JPH0815121A - ばね緩和粘度測定方法、および、その装置 - Google Patents

ばね緩和粘度測定方法、および、その装置

Info

Publication number
JPH0815121A
JPH0815121A JP14665494A JP14665494A JPH0815121A JP H0815121 A JPH0815121 A JP H0815121A JP 14665494 A JP14665494 A JP 14665494A JP 14665494 A JP14665494 A JP 14665494A JP H0815121 A JPH0815121 A JP H0815121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
viscosity
measurement
rotor
relaxation
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14665494A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Sekiguchi
宏治 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKI SANGYO KK
Original Assignee
TOKI SANGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKI SANGYO KK filed Critical TOKI SANGYO KK
Priority to JP14665494A priority Critical patent/JPH0815121A/ja
Publication of JPH0815121A publication Critical patent/JPH0815121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】試料液の粘度特性によらず、ほとんどの試料液
に対する低ずり速度領域における粘度測定を可能とする
ばね緩和測定方法と、その測定方法に好適な粘度計を提
供する。 【構成】測定始動時には、検出された粘度計指度値が所
定値となるように、パルスモータ21により、渦巻ばね
4aを介してロータ6aを回転駆動させ、該指度値が該
所定値となった時点で、パルスモータ21の回転駆動を
急停止させ、その後は、それまでに巻き上げられていた
渦巻ばね4aの緩和トルクによりロータ6aが回転駆動
されるような状態として、測定状態へ移行し、該状態で
の緩和トルクの減少に従い変化する粘度計指度値を測定
することで、測定対象となる試料液の粘度を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体試料の粘度を測定
する回転式粘度計に係わり、特に、塗料、インクなどの
固体表面に塗布する用途に用いられるコーティング材
の、極低ずり速度領域における流動挙動測定のための、
新しいばね緩和測定法、および、この用途に好適な回転
式粘度計に関する。
【0002】
【従来の技術】石油化学工業、合成化学工業、医薬品工
業、食品工業を始め、塗料、インク工業、半導体工業、
製紙工業、印刷工業等、液体状の原材料、製品を扱う殆
ど総ての工業分野において、それらの分野において用い
られる各種液体の粘度を測定することによって、原材料
の適否、処理工程の適否、製品の良、不良を判定するこ
とが行われている。
【0003】これらの粘度測定のうち、特に、低ずり速
度領域における粘度特性測定に適している、従来のばね
緩和測定法について説明する。
【0004】以下では、初めに、従来使われているばね
緩和測定法において用いられている試料、例えば、半導
体製造におけるフォト・レジストの塗布、製紙業におけ
るコーティング材の塗布、磁気テープなどの磁気記憶材
における磁性塗料の塗布、ペイント塗装における塗料塗
布、スクリーン印刷におけるインクの挙動の考え方を例
示する。次に、これらの塗布材料、すなわち、固体表面
をコートする目的の、これらコーティング材の良否が、
如何に極低ずり速度における流動特性に依存するかを説
明する。また、本願発明の背景理解のために、極低ずり
速度領域の流動特性測定において、ばね緩和測定法が、
粘度測定法として如何に優れているかを説明する。
【0005】例えば、コーティング・マシンを用いて材
料を走行させながらコーティングする場合、一般に用い
られるコーティング・マシンでは、それがナイフ・コー
ターであれロール・コーターであれ、コーティングの作
業工程中にコーティング材が受けるずり速度は極めて高
く、その値は概略103/s〜104/sにも達すると言
われている。
【0006】このようなコーティング作業工程において
は、コーティング材の粘度を作業条件に適合する最適粘
度に保つことが、作業上、および、得られる仕上がり面
の品質確保上、極めて重要である。
【0007】すなわち、粘度が高すぎると、コーティン
グ・マシンのアプリケータにコーティング材がまわりき
らず、塗面に形成される塗膜がかすれたり、切れたりし
て良好な塗膜面が得られない。また逆に、粘度が低すぎ
ると、コーティング材のまわりは良くなり、作業性は向
上するが、塗膜厚さが薄くなり、遮蔽力に乏しくなると
いう問題が発生する。
【0008】通常、このようなコーティングに用いられ
る材料は、高分子溶液に顔料等の微粒子を分散、懸濁さ
せたサスペンジョン溶液である。この種の溶液の粘度計
回転数の変化に対する指度変化の挙動は、図30に示す
ように、回転数が増大しても、指度は、比例的には増加
しない関係にあり、ずり速度Dとずり応力sに対して、
次式の降伏値を持つべき乗則が適用される場合が多い。
【0009】 s=s0+μDn ・・・・・・・・(1) ここで s ;ずり応力 s0 ;降伏値 μ ;非ニュートン粘性係数 D ;ずり速度 n ;粘度指度(1>n>0) である。なお、図30は家庭用水性塗料について測定採
取した粘度計回転数rpmと指度θの関係を表すグラフ
で、図2は、図30のデータから求めたずり速度Dとず
り応力sの関係を示す流動グラフである。
【0010】コーティング材では、先に述べたように、
塗布工程中には極めて高い剪断速度でずりを受けるが、
塗布直後に塗膜に加わる力は、塗膜の表面張力と重力の
みになる。この場合、塗膜面の仕上がり状態を良好にす
るためには、塗膜自身の表面張力によって塗布直後の、
例えば刷毛目のような塗膜の傷、微細な凹凸などの欠陥
が修復される機能を持つことが望まれる。すなわち塗布
直後には、塗膜の流動性を失わない程度の低い粘度を保
持することが必要である。
【0011】この表面張力による刷毛目の平滑化の機能
を、コーティング材のレベリング性と言い、レベリング
が良い、あるいはレベリングが悪いと表現される。な
お、レベリングを生じる時の塗膜内部のずり速度は、1
-1/s〜10-2/sのオーダーと推定されている。
【0012】一方、塗膜に加わる重力の影響は、塗膜の
粘度が低すぎると塗膜が流れ出して、涙状のたれを生じ
る。このようなたれを生じないようにするためには、コ
ーティング材が10-2〜10-3/sオーダーの極低ずり
速度領域において、粘度が充分に高いこと、および、充
分大きな降伏値を持つことが望ましい。
【0013】更に、コーティング材にはチクソトロピー
の特性を持たせることが多い。チクソトロピーとは、ず
りによって破壊された液体の内部構造が、その構造を回
復するときの時間遅れによって生じる現象である。
【0014】例えば、スプレー塗装、ナイフ塗装、ある
いは、刷毛塗りなどのプロセスにおいて、構造破壊した
チクソトロピックなコーティング材の構造は、時間と共
に元の構造に回復する。しかし、この構造回復は、ほん
の数秒で回復するものから数時間を要するものまで様々
であり、この回復時間の大小によって、流動挙動が変化
する。
【0015】印刷インクの場合、急速な構造回復による
ゲル化特性、すなわち、瞬時に増粘することが印刷され
た文字や図形を鮮明にするために望まれる。一方、刷毛
塗りの場合には、刷毛目がレベリングによって消えるた
めの時間が必要であり、どちらかと言えば構造回復が遅
くなければならない。しかし、回復時間が必要以上に長
すぎると、たれを生じる可能性がある。
【0016】以上、コーティング材の低ずり領域におけ
る流動挙動を決める主要な要因を説明した。次に、この
ような要因の大小を如何に測定するか、従来行われてき
た測定方法を説明する。
【0017】通常、液体の流動挙動を測定するために、
先に示した図30のように、回転式粘度計の回転速度を
低回転から高回転まで、連続、または多段に変速しなが
ら、各回転速度に対するロータに加わる粘性トルクをデ
ータとして収集して解析する、いわゆる、定常流流動解
析が行われている。この解析の場合はロータの回転速度
とロータ寸法から、試料液に加えられるずり速度Dの値
が与えられ、ロータに加わる粘性トルクからずり応力s
の値を求めることができる。このため、データが存在す
る定常流領域範囲内については、上記(1)式の関係か
ら、回帰分析を行うことによって、非ニュートン粘性係
数μ、粘度指数n、降伏値s0などを数値として求める
ことができる。
【0018】しかし、先に説明したようにコーティング
材の機能上重要な極低ずり速度領域の挙動を、粘度計を
回転させて得られる、いわゆる、定常流領域のずり速度
におけるデータで判断することは困難である。すなわ
ち、通常の回転式粘度計では最低回転速度が0.5rp
m、あるいは低速特性を改善した粘度計であっても、先
の図30のデータに示したように0.1rpm程度であ
り、この程度の回転数ではずり速度は、せいぜい100
/sのオーダの比較的に大きい値である。
【0019】このため、このような定常流領域のデータ
を用いて、低ずり領域の流動特性、特に降伏値を求める
場合、降伏値がずり速度ゼロのときのずり応力として定
義されているので、定常流領域の比較的大きなずり速度
におけるデータから、ずり速度ゼロの降伏値を外挿して
求める必要がある。これは、ずり速度ゼロまで、上記
(1)式を拡張して、解析値として求めることとなり、
大きな誤差が生じる可能性があり、信頼性が極めて低
い。
【0020】例えば、図2のずり速度Dのゼロ付近のス
ケールを拡大して描いた、ずり速度Dとずり応力sの関
係を、図3に示す。図3に示すように、約0.4/sの
最低ずり速度に対するずり応力、約14Paが得られて
いるが、その他の実測された測定点を結んで、ずり速度
ゼロの縦軸に如何に外挿するかによって、降伏値の読み
取り値が異なる。本図に描かれている曲線は、図中の6
個の測定点のデータを、上記(1)式で、回帰解析して
得られた関係式によって描いた曲線である。この曲線か
ら判るように、ゼロに至近の範囲まで、上記(1)式が
成り立つとは必ずしも言い切れない。
【0021】また、コーティング材のようなサスペンジ
ョン溶液の降伏値を求めるために、実際の値と良く一致
する優れた方法として、Casson流動方程式による
方法が広く用いられている。特に、分散系がニュートン
性溶媒に分散されている場合に適合性が良い。
【0022】Casson流動方程式は次のように表さ
れる。
【0023】 √s=√sc+√μC√D ・・・・・・・・(2) ここで、scはCasson降伏値、μCはCasson
粘度である。式(2)は、√sと√Dが直線関係にある
ことを表している。従って、図4に示すように、両軸を
それぞれ√s、および√Dに取って、測定データの平方
根をプロットすると、流動曲線は近似的に直線になる。
この直線を外挿して、√s軸を切る点が、√scで、こ
の値を二乗すればCasson降伏値が求められる。
【0024】このCassonの流動曲線は、近似的に
直線になることから、外挿法によって得られる結果が個
人差が少ない利点がある。なお、図4は、先に、求めた
図30のデータをプロットして求めたグラフである。
【0025】しかし、このCasson流動曲線を使う
にしても、測定データが先に示したデータのように完全
には直線上に乗らない場合には、図5のように、ゼロ近
傍の直線と見做せる範囲を限定して、その直線を延長し
て縦軸を切る点を求めざるを得ない。
【0026】このような方法を用いるにしても、定常流
測定領域の比較的に高いずり速度範囲のデータを用いる
ならば、ゼロに接近した実測点が欠けていることから、
得られた降伏値は、信頼度に乏しくならざるを得ない。
【0027】以上説明したように、粘度計を回転して得
られる定常流測定には、データとして限界があることか
ら、より低い極低ずり速度領域の測定データを得るため
には適しておらず、より好適な測定方法として、ばね緩
和測定法がある。以下、ばね緩和測定法の基本原理を説
明する。
【0028】図6に、ばね緩和測定法の原理図を示す。
本図は、回転式粘度計として最も簡単な構造、すなわ
ち、試料液(サンプル液)700の粘性トルクとバラン
スするためのばね705の捩れ角度を、目盛り板703
上の指針708で読み取る方式の粘度計として例示して
ある。図6において、粘度計の回転駆動用モータ701
を停止した状態のままで、指針指度が、例えば、目盛り
板703上の100%の位置になるように円錐ロータ6
aを手で回して、適当な方法でその位置に固定できたと
仮定する。この状態では、ばね705が指針指度100
%に相当する角度だけ捩られている。
【0029】この状態を保持したまま、円錐ロータ6a
と平板(プレート)7aとの間に、サンプル液700を
規定量注入した後、ロータ6aの固定を解除すると、ロ
ータ6aは、捩られていたばね705の復元トルクに駆
動されて、サンプル液700の粘性抵抗トルクを受けな
がら回ろうとする。このときのばね705の復元トルク
は、ロータの回転に伴って漸減する。
【0030】すなわち、ロータ6aの回転と共にばね7
05が緩和して、指針指度θと時間tとの関係は、図7
の緩和グラフの曲線に示すように変化する。図7中の緩
和グラフの曲線のゼロ戻りの残量θyは、ばね705が
捩り切れない状態を示し、降伏値に関係する量である。
また、図7中の点Pにおける緩和グラフ曲線の接戦勾配
(dθ/dt)pは、P点におけるロータ6aの回転速
度、すなわち、ずり速度Dpを表し、P点の指度θpはロ
ータ6aに加わるばねトルク、すなわち、ずり応力sp
を表す。
【0031】この図の緩和グラフ曲線の各点について、
接線勾配(dθ/dt)p、指度θpが求まれば、それら
各点のずり速度Dp、ずり応力spが以下の式(3)およ
び式(4)により得られ、その結果、見掛け粘度η
aは、以下の式(5)によって求めることができる。
【0032】
【数1】
【0033】以上説明した図7には、降伏値を持つ、一
般的な緩和グラフの曲線の形状を示したが、例えば、炭
化水素油系の粘度計校正用標準液のように、流動特性が
完全なニュートン粘性を持つ液体の場合には、図8に示
すように、時間と共に指度がゼロに漸近する、以下の式
(6)で表わされる緩和グラフ曲線により、解析的にも
求められる。
【0034】
【数2】
【0035】なお、図8に示される緩和グラフは、炭化
水素油系の粘度計校正用標準液JS2000について実
測したグラフを例示したものであり、また、(6)式の
Kは、巻き上げ指度、βは、ロータ半径R、円錐角α、
粘度計のフルスケール角に対応するばねの復元トルク
T、および、差動トランスのフルスケール角度γによっ
て決まる定数である。
【0036】一方、前記の説明に用いた図7に示される
ような降伏値を持つ試料液であっても、低ずり速度領域
における流動特性が異なれば、異なる形の緩和グラフの
曲線を描く。すなわち、例えば、図9に示すように、降
伏値θyが同一値であっても、図中の3本の緩和グラフ
曲線a、b、cは、100%値からθy値に至る途中の
経過を示す曲線の形が異なる場合がある。
【0037】このように緩和グラフの曲線形状が異なる
理由は、指度100%から解放された直後のロータの回
転動作に対して、ずり速度が100〜10-1/s範囲の
比較的にずり速度が高い領域における粘度が、試料液に
よって異なることが原因である。図8から、この領域の
各試料液の見掛け粘度ηaは、ηa(a)>ηa(b)>
ηa(c)の関係になっていることが判る。
【0038】実際、この用途に用いられる回転式粘度計
では、目盛り板と指針ではなく、偏角を電気信号に変換
するために、例えば、回転型差動トランスなどの信号変
換器を内蔵されてあり、この信号変換器の出力をA/D
変換したデータを、1秒、あるいは2秒毎の一定時間間
隔でコンピュータに記憶する構成としている。このよう
にして記憶させたデータを利用して、目的により所要の
コンピュータ解析を行うことができる。
【0039】そのほか、図6で引用した前記ばね緩和測
定では、ロータを手で回してばねを巻き上げる操作を説
明したが、現用されている最近のこの用途の回転式粘度
計では、後述するように、本願発明者の発明によって、
ばねの巻き上げを含めて、総ての動作を自動動作で行え
る装置になっている。
【0040】以上説明したように、ばね緩和測定法によ
れば、巻き上げたばねが緩和しながら作用する復元トル
クに駆動されて、ロータが停止するか、停止しないかの
極限状態までの、連続したデータを得ることができる。
このようにして得たずり速度において、10-3/sのオ
ーダーまでのずり速度とずり応力との関係を、前記した
Cassonの流動方程式を適用して解析すれば、ずり
速度がゼロ直前のデータまで利用することができるの
で、外挿して得られるCasson降伏値sc、Cas
son粘度μCの精度は、先に説明した定常流測定の場
合に比べて、遥かに高い結果が得られることは言うまで
もない。
【0041】コーティング材ではないが、ばね緩和測定
を練り歯みがきに適用した実施例を図10、11、1
2、13に示す。図10は、この場合のばね緩和グラフ
であり、非常に大きい残留値θyを示している。また、
ロータの解放直後の指度変化も緩やかで、解放直後の比
較的に高いずり速度の範囲でも、粘度は高い値を保持し
ていることが判る。
【0042】図11は、図10の緩和グラフで得たデー
タを、コンピュータ処理して得た、ずり応力とずり速度
との関係を対数表示した、logs−logD解析グラ
フである。本図に見るように、ばね緩和によって得られ
たずり速度データは、10-2〜10-3の極低ずり速度領
域まで達している。
【0043】図12は、図11と同様に、図10のデー
タをコンピュータ処理して得たCasson流動曲線で
ある。図12を、図2および図3と比べて判るように、
ばね緩和測定で得られるずり速度データが、D=0の√
s軸に遥かに近い所まで接近しているので、データから
外挿して得られるCasson降伏値sc が、定常流測
定の場合に比べて極めて信頼できる結果が得られるのは
当然である。
【0044】図13は、図10の緩和測定データをコン
ピュータ処理して求めた見掛け粘度ηとずり速度Dの関
係を、対数表示したlogη−logD解析グラフであ
る。本図によって、低ずり速度領域のずり速度Dに対す
る粘度ηの挙動を知ることができる。
【0045】以上のように、ばね緩和測定法を従来の定
常流測定と比較して説明したが、ばね緩和測定法が、低
ずり速度領域の粘度測定技術として、極めて有効な測定
法と言うことができる。
【0046】前述のばね緩和測定法に適合する最近の回
転式粘度計技術としては、本願発明者が先に発明した国
際出願PCT/JP91/01337“回転式粘度計”
がある。以下に従来技術として、この技術の内容を説明
する。
【0047】本従来技術は、回転式粘度計のピボット、
宝石軸受けが故障し易い問題点を解決するために、本願
発明者が発明したピボットを保護するためのロータ軸自
動ロック装置(特願平1−51655号)を利用して、
通常用途のロータ回転による定常流粘度測定、流動解析
を行うだけでは無く、ロータ軸ロック状態で自動的にば
ねを巻き上げる機能を加えることによって、ばね緩和測
定を自動的に実行可能にした発明である。
【0048】本従来技術を用いた回転式粘度計のばね緩
和測定動作原理を、図14に示す。図14(a)は、粘
度計が停止している状態を示し、この状態ではロータ軸
5bがロックされて回転拘束されるとともに、宝石軸受
け12からピボット11が引き離されて保護されてい
る。この状態で円錐ロータ6aと平板7aとの間に、被
測定サンプル液を注入したのち、100%、または、任
意のばねの巻き上げ指度を予め入力してから、ばね緩和
測定開始を指令すると、次のシーケンス列により、自動
的にばね緩和測定が実行される。
【0049】.ロータ軸5bロックのまま、パルスモ
ータ21を駆動して回転開始する。
【0050】.パルスモータ21は、差動トランス2
3の出力信号が、予め入力された巻き上げ目標指度に対
応する信号レベルに達するまで回転して停止する。すな
わち、ばねの巻き上げが完了する。
【0051】.ばね巻き上げ完了に引き続いて、図1
4(b)に示すように、ロータ軸自動ロック装置をロッ
ク解除とすることによって、宝石軸受け12へのピボッ
ト11接触を復帰するとともに、ロータ軸5bの回転拘
束を解放して、ばね緩和測定に移行する。
【0052】.ロータ軸5bの回転拘束解除により、
巻き上げられたばね4aの復帰トルクによってロータ6
aが駆動され、時々刻々のばね緩和測定データがコンピ
ュータに送出され、測定が実行される。
【0053】.予め定められた測定時間が経過する
と、自動的に測定を終了して、ロータ軸自動ロック装置
が働いてロータ軸5bを回転拘束するとともに、宝石軸
受け12からピボット11を引き離してピボット保護の
状態に戻る。
【0054】上記した従来技術によって、従来、手動的
な操作を要したばね緩和測定法が改善され、自動測定が
可能になり、面倒な粘度計の手動操作を要したばね緩和
測定が、初めて、極めて容易に実行できるようになっ
た。
【0055】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来技術を実施した粘度計を用いて各種の液体についてば
ね緩和測定を行ったところ、殆どの液体については全く
問題なく、完全にばね緩和測定が実行できるが、ある種
の性質を持つ液体については、ばね緩和測定の結果に、
不具合があることが判明した。以下に、ばね緩和測定結
果が完全に満足できる場合と、結果が不具合になる場合
を例示する。
【0056】例えば、図15に示すグラフは、炭化水素
油系の粘度計校正用標準液のような、流動特性が完全な
ニュートン粘性を持つ液体、JS2000を試料液とし
て、ばねの巻き上げ指度θを100%、60%、およ
び、20%の3種類のケースについてばね緩和測定を行
い、得られた緩和曲線を同一画面に描いたグラフであ
る。
【0057】図15において、巻き上げ指度θが100
%の時の緩和曲線をa、60%の時の緩和曲線をb、2
0%の時の緩和曲線をcとすると、同一試料液について
求めた緩和曲線であることから、ばね緩和法の測定原理
上、巻き上げ指度が異なっても、曲線b、および、曲線
cは、曲線aの一部であり、曲線aに完全に含まれなけ
ればならない筈である。
【0058】試みに、曲線a、b、cを、図16のよう
に、時間軸を移動して重ねて描いてみると、曲線b、曲
線cは、それぞれ、曲線aの60%以下、20%以下の
部分と極めて良く重なることが判る。従って、この測定
に用いた試料液の場合には、巻き上げ指度を変えても、
それぞれのばね緩和測定データのずり速度範囲は変わる
が、全く同一の測定となり、この場合は満足すべき測定
結果を得ることができる。
【0059】次に、本従来技術による測定に不具合が生
じる場合を説明する。図17に示すグラフは、ポリブテ
ン系高粘度粘度計校正用標準液JS60Hについて、上
記例と同様に、ばねの巻き上げ指度θを、100%、6
0%、および、20%の3種類のケースについてばね緩
和測定を行い、得られた緩和曲線を描いたグラフであ
る。この場合は図18のように、曲線a上に、曲線b、
および、曲線cを、時間軸を移動して重ねて描いても、
全く重ね合わせることができない。すなわち、この場合
は、同一試料液の測定であるにも係わらず、巻き上げ指
度が変わると測定結果、すなわち、試料液の粘性挙動が
異なるという重大な不具合を生じる。
【0060】ここでは、炭化水素油系とポリブテン系
の、系統の異なる粘度計校正用標準液について測定結果
を例示したが、これらの試料液では、いずれも降伏値を
持たないので、長時間放置すれば緩和曲線が時間軸上の
ゼロ・ベースまで復帰することには変わりがない。
【0061】次に、ばね緩和測定法で測定の主要な目的
である降伏値を持つ試料液の場合について、正常測定が
可能な場合と、正常な測定が不可能な場合との、典型的
な2つの測定例を例示する。
【0062】図19に、先に、図10において例示した
練り歯みがきの測定例を示す。この試料液の場合には、
降伏値が30数%もあり、降伏値以下の巻き上げ指度か
らのばね緩和測定は無意味なので、巻き上げ指度を10
0%、80%、および、60%の3種類とした。ただ
し、練り歯みがきはチクソトロピックな性質が強いの
で、この種の実験を行うに当って、履歴条件を同一に保
持するための細心の注意が必要であった。
【0063】本図において、100%からの緩和曲線
a、80%からの緩和曲線b、および、60%からの緩
和曲線cは同一の降伏値を持ち、さらに曲線b、およ
び、曲線cは、図20のように時間軸を移動することに
よって、曲線aに完全に重ね合わせることがきる。すな
わち、この例では、ばね緩和のばねの巻き上げ指度を変
えてずり速度の範囲を変えても、全く同一の測定結果が
得られることが判る。
【0064】一方、図21に示す測定例は、図30、図
7に用いた試料液と同一の市販の水性塗料について行っ
た実験結果である。本図では100%から緩和曲線a、
60%からの緩和曲線b、20%からの緩和曲線cは、
時間軸の移動では全く重ね合わせることができないばか
りではなく、それぞれの曲線が全く異なる収斂値を持
ち、この図からは、緩和曲線毎に降伏値が異なるという
有り得ない測定結果となってしまう。
【0065】以上述べたように、従来技術のばね緩和測
定法では、測定対象の試料液によって支障なく測定でき
る場合と、測定結果に異常がある場合とがあり、常に良
好な結果を得るとは言えないという問題があった。
【0066】本発明は、上記の点を鑑み、測定対象とな
る試料液の特性によらず、ほとんど総ての試料液に対し
て、粘度測定を可能にするばね緩和測定方法と、この測
定方法に好適な粘度計を供給することを目的とする。
【0067】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ばね緩和法
を用いて試料液の粘度を示す情報を測定する粘度測定装
置において、測定すべき試料液に接して回転駆動される
ロータと、ロータを回転駆動させるための回転駆動手段
と、粘度計指度値を検出する指度検出手段と、回転駆動
手段の駆動動作を制御する制御手段とを備え、制御手段
は、ばね緩和法により粘度を測定するための制御モード
を有し、この制御モードの場合に、回転駆動手段に対し
て、測定前に検出される粘度計指度値が所定値となるよ
うに制御を行い、さらに、該指度値が該所定値となった
時点で回転駆動を停止させ、測定状態へ移行するように
制御を行うことを特徴とする粘度測定装置により達成さ
れる。
【0068】上記目的は、また、ロータと静止平板との
間に測定すべき試料液を挾持し、そのロータと接続され
ている弾性体の緩和トルクにより回転駆動されるロータ
の回転に伴う粘度計指度値を測定することで、被測定液
の粘度を測定するばね緩和粘度測定方法において、測定
前に粘度計指度値が所定値となるように弾性体を介して
ロータを回転駆動し、該指度値が該所定値となった時点
で該駆動を停止した後に、ばね緩和測定状態へ移行する
ことを特徴とするばね緩和粘度測定方法により達成され
る。
【0069】
【作用】上記従来技術において、測定対象試料液によっ
て、測定異常を発生したり発生しなかったりするのは、
試料液が粘度、および降伏値を持つ純粘性的性質以外
に、弾性的な性質を持つか持たないかに関わっている。
【0070】すなわち、前記の実測例で、測定異常を生
じたポリブテン系高粘度粘度計校正用標準液JS60H
は、若干の曳糸性があり、明らかに粘弾性的な性質をも
っている。また、たまたま測定試料液として用いた市販
水性塗料も、曳糸性が示された事から粘弾性的な性質を
持つ材料であることが判った。この水性塗料の場合は、
塗料として重要なレベリング性、たれ性を改善するため
に、意図的に粘弾性的な性質が付与されたものと考えら
れる。
【0071】このことから、従来のばね緩和測定技術に
おいて測定異常が発生する原因は、試料液の粘弾性的特
性にあると考えられる。また、弾性特性によって、この
ようなばね緩和トルクにより付勢されたロータの解放直
後に緩和曲線が急降下するために、この部分の緩和曲線
に歪みが発生する。従って、このような歪みを含んだ曲
線のデータを用いて流動挙動を解析しても、その試料液
の正確な特性を求めたことにはならない。
【0072】ここで、試料液の弾性的な性質は、金属ば
ねのような、いわゆる、ポテンシャル弾性ではなく、ゴ
ム弾性と同じエントロピー弾性がその発現の原因とな
る。すなわち、試料液内部では、媒質中の鎖状高分子の
絡み合いによって時々刻々生成消滅する緩い網目構造が
作られているが、この網目構造に一定のずり応力が連続
的に作用すると、絡み合いの網目構造がこわれて、普通
の粘性流動を生じる。この一定のずり応力が連続的に作
用する場合と言うのは、粘度計を一定回転数で回転させ
る定常流粘度測定の場合に相当する。
【0073】一方、従来の方式のばね緩和測定におい
て、ロータ拘束が解除されて測定が開始される時は、瞬
間的に急激なずり応力が印加されるので、鎖状高分子の
絡み合いがこわれ始めると共に、ゴム弾性と同様な網目
構造の変形によるエントロピー弾性による挙動が現れ
る。すなわち、従来のばね緩和測定では、弾性的ずり変
位と粘性的ずり変位とが、同時複合して発生する粘弾性
現象と考えることができる。つまり、ゴム弾性では応力
が作用した場合、網目構造に歪みを生じるが、網目構造
の絡み合いが強固な架橋結合で補強されているので、構
造が安定で流動を起すことはない。
【0074】ばね緩和測定では、時間の経過と共にトル
クスプリングが緩和するので、ずり応力が連続的に低下
しながら試料液に印加され、最終的にはずり応力の低下
もゆるやかになって、粘性流動状態になる。しかし、網
目構造はこの流動状態で全破壊することなく、一部破壊
されながら鎖状高分子のミクロブラウン運動によって、
別の絡み合いを生じ、網目構造を再生する過程にある。
このように、粘性流動と網目構造の再生がバランスする
状態は、ばね緩和測定により降伏値として測定される。
【0075】次に、本発明を適用した粘度測定装置(回
転式粘度計)の作用を説明する。
【0076】本発明の粘度計においては、円錐ロータと
静止平板との間に、粘度を計ろうとする試料液を規定量
注入した状態で測定開始すると、予め入力設定した初期
回転数で、円錐ロータが弾性体(ばね3a)を介して回
転駆動される。円錐ロータが回転すると、該ロータに発
生する試料液の粘性抵抗トルクによって、指度検出手段
により検出する指度が立ち上がる。
【0077】なお、予め入力設定される初期回転数は、
その試料液に過大なずり履歴(ずり速度と印加時間の
積)を与えて測定条件を変化させぬことが必要である。
このため、ばね緩和測定に先立って、作業者が手動試運
転を行うことにより、粘度計指度値が所定値に達するの
に必要な、なるべく低い回転数を求めて、それを初期回
転数の設定値として入力するものとする。
【0078】制御手段は、指度検出手段により検出され
た粘度計指度値の立ち上がりをモニターして、予め定め
た所定値(例えば、指度100%)を検出したときに、
回転駆動手段を急停止させることで、第2の駆動軸の回
転駆動を急停止させて、ロータに対する回転駆動を停止
する。制御手段は、また、回転駆動手段を制御して、粘
度計指度値の所定値へ達するまでのずり履歴が最小にな
るよう、第2の駆動軸の回転数を補正しながら回転させ
る構成としても良い。
【0079】上記回転駆動手段の急停止の後は、それま
で巻き込まれていた渦巻ばね等の弾性体(以下ではトル
クスプリングという)の弾性緩和トルク(復帰トルク)
によってロータが回転駆動される。本発明においては、
この状態で、ばね緩和粘度測定状態に移行して、上述し
たように試料液の粘度特性とトルクスプリングの復帰ト
ルクとのバランスに従いつつ、低下する粘度計指度値の
測定が行われる。
【0080】試料液の粘度計指度値測定において、具体
的には、例えば、上記急停止された時の初期指度値(例
えば指度100%)を始点として、以下、粘度計指度値
の減少の時間的変化を、最終収斂値まで、一定時間毎に
例えばコンピュータによりデータ採取する。このように
して得られたデータに基づいて、本発明によるばね緩和
法による試料液の粘度が決定される。
【0081】以上説明した本願発明のばね緩和測定法
が、従来技術のばね緩和測定法と異なる点は、次の通り
である。
【0082】従来技術の方法では、ロータが固定されて
いる状態で、トルクスプリング等の弾性体(ここでは付
勢部材としても働く)が巻き上げられるので、試料液が
粘弾性特性を持つ場合には、巻き上げられたトルクスプ
リングが緩和を開始した時点で、初めて、試料液にずり
が加えられ、試料液が粘弾性的に変形する。
【0083】これに対し、本願発明のばね緩和測定法で
は、粘度計回転に伴う粘性トルクのためにトルクスプリ
ングが巻き上げられ、ロータに対する回転駆動が急停止
され、トルクスプリングの緩和が開始された後は、その
まま、ばね緩和測定に移行する。このため、トルクスプ
リングの緩和が開始された時点では、既に、試料液にず
りが加わった状態にあり、試料液は網目構造が破壊され
て、既に粘性流動状態になっている。この点が、2つの
方法における異なる点である。
【0084】すなわち、従来技術のばね緩和測定法の開
始時点では、試料液の弾性要素が無歪みの状態から測定
が開始されるのに対し、本願のばね緩和測定法では、試
料液の粘性流動状態から測定が開始される。このため、
両者の測定開始後の、測定対象となる試料液におけるば
ね緩和動作挙動が、大幅に相違する。
【0085】以下に、前の実験例に用いた粘性のみを持
つ試料液として炭化水素油系粘度計校正用標準液、粘弾
性とを持つ試料液としてポリブテン系高粘度粘度計校正
用標準液、粘性と降伏値を持つ試料液として練り歯みが
き、粘弾性と降伏値を持つ試料液として水性塗料の各場
合について、従来技術のばね緩和測定法と、本願技術の
ばね緩和測定法の違いを対比するために行った実験の結
果を述べる。
【0086】図22は、炭化水素油系粘度計校正用標準
液JS2000を、従来技術のばね緩和測定法で巻き上
げ指度100%から降下させた時の緩和曲線aと、本願
技術のばね緩和測定法で、同じく100%指度から降下
させた時の緩和曲線bとを同一画面に描いた図である。
2つの曲線の違いを更に判り易くするために、図23に
示すように、曲線bの時間軸を移動して、これらの曲線
を重ねて描いてみると、曲線a、bは全く一致する。す
なわち、この試料液の場合には、従来技術と本願技術の
ばね緩和測定によって、全く同一の測定結果が得られる
ことが判る。
【0087】なお、図22の緩和曲線aは、時間t
(s)がゼロからスタートしているのに対し、緩和曲線
bでは開始点がゼロからずれている。これは、このデー
タの取込において、単に、2つの曲線が見やすいよう
に、図示されるデータ取得開始時間が異なるような構成
としているためである。
【0088】次に、図24に、上記と同様に、ポリブテ
ン系高粘度粘度計校正用標準液JS60Hを、従来技術
と本願技術のばね緩和測定法で測定して得た緩和グラフ
を示す。本図において、緩和曲線aは、従来技術で巻き
上げ指度100%から降下させた場合の曲線、緩和曲線
bは、本願技術のばね緩和測定で同じく指度100%か
ら降下させた場合の曲線である。本図に見られるよう
に、2つの曲線は、曲がり部分の曲率、降下部分の勾配
が異なり、時間軸を移動しても一致しないことは明らか
である。
【0089】一方、この試料液について本願の方法で、
100%、80%、60%、40%、および、20%
の、各巻き上げ指度から降下させた場合に得られた緩和
曲線を第図25に示す。また、この図の各曲線の時間軸
を移動して、曲線の一致を確認するために重ねて描いた
図を、図26に示す。この図に示すように、5本の曲線
b、c、d、e、および、fは完全に重なり、極めて良
く一致していることが判る。
【0090】この結果から、同一試料液について従来技
術によるばね緩和測定を行って得られた図17、図18
の結果と比較すれば、本願技術が如何に優れた技術であ
るかと言うことが明確に判断できる。
【0091】次に、塑性流動特性の練り歯みがきである
が、この試料液はチクソトロピー性が強いために実験が
困難であること、弾性を持たないために、これまで説明
したばね緩和測定における異常が現れないと推定される
こと、および、実際に従来技術を用いて行った実験で得
られた図16、図20の結果でも、特に測定上の異常を
生じていないことから、これ以上の実験、論議を省略す
る。
【0092】最後に、降伏値と粘弾性を持つ試料液とし
て水性塗料の場合の、本願技術の適合性を検証する。
【0093】図27は、図21で示した実測例と同じ水
性塗料を試料液として、従来技術と本願のばね緩和測定
を行って得られた緩和曲線を示したものである。本図中
の曲線aは、従来技術による緩和曲線、曲線bは、本願
の方法による緩和曲線である。この図から判るように、
曲線aでは、前記したように試料液の弾性特性の影響に
よる100%指度からの急激な降下があるが、曲線bに
おける降下は、曲線aに比べて比較的に緩慢であり、弾
性的特性の影響が現れていないように見える。更に、両
曲線の収斂値は殆ど一致している。
【0094】また、この試料液について本願の方法で、
100%、80%、60%、40%、および、30%の
各巻き上げ指度から降下させた場合に得られた緩和曲線
を図28に示す。更に、この図の各曲線の時間軸を移動
して、曲線の一致を確認するために重ねて描いた図を図
29に示す。図29から判るように、この場合も5本の
曲線a、b、c、d、および、eが完全に重なって、極
めてよく一致する。
【0095】従って、巻き上げ指度が異なっても、これ
ら曲線を解析すれば、同一の見掛け粘度、同一の降伏値
が得られる。この結果は、同一試料液について従来技術
によるばね緩和測定を行って得た図21の実験では、巻
き上げ指度によって曲線の形状が異なるだけでなく、降
伏値まで違った結果になるという致命的な不具合を発生
したことと比較すれば、本願技術のばね緩和測定法でな
ければ、正しい測定ができないことが、自ずから明らか
になった。
【0096】
【実施例】本発明を適用した粘度計の一実施例を、図を
用いて説明する。以下の説明に用いられる図の中の符号
においては、同一部分に対して同一符号が付してある。
【0097】本実施例は、上記で説明した本発明による
ばね緩和測定方法により、極低ずり速度における被測定
液の粘度特性を測定する粘度計であり、図1および図3
1に示されるような構成を有する。
【0098】なお、これまでの説明で、ロータロック機
構は、本願発明のばね緩和測定法には殆ど関わらなかっ
たが、ピボットを利用するこの種の粘度計では、ピボッ
ト保護装置は不可欠である理由から、ロータロック機構
を含む実施例を説明する。
【0099】先ず、本実施例による回転式粘度計の構成
を説明する。
【0100】本実施例の回転式粘度計は、図1に示すよ
うに、被測定液を保持する平板7aとこの平板7aを囲
み、被測定液を一定温度に保持するための温水を流すジ
ャケット17と、円錐型のロータ6aと、これを保持す
ると共に回転駆動するためのロータ軸5b(第1の駆動
軸)と、ロータ軸5bを介してロータ6aを駆動すると
共に、粘度の測定を行う本体部100と、本体部100
とロータ6aとの間にあるピボット保護手段を構成する
ピボット保護装置200とを備える。
【0101】本体部100には、回転駆動手段を構成す
る駆動モータ21、回転継ぎ手25、及び出力軸22
と、下部がピボット保護装置200内でロータ軸5bと
連結されている第2の回転軸5cと、上記出力軸22と
第2の駆動軸5cとを弾性的に連結する第1の連結手段
400と、出力軸22と第2の駆動軸5cとの間にあっ
て、角度変位検出手段として機能する回転差動トランス
23とが設けられている。
【0102】第1の連結手段400は、出力軸22の下
端近傍にその一端が接続されるL型部材4bと、L型部
材4bの他端と第2の駆動軸5cとの間に配置され、こ
れらを弾性的に連結する渦巻きばね4aとを有する。ま
た、第1の連結手段400は、一端がL型部材4bに、
他端が後述するスリーブ10bに連結されて、スリーブ
10bに出力軸22の回転駆動力を伝達するアーム部材
4dを有する。
【0103】出力軸22と第2の駆動軸5cとの間に
は、出力軸22、および、第2の駆動軸5cの各端面に
設けられた図示しない穴に回転自在に装着されて、第2
の駆動軸5cの振れ止めを行うピン13aが配置され
る。出力軸22、および、第2の駆動軸5cの各端面に
設けられた図示しない穴は、ピン13aの若干の軸方向
変位を許容できる深さ、すなわち、ロータ軸5b、およ
び、第2の駆動軸5cの軸方向変位に対応するピン13
aの軸方向変位を、吸収可能な深さを確保するように設
けられている。
【0104】ピボット保護装置200には、ロータ軸5
bを回転自在に軸受けして支持するための支持手段を構
成する、ピボット11、および、軸受け12と、上記ピ
ボット11、および、軸受け12を迂回して、ロータ軸
5bと第2の駆動軸5cとを連結する第2の連結手段と
して機能するチャネル型連結部材10aと、ピボット保
護手段として機能する後述する拘束機構、および、ピボ
ット離間機構と、ピボット保護手段の状態を検出する第
1、および、第2のリミットスイッチ31、32、およ
び、リミットスイッチ31、32をオンオフさせるL型
金具30とが設けられ、これらは、一部を除き、ケース
27内に収容されている。
【0105】ピボット11は、第2の駆動軸5cの下端
に取りつけられている。一方、軸受け12は、第2の駆
動軸5cの回りに設けられたスリーブ10bの下方に取
付けられたチャネル型部材10cの、下方の辺10d上
に取りつけられる。ピボット11と軸受け12とは、同
軸に取りつけられる。スリーブ10bは、ケース27の
上方のフランジ部27aに回転可能に支持される。ま
た、スリーブ10bの上端には、上述したように、アー
ム部材4dが連結される。
【0106】ケース27内には、図31に示すように、
スリーブ28が軸方向に変位可能に収容されている。ス
リーブ28の内面下部には、ネジ部28aが設けられ、
このネジ部28aには、円板41が螺着されている。円
板41の中央には、ロータ軸5bが自由に貫通できる貫
通孔41aが設けられている。円板41の上面には、第
1の係合部材、例えば、内歯歯車42が設けられてい
る。この内歯歯車42に係合する第2の係合部材、例え
ば、外歯歯車40が、ロータ軸5bに設けられている。
外歯歯車40は、スリーブ28の軸方向変位に伴って内
歯歯車42が変位すると、これと噛み合い、更に、変位
する円板41に接触することで、それ自身、ロータ軸5
bと共に、軸方向に変位するように、ロータ軸5bに取
りつけられる。
【0107】スリーブ28の上部には、図1に示すよう
に、ネジ穴33aが設けられたブロック33が取り付け
られている。一方、フランジ部27aの、このブロック
33と対向する位置に、ロック用モータ34が配置され
ている。このモータ34には、出力軸としてネジが刻ま
れたネジ軸34aが取り付けられている。このネジ軸3
4aは、上記ブロック33のねじ穴33aに螺合されて
いる。ロック用モータ34は、ネジ軸34aを正、また
は逆回転させて、ブロック33を上方、または下方に変
位させる。スリーブ28は、ブロック33の変位に伴っ
て、軸方向に変位する。
【0108】スリーブ28の変位のストロークは、ピボ
ット11と軸受け12とを離間させるに必要な長さに設
定される。すなわち、内歯歯車42を変位させて外歯歯
車40と係合させ、更に、円板41を外歯歯車40と接
触させて、この外歯歯車40を押し上げ、ピボット11
と軸受け12を離間させることができる長さに設定され
る。
【0109】スリーブ28の上部に、上記L型金具30
の一辺が取り付けられている。このL型金具30は、他
の一辺30aがスリーブ28の外側に突出して、上記し
たリミットスイッチ31、32の間に位置するように配
置される。すなわち、一辺30aはスリーブ28の軸方
向変位に伴って変位し、その変位の上限でリミットスイ
ッチ31をオンさせ、その変位の下限でリミットスイッ
チ32をオンさせるように配置される。従って、リミッ
トスイッチ31、32は、いずれかのスイッチ部の駆動
ストロークを含めて、スリーブ28の変位ストロークに
対応した間隔で配置される。
【0110】本実施例の粘度計は、さらに、上記で説明
した機構の制御等を行う制御装置35を備える。制御装
置35は、例えば、図32に示すように、粘度計本体1
00と接続されて、計測データ、制御信号の授受を行う
駆動制御部360と、駆動制御部360からの計測デー
タの処理、駆動制御系の動作の制御等を行う情報処理部
350と、情報処理部350に対する情報の入出力を行
う入出力部370を備える。
【0111】情報処理部350は、粘度計測のための制
御、および、計測データの処理等を実行する中央処理装
置(CPU)351と、CPU351が実行するプログ
ラム、各種データ、処理結果等を格納するメモリ352
と、データバス353と、計測データ、制御信号等の入
出力を制御するインタフェースボード(IB)354
と、入出力インタフェース355とを備える。
【0112】メモリ352は、主としてプログラムを格
納するROM(リードオンリーメモリ)と、データを格
納するRAM(ランダムアクセスメモリ)とを有する。
格納されるプログラムとしては、例えば、次の様な手順
を実行するものがある。
【0113】まず、渦巻きばね4aの巻き上げのため
に、粘度計回転で発生する試料液の粘性抵抗を利用する
ばね緩和法の測定手順としては、次のものがある。
【0114】(1)ばね緩和法により粘度を測定するた
めの制御モードでの測定始動の指示を受け付ける; (2)第2の検出手段によりピボット保護手段が第2の
状態(ロータロックの解除状態)にあることが検出され
るまで、ピボット離間機構を駆動させて、ピボット保護
手段を第2の状態に移行させる; (3)ピボット保護手段が第2の状態にあることが検出
されると、ピボット離間機構の駆動を停止する (4)回転駆動手段を回転駆動させて、予め設定された
初期回転数でロータを回転駆動する; (5)回転駆動手段の回転数を徐々に増加させ、所定の
指度値が検出されると、回転駆動手段の回転を急停止さ
せると同時に、予め定められた一定時間ごとに粘度計指
度値をサンプリングして、データをコンピュータに記憶
させて、測定を実行する; (6)測定終了後、第1の検出手段によりピボット保護
手段が第1の状態にあることが検出されるまで、ピボッ
ト離間機構を駆動させて、ピボット保護手段を第1の状
態(ロータロック状態)に移行させる; また、ロータを一定回転させて粘度を測定する、通常の
粘度測定の場合の手順として、次のものがある。
【0115】(1)ロータを一定速回転させて粘度を測
定するための制御モードの測定始動の指示を受け付け
る; (2)指示に応じて、ピボット離間機構を、第2の検出
手段によりピボット保護手段が第2の状態にあることが
検出されるまで駆動させる; (3)第2の検出手段によりピボット保護手段が第2の
状態にあることが検出されると、ピボット離間機構の駆
動を停止させ、回転駆動手段を駆動させる; (4)外部からの測定終了の指示を受ける; (5)指示に応じて、回転駆動手段の駆動を停止させ
る; (6)ピボット離間機構を、第1の検出手段によりピボ
ット保護手段が第1の状態にあることが検出されるまで
駆動させる; これらの手順の具体例については、後述する。
【0116】駆動制御部360は、回転駆動モータ21
を回転駆動させる回転駆動モータ駆動回路361と、こ
の駆動回路361に対して情報処理部350からの制御
信号を出力する回転駆動モータインタフェース362
と、ロック用モータ34を駆動させるロックモータ駆動
回路363と、このロックモータ駆動回路363に対し
て情報処理部350からの制御信号を出力するロックモ
ータインタフェース364と、リミットスイッチ31、
32のオンオフ信号を情報処理部350に入力するため
のリミットスイッチインタフェース365と、回転差動
トランス23の計測値をアナログ/ディジタル変換して
情報処理部350に送るA/Dコンバータ366と、外
部の装置、例えば、コンピュータシステム390と接続
するための入出力用インタフェース367とを備える。
なお、コンピュータシステム390には、例えば、中央
処理装置(CPU)391、プリンタ392、メモリ3
93等が含まれる。
【0117】入出力部370は、制御装置35に対し
て、例えば、外部から実行/停止の指示、設定値、デー
タの入力等を行うためのキーボード371と、情報処理
部350から出力される情報を表示するデータ表示器3
72と、ステータス表示器373と、モード表示器37
4とを有する。
【0118】キーボード371には、数字を入力するテ
ンキー371aと、実行/停止を指示する実行/停止ス
イッチ371bと、モード選択キー371cおよび37
1dとを含む。モード選択キー371cは、ロータ一定
速回転による慣用の粘度計測モード(ORD.MODE)を選択
し、371dはばね緩和法による粘度計測モード(S.R.
MODE)選択する。
【0119】データ表示器372には、測定された粘度
計指度、粘度、および、ロータの回転速度が数字で表示
される。表示素子としては、例えば、発光ダイオード等
の数字表示素子が用いられる。
【0120】ステータス表示器373には、粘度計の状
態を示すための5個の表示部373aから373eが配
置されている。これらは、例えば、発光ダイオードが用
いられる。表示部373aは停止(STOP)、373bは
拘束(LOCKING)、373cは開放(RELEASING)、37
3dは実行(RUN)、373eは測定(MEASURING)とを
それぞれ示し、粘度計の状態に対応して、それぞれ発光
する。
【0121】モード表示器374は、ロータ一定速回転
による慣用の粘度計測モード表示(ORD.MODE)374a
と、ばね緩和法による粘度計測モード表示(S.R.MODE)
374bとを有する。
【0122】ピボット保護装置200は、上述した構成
を有し、ロータ軸5bを拘束すると共に、上記ピボット
11を軸受12から離間させた第1の状態(ロータロッ
ク状態)と、ピボット11を軸受12に接触させると共
に、ロータ軸5bの拘束を解除した第2の状態(ロータ
ロック開放状態)とを少なくとも有する。
【0123】制御装置35は、外部からの指示に応じ
て、ピボット保護装置200が目的の状態となるように
ロック用モータ34の駆動動作を制御すると共、その保
護装置200の状態にあわせて、回転駆動モータ21の
駆動動作を制御する。
【0124】次に、本実施例の動作について、さらに詳
細に説明する。
【0125】本実施例の回転粘度計は、図33に示すよ
うに、一連のシーケンスに従って、その状態が遷移す
る。図33において、“0”は、粘度計の停止状態を示
す。この時は、ピボット11と軸受12とは離間し、ロ
ータ軸5bはその回転が拘束されている。この状態が、
第1の状態である。“1”は、ロータ軸5bの拘束を解
除する状態を示す。“2”は、粘度計が回転して、測定
状態にあることを示す。この場合、ピボット11と軸受
12とは接触し、ロータ軸5bは拘束から開放されてい
る。この状態が、第2の状態である。“3”は、ロータ
軸5bの回転を拘束する状態を示す。
【0126】本実施例においては、外部からの指示によ
り選択された測定モード(通常の粘度測定法またはばね
緩和法)に対応した粘度測定が、“2”の測定状態で、
実行される。
【0127】次に、この一連の動作について説明する。
まず、本実施例の粘度計の測定動作の概要について、図
34を参照して説明する。
【0128】測定開始時は、制御装置35の電源の投入
が行われると(ステップ1001)、CPU351は、
リミットスイッチ31の接点がオンか否か調べる(ステ
ップ1002)。これは、リミットスイッチインタフェ
ース365からの信号により知ることができる。リミッ
トスイッチ31がオフであれば、ロックモータインタフ
ェース364を介してロックモータ駆動回路363に対
して、スリーブ28を上昇させる方向にロック用モータ
34を駆動するよう指示する(ステップ1003)。こ
の時、CPU351は、リミットスイッチ31がオンに
なるまで、表示部373bを点灯させる。一方、リミッ
トスイッチ31がオンであれば、ロック用モータ34を
駆動させない。
【0129】ロック用モータ34が駆動されると、ねじ
34aが回転する。ねじ34aの回転にともなって、こ
れと螺合するブロック33が軸方向に変位し、これが固
定されているスリーブ28が上昇する。スリーブ28が
上昇すると、スリーブ28に固定されている円板41が
上昇する。上昇にともなって、円板41は、それに設け
られた内歯歯車42が、ロータ軸5bに固定される外歯
歯車40と噛み合う。これにより、ロータ軸5bがスリ
ーブ28により回転が拘束されることになる。また、ス
リーブ28がさらに若干上昇することにより、円板41
が外歯歯車40を押し上げる。これにともなって、ロー
タ軸5bおよび5cが押し上げられ、ピボット11が上
昇して、軸受12から離間する(図31参照)。
【0130】この動作により、ロータ軸5bが拘束状態
となると共に、ピボット11と軸受12とが離間状態と
なる。また、このロータ軸5bの拘束と、ピボット11
と軸受12との離間は、後述するように、測定終了時に
も行なわれる。
【0131】次に、測定モードの判定を行なう(ステッ
プ1004)。測定モード判定は、モード選択キー37
1cおよび371dのいずれが選択されているかを調べ
ることにより行なう。ばね緩和法が選択されていれば、
ばね緩和粘度測定が実行される(ステップ1005)。
一方、一定速回転による粘度測定が選択されていれば、
その測定が実行される(ステップ1007)。そして、
それぞれの測定が終了したとき、それぞれ終了動作を実
行して(ステップ1006、1008)、測定動作を終
了する。
【0132】次に、ばね緩和法による粘度測定動作につ
いて図35のフローチャートを参照して説明する。
【0133】まず、測定実行指示の入力を受け付ける
(ステップ1501)。実行指示があると、これを受け
て、CPU351は、ロック用駆動モータ駆動回路36
3を起動して、ロック用駆動モータ34をリリース方向
に駆動させるよう制御する(ステップ1502)。CP
U351は、リミットスイッチ32がオンするまで、こ
のリリース動作を続ける(ステップ1503)と共に、
表示部373cを点灯させる。
【0134】すなわち、リリース動作では、スリーブ2
8を下降させるようロック駆動用モータ34が駆動制御
される。ロック用モータ34が駆動されると、ねじ34
aが回転する。ねじ34aの回転にともなって、これと
螺合するブロック33が軸方向に変位し、これが固定さ
れているスリーブ28が下降する。スリーブ28が下降
すると、スリーブ28に固定されている円板41が下降
する。下降にともなって、円板41によって押し上げら
れていた外歯歯車40が下降して、ピボット11が下降
して、軸受12に接触する。また、内歯歯車42と外歯
歯車40と噛み合いが外れ、これにより、ロータ軸5b
のスリーブ28による拘束が解除される。
【0135】リミットスイッチ32がオンすると、リリ
ース動作を停止し、ばね緩和測定が実行される。この段
階では、ロータ軸5bは回転可能な状態にあり、かつ、
ピボット11および軸受12とが接触した状態にある。
【0136】次に、CPU351は、回転駆動用パルス
モータ21を、予め入力されている初期設定速度で回転
駆動させる(ステップ1504)。パルスモータ21が
回転すると、トルクスプリング(バネ)4aを介してロ
ータ6aが回転駆動される。ここで、試料液の粘度特性
により生じる粘性トルクにより、トルクスプリング4a
がねじられ、そのねじれ量が粘度計指度値(以下、指度
値という)として測定される。
【0137】具体的には、バネ4aのねじれ量に対応す
る角度が、回転差動トランス23により検出され、A/
Dコンバータ366によりディジタル値に変換されて、
指度値としてCPU351に送られる。CPU351
は、この指度値θを、目標ピーク値Θと比較し(ステッ
プ1505)、その結果に応じて、回転駆動用パルスモ
ータ駆動回路361を起動して、回転駆動用パルスモー
タ21の回転動作を制御する。
【0138】ここで、θ<Θであれば、粘度計指度値が
目標値以下である状態にあるので、目標値Θに達するよ
うに、パルスモータ21の回転速度を、所定の量、例え
ば、1ステップ相当分だけ増加させる(ステップ150
6)。
【0139】ここで、目標指度値Θとしては、指度10
0%を用いても良く、または、キーボード371のテン
キー371aを用いて、その他の値を入力することがで
きる。入力値は、モード選択の情報と共に、例えば、R
AMに格納される。CPU351は、このRAM内の情
報を参照して、各種判定等を実行する。
【0140】θ=Θであれば、パルスモータ21の回転
駆動を停止することにより、回転駆動を急停止させる
(ステップ1507)。パルスモータ21の回転が急停
止すると、その後、ロータ6aは、それまで巻き上げら
れてきたバネ4aの緩和トルクにより回転駆動され、試
料液の粘性トルクに抗して回転をしばらくの間だけ続け
る。
【0141】本実施例においては、このようなバネ4a
の緩和トルクによる回転状態における指度値変化が、回
転差動トランス23により検出される。CPU351
は、回転差動トランス23からA/Dコンバータ366
を介してばね緩和データとして、指度値データを予め定
められた周期でサンプリングする(ステップ150
8)。
【0142】また、この間に、CPU351は、測定開
始時点からの経過時間tと、予め定めたサンプリング期
間Tとを比較する(ステップ1509)。t<Tであれ
ば、測定動作を継続させると共に、その間、表示部37
3eを点灯させる。t≧Tとなると、測定終了信号を出
力して、測定を終了させる(ステップ1510)。
【0143】なお、サンプリング周期およびサンプリン
グ期間は、キーボード371を用いて予め登録しておく
ことができる。サンプリング周期は、例えば、1秒から
数秒程度に選ばれる。また、サンプリング期間は、例え
ば、5分から10分程度に選ばれる。この登録は、例え
ば、メモリ352のRAMで行なうことができる。経過
時間tは、例えば、経過時間を掲示するタイマを設ける
ことにより求めることができる。また、サンプリング期
間Tは、例えば、タイマを設けて、これに予め設定して
もよい。この場合、tとの比較は必要とせず、タイマか
らの終了信号が出力された時点で、測定を終了させる。
【0144】ばね緩和データは、例えば、メモリ352
のRAMに格納され、これに基づいて、粘度を求める演
算がCPU351により行なわれる。結果は、RAMに
格納されると共に、データ表示器372に表示される。
【0145】なお、計測データをコンピュータシステム
390に送って、一旦メモリ393に格納させ、このデ
ータに基づいて、CPU391により粘度を求める演算
を行なう構成としてもよい。この場合、コンピュータシ
ステムのプリンタ392で印字出力することができる。
また、図示していないディスプレイ上で、数値、図表等
の形で表示することができる。
【0146】この後、測定終了動作を実行する。この動
作は、図36に示すように、まず、停止指示を受信する
(ステップ1601)。この停止指示は、ばね緩和法の
測定の場合には、上記測定終了信号が用いられる。停止
指示を受けると、CPU351は、ロック駆動用モータ
駆動回路363に対して、ロック駆動用モータ34をロ
ータ軸5bを拘束する方向、すなわち、スリーブ28を
上昇させる方向に駆動させる(ステップ1602)。こ
れは、リミットスイッチ31の接点がオンになるまで継
続させる(ステップ1603)。この間、表示部373
bを点灯させる。そして、リミットスイッチ31がオン
になると、ロック駆動用モータ34の駆動を停止させる
と共に、表示部373aを点灯させる。
【0147】これにより、ばね緩和法による粘度測定の
一連の動作が終了する。
【0148】次に、一定回転速度による粘度測定動作に
ついて図37のフローチャートを参照して説明する。
【0149】まず、測定実行指示の入力を受け付ける
(ステップ1701)。実行指示があると、これを受け
て、CPU351は、スリーブ28を下降させる方向に
ロック用モータ34を駆動するよう指示する(ステップ
1702)。そして、リミットスイッチ32がオンする
までこのリリース動作を続ける。この間、CPU351
は、表示部373cを点灯させる。リミットスイッチ3
2がオンすると、リリース動作を停止し、表示部373
dを点灯させる(ステップ1703)。そして、回転駆
動モータインタフェース362を介して、回転駆動モー
タ駆動回路361に、回転駆動モータ21の回転を指示
する(ステップ1704)。この回転速度についても、
上述したように、速度を指定できると共に、変化させる
ことができる。
【0150】この状態で、粘度の測定が行われる。測定
は、回転差動トランス23により、出力軸22と第2の
駆動軸5cとの角度変位を検出することにより行われ
る。回転差動トランス23の検出値は、A/Dコンバー
タ366でディジタル値に変換され、インタフェースボ
ード354を介して情報処理部350に送られる。
【0151】測定データは、例えば、メモリ352のR
AMに格納されると共に、CPU351で演算処理され
る。処理結果は、別に求めた、ロータの回転速度と共
に、データ表示器372に表示される。
【0152】なお、この場合も、計測データをコンピュ
ータシステム390に送って、一旦メモリ393に格納
させ、このデータに基づいて、CPU391により粘度
を求める演算を行なう構成としてもよい。この場合、コ
ンピュータシステムのプリンタ392で印字出力するこ
とができる。また、図示していないディスプレイ上で、
数値、図表等の形で表示することができる。
【0153】次に、図38に示すフローチャートに従っ
て、粘度計の測定終了時の動作について説明する。
【0154】まず、回転駆動パルスモータ21が回転中
であり、表示部373dが点灯されている状態で、停止
指示を受信する(ステップ1801)。この停止指示
は、実行/停止スイッチ371bによる停止操作の入力
により行なわれる。停止が指令されると、CPU351
は、回転駆動モータインタフェース362を介して、回
転駆動モータ駆動回路361に、回転駆動モータ21の
停止を指示する(ステップ1802)。
【0155】ついで、CPU351は、ロックモータイ
ンタフェース364を介してロックモータ駆動回路36
3に対して、スリーブ28を上昇させる方向にロック用
モータ34を駆動するよう指示する(ステップ180
3)。そして、リミットスイッチ31がオンするまで、
このロック動作を続ける。この間、CPU351は、表
示部373bを点灯させる。リミットスイッチ31がオ
ンすると、ロック動作を停止し、表示部373aを点灯
させる(ステップ1804)。
【0156】これにより、一定速回転による粘度測定の
一連の動作が終了する。
【0157】上記図34に示す終了動作1006、10
08が実行された後の状態では、ロータ軸5bは、その
回転が拘束される。また、ピボット11と軸受12とは
離間状態にある。従って、ロータ6aの洗浄、交換等の
作業が行われても、ピボットの損傷を防止することがで
きる。しかも、測定終了の指示のみで、ピボットの保護
まで、一連に自動的に実行されるので、使用者がロック
を忘れて、ロータの洗浄等を行うことがない。また、本
実施例では、粘度計の状態が表示されるので、使用者に
粘度計の動作状態を容易に把握させることができ、誤っ
た操作が行われることを防ぐことができる。
【0158】さらに、本実施例では、ロック用モータが
駆動している間は、回転駆動モータの駆動が行われない
ので、ロック動作またはリリース動作と粘度測定動作と
が同時に行われることが防止される。
【0159】本実施例の構成によれば、上記したばね緩
和測定法による試料液の超低速流動域粘度特性解析のた
めの粘度測定も、試料液の粘度計への充填操作を除い
て、シーケンシャルに自動的に実行できる。
【0160】上記各実施例では、スリーブの変位を、ロ
ック用モータにより行なっているが、これに限らず、例
えば、リニアモータ、ソレノイド等をアクチュエータと
して用いて行なうことができる。また、リミットスイッ
チは、マイクロスイッチに限らず、光スイッチ、磁気ス
イッチ、感圧スイッチ等を用いることができる。
【0161】本発明は、上記実施例に限らず、同様な機
能を果たす他の態様によってもよい。また、本発明は、
上記開示された技術思想の範囲内において、種々の変
更、付加が可能である。
【0162】本発明のばね緩和測定法を用いた本実施例
の粘度計によれば、従来技術の方法では極めて不適切な
測定しかできなかった粘弾性的特性を持つ試料液に対し
ても、弾性特性を持たない試料液の場合の測定と変わる
こと無く、正確なばね緩和測定ができる。
【0163】
【発明の効果】本発明によれば、試料液の特性が粘性
的、あるいは、粘弾性的であるかによらず、ほとんどの
試料液に対する低ずり速度領域における粘性特性の測定
を可能とするばね緩和測定方法と、その測定方法に好適
な粘度測定装置を提供することができる。
【0164】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転式粘度計の一実施例の構成を示す
縦断面図。
【図2】図30のデータより求められたずり速度Dとず
り応力Sとの関係を示す流動グラフ。
【図3】図2のずり速度D=0近傍のスケールを拡大し
て描いた、ずり速度Dとずり応力Sとの関係を示す流動
グラフ。
【図4】図30のデータを用いて描いたCasson流
動曲線を示すグラフ。
【図5】図30のデータを用いて描いたCasson流
動曲線を示すグラフ。
【図6】従来のばね緩和測定法の測定原理を説明するた
めの説明図。
【図7】図6で示された従来のばね緩和測定方法により
求められた緩和曲線を示すグラフ。
【図8】図6で示された従来のばね緩和測定方法により
求められた緩和曲線を示すグラフ。
【図9】降伏値θyが同じでも形が異なる3つの緩和曲
線を示したグラフ。
【図10】従来のばね緩和測定方法により求められた練
り歯みがきに対する緩和曲線を示すグラフ。
【図11】図10のデータを用いて得られた、ずり速度
とずり応力との対数関係を示したグラフ。
【図12】図10のデータを用いて得られたCasso
n流動曲線を示したグラフ。
【図13】図10のデータを用いて得られた、見かけ粘
度とずり速度との対数関係を示したグラフ。
【図14】図14(a):本発明が適用される回転式粘
度計において、ピボットと軸受とが離間し、ロータ軸が
ロックされた状態を示す説明図。 図14(b):本発明が適用される回転式粘度計におい
て、ピボットと軸受とが接触し、ロータ軸がリリースさ
れた状態を示す説明図。
【図15】従来のばね緩和法において異なる巻き上げ指
度を用いて得られた3つの緩和曲線を示したグラフ。
【図16】図15に示された3つの緩和曲線を、それら
の時間軸をずらして重ねあわせたグラフ。
【図17】従来のばね緩和法において異なる巻き上げ指
度を用いて得られた3つの緩和曲線を示したグラフ。
【図18】図17に示された3つの緩和曲線を、それら
の時間軸をずらして重ねあわせたグラフ。
【図19】図10で測定された練り歯みがきを用いて、
従来のばね緩和法において異なる巻き上げ指度を用いて
得られた3つの緩和曲線を示したグラフ。
【図20】図19に示された3つの緩和曲線を、それら
の時間軸をずらして重ねあわせたグラフ。
【図21】図30で測定された水性塗料を用いて、従来
のばね緩和法において異なる巻き上げ指度を用いて得ら
れた3つの緩和曲線を示したグラフ。
【図22】同じ試料液に対して、従来技術によるばね緩
和法により得られた緩和曲線aと、本発明によるばね緩
和法により得られた緩和曲線bとを、時間軸をずらして
示したグラフ。
【図23】図23の2つの緩和曲線を重ねて示したグラ
フ。
【図24】同じ試料液に対して、従来技術によるばね緩
和法により得られた緩和曲線aと、本発明によるばね緩
和法により得られた緩和曲線bとを示したグラフ。
【図25】図24で測定された試料液に対して、本発明
を適用したばね緩和法により、異なる巻き上げ指度を用
いて得られた複数の緩和曲線を示したグラフ。
【図26】図25の緩和曲線を、それらの時間軸をずら
して重ねあわせたグラフ。
【図27】図21で測定された水性塗料に対して、従来
技術によるばね緩和法により得られた緩和曲線aと、本
発明によるばね緩和法により得られた緩和曲線bとを示
したグラフ。
【図28】図27で測定された試料液に対して、本発明
を適用したばね緩和法により、異なる巻き上げ指度を用
いて得られた複数の緩和曲線を示したグラフ。
【図29】図28の緩和曲線を、それらの時間軸をずら
して重ねあわせたグラフ。
【図30】従来技術の回転式粘度計により検出されたロ
ータ回転数と指度との関係を示したグラフ。
【図31】図1の実施例の構成の一部の拡大断面図。
【図32】図1の実施例の制御装置のシステム構成例を
示すブロック図。
【図33】図1の実施例における粘度測定動作の状態遷
移図。
【図34】図1の実施例の粘度測定の動作の概要を示す
フローチャート。
【図35】図1の実施例のばね緩和法による粘度測定動
作を示すフローチャート。
【図36】図1の実施例のばね緩和法による粘度測定に
ついての終了動作を示すフローチャート。
【図37】図1の実施例の一定回転速による粘度測定動
作を示すフローチャート。
【図38】図1の実施例の一定回転速による粘度測定に
ついての終了動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
4a…トルクスプリング(渦巻ばね)、4b…L字型部
材、4d…アーム部材、5b…ロータ軸、5c…第2の
駆動軸、6a…円錐ロータ、7a…平板、10a…チャ
ンネル型連結部材、10b…スリーブ、11…ピボッ
ト、12…軸受け、13a…振れ止めピン、21…駆動
パルスモータ、22…出力軸、23…回転差動トラン
ス、25…回転継手、27…ケース、28…スリーブ、
31、32…リミットスイッチ、33…ブロック、33
a…ねじ孔、34…ロック用モータ、34a…ねじ軸、
35…制御装置、40…外歯歯車、41…円板、41a
…貫通孔、42…内歯歯車、100…本体部、200…
ピボット保護装置、350…情報処理部、360…駆動
制御部、370…入出力部、400…第1の連結手段。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】 s=s0+μDn ・・・・・・・・(1) ここで s ;ずり応力 s0 ;降伏値 μ ;非ニュートン粘性係数 D ;ずり速度 n ;粘度指(1>n>0) である。なお、図30は家庭用水性塗料について測定採
取した粘度計回転数rpmと指度θの関係を表すグラフ
で、図2は、図30のデータから求めたずり速度Dとず
り応力sの関係を示す流動グラフである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】以上説明した図7には、降伏値を持つ、一
般的な緩和グラフの曲線の形状を示したが、例えば、炭
化水素油系の粘度計校正用標準液のように、流動特性が
完全なニュートン粘性を持つ液体の場合には、図8に示
すよう、時間と共に指度がゼロに漸近する、以下の式
(6)で表わされる緩和グラフ曲線を描くことは、解析
的にも求められる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】すなわち、前記の実測例で、測定異常を生
じたポリブテン系高粘度粘度計校正用標準液JS60H
は、若干の曳糸性があり、明らかに粘弾性的な性質をも
っている。また、たまたま測定試料液として用いた市販
水性塗料も、曳糸性が示された事から粘弾性的な性質を
持つ材料であることが判った。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】一方、従来の方式のばね緩和測定におい
て、ロータ拘束が解除されて測定が開始される時は、瞬
間的に急激なずり応力が印加されるので、鎖状高分子の
絡み合いがこわれ始めると共に、ゴム弾性と同様な網目
構造の変形によるエントロピー弾性による挙動が現れ
る。すなわち、従来のばね緩和測定では、弾性的ずり変
位と粘性的ずり変位とが、同時複合して発生する粘弾性
現象と考えることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ばね緩和法を用いて試料液の粘度を示す情
    報を測定する粘度測定装置において、 測定すべき試料液に接して回転駆動されるロータと、 ロータを回転駆動させるための回転駆動手段と、 粘度計指度値を検出する指度検出手段と、 回転駆動手段の駆動動作を制御する制御手段とを備え、 制御手段は、ばね緩和法により粘度を測定するための制
    御モードを有し、 この制御モードの場合に、回転駆動手段に対して、測定
    前に検出される粘度計指度値が所定値となるように制御
    を行い、さらに、該指度値が該所定値となった時点で回
    転駆動を停止させ、測定状態へ移行するように制御を行
    うことを特徴とする粘度測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記ロータを支持すると共に、前記ロータに回転駆動力
    を伝達する第1の駆動軸であるロータ軸と、 前記回転駆動手段により発生された駆動力をロータ軸に
    伝達する第2の駆動軸と、 弾性体を有し、該弾性体を介して前記回転駆動手段の出
    力軸と第2の駆動軸とを弾性的に連結して駆動力を伝達
    する第1の連結手段と、 ロータ軸を回転自在に軸受して支持するための、ピボッ
    トおよび軸受を有する支持手段と、 支持手段を迂回してロータ軸と第2の駆動軸とを連結す
    る第2の連結手段と、前記指度検出手段により、前記測
    定状態で検出された粘度計指度値から粘度を算出する粘
    度算出手段と、 ロータ軸の回転の拘束および拘束解除を行うための拘束
    機構、および、支持手段のピボットと軸受との離間およ
    び接触を行うためのピボット離間機構を有するピボット
    保護手段とを、さらに有し、 前記指度検出手段は、ロータ軸と第2の駆動軸との回転
    角度差を検出することで、それに対応する粘度計指度値
    を検出するものであり、 ピボット保護手段は、ロータ軸が回転しないように拘束
    すると共に、支持手段のピボットを軸受から離間させる
    第1の状態と、支持手段のピボットを軸受に接触させる
    と共に、ロータ軸の拘束を解除する第2の状態とを少な
    くとも有し、 前記制御手段は、前記ばね緩和法により粘度を測定する
    ための制御モードの場合に、前記回転駆動手段に対する
    制御に加えて、ピボット保護手段に対して、測定時では
    第2の状態となり、測定終了後には第1の状態となるよ
    うに制御を行うことを特徴とする粘度測定装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記制御手段は、前記ロータを変速可能な一定速度で回
    転させて粘度を測定する定常流粘度測定のための制御モ
    ードをさらに有し、 この制御モードの場合に、前記ピボット保護手段に対し
    て、測定状態には前記第2の状態となり、測定終了後に
    は前記第1の状態となるように制御すると共に、前記回
    転駆動手段に対して、測定状態では、前記第2の駆動軸
    を回転駆動させるように制御を行うことを特徴とする粘
    度測定装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記制御モードの選択に関する操作を外部から受け付
    け、該操作に対応する制御モード選択信号を出力する操
    作受付手段をさらに有し、 前記制御手段は、入力される制御モード選択信号に応じ
    て、前記ばね緩和法により粘度を測定するための制御モ
    ード、および、前記定常流粘度測定のための制御モード
    のうちいずれか一方を実行することを特徴とする粘度測
    定装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記操作受付手段は、前記ばね緩和法により粘度を測定
    するための制御モードにおける、前記粘度計指度値の所
    定値の設定に関する操作を受け付け、該所定値を示す設
    定信号を前記制御手段へ出力するものであり、 前記制御手段は、入力される設定信号に応じて、該信号
    が示す値を該所定値として記憶する記憶手段を有するこ
    とを特徴とする粘度測定装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、 前記制御手段で設定されている、前記ばね緩和法により
    粘度を測定するための制御モードにおける、前記粘度計
    指度値の所定値とは、指度100%であることを特徴と
    する粘度測定装置。
  7. 【請求項7】ロータと静止平板との間に測定すべき試料
    液を挾持し、そのロータと接続されている弾性体の緩和
    トルクにより回転駆動されるロータの回転に伴う粘度計
    指度値を測定することで、被測定液の粘度を測定するば
    ね緩和粘度測定方法において、 測定前に粘度計指度値が所定値となるように弾性体を介
    してロータを回転駆動し、該指度値が該所定値となった
    時点で該駆動を停止した後に、ばね緩和測定状態へ移行
    することを特徴とするばね緩和粘度測定方法。
JP14665494A 1994-06-28 1994-06-28 ばね緩和粘度測定方法、および、その装置 Pending JPH0815121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14665494A JPH0815121A (ja) 1994-06-28 1994-06-28 ばね緩和粘度測定方法、および、その装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14665494A JPH0815121A (ja) 1994-06-28 1994-06-28 ばね緩和粘度測定方法、および、その装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0815121A true JPH0815121A (ja) 1996-01-19

Family

ID=15412618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14665494A Pending JPH0815121A (ja) 1994-06-28 1994-06-28 ばね緩和粘度測定方法、および、その装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0815121A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019194586A (ja) * 2018-04-30 2019-11-07 アントン パール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングAnton Paar GmbH 回転式粘度計を用いて物質の粘度を特定する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019194586A (ja) * 2018-04-30 2019-11-07 アントン パール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングAnton Paar GmbH 回転式粘度計を用いて物質の粘度を特定する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2971025B2 (ja) ばね緩和測定方法及びその方法を用いて試料液の流動特性を測定する回転式粘度計
EP1601951B1 (en) System and method for automatic identification of a detachable component of an instrument
US8156795B2 (en) System and method for measuring surface energies
US8215151B2 (en) MEMS stiction testing apparatus and method
WO1992006365A1 (en) Rotary viscometer
EP1239432A3 (de) Verfahren zur Ermittlung und Meldung von Überhitzungen und Feuern in einem Flugzeug
ITBO20010516A1 (it) Dispositivo per il serraggio di un contenitore in un miscelatore di fluidi
JP2008139220A (ja) ナノインデンテーション試験の検証方法
Ondarçuhu Tack of a polymer melt: adhesion measurements and fracture profile observations
JPH0815121A (ja) ばね緩和粘度測定方法、および、その装置
EP3222991B1 (en) Apparatus for checking need for maintenance viscometer
EP3328786B1 (de) Verschliesswinkelmessung mit drehmoment
JP7346070B2 (ja) 回転式粘度計を用いて物質の粘度を特定する方法
CN108716981B (zh) 一种光纤连接器测试装置和方法
DE1773500B2 (de) Pruefeinrichtung zur bestimmung der kraftschluessigkeit und verformung sowie von schwachstellen der schaufelbefestigung von turbinenschaufeln
JP4861092B2 (ja) マッド材の充填特性評価方法、及び充填特性評価装置
JPH0743287A (ja) 回転式粘度計
KR101485372B1 (ko) 회전 점도계
EP3850332B1 (de) Verfahren und system zur tarierung und/oder kalibrierung eines rotations-rheometers
CN207408084U (zh) 旋转力测试装置
CN117288669B (zh) 一种胶粘带耐酸碱盐腐蚀试验装置及方法
US20050050961A1 (en) Method and apparatus for determining hydrogen embrittlement
CN217803991U (zh) 纸盒残量检测机构及打印机
JPH02247540A (ja) 回転式粘度計
EP4302064B1 (de) Verfahren und vorrichtung zur überwachung der position einer welle