JPH08155286A - 可溶化剤とそれを用いる可溶化方法 - Google Patents

可溶化剤とそれを用いる可溶化方法

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JPH08155286A
JPH08155286A JP6319531A JP31953194A JPH08155286A JP H08155286 A JPH08155286 A JP H08155286A JP 6319531 A JP6319531 A JP 6319531A JP 31953194 A JP31953194 A JP 31953194A JP H08155286 A JPH08155286 A JP H08155286A
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JP
Japan
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solubilizing
solubilizing agent
acid
solubilized
alkali
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JP6319531A
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Inventor
Hiroshi Suzuki
洋 鈴木
Hiroo Ito
洋男 伊東
Koichi Kimura
光一 木村
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CxS Corp
Original Assignee
Daisan Kogyo Co Ltd
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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 スルホサリチル酸もしくはそれらの塩類、亜
リン酸エステル類もしくはそれらの塩類又はテトラアル
キルアンモニウム塩類を含有してなる可溶化剤とそれを
用いる可溶化方法。 【効果】 界面活性物質、有機および無機ビルダー、ア
ルカリ、消泡剤のうち二種以上を同時に高濃度で可溶化
して安定な透明水溶液をうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種低級ないし中級多
官能性化合物を含有してなる可溶化剤に関し、さらに詳
しくは界面活性剤などの両媒性物質、有機および無機ビ
ルダー、高濃度のアルカリおよび消泡剤などの共存下に
優れた可溶化作用を示し安定な水溶液を形成しうるスル
ホサリチル酸もしくはその塩類、亜リン酸エステル類も
しくはその塩類、またはテトラアルキルアンモニウム塩
類を含有してなる可溶化剤並びにそれらを用いた可溶化
方法及び水性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、洗浄剤などの家庭用および工業用
配合物は、輸送、保管、作業性その他の事情から濃縮化
が進み、一方、溶液型としては環境問題から有機溶剤の
使用が制限され、水系の必要性が増してきた。しかし一
般に界面活性剤およびその類似化合物はその構造上水溶
性が小さく、無機・有機のビルダーやキレート剤すなわ
ち炭酸ナトリウムやエチレンジアミン四酢酸四ナトリウ
ム(EDTA)などの共存下ではさらに溶けにくくな
る。また使用上問題になることの多い泡立ちを防ぐ消泡
剤の溶解も一般に極めて困難である。さらにヘビーデュ
ーティの洗浄剤では強固な汚れの洗浄のため強アルカリ
を必要とする場合が多く、そのため水酸化ナトリウムな
どを特に原液では高濃度で配合させるため、一層上記各
物質の水溶化は困難である。布などのソフト面に対する
洗浄では界面活性剤およびビルダーを含む多成分系が多
いが、ハード面の多い工業用の場合は、用途に応じ強ア
ルカリとキレート剤、強アルカリと消泡剤、界面活性剤
とビルダーとアルカリなど少ない種類の組成物を高濃度
で配合することが多い。以上のことから、低温ないし高
温で長時間安定な多成分配合系濃厚水溶液を創成するこ
とはその要求にもかかわらず極めて困難であった。従
来、この目的のための可溶化剤としては、低級アルキル
ベンゼンスルホン酸塩(キシレンスルホン酸ナトリウム
など)、尿素類(尿素など)、エーテルアルコール類
(ブチルセロソルブなど)、低級アルコール類(イソプ
ロパノールなど)が洗剤などに1〜10%用いられてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の可溶化剤
にはそれぞれ使用上の欠点や限界があった。すなわち、
低級アルキルベンゼンスルホン酸塩類は万能ではなく、
また融点が高いためそれ自身析出することもあり、エー
テルアルコール類は安全の面で使用が制限されつつあ
り、尿素類には経時変化、臭気などを伴う物がみられ、
低級アルコール類は引火性、臭気などの環境問題から使
用量に制限があり、さらに高濃度のアルカリ水溶液に対
しては、いずれもほとんど効果がなかった。そのため、
これらの欠点を克服する可溶化剤の開発が期待されてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み上記問題を解決するために鋭意研究した結果、
特定の低級ないし中級多官能性化合物を可溶化剤として
用いると、界面活性剤、ビルダーおよびアルカリなどか
らなる高濃度の多成分系水溶液を安定に得られることを
見いだし、この知見に基づき種々検討を加えた結果、本
発明に到達した。すなわち本発明は、(1)スルホサリ
チル酸およびそのアルカリ、アンモニウムもしくは低級
アミン塩類から選ばれた少なくとも1種を含有してなる
ことを特徴とする可溶化剤(以下第1発明という)、
(2)亜リン酸モノもしくはジ低級ないし中級アルキル
リン酸エステル類およびそれらのアルカリ、アンモニウ
ムまたは低級アミン塩類から選ばれた少なくとも1種を
含有してなることを特徴とする可溶化剤(以下第2発明
という)、(3)低級ないし中級テトラアルキルアンモ
ニウムのハロゲン、無機塩、低級カルボン酸、低級アル
キルスルホン酸および低級アルキル硫酸の塩から選ばれ
た少なくとも1種を含有してなることを特徴とする可溶
化剤(以下第3発明という)、(4)(1)、(2)又
は(3)項に記載の可溶化剤により、界面活性物質、ビ
ルダーなどの被可溶化物質を水溶液中に可溶化すること
を特徴とする可溶化方法(以下第4発明という)、およ
び(5)(1)、(2)又は(3)項に記載の可溶化剤
により、界面活性物質、ビルダーなどの被可溶化物質を
水溶液中で可溶化してなることを特徴とする水性組成物
(以下第5発明という)を提供するものである。
【0005】近年可溶化剤とは広義に水に難溶性の物質
を透明に溶解させる(現象的にはヒドロトロピーが中
心)物質を指して用いているが、本発明の可溶化剤には
ミセルを利用して可溶化させる界面活性剤は含まない。
本発明中で用いる界面活性剤はすべて被可溶化剤として
である。ここでヒドロトロピーとは、比較的多量の物質
Bの添加によって物質Aの溶解度が増大することを一般
的にいう。この場合物質Bは、界面活性剤でなくてもよ
いこと、臨界ミセル濃度(cmc)に当る溶解度増大に
必要な物質Bの濃度の下限がないことで、界面活性剤に
よる可溶化とは異なる。
【0006】本発明の可溶化剤において、アルキル鎖お
よびカルボン酸について低級とは炭素数1〜4を、中級
とは炭素数5〜11のものをいい、ここで炭素数は炭化
水素鎖1本当りの数をいう。界面活性剤による可溶化の
場合はミセルの存在が必須である。ミセルが存在するた
めには界面活性剤の分子の炭化水素鎖長が一般的に長鎖
(高級)(C1218)であり、かつ濃度がcmc以上の
必要がある。一方本発明における可溶化の場合は前述の
ようにミセルによらない溶解のため水溶性が比較的強く
かつファン・デル・ワールス力が利用される場合は適度
の親油性すなわちある程度の大きさの炭化水素鎖が要求
されるため低級ないし中級の鎖長が必要である。実用上
は配合水溶液の濃度などに応じて炭素数を増減して可溶
化剤分子の親水性を調節する。本発明の可溶化剤におい
て、可溶化剤分子中の炭化水素鎖の総炭素数は第1およ
び第2並びに第3の各発明についてそれぞれ1〜16並
びに4〜20が好ましく、1〜12並びに4〜16がよ
り好ましい。本発明の可溶化剤のうち第1および第2発
明における低級アミンについてはアンモニア、モルホリ
ン、モノないしトリアルキロールアミン、モノないしト
リアルキルアミンが含まれ、低級とは炭化水素鎖1本当
りの炭素数が1〜4のものをいう。なお総炭素数は1〜
12が好ましく、1〜8がより好ましい。
【0007】第1発明の可溶化剤においてスルホサリチ
ル酸およびその塩類には次のものが含まれる。塩として
は、各酸基の1個ないし3個について各種塩基の塩が用
いられる。塩基ではアルカリ金属としてはナトリウムお
よびカリウム、低級アミンないし低級アルキルまたはア
ルキロールアミンとしてはアンモニア、モルホリン、モ
ノないしトリメチルないしブチルアミン、モノないしト
リのエタノール、プロパノールアミンおよびイソプロパ
ノールアミン、中級アミンとしてはn−ヘキシルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジル−ジ−n−プロ
ピルアミンなどが含まれる。塩基として好ましいのはナ
トリウム、モノないしトリエタノールアミン、イソプロ
パノールアミンなどである。代表的な化合物としては、
遊離酸では5−スルホサリチル酸があげられ、塩として
は5−スルホサリチル酸ナトリウム(1〜3水塩)、5
−スルホサリチル酸モノモノエタノールアミン、5−ス
ルホサリチル酸トリトリエタノールアミン、5−スルホ
サリチル酸モノ−2−エチルヘキシルアミンなどがあげ
られる。
【0008】第2発明において亜リン酸アルキルエステ
ル類およびそれらの塩類には次の構造の物が含まれる。
まずエステルとしてはモノおよびジアルキルリン酸エス
テルがあげられ、ジアルキルリン酸エステルが好まし
い。アルキル基としては炭素数1〜11のものが好まし
く、1〜8のものがより好ましく、例えばメチル、n−
ブチル、n−オクチル、イソプロピル、2−エチル−n
−ヘキシル、2−オキシ−n−ブチル、2−ブチル−5
−メチルペンチル、n−ウンデシルなどがあげられる。
これらの酸の塩としては、各酸基の1個ないし2個につ
いて各種塩基の塩が用いられる。塩基としては、アルカ
リ金属ではナトリウムおよびカリウム、低級アミンない
しアルキルアミンまたはアルキロールアミンとしてはア
ンモニア、モルホリン、モノないしトリメチルないしブ
チルアミン、モノないしトリのエタノールないしプロパ
ノールアミンおよび同イソプロパノールアミンが含ま
れ、ナトリウム、モノないしトリエタノールアミン、イ
ソプロパノールアミンなどが好ましい。代表的な化合物
としては、エステルではモノイソプロピル亜リン酸、モ
ノ−n−オクチル亜リン酸、ジエチル亜リン酸、ジ−n
−ヘキシル亜リン酸などがあげられる。塩ではモノ−n
−ヘキシル亜リン酸ジナトリウム、ジエチル亜リン酸モ
ノエタノールアミン、ジ−イソプロピル亜リン酸トリエ
タノールアミン、n−ヘキシルn−エチル亜リン酸モノ
エタノールアミンなどがあげられる。
【0009】第3発明において低級ないし中級テトラア
ルキルアンモニウム塩におけるアルキル基としては、好
ましくは炭素数1〜11、より好ましくは1〜8であ
る。アニオン(対イオン)としてはハロゲン、無機酸、
有機酸が用いられ、塩素、臭素、ヨウ素、硫酸、硝酸、
リン酸、低級の飽和、不飽和、ヒドロキシ各脂肪酸、同
スルホン酸、同硫酸、同リン酸が含まれ、この中で塩
素、臭素、リン酸、低級ヒドロキシ脂肪酸などが好まし
い。代表的な化合物としては、テトラメチルアンモニウ
ムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、n−
オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、トリ−n−
ヘキシルエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエ
チルアンモニウムエチルスルホン酸塩、テトラブチルア
ンモニウムブチル硫酸塩などが用いられる。
【0010】上記可溶化剤の水溶液に被可溶化物質を混
合して、被可溶化物質を溶解することができる。可溶化
剤の水溶液中の濃度は水と可溶化剤の合計量に対し、通
常0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量
%、より好ましくは0.5〜10重量%とする。可溶化
剤の所要量は、被可溶化物質の量に応ずるが、溶解機構
や存在する各成分への作用の程度によっても異なってく
る。また主成分の可溶化以外に実用的に重要な水難溶性
不純物の可溶化がある。例えば油脂からのセッケンの白
濁ないし沈殿の原因となる飽和長鎖脂肪酸(ステアリン
酸など;全脂肪酸の数%)の可溶化の場合では、セッケ
ンが10%で不純物がその3%なら可溶化剤が2倍(重
量)必要でも0.6%でよいことになる。通常可溶化剤
の量は、被可溶化物質に対して、10重量%以上、好ま
しくは10〜100重量%、より好ましくは10〜50
重量%とする。
【0011】具体的には被可溶化物質が界面活性剤など
の両媒性物質の場合は、これに対し、可溶化剤は通常1
0重量%以上、好ましくは10〜100重量%、より好
ましくは10〜50重量%とする。被可溶化物質が有機
ビルダーの場合は、これに対し可溶化剤は通常0.1重
量%以上、好ましくは0.5〜20重量%、より好まし
くは1〜10重量%である。また、被可溶化物質がアル
カリの場合は、これに対し可溶化剤は通常0.1重量%
以上、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは
1〜10重量%である。その他消泡剤に対しては通常5
重量%以上、好ましくは10〜300重量%、より好ま
しくは20〜200重量%である。本発明の可溶化剤
は、いずれも多種類の対象物に対し通常の可溶化剤に比
し、よりすぐれた可溶化効果を発揮するが、特にアニオ
ンおよび非イオン界面活性剤、ビルダーないしアルカリ
共存下の可溶化に第1および第3、強アルカリ共存下の
アミノ酸型キレート剤の可溶化に第1および第2の各発
明可溶化剤が好適であり、さらにセッケンの可溶化ない
しゲル化防止に第3発明の可溶化剤が特異な効果を発揮
する。
【0012】本発明の可溶化剤により得られる可溶化剤
−被可溶化物質−水系の水溶液中の各成分濃度をあげる
と、可溶化剤は、通常0.1〜20重量%、好ましくは
0.2〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量
%である。被可溶化物質は、前記の比率で、可溶化剤に
より可溶化される量であり、被可溶化物質の種類により
濃度は異なり、特に制限はないが、その濃度は、界面活
性剤は通常0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜4
0重量%、より好ましくは1〜30重量%である。無機
ビルダーは通常50重量%以下、好ましくは1〜30重
量%、より好ましくは2〜20重量%であり、有機ビル
ダーは、通常20重量%以下、好ましくは0.2〜15
重量%、より好ましくは0.5〜10重量%である。ま
たアルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム
など)は、通常50重量%以下、好ましくは40重量%
以下、より好ましくは30重量%以下である。さらに消
泡剤は通常0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜
10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%である。
【0013】また本発明の可溶化剤は、各種被可溶化物
質に対して有効であるが、2種以上の場合についても、
より優れた可溶化作用を示す特徴を有する。このような
組合わせとしては、界面活性剤/ビルダー、キレート剤
/アルカリ、キレート剤/消泡剤などがある。本発明に
よれば、このように多成分の被可溶化物質を高濃度で可
溶化することができる。また、可溶化剤も上記第1発明
〜第3発明のものを組合わせて用いることができ、例え
ばスルホサリチル酸トリモノエタノールアミンとジエチ
ルリン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムクロリ
ドとトリメチルベンジルアンモニウムクロリドを組合わ
せることなどである。
【0014】本発明の可溶化剤により水溶液化された洗
浄剤組成物の洗浄効果につき述べる。界面活性剤、ビル
ダーなどを含む系では一般に知られるとおりであり、可
溶化剤の添加によりその溶解力や浸透性などで勝るとも
劣らない効果が示される。例えば洗壜用洗浄剤では、溶
液組成;カセイソーダ:0.3〜4.0%、グルコン酸
ナトリウム、グルコン酸鉄混合物(0.1〜2%)、非
イオン界面活性剤(0〜3%)、消泡剤(0〜2%)、
汚垢;ビール・乳飲料などの固化変性物、洗浄温度;6
0〜85℃、目的;汚垢除去、スケール防止、ガラス侵
食防止、ラベル除去、金属部腐食防止、低泡、方法;浸
漬ないし噴射、などの諸条件下で十分に目的を達成する
ことができる。
【0015】界面活性剤による水中での可溶化(狭義)
の場合、被可溶化物質は界面活性剤のミセルに入るかま
たは吸着される物質が主であるのでミセルの容量に限定
され、分子量2000以下ぐらいの親油性物質に限られ
る。これに対し本発明の場合は単分散中での相互作用に
よる溶解のため分子量の依存度は小さく、また共存ビル
ダーやアルカリの塩析効果により水溶性の減少した弱親
水性物質なども含まれるため、被可溶化物質は親油性か
ら弱親水性両媒性物質にわたり、それらの水溶性は約
0.01〜30重量%(室温)、分子量約70〜20,
000であり、両媒性物質には界面活性剤、キレート
剤、染料、殺菌剤、帯電防止剤、農薬、医薬、防錆剤な
どが含まれる。
【0016】界面活性剤の中で、アニオン界面活性剤と
しては長鎖脂肪酸ナトリウム、硫酸アルキルナトリウ
ム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、長鎖α−
オレフィンスルホン酸ナトリウム、長鎖アルカンスルホ
ン酸ナトリウム、硫酸ポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテルナトリウム、リン酸アルキルモノまたはジナトリ
ウムなどがあげられる。非イオン界面活性剤としては、
アルキルポリオキシエチレンエーテル、長鎖脂肪酸ポリ
オキシエチレンエステル、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル、長鎖脂肪酸アルキロールア
ミド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステルがあげられる。カチオン界面
活性剤としてはアルキルトリアルキルアンモニウムハラ
イド、アルキルジアルキルベンジルアンモニウムハライ
ド、アルキルビリジニウムハライド、アルキルアミン無
機酸または有機酸の塩などがあげられる。また両性界面
活性剤としては、ジアルキルアルキルアミノ酢酸ベタイ
ン、アルキルジアルキルベタインなどがあげられる。こ
れらの界面活性剤の混合物も同様に扱われる。
【0017】本発明の組成物に含まれるビルダーとして
は無機塩類、アルカリ類、有機酸塩類などがあげられ
る。無機塩類では、リン酸塩としてはトリポリリン酸ナ
トリウム、ピロリン酸カリウムなど、炭酸塩としては炭
酸ナトリウムなど、ケイ酸塩としてはメタケイ酸ナトリ
ウム、2号ケイ酸ナトリウムなど、イミド硫酸塩として
はイミドビス硫酸三ナトリウムなどが用いられる。アル
カリ類としては水酸化ナトリウム、カリウム、もしくは
アンモニウム、エタノールアミン類、モルホリンなどが
用いられる。有機酸塩類では、一塩基酸塩としてはグル
コン酸ナトリウムなど、二塩基酸塩としてはマロン酸ナ
トリウム、リンゴ酸二ナトリウムなど、三塩基酸塩とし
てはクエン酸三ナトリウム、ニトリロトリ酢酸三ナトリ
ウムなど、四塩基酸塩としてはエチレンジアミンテトラ
酢酸四ナトリウム、オキサジコハク酸四ナトリウムなど
があり、その他ペンタンペンタカルボン酸塩、ベンゼン
ヘキサカルボン酸塩などの五ないし六塩基酸塩も含まれ
る。またポリカルボン酸塩としてはアクリル酸、マレイ
ン酸などの単独ないし共重合体のナトリウム、カリウム
の塩類などがあげられる。これらのビルダー類はそれぞ
れ単独ないし適宜混合して用いることができる。さらに
通常洗剤などに用いられるカーボキシメチルセルロー
ス、香料、蛍光増白剤などの添加物も共存させることが
できる。
【0018】本発明の可溶化剤類は、通常の溶剤ないし
可溶化剤を適宜併用することができる。これらにはメタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール
などの低級アルコール、ブチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブなどの低級エーテルアルコール、キシレンまたは
トルエンなどの低級アルキルベンゼンスルホン酸のアル
カリ塩、安息香酸など低級カルボン酸のアルカリ塩など
が含まれる。上述の各条件下で各成分に適宜各可溶化剤
を加えることにより各種洗浄剤を初めとして浸透剤、乳
化剤、分散剤、帯電防止剤、殺菌剤、医薬配合剤その他
の安定な水溶液を作ることが可能であり、また低濃度水
溶液の高濃度化、二液型商品の一液化、粉体の水溶液化
などが達成され、工業上貢献するところ大である。
【0019】
【発明の効果】本発明の可溶化剤は、各種の物質を水媒
体中に高濃度で可溶化することができ、特に2種以上の
物質を同時に可溶化して透明な高濃度水溶液とすること
ができる。本発明の可溶化剤はいずれも低分子量でベン
ゼン環、カルボキシル基、スルホン基、ホスホン基、水
酸基などを含み、これらが種々の程度の極性を示しまた
種々の立体配置をとり、各種疎水性物質および水分子と
イオン結合、水素結合、π電子結合、ファン・デル・ワ
ールス結合、造塩などの相互作用を行うことにより、種
々の温度および濃度下で安定な溶液状態を作り出すこと
が可能である。乳化の場合は分子状の乳化剤に対し被乳
化物質(油など)は巨大な分子集合体であり、その表面
への乳化剤の吸着によるため、乳化剤は微量ないし少量
で十分である。界面活性剤による可溶化(狭義)の場合
には、ミセルの内部への油の取り込みないし表面への吸
着によるため可溶化剤(界面活性剤)は被可溶化物質よ
りかなり多量に必要である。これらに対し本発明におけ
る可溶化では、原則としてミセルによらず単分子の作用
により、例えば油分子と溶媒単分子相互の可溶化剤単分
子による結合を利用する。したがって可溶化剤の所要モ
ル数は界面活性剤による可溶化に比し少量でよい場合が
多く、かつ可溶化剤は分子量が比較的小さいため重量と
してはより少なくてすむ。またミセルによらないため被
可溶化物質の範囲も広い。
【0020】本発明の可溶化剤中、第1発明の例えばス
ルホサリチル酸モノエタノールアミン塩は上述の諸性能
を兼ね備え、優れた可溶化効果、特に高濃度の炭酸ナト
リウム共存下のアニオン性および非イオン性界面活性剤
並びに水酸化アルカリ共存下のキレート剤の可溶化に著
しい効果を発揮することができる。第2発明の可溶化剤
は、例えば亜リン酸ジエチルエステルモノエタノールア
ミン塩は高濃度のアルカリ共存下のアミノ酸型キレート
剤の可溶化に著しい効果を奏する。第3発明の可溶化剤
は、例えばテトラブチルアンモニウムブロミドはセッケ
ンのクラフト点低下やゲル化防止、また高濃度のビルダ
ーないしアルカリ共存下のアニオン性および非イオン性
界面活性剤の可溶化に著しい効果を奏する。また一般に
添加剤を加えた場合、添加の目的を達成し得ても溶液の
主目的の性質を阻害することがしばしば起こる。例えば
不安定な洗浄剤の安定化による洗浄力の低下、殺菌剤の
安定化による殺菌力の低下、消泡剤の可溶化による消泡
力の低下などである。本発明の可溶化剤ではこのような
阻害効果はほとんど見られず、広範囲に使用することが
可能である。また高濃度水溶液では高粘度となって実用
上不都合な場合も多くみられるが、本発明の可溶化剤を
用いると例えばスルホサリチル酸の場合は高アルカリ水
溶液の粘度低下の効果が得られる。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説
明する。可溶化力の測定は次の方法により行った。界面
活性剤、ビルダー、アルカリ、消泡剤のうち二種類以上
を含む水系混合物(セッケンのみ単独)にそれぞれ可溶
化剤を加え一定温度で振とう後(>40℃;1h、<2
5℃;1日)の溶液状態を目視して5段階評価を行い、
各温度における評価値の平均値をとった。この値と空試
験の同じく平均値との差を5段階に分け、可溶化力とし
た。(5:≧2.0、4:1.0〜1.9、3:0.5
〜0.9、2:−0.5〜0.4、1:<−0.5)。
可溶化剤を用いない系より優れたものを可溶化剤として
有効、評価値5〜4を極めて有効と判定した。被可溶化
剤としての界面活性剤は、非イオンおよびアニオン性の
2種類を用いた。ビルダーとしては、硫酸ナトリウム、
炭酸ナトリウム、EDTA、およびグルコン酸鉄混合物
の4種類を用いた。アルカリとしては水酸化ナトリウム
を用いた。これらの種類および添加量は、実用的でかつ
可溶化剤の有無による差の適切な範囲で選択した。すな
わち界面活性剤の濃度は0.1〜5%、ビルダーは0〜
30%、可溶化剤は1〜10%、アルカリは5〜55%
(いずれも重量)につき検討した。温度としては実用的
見地から−5、5、25、40、60℃の一部ないし全
部につき検討した。界面活性剤とビルダーの種類および
略記号を表1に、可溶化力の評価基準を表2にそれぞれ
示す。なお、可溶化剤の記載濃度は、実験濃度であり、
必要濃度とは限らない。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】実施例1 界面活性剤としてLASおよびC128 、ビルダーとし
てSS、SC、EDTA、およびグルコン酸ナトリウ
ム、アルカリとして水酸化ナトリウムをそれぞれ含む水
系混合物の溶解性に対するスルホサリチル酸およびその
塩類の添加効果を汎用の安息香酸ナトリウムその他の場
合と比較して表3および表4に示す。表3および表4の
結果より分かるように、無添加の系では溶解性が悪く、
比較物質ではやや有効な場合、無変化の場合以外に溶解
性を悪くする場合も多い。これに対し本発明の可溶化剤
ではかなりもしくは著しい溶液状態の向上が見られた。
すなわち本酸および塩類は、アニオン性および非イオン
界面活性剤のビルダーないしアルカリ共存下並びに強ア
ルカリ下のアミノ酸型キレート剤の溶解に効果大である
ことが分かる。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】実施例2 実施例1と同様の被可溶化剤に対する亜リン酸アルキル
エステル類およびそれらの塩類の添加効果を表5に示
す。表5の結果から分かるように、本発明可溶化剤使用
の場合ではかなりもしくは著しい溶液状態の向上が見ら
れた。本エステル類および塩類は、特に強アルカリ下の
アミノ酸型キレート剤の溶解などに効果大であることが
分かる。
【0028】
【表5】
【0029】実施例3 実施例1と同様の被可溶化剤に対する低級ないし中級テ
トラアルキルアンモニウム塩の添加効果を表6に示す。
表6の結果から分かるように、本発明の可溶化剤使用の
場合ではかなりもしくは著しい溶液状態の向上が見られ
た。本塩は特にセッケンのクラフト点低下ないしゲル化
防止の特異な作用を初めとして、アニオン性および非イ
オン性界面活性剤のビルダー、ないしアルカリ共存下の
溶解に効果大であることが分かる。
【0030】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 3/36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホサリチル酸およびそのアルカリ、
    アンモニウムもしくは低級アミン塩類から選ばれた少な
    くとも1種を含有してなることを特徴とする可溶化剤。
  2. 【請求項2】 亜リン酸モノもしくはジ低級ないし中級
    アルキルリン酸エステル類およびそれらのアルカリ、ア
    ンモニウムまたは低級アミン塩類から選ばれた少なくと
    も1種を含有してなることを特徴とする可溶化剤。
  3. 【請求項3】 低級ないし中級テトラアルキルアンモニ
    ウムのハロゲン、無機塩、低級カルボン酸、低級アルキ
    ルスルホン酸および低級アルキル硫酸の塩から選ばれた
    少なくとも1種を含有してなることを特徴とする可溶化
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の可溶化剤に
    より、界面活性物質、ビルダーなどの被可溶化物質を水
    溶液中に可溶化することを特徴とする可溶化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3に記載の可溶化剤に
    より、界面活性物質、ビルダーなどの被可溶化物質を水
    溶液中で可溶化してなることを特徴とする水性組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007000460A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Sanyo Chem Ind Ltd 可溶化剤
JP2008506804A (ja) * 2004-07-15 2008-03-06 アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ ホスフェート化アルカノール、そのハイドロトロープとしての使用および該組成物を含有する洗浄用組成物
JP2015059126A (ja) * 2013-09-17 2015-03-30 花王株式会社 衣料用洗浄剤組成物

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