JPH08153245A - 自動販売機の硬貨処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動販売機の硬貨処理装置においては、自動
販売機の外部より悪戯により電波ノイズ等を掛けられる
と硬貨処理装置のモータやソレノイドの払い出し機構部
ライン、インベントリースイッチライン、本体と硬貨処
理装置の通信ライン等にノイズが乗り、硬貨の払い出し
をしてしまうことがある。この時払い出された硬貨は自
動販売機の硬貨返却口のへ払い出してしまう。このよう
な外部からの悪戯の場合に硬貨返却口に払い出しをしな
いようにすることを目的とする。 【構成】 自動販売機の硬貨処理装置１の金庫への通路
と硬貨返却口への通路の出口に金庫通路６と硬貨払い出
し通路５を設け、待機状態にあっては該硬貨返却口への
通路を遮蔽し、釣銭払い出し時および返却硬貨払い出し
時、異常時には金庫への通路側へ移動するスライド板８
と該スライド板８上の硬貨の有無を検知する硬貨検知部
９とスライド板８上に硬貨検知したら該硬貨を自動販売
機の金庫へ導く振り分けシャッター１１とを設けて成る
ように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動販売機等に於ける
硬貨処理装置の硬貨返却処理の構造に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動販売機の硬貨処理装置は、実
開平５ー７１９８５号公報（Ｇ０７Ｆー９／１０）にあ
るように本体の上方に検銭部があり、該硬貨処理装置の
上方より投入された硬貨を検銭し正貨と判定された硬貨
は金種別に本体の下方の硬貨収納部に振り分け送られる
が、その金種の硬貨収納部が満杯の場合はその硬貨収納
部の上方にある各ゲートにより金庫への通路に振り分け
られ、自動販売機の金庫へ送られる。一方偽貨と判断さ
れた硬貨は返却シュートへ導かれ、自動販売機の硬貨返
却口へ返却される。更に釣銭として硬貨を払い出すとき
は上記各硬貨収納部からその下部の払い出し機構により
その下部に払い出され、やはり自動販売機の硬貨返却口
へ払い出すようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記自動販売機の硬貨
処理装置においては、自動販売機の外部より悪戯により
電波ノイズ等を掛けられると硬貨処理装置のモータやソ
レノイドの払い出し機構部ライン、インベントリースイ
ッチライン、本体と硬貨処理装置の通信ライン等にノイ
ズが乗り、硬貨の払い出しをしてしまうことがある。こ
の時払い出された硬貨は自動販売機の硬貨返却口へ払い
出してしまう。このような外部からの悪戯の場合に硬貨
返却口に払い出しをしない必要があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】投入された硬貨を検銭す
る検銭部と、正貨と判断された硬貨を釣銭用として収納
する硬貨収納部と、該硬貨収納部が満杯の場合には該硬
貨を自動販売機の金庫へ導く金庫通路と、硬貨の払出信
号に応じて前記硬貨収納部より硬貨を排出する硬貨払出
部とを備えた硬貨処理装置において、前記硬貨払出部か
ら払い出される硬貨の通路に対向して設けられ前記硬貨
払出部から払い出された硬貨を硬貨返却口もしくは前記
金庫通路へと選択して送出するとともに、前記硬貨払出
部とは制御系統を別に設けた選択機構と、前記硬貨払出
部の制御系統にのみ硬貨の払出信号が生じた場合には、
前記選択機構により硬貨を前記金庫通路へと導き、前記
硬貨払出部の制御系統と前記選択機構の制御系統に硬貨
の払出信号が生じた場合には、前記選択機構により前記
硬貨返却口へと導く制御部とを備えたものである。

【０００５】

【作用】上記の如く硬貨処理装置を構成することによ
り、外部より悪戯による電波ノイズ等を掛けられた際
に、片方の制御系統にのみにノイズが乗った場合には、
硬貨の払出を防止することができるので、外部からの悪
戯に対してより確実な保護を行うことができる。

【０００６】

【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の一実施
例に係わる自動販売機の硬貨返却処理装置について説明
する。図１は本発明の自動販売機等に用いられる硬貨処
理装置の下部の斜視図で図２はその正面図、図３は側面
図である。１は硬貨処理装置、２はその本体で、前面に
は硬貨収納部３があり、ここには返却に使用される硬貨
Ａが金種別に収納されており、硬貨処理装置２に投入さ
れた硬貨がここに導かれて収納された物と予め釣銭用と
してストックされている物とあるがいずれにしても釣銭
として払い出すために収納されている。ここに収納され
ている硬貨Ａは下部の硬貨払出部である払い出し機構４
によりその下の硬貨払い出し通路５に払い出され図示さ
れない自動販売機の返却シュートから硬貨返却口に返却
されるようになっている。払い出し機構４は、硬貨処理
装置のモータやソレノイドの払い出し機構部ライン、イ
ンベントリースイッチライン、本体と硬貨処理装置の通
信ライン等からの信号に基づき駆動する。

【０００７】ところで検銭部で偽貨と判断された硬貨
Ａ、又は検銭部に詰まり客の返却操作により返却すべき
硬貨Ａは硬貨収納部３の背後を通って硬貨処理装置１の
本体２の後ろ側で前記硬貨払い出し通路５の背後に設け
られた返却通路７を通り自動販売機の返却シュートから
硬貨返却口に返却される。

【０００８】一方検銭部で検銭され正貨と判定され、硬
貨収納部３に導かれたが該当する金種の硬貨収納部３が
満杯のため収納できない硬貨Ａはその硬貨収納部３の手
前で振り分けられ、該硬貨収納部３の背後を通って金庫
通路６に導かれ、図示されていない自動販売機の金庫シ
ュートを通って自動販売機の金庫に収納される。

【０００９】ところで本発明では硬貨払い出し通路５の
下部から金庫通路６に移動可能なスライド板８が設けら
れており図３のスライド板及び振り分けシャッター駆動
部１０に収納されている駆動部により駆動され硬貨払い
出し通路５か金庫通路６の何れかを遮蔽可能に設けられ
ている。更に該スライド板８の上部には硬貨検知部９が
取り付けられている。更に硬貨払い出し通路５と金庫通
路６の間にはこれら２つの通路を仕切る振り分けシャッ
ター１１があり、この振り分けシャッター１１はスライ
ド板及び振り分けシャッター駆動部１０内の駆動部によ
り前後に移動可能になっている。スライド板８と、スラ
イド板及びシャッター駆動部１０と、振り分けシャッタ
１１とにより選択機構を構成しており、硬貨処理装置の
モータやソレノイドの払い出し機構部ライン、インベン
トリースイッチライン、本体と硬貨処理装置の通信ライ
ン等からの信号により駆動を行わないように、払い出し
機構４とは別の制御系統で制御されるとともに、図示し
ない制御部により選択機構の動作を制御している。よっ
て、悪戯により払い出し機構４を駆動させる信号が生じ
ても、選択機構は駆動しない。

【００１０】通常の待機状態に於いては上記スライド板
８は硬貨払い出し通路５側にあり該硬貨払い出し通路５
を遮蔽している。また振り分けシャッター１１は手前に
出てきており図１から図３の状態にある。なおこのスラ
イド板８は前記検銭部で偽貨と判断された硬貨Ａ、又は
検銭部に詰まり客の返却操作により返却すべき硬貨Ａを
払い出す返却通路７を遮蔽することはないようになって
いる。今、硬貨処理装置１に硬貨Ａが投入され、自動販
売機で商品を買われた場合、又は自動販売機の返却ボタ
ン操作により該硬貨処理機１に投入された硬貨Ａを返却
する場合には、払い出し機構４に硬貨の払出信号を送る
とともに、払い出し機構とは別の制御系統により選択機
構を制御して、図４のようにスライド板８が金庫通路６
側に移動するそして必要な金額の硬貨Ａを払い出す。

【００１１】ところで自動販売機の外部より悪戯等によ
り強い電波ノイズ等を掛けられると硬貨処理装置１のモ
ータやソレノイドの駆動部を有する払い出し機構部ライ
ン、インベントリースイッチライン、自動販売機本体と
硬貨処理装置１の通信ライン等にノイズが乗り、硬貨の
払い出し駆動部が作動してしまって硬貨Ａを払い出して
しまうことがある。この時、硬貨処理装置１は待機状態
なので図５から図７のようにスライド板８は硬貨払い出
し通路５側にあるため払い出された硬貨Ａは該スライド
板８の上に貯まって自動販売機の硬貨返却口には出てい
かない。

【００１２】この時硬貨Ａはスライド板８の上の硬貨検
知部９に接触し図示しない制御部は正規でない払い出し
が行われたことを感知する。制御部は一定時間の間隔を
経た後図８、図９のように振り分けシャッター１１を後
方に移動させ更にスライド板８を５の硬貨払い出し通路
側から金庫通路６側へ移動させしかる後に振り分けシャ
ッター１１を前方に戻し、再度スライド板８を硬貨払い
出し通路５側の待機状態に戻す。この時図１０のように
振り分けシャッター８上に乗っていた硬貨Ａは振り分け
シャッター１１により掻き落とされ金庫通路６の下に落
とされ自動販売機の金庫シュートか自動販売機の金庫へ
と導かれる。

【００１３】なお、スライド板８の上に設けられた硬貨
検知部９の硬貨Ａの検知手段として磁気センサーや光学
センサーなどが挙げられるが、ここでは特に高い精度を
要求しないため、マイクロスイッチ等硬貨の払い出しが
検知できさえすればよい。また硬貨検知の位置も特に限
定しない、即ち光学センサーであれば払い出し機構４に
設けても良いし、スライド板８の下方でも良いし、スラ
イド板及び振り分け駆動部１０内でも良い。またスライ
ド板８及び振り分けシャッター１１の駆動はモーターで
も良いしソレノイド又はそれらの組み合わせでも良い。

【００１４】ところで本実施例ではスライド板８、振り
分けシャッター１１、スライド板及び振り分けシャッタ
ー駆動部１０等を硬貨処理装置１内部に組み込んだ形と
なっているが硬貨処理装置１と自動販売機の硬貨返却シ
ュート、金庫シュートとの間に一つの装置として設けて
も良いことは当然である。更に本機構の制御も硬貨処理
装置内に設けても良いし、自動販売機本体側に設けても
良い。

【００１５】

【発明の効果】本発明に依れば、自動販売機の外部より
悪戯により電波ノイズ等を掛けられ、硬貨処理装置のモ
ータやソレノイドの払い出し機構部ライン、インベント
リースイッチライン、本体と硬貨処理装置の通信ライン
等にノイズが乗り、硬貨払出部が硬貨の異常な払い出し
をしてしまっても、この時払い出された硬貨は自動販売
機の金庫に取り込んでしまうので、悪戯で自動販売機の
硬貨処理装置内の釣銭返却用の硬貨を抜かれてしまうこ
とがないと言う顕著な効果を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係わる自動販売機の硬貨処
理装置下部の待機状態を示す斜視図図である。

【図２】上記の正面図である。

【図３】上記の裁断側面図である。

【図４】本発明の一実施例に係わる自動販売機の硬貨処
理装置下部の正常な釣銭払い出し状態を示す正面図であ
る。

【図５】本発明の一実施例に係わる自動販売機の硬貨処
理装置下部の悪戯による異常な硬貨払い出し状態を示す
正面図である。

【図６】上記の払い出しを終わった正面図である。

【図７】上記の斜視図である。

【図８】本発明の一実施例に係わる自動販売機の硬貨処
理装置下部の悪戯による異常な硬貨払い出し状態を検知
してスライド板を金庫通路側に移動したことを示す正面
図である。

【図９】上記の斜視図である。

【図１０】本発明の一実施例に係わる自動販売機の硬貨
処理装置下部の悪戯による異常な硬貨払い出しした硬貨
を金庫に収納しようとしている状態を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

１ 硬貨処理装置 ２ 本体 ３ 硬貨収納部 ４ 硬貨払い出し機構 ５ 硬貨払い出し通路 ６ 金庫通路 ７ 返却通路 ８ スライド板 ９ 硬貨検知部 １０ スライド板及び振り分けシャッター駆動部 １１ 振り分けシャッター

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 投入された硬貨を検銭する検銭部と、正
   貨と判断された硬貨を釣銭用として収納する硬貨収納部
   と、該硬貨収納部が満杯の場合には該硬貨を自動販売機
   の金庫へ導く金庫通路と、硬貨の払出信号に応じて前記
   硬貨収納部より硬貨を排出する硬貨払出部とを備えた硬
   貨処理装置において、 前記硬貨払出部から払い出される硬貨の通路に対向して
   設けられ前記硬貨払出部から払い出された硬貨を硬貨返
   却口もしくは前記金庫通路へと選択して送出するととも
   に、前記硬貨払出部とは制御系統を別に設けた選択機構
   と、前記硬貨払出部の制御系統にのみ硬貨の払出信号が
   生じた場合には、前記選択機構により硬貨を前記金庫通
   路へと導き、前記硬貨払出部の制御系統と前記選択機構
   の制御系統に硬貨の払出信号が生じた場合には、前記選
   択機構により前記硬貨返却口へと導く制御部とを設けて
   成る自動販売機の硬貨処理装置。