JPH081526B2 - 電子写真用二成分系現像剤 - Google Patents

電子写真用二成分系現像剤

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JPH081526B2
JPH081526B2 JP59251654A JP25165484A JPH081526B2 JP H081526 B2 JPH081526 B2 JP H081526B2 JP 59251654 A JP59251654 A JP 59251654A JP 25165484 A JP25165484 A JP 25165484A JP H081526 B2 JPH081526 B2 JP H081526B2
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resistance
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toner
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淳子 岡田
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三田工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子写真用二成分系現像剤に関するもの
で、より詳細にはフッ素系化合物で被覆されたフェライ
トキャリヤを含み、耐湿性及び耐刷性に優れた二成分系
現像剤に関する。
従来の技術及び発明の技術的課題 商業的な電子写真法では、静電潜像の現像に、所謂二
成分系磁性現像剤が広く使用されている。この二成分系
現像剤は、鉄粉或いはフェライト等の磁性キャリヤ粒子
と樹脂中に着色剤を分散し造粒した顕電性トナーとから
成っており、これらを混合することによりトナー帯電を
行うと共に、両成分の磁気ブラシを形成させ、この磁気
ブラシを静電像を有する感光層と摺接させて画像形成を
行なう。
従来のキャリヤ、特にフェライトキャリヤにあって
は、その表面に水を吸着し易く、高湿度条件下において
はその表面水分子層による漏洩電流が大きくなり、その
結果としてトナー帯電量の減少や、現像剤電気抵抗の低
下により静電潜像が破壊されるという現像を生じる欠点
があった。また、これらのキャリヤは表面が硬くまた鋭
利な角を有するものがあったりして、大量コピー中に機
械的衝撃時によりスペントトナーが発生したり、或いは
カブリを発生するという欠点がある。
これらの欠点を解消するため、キャリヤの表面をスチ
レン系樹脂、アクリル系樹脂或いはフッ素系樹脂等で被
覆することが従来提案されているが、これらの被覆技術
はキャリヤの吸湿傾向を防止するには成功しているとし
ても、キャリヤの電気抵抗が高くなりすぎるために、低
電位を静電像に対して高濃度の画像を形成し得ないとい
う欠点を生ずる。
発明の骨子及び目的 本発明の目的は、湿度の変化にもかかわらず、電気抵
抗がほぼ一定に維持されて、環境変化にもかかわらず、
常に一定の鮮明な画像形成を行うことができ、更に連続
多数枚複写時にも画像濃度低下やカブリの発生を有効に
防止できる二成分系現像を提供するにある。
本発明の更に他の目的は、アモルファスシリコン感光
体のように、低電位の静電像を有する感光体の現像に特
に適した二成分系磁性現像剤を提供するにある。
課題を解決するための手段 本発明によれば、磁性キャリヤと顕電性トナーとから
成る電子写真用二成分系現像剤において、前記磁性キャ
リヤが、表面に一次粒子に基づく凹凸を有し、且つメジ
アン径が30乃至50μm、見掛密度が2.6g/cc未満及び体
積抵抗が6×104乃至2×107Ω・cmの範囲にある球状焼
結フェライト粒子から成り且つ該フェライト粒子がパー
フルオロアルキルリン酸エステルで被覆されていること
を特徴とする二成分系現像剤が提供される。
作用 本発明は、種々の磁性キャリヤの内でも、本願の添付
図面の第3図の写真に示す通り、表面に一次粒子に基ず
く凹凸を有し且つ見掛密度が2.6g/cc未満の球状焼結フ
ェライト粒子を選択、使用することに一つの特徴を有す
るものである。
この焼結フェライト粒子は、トナーの帯電量を高くす
ることができ、また見掛密度が2.6g/ccと低いため、現
像作業性が良好であるという利点を有しているが、電気
抵抗の湿度依存性が著しく大きいという欠陥がある(第
1図及び第2図の白丸点線参照)。
本発明は、この特定の焼結フェライト粒子をパーフル
オロアルキルリン酸エステルで被覆すると、この電気抵
抗の湿度依存性がなくなるか或いは小さくなり(第1図
及び第2図の白丸実線参照)、環境条件の変動にかかわ
らず、鮮明な画像を形成させ得ることを見出したもので
ある。
より詳細に説明すると、添付図面第1図及び第2図
は、第3図に示すフェライトキャリヤの体積固有抵抗の
湿度依存性を示す線図であり、第1図は高抵抗フェライ
トキャリヤについてのもの、第2図は低抵抗フェライト
キャリヤについての実験結果であり、これら第1及び2
図において、白丸鎖線は未処理フェライトの値及び白丸
実線は本発明による被覆処理フェライトの値を夫々示
す。
これらの結果によると、このタイプのフェライトキャ
リヤの湿度依存性は極めて大きく、湿度40%の場合に比
して、湿度80%では体積抵抗が数十分の一乃至数百分の
一に低下し、特にこの低下傾向は高抵抗キャリヤ程大き
いことがわかる。これに対して、本発明に従いパーフル
オロアルキルリン酸エステルで被覆処理を行ったフェラ
イトキャリヤでは未処理のフェライトキャリヤに比して
は体積抵抗が幾分増加するが、湿度依存性は殆んどない
か或いは著しく小さくなっていることがわかる。
本発明に用いるパーフルオロアルキルリン酸エステル
は、下記式 式中、Rはパーフルオロアルキル基である で表わされる化合物である。この化学構造から、このも
のは極性基(リン酸エステル基)と無極性基(パーフル
オロアルキル基)とを備えたアニオン界面活性剤として
の作用を有することが明らかであろう。この特性の故
に、この化合物はリン酸エステル基によりフェライトキ
ャリヤ表面に強く結合し、しかもフェライトキャリヤ表
面は、撥水性及び潤滑性に優れたパーフルオロアルキル
基で覆われる微細被覆構造をとるものと思われる。これ
が、本発明のキャリヤが湿度依存性が少なく、且つ耐刷
性に優れている理由である。
一般に、キャリヤとトナーとの帯電は両者間のイオン
移動によって生ずるものと認められる。また、キャリヤ
の誘電率がトナーの誘電率よりも大であり、移動し易い
イオンが誘電率の高い方にひきつけられて帯電が行われ
るものと推定される。本発明のキャリヤにおいては、表
面がアニオン性の活性剤で被覆されており、可動性の正
イオンがキャリヤ表面にひきつけられることにより、ト
ナー粒子の負帯電が有効にしかも確実に行われるものと
認められる。
発明の好適態様 本発明をその好適態様について以下に詳細に説明す
る。
磁性キャリヤ 第3図は、本発明に用いる球状焼結フェライト粒子の
走査型電子顕微鏡写真であり、第4図は通常の焼結フェ
ライト粒子、即ち表面が滑らかな焼結フェライト粒子の
走査型電子顕微鏡写真である。これらの写真の比較か
ら、本発明に用いる焼結フェライト粒子は、該粒子表面
の一次粒子がその外形を未だ保持していることによる微
細な凹凸を表面に有することが明白であろう。
この焼結フェライト粒子は、一般に30乃至50μm、特
に40乃至45μmのメジアン径(重量が50重量%に対応す
る径)を有するが、前述した凹凸を表面に有することに
関係して、その見掛密度(JIS Z−2504−1966)は、2.6
g/cc未満、特に2.30乃至2.50g/ccと低い範囲内にある。
しかして、本発明によれば、球状でしかも表面に微細
凹凸のある焼結フェライト粒子を用いることにより、ト
ナーの帯電極性を一定に維持し、しかも被覆処理により
水分の吸着傾向をも防止し得る。
フェライトキャリヤの電気抵抗は、高抵抗のもので
も、低抵抗のものでもよく、一般に体積抵抗が6×104
乃至2×107Ω・cm、特に2.5×105乃至1.5×107Ω・cm
のものが使用される。尚本発明において、体積抵抗値は
後述するようなセルを用いて測定した値である。
フェライトの組成は公知のものであり、一般にソフト
フェライトと呼ばれるもの、例えばこれに限定されるも
のではないが、Zn系フェライト、Ni系フェライト、Cu系
フェライト、Mn系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Mn
−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェ
ライト、Mn−Cu−Zn系フェライト等が挙げられる。好適
なフェライトは、原子重量%で、Fe35乃至65%、Cu5乃
至15%、Zn5乃至15%及びMnO乃至0.5%から成るCu−Zn
系又はCu−Zn−Mn系フェライトである。
これらのフェライトは、一般に0.5乃至7μmの微細
な一次粒径を有しており、これを噴霧造粒等の手段で、
ほぼ球状粒子に造粒し、次いで焼結等の手段で焼結す
る。
フェライトキャリヤは、通常の鉄粉キャリヤに比し
て、比重が小さくしかも飽和磁束密度も小さいため、形
成される穂が柔かく、その結果として現像に際して、現
像用スリーブ乃至はスリーブ内磁石の回転に要するトル
クが小さいという利点を有することが知られているが、
本発明で使用するフェライトキャリヤでは、見掛密度が
比較的低いため、現像作業性は特に良好である。
処理 本発明によれば、上述したフェライトキャリヤをパー
フルオロアルキルリン酸エステルで表面被覆処理する。
パーフルオロアルキリン酸エステルには、前述した一
般式(1)のモノエステルの他に、ジエステル、トリエ
ステルが存在する。これらのエステル類は全て本発明の
目的に使用し得るが、前記一般式(1)のモノエステル
を用いることが最も望ましい。即ち、キャリヤ上のパー
フルオロアルキレン連鎖は、アニオン性活性基とは逆に
トナー粒子を正に帯電する傾向があるが、モノエステル
を使用することにより、かかる傾向が有効に防止され
る。
パーフルオロアルキル基の炭素数は一般に4乃至25、
特に6乃至22の範囲にあることが望ましく、この炭素数
が上記範囲よりも少ない場合には、耐湿性等が不満足な
ものとなり、また上記範囲よりも多い場合にはトナーの
帯電性に不都合が生じ易い。
磁性キャリヤに対するパーフルオロアルキルリン酸エ
ステルの被覆量は、所謂単分子膜のような薄い被膜であ
っても、十分な耐湿性と耐刷性とが得られるが、商業的
な用途においては、効果の安定性及び経済性等を考慮し
て、キャリヤ100重量部当り一般に0.1乃至10重量部、最
も好適には1乃至5重量部の量で被覆を行うのがよい。
キャリヤの被覆を行うには、このフッ素化合物を、例
えばアセトン等の極性有機溶媒に溶解し、フェライトキ
ャリヤを溶液中に浸漬し、十分撹拌した後乾燥等の手段
で有機溶媒を蒸発させればよい。勿論被覆の形成は、こ
れに限定されず、フッ素化合物がキャリヤ表面に残留す
るような処理手段は全て用いることができる。
トナー 用いるトナーは、転写性の見地から1×1013Ω−cm、
特に少なくとも5×1013−cmの電気抵抗を有するもので
なければならない。更に、当然のことながら、このトナ
ー粒子は顕電性と定着性とを有する着色トナーでなけれ
ばならない。結着剤樹脂中に、着色顔料、荷電制御剤等
を分散させた粒径5乃至30ミクロンの粒状組成物が使用
される。樹脂としては、熱可塑性樹脂や、未硬化乃至は
初期縮合物の熱硬化性樹脂が使用される。その適当な例
は、重要なものの順序に、ポリスチレン等のビニール芳
香族樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、石油樹脂、オレフィン樹脂等である。顔料としては
例えばカーボンブラック、カドミウムエロー、モリブデ
ンオレンジ、ピラゾロンレッド、ファストバイオレット
B、フタロシアニンブルー等の1種又は2種以上が使用
され、荷電制御剤としては、例えばニグロシンベース
(CI50415)、オイルブラック(CI26150)、スピロンブ
ラック等の油溶性染料や、ナフテン酸金属塩、脂肪酸金
属石鹸、樹脂酸石鹸等が必要により使用される。
二成分系現像剤 被覆処理フェライトキャリヤと顕電性トナーとは、一
般に100:3.5乃至100:11の重量比で使用するのがよい。
この量比も現像剤の磁気ブラシの電気抵抗に影響を及ぼ
す。即ち、フェライトキャリヤの量比が大きくなると、
現像剤の磁気ブラシの電気抵抗が小さくなる傾向を示
す。両者の最適比率は、フェライトキャリヤ及び顕電性
トナーは比表面積にも密接に関連する。本発明の好適態
様では、磁気ブラシを形成する混合物のトナー濃度(Ct
%)が、下記式 式中、Scはフェライトキャリヤの比表面積(cm2/g:透
過法による実測値)、Stはトナーの比表面積(cm2/g:コ
ールターカウンターを用いて測定した平均粒径を基に、
トナーが真球であると仮定して計算した有効比表面積で
あり、平均粒径から得られる半径をγ(cm)とし、トナ
ーの真比重をρ(g/cm3)とした場合St=3/(γ・ρ)
で計算される値)、kは0.80乃至1.07の数である、 を満足する濃度で現像を行う。
先ず、前記式(2)における右辺の項Sc/(St/Sc)
は、キャリヤ及びトナーの比表面積に関する項であり、
具体的には、キャリヤとトナーとを等重量混合した組成
物の全表面積当りのキャリヤの占める表面積の割合い
(以下単にキャリヤ表面積占有率と呼ぶ)を表わす数値
である。
しかして、本発明のこの態様においては、このキャリ
ヤ表面積占有率乃至はその近傍値とトナー濃度とが等し
くなるような条件で、二成分系現像剤による静電像の現
像を行うと、画像の濃度の向上、カブリ濃度の低下、解
像度の向上及び階調性の向上がもたらされるものであ
る。
トナー濃度(Ct%)とキャリヤ表面積占有率(Sc/(S
t+Sc),%)とのずれは、両者の比率、即ち k=CT/〔Sc/(St+Sc)〕 係数kを求めることにより評価することができる。
この係数kは使用するフェライトキャリヤの形状によ
って相違するが本発明においては、この係数kは前述し
た0.80乃至1.07の値、特に球状フェライト粒子では0.90
乃至1.04の範囲とすることにより、高い画像濃度、低い
カブリ濃度、高い解像力及び優れた階調性が得られ、し
かもこれらの特性は現像開始初期のみならず、40000枚
もの連続複写後においても殆んど低下しないという効果
が達成される。
用途 本発明の二成分系現像剤は、非晶質シリコン系光導電
体層を用いる電子写真法の現像に特に有用である。この
理由は、表面処理による抵抗の増加が大きくないため、
抵抗の低い表面処理キャリヤとすることが可能だからで
ある。
非晶質シリコン系光導電体層としては、それ自体公知
の任意のものが使用され、例えばシランガスのプラズマ
分解等で基板上に析出される非晶質シリコンが使用さ
れ、このものは、水素やハロゲン等でドーピングされ、
更にボロンやリン等の周期律表第III族または第V族元
素でドーピングされたものであってもよい。
代表的なアモルファスシリコン感光体の物性値は、暗
導電率が10-12Ω-1・cm-1、活性化エネルギ<0.85e
V、光導電率>10-7Ω-1・cm-1、光学的バンドギャップ
1.7〜1.9eVであり、また結合水素量は10〜20原子%の量
でその膜の誘電率は11.5〜12.5の範囲にあるものであ
る。
この非晶質シリコン光導電層は、ドーピング種に応じ
てプラス荷電やマイナス荷電も可能であり、コロナチャ
ージャへの印加電圧は5乃至8kVの範囲が一般的であ
る。
本発明によれば、非晶質シリコン光導電体層の膜厚が
10乃至35μmのように小さく、その結果として帯電電位
が著しく小さい場合にも高濃度の画像形成が可能となる
という顕著な利点がある。しかも、小さい膜厚の感光層
が使用可能であることは、感光体のコストを下げる上で
顕著な利点をもたらすのみならず、感光層中での光拡散
等が防止され、その結果として形成されるトナー像の解
像力も向上するという利点をも生じる。
勿論、本発明の現像剤は、セレン感光板、OPC(有機
光導電体)感光板等のその他の感光板を用いる電子写真
法に適用した場合にも、前述した利点が達成されること
が理解されるべきである。
本発明の次の例で説明する。
予備実験 種々のフッ素化合物を用いてキャリヤと被覆処理し、
その湿度依存性を求めた。
フッ素化合物の調整液 フッ素化合物の調整液としてパーフルオロアルキルリ
ン酸エステルCF3−(CF2−O−P(OH)2O(大日本
インキ社製メガファックF−191)の2.5%アセトン溶
液、パーフルオロアルキルカルボン酸塩(大日本インキ
社製メガファックF−120)の2.5%IPA/水(IPA:水=1:
1)溶液、及びパーフルオロアルキル基親油性基含有ウ
レタン(大日本インキ社製メガファックF−183)の2.5
%アセトン溶液を夫々1000重量部作製した。
処理の方法 用いたキャリヤは、 (イ)第3図の電子顕微鏡写真に示す粒子構造を有し、
電気抵抗1.5×107Ω、メジアン径44μm、見掛密度2.47
g/cc、比表面積400cm2/gの球状焼結フェライトキャリヤ
(以下単に高抵抗キャリヤと呼ぶ) と、 (ロ)第3図と同様な粒子構造を有し、電気抵抗2.5×1
05Ω、メジアン径45μm、見掛密度2.36g/cc、比表面積
421cm2/gの球状焼結フェライトキャリヤ(以下単に低抵
抗キャリヤと呼ぶ) との2種類である。
ここで電気抵抗とは、感光体の代りにアルミ素管を用
い、スリーブ上に磁気ブラシを形成させ、下記現像条件
においてアルミ素管とスリーブ間に20Vの電圧を印加
し、流れる電流値より電気抵抗を求めるものである。以
下D−S抵抗と称する。
被覆液に被覆液を同重量部の上記キャリヤを浸漬撹拌
後溶媒を蒸発させることによって被覆キャリヤを得た。
現像条件 感光体ドラム回転速度 16 cm/sec スリーブ回転速度 23 cm/sec 現像磁石強度1000 ガウス 穂切間隔 1.0 mm ドラム・スリーブ間の間隔を1.5mmとして感光体と現
像スリーブとを共に複写機本体正面より見て時計方向に
回転させる。
湿度依存性の測定 湿度依存性の測定方法としてキャリヤをセルに充填し
湿度40%,60%,80%に調湿した調湿ボックスに各々24時
間放置後、各湿度においての電気抵抗の違いにより求め
た。セルは容量20mm×30×10のアクリル製であり、電極
としては、30mm×10の銅板電極を用いた。このセルに高
抵抗キャリヤについては200V、低抵抗キャリヤについて
は150Vの電圧印加により電気抵抗を求めた。この結果を
第1〜2図に示す。これら第1〜2図において、実線は
被覆キャリヤ、鎖線は未処理のキャリヤの湿度依存性を
示す。
第2図は低抵抗キャリヤにおいて未処理のキャリヤ及
び比較例を含め各調製液で被覆したキャリヤを湿度依存
性を示す。○は、パーフルオロアルキルリン酸エステ
ル、 パーフルオロアルキルカルボン酸塩、●は、パーフルオ
ロアルキル基親油性基含有ウレタンの各調整液により被
覆したキャリヤである。第1図は、高抵抗キャリヤにお
いて、未処理のキャリヤ及びパーフルオロアルキルリン
酸エステルの調整液で被覆したキャリヤの湿度依存性を
示す。
第1及び第2図よりパーフルオロアルキルリン酸エス
テル及びパーフルオロアルキル基、親油性基含有ウレタ
ンの調整液によって被覆したキャリヤは未処理のキャリ
ヤに比べ湿度依存性に優れていることがわかる。第2図
からもパープルオロアルキルリン酸エステルで被覆した
キャリヤの湿度依存性に対する効果が優れていることが
確認できた。
フッ素化合物の決定 湿度依存性に効果があったパーフルオロアルキルリン
酸エステル及びパーフルオロアルキル基、親油性基含有
ウレタンで被覆した低抵抗キャリヤについて各々のトナ
ー帯電量を測定した。トナーは、平均粒径12.57μ、比
表面積4200cm2/g、誘電率3.36のものを用いブローオフ
帯電量測定装置により求めた。この結果、前者のトナー
帯電量は−13μC/g、後者は−2.14μC/gであった。
この結果より、湿度依存性に優れしかも適宜な帯電量
を持つパーフルオロアルキルリン酸エステルが被覆処理
剤として優れていることがわかった。以下この処理剤に
より被覆キャリヤに用い実際に複写を行った結果を以下
の実施例に示す。
実施例1) 高抵抗キャリヤの被覆キャリヤにおいて、現像剤のト
ナー濃度として前記(2)式を適用し、比表面積の関係
よりキャリヤ1000重量部当りトナー95重量部を混合し、
現像剤を作成した。トナーは前記したトナーを用いた。
現像剤作製時のトナー帯電量は−14.2gC/gであり、未処
理の同キャリヤのトナー帯電量−23.1μC/gに比べ、若
干低かった。この現像剤を用い普通紙複写機(三田社製
DC−211を非晶質シリコン感光体用に改造して使用)に
て、複写を行ったところキャリヤの抵抗が高いにもかか
わらず鮮明な画像を得ることが出来た。これは帯電量の
低下による付着トナー量の増加によるものと思われる。
続いてバイアス電圧175V一定において2万枚までの連続
複写を行った。その結果及び現像剤の電気抵抗の変化を
表1に示す。ここで、現像剤の電気抵抗はドラムとスリ
ーブ間に50Vの電圧を印加した場合のDS抵抗である。
表1より、常時カブリもなく鮮明な画像を得ることが
出来た。また現像剤の電気抵抗も上昇がなく安定してい
る。このように現像剤の電気抵抗を安定に保つことが出
来るので表面電位及びバイアス電圧を常に一定に保持さ
れ得る。
また、被覆処理をしない高抵抗キャリヤを用いて同様
に複写テストを行ったところ、第一枚目より濃度は低
く、良質な画像は得られなかった。このような高抵抗キ
ャリヤが未処理の状態で濃度が低いのは、a−Si感光体
は静電潜像電位が一般に200〜300Vと低いために、キャ
リヤの抵抗が高い場合には、現像剤の抵抗も高く、従っ
て現像時に必要な電流が流れなかったためと考えられ
る。この未処理のキャリヤを用いた現像剤のD−S抵抗
(50V印加)は7.4×107Ωであった。
実施例2 低抵抗キャリヤの被覆キャリヤを用いて、実施例1)
と同様に現像剤を作成し複写テスト行った。現像剤作成
時のトナー帯電量は−13μC/gであり未処理の同キャリ
ヤのトナー帯電量−18.8μC/gに比べ低い値であったが
鮮明な画像を得ることが出来た。
続いて、バイアス電圧150V一定にて実施例1と同様に
して2万枚の複写テストを行った。その結果を下記第2
表に示す。
また未処理のものについても同様に複写テストを行っ
たのでその結果を第2表に併せて示す。
この結果から、本発明に開示したフッ素化合物で処理
した現像剤ではD−S抵抗の上昇も認められず、カブリ
のない安定な複写画像が得られたのに対し、未処理のも
のでは初期はD−S抵抗が低く画像濃度が高い反面、2
万枚目においては抵抗が約7倍も上昇しており画像濃度
の低下が生じた。従って未処理のキャリヤは安定性の悪
いものであった。尚、未処理のキャリヤのD−S抵抗の
上昇は使用中におけるキャリヤ表面の酸化作用が原因で
あると考える。
比較例1 公知の表面処理キャリヤとして、低抵抗キャリヤ(5.
9×105ΩのD−S抵抗値)をシリコン樹脂及びアクリル
樹脂により表面コーティング処理を施したキャリヤを用
いて実施例1と同様の複写テストを行った。
その結果両者とも初期より画像濃度は1.05及び1.02と
低く良質な画像は得られなかった。
これら公知の二種類のキャリヤは表面処理後はD−S
抵抗値が3.7×109Ω及び1.3×109Ωと未処理のものに比
べ著しい抵抗の上昇を示していた。また、これらのキャ
リヤはセルを用いた調湿実験では40〜80%RHで抵抗の変
化もなく安定であった。
このことから、これら公知の表面処理は、湿度依存性
の改善に対しては満足し得るものではあったが、表面処
理により著しい抵抗の増大が観察されるためa−Si感光
体のような低電位感光体には有効な処理でないことがわ
かった。
発明の効果 本発明によれば、特定の焼結フェライト粒子にパーフ
ルオロアルキルリン酸エステルの被覆を設けることによ
り、優れたトナー帯電性と現像作業性とを保全しなが
ら、電気抵抗の湿度依存性を解消することが可能とな
り、環境条件の変動にかかわらず、鮮明な画像を形成さ
せることが可能となった。
また、本発明によれば、特定の焼結フェライト粒子に
上記の被覆を行うことにより、多数枚複写を行った場合
にも、画像濃度を高く維持でき、カブリ濃度の増大も抑
制できるという利点も得られるものである(実施例の表
1及び表2参照)。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はフェライトキャリヤ(表面処理及び
未処理)の湿度依存性を示すグラフ図であり、第1図は
高抵抗フェライトキャリヤ、第2図は低抵抗キャリヤを
用いた場合の変化を示す。 第3図は本発明に好適に用いる球状焼結フェライト粒子
の表面構造を示す走査型電子顕微鏡写真(×450)。 第4図は、表面が滑らかな焼結フェライト粒子の表面構
造を有する走査型電子顕微鏡写真である(×450)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性キャリヤと顕電性トナーとから成る電
    子写真用二成分系現像剤において、前記磁性キャリヤ
    が、表面に一次粒子に基づく凹凸を有し、且つメジアン
    径が30乃至50μm、見掛密度が2.6g/cc未満及び体積抵
    抗が6×104乃至2×107Ω・cmの範囲にある球状焼結フ
    ェライト粒子から成り且つ該フェライト粒子がパーフル
    オロアルキルリン酸エステルで被覆されていることを特
    徴とする二成分系現像剤。
  2. 【請求項2】パーフルオロアルキルリン酸エステルがキ
    ャリヤ100重量部当たり0.1乃至10重量部の量で存在する
    特許請求の範囲第1項記載の二成分系現像剤。
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