JPH08152033A - 摩擦材の使用方法並びにこれに用いる摩擦材及び摩擦装置 - Google Patents

摩擦材の使用方法並びにこれに用いる摩擦材及び摩擦装置

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JPH08152033A
JPH08152033A JP29467994A JP29467994A JPH08152033A JP H08152033 A JPH08152033 A JP H08152033A JP 29467994 A JP29467994 A JP 29467994A JP 29467994 A JP29467994 A JP 29467994A JP H08152033 A JPH08152033 A JP H08152033A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦表面に水や油が付着し、且つ摩擦速度が
変化した場合においても、摩擦係数の変動を少なくす
る。 【構成】 摩擦材1は、ゴム基材2となるゴム100容
量部に対し短繊維3が2〜8容量部配合してなる。短繊
維3をゴム基材2の表面2aに対して略直交する方向に
配向させると共に、摩擦面の短繊維を30μm以上起毛
させる。摩擦材1は、相手材に摩擦接触させて用いるも
ので、そのとき、摩擦材1と相手材との摩擦界面での接
触圧力が1MPa 以下で、かつ摩擦速度が10-1cm/sec
〜10 2cm/secの範囲である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦材の使用方法並び
にこれに用いる摩擦材及び摩擦装置に関し、トルクリミ
ッタ、クラッチ板、ブレーキ板、ラバーグリップ、フリ
クションワッシャ、ロール、ラバーチェーン、スノータ
イヤ、スタッドレスタイヤ、氷上靴底、ラバーピン等の
分野において用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば実開昭63−1164
61号公報に記載されるように、合成樹脂の摩擦板と、
表面粗さが9〜13μmの合成ゴムからなる摩擦材とを
用い、これらの摩擦係数μを0.6〜1.2に選定して
適度の摩擦力を得て、良好な制動力を作用させる摩擦付
与機構が知られている。
【0003】ところで、このような摩擦付与機構におい
て用いられる摩擦材は、通常ゴム材単一で形成されるの
が通例であるが、ゴム材単一で構成すると、摺動摩耗性
等の耐摩耗性が低く、チップカット性に劣る。
【0004】また、環境安定性が悪いという問題もあ
る。即ち、表面に水分や油が付着すると、摩擦係数が大
きく変化することになり、また、熱変化によっても摩擦
係数が大きく変化し、摩擦特性が安定しない。
【0005】そこで、例えば特開平4−163134号
公報に記載されるように、耐摩耗性に優れると共に、摩
擦係数の環境安定性がよい摩擦材として、シート状のゴ
ム中に短繊維が厚さ方向に配向されて配合されてなるゴ
ム構造体において、上記短繊維がゴム中に0.1mm以上
埋没し、且つゴム表面に0.01〜1.00mm露出して
いるものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな摩擦材を用いても、摩擦面に水や油が付着している
湿潤状態で、摩擦係数の変動の少ないこと、具体的には
摩擦係数の変動が20%(好ましくは10%)程度とな
るという要求を満たすことが困難であった。
【0007】本発明は、摩擦面に水や油が付着している
湿潤状態で、摩擦材の摩擦面での摩擦係数の変動の少な
い摩擦材の使用方法並びにこれに用いる摩擦材及び摩擦
装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ゴム基材に対し所定量の短繊維が配合され、相手材との
摩擦面において起毛処理が施されると共に短繊維が摩擦
面に対し略直交する方向に配向されている摩擦材の使用
方法であって、上記摩擦材を、相手材との摩擦面での接
触圧力が1MPa 以下で、かつ摩擦速度が10-1cm/sec
〜102 cm/secの範囲で用いる構成とする。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1記載の摩
擦材の使用方法において用いられる摩擦材であって、ゴ
ム基材に対し、短繊維が2〜8容量%配合されてなり、
摩擦面において短繊維が摩擦面に対して略直交する方向
に配向され、かつ短繊維が摩擦面において30μm以上
起毛されている。そして、請求項3に係る発明は、摩擦
面の起毛処理は、表面粗さRa値13.4μm〜31.
5μmの研磨材により研磨することによりなされてい
る。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項1記載の摩
擦材の使用方法において用いられる摩擦装置であって、
摩擦材と相手材との摩擦面での接触圧力が1MPa 以下
で、かつ摩擦速度が10-1cm/sec〜10 2cm/secの範囲
である。
【0011】ここで、短繊維の配合量を2〜8容量%と
しているのは、2容量%未満や、8容量%を越える場合
には、摩擦面に油、水が付着する湿潤状態となると、摩
擦係数の変動が大きくなるからである。また、摩擦面に
おいて短繊維を30μm以上起毛させているのは、その
ようにしないと、表面に油、水が付着する湿潤状態にな
ると、摩擦係数の変動が大きくなるからである。さら
に、表面粗さRa値13.4μm〜31.5μmの研磨
材により研磨して起毛させるようにしているのは、Ra
値13.4μm未満であれば、短繊維を30μm以上起
毛させるのが困難であるからであり、Ra値31.5μ
mを越えれば、ゴム基材の摩耗が激しくなり短繊維の破
断が生じ始めるからである。
【0012】尚、ゴム基材に対し配合する短繊維の繊維
長さは、ゴム基材中に短繊維をよく分散させて摩擦面に
対して略直交するように配向させるためには、0.5〜
10mmの範囲、特に1.0〜5mmの範囲が好ましい。
【0013】
【作用】請求項1に係る発明によれば、摩擦材と相手材
との摩擦面での接触圧力が1MPa 以下で、かつ摩擦速
度が10-1cm/sec〜102 cm/secの範囲において、摩擦
材が使用され、その結果、水や油が存在する潤滑状態に
おいて、摩擦速度の増加に対し摩擦係数の変動が少なく
なり、安定する。
【0014】請求項2に係る発明によれば、ゴム基材に
対し短繊維が2〜8容量%配合されてなり、摩擦面にお
いて短繊維が摩擦面に対して略直交する方向に配向さ
れ、かつ短繊維が摩擦面において30μm以上起毛され
ているので、水や油が存在する潤滑状態において、相手
材との摩擦面での接触圧力が1MPa 以下で、かつ摩擦
速度が10-1cm/sec〜102 cm/secの範囲において、摩
擦速度の変化に対し摩擦係数の変動が少なくなり、摩擦
係数が安定する。
【0015】請求項3に係る発明によれば、摩擦面の起
毛処理は、表面粗さRa値13.4μm〜31.5μm
の研磨材により研磨することによりなされているので、
摩擦面における短繊維の起毛が安定し、水や油が存在す
る潤滑状態において、摩擦面全体に亘って摩擦速度の増
加に対する摩擦係数の変動が少なくなり安定する。
【0016】請求項4に係る発明によれば、摩擦材と相
手材との摩擦面での接触圧力が1MPa 以下で、かつ摩
擦速度が10-1cm/sec〜102 cm/secの範囲であるか
ら、水や油が存在する潤滑状態において、摩擦速度の変
化に対し摩擦係数の変動が少なくなり、摩擦係数が安定
する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に沿って詳細に
説明する。
【0018】図1及び図2において、1は相手材(図示
せず)に摩擦接触させて用いられる摩擦材で、相手材と
で、摩擦面において摩擦力を発生させる摩擦装置を構成
するようになっている。
【0019】上記摩擦材1は、基材2となるゴム100
容量部に対し短繊維3が2〜8容量部配合されてなり、
短繊維3は基材2の表面2a(摩擦面)において表面2
aに対して略直交するように(通常は75°〜105°
の角度をなすように)配向されると共に、起毛処理によ
り基材2の表面2aより短繊維3が30μm以上起毛し
ている。従って、短繊維3は、基端部が基材2中に埋没
し、先端部が30μm以上表面2aより露出し、摩擦面
での摩擦作用に関与することになる。
【0020】上記基材2の表面2aの起毛処理は、表面
粗さRa値13.4μm〜31.5μmの研磨材により
研磨することにより行われている。尚、表面粗さRa値
2.5μm、6.8μm、13.4μm、22.4μ
m、31.5μm、41.5μmの研磨材を用いて起毛
長さがどの程度になるかを実験したところ、表面粗さR
a値2.5μm、6.8μm、13.4μm、22.4
μm、31.5μmの研磨材を用いた場合には、短繊維
の起毛長さが1μm、15μm、30μm、60μm、
80μmとなり、表面粗さRa値41.5μmの研磨材
を用いた場合には、基材の摩耗が激しくなり短繊維の破
断が生じ始めることが確認された。よって、その結果か
ら、研磨材の表面粗さRa値が13.4μm〜31.5
μmの範囲にあることが好ましいことがわかる。
【0021】上記摩擦材1を使用する際には、水や油が
存在する潤滑状態において、相手材(図示せず)との摩
擦界面での接触圧力が1MPa 以下で、かつ摩擦速度が
10-1cm/sec〜10 2cm/secの範囲で使用される。それ
によって、後述する実験によって確認されるように、水
や油が存在する潤滑状態において、摩擦速度の増加に対
し摩擦係数の変動が少なくなり、安定する。
【0022】尚、上記実施例においては、摩擦材1はド
ーナッツ形状としているが、その形状に限定されるもの
ではなく、用途に応じて適宜適当な形状が採用すること
ができる。
【0023】原料ゴムとしては、天然ゴム、スチレンブ
タジエンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、エ
チレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルニトリル
ブタジエンゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、弗素ゴ
ム、ハロゲン化ブチルゴム、水素化NBR、クロロスル
フォン化ポリエチレン等の架橋ゴム、及びポリオレフィ
ン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、パリアミド
系、ポリウレタン系等の熱可塑性エラストマー等から適
宜選択される。
【0024】また、カーボンブラック等の補強剤やシリ
カ、炭酸カルシウム、タルク、クレイ等の無機充填剤も
任意に選択し得る。
【0025】さらに、必要に応じて、ゴム用伸展油、ゴ
ム用薬品及びゴム用添加剤が配合される。ゴム用伸展油
としては、アロマチック系、ナフテン系、パラフィン系
のものが好ましい。
【0026】また、ゴム用薬品及びゴム用添加剤として
は、硫黄、パーオキサイド等の架橋剤、亜鉛華、ステア
リン酸等の加硫促進助剤、スルフェンアミド系、チウラ
ム系、チアゾール系、グアニジン系等の加硫促進剤、ア
ミン系、フェノール系、硫黄系、リン系等の老化防止剤
又は酸化防止剤、紫外線吸収剤、オゾン劣化防止剤、粘
着付与剤、可塑剤等が各々使用目的に応じて使用され
る。
【0027】短繊維としては、デュポン社製のケブラ
ー、帝人社製のテクノーラ等のパラ系アラミド繊維、デ
ュポン社製のノーメックス、帝人社製のコーネックス等
のメタ系アラミド繊維、クラレ社製のベクトラン等の芳
香族繊維、ビニロン、ポリエステル、ポリプロピレン、
ナイロン6、ナイロン6,6 、綿、モンサント社製のサン
トウェーブ等のセルロース繊維等の合成、天然、及び半
合成繊維、並びにガラス、カーボン、セラミック、宇部
興産社製のチラノ繊維、ボロン等の無機繊維、鋼、ステ
ンレス鋼、銅等の金属繊維から適宜選択される。
【0028】続いて、摩擦面において水が付着している
湿潤状態における摩擦速度と摩擦係数との関係を調べる
ために行った実験について説明する。
【0029】<実験装置及び方法>実験装置としては、
図3(a)(b)に示すように、ピン−ディスク型の摩擦力測
定装置11を上部から水が滴下できるように改造し、ま
た、下部に水を受ける半円状の受け皿12を設置した。
尚、図3(a)(b)において、13は試料、14はガラスデ
ィスク、15は重錘、16は歪ゲージ、17はリングス
プリング、18は平行リーフスプリング、19は試料ホ
ルダである。
【0030】試料13の大きさは、一辺が3mmの角柱状
とし、水で濡れた状態のガラスディスク14(中心平均
あらさRa 値は0.075μm)と軌道径100mmで摩
擦接触させ、リングスプリング17に貼り付けた歪ゲー
ジ16で摩擦力を測定した。試料13の当たり出しは表
面あらさを粗くして、表面に短繊維を長く起毛させるた
め、耐水研磨紙CC#100(中心平均あらさRa 値が22.
4で、十点平均あらさRz 値が132.4μm)をガラ
スディスク14上に貼り付けて用いた。起毛長さを測定
したところ、略60μmであった。
【0031】試料13としては、メタアラミド短繊維の
充填量を0容量%,3容量%,5容量%,8容量%,1
0容量%と変化させた5種類の短繊維補強ゴムを用い
た。短繊維の長さは3mm、短繊維径は14μm、また、
短繊維を充填する前のゴム基材の配合は次の通りであ
る。
【0032】 クロロプレンゴム(Skyprene R-10,Tosoh Corp. ) 100 PHR カーボンブラックN550 40 DOS(dioctyl sebacate) 5 酸化亜鉛 5 酸化マグネシウム 4 酸化防止剤(ノックラック AD,大内新興(株)) 4 酸化防止剤(ノックラック TD,大内新興(株)) 0.5 そして、上述するゴム配合物に、上述した材料よりなる
短繊維を配合して短繊維配合ゴムを製造した。具体的に
は、まず、上述するゴム配合物に、上述した材料よりな
る短繊維を配合して混練し、この混練したゴム配合物を
ロール又はカレンダにて圧延することにより、短繊維が
圧延方向に配向された厚さ0.5〜1.0mmのシートを
得た。それから、このシートを積層した上でスライスす
るか、あるいは列理方向に巻き付けた後、スライスする
ことにより、厚さ方向に短繊維が配向されたゴム板とし
て短繊維配合ゴムを得た。
【0033】<水濡れ面での摩擦に及ぼす摩擦速度の影
響>図4〜図8に、短繊維配合ゴムの短繊維充填量を変
化させた場合の水濡れ面における影響を、摩擦速度Vと
摩擦係数μとの関係で示した。尚、図4〜図8において
は、摩擦材と相手材との接触圧力Pはそれぞれ0.05
4MPa 、0.108MPa 、0.324MPa 、0.
54MPa 、1.00MPa である。
【0034】図4は接触圧力Pが0.054MPa の場
合について示すが、短繊維を全く配合していないゴム基
材単独の場合は、摩擦速度の上昇に伴い、摩擦係数が減
少することがわかる。このとき、摩擦面は、ストライベ
ック曲線の考えによると、混合潤滑状態にあると考えら
れる。一方、短繊維配合ゴムの場合は、摩擦速度が20
cm/secくらいになるまでは逆に摩擦係数が上昇し、それ
を越えると減少することがわかる。
【0035】即ち、摩擦面での荷重を、起毛した短繊維
がほとんど支持している条件での短繊維配合ゴムの摩擦
力は、乾燥面と水濡れ面とにおいて、ほとんど変わらな
いといえる。一方、短繊維を全く配合していないゴム基
材単独の場合は乾燥面と水濡れ面では摩擦速度の変化に
対し全く逆の異なった挙動を示すことがわかる。
【0036】また、接触圧力Pが増加した0.108M
Pa 、0.324MPa 、0.54MPa においても、
ゴム基材単独の場合には、摩擦速度の変化に対する挙動
は接触圧力Pが0.054MPa の場合と同じ傾向を示
し、いずれも混合潤滑状態であるといえる。一方、短繊
維配合ゴムの場合は、接触圧力Pが増加するに連れて、
摩擦係数の値の上昇度合いが小さくなっていることがわ
かる。また、ピークを示す位置もやや低速側にシフトし
ている。
【0037】これは、接触圧力Pが高いほど、ゴム基材
部分の摩擦面での荷重支持割合が増加し、その部分が水
濡れによる影響を受け易くなることに起因していると考
えられる。また、これらの現象により、短繊維を5容量
%充填した短繊維補強ゴムが水濡れ面において最も摩擦
係数の変動が少ないということもわかる。
【0038】尚、接触圧力P=1.00Mpa の場合に
は、摩擦係数の変動が大きくなるので、接触圧力Pは
1.00MPa 未満とする必要がある。
【0039】また、摩擦面に油が付着した湿潤状態にお
いて、摩擦速度と摩擦係数との関係を調べるたところ
(接触圧力P=0.054Mpa )、図9に示す結果と
なり、油による湿潤状態においても、水による湿潤状態
と同様の結果となることが推測される。
【0040】次いで、上記摩擦材を用いた摩擦装置の一
例として、乗用芝刈機のレバー操作装置に適用した例を
説明する。尚、このような乗用芝刈機は、摩擦速度の変
化が大きく、異物の噛込み等による面圧の変化が大き
く、また、水濡れ状態で使用されることも多いことか
ら、そのような状態での摩擦係数の安定が望まれる。
【0041】図10に示すように、チェンジアーム21
の軸部21aに、フリクションワッシャ22(摩擦材)
をナット23及びナットプレート24とSTGセッティ
ングカラー25との間に挾み、スプリング26を介して
取付けている。
【0042】フリクションワッシャ22(摩擦材)は上
述したゴム配合の基材で短繊維が5容量%配合されてお
り、60μm起毛している。そして、接触圧力P=0.
5MPa で、水に濡れた状態で回転速度(摩擦速度)を
1cm/sec〜10cm/secの範囲で変化させたところ、摩擦
係数の変動率は5%以下で、安定していることが確認さ
れた。
【0043】
【発明の効果】請求項1に係る発明は、上記のように、
摩擦材と相手材との摩擦面での接触圧力が1MPa 以下
で、かつ摩擦速度が10-1cm/sec〜102 cm/secの範囲
において用いているので、湿潤状態において、摩擦速度
の変化に対する摩擦係数の変動を少なくして安定させる
ことができる。
【0044】請求項2に係る発明は、ゴム基材に対し、
短繊維を2〜8容量%配合し、摩擦面において短繊維を
摩擦面に対して略直交する方向に配向し、かつ短繊維を
摩擦面において30μm以上起毛するようにしているの
で、相手材との摩擦面での接触圧力が1MPa 以下で、
かつ摩擦速度が10-1cm/sec〜102 cm/secの範囲にお
いて、湿潤状態において、摩擦材の摩擦係数が安定し、
摩擦速度の変化に対する摩擦係数の安定化が図ることが
できる。
【0045】請求項3に係る発明は、ゴム基材の摩擦面
は表面粗さRa値13.4μm〜31.5μmの研磨材
により研磨しているので、摩擦面における短繊維の起毛
を安定させることができ、湿潤状態において、摩擦面全
体に亘って摩擦係数を、変動を少なくしてを安定させる
ことが可能となる。
【0046】請求項4に係る発明は、摩擦材と相手材と
の摩擦界面での接触圧力が1MPa以下で、かつ摩擦速
度が10-1cm/sec〜10 2cm/secの範囲となるようにし
ているので、湿潤状態において、摩擦速度の変化に対
し、摩擦係数の変動を少なくして安定させることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩擦材の一例を示す平面図である。
【図2】同断面図である。
【図3】実験装置の正面図である。
【図4】水による湿潤状態における摩擦速度と摩擦係数
との関係を示す図である。
【図5】水による湿潤状態における摩擦速度と摩擦係数
との関係を示す図である。
【図6】水による湿潤状態における摩擦速度と摩擦係数
との関係を示す図である。
【図7】水による湿潤状態における摩擦速度と摩擦係数
との関係を示す図である。
【図8】水による湿潤状態における摩擦速度と摩擦係数
との関係を示す図である。
【図9】油による湿潤状態における摩擦速度と摩擦係数
との関係を示す図である。
【図10】本発明の適用例である摩擦装置の一例を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 摩擦材 2 基材(ゴム基材) 2a 表面(摩擦面) 3 短繊維

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム基材に対し所定量の短繊維が配合さ
    れ、相手材との摩擦面において起毛処理が施されると共
    に短繊維が摩擦面に対し略直交する方向に配向されてい
    る摩擦材の使用方法であって、 上記摩擦材を、相手材との摩擦面での接触圧力が1MP
    a 以下で、かつ摩擦速度が10-1cm/sec〜102 cm/sec
    の範囲で用いることを特徴とする摩擦材の使用方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の摩擦材の使用方法におい
    て用いられる摩擦材であって、 ゴム基材に対し、短繊維が2〜8容量%配合されてな
    り、摩擦面において短繊維が摩擦面に対して略直交する
    方向に配向され、かつ短繊維が摩擦面において30μm
    以上起毛されていることを特徴とする摩擦材。
  3. 【請求項3】 摩擦面の起毛処理は、表面粗さRa値1
    3.4μm〜31.5μmの研磨材により研磨すること
    によりなされているところの請求項2記載の摩擦材。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の摩擦材の使用方法におい
    て用いられる摩擦装置であって、 摩擦材と相手材との摩擦面での接触圧力が1MPa 以下
    で、かつ摩擦速度が10-1cm/sec〜10 2cm/secの範囲
    であることを特徴とする摩擦装置。
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WO2003013844A1 (fr) * 2001-08-06 2003-02-20 Daikin Industries, Ltd. Resine moulee, objet en couches, et procedes de production associe
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