JPH08152019A - ローラ - Google Patents

ローラ

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JPH08152019A
JPH08152019A JP29494094A JP29494094A JPH08152019A JP H08152019 A JPH08152019 A JP H08152019A JP 29494094 A JP29494094 A JP 29494094A JP 29494094 A JP29494094 A JP 29494094A JP H08152019 A JPH08152019 A JP H08152019A
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JP
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roller
oil
layer
fixing
toner
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JP29494094A
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English (en)
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Masaaki Oya
昌章 大矢
Daisuke Sakai
大介 酒井
Shigetoshi Kusaka
成利 日下
Yoshiaki Kanekura
嘉昭 金倉
Shuji Kon
修二 今
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 最外層がシリコーンオイルの濡れ性に優れて
いるうえに、トナー離型性が良好でローラ表面が汚染さ
れにくく、フルカラー用などの定着ローラとして、ある
いはオイル塗布ローラとして好適するローラを提供す
る。 【構成】 本発明のローラにおいては、PTFEやPF
Aのようなフッ素系ポリマーからなる最外層の表面が、
スパッタエッチングにより粗面化され多数の微細な凹凸
を有している。このような最外層は、フッ素系ポリマー
のチューブを被覆することにより形成することができ、
最外層とローラ芯金との間には、シリコーンゴムやフッ
素ゴム等の耐熱弾性層を設けることが望ましい。本発明
のローラは、表面にフューザーオイル(シリコーンオイ
ル)を供給塗布され、電子式複写機の定着ローラやオイ
ル塗布ローラ等として使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はローラに係わり、特に、
電子写真方式の複写機やプリンタ等の定着ローラ、ある
いはそのような定着ローラにフューザーオイルを供給す
るオイル塗布ローラとして好適するゴム・プラスチック
被覆ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真方式の複写機やプリ
ンタ等の画像形成装置において、未定着トナー画像を画
像支持体(複写紙)上に定着する定着部には、図2に示
すように、内部に熱源を有する定着ローラ1と加圧ロー
ラ2とが平行に接触配置されており、互いに圧接回転す
るこれら2本のローラ1、2のニップ部3を通過させる
ことで、感光体(図示せず。)から複写紙4上に転写さ
れたトナー5を熱融着し固定する方式(ヒートローラ方
式)が採られている。
【0003】そして、この方式においては定着ローラ1
表面にトナー5が直接接触することになるため、定着ロ
ーラ1の表面材料として、フッ素系樹脂、フッ素系ゴ
ム、シリコーンゴム等の離型性に優れた耐熱性ポリマー
が常用されている。
【0004】因みに、被覆層側から見た離型性を判断す
る指標として、臨界表面張力γc があり、この値γc が
小さいほど離型性が良いといえる。そして、各ポリマー
の臨界表面張力γc は表1に示すようになり、この表か
ら予想されるように、ローラの表面材料としてのポリマ
ー自体の離型性は、 PTFE≧PFA>フッ素ゴム、シリコーンゴム の順に優れていると考えられる。なお、PTFEはポリ
テトラフルオロエチレンを示し、PFAはパーフルオロ
アルコキシビニル重合体を示す。
【0005】
【表1】 実際に、従来のモノクロ用定着ローラの表面材料として
は、離型性、物理的強度、耐熱性および寿命等の点か
ら、PTFEやPFAのようなフッ素系ポリマーが使用
されている。しかし、カラー複写機に使用される高画質
用フルカラートナーは、モノクロトナーに比べて低融点
で、溶融粘度が低いバインダー樹脂(線状ポリエステル
等)を含んでおり、さらにフルカラー画像はモノクロ画
像に比べてトナー量が多いので、トナーがローラ表面に
付着し易いという問題があった。
【0006】すなわち、モノクロ定着に適した最外層が
前記フッ素系ポリマーからなるローラを用いてフルカラ
ー定着を行うと、溶融したフルカラートナーの内部凝集
力が小さいため、モノクロ定着においては成立した理想
的な定着条件 ローラ表面とトナーとの付着力<溶融トナーの内部凝集
力≦トナーと紙との付着力 が成立せず、 ローラ表面とトナーとの付着力≧溶融トナーの内部凝集
力≦トナーと紙との付着力 の関係となる。そして、トナーの凝集破壊により、ロー
ラにトナーが付着するいわゆるホットオフセットが発生
する。
【0007】そこで、フルカラートナーの定着において
は、前記ホットオフセットを防止するため、ローラ表面
に、離型剤としてシリコーンオイル等のフューザーオイ
ルを多量に塗布し、溶融トナーの内部凝集力よりもさら
に弱い凝集力を有するフューザーオイルを界面に介在さ
せ、この介在層の凝集破壊によって離型するというメカ
ニズムが考えられる。なお、フューザーオイルとして
は、耐熱性に優れていること、粘度の温度依存性が小さ
く塗布量のコントロールがし易いこと、生理的に不活性
で安全であること等の理由で、シリコーンオイル(ジメ
チルシリコーンオイル)が広く使用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た最外層がPTFEやPFAのようなフッ素系ポリマー
からなる定着ローラにおいては、次のような問題点があ
った。すなわち、このようなローラの表面にシリコーン
オイルを塗布してフルカラー定着を行うと、シリコーン
オイルの表面張力より小さい臨界表面張力を有するフッ
素系ポリマーの表面では、シリコーンオイルの濡れが不
十分であるため、オフセットが発生したり、あるいはシ
リコーンオイルが紙等の画像支持体に付着して汚れが発
生していた。また、フューザーオイルとして、フッ素系
ポリマーとの濡れ性に優れたフッ素系のオイルを使用す
ることも提案されているが、フッ素系オイルは、それ自
体高価であるばかりでなく、粘度の温度依存性が大きく
塗布量のコントロールが難しい等の理由で好ましくな
い。このように、フューザーオイルとしてシリコーンオ
イルを使用し、良好なフルカラー定着を行うことができ
るローラが要求されているが、未だ開発されていないの
が現状であった。
【0009】さらに、図2に示すようなヒートローラ方
式の定着部においては、定着ローラの表面にフューザー
オイルを供給するために、オイル塗布ローラが使用され
ている。すなわち、定着ローラの表面にシリコーンオイ
ルのようなフューザーオイルを供給する方法としては、
ローラ塗布方式とフェルト塗布方式があり、ローラ塗布
方式においては、図3に示すように、オイルパン6から
汲上げローラ7により汲み上げられたフューザーオイル
8が、汲上げローラ7並びに定着ローラ1と反対方向に
接触的に回転するオイル塗布ローラ9により、定着ロー
ラ1の表面に転写塗布されるようになっている。なお、
図中符号10はレベリングブレードを示している。そし
て、このようなオイル塗布ローラ9としては、芯金上に
シリコーンゴム層が設けられたローラが使用されてお
り、かつ使用の際に最外シリコーンゴム層がフューザー
オイル(シリコーンオイル)により膨潤し外径が変化す
るのを抑えるために、予めシリコーンゴム層をフューザ
ーオイルにより十分膨潤させた後円筒状に研削し外径仕
上げしたものが用いられている。
【0010】しかし、このようなローラにおいては、予
めシリコーンゴム層をフューザーオイルにより膨潤させ
る工程に、例えば40時間以上(ゴム厚 2mm、ゴム硬度40
のシリコーンゴム層を実用上問題のなレベルまで膨潤さ
せるのに要する時間)と極めて長時間を要するという問
題があった。また、前記した定着ローラと同様に、最外
層として耐シリコーンオイル性に優れたフッ素系ポリマ
ー層を設けることも考えられるが、そのようなローラで
は、フッ素系ポリマー表面でのシリコーンオイルの濡れ
が不十分であるため、ローラ表面でフューザーオイルが
均一に保持されない。そのため、オイル塗布ローラから
定着ローラへのフューザーオイルの供給が不安定とな
り、オフセットが発生し易く定着ローラの性能が十分に
発揮されないという問題があった。
【0011】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたもので、最外層がフューザーオイルとして使用
するシリコーンオイルの濡れ性に優れているうえに、ト
ナー離型性が良好でローラ表面が汚染されにくく、フル
カラー用などの定着ローラとして、あるいは定着ローラ
にフューザーオイルを供給するオイル塗布ローラとして
好適するローラを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、安価で高
性能なフルカラー用定着ローラ等を開発するために、フ
ューザオイルを使用したトナー離型のメカニズムを考察
し、疎水發油性のフッ素ポリマー表面をシリコーンゴム
レベルの疎水親油性に改質する技術を鋭意研究した結
果、本発明を完成した。
【0013】すなわち本発明のローラは、最外層がフッ
素系ポリマーからなり、かつ前記最外層表面がスパッタ
エッチングによる微細な凹凸を有することを特徴とす
る。
【0014】本発明において、最外層を構成するフッ素
系ポリマーとしては、通常ゴム・プラスチックローラの
被覆として使用されている公知のフッ素系樹脂またはフ
ッ素系エラストマーを、全て使用することができる。好
ましいフッ素系ポリマーとしては、テトラフルオロエチ
レンのホモポリマーまたはコポリマー、クロロトリフル
オロエチレンのホモポリマーまたはコポリマー、フッ化
ビニルのホモポリマーまたはコポリマー、フッ化ビニリ
デンのホモポリマーまたはコポリマー等があり、これら
の中でも特にテトラフルオロエチレン、パーフルオロア
ルコキシビニルエーテル等のモノマーを含むポリマーが
有用である。
【0015】本発明において、このようなフッ素系ポリ
マーからなる最外層の表面処理に用いるスパッタエッチ
ングは、低圧(10-2〜10-3Torr)下でのグロー放電で生
じた正イオン(カチオン)の衝撃により、陰極側物質の
構成分子や原子が叩き出される現象をいう。本発明にお
いては、フッ素系ポリマーがスパッタエッチングされる
ことで、表面にμm からサブμm レベルの微細な凹凸が
密に形成されるが、表面の脱フッ素化や化学変化(C−
H、C−O結合の導入)が少なく、耐熱性等の低下がほ
とんど生じない。これに対し、フッ素系ポリマーにプラ
ズマ処理の一種であるコロナ放電処理を行った場合に
は、表面が粗面化され表面張力が増大するとともに、高
速の電子(コロナ電子)により表面の結合が破壊(脱フ
ッ素化)されてフリーラジカルが多く生成するので、表
面の酸化が進行する。そして、酸化の進行により、フュ
ーザーオイル(シリコーンオイル)等に対する濡れ性が
向上するが、トナー離型性および耐久性は、本発明のス
パッタエッチングにより粗面化を行ったローラに比べ
て、劣るものと考えられる。
【0016】本発明において、前記したフッ素系ポリマ
ーからなる最外層を形成するには、芯金上に直接または
他の被覆層を介して、フッ素系ポリマーのディスパージ
ョン、ラテックス、粉体等を塗布、焼成させる方法や、
押出し成形されたチューブを芯金または被覆層の表面に
被せ溶融、焼成させる方法など、公知の方法を採用する
ことができるが、作業性や得られるローラの性能の点
で、予め成形されたチューブを被せる方法を採ることが
望ましい。そして、フッ素系ポリマーのディスパージョ
ン等を塗布、焼成して最外層を形成した場合は、被覆後
のフッ素系ポリマー層の表面をスパッタエッチングによ
り粗面化するが、押出成形されたチューブを被覆してロ
ーラとする場合は、チューブの外周面を予めスパッタエ
ッチング処理してから被覆しても良いし、あるいはチュ
ーブを最外層として被覆した後その表面をスパッタエッ
チング処理しても良い。さらに、このようなフッ素系ポ
リマーからなる最外層の厚さは、ローラの用途や後述す
る耐熱弾性層の有無によっても異なるが、定着ローラと
しての使用では、30〜 100μm より好ましくは50μm程
度とする。
【0017】また本発明では、このようなフッ素系ポリ
マーからなる最外層の下層に、シリコーンゴム、フッ素
ゴム等からなる耐熱弾性層を設けることが望ましい。特
に、フルカラートナー用の定着ローラとして使用する場
合には、ニップを大きくし排紙性と高画質化を達成する
ために、図1に示すように、芯金11外周面に前記した
耐熱弾性層12を設け、その上に表面がスパッタエッチ
ングにより粗面化されたフッ素系ポリマーの層13を設
けた構造とすることが望ましい。また、耐熱弾性層とし
てシリコーンゴム層を有するローラをオイル塗布ローラ
として使用する場合には、この中間弾性層のオイルによ
る膨潤を防ぐために、ローラ端部を耐油性材料によりシ
ーリングすることが望ましい。
【0018】本発明のローラは、電子写真複写機等の定
着部の定着ローラとして用いても良いが、同定着部のト
ナー画像と直接には接触しないローラ、いわゆる加圧ロ
ーラとして使用することができるのは勿論である。ま
た、定着ローラとしての使用では、モノクロトナー定着
用のローラとして当然使用することができるが、フルカ
ラートナーの定着ローラとしても好適している。さら
に、同様な電子写真複写機等の定着部において、定着ロ
ーラの表面にフューザーオイルを供給するためのオイル
塗布ローラとしても使用することができる。なお、これ
らの用途への使用において、ローラ表面に供給塗布され
るフューザーオイルは、高価な変性シリコーンオイルや
フッ素系オイルである必要がなく、汎用のジメチルシリ
コーンオイルの使用が適している。
【0019】
【作用】本発明のローラにおいては、最外層として、表
面がスパッタエッチングにより粗面化されたフッ素系ポ
リマーの層が設けられているので、ローラ表面にフュー
ザーオイルとしてシリコーンオイルを塗布すると、オイ
ルの濡れ性が良く薄いフューザーオイルの層が表面に均
一に形成される。したがって、オイル塗布ローラとして
の使用では、このオイル層を定着ローラに安定して供給
することができる。また定着ローラとしての使用では、
トナーとの離型性が向上する。特に、粘着性の高いフル
カラートナーの定着においては、ローラ表面に均一に形
成されたフューザーオイル層が離型剤層として有効に働
き、フューザーオイルの凝集破壊という理想的な剥離が
起こるので、フルカラートナーのローラへの付着が生じ
ず、トナー定着率が大幅に向上する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0021】まず、フッ素系ポリマーとしてパーフルオ
ロアルコキシ重合体(PFA)を選択し、このポリマー
からなるシート状試料と、PFAにカーボンブラックま
たはシリコーンオイルを添加した組成物からなる試料、
およびPFAからなる試料の表面を、ケミカルエッチン
グ、スパッタエッチング(気圧10-2〜10-3Torr、放電電
力密度 4W/cm2 、30秒間)、あるいはコロナ放電処理
(50℃、40Kv、 1秒間)によりそれぞれ改質した試料を
それぞれ用意した。次いで、これらの試料シートに対し
て、それぞれジメチルシリコーンオイル( 100cs)の接
触角測定を行った。また、各試料シートにジメチルシリ
コーンオイルを塗布し、ワイパーで軽く拭き取った後の
表面を光学顕微鏡 200倍で観察し、シリコーンオイルの
濡れ性を評価した。これらの測定結果を表2に示す。
【0022】
【表2】 以上の測定結果から、表面をケミカルエッチングするか
スパッタエッチングする、あるいはコロナ放電処理する
ことにより、PFAシートのシリコーンオイル濡れ性
が、シリコーンゴム並みに改善されることがわかった。
【0023】次に、トナーとの離型性を調べるために、
下記のサンプルローラを試作して実験を行った。
【0024】実施例 アルミニウム製円筒状金具(内径46mm、外径56mm)の両
端部を除く外周面に、硬さ30°( JIS A)のシリコーン
ゴム層(厚さ 2mm)を形成し、その上に、表面が前記試
料シートと同一の条件でスパッタエッチングされた厚さ
50μm のPFAチューブ(グンゼ社製)を被覆し、外径
60.1mmのローラを得た。こうして得られたローラを電子
式複写機の定着ローラとして使用し、実機による評価を
行った。すなわち、ローラ表面にシリコーンオイルを塗
布しながらトナー画像の定着を行い、定着の状態を調べ
た。その結果、 1〜1000枚の定着を行っても、オフセッ
ト(複写紙のローラへの巻き付き)が生じることがな
く、トナーの定着状態が良好であった。
【0025】比較例1、2 実施例と同様にして形成されたシリコーンゴム層の上
に、表面がNa−ナフタレン法(比較例1)およびNa−液
体アンモニア法(比較例2)でそれぞれケミカルエッチ
ングされた厚さ50μm のPFAチューブを被覆し、外径
60.1mmのローラを得た。次いで、比較例1、2で得られ
たローラを実施例と同様に定着ローラとして使用し、ト
ナーの定着状態を調べた。このような実機評価の結果、
いずれの場合も複写紙の1枚目からオフセットが発生
し、良好な定着を行うことができなかった。
【0026】比較例3 実施例と同じ円筒状金具の上に、厚さ 2mm、硬さ30°
( JIS A)のシリコーンゴム層を成形した無研削シリコ
ーンゴムローラを、シリコーンオイル中で 150℃×10Hr
含浸処理し、外径60.2mmのオイル含浸シリコーンゴムロ
ーラを得た。次いで、得られたローラを、実施例と同様
に定着ローラとして使用し、表面にシリコーンオイルを
塗布しながら実機による評価を行った。その結果、 1〜
1000枚の定着を行ってもオフセットが生じることがな
く、トナーの定着状態が良好であった。
【0027】これら実機による評価結果から、表面がス
パッタエッチングされたPFAチューブは、シリコーン
オイルの濡れ性が良好であるうえに、トナーの離型性に
も優れており、このチューブを最外層に有する実施例の
ローラにおいては、ローラへのトナーの付着やオフセッ
トが生じることがなく、トナー画像が良好に定着される
ことがわかる。これに対して、表面がケミカルエッチン
グされたPFAチューブは、シリコーンオイルの濡れ性
が良好であるにもかかわらず、トナー離型性に劣り、ロ
ーラへの紙の巻き付きのようなオフセットが生じること
がわかる。その理由については、ケミカルエッチングさ
れたPFA表面が熱や紫外線で劣化しやすいうえに、表
面が脱フッ素化されることで化学的に活性な官能基が生
成していており、トナーが付着しやすいためと考えられ
る。さらに、実施例のローラにおいては、最外層を構成
するPFAが、シリコーンオイルが多量に含浸されたシ
リコーンゴムに比べて強度がはるかに大きくなっている
ので、耐久性の点でも優れ、ローラ寿命が長い。
【0028】なお以上の実施例では、本発明のローラを
定着ローラとして使用した場合について説明したが、本
発明のローラの用途はこれに限定されない。表面をスパ
ッタエッチング処理したPFAのようなフッ素系ポリマ
ーが、シリコーンオイル濡れ性(親和性)に優れている
ことから、定着部のオイル塗布ローラとしても使用する
ことができる。オイル塗布ローラとしての使用では、外
径仕上げ前のオイル膨潤工程を省くことができるうえ
に、定着ローラへのオイルの安定供給が可能であるとい
う利点を有する。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のローラ
は、最外層がフューザーオイルによる膨潤を受けること
がないフッ素系ポリマーにより構成され、かつその表面
がスパッタエッチングされて微細な凹凸が形成されてい
るので、フューザーオイルの濡れ性が良好であり、かつ
耐熱性や物理的強度等に優れている。また、化学変化の
進行により表面が変質することもない。したがって、こ
のローラを電子式複写機等の定着ローラとして使用した
場合には、オフセットや複写紙の汚れ等が発生せず、長
時間良好な定着を行うことができる。また、オイル塗布
ローラとして使用した場合には、フューザーオイルを安
定して均一に定着ローラに供給することができるうえ
に、予めフューザーオイルによりローラを膨潤させ外径
を仕上げる工程を省略できる。さらに、フッ素系ポリマ
ー層をPFA等のチューブを被覆することで形成するこ
とができるので、製造が容易であり、安価で信頼性の高
いローラを供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローラの一例として、定着ローラの構
造を示す横断面図。
【図2】従来からのヒートローラ方式による定着方法を
概略的に示す図。
【図3】定着部におけるオイル塗布ローラの使用態様を
概略的に示す図。
【符号の説明】
1………定着ローラ 2………加圧ローラ 4………複写紙 5………トナー 8………フューザーオイル 9………オイル塗布ローラ 11………芯金 12………耐熱弾性層 13………表面がスパッタエッチングされたフッ素系ポ
リマー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日下 成利 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 金倉 嘉昭 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 今 修二 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最外層がフッ素系ポリマーからなり、か
    つ前記最外層表面がスパッタエッチングによる微細な凹
    凸を有することを特徴とするローラ。
  2. 【請求項2】 前記最外層が、フッ素系ポリマーのチュ
    ーブから形成されたものである請求項1記載のローラ。
  3. 【請求項3】 前記最外層が、耐熱弾性層の上に設けら
    れている請求項1または2記載のローラ。
JP29494094A 1994-11-29 1994-11-29 ローラ Withdrawn JPH08152019A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011107704A (ja) * 2009-11-16 2011-06-02 Xerox Corp 誘導加熱部材、融着部材、画像レンダリング装置
US8195075B2 (en) 2006-09-11 2012-06-05 Ricoh Company, Ltd. Fixing unit having a resin surface and image forming apparatus using the same
JP2015036722A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 富士ゼロックス株式会社 定着装置用部材、定着装置、および画像形成装置

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