融深さが
小さいことがバリ発生を抑制する作用を果たしているの
である。従って接合面が溶融してもバリ取り工程は不要
である。
【0032】接合工程は、図1に示すように a.切断機を用いて一定の角度を付与して切断面を形成
する工程。
【0033】b.先行圧延材と後行圧延材の接合面を突
合わせて接合面形状を整える工程。
【0034】c.先行圧延材,後行圧延材をそれぞれク
ランプする工程。
【0035】d.先行圧延材または後行圧延材の一方も
しくは両方を相互に上下にすべらせる工程(段付工程と
称する)。
【0036】e.先行圧延材または後行圧延材の一方も
しくは両方を互いに押し付けるように上下にすべらせる
工程。
【0037】f.先行圧延材または後行圧延材の一方も
しくは両方を圧延材の長手方向に押圧し、接合面の密着
性を上げる工程。
【0038】g.クランプを開放する工程。
【0039】からなる。このうちf.の工程は省くこと
も可能である。上記工程に対応した作用について以下に
説明する。
【0040】a.:金属材料の切断は一般的に、シャーと
呼ばれる2枚の刃でハサミのように材料をはさむことに
よって切断する。シャーの形式によって切断面の角度が
異なるが、本発明の場合は、後記するように切断面の角
度が6〜14°が好ましい。
【0041】b.:シャーで切断された切断面は平滑では
ない。接合する場合、表面に凹凸があるとへこんでいる
部分が未接合になるため、接合面はできるだけ平滑な方
が好ましい。このため、突合せを行う。
【0042】c.:後の工程の際充分に圧延材どうしを摺
動させるために先行圧延材,後行圧延材のそれぞれを接
合部近傍でクランプする。
【0043】d.:圧延材の板厚の1/2以上の長さで圧
延材を上下方向に位置をずらす。このとき両圧延材の接
合面を互いに摺動させても良く、また接触しないように
して位置をずらしても良い。
【0044】e.:上記d.と逆の方向へ圧延材をずらす
工程。この場合圧延材を単に上下方向にずらすだけでな
く、互いに押し付けるように移動させる。この時摺動面
(接合面)の表面が圧延材の液相生成温度以上になるよ
うに押し付け力,相対すべり速度を調節する。押し付け
力を大きくすると、相対すべり速度をその分小さくでき
る。
【0045】f.:上記e.の工程だけで充分な接合強度が
得られる場合もあるが、この押圧工程により接合面のへ
こんでいる部分が押し付けられ接合率が向上する。この
工程は上記摺動工程直後のまだ接合面が溶融している時
に行うのが良い。また押圧力は、大きい方が密着性が向
上するが、接合する材料の耐力(降伏点に対応した材料
の特性)に応じた一定の押圧力以上の押圧力を付与して
も接合強度は飽和するので、各材料の耐力に応じた押圧
力をかけることが良い。
【0046】g.:クランプを開放して、圧延材を次の圧
延工程にながす。
【0047】圧延材の流れを止めずに接合を完了するた
め、接合装置は圧延材の流れと同期して移動するように
なっている。
【0048】上記接合方法を用いることにより、被接合
材である圧延材が液相となり接合されるので固相状態で
接合する場合に比べ接合のための元素の拡散が短時間で
終わり、従って従来方法に比べ短時間接合が可能であ
る。
【0049】外部より高周波電流をかけることにより高
周波誘導加熱する方法,直接酸素とアセチレンを噴射し
て加熱する方法により、接合面を溶融させて接合する従
来の方法では、接合部端面の溶融深さが大きくなりバリ
の発生が多いため、バリ取り工程は必須となっている。
【0050】また、短時間で確実に接合するには、上記
〜の4条件のうち清浄度Cをいかにして確保するか
が鍵になる。すなわち既存の酸化皮膜を除去し接合面を
清浄化できても、再び新しい酸化皮膜が生成され、これ
が確実な接合を困難にしているからである。
【0051】本発明者等は検討の結果、相対すべり速度
を速めることにより、上記のようにバリ取り工程を不要
にし、短時間で接合ができるとともに、新しい酸化皮膜
の生成が始まる前に圧着工程に入ることができ、結果と
して接合部端面の十分な清浄度が得られた状態で接合が
できることを見いだした。
【0052】またこの時に、酸化皮膜の剥離・排出作用
が十分に行われるので、接合強度を得るための押圧力も
少なくて済み、適正圧着量でバリ発生が防止できる長所
がある。以上の作用により、短時間で鋼材の過酷な圧延
に耐えるに十分な信頼度の高い接合強度を得ることがで
きるのである。
【0053】本発明は、上記のように圧延材の接合技術
を検討中になされたものであるが、被接合材料は、圧延
材に限定する必要はない。接合される2部材の材質が酸
化されやすいものであれば、短時間で接合強度の大きい
接合が可能である。例えば、鋼板圧延機用の圧延ロール
は、生産性向上や省エネルギーのために近年高圧力下圧
延の要求が高まっており、それに対応するため、ロール
の表面を耐摩耗性の優れた材料,ロール中心材を強靱性
材料とする複合ロールが開発されている。このロールの
表面層(円筒の中心軸の部分が空洞になっているような
形状)と中心層(表面層の中心軸に入り、ロールの軸と
して用いられる)を接合するため従来は焼ばめが用いら
れていたが、本発明の高速摺動による接合法を用い、中
心層を高速で表面層部に押し込むようにすると、短時間
で確実に接合が可能になる。このように、接合の際に接
合部の表面層のみが溶融するように高速で摺動させるこ
とにより接合する方法は、圧延材の接合以外にも用いら
れる。
【0054】本発明は、外部より、前記圧延材の接合面
端部が溶融するほどの熱エネルギーを加えることなく先
行圧延材と後行圧延材の接合部端面の少なくとも一部が
圧延材の液相生成温度以上となる条件で接合することに
よりバリの発生がほとんどなく、しかも短時間で接合強
度の大きい接合が得られる方法を見いだしなされたもの
である。
【0055】また、上記のようにすることにより、外部
より前記圧延材の接合面端部が溶融するほどの熱エネル
ギーを加えることなく、かつ接合に要する時間が3秒以
内である圧延材の接合が可能となる。この場合の接合時
間とは、先行圧延材の後端部と、後行圧延材の先端部と
をそれぞれ独立してクランプする工程の開始時刻から、
最終的に押圧力を加える工程が終了する時刻までの接合
工程のトータル時間である。これは、従来の接合に要す
る時間の1/2以下となり、また接合強度も固相接合で
得られる接合部の強度の2倍以上となる。
【0056】また、上記圧延材の接合方法において、先
行圧延材と後行圧延材の接合面の清浄度,押圧圧力,押
圧力保持時間,相対すべり速度,押圧角度,接合材接合
面角度,圧延材温度の各条件が、前記先行圧延材と前記
後行圧延材の接合部端面の少なくとも一部が前記圧延材
の液相生成温度以上となる条件で接合することが重要で
ある。
【0057】すなわち、先行圧延材と後行圧延材の接合
面の清浄度,押圧圧力,押圧力保持時間,相対すべり速
度,押圧角度,圧延材温度の各条件は、接合時の接合部
端面が少なくとも一部が前記圧延材の液相生成温度以上
となるかどうかに関係しており、例えば押圧角度が6°
より小さい場合は相対すべり速度が1.2m/s より大
きくなっても十分な接合強度が得られない場合がある。
本発明の効果は、圧延材の接合部端面が液相生成温度以
上となる、すなわち一部が溶融する条件で接合しないと
得られないものである。この条件は先行圧延材と後行圧
延材の接合面の清浄度,押圧圧力,押圧力保持時間,相
対すべり速度,押圧角度,圧延材温度の各条件の関数と
なっているのである。
【0058】また、上記のような圧延材の接合部端面が
液相生成温度以上となる条件は、計算機上で、ある程度
シミュレーション計算できるが、実際に端面が溶融する
かどうかは、実験で得られた情報をもとに、シミュレー
ション計算結果と比較することにより求めることが良
い。すなわち、予め求められている先行圧延材と後行圧
延材の接合面の清浄度に関する情報,押圧圧力に関する
情報,押圧力保持時間に関する情報,相対すべり速度に
関する情報,押圧角度に関する情報,圧延材温度に関す
る情報と圧延材の接合性(接合強度,接合面積)に関する
結果とシミュレーション計算結果を比較し、より一層効
率の良い圧延材の接合条件を決定することができるので
ある。(相対すべり速度が大きすぎても、接合強度が増
大にはほとんど関与せず、エネルギーの無駄となるた
め、接合面が溶融する臨界速度にできるだけ近いすべり
速度で接合することが好ましい。) また、実際の接合にあたっては先行圧延材の後端部と,
後行圧延材の先端部とをそれぞれ独立してクランプする
工程と,先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部とを
段付けする工程と,この先行圧延材の後端部の端面と後
行圧延材の先端部端面とを押圧しながら両圧延材の端面
に相対すべりを与える工程と,最終的に押圧力を加える
工程を含む構成を有することにより、容易に両圧延材の
接合部端面の少なくとも一部が前記圧延材の液相生成温
度以上となる条件で接合することが可能となる。
【0059】また、圧延材の接合後の両圧延材の接合部
端面の板厚中央面面積の30%以上、好ましくは50%
以上が溶融して接合されていないと、接合強度が十分で
なく、従って仕上圧延工程で接合部が破断する可能性が
高くなる。発明者らの実験によると接合部の接合強度
は、液相が生成して接合している場合は接合母材の強度
とほぼ同等である。従って、実際に接合している面積が
大きいほど接合強度は大きくなる。しかし、圧延材は接
合される場合、接合面端部、特に板材の幅方向の端部は
接合されない。そこで、接合部端面の板厚中央面部での
接合率を測定して接合の良否を判断することが好まし
い。接合面が液相生成温度以上で接合したかどうかの判
定にはいろいろな方法があるが接合面で破断させて接合
面を観察すると液相が発生した部分はマクロ的には材料
が流れたように見える。また、接合部端面の板厚中央面
部でも接合率を100%とすること、すなわち完全に接
合することは、接合面の微小な凹凸が存在するため、技
術的に困難である。それを利用して液相が生成する条件
で接合されたかどうかを判定する方法もある。すなわ
ち、液相が生成するような条件で接合した場合、接合し
ていない部分に圧延材料が一旦溶融した後、再凝固した
ことを示す球状の凝固組織が見い出される。この凝固組
織の一例を図2に示す。図2.(a)は低倍率でSEM観
察した金属組織を示したもの、図2.(b)はその拡大し
た金属組織を示したものである。また、接合面に液相が
発生するほどの高速で摺動した場合は、接合面に直角に
材料を切断し接合面近傍の金属組織を観察することによ
っても判定できる。図3にS45Cどうしを接合した時
の接合面近傍の光学顕微鏡観察による金属組織を示す。
接合面近傍で流れたような組織が観察される。これをメ
タルフローと称しているが、このメタルフローの形状に
より、摺動速度が推定される。図4にメタルフローの形
状と摺動速度の関係を示す。摺動速度が大きくなると図
4中のL(金属組織の流れ始めた点から接合境界面まで
の距離)が短くなる。相対すべり速度が6.5m/s以
上では、Lがほとんど0になることがわかる。アルミニ
ウム材料では、相対すべり速度とLの関係はこの図とは
異なるが、相対すべり速度が大きいとLが小さくなるの
は同じであり、同じように関係図を作成することが可能
であり、これより相対すべり速度を推定することが可能
である。
【0060】また、圧延材の接合においては、先行圧延
材と後行圧延材の接合面端部を切断することによって、
接合面形状を整える工程を含むことにより、接合強度の
向上が期待できる。先行圧延材と後行圧延材の接合面端
部を切断しない場合、接合面の形状が不規則となるため
相対すべり摺動させた場合でも、十分に接合部端面が溶
融せず接合強度が十分に得られない可能性が高い。
【0061】また、上記切断は、走間切断機であるペン
ジュラムシャーあるいはドラム型シャーで行うことが好
ましい。切断機としては他にギロチンシャー,ミーリン
グカッタなどが考えられるが、ギロチンシャーではバー
材を斜めに切断することは難しい。上記したように熱間
圧延材の接合においては、押圧角度すなわち先行圧延材
と後行圧延材の接合部端面の長手方向に対する角度の大
きさは、後述するように6°〜14°の範囲内で最も接
合効率が高くなるため、切断時には切断面がある程度の
角度をもつように切断されることが必要であるため、切
断方法がギロチンシャーでは好ましくない。また、ミー
リングカッタを用いて切断した場合は切断時間がかかり
すぎるため好ましくなく、また接合面の酸化スケールの
破砕除去の効果も十分でない、すなわち接合面の清浄度
が低くなるため好ましくない。
【0062】更に、先行圧延材の後端部と後行圧延材の
先端部を接合工程の前に、突合わせ押圧成形することに
より、接合予定面の形状をなじませることにより、相対
すべり摺動での発生摩擦熱を大きくすることができ、接
合部の溶融を容易にできる。また、圧延材の接合部端面
の少なくとも一部が前記圧延材の液相生成温度以上とな
るためにもっとも大きく関与する要素は、圧延材の相対
すべり速度である。切断機の仕様により押圧角度がコン
トロールできない場合でも、圧延材の温度に応じて、圧
延材の相対すべり速度を、両圧延材の接合部端面の少な
くとも一部が前記圧延材の液相生成温度以上となるよう
に設定することにより、本発明の効果が得られる。
【0063】発明者らが、実験により見い出した具体的
な圧延材の接合条件は、押圧角度を6〜14°,切断面
角度を6〜14°の範囲に設定し、前記熱間圧延材の温
度T(℃),前記熱間圧延材の融点Tm(℃),先行圧延材
の後端部の端面と後行圧延材の先端部端面とを被圧延材
の板厚の1/2以上の振幅で相対すべりを与える工程で
の相対すべり速度を、相対すべり速度V(m/s)とした
とき、 V≧−(1.16×10-3×T)+(1.19×10-3×T
m)−0.04 で表される関係を有することが好ましいことがわかっ
た。この直線の式は、JIS規格SS400の炭素鋼とJ
IS規格5052のアルミニウム材を圧延材として用い
た実験結果より得られたデータを最小自乗法により1次
の近似式として求めたものである。摺動速度による摺動
部の温度上昇は摺動部より逃げる単位時間当たりの熱量
に依存するがこれは摺動部温度の1次関数で近似でき
る。ただし摺動部温度が材料の融点に近くなると、材料
の格子振動が激しくなり、熱伝導率が低下するため熱が
逃げにくくなる。そのため摺動部の温度が融点付近の場
合は、上記一次式では、完全に近似できないが、誤差は
10%程度であると考えられ、上記式の適用は実用上問
題がないと考えられる。
【0064】ここでいう相対すべり速度の定義について
以下に説明する。接合時には、先行圧延材,後行圧延材
の一方を固定し、一方を摺動させるか、または両方を摺
動させるのであるが、その時の相対すべり速度は、すべ
り始めから一定ではなく、静止状態から速度は徐々に上
昇していき一定時間後に一定速度の相対すべり速度とな
り、停止時に再びすべり速度は0となる。本発明での相
対すべり速度は、一定速度になったときの速度である。
【0065】上記圧延材の温度Tは接合直前の先行圧延
材,後行圧延材の接合部端面付近の材料の表面温度のう
ちどちらか高い方の温度である。実際には接合部端面の
中心部の温度のうち高いほうの温度であることが好まし
いのであるが、その温度を測定することは技術的に困難
であることから、本発明で圧延材の温度という場合は、
板材の表面の温度を光温度計,赤外線放射温度計、また
は熱電対により測定した温度である。実際に接合部端面
が溶融するのは、(接合面の温度+発生した摩擦熱)≧
圧延材の液相生成温度の関係となったときであるから、
計算に用いる温度は、バー材の平均表面温度でも良い
が、より好ましいのは上記接合予定部そのものの温度で
ある。
【0066】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、最終工程での押圧力F(MPa)は、各圧延材の温
度T(℃)及び各圧延材の耐力Te(MPa)に応じて、 F≧−0.32×T+418×(Te/280) で表される関係を有することが好ましい。これは、押圧
力を大きくすることによって、接合部をなじませ、接合
強度を大きくすることができるからである。ただし、押
圧力を大きくしていっても接合強度は一定値で飽和し、
また圧延材温度によっても接合強度が飽和する押圧力が
異なるため、各圧延材の温度に応じて、押圧力を変える
ことが好ましい。上記式は、臨界すべり速度と同様に実
験によって求められたものである。
【0067】具体的な材料としては、アルミニウム合
金、炭素鋼,合金鋼,特殊用途鋼およびけい素鋼板から
選ばれた金属材料であることが好ましい。
【0068】融点の低いアルミニウム合金の圧延材を接
合する場合は、冷間圧延材でも、相対すべり摺動のみで
接合面が液相生成温度以上になり、接合が可能になる。
また、炭素鋼,合金鋼,特殊用途鋼およびけい素鋼板
は、従来の接合方法では、接合に時間がかかるため、接
合の間、圧延材をたるませておくためのルーパーが必要
であったが、本発明を用いると接合時間が3秒以内で終
了するため、ルーパーを省略することができ、圧延設備
コストの低減,信頼性の向上をはかることができる。
【0069】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、相対すべりを与える工程で少なくとも1回の摺動作
用を行うことが好ましい。
【0070】また、上記熱間圧延材の接合方法におい
て、先行圧延材と後行圧延材の押圧角度は6〜14°の
範囲であることが好ましい。押圧角度が大きい場合は、
塑性変形量が大きく発生する摩擦熱が大きくなり、液相
の発生量が多くなるが、押圧角度が大きすぎる場合は、
接合面の不規則な割れを引き起こし、逆に接合強度が低
下する。押圧角度6〜14°の範囲は発明者らの実験に
より得られた最適値である。
【0071】上記のような接合方法を実施できる熱間圧
延材の接合装置は、短時間で高強度の接合部が得られる
ため省エネルギー,高効率化が達成できる。
【0072】また、熱間圧延設備,連続熱間圧延設備に
適用した場合も同様である。
【0073】本発明の方法は、基本的には相対すべり速
度を従来方法に比べて大きくできれば良いため従来設備
でも実施可能である。しかし、相対すべり速度を大きく
するため、圧延材のすべり速度を与えるための機構,具
体的には油圧ポンプ,電気モータ等の容量を高速摺動可
能であるように大きくすることが好ましい。
【0074】
【実施例】本発明の実施例を図5及び図6を用いて説明
する。
【0075】図5は、本発明の実施例による熱間圧延材
の接合機の側面図を示すものであり、図6は図5で示し
た接合機の正面図を示すものである。
【0076】図5中、1aは粗圧延後仕上圧延されてい
る先行バー材1の後端部、2aは粗圧延後クロップカッ
トされた後行バー材2の先端部を示す。接合機3は接合
機本体としての本体フレーム3aを有し、本体フレーム
3a内には先行バー材1の先端部1aを挟持するための
上下一対の押圧用クランプ金具6,7が配置されてい
る。また、接合機3は本体フレーム3a内に、段付けフ
レーム18及び圧着フレーム19を有している。段付け
フレーム18にはクランプ金具4が連結されており、複
数の油圧シリンダー17により昇降可能となっている。
【0077】一方、圧着フレーム19も同様にクランプ
金具7が一体に設けられ、複数の油圧シリンダー17に
より昇降可能なクランプ金具6が連結されている。
【0078】本体フレーム3aの上部及び下部フレーム
には、上部及び下部ブラケット3c,3dが付設され、
段付けフレーム18はこれを抱き込むように昇降自在に
支持されている。上部及び下部ブラケット3c,3dに
連結ピン12,14にてリンク10,11があり、この
他端が圧着フレーム19に連結ピン13,15にて連結
され、これら上部及び下部ブラケット3c,3dとリン
ク10,11及び連結ピン13,15と段付けフレーム
18と圧着フレーム19により四辺形リンクを構成し、
相互に作動的に連結している。リンク10,11は傾き
αに設定してあるので、油圧シリンダー9により下方へ
押圧すると矢印方向に圧着フレーム19が移動し段付け
量Y相当の垂直距離で停止させると摺動圧着作業ができ
る。さらに摺動圧着後、押圧力付加機構29により押圧
される。
【0079】また、接合機3は本体フレーム3aに取り
付けられた走行車輪27,28を有し、接合機3はこの
走行車輪27により、レール20上を油圧シリンダー2
1の駆動によりバー材のパス方向に往復運動する。接合
機3はこのようにバー材1aの速度Veにほぼ等しい速
度まで加速して走間中に、バー材1a,2aの接合作業
を行うこととなる。
【0080】また段付き工程前に接合面形状を押圧し成
形する必要がある場合は最終工程での押圧力の付加に用
いる押圧力付加機構29を利用することで対応可能であ
る。以上説明した接合機3を備えた連続熱間圧延設備の
全体構成を図7に示す。
【0081】図7に示した連続熱間圧延設備は、連続鋳
造機51,粗圧延機52,剪断機53,中間巻取機5
4,接合機3,仕上圧延機55,冷却ゾーン56,分割
剪断機57,巻取機58をこの順序で配置して構成され
ている。連続鋳造機51では板厚120〜300mm,板
幅700〜2000mmのスラブ材が製造され、このスラ
ブ材が粗圧延機52で板厚20〜50mmのバー材に圧延
され、中間巻取機54で巻取保温・先後端反転して、仕
上圧延機55で板厚1〜12mmの薄板製品に圧延され
る。
【0082】剪断機53は一般に仕上圧延機55に供給
されるバー材の先後端のクロップをカットして、噛み込
み性を良好にするためのものであるが、本実施例では、
中間巻取機54で巻取保温・先後端反転して、仕上圧延
機55で板厚1〜12mmの薄板製品に圧延される。
【0083】剪断機53は一般に仕上圧延機55に供給
されるバー材の先後端のクロップをカットして、噛み込
み性を良好にするためのものであるが、本実施例では、
中間巻取機54と仕上圧延機55の間に接合機3が配置
され、接合機3で接合されるバー材の先後端をクロップ
カットするのに剪断機53が使用される。また、分割剪
断機57は巻取機58に巻取られる薄板製品をカット
し、製品コイルにするものである。
【0084】次に、実施例に係る接合機3による接合原
理を図8,図9により説明する。
【0085】図8,図9は本発明の熱間圧延材の接合原
理を示すものであり、図8は熱間圧延材の段付け動作
を、図9は熱間圧延材の圧着動作を示す物である。図
8,図9中、1aは先行バー材の後端部、2aは後行バ
ー材の先端部であり、1s,2sはこの先端部1a,後
端部2aの表面にそれぞれ形成された酸化皮膜を拡大し
て示したものである。いずれも図示していない剪断機で
事前にクロップカットされているが、剪断後数秒は経過
しているのでバー材の先,後端部1a,2aに酸化皮膜
1s,2sの発生は避けられない。またこの時点でのバ
ー材の先端部1a,後端部2aの表面温度は1000℃
前後である。図8の熱間圧延材の剪断形状は上刃先行型
剪断機の切り口形状で一般に図示のごとく右下がりにγ
°傾斜するので先端部1aを矢印A方向(垂直下方)に
ストロークY押し下げる(段付け作業)。なお、下刃先行
剪断機の場合は逆に左下がりにγ°傾斜することにな
る。この先行バー材の後端部2aを垂直下方に押し下げ
る過程で摺動させると酸化皮膜が剥離でき、圧着時に1
回の摺動であったものがこの段付け時に1回付与される
ことになるため酸化皮膜の剥離がより一層進むことにな
る。
【0086】図9に示す圧着工程では、切断直後または
段付け工程で剥離された直後に生成された少量の酸化皮
膜を剥離排出するようにθ°の角度で矢印C方向にQの
力を作用させると、楔効果にて圧力P1が発生し、さら
に圧力P2で強押圧することにより接合を瞬時に終了す
ることができる。
【0087】ここで、圧着速度を0.6〜0.8m/s以
上に向上させることにより、より大きな摩擦熱を発生さ
せ摺動面(接合面)が昇温され溶融状態となり接合が促
進されることになり、短時間で信頼性のあるバー接合が
達成される。
【0088】図10は接合機3による接合作業順序と経
過時間の一例を示す。突き合わせ,クランプ閉,段付
け,圧着,強押圧,保持,クランプ開の順序で接合に要
した合計時間は3秒であった。
【0089】次に、酸化皮膜の確実の剥離と圧着速度の
増加による接合面の溶融が重要である。図11は圧延材
温度と接合面に液相が生成する臨界の相対すべり速度と
の関係を示している。白丸は鉄系材料のSS400材,
黒丸はアルミニウム系材料の5052材を用いた場合の
結果であり、圧延材の各温度で直線の上側の領域の相対
滑り速度で摺動させることにより接合面に液相を生成さ
せることが可能になる。他の材料でも基本的には各材料
の融点に応じた臨界相対すべり速度の直線が書ける。図
11中の直線の傾きは厳密には材料の熱伝導率により変
化するが、相対すべり速度はそれほど厳密に制御できな
いので、相対すべり速度の制御精度の観点から考えると
材料の種類が変わっても同じ傾きで近似しても良い。こ
の同じ直線の傾きで、相対すべり速度が0になったとき
圧延材の融点である点を通るような直線を引き、その直
線より上の領域にあれば接合面に液相が生成する条件で
接合が可能であることがわかる。なお、液相の生成の有
無は圧延材の板厚中央面(摺動方向に直角方向)で30
%以上溶融しているかどうかで行っている。
【0090】図12,図13は接合強さに及ぼす相対す
べり速度,最終押圧力の関係を示す。図12から、相対
すべり速度が1.0m/s までは、相対すべり速度と接
合強度は比例しているが1.0m/s より大きくなると
接合強さは飽和することがわかる。これは相対すべり速
度が大きくなると液相が生成する面積が増加し接合強度
が大きくなるが、接合面のほぼ全面にわたって液相が生
成すると、それ以上の速度で摺動させても接合強度は大
きくならないことによる。押圧力が変わると、この関係
も変化するが、必要とする接合強さに応じて相対すべり
速度を変化させれば良い。
【0091】図13から、摺動後の押圧力が120MPaまで
は接合強さは比例するが120MPaより大きくなると接合強
さは飽和することがわかる。これは摺動後の接合面が溶
融した状態で強く押し付けられると接合面が塑性変形し
密着性が向上(接合率が向上)するが、ほぼ全面が接合す
る押圧力が120MPaであると考えられる。図14には接合
強さが294MPa以上となるようなバー材温度に対する最小
押圧力の関係を示したものである。バー材の温度が高い
ほど最小押圧力が小さいことがわかる。これは温度が高
いほど材料が軟化しており、低い押圧力で充分密着が可
能なことによる。この結果は圧着速度によって適正な押
圧力が存在することを示しており、圧着速度や前記した
ようにバー材の温度によって接合条件を調整することが
望ましいことを示唆している。
【0092】更に図15にはバー材温度800℃,10
00℃の時の押圧角度による接合率の変化を示してい
る。相対すべり速度は1m/sと一定にした。接合率が
30%より小さいものを×、30〜50%を△、50%
以上を○で表示している。接合率は図16で述べるよう
に30%以上であることが望ましい。これよりバー材の
温度によらず押圧角度は6〜14°の範囲であることが
望ましいことがわかる。また、摺動効果を十分発揮する
ためには切り口形状をストレートに近づける必要があり
検討の結果、切断面角度も6〜14°の範囲が好適であ
ることを確認した。図11〜図15はすべて切断面角度
9°の結果である。したがって前記切り口形状にするた
めのシャーとしては、後述する押圧成形工程を入れるこ
とによって切り口形状をストレートに近づけることが可
能であるためドラム型シャーであっても十分対応可能で
ある。また、ペンジュラム型であっても同様である。切
り口形状のストレート化と共に摺動性に与える切り口面
の凹凸の影響を極力排除するために段付け工程前に押圧
成形を行い面を平滑化することが強接合達成に効果があ
ることを確認した。
【0093】このようにして接合した熱間圧延材の6パ
ス圧延した後のエッジの長さと接合率の関係を図16に
示す。接合率が低い場合、圧延によってエッジが長くな
ることがわかる。これは接合強度が充分でないため圧延
中に接合面が剥離しエッジが延びたものである。この図
から接合率が少なくとも30%以上、好ましくは50%
以上あれば接合面が剥離することなく、したがってエッ
ジの長さは短く、圧延中に破断する可能性は小さくな
る。この傾向はSS400 材,SUS304材とも同じであった。
本発明によれば板厚方向の接合率は30%を超え、エッ
ジ割れが発生しても圧延破断がないことを確認してい
る。エッジ割れが心配の場合は図17に示すように接合
後、圧延前にエッジ部を部分カットしてエッジ割れを起
点とする割れの進展を防止すれば問題なく圧延が可能と
なる。
【0094】本実施例は溶融部が存在しての溶融量は少
ないのでバリを発生させないで確実に接合することがで
きる。
【0095】以上説明したように本発明によれば、先行
圧延材の後端部と後行圧延材の先端部をクランプ支持突
合せ後、段付きを開始し、塑性変形するように押圧しな
がら両端面間に高速度で相対すべりを生じさせ、さらに
押圧力を付加するので短時間で強接合ができ、熱間圧延
設備で仕上圧延を連続化して生産性及び歩留まりの向上
及び操業の自動化を実現できる。
【0096】相対すべり速度を速くすることで接合面を
溶融あるいは半溶融状態におくことが本発明の鍵となっ
ており、適用材料が代わっても応用展開が可能である。
例えばアルミニウム合金など強固な酸化皮膜に覆われた
材料でも本発明の適用が可能で、材料の融点との関係か
ら相対すべり速度は鉄鋼より低速度(約250mm/s)で
達成されることを確認している。非鉄ラインへの展開が
可能である。
【0097】また以下の効果も同時に期待できる。
【0098】1.短時間接合できるのでルーパ不要。
【0099】2.圧延材と同期走行接合できるので、圧
延前のバー材をテーブル上で一時停止させる必要はな
い。したがって搬送テーブルなどの接触によるバー材の
部分冷却は回避できる。
【0100】3.高速摺動によって1400℃以上の溶
融温度を有する鋼材の接合面が溶融するから、1400
℃以下の溶融温度を有する非鉄材料などに対しても本発
明の適用は可能である。
【0101】4.バリ取り工程や加熱設備を必要としな
いため、接合時間の短縮化及び設備の簡素が実現でき
る。
【0102】5.圧延ロールの寿命が向上する。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば短時間にバー材を強接合
した上、バリ発生の無い熱間圧延材の接合方法及び装置
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接合工程の概要を示す図。
【図2】本発明を用いて接合した圧延材の接合部付近の
凝固金属組織を示す図。
【図3】本発明を用いて接合した圧延材の接合部断面の
金属組織を示す図。
【図4】本発明を用いて接合した接合部のメタルフロー
の長さと相対すべり速度の関係を示す図。
【図5】本発明の実施例による熱間圧延材の接合機側面
図である。
【図6】本発明の実施例による熱間圧延材の接合機正面
図である。
【図7】本発明の熱間圧延材の接合装置を備えた連続熱
間圧延設備の概略図である。
【図8】本発明の熱間圧延材の接合原理を示す図であ
る。
【図9】本発明の熱間圧延材の接合原理を示す図であ
り、熱間圧延材の圧着動作を示す図である。
【図10】本発明の熱間圧円材の接合動作を示す図であ
り、突合せ,クランプ,部分加熱動作を示す図である。
【図11】本発明の各圧延材温度における接合面に液相
が発生する臨界の相対すべり速度を示す図。
【図12】本発明の熱間圧延材の接合強度に及ぼす相対
すべり速度の影響を示す図。
【図13】本発明の熱間圧延材の接合強度に及ぼす摺動
後の押圧力の影響を示す図。
【図14】本発明の接合強度294MPa以上を得るためのバ
ー材温度と最小押圧力の関係を示す図。
【図15】本発明の押圧角度と接合率の関係を示す図。
【図16】本発明の接合率とエッジ長さとの関係を示す
図。
【図17】本発明の実施例による接合後のサイドカット
を示す図である。
【符号の説明】
1…先行バー材、1a…後端部、1s…酸化皮膜、2…
後行バー材、2a…先端部、2s…酸化皮膜、3…接合
機、3a…本体フレーム、4,5,6,7…クランプ金
具、8,9,16,17,21…油圧シリンダー、1
0,11…リンク、12,13,14,15…連続ピ
ン、18…段付けフレーム、19…圧着フレーム、20
…レール、22,23…リニヤーベアリング、24,2
5…クランプヘッド、26…エッジクロップ、27,2
8…車輪、29…押圧力付加機構、51…連続鋳造機、
52…粗圧延機、53…剪断機、54…中間巻取機、5
5…仕上圧延機、56…冷却ゾーン、57…分割剪断
機、58…巻取機。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】本発明を用いて接合した圧延材の接合部付近の
凝固金属組織を示すSEM写真
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】本発明を用いて接合した圧延材の接合部断面の
金属組織を示す顕微鏡写真
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳村 泰嗣 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 梶原 利幸 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板材の接合しようとする端部の端面
    を、板厚方向に、被圧延材の板厚の1/2以上の長さの
    振幅で1往復以内の相対すべり摺動させ、かつ前記相対
    すべり摺動後に、接合面に前記圧延材の温度及び耐力に
    応じた押圧力を加えて接合することを特徴とする金属板
    材の接合方法。
  2. 【請求項2】金属板材圧延設備のラインで先行圧延材と
    後行圧延材を接合する圧延材の接合方法において、 前記圧延材を互いに相対すべり摺動させ、該相対すべり
    摺動により発生する摩擦エネルギーにより、前記圧延材
    の接合面の表層部のみを該圧延材の液相生成温度以上と
    なる条件で接合することを特徴とする圧延材の接合方
    法。
  3. 【請求項3】圧延設備のラインで先行圧延材と後行圧延
    材を接合する圧延材の接合方法において、 先行圧延材の後端部の端面と後行圧延材の先端部端面と
    を板厚方向に被圧延材の板厚の1/2以上の長さの振幅
    で1往復以内の相対すべり摺動させることにより、前記
    圧延材の接合面端部の表層部のみを前記圧延材の液相生
    成温度以上となる条件で接合することを特徴とする圧延
    材の接合方法。
  4. 【請求項4】圧延設備のラインで先行圧延材と後行圧延
    材を接合する圧延材の接合方法において、 前記圧延材を互いに相対すべり摺動させ、該相対すべり
    摺動により発生する摩擦エネルギーにより、前記圧延材
    の接合面の表層部のみを前記圧延材の液相生成温度以上
    となるようにして接合する接合の工程中または接合の工
    程以前に、前記圧延材に前記摩擦エネルギー以外のエネ
    ルギーを加えることなく接合することを特徴とする圧延
    材の接合方法。
  5. 【請求項5】圧延設備のラインで先行圧延材と後行圧延
    材を接合する圧延材の接合方法において、 接合の工程中または接合の工程以前に、前記圧延材に接
    合面端部が、前記圧延材の液相生成温度以下の温度にな
    るように加熱した上で、前記圧延材を互いに相対すべり
    摺動させ、該相対すべり摺動により発生する摩擦エネル
    ギーにより、前記圧延材の接合面の表層部のみを前記圧
    延材の液相生成温度以上となる条件で接合することを特
    徴とする圧延材の接合方法。
  6. 【請求項6】圧延設備のラインで先行圧延材と後行圧延
    材を接合する圧延材の接合方法において、 前記先行圧延材と前記後行圧延材の、 接合面の清浄度,押圧圧力,押圧力保持時間,相対すべ
    り速度,押圧角度,圧延材接合部端面の角度,圧延材温
    度を要素として、 前記先行圧延材と前記後行圧延材の接合面の表層部のみ
    を前記圧延材の液相生成温度以上となるように前記各要
    素を設定して、接合することを特徴とする圧延材の接合
    方法。
  7. 【請求項7】圧延設備のラインで先行圧延材と後行圧延
    材を接合する圧延材の接合方法において、 前記先行圧延材と前記後行圧延材の接合面の清浄度に関
    する情報,前記先行圧延材と前記後行圧延材の押圧圧力
    に関する情報,前記先行圧延材と前記後行圧延材の接合
    面の押圧力保持時間に関する情報,前記先行圧延材と前
    記後行圧延材の相対すべり速度に関する情報,前記先行
    圧延材と前記後行圧延材の押圧角度に関する情報,前記
    先行圧延材と前記後行圧延材の切断面角度に関する情
    報,前記先行圧延材と前記後行圧延材の圧延材温度に関
    する情報の少なくとも1つの情報に基づいて、予め求め
    られた前記情報と圧延材の接合面が液相生成温度以上と
    なる条件の関係から前記圧延材の接合条件を決定するこ
    とを特徴とする圧延材の接合方法。
  8. 【請求項8】圧延設備のラインで先行圧延材と後行圧延
    材を接合する圧延材の接合方法において、 先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部とをそれぞれ
    独立してクランプする工程と,先行圧延材の後端部と後
    行圧延材の先端部とを段付けする段付工程と,この先行
    圧延材の後端部の端面と後行圧延材の先端部端面とに両
    圧延材の接合部端面の表層部のみが前記圧延材の液相生
    成温度以上となるように相対すべりを与える摺動工程
    と,前記先行圧延材と後行圧延材とに押圧力を加える押
    圧工程を順次含むことを特徴とする圧延材の接合方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の圧延材の
    接合方法において、 前記両圧延材の接合部端面の板厚中央部において、接合
    率が30%以上であることを特徴とする圧延材の接合方
    法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の圧延材
    の接合方法において、 前記圧延材が熱間圧延材であることを特徴とする圧延材
    の接合方法。
  11. 【請求項11】請求項8記載の圧延材の接合方法におい
    て、 先行圧延材と後行圧延材の接合面端部を切断し、接合面
    形状を整える工程を含むことを特徴とする圧延材の接合
    方法。
  12. 【請求項12】請求項11記載の圧延材の接合方法にお
    いて、 先行圧延材と後行圧延材の接合面端部の切断は、走間剪
    断により行うことを特徴とする圧延材の接合方法。
  13. 【請求項13】請求項8記載の圧延材の接合方法におい
    て、 先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部を突合わせて
    押圧成形する工程を含むことを特徴とする圧延材の接合
    方法。
  14. 【請求項14】請求項8記載の圧延材の接合方法におい
    て、 平滑となるように押圧して成形することを特徴とする圧
    延材の接合方法。
  15. 【請求項15】先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端
    部とをそれぞれ独立してクランプする工程と,先行圧延
    材の後端部と後行圧延材の先端部とを段付けする段付工
    程と,この先行圧延材の後端部の端面と後行圧延材の先
    端部端面とに両圧延材の接合部端面の表層部のみが前記
    圧延材の液相生成温度以上となるように相対すべりを与
    える摺動工程と,前記先行圧延材と後行圧延材とに押圧
    力を加える押圧工程を順次含む圧延材の接合方法であっ
    て、 前記先行圧延材及び後行圧延材の切断面角度を6〜14
    °に設定し、前記圧延材の温度に応じて、先行圧延材と
    後行圧延材とに相対すべりを与える相対すべり速度を、
    両圧延材の接合部端面の表層部のみが前記圧延材の液相
    生成温度以上となるように設定することを特徴とする圧
    延材の接合方法。
  16. 【請求項16】請求項15記載の圧延材の接合方法にお
    いて、 前記圧延材の温度T(℃),前記圧延材の融点Tm(℃),
    先行圧延材の後端部の端面と後行圧延材の先端部端面と
    を被圧延材の板厚の1/2以上の振幅で相対すべりを与
    える工程での相対すべり速度を、相対すべり速度V(m
    /s)としたとき、 V≧−(1.16×10-3×T)+(1.19×10-3×T
    m)−0.04 で表される関係を有することを特徴とする圧延材の接合
    方法。
  17. 【請求項17】請求項16記載の圧延材の接合方法にお
    いて、 圧延材の温度Tは接合直前の先行圧延材,後行圧延材の
    接合部付近の表面温度のうちの低いほうの温度であるこ
    とを特徴とする圧延材の接合方法。
  18. 【請求項18】請求項8記載の圧延材の接合方法におい
    て、 最終工程での押圧力F(MPa)は、各圧延材の温度T
    (℃)及び各圧延材の耐力Te(MPa)に応じて、 F≧−0.32×T+418×(Te/280) で表される関係を有することを特徴とする圧延材の接合
    方法。
  19. 【請求項19】請求項1〜18のいずれかに記載の圧延
    材の接合方法において、 前記圧延材は、アルミニウム系合金、炭素鋼,合金鋼,
    特殊用途鋼およびけい素鋼板から選ばれた金属材料であ
    ることを特徴とする圧延材の接合方法。
  20. 【請求項20】圧延設備のラインで先行圧延材と後行圧
    延材を接合する圧延材の接合装置において、 前記先行圧延材と後行圧延材をそれぞれ独立にクランプ
    するクランプ手段と、 前記先行圧延材と後行圧延材とを互いに押圧する押圧手
    段と,前記先行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部と
    の一方を段付けする段付手段と,前記先行圧延材の後端
    部の端面と後行圧延材の先端部端面どうしに相対すべり
    を与える摺動手段と,両圧延材の接合部端面の表層部が
    前記圧延材の液相生成温度以上となる条件で接合する制
    御手段を備えていることを特徴とする圧延材の接合装
    置。
  21. 【請求項21】請求項20記載の圧延材の接合装置にお
    いて、該接合装置は接合完了するまでの間被圧延材の移
    動と共に圧延方向に移動する移動手段を備えることを特
    徴とする圧延材の接合装置。
  22. 【請求項22】少なくとも1台の粗圧延機と仕上圧延機
    群を有する圧延設備において、前記粗圧延機と前記仕上
    圧延機との間に設置され、粗圧延機で圧延されたバー材
    を順次接合する接合装置を備え、前記接合装置が前記先
    行圧延材と後行圧延材をそれぞれ独立にクランプするク
    ランプ手段と、 該クランプ手段を昇降させる昇降手段と、 最終的に押圧する手段とから構成され、 かつ先行圧延材の後端部と,後行圧延材の先端部とをそ
    れぞれ独立してクランプする工程と,先行圧延材の後端
    部と後行圧延材の先端部とを段付けする工程と,この先
    行圧延材の後端部の端面と後行圧延材の先端部端面とを
    押圧しながら両圧延材の端面に相対すべりを与える工程
    と,最終的に押圧力を加える工程を含み、かつ両圧延材
    の接合部端面の表層部のみが前記圧延材の液相生成温度
    以上となる条件で接合する工程が組み込まれていること
    を特徴とする圧延設備。
  23. 【請求項23】連続鋳造機と,少なくとも1台の粗圧延
    機と,仕上圧延機群と,冷却機,剪断機及び巻取り機を
    備える連続熱間圧延設備において、 前記粗圧延機と前記仕上圧延機との間に設置され、粗圧
    延機で圧延されたバー材を順次接合する接合装置を備
    え、前記接合装置が前記先行圧延材と後行圧延材をそれ
    ぞれ独立にクランプするクランプ手段と、 該クランプ手段を昇降させる昇降手段と、 最終的に押圧する手段とから構成され、かつ先行圧延材
    の後端部と,後行圧延材の先端部とをそれぞれ独立して
    クランプする工程と,先行圧延材の後端部と後行圧延材
    の先端部とを段付けする工程と,この先行圧延材の後端
    部の端面と後行圧延材の先端部端面とを押圧しながら両
    圧延材の端面に相対すべりを与える工程と,最終的に押
    圧力を加える工程を含み、かつ両圧延材の接合部の表層
    部のみが前記圧延材の液相生成温度以上となる条件で接
    合する工程が組み込まれていることを特徴とする連続熱
    間圧延設備。
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