JPH08152026A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JPH08152026A
JPH08152026A JP7117623A JP11762395A JPH08152026A JP H08152026 A JPH08152026 A JP H08152026A JP 7117623 A JP7117623 A JP 7117623A JP 11762395 A JP11762395 A JP 11762395A JP H08152026 A JPH08152026 A JP H08152026A
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JP
Japan
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seal member
lubricant
inner ring
bearing
outer ring
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Application number
JP7117623A
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English (en)
Inventor
Shunichi Yabe
俊一 矢部
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑剤を多量に保持し、尚かつその保持力が
高く、長期間にわたり安定した潤滑が維持できるシール
部材を組み込んだ転がり軸受を提供する。 【構成】 転がり軸受は、内輪2と外輪4との間に保持
器7を用いて複数の転動体5を転動自在に所定間隔で保
持し、更にシール部材9を配設して構成される。シール
部材9は、その少なくとも外輪4または内輪2との接触
部、もしくは外輪4または内輪2に近接して配置される
部分が、潤滑剤を10〜80重量%含有する合成樹脂を
成形してなる潤滑剤含有ポリマ部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る転がり軸受は、ハ
ードディスク(HDD)、ビデオテープレコーダ(VT
R)、デジタルオーディオテープレコーダ(DAT)、
レーザビームプリンタ(LBP)等の回転支持部分に組
み込んだ状態で使用される。
【0002】
【従来の技術】各種回転部分を支持する為に、図1に示
す様な転がり軸受の一種である玉軸受が広く使用されて
いる。この玉軸受は、外周面に内輪軌道1を有する内輪
2と、内周面に外輪軌道3を有する外輪4とを同心に配
置し、上記内輪軌道1と外輪軌道3との間に転動体であ
る複数個の玉5,5を転動自在に設ける事で構成されて
いる。上記外輪4の両端部内周面には、それぞれ円輪状
のシール部材6,6の外周縁を係止し、両シール部材
6,6によって、上記玉5,5設置部分に存在するグリ
ースや発生したダスト(発塵)が外部に漏洩したり、或
は外部に浮遊する塵芥がこの設置部分に進入したりする
のを防止している。また、上記複数個の玉5,5は、保
持器7により転動自在に保持されている。この保持器7
は玉5を保持する機能しか有しておらず、玉軸受の潤滑
には潤滑油やグリース等の半固体状潤滑剤が使用され
る。
【0003】一方、シール部材6は、図1に示したよう
な、一端が外輪4に固定されて、他端が内輪2と接触し
ない非接触型構造の他に、図2に示すように一端が外輪
4に固定され、他端が内輪2と接触するゴムのリップ8
を備えた接触型構造がある。非接触型シール部材は、金
属製かあるいは金属を芯金としてゴムを被覆したものが
ある。また、接触型シール部材は、金属を芯金としてゴ
ムを被覆したものである。非接触型シール部材及び接触
型シール部材において、被覆用のゴムとしては、ニトリ
ルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムが一
般的に使用されており、それ自身には自己潤滑性はな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
非接触型シール部材又は接触型シール部材を備えた転が
り軸受には、それぞれ以下のような問題点があった。即
ち、 非接触型シール部材を備えた転がり軸受では、外輪4
及び内輪2の外周面とシール部材6の端面との間に隙間
があり、この部分からグリースが漏出したり、あるいは
外部から軸受内部に異物が侵入したりして軸受寿命を短
くする。 接触型シール部材を備えた転がり軸受では、使用され
るゴム自身に潤滑性がないために、リップ8と外輪4及
び内輪2の外周面との接触による摩擦抵抗が大きく、軸
受回転時にトルク上昇を生起するため、あまり高い回転
数で軸受を回転させることができない。また、リップ8
と外輪4及び内輪2の外周面との間の潤滑は、軸受内部
に充填されたグリースが前記部材の潤滑面に浸入するこ
とによって行われるため、潤滑が不安定である。更に、
リップ8自身が徐々に摩耗するため、リップ8と外輪4
及び内輪2の外周面との間に隙間が生じてシール性が低
下し、その結果軸受内部のグリースが漏出したり、外部
から軸受内部に異物が侵入したりして軸受寿命が短くな
る。 非接触型シール部材及び接触型シール部材を備えた転
がり軸受に共通した問題点として、グリース等の半固体
状潤滑剤を使用するため、該潤滑剤に起因する攪拌抵抗
のために軸受で支持した軸を回転させるために要するト
ルクが大きくなり、しかも回転に伴うのトルク変動も大
きくなる。この様な大トルク、トルク変動、軸受音響発
生は、HDD、VTR、DAT、LBP等に組み込まれ
る内径6mm以下の小径の玉軸受に於いて、実用上大き
な問題となる。
【0005】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、前記ゴムに相当する部分に潤滑剤を多
量に保持し、尚かつその保持力が高く、長期間にわたり
安定した潤滑が維持できるシール部材を組み込んだ転が
り軸受を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る転がり軸受は、内周面に外輪軌道を有
する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、前記外
輪軌道及び前記内輪軌道との間に設けられた複数の転動
体と、複数の前記転動体を転動自在に保持する保持器
と、更に一端が前記外輪または前記内輪に固定されると
ともに、他端が前記外輪または前記内輪と接触もしくは
非接触でかつ近接して配置されるシール部材とを備えた
転がり軸受に於いて、前記シール部材の少なくとも前記
外輪または前記内輪との接触部、もしくは前記外輪また
は前記内輪に近接して配置される部分が、潤滑剤を10
〜80重量%含有する合成樹脂を成形してなる潤滑剤含
有ポリマ部材であることを特徴とする。
【0007】本発明で使用できる合成樹脂としては、高
い吸油性を持つとともに、成形加工に適した材料である
ことが望まれる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、
ポリプロピレンとエチレン・プロピレン非共役ジエン共
重合体との混合物の架橋樹脂組成物、ポリエチレンとポ
リプロピレンとエチレン・プロピレン非共役ジエン共重
合体とからなる混合物の架橋樹脂組成物等のポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂組成物が
好適である。これら熱可塑性樹脂組成物は、後述される
ように射出成形により成形される。従ってポリエチレン
としては、射出成形可能な低分子量から中分子量程度の
もの(分子量10000〜1000000未満)が好適
であり、更に強度向上を目的として超高分子量ポリエチ
レン(1000000〜6000000)を加えてもよ
い。しかしながら、超高分子量ポリエチレンの含有量が
多すぎると、成形原料が溶融した時点で粘度が高くなり
すぎて射出成形できなくなるので、添加量としては全体
の重量に対して10重量%以下が好適である。ポリプロ
ピレンは、その自己分解のしやすさから、超高分子量の
物は存在しない。また、本発明のように10〜80重量
%という多量の潤滑油を含有した状態ではシール部材と
して使用可能な硬さに固化させることができない。その
為、硬度向上を目的として、超高分子量ポリエチレンを
添加する必要がある。
【0008】また、本発明で使用できる合成樹脂とし
て、ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応によ
り生成するポリウレタンも好適である。ポリイソシアネ
ートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート等を使用できる。活性水素化合物
としては、ポリブタジエン等の炭化水素、ポリオキシプ
ロピレン等のポリエーテル、ひまし油、ポリエステル、
ポリカーボネート等の長鎖活性水素化合物、水、エチレ
ングリコール等のポリヒドロキシ化合物、アミノアルコ
ール、ポリアミノ化合物等の短鎖活性水素化合物を使用
できる。
【0009】本発明で用いることのできる潤滑剤は、前
記合成樹脂の種類により異なる。前記ポリオレフィン系
熱可塑性樹脂組成物に好適なものとして、鉱油、オクタ
デシルジフェニルエーテル等のアルキルポリフェニルエ
ーテル油、エイコシルナフタレン等のアルキルナフタレ
ン油、ポリα−オレフィン油などの比較的極性の低い油
を挙げることができる。これは、成形原料の母材となる
ポリオレフィンは極性が低いために、ポリグリコール
油、ポリオールエステル油、エステル油等の極性の高い
潤滑油とは親和性が低いためである。従って、これら極
性の高い潤滑油を多量に保持することが困難であり、実
際に使用しても潤滑油の滲み出しが早く、短時間で潤滑
不良が起こる。しかしながら、潤滑性の向上を目的とし
て、前記の極性の高い潤滑油を全潤滑剤中に30重量%
以下で混合しても使用上問題はない。また、これらの潤
滑剤に予め酸化防止剤、錆止め剤、摩耗防止剤、あわ消
し剤、極圧剤等の各種の添加剤を加えたものを用いても
よい。
【0010】一方、ポリウレタンに好適な潤滑剤として
は、鉱油Li石けんグリース等の通常のグリースを使用
できる。ポリウレタンはポリイソシアネートと活性水素
化合物との反応により生成し、潤滑剤(グリース)をそ
の骨格中に保持した状態で硬化するが、潤滑剤として前
記のような潤滑油を使用すると、反応の進行に伴い潤滑
油との分離が起こり易く好ましくない。これに対してグ
リースはそれ自身ちょう度を有するために、硬化に際し
てポリウレタンとの分離が少なく、保持状態が良好とな
る。また、グリースには前記潤滑油と同様の添加剤を配
合してもよい。
【0011】本発明に係るシール部材は、前記合成樹脂
と前記潤滑剤とを混合してなる成形原料を所望の形状に
成形することにより得られる。成形方法は、合成樹脂の
種類により異なる。ポリオレフィン樹脂及びポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーの場合は射出成形が好適で
あり、樹脂と潤滑剤である潤滑油とを混合してなる成形
材料を射出成形機を用いて成形することで、所望の形状
のシール部材が得られる。射出成形用成形原料の調製
は、先ず、前記配合割合で潤滑剤中に合成樹脂、並びに
必要に応じて各種添加物を加えて均一に混合し、該混合
物を合成樹脂の融解温度以上の温度で一様に溶解させ
る。その後冷却して、合成樹脂が固化し始めた時点で粉
砕機を用いて均一なペースト状あるいは粉末状の混合物
とすることにより成形原料が得られる。尚、潤滑剤と合
成樹脂とを混合する際に、潤滑剤の種類によっては、所
定量の合成樹脂を一度に加えると、両者が均一に混合し
ないことがある。その場合には、合成樹脂を複数回にわ
たり潤滑剤と混合させる。例えば、最初に全配合量の1
0〜40重量%程度を潤滑剤に混合して加熱溶解し、冷
却により固化し始めた時点で残部を添加して粉砕機を用
いて均一なペースト状あるいは粉末状の混合物とするこ
ともできる。また、合成樹脂は、ペースト状あるいは粉
末状にする際の容易さから、粉末状であることが好まし
い。成形条件は特に制限されず、潤滑剤を含有しない場
合と同様で構わない。
【0012】これに対してポリウレタンの場合は、ポリ
ウレタンの反応前駆体であるポリイソシアネートと活性
水素化合物との混合物に、潤滑剤であるグリースを配合
してグリース状原料を調製し、前記原料を金型に注入し
て加熱するか(注型成形)、前記原料の調製と成形とを
一体化したRIM成形することでシール部材が得られ
る。尚、ポリイソシアネートは、原料調製上液状である
ことが好ましい。使用される金型やRIM成形機、また
成形条件は特に制限されず、潤滑剤を含有しない場合と
同様で構わない。
【0013】これら成形原料の配合割合は、ポリオレフ
ィン樹脂及びポリオレフィン系熱可塑性エラストマー及
びポリウレタンの場合とも、全重量に対して合成樹脂2
0〜90重量%、潤滑剤10〜80重量%、更には合成
樹脂60〜80重量%、潤滑剤20〜40重量%である
ことが好ましい。成形原料の潤滑剤の配合割合がそのま
まシール部材の潤滑剤含有量となるために、成形原料の
潤滑剤の配合割合が10重量%未満の場合には、絶対的
に潤滑剤の量が不足し、シール部材から供給される潤滑
剤が早期に枯渇して軸受の耐久性を損なう。反対に80
wt%を超える場合は、シール部材として実用上必要な
機械的強度を確保するのが難しくなる。
【0014】前記成形原料には、シール部材の機械的強
度の補強や、成形性向上の目的で下記のような充填材を
添加してもよい。例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、チタン酸カリウムウィスカーやホウ酸アルミニ
ウムウィスカー等の無機ウィスカー類、あるいはガラス
繊維やアスベスト、金属繊維等の無機繊維類及びこれら
を布状に編組したもの、また有機化合物では、カーボン
ブラック、黒鉛粉末、カーボン繊維、アラミド繊維やポ
リエステル繊維、あるいはポリイミドやポリベンゾイミ
ダゾール等の各種熱硬化性樹脂を添加することができ
る。更に、合成樹脂の熱による劣化を防止する目的で、
N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,
2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)等の老化防止剤を添加してもよい。これらの添
加量としては、成形原料全量の20重量%以下であるこ
とが、潤滑性の面で好ましい。
【0015】そして、以上の成形方法により、成形原料
が合成樹脂の骨格中に潤滑剤を取り込んだ状態で固化ま
たは硬化し、成形原料の潤滑剤の配合割合がそのまま維
持された成形品(シール部材)が得られる。本発明に係
る転がり軸受は、上記の如く得られた潤滑油含有ポリマ
部材からなるシール部材を付設して完成する。以下に転
がり軸受の一種である玉軸受を例にして、好ましい実施
態様を示す。
【0016】図3に示される玉軸受は、内輪2と外輪4
との間に保持器7により複数の玉5を回動自在に保持す
るとともに、シール部材9を外輪4に固定して構成され
る。シール部材9は、金属を短冊状に加工し、端部にカ
シメ部10を設けた芯金11を潤滑油含有ポリマ部材で
被覆するように一体に成形したものである。一体化に際
して、芯金11に複数個の通孔13を設け、潤滑油含有
ポリマ部材となる成形原料を通孔13に流入させた状態
で固化させることにより、シール部材9の芯金11から
の離脱を防止できる。シール部材9は、芯金11のカシ
メ部10を外輪4に設けられた溝12に嵌入することに
より軸受に固定される。また、シール部材9の内輪2側
端部は、内輪2の内面外側端縁に周設された段部14と
当接しており、軸受回転時にシール部材9から潤滑剤が
滲み出して段部14とシール部材9との間の潤滑を行
う。潤滑剤は徐々に滲み出るため、安定した潤滑作用が
長期に亘って得られる。
【0017】上記玉軸受において、図4に示されるよう
に、シール部材9をその内輪側端部が、内輪2の段部1
4に当接しないまでも極めて近接するように配置するこ
ともできる。このような構造においては、シール部材9
と段部14との間に隙間が生じることになるが、シール
部材9から滲み出た潤滑剤が油膜となって前記隙間を密
封してシール性を確保する。また、シール部材9と内輪
2とが接触しないためにシール部材9の摩耗が無くな
り、軸受寿命が長くなる。尚、シール部材9と芯金11
との一体化に際して、図示される玉軸受では、芯金11
に通孔13(図3参照)の代わりに突起15を設け、成
形原料と一体成形することでシール部材9の離脱を防止
している。
【0018】図5に示される玉軸受は、固定ピン16を
用いてシール部材9を固定したものである。外輪4には
内輪2方向に貫通する貫通孔17が穿設されており、固
定ピン16は貫通孔17を通じて芯金11を固定する。
シール部材9と芯金11とは、芯金11に突起15を設
けるとともに、シール部材9に対応する凹部を設けて両
者を接合することにより一体化されている。シール部材
9の内輪側端部は内輪2と当接しており、軸受回転時に
シール部材9から潤滑剤が滲み出して内輪2とシール部
材9との間の潤滑を行う。
【0019】図6に示される玉軸受は、図5に示された
玉軸受において、芯金11を省略して固定ピン16によ
りシール部材9を外輪4に直接固定したものである。シ
ール部材9は、図5に示された玉軸受と同様に、その内
輪側端部が内輪2と当接しており、軸受回転時にシール
部材9から潤滑剤が滲み出して内輪2とシール部材9と
の間の潤滑を行う。
【0020】図7に示される玉軸受は、一端にカシメ部
10を備え、他端が略直角に屈曲した芯金11を用いて
シール部材9を固定したものである。シール部材9は芯
金11の屈曲部19が挿通されており、更にガータスプ
リング18により内輪2の内面外側端縁に周設された段
部14の底面に押しつけられるように固定される。そし
て、芯金11のカシメ部10を外輪4の溝12に嵌入す
ることで、シール部材9が外輪4に固定される。また、
芯金11の屈曲部19には通孔13が穿設されており、
成形原料を通孔13に流入させた状態で固化させること
で、シール部材9の芯金11からの離脱を防止する構造
となっている。シール部材9から滲み出た潤滑剤によ
り、シール部材9と内輪2との間の潤滑がなされる。
【0021】図8に示される玉軸受は、弾性部材20に
よりシール部材9を玉5方向に押圧して固定したもので
ある。外輪4及び内輪2には、それぞれの内面外側端縁
に断面L字状の段部21、22が周設されており、段部
21、22で形成される空間内に輪状のシール部材9が
装着される。シール部材9の外側には弾性部材20が配
設され、更に弾性部材20の外側には板シール23が配
設される。弾性部材20は、例えば皿バネを使用するこ
とができ、図示は省略される軸と平行な方向(図中左右
方向)に弾性的に伸縮する。板シール23はその一端に
形成されたカシメ部10により外輪2に固定されてお
り、従って弾性部材20の付勢力は玉5方向に生起し、
シール部材9を玉5方向に押圧する。シール部材9は内
輪2及び外輪4の段部21、22と当接しており、潤滑
は内輪2と外輪4の両者の間で行われる。
【0022】図9に示される玉軸受は、シール部材9を
スプリング24を使用して内輪2方向に押圧するととも
に、外側に止め輪25を配設して固定したものである。
シール部材9にはその外輪4側周端から軸受中心に向か
う筒状の中空孔が穿設されており、その内部にスプリン
グ24が収納される。外輪4及び内輪2には、それぞれ
の内面外側端縁に断面L字状の段部21、22が周設さ
れており、段部21、22で形成される空間内にシール
部材9が装着される。シール部材9はスプリング24に
より軸受中心方向に押圧され、更にその外側に設けられ
た止め輪25により軸受から離脱しないように保持され
ている。シール部材9はその内輪側端部が内輪2の段部
22と当接しており、シール部材9から滲み出た潤滑剤
が内輪2とシール部材9との間の潤滑を行う。
【0023】図10に示される玉軸受は、シール部材9
をスプリング26を使用して玉5方向に押圧するととも
に、外側に取付板27を配設して固定したものである。
内輪2は外輪4よりも幅広で、その内面外側端縁に断面
L字状の段部28が周設されている。シール部材9は外
輪4の外側に配設され、更にシール部材9の外側には取
付板27が配設される。取付板27は、そのシール部材
9側に設けられた凹部29にスプリング26を収容する
とともに、ネジ30により外輪4に取り付けられる。シ
ール部材9は、スプリング26により玉5方向に押圧さ
れるとともに、取付板27により軸受から離脱しないよ
うに保持される。シール部材9は内輪2の段部28と外
輪4の外側面とに当接しており、潤滑は内輪2と外輪4
の両者の間で行われる。
【0024】これらのシール部材9の固定構造は、用途
や設計に応じて適宜選択される。また、図3、図5及び
図6に示されるようなシール部材9が内輪2と当接する
構造の玉軸受において、シール部材9を内輪2と当接し
ない非接触型構造とすることも可能である。更に、シー
ル部材9は外輪4側に固定される他、内輪2側に固定さ
れてもよい。
【0025】また、以上の如く得られた玉軸受を、潤滑
油あるいは潤滑油を適当な揮発性有機溶媒で適当な濃度
に希釈した液に浸漬し、軸受表面に一様な油膜を形成さ
せるオイルプレーティングを行ってもよい。オイルプレ
ーティング用潤滑油としては、成形原料に含有される潤
滑油と同一でもよいし、異なっていてもよい。具体的に
は、2−エチルヘキシルセバケートのようなエステル
油、鉱油、ポリα−オレフィン油、アルキルジフェニル
エーテル油等が適当である。また、オイルプレーティン
グ用潤滑油に、防錆剤としてバリウムスルホネートやカ
ルシウムスルホネート等を3〜6重量%、酸化防止剤と
して2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等
を1〜2重量%、さらに油性向上剤としてオレイン酸や
リン酸トリクレジル等を2〜7重量%を添加して、内部
防錆性や潤滑性を向上させることができる。
【0026】
【作用】本発明によれば、シール部材の少なくとも内・
外輪との接触部分が、多量の潤滑剤をその骨格中に取り
込んだ状態で固化あるいは硬化した合成樹脂からなる潤
滑剤含有ポリマ部材でり、それ自身潤滑性を有する。従
って、接触型シール部材として用いた場合、潤滑の不安
定を解消するとともに、シール部材と軸受との接触部分
における摩擦抵抗が低減して軸受回転時のトルク上昇が
抑制され、もって高い回転数で軸受を回転させることが
可能となる。また、シール部材の摩耗も軽減されるため
に、軸受内部に充填されたグリースが漏出したり、外部
から軸受内部に異物が侵入したりすることがなく、軸受
寿命が長くなる。また、非接触型シール部材として用い
た場合でも、シール部材から潤滑剤が滲み出してシール
部材と外輪及び内輪の外周面との隙間に潤滑剤の油膜を
形成してシール性を発現する。その結果、グリースの漏
出や外部から軸受内部への異物の侵入が無くなり、軸受
寿命が長くなる。更に、成形に際して合成樹脂がその骨
格中に潤滑剤を取り込んだ状態で固化、硬化するため
に、成形品は成形原料の当初の潤滑剤含有量を維持した
状態で得られる。従って、成形品は、潤滑剤含有量の制
御が可能であるとともに、含有量そのものを高めること
ができ、また潤滑油中に浸漬して含油させたもののよう
に表面近傍のみに潤滑油が豊富に存在する構造とは異な
り、潤滑油の滲み出しが緩やかであり、高いシール性を
長期間に亘り維持して軸受の長寿命化を実現できる。こ
のように、本発明による、上記シール部材を組み込んだ
転がり軸受は潤滑特性に優れ、回転に要するトルク、そ
のトルク変動、軸受音響の何れもが小さくなる。しか
も、シール部材が含有する潤滑剤が長時間にわたって滲
み出すので、長時間に亘って良好な潤滑が行われ、優れ
た耐久性が得られる。
【0027】
【実施例】
○実施例1 超高分子量ポリエチレン〔三井石油化学工業(株)製、
ミペロンXM220〕1.5g、低分子量ポリエチレン
〔三菱油化(株)製、PZ50U〕7.0g及びパラフ
ィン系鉱油〔日本石油(株)製、FBKRO100〕3
0.0gを、ニーダーを用いて150℃で加熱しながら
混合して均一に相溶させた後、放冷して固化させた。そ
して、得られた固形物と、前記の超高分子量ポリエチレ
ン7.5g及び低分子量ポリエチレン54.0gとを粉
砕機に移し、粉砕混合して均一な粉末状の成形原料Aを
得た。尚、成形原料Aの潤滑剤含有率は、30重量%で
あった。この成形原料Aを射出成形機により成形して、
潤滑剤含有ポリマからなる試験片を得た。得られた試験
片の潤滑剤含有率は28.5〜29.5重量%であり、
前記成形原料Aの潤滑剤含有率がほぼ維持されていた。
また、成形原料Aを射出成形機を用いて芯金一体型で、
潤滑剤含有ポリマ部材からなるシール部材を成形し、内
径5mm、外径13mm、幅4mmのミニアチュア玉軸
受に組み込んで試験軸受を作製した。尚、試験軸受の完
成状態は、図3に示す通りである。
【0028】○実施例2 ポリエステルポリオール〔日本ポリウレタン工業(株)
製、ニッポラン4032〕と、2,4−トルレンジイソ
シアネートと2,6−トルレンイソシアネートとの混合
物(混合比65:35)〔日本ポリウレタン工業(株)
製、コロネートT−65〕とを混合したもの100g、
鉱油Li石けんグリース〔昭和シェル(株)製、アルバ
ニアグリースNo.2〕100gからなる成形原料Bを
適当な金型中で加熱し、硬化一体化させて試験片を得
た。得られた試験片の潤滑剤含有率は49重量%であ
り、成形原料Bの潤滑剤の配合比率50重量%がほぼ維
持されていた。適当な金型中で加熱することで実施例1
と同様に芯金一体型で、潤滑剤含有ポリマ部材からなる
シール部材を成形するとともに、実施例1と同様のミニ
アチュア玉軸受に組み込んで試験軸受を作製した。
【0029】○比較例1 実施例1のミニアチュア玉軸受のシール部材に代えて、
図1に示されるような従来の非接触型のシール部材を組
み込み、更に潤滑剤としてアルバニアグリースNo.2
〔鉱油Li石けん系グリース、昭和シェル(株)〕を1
5mg充填して試験軸受を作製した。
【0030】○比較例2 実施例1のミニアチュア玉軸受のシール部材に代えて、
図2に示されるような接触型のゴムシール部材を組み込
み、更に比較例1と同様のグリースを充填して試験軸受
を作製した。
【0031】〔回転トルク測定〕上記各試験軸受に関し
て、回転トルクを測定した結果を図11に示す。図11
より明らかなように、実施例1及び実施例2(本発明)
の試験軸受は、回転トルクの絶対値が小さいばかりでな
く、その変動も非常に小さくなっており、安定した回転
が得られることがわかる。
【0032】〔音響特性測定〕上記各試験軸受を、予圧
を2kgf付与した状態で、内輪を3600r.p.
m.の回転数で回転させた時に発生する音響を測定し
た。測定結果を、図12に示す。図12において、縦軸
は軸受の音響特性に関して一般的に使用されているアン
デロン値であり、各線の上端は発生した音響の最大値
を、下端は最小値を、中間の黒点は平均値を、それぞれ
表わしている。図12より明らかなように、実施例1及
び実施例2(本発明)の試験軸受は、優れた音響特性を
有することがわかる。
【0033】以上の試験結果より、本発明に係る転がり
軸受は、回転トルク及びトルク変動が小さく、また音響
特性にも優れていることが確認された。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シール部材の少なくとも内・外輪との接触部分が、多量
の潤滑剤をその骨格中に取り込んだ状態で固化あるいは
硬化した合成樹脂からなる潤滑剤含有ポリマ部材であ
り、それ自身潤滑性を有する。従って、接触型シール部
材として用いた場合、潤滑の不安定を解消するととも
に、シール部材と軸受との接触部分における摩擦抵抗が
低減して軸受回転時のトルク上昇が抑制され、もって高
い回転数で軸受を回転させることが可能となる。また、
シール部材の摩耗も軽減されるために、軸受内部に充填
されたグリースが漏出したり、外部から軸受内部に異物
が侵入したりすることがなく、軸受寿命が長くなる。ま
た、非接触型シール部材として用いた場合でも、シール
部材から潤滑剤が滲み出してシール部材と外輪及び内輪
の外周面との隙間に潤滑剤の油膜を形成してシール性を
発現する。その結果、グリースの漏出や外部から軸受内
部への異物の侵入が無くなり、軸受寿命が長くなる。更
に、成形に際して合成樹脂がその骨格中に潤滑剤を取り
込んだ状態で固化、硬化するために、成形品は成形原料
の当初の潤滑剤含有量を維持した状態で得られる。従っ
て、成形品は、潤滑剤含有量の制御が可能であるととも
に、含有量そのものを高めることができ、また潤滑油中
に浸漬して含油させたもののように表面近傍のみに潤滑
油が豊富に存在する構造とは異なり、潤滑油の滲み出し
が緩やかであり、高いシール性を長期間に亘り維持して
軸受の長寿命化を実現できる。このように、本発明によ
る、上記シール部材を組み込んだ転がり軸受は潤滑特性
に優れ、回転に要するトルク、そのトルク変動、軸受音
響の何れもが小さくなる。しかも、シール部材が含有す
る潤滑剤が長時間にわたって滲み出すので、長時間に亘
って良好な潤滑が行われ、優れた耐久性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の非接触型シール部材を備える玉軸受の一
例を示す断面図。
【図2】従来の接触型ゴムシール部材を備える玉軸受の
従来例を示す断面図。
【図3】本発明に係るシール部材を備える玉軸受の一例
を示す断面図。
【図4】本発明に係るシール部材を備える玉軸受の他の
例を示す断面図。
【図5】本発明に係るシール部材を備える玉軸受の他の
例を示す断面図。
【図6】本発明に係るシール部材を備える玉軸受の他の
例を示す断面図。
【図7】本発明に係るシール部材を備える玉軸受の他の
例を示す断面図。
【図8】本発明に係るシール部材を備える玉軸受の他の
例を示す断面図。
【図9】本発明に係るシール部材を備える玉軸受の他の
例を示す断面図。
【図10】本発明に係るシール部材を備える玉軸受の他
の例を示す断面図。
【図11】回転トルクの測定値を示す線図。
【図12】音響特性の測定値を示す線図。
【符号の説明】 1 内輪軌道 2 内輪 3 外輪軌道 4 外輪 5 玉 6 シール部材 7 保持器 8 リップ 9 シール部材(潤滑剤含有ポリマ製) 10 カシメ部 11 芯金 16 固定ピン 20 弾性部材 23 板シール 24 スプリング 25 止め輪 27 取付板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周
    面に内輪軌道を有する内輪と、前記外輪軌道及び前記内
    輪軌道との間に設けられた複数の転動体と、複数の前記
    転動体を転動自在に保持する保持器と、更に一端が前記
    外輪または前記内輪に固定されるとともに、他端が前記
    外輪または前記内輪と接触もしくは非接触でかつ近接し
    て配置されるシール部材とを備えた転がり軸受に於い
    て、 前記シール部材の少なくとも前記外輪または前記内輪と
    の接触部、もしくは前記外輪または前記内輪に近接して
    配置される部分が、潤滑剤を10〜80重量%含有する
    合成樹脂を成形してなる潤滑剤含有ポリマ部材であるこ
    とを特徴とする転がり軸受。
JP7117623A 1994-09-26 1995-04-20 転がり軸受 Pending JPH08152026A (ja)

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