JPH08150787A - 熱転写記録用シート - Google Patents

熱転写記録用シート

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JPH08150787A
JPH08150787A JP7191503A JP19150395A JPH08150787A JP H08150787 A JPH08150787 A JP H08150787A JP 7191503 A JP7191503 A JP 7191503A JP 19150395 A JP19150395 A JP 19150395A JP H08150787 A JPH08150787 A JP H08150787A
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JP
Japan
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modified silicone
weight
silicone compound
amino
transfer recording
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Application number
JP7191503A
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English (en)
Inventor
Takashi Morishima
高志 森嶋
Toshimitsu Nakai
敏光 中井
Tsutomu Taki
勉 瀧
Hideo Shinohara
秀雄 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非印加時および印加時の摩擦係数が小さく
て、しかも非印加時と印加時の摩擦力の差の少ない走行
性に優れ、さらに高温保存安定性の優れた感熱転写記録
用シートを提供する。 【解決手段】 ベースフィルムの一方の面に高分子化合
物を含有する耐熱滑性層を設け、ベースフィルムの他方
の面に色材層を設けた熱転写記録用シートにおいて、該
耐熱滑性層にアミノ変性シリコーン化合物とカルボキシ
ル変性シリコーン化合物とが含まれ、その含有比率が、
アミノ基1モルに対し、カルボキシル基が0.1〜50
モルの範囲であることを特徴とする熱転写記録用シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写記録用シートに関
し、特にプリンタ、ファクシミリ、複写機等のOA端末
機におけるカラー記録やテレビ画像のカラー記録用等に
有利に使用できる熱転写記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】カラー記録には、電子写真、インクジェ
ット、感熱転写記録などの種々の方式が検討されている
が、感熱転写記録方式は装置の保守性、操作の容易性な
どの点において、他の方式に比べて有利である。感熱転
写記録方式では、一般に色材を含むインキを塗布した熱
転写記録用シートの色材層に受像体を重ね合わせ、熱転
写記録用シートの背面をサーマルヘッドで加熱して、熱
転写記録用シートの色材を受像体に転写させることによ
り記録が行われる。かかる方式には、熱溶融性インキを
用いる溶融型熱転写記録方式と、昇華性色素を含むイン
キを用いる昇華型熱転写記録方式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の感熱転写記録
方式では、熱転写記録用シートがサーマルヘッドで高温
に加熱されるため、熱転写記録用シートのベースフィル
ムの耐熱性が不十分な場合には、ベースフィルムがサー
マルヘッドに融着し、この融着によりヘッドの走行が不
良となるスティッキング現象が発生する。さらには、こ
のためにシートにシワや切れの現象を引き起こし正常な
記録が不可能となる。このため従来、ベースフィルムの
耐熱性を改良するために各種の耐熱性樹脂の保護膜を設
けることが提案され(特開昭55−7467号、特開昭
57−74195号各公報)、また走行性を更に改善
し、サーマルヘッドとの摩擦係数を下げるために上記の
保護層に耐熱性の微粒子、滑剤、界面活性剤などを添加
することも提案されている(特開昭55−146790
号、特開昭56−155794号および特開昭57−1
29789号各公報等参照)。
【0004】しかし、近年の感熱転写記録方法の高速化
に伴って、従来より更に高いエネルギーをサーマルヘッ
ドに加えるため熱転写シートに大きな負担がかかり、上
記公知文献に記載された方法では充分なサーマルヘッド
の走行性を得ることが困難となっている。サーマルヘッ
ドに電圧を印加しない非加熱時の摩擦係数は、耐熱滑性
層に加えた滑剤の効果が現れにくいため大きくなり易
く、走行性に影響がでやすい。一方、サーマルヘッドに
電圧を印加する加熱印画時の摩擦係数も、熱によって耐
熱滑性層が軟化することにより、先に述べた様なスティ
ッキング現象が発生しやすくなるため、大きくなり易
い。従って、常に摩擦係数を小さく維持できる耐熱滑性
層が必要である。
【0005】また、熱転写記録用シートの走行において
は、熱転写用シート背面とサーマルヘッドとの間の摩擦
係数が、加熱時、非加熱時を問わず、また加熱の程度に
係わらず、一定に保たれることが望まれる。つまり、1
画面の中にも濃度の濃い所と薄い所があるから、サーマ
ルヘッドに印加されるエネルギーもそれに伴って部分部
分で異なることになる。ここで、摩擦係数が加熱程度で
大きく変動すると、カラーシートに加わる張力が1画面
中で場所によって変動することになる。即ち、ある部分
は大きな張力でカラーシートが引っ張られ、一方別のあ
る部分ではほとんど張力がかからない様な状況が生ず
る。この様な状況下ではカラーシートやそれと共に搬送
される受像紙の走行が横方向にずれたり、受像紙が徐々
に斜めに搬送されたりする結果となり、精細な画像を得
ることが困難となる。
【0006】以上述べた様な理由から、加熱時と非加熱
時における摩擦係数が小さく、かつ変動が小さい耐熱滑
性層を持つ熱転写記録用シートが要求されている。ま
た、通常、熱転写記録用シートは、プラスチック性の筒
状のボビン等に巻かれて保管されており、耐熱滑性層は
色材を含む色材層と接触している。また、熱転写記録用
シートは保管場所やその環境によっては保存時の温度が
高くなることが考えられる。このとき、熱により、耐熱
滑性層と色材を含む色材層とが融着すれば、受像体に画
像を形成する際に保存時の融着跡が現れる等の問題を生
じて、精細な画像を得ることが困難になる。
【0007】この問題を解決するために、高温保存時に
おいても、ボビンに巻かれている熱転写用記録シートの
耐熱滑性層と色材を含む色材層との融着が無く、画像形
成が問題なくできることが要求される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討の結果、特定のシリコーン化合物
を特定の割合の組合せで含有する耐熱滑性層をベースフ
ィルム上に設けることにより、摩擦係数が小さく、かつ
加熱時と非加熱時の摩擦係数の変動差も小さく、走行性
に優れ、さらに、高温保存時における融着のない熱転写
記録用シートが得られることを見出し、本発明に到達し
た。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、ベースフィル
ムの一方の面に高分子化合物を含有する耐熱滑性層を設
けた熱転写記録用シートにおいて、該耐熱滑性層に、ア
ミノ変性シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコー
ン化合物とが含まれ、その含有比率が、アミノ基1モル
に対し、カルボキシル基が0.1〜50モルの範囲であ
るか、その重量比がアミノ変性シリコーン化合物1に対
しカルボキシル変性シリコーン化合物が0.1〜100
の範囲であることを特徴とする熱転写記録用シートに関
するものである。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
於けるアミノ変性およびカルボキシル変性のシリコーン
化合物は公知の物が使用でき、例えば下記一般式(1)
の様な構造を有している化合物が使用できる。
【0011】
【化1】
【0012】(式中、Rはアミノ変性シリコーン化合物
の場合はそれぞれ独立してアルキル基、フェニル基また
はアミノアルキル基を表すが、少なくとも1つはアミノ
アルキル基を表し、カルボキシル変性シリコーン化合物
の場合はそれぞれ独立してアルキル基、フェニル基、ア
ルコキシ基、またはカルボキシルアルキル基を表すが、
少なくとも1つはカルボキシルアルキル基を表し、nは
整数を表す。)該変性シリコーン化合物は、通常は、例
えば伊藤邦雄編“シリコーンハンドブック”(日刊工業
新聞社、1990年発行)の第163頁以降に詳しく記
載されている方法にて合成される。主原料としては、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテト
ラフェニルシクロテトラシロキサンまたはオクタフェニ
ルシクロテトラシロキサンなどが好ましく、これと変性
基(アミノアルキル基またはカルボキシルアルキル基)
を有するシリコーン化合物との反応により合成される。
【0013】アミノ変性シリコーン化合物としては、ア
ミン当量(アミノ基1モルを含有するシリコーン化合物
g数)として15000g/mol以下のものが一般的
で、300〜13000g/molの範囲であることが
好ましい。粘度(25℃)は、10〜5000cStの
範囲であることが一般的で、10〜4000cStの範
囲のものが好ましい。これらの条件に相当する市販のシ
リコーン化合物としては、例えば、X−22−161
A、X−22−161C、KF−393、KF−86
0、KF−861、KF−880、KF−8005、K
F−865、KF−8003、KF−859、KF−8
57、KF−862(以上、信越化学工業株式会社
製)、BY16−757、BY16−853、BY16
−853B、BY16−828、BY16−850、B
Y16−849、BX16−755B(以上、東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン株式会社製)、PS−513
(ペトラルチシステムズ社製)などのアミノ変性シリコ
ーンオイルと呼ばれる化合物が挙げられる。
【0014】カルボキシル変性シリコーン化合物として
は、カルボキシル当量(カルボキシル基1モルを含有す
るシリコーン化合物g数)として5000g/mol以
下であることが一般的で、600〜4000g/mol
の範囲であることが好ましく、粘度(25℃)は10〜
7000cStの範囲であることが一般的で、50〜6
000cStの範囲のものが好ましい。これらの条件に
相当する市販のシリコーン化合物としては、例えば、X
−22−162A、X−22−162C、X−22−3
701E、X−22−3710(以上、信越化学工業株
式会社製)、BY16−750、BY16−754、S
F8418(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製)などのカルボキシル変性シリコーンオイル
と呼ばれる化合物が挙げられる。
【0015】アミノ変性シリコーン化合物とカルボキシ
ル変性シリコーン化合物はその両方が耐熱滑性層に含有
されていることが大切であり、どちらか一方が欠けても
十分な性能は期待できない。アミノ変性シリコーンとカ
ルボキシル変性シリコーンは、層内で弱くイオン結合を
形成していると考えられ、そのイオン結合した状態が両
シリコーンの耐熱滑性層内での保持性を高め、かつ加熱
時の滑性を保つ役割を果たしている。従って、相互にイ
オン結合が十分に機能するような範囲で、それぞれ添加
することが重要である。
【0016】両シリコーン化合物の含有比率は、変性基
の数で考えれば、アミノ基1モルに対し、カルボキシル
基が0.1〜50モルの範囲が好ましく、より好ましく
は0.15〜20モルの範囲である。重量比で考える場
合はアミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カル
ボキシル変性シリコーン化合物が0.1〜100重量部
の範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜30重量部
の範囲である。含有比率については、変性基の数、重量
比の両方を満足させる組み合わせが最も好ましいが、い
ずれか一方を満たせば、目的とした性能を得ることがで
きる。
【0017】本発明に使用される耐熱滑性層には、シリ
コーンを保持するための高分子化合物が単数、もしくは
複数含まれるが、その高分子化合物として、アルキルア
ルコールのアクリル酸エステル及び/またはアルキルア
ルコールのメタクリル酸エステルを構成成分として含む
高分子化合物が含まれていることが好ましい。さらに好
ましくは、炭素数6以上10以下のアルキルアルコール
のアクリル酸エステル及び/またはアルキルアルコール
のメタクリル酸エステルを構成成分として含む高分子化
合物が含まれていることが好ましい。
【0018】炭素数6以上10以下のアルキルアルコー
ルのアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル
としては、特に限定はないが、例えばヘキサノール、ヘ
プタノール、オクタノール、デカノール、ジメチルブタ
ノール、エチルブタノール、メチルペンタノール、ジメ
チルペンタノール、エチルペンタノール、メチルヘキサ
ノール、エチルヘキサノール、メチルヘプタノール、シ
クロヘキシルエタノール、ジメチルヘプタノール、エチ
ルジメチルペンタノール、トリメチルヘキサノール、シ
クロヘキシルプロパノール、ジメチルオクタノール、シ
クロヘキサノールなどのアルコールとアクリル酸、また
はメタクリル酸とのエステル類を挙げることができる。
【0019】これらを構成成分として含む高分子は、こ
れらアクリル酸、メタクリル酸の一種またはそれ以上に
よる重合体であるか、またはこれらアクリル酸、メタク
リル酸の一種またはそれ以上と他の構成成分との共重合
体が一般的である。前記の他の構成成分とは、重合体の
物性を調節するのに用いるものであり、特に限定はされ
ないが、例えば、メチルメタクリレート、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレー
ト、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、
イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソ
ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、te
r−ブチルアクリレート、ter−ブチルメタクリレー
トなどの炭素数5以下のアクリル酸エステル類またはメ
タクリル酸エステル類や、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミド、塩化エチレン等のビニル化合物などをあげ
ることができる。中でもメチルメタクリレート、ブチル
メタクリレートが用いられることが多い。
【0020】前記高分子化合物の合成法は常法でよく、
例えば所定量で混合した構成成分を、常法に従って溶液
中でのラジカル重合法を用いることで得ることが出来
る。この様にして得られる高分子化合物中の炭素数6以
上10以下のアルキルアルコールのアクリル酸エステル
もしくはメタクリル酸エステルの構成比率は、0.5〜
100重量%であり、好ましくは1〜20重量%であ
る。
【0021】また、本発明の耐熱滑性層には、上記のア
ルキルアルコールのアクリル酸エステル及び/またはア
ルキルアルコールのメタクリル酸エステルを構成成分と
して含む高分子化合物の他、それ以外の分子化合物を添
加してもよい。該高分子化合物としては、特に限定はさ
れないが、例えばガラス転移温度が50℃以上の通常の
熱可塑性樹脂が好適に用いられ、具体的にはポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル
共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、ポリ
カーボネート、ポリエステル、ポリビニルブチラール、
ポリビニルアセタール、ポリウレタンなどが好適に用い
られる。高分子化合物のガラス転移温度が低すぎる場合
には、熱転写記録用シートを比較的高温で保存した際
に、巻重ねられた色材層側からの色素の転移が生じた
り、色材層と耐熱滑性層がブロッキングを起こすことが
ある。
【0022】さらに、本発明の耐熱滑性層中には、上記
成分の他に、必要に応じて有機または無機の非昇華性粒
子、分散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡
剤、酸化防止剤、粘度調節剤、pH調整剤、潤滑剤など
の添加剤を、必要に応じて適宜添加してもよい。粒子の
耐熱滑性層に対する添加は、表面の粗度を上げて摩擦係
数を下げたり、ヘッドに対するクリーニング性を高めた
りする目的で行われる。そのため、粒径のそろった球状
の粒子や軟質の粒子を添加することで摩耗の程度を軽減
する工夫や、微少な粒子で表面の粗度をコントロールす
る工夫が行われている。粒径のそろった球状の粒子や軟
質の粒子の直径としては、通常は数100nmから3μ
m程度、微小な粒子の大きさとしては、通常は数10n
m以下のものが好適に用いられる。
【0023】本発明の耐熱滑性層を形成するには、高分
子化合物並びにアミノ変性シリコーン化合物およびカル
ボキシル変性シリコーン化合物と、好ましくは炭素数6
以上10以下のアルコールのアクリル酸エステル及び/
またはメタクリル酸エステルを構成成分として含有する
高分子化合物とを用い、さらに必要に応じて適宜上記以
外の高分子化合物、粒子等の添加剤、溶剤を加えて混合
し、耐熱滑性層塗工液を得、これをベースフィルム上に
塗工乾燥して形成することが出来る。
【0024】耐熱活性層塗工液中の混合比率としては、
炭素数6以上10以下のアルコールのアクリル酸エステ
ル及び/またはメタクリル酸エステルを構成成分として
含有する高分子化合物(A)とそれ以外の高分子化合物
(B)との比が1対0〜20(重量比)が好ましく、よ
り好ましくは1:0.05〜10である。上記の高分子
化合物(A)とそれ以外の高分子化合物(B)に対する
アミノ変性シリコーン化合物(C)およびカルボキシル
変性シリコーン化合物(D)の配合比率(A+B:C+
D)は、重量比で1:0.01〜0.3とすることが一
般的で、好ましくは1:0.05〜0.2である。
【0025】また、全高分子化合物(A+B)の構成成
分中に炭素数6以上10以下のアルコールのアクリル酸
エステル及び/またはメタクリル酸エステルが構成成分
として占める割合は、重量比で1重量%以上で有ること
が好ましい。特に好ましくは2重量%以上である。耐熱
滑性層塗工液に用いられる溶剤としては、特に限定はさ
れないが、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系
溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢
酸ブチルなどのエステル系溶剤;イソプロパノール、ブ
タノールなどのアルコール系溶剤;ジオキサン、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル系溶剤;ジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤などを
挙げることが出来る。
【0026】耐熱滑性層を形成させる際に用いる上記塗
工液の塗布方法としては、例えば原崎勇次著「コーティ
ング方式」(1979年、槇書店発行)に記載されてい
るグラビアコーター、リバースコーター、エアドクター
コーターを用いる方法などの種々の方法が挙げられる。
ベースフィルム上に形成せしめる耐熱滑性層の厚さは、
乾燥膜厚で、通常0.1〜10μm、好ましくは0.3
〜5μmである。
【0027】本発明の熱転写記録用シートに用いられる
ベースフィルムとしては、特に限定はされないが、例え
ばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフ
ィルム、アラミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ
カーボネートフィルム、ポリフェニレンサルファイドフ
ィルム、ポリスルホンフィルム、セロファン、トリアセ
テートフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが挙げら
れるが、中でもポリエチレンテレフタレートフィルム
は、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、価格などの面か
ら好ましく、特に2軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムが好ましい。これらのベースフィルムの厚さは
一般に1〜30μmであるが、好ましくは2〜10μm
である。
【0028】ベースフィルム上には、耐熱滑性層との接
着性を向上させる目的で接着層を設けてもよい。接着層
の組成に特に制限はないが、ポリエステル系の樹脂が望
ましい。耐熱滑性層を熱硬化性樹脂を用いて作成するこ
とも知られており、その場合には、熱硬化性樹脂と硬化
剤とを含んだ液を塗工乾燥後、硬化のために加熱処理
し、硬化皮膜の耐熱滑性層を得る。性能的には良好なも
のが得られるが、熱硬化工程が必要なので、コストが高
くなる。熱可塑性樹脂を用いる場合は、硬化工程が無い
分、コスト的に有利である。
【0029】熱転写記録用シートのベースフィルム上の
耐熱滑性層とは反対面に設けられる色材層の形成方法
は、特に限定されるものではなく、例えば、昇華型感熱
転写記録用シートの場合には、昇華または熱拡散性色素
と耐熱性の良好なバインダー樹脂を、適当な溶媒に溶解
あるいは分散させてインキを調製し、このインキをベー
スフィルムに塗布、乾燥させて形成することができ、ま
た溶融型熱転写記録用シートの場合には、顔料または色
素などの色材を熱溶融性物質中に、必要に応じて溶媒を
用いて溶解あるいは分散させてインキを調製し、このイ
ンキをベースフィルムに塗布、乾燥して形成することが
できる。
【0030】昇華型熱転写記録用シートに用いられる昇
華または熱拡散性色素としては、アゾ系、アントラキノ
ン系、スチリル系、ナフトキノン系、キノフタロン系、
アゾメチン系、クマリン系、および縮合多環系などの種
々の非イオン性の色素が用いられ、またバインダー樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアリ
レート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂およびアセチルセ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどの
ようなセルロース系樹脂などが用いられる。溶剤として
は、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの
エステル系溶剤;イソプロパノール、ブタノール、メチ
ルセロソルブなどのアルコール系溶剤;ジオキサン、テ
トラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤な
どが用いられる。
【0031】溶融型熱転写記録用に用いられる色材とし
ては、例えば顔料としてカーボンブラックのような無機
顔料;アゾ系、縮合多環系などの各種有機顔料が用いら
れ、また色素として例えば、酸性染料、塩基性染料、油
溶性染料、金属錯塩染料などが用いられる。又、熱溶融
性物質としては融点が40〜120℃の固体または半固
体物質が好ましく、パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックス、カルナバワックス、モンタンワック
ス、木ロウ、油脂系合成ワックスなどが挙げられる。溶
剤としては、前記の昇華型熱転写記録用シートの場合と
同様のものが挙げられる。
【0032】上記の色材層用インキの中には上記成分の
他に、必要に応じて有機または無機の非昇華性粒子、分
散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、酸化
防止剤、粘度調節剤、pH調整剤、潤滑剤などの添加剤
を添加してもよい。これら色材層用インキは、耐熱滑性
層と同様の塗布方法により塗設されればよく、塗布膜厚
は乾燥膜厚で0.1〜5μmが適当である。
【0033】また、本発明の熱転写記録用シートの製造
においては、上記の塗布により形成される各層とベース
フィルムとの接着性を改良するために、ベースフィルム
の表面にコロナ処理を行ったり、あるいはポリエステル
系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹
脂、ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂などによ
る下引きコート処理を行っても良い。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本実施例はその要旨を超えない限り、本発明を
何等限定するものではない。 実施例−1 (a)熱転写記録用シートの作製 FR−4660(メチルメタアクリレート、ブチルメタ
アクリレート、2−エチル−1−ヘキシルメタアクリレ
ート共重合体(メチルメタアクリレート:ブチルメタア
クリレート:2−エチル−1−ヘキシルメタアクリレー
ト=92:5:3(重量比)、Tg90℃、三菱レイヨ
ン株式会社製)80重量部、バイロン200(ポリエス
テル樹脂、Tg67℃、東洋紡績株式会社製)20重量
部、KF−857(アミノ変性シリコーンオイル、アミ
ン当量830g/mol、粘度70cSt(25℃)、
信越化学工業株式会社製)4重量部、BY16−757
(アミノ変性シリコーンオイル、アミン当量1500g
/mol、粘度約180cSt(25℃)、東レ・ダウ
コーニング・シリコーン株式会社製)4重量部、X−2
2−162C(カルボキシル変性シリコーンオイル、カ
ルボキシル当量2330g/mol、粘度207cSt
(25℃)、信越化学工業株式会社製)8重量部、トス
パール120(球状シリコーン樹脂、平均粒径2μm、
東芝シリコーン株式会社製)7重量部、アエロジルR−
972(不定形シリカ微粒子、平均粒径約0.016μ
m、日本アエロジル株式会社製)5重量部、トルエン3
00重量部、メチルエチルケトン200重量部を混合
し、ペイントシェーカーで2時間分散して、塗工液を作
成した。
【0035】この塗工液中のシリコーン化合物の含有量
は全高分子物質(FR−4660とバイロン200)1
00重量部に対し、16重量部であり、アミノ変性シリ
コーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物との
含有比率は、アミノ基1モルに対し、カルボキシル基が
0.46モルであり、アミノ変性シリコーン化合物1重
量部に対し、カルボキシル変性シリコーン化合物が1.
0重量部である。
【0036】また、この塗工液中の全高分子物質(FR
−4660とバイロン200)中における炭素数6以上
10以下のアルコールのメタクリル酸エステル(2−エ
チル−1−ヘキシルメタクリレート)の含有量は2.4
重量%である(3重量%×80重量部÷(80+20)
重量部)。この液を二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(4.5μm厚)にウエット膜厚約7.5μ
mとなるように塗工し、120℃で5秒間乾燥させ耐熱
滑性層を形成した。このフィルムの耐熱滑性層の反対面
に、赤色系昇華性色素(カラーインデックス、ディスパ
ースレッド60)4重量部、フェノキシ樹脂10重量
部、メチルエチルケトン90重量部、イソプロパノール
10重量部からなるインクを塗布乾燥し、約1μm厚の
色材層を形成し、熱転写記録用シートを作成した。
【0037】(b)受像体の作製 TR−220(飽和ポリエステル樹脂、日本合成化学工
業株式会社製)10重量部、KF−393(アミノ変性
シリコーンオイル、信越化学工業株式会社製)0.5重
量部、メチルエチルケトン15重量部、トルエン15重
量部からなる液を合成紙(商品名:ユポFPG150、
王子油化合成紙株式会社製)にワイヤーバーで塗布、乾
燥し(乾燥膜厚約5μm)、さらにオーブン中で90℃
で20分間熱乾燥することにより受像体を作製した。
【0038】(c)熱転写記録試験 上記(a)の様にして作製された熱転写記録用シートの
色材層面と、上記(b)の様にして作製された受像体の
樹脂塗布面を重ね、記録用シートの耐熱滑性層面に6ド
ット/mmの発熱抵抗体密度を有する部分グレース型ラ
インサーマルヘッドを使用して、印圧2kgで、半径
2.75cmであるプラテンローラーとの間にはさみ、
6rpmでプラテンローラーを回転させながら、全く印
画エネルギーをかけない場合と、0.4W/ドットの電
力を連続的に33m秒周期で16m秒間印加して転写記
録を行った場合について、プラテンの回転負荷を負荷ト
ルク試験器(MDT2−AMP、信明電機製)を用いて
測定し、得られた値をプラテンローラー半径で除してサ
ーマルヘッドと耐熱滑性層との間の摩擦力を求めた。結
果は印画エネルギーをかけない場合が340gfで、印
画エネルギーをかけた場合は240gfでどちらも値が
小さく、かつ変動が小さく良好な走行性能を示した。表
−1にこの結果を示した。
【0039】実施例−2 実施例1におけるKF−857、BY16−757、X
−22−162Cの重量を、それぞれ2.5重量部、
2.5重量部、5重量部とした他は実施例1と同様に試
験を行い、その結果を表−1に示した。この塗工液中の
アミノ変性シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコ
ーン化合物との含有比率は、アミノ基1モルに対し、カ
ルボキシル基が0.46モルであり、アミノ変性シリコ
ーン化合物1重量部に対し、カルボキシル変性シリコー
ン化合物が1.0重量部である。
【0040】実施例−3 実施例1におけるKF−857、BY16−757、X
−22−162Cの重量を、それぞれ5重量部、5重量
部、10重量部とした他は実施例1と同様に試験を行
い、その結果を表−1に示した。この塗工液中のアミノ
変性シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化
合物との含有比率は、アミノ基1モルに対し、カルボキ
シル基が0.46モルであり、アミノ変性シリコーン化
合物1重量部に対し、カルボキシル変性シリコーン化合
物が1.0重量部である。
【0041】実施例−4 実施例1におけるKF−857、BY16−757、X
−22−162Cの重量を、それぞれ2.5重量部、
2.5重量部、10.0重量部とした他は実施例1と同
様に試験を行い、その結果を表−1に示した。この塗工
液中のアミノ変性シリコーン化合物とカルボキシル変性
シリコーン化合物との含有比率は、アミノ基1モルに対
し、カルボキシル基が0.92モルであり、アミノ変性
シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキシル変性シ
リコーン化合物が2.0重量部である。
【0042】実施例−5 実施例1におけるKF−857、BY16−757、X
−22−162Cの重量を、それぞれ5重量部、5重量
部、5重量部とした他は実施例1と同様に試験を行い、
その結果を表−1に示した。この塗工液中のアミノ変性
シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物
との含有比率は、アミノ基1モルに対し、カルボキシル
基が0.23モルであり、アミノ変性シリコーン化合物
1重量部に対し、カルボキシル変性シリコーン化合物が
0.5重量部である。
【0043】実施例−6 実施例1におけるKF−857、BY16−757の重
量を、それぞれ2.5重量部、2.5重量部とした他は
実施例1と同様に試験を行い、その結果を表−1に示し
た。この塗工液中のアミノ変性シリコーン化合物とカル
ボキシル変性シリコーン化合物との含有比率は、アミノ
基1モルに対し、カルボキシル基が0.73モルであ
り、アミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カル
ボキシル変性シリコーン化合物が1.6重量部である。
【0044】実施例−7 実施例1におけるKF−857、BY16−757の重
量を、それぞれ5重量部、5重量部とした他は実施例1
と同様に試験を行い、その結果を表−1に示した。この
塗工液中のアミノ変性シリコーン化合物とカルボキシル
変性シリコーン化合物との含有比率は、アミノ基1モル
に対し、カルボキシル基が0.37モルであり、アミノ
変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキシル変
性シリコーン化合物が0.8重量部である。
【0045】実施例−8 実施例1におけるKF−857、BY16−757の重
量を、それぞれ6重量部、6重量部とした他は実施例1
と同様に試験を行い、その結果を表−1に示した。この
塗工液中のアミノ変性シリコーン化合物とカルボキシル
変性シリコーン化合物との含有比率は、アミノ基1モル
に対し、カルボキシル基が0.31モルであり、アミノ
変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキシル変
性シリコーン化合物が0.67重量部である。
【0046】実施例−9 実施例1におけるX−22−162Cを8重量部の代わ
りに5重量部とした他は実施例1と同様に試験を行い、
その結果を表−1に示した。この塗工液中のアミノ変性
シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物
との含有比率は、アミノ基1モルに対し、カルボキシル
基が0.29モルであり、アミノ変性シリコーン化合物
1重量部に対し、カルボキシル変性シリコーン化合物が
0.63重量部である。
【0047】実施例−10 実施例1におけるX−22−162Cを8重量部の代わ
りに10重量部とした他は実施例1と同様に試験を行
い、その結果を表−1に示した。この塗工液中のアミノ
変性シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化
合物との含有比率は、アミノ基1モルに対し、カルボキ
シル基が0.57モルであり、アミノ変性シリコーン化
合物1重量部に対し、カルボキシル変性シリコーン化合
物が1.3重量部である。
【0048】実施例−11 実施例1におけるKF−857、BY16−757の代
わりに、KF−859(アミノ変性シリコーンオイル、
アミン当量6125g/mol、粘度60cSt(25
℃)、信越シリコーン株式会社製)を8重量部とした他
は実施例1と同様に試験を行い、その結果を表−1に示
した。この塗工液中のアミノ変性シリコーン化合物とカ
ルボキシル変性シリコーン化合物との含有比率は、アミ
ノ基1モルに対し、カルボキシル基が2.6モルであ
り、アミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カル
ボキシル変性シリコーン化合物が1.0重量部である。
【0049】実施例−12 実施例1におけるKF−857、BY16−757、X
−22−162Cの重量を、それぞれ0.4重量部、
0.4重量部、12重量部とした他は実施例1と同様に
試験を行い、その結果を表−1に示した。この塗工液中
のアミノ変性シリコーン化合物とカルボキシル変性シリ
コーン化合物との含有比率は、アミノ基1モルに対し、
カルボキシル基が6.9モルであり、アミノ変性シリコ
ーン化合物1重量部に対し、カルボキシル変性シリコー
ン化合物が15重量部である。
【0050】実施例−13 実施例1におけるKF−857、BY16−757、X
−22−162Cの代わりに、KF−880(アミノ変
性シリコーンオイル、アミン当量1900g/mol、
粘度650cSt(25℃)、信越化学工業株式会社
製)を8重量部、X−22−162A(カルボキシル変
性シリコーンオイル、カルボキシル当量920g/mo
l、粘度110cSt(25℃)、信越化学工業株式会
社製)を8重量部とした他は実施例1と同様に試験を行
い、その結果を表−1に示した。この塗工液中のアミノ
変性シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化
合物との含有比率は、アミノ基1モルに対し、カルボキ
シル基が2.1モルであり、アミノ変性シリコーン化合
物1重量部に対し、カルボキシル変性シリコーン化合物
が1重量部である。
【0051】実施例−14 実施例1におけるKF−857、BY16−757、X
−22−162Cの代わりに、X−22−161C(ア
ミノ変性シリコーンオイル、アミン当量2300g/m
ol、粘度72cSt(25℃)、信越化学工業株式会
社製)を4重量部、BY−16−849(アミノ変性シ
リコーンオイル、アミン当量600g/mol、粘度1
300cSt(25℃)、東レ・ダウコーニング・シリ
コーン株式会社製)を4重量部、BY16−754(カ
ルボキシル変性シリコーンオイル、カルボキシル当量1
000g/mol、粘度1200cSt(25℃)、東
レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)を8重量
部使用した他は実施例1と同様に試験を行い、その結果
を表−1に示した。この塗工液中のアミノ変性シリコー
ン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物との含有
比率は、アミノ基1モルに対し、カルボキシル基が0.
95モルであり、アミノ変性シリコーン化合物1重量部
に対し、カルボキシル変性シリコーン化合物が1重量部
である。
【0052】実施例−15 実施例1におけるFR−4660の代わりに、メチルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチル−1
−ヘキシルメタクリレート共重合体(メチルメタクリレ
ート:ブチルメタクリレート:2−エチル−1−ヘキシ
ルメタクリレート=65:27:8(重量比))を使用
した他は、実施例1と同様に試験を行いその結果を表1
に示した。この塗工液中の全高分子物質(メチルメタア
クリレート、ブチルメタアクリレート、2−エチル−1
−ヘキシルメタアクリレート共重合体とバイロン20
0)中における炭素数6以上10以下のアルコールのメ
タクリル酸エステル(2−エチル−1−ヘキシルメタク
リレート)の含有量は6.4重量%である(8重量%×
80重量部÷(80+20)重量部)。
【0053】実施例−16 実施例1におけるKF−857、BY16−757をそ
れぞれ各1重量部とし、X−22−162Cの代わり
に、X−22−3701E(商品名、カルボキシル変性
シリコーンオイル、カルボキシル当量3800g/mo
l、粘度3000cSt(25℃)、信越化学工業株式
会社製)を3重量部使用し、トスパール120、アエロ
ジルR−972を使用しなかった他は、実施例1と同様
に試験を行い、その結果を表−1に示した。この塗工液
中のアミノ変性シリコーン化合物とカルボキシル変性シ
リコーン化合物との含有比率は、アミノ基1モルに対
し、カルボキシル基が0.42モルであり、アミノ変性
シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキシル変性シ
リコーン化合物が1.5重量部である。
【0054】実施例−17 実施例1で使用したKF−857および、BY16−7
57をどちらも使用せず、代わりにPS−513(アミ
ノ変性シリコーンオイル、アミン当量1150g/mo
l、粘度2000cSt(25℃)、ペトラルチシステ
ムズ社製)を2重量部、X−22−162Cを3重量部
とし、トスパール120、アエロジルR−972を使用
しなかった他は実施例1と同様に試験を行い、その結果
を表−1に示した。この塗工液中のアミノ変性シリコー
ン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物との含有
比率は、アミノ基1モルに対し、カルボキシル基が0.
74モルであり、アミノ変性シリコーン化合物1重量部
に対し、カルボキシル変性シリコーン化合物が1.5重
量部である。
【0055】実施例−18 実施例1で使用したKF−857および、BY16−7
57の代わりに、KF−8005(アミノ変性シリコー
ンオイル、アミン当量11000g/mol、粘度12
00cSt(25℃)、信越化学工業株式会社製)を2
重量部、X−22−162Cを3重量部使用し、トスパ
ール120、アエロジルR−972を使用しなかった他
は実施例1と同様に試験を行い、その結果を表−1に示
した。この塗工液中のアミノ変性シリコーン化合物とカ
ルボキシル変性シリコーン化合物との含有比率は、アミ
ノ基1モルに対し、カルボキシル基が7.08モルであ
り、アミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カル
ボキシル変性シリコーン化合物が1.5重量部である。
【0056】実施例−19 実施例1で使用したKF−857および、BY16−7
57をどちらも使用せず、代わりにKF−861(アミ
ノ変性シリコーンオイル、アミン当量2000g/mo
l、粘度3500cSt(25℃)、信越化学工業株式
会社製)を2重量部、X−22−162Cを3重量部と
し、トスパール120、アエロジルR−972を使用し
なかった他は実施例1と同様に試験を行い、その結果を
表−1に示した。この塗工液中のアミノ変性シリコーン
化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物との含有比
率は、アミノ基1モルに対し、カルボキシル基が1.2
9モルであり、アミノ変性シリコーン化合物1重量部に
対し、カルボキシル変性シリコーン化合物が1.5重量
部である。
【0057】比較例−1 実施例1におけるKF−857、BY16−757、X
−22−162Cを、それぞれ8重量部、8重量部、0
重量部使用した他は、実施例1と同様に試験を行った。
この場合は、非印加時の摩擦力が大きく、印加時との変
動が大きくなった。その結果を表−1に示した。この塗
工液中にはアミノ変性シリコーン化合物のみが含有され
ており、カルボキシル変性シリコーン化合物は含有され
ていない。
【0058】比較例−2 実施例1におけるKF−857、BY16−757、X
−22−162Cを8重量部を、それぞれ10重量部、
10重量部、0重量部使用した他は、実施例1と同様に
試験を行った。この場合は、非印加時の摩擦力が大き
く、印加時との変動が大きくなった。その結果を表−1
に示した。この塗工液中にはアミノ変性シリコーン化合
物のみが含有されており、カルボキシル変性シリコーン
化合物は含有されていない。
【0059】比較例−3 実施例1におけるKF−857、BY16−757、X
−22−162Cを、それぞれ6重量部、6重量部、
0.4重量部使用した他は、実施例1と同様に試験を行
った。この場合は、非印加時の摩擦力が大きく、印加時
との変動が大きくなった。その結果を表−1に示した。
この塗工液中のアミノ変性シリコーン化合物とカルボキ
シル変性シリコーン化合物との含有比率は、アミノ基1
モルに対し、カルボキシル基が0.015モルであり、
アミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキ
シル変性シリコーン化合物が0.033重量部である。
【0060】実施例−20 実施例1におけるトスパールの代わりに、トレフィルR
−930(商品名、球状シリコーン樹脂、平均粒径1.
0μm、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社
製)を10重量部用い、KF−857を2.5重量部と
し、BY16−757を2.5重量部とした他は実施例
1と同様に試験を行った。結果は非印加時、印加時の摩
擦力値が小さく、かつ変動の小さい良好なものであっ
た。その結果を表−1に示した。
【0061】また、保存試験として、14mm径のプラ
スチック製ボビンに96mm幅の前記熱転写記録シート
を約400gの張力をかけながら、約10m巻いたもの
をアルミニウム袋に密封し、50℃に1週間放置した
後、アルミニウム袋より取り出し、カラーシートを巻き
だして、下記(d)の方法により剥離強度を測定した。
なお、巻芯画面までの剥離は軽く、耐熱滑性層と色材層
との融着がなかった。その結果も表−1にまとめた。こ
の塗工液中のアミノ変性シリコーン化合物とカルボキシ
ル変性シリコーン化合物との含有比率は、アミノ基1モ
ルに対し、カルボキシル基が0.73モルであり、アミ
ノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキシル
変性シリコーン化合物が1.6重量部である。
【0062】(d)剥離強度測定方法 アルミニウム袋より取り出した、約10mの熱転写記録
シートが巻き取られたボビンをカセットに装着し、熱転
写記録シートの巻き出し部分を、前記トルク試験機のプ
ラテンローラーに貼り付け、カセットを固定して、プラ
テンローラーを6rpmで回転させて熱転写記録シート
を巻き取り、回転負荷を剥離強度(kgf・cm)とし
て、熱転写記録シートの融着の程度を測定した。さら
に、本実施例−20の剥離強度を1としたときの、以下
の比較例の剥離強度の比として示した。結果を表−1、
表−2および表−3に示した。
【0063】比較例−4 実施例20におけるKF−857、BY16−757
を、それぞれ6重量部、6重量部、0.1重量部とした
他は実施例20と同様に試験を行った。この場合は、摩
擦力値は非印加時の値が大きく、印加時との変動が大き
くなったが、剥離強度試験では剥離が軽く良好な結果を
示した。その結果を、表−1に示した。この塗工液中の
アミノ変性シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコ
ーン化合物との含有比率は、アミノ基1モルに対し、カ
ルボキシル基が0.004モルであり、アミノ変性シリ
コーン化合物1重量部に対し、カルボキシル変性シリコ
ーン化合物が0.008重量部である。
【0064】比較例−5 実施例20におけるKF−857、BY16−757、
X−22−162Cを、それぞれ6.5重量部、6.5
重量部、0重量部とした他は実施例20と同様に試験を
行った。この場合は、摩擦力値は非印加時の値が大き
く、印加時との変動が大きくなったが、剥離強度試験で
は剥離が軽く良好な結果を示した。その結果を表−1に
示した。この塗工液中にはアミノ変性シリコーン化合物
のみ含まれており、カルボキシル変性シリコーン化合物
は含まれていない。
【0065】比較例−6 実施例20におけるKF−857、BY16−757、
X−22−162Cを、それぞれ0.05重量部、0.
05重量部、12.4重量部とした他は実施例20と同
様に試験を行った。この場合は、摩擦力値は非印加時、
印加時とも値が小さく良好であったが、剥離強度試験で
は、剥離がやや重く、耐熱滑性層と色材層との融着が見
られた。その結果を表−1に示す。この塗工液中のアミ
ノ変性シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコーン
化合物との含有比率は、アミノ基1モルに対し、カルボ
キシル基が57モルであり、アミノ変性シリコーン化合
物1重量部に対し、カルボキシル変性シリコーン化合物
が124重量部である。
【0066】比較例−7 実施例20において、KF−857およびBY16−7
57を全く使用せず、X−22−162Cを15重量部
とした他は実施例20と同様に試験を行った。この場合
は、摩擦力値は非印加時、印加時とも値が小さく良好で
あったが、剥離強度試験では、剥離が重く、耐熱滑性層
と色材層との融着が見られた。その結果を表−1に示
す。この塗工液中にはアミノ変性シリコーン化合物は含
まれておらず、カルボキシル変性シリコーン化合物のみ
含まれている。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【発明の効果】本発明の耐熱滑性層を有する感熱転写記
録用シートは、非印可時および印可時の摩擦力が小さく
て、しかも非印加時と印可時の摩擦力の差の少ない走行
性に優れたものであり、さらに高温保存安定性の優れた
ものである。
フロントページの続き (72)発明者 篠原 秀雄 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムの一方の面に高分子化合
    物を含有する耐熱滑性層を設け、ベースフィルムの他方
    の面に色材層を設けた熱転写記録用シートにおいて、該
    耐熱滑性層にアミノ変性シリコーン化合物とカルボキシ
    ル変性シリコーン化合物とが含まれ、その含有比率が、
    アミノ基1モルに対し、カルボキシル基が0.1〜50
    モルの範囲であることを特徴とする熱転写記録用シー
    ト。
  2. 【請求項2】 ベースフィルムの一方の面に耐熱滑性層
    を設け、ベースフィルムの他方の面に色材層を設けた熱
    転写記録用シートにおいて、該耐熱滑性層にアミノ変性
    シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物
    とが含まれ、その含有比率が、重量比でアミノ変性シリ
    コーン化合物1に対し、カルボキシル変性シリコーン化
    合物が0.1〜100の範囲であることを特徴とする熱
    転写記録用シート。
  3. 【請求項3】 耐熱滑性層がさらに、アルキルアルコー
    ルのアクリル酸エステルまたはアルキルアルコールのメ
    タクリル酸エステルを構成成分として含む高分子化合物
    を含有することを特徴とする請求項1または2記載の熱
    転写記録用シート。
  4. 【請求項4】 耐熱滑性層に含まれる、アルキルアルコ
    ールのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
    を構成成分として含む高分子化合物のアルキルアルコー
    ルが、炭素数6以上10以下のアルキルアルコールであ
    ることを特徴とする請求項3記載の熱転写記録用シー
    ト。
  5. 【請求項5】 耐熱滑性層を構成する高分子化合物中
    に、炭素数6以上10以下のアルキルアルコールのアク
    リル酸エステルまたはアルキルアルコールのメタクリル
    酸エステルが、構成成分として0.5〜100重量%含
    有されていることを特徴とする請求項4記載の熱転写記
    録用シート。
  6. 【請求項6】 耐熱滑性層に、アミノ変性シリコーン化
    合物及びカルボキシル変性シリコーン化合物が耐熱滑性
    層中の全高分子に対し1〜30重量%含有されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の熱転写記録用シ
    ート。
  7. 【請求項7】 耐熱滑性層に含まれる、アルキルアルコ
    ールのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル
    を構成成分として含む高分子化合物が、熱可塑性である
    ことを特徴とする請求項3、4または5記載の熱転写記
    録シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3798014A4 (en) * 2018-06-29 2021-08-18 Dai Nippon Printing Co., Ltd. THERMAL TRANSFER SHEET
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