JPH10244768A - 熱転写記録用シート - Google Patents

熱転写記録用シート

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JPH10244768A
JPH10244768A JP9047717A JP4771797A JPH10244768A JP H10244768 A JPH10244768 A JP H10244768A JP 9047717 A JP9047717 A JP 9047717A JP 4771797 A JP4771797 A JP 4771797A JP H10244768 A JPH10244768 A JP H10244768A
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JP
Japan
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silicone compound
modified silicone
weight
transfer recording
heat
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Application number
JP9047717A
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English (en)
Inventor
Toshimitsu Nakai
敏光 中井
Tsutomu Taki
勉 瀧
Takashi Morishima
高志 森嶋
Toshinori Torii
寿紀 鳥居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高エネルギー印画時にもしわ等の印画欠陥が
発生することが無く、さらに高温保存安定性の優れた耐
熱滑性層を有する熱転写記録用シートを提供する。 【解決手段】 ベースフィルムの一方の面に耐熱滑性層
を設け、他方の面に色材層を設けた熱転写記録用シート
において、該耐熱滑性層に、バインダー樹脂とシリコー
ン化合物として少なくともアミノ変性シリコーン化合
物、カルボキシル変性シリコーン化合物およびエポキシ
変性シリコーン化合物を含有することを特徴とする熱転
写記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録用シート
に関し、特にプリンタ、ファクシミリ、複写機等のOA
端末機におけるカラー記録やテレビ画像のカラー記録用
等に有利に使用できる熱転写記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】カラー記録には、電子写真、インクジェ
ット、感熱転写記録などの種々の方式が検討されている
が、感熱転写記録方式は装置の保守性、操作の容易性な
どの点において、他の方式に比べて有利である。感熱転
写記録方式では、一般に色材を含むインキを塗布した熱
転写記録用シートの色材層に受像体を重ね合わせ、熱転
写記録用シートの背面をサーマルヘッドで加熱して、熱
転写記録用シートの色材を受像体に転写させることによ
り記録が行われる。かかる方式には、熱溶融性インキを
用いる溶融型熱転写記録方式と、昇華性色素を含むイン
キを用いる昇華型熱転写記録方式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の感熱転写記録
方式では、熱転写記録用シートがサーマルヘッドで高温
に加熱されるため、熱転写記録用シートのベースフィル
ムの耐熱性が不十分な場合には、ベースフィルムがサー
マルヘッドに融着し、この融着によりヘッドの走行性が
不良となるスティッキング現象が発生したり、シートに
高いエネルギーを印加し続けると、シワや切れの現象を
引き起こし正常な記録が不可能となる。このため従来、
ベースフィルムの耐熱性を改良するために各種の耐熱性
樹脂の保護膜を設けることが提案され(特開昭55−7
467号、特開昭57−74195号各公報)、また走
行性を更に改善し、サーマルヘッドとの摩擦係数を下げ
て滑性を向上させるために上記の保護層に耐熱性の微粒
子、滑剤、界面活性剤などを添加することも提案されて
いる(特開昭55−146790号、特開昭56−15
5794号および特開昭57−129789号各公報等
参照)。
【0004】しかし、近年の感熱転写記録方法の高速化
に伴って、従来より更に高いエネルギーをサーマルヘッ
ドに加えるため熱転写シートに大きな負担がかかり、上
記公知文献に記載された方法では充分な滑性を得ること
が困難となっている。また、通常、熱転写記録用シート
は、プラスチック性の筒状のボビン等にロール状態で巻
かれて保管されており、耐熱滑性層は色材を含む色材層
と接触している。また、熱転写記録用シートは保管場所
やその環境によっては保存時の温度が高くなることが考
えられる。このとき、耐熱滑性層中の滑剤が、色剤を含
む色材層に移行して滑性が低下したり、熱により、耐熱
滑性層と色剤を含む色材層とが融着する、ブロッキング
という現象が発生したりすれば、受像体に画像を形成す
る際に保存時の融着跡が現れたり、熱転写記録用シート
をロール状態から巻出す時に切れる等の問題を生じて、
精細な画像を得ることが困難になる。
【0005】より耐熱性を向上させるために熱硬化型樹
脂を使用することも考えられるが、熱硬化型耐熱滑性層
は、後工程として、塗布乾燥後に熱処理をするため、コ
スト的に不利である。従って、より高い温度環境下に保
管した後も、ボビンに巻かれている熱転写記録用シート
の耐熱滑性層と色材を含む色材層との融着が無く、かつ
滑性が維持され画像形成が問題なくできる、後工程とし
ての熱処理の必要の無い耐熱滑性層を得ることが要求さ
れる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討の結果、特定のシリコーン化合物
を組み合わせて含有する耐熱滑性層をベースフィルム上
に設けることにより、サーマルヘッドとの優れた滑性を
有し、さらに、ボビンにロール状に巻いた状態で、より
高い温度環境下に保管した後もブロッキングがなく、サ
ーマルヘッドとの滑性の維持された熱転写記録用シート
が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、ベースフィル
ムの一方の面に耐熱滑性層を設け、他方の面に色材層を
設けた熱転写記録用シートにおいて、該耐熱滑性層に、
バインダー樹脂とシリコーン化合物として少なくともア
ミノ変性シリコーン化合物、カルボキシル変性シリコー
ン化合物およびエポキシ変性シリコーン化合物を含有す
ることを特徴とする熱転写記録用シートである。また本
発明の他の要旨は、ベースフィルムの一方の面に耐熱滑
性層を設け、他方の面に色材層を設けた熱転写記録用シ
ートにおいて、該耐熱滑性層が、少なくともバインダー
樹脂、アミノ変性シリコーン化合物、カルボキシル変性
シリコーン化合物およびエポキシ変性シリコーン化合物
を配合した調合物によって形成されている熱転写記録用
シートに関するものであり、さらには、それらシリコー
ン化合物の含有比率が、アミノ基+カルボキシル基+エ
ポキシ基=100である場合に、アミノ基:カルボキシ
ル基:エポキシ基=1〜90:1〜90:10〜90で
あるか、または重量比で、アミノ変性シリコーン化合物
1に対し、カルボキシル変性シリコーン化合物が0.1
〜10の範囲であり、かつエポキシ変性シリコーン化合
物が0.1〜10の範囲であることを特徴とする熱転写
記録用シートに関するものである。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おける熱転写記録用シートは、ベースフィルムの一方の
面に耐熱滑性層を設け、ベースフィルムの他方の面に色
材層を設けた基本構成をしている。ベースフィルムとし
ては、特に限定はされないが、例えばポリエチレンテレ
フタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィル
ム、ポリアミドフィルム、ポリアラミドフィルム、ポリ
イミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフェ
ニレンサルファイドフィルム、ポリスルホンフィルム、
セロファン、トリアセテートフィルム、ポリプロピレン
フィルムなどが挙げられるが、中でもポリエチレンテレ
フタレートフィルムは、機械的強度、寸法安定性、耐熱
性、価格などの面から好ましく、特に2軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルムが好ましい。これらのベー
スフィルムの厚さは一般に1〜30μmであるが、好ま
しくは2〜10μmである。
【0009】ベースフィルム上には、耐熱滑性層との接
着性を向上させる目的で接着層を設けてもよい。接着層
の組成に特に制限はないが、ポリエステル系、アクリル
系、ウレタン系等の樹脂が使用できる。耐熱滑性層は、
主にバインダー樹脂とシリコーン化合物とから構成され
ている。シリコーン化合物は、少なくともアミノ変性シ
リコーン化合物、カルボキシル変性シリコーン化合物お
よびエポキシ変性シリコーン化合物を用いるが、これら
は公知の物が使用でき、例えば下記一般式(1)で示さ
れる化合物が使用できる。
【0010】
【化1】
【0011】(式中、Rは、アミノ変性シリコーン化合
物の場合はそれぞれ独立してアルキル基、フェニル基、
アルコキシ基、ポリエーテル基、ヒドロキシル基または
アミノアルキル基を表すが、少なくとも1つはアミノア
ルキル基を表し、カルボキシル変性シリコーン化合物の
場合はそれぞれ独立してアルキル基、フェニル基、ポリ
エーテル基、またはカルボキシルアルキル基を表すが、
少なくとも1つはカルボキシルアルキル基を表し、エポ
キシ変性シリコーン化合物の場合はそれぞれ独立してア
ルキル基、フェニル基、ポリエーテル基、グリシジル
基、グリシジルオキシアルキル基またはエポキシシクロ
ヘキシルアルキル基を表すが、少なくとも一つはグリシ
ジル基、グリシジルオキシアルキル基またはエポキシシ
クロヘキシルアルキル基を表し、nは整数を表す。)
【0012】該変性シリコーン化合物は、通常は、例え
ば伊藤邦雄編“シリコーンハンドブック”(日刊工業新
聞社、1990年発行)の第163頁以降に詳しく記載
されている方法にて合成される。アミノ変性シリコーン
化合物およびカルボキシル変性シリコーン化合物は、主
原料としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、
テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサンま
たはオクタフェニルシクロテトラシロキサンなどが好ま
しく、これと変性基(アミノアルキル基またはカルボキ
シルアルキル基)を有するシリコーン化合物との反応に
より合成される。エポキシ変性シリコーン化合物は、S
i−H基を有するジメチルポリシロキサンなどと、アリ
ルグリシジルエーテル、アリルエポキシド、ビニルシク
ロヘキサンオキサイドなどの不飽和エポキシ化合物との
反応により合成される。
【0013】アミノ変性シリコーン化合物としては、ア
ミン当量(アミノ基1モルを含有するシリコーン化合物
g数)として15000g/mol以下のものが一般的
で、300〜13000g/molの範囲であることが
好ましい。粘度(25℃)は、10〜20000cSt
の範囲であることが一般的で、10〜15000cSt
の範囲のものが好ましい。これらの条件に相当する市販
のシリコーン化合物としては、例えば、X−22−16
1A、X−22−161C、KF−393、KF−86
0、KF−861、KF−880、KF−8005、K
F−865、KF−868、KF−8003、KF−8
59、KF−857、KF−862、X−22−393
9A(以上、信越化学工業株式会社製)、BY16−8
49、BY16−872、BY16−857、BY16
−853、BY16−853B、BY16−828、B
Y16−850、BY16−849、BY16−83
7、BY16−893、BX16−755B(以上、東
レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、PS−
513(ペトラルチシステムズ社製)などのアミノ変性
シリコーンオイルと呼ばれる化合物が挙げられる。
【0014】カルボキシル変性シリコーン化合物として
は、カルボキシル当量(カルボキシル基1モルを含有す
るシリコーン化合物g数)として5000g/mol以
下であることが一般的で、600〜4000g/mol
の範囲であることが好ましく、粘度(25℃)は10〜
7000cStの範囲であることが一般的で、50〜6
000cStの範囲のものが好ましい。これらの条件に
相当する市販のシリコーン化合物としては、例えば、X
−22−162A、X−22−162C、X−22−3
701E、X−22−3710(以上、信越化学工業株
式会社製)、BY16−750、BY16−754、B
Y6―880、SF8418、BY16−874(以
上、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)な
どのカルボキシル変性シリコーンオイルと呼ばれる化合
物が挙げられる。
【0015】エポキシ変性シリコーン化合物としては、
官能基当量(エポキシ基1モルを含有するシリコーン化
合物g数)として6000g/mol以下であることが
一般的で、300〜5000g/molの範囲であるこ
とが好ましく、粘度(25℃)は10〜20000cS
tの範囲であることが一般的で、20〜19000cS
tの範囲のものが好ましい。これらの条件に相当する市
販のシリコーン化合物としては、例えば、X−22−1
63A、X−22−163B、X−22−163C、X
−22−163E、X−22−163F、X−22−1
73A、X−22−173B、X−22−173D、X
−22−169AS、X−22−169B、KF10
1、KF−100T、KF102、KF103、KF1
05、X−60−164、X−22−3667(以上、
信越化学工業株式会社製)、SF8411、SF841
3、BY16−875、BY16−839、BY16−
885、BY16−885B、SF8421、BY−1
6−845(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン
株式会社製)などのエポキシ変性シリコーンオイルと呼
ばれる化合物が挙げられる。
【0016】本発明においては、アミノ変性シリコーン
化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物とエポキシ
変性シリコーン化合物と、その3種のシリコーン化合物
すべてが耐熱滑性層に含有されていることが大切であ
り、どれか1種または2種が欠けても十分な性能は期待
できない。カルボキシル変性シリコーン化合物は滑性を
付与する効果があるが、層内での保持性が弱いため、シ
リコーン化合物としてこれ1種のみを配合した耐熱滑性
層を有する熱転写記録用シートをボビンに巻いたロール
状態で保管した場合には、シリコーン化合物が色剤層に
移行して滑性が低下したり、高い温度環境下で長時間熱
転写記録用シートのロールを保管するとブロッキングす
る場合がある。
【0017】シリコーン化合物として、アミノ変性シリ
コーン化合物1種のみを配合した場合は滑性は劣るが、
層内に保持されやすいため、カルボキシル変性シリコー
ン化合物とともに使用すると、シリコーン化合物を層内
に保持させつつ滑性を維持させることが可能である。こ
れはカルボキシル基とアミノ基が層内でイオン結合して
いるためであると考えらる。しかしながら、この場合は
より高い温度環境下で長時間熱転写記録用シートのロー
ルを保管した場合には、前記のような理由で滑性が低下
したり、ブロッキングが発生する場合がある。
【0018】シリコーン化合物として、カルボキシル変
性シリコーン化合物とエポキシ変性シリコーン化合物の
2種のみを配合した場合には、高い温度環境下で長時間
熱転写記録用シートのロールを保管した場合には、シリ
コーン化合物の保持性が不十分で滑性が低下したり、ブ
ロッキングが発生する場合がある。これはカルボキシル
基とエポキシ基が反応しにくく、耐熱性およびシリコー
ン化合物の保持性が劣るためであると考えられる。
【0019】シリコーン化合物として、アミノ変性シリ
コーン化合物とエポキシ変性シリコーン化合物の2種の
みを配合した場合には、層内でアミノ基とエポキシ基が
反応した共有結合状態を形成していると考えられ、耐熱
性およびシリコーン化合物の保持性が向上し、より高い
温度環境下で長時間熱転写記録用シートのロールを保管
した場合にもブロッキングは発生しないが、いずれのシ
リコーン化合物も滑性に劣るため、サーマルヘッドの十
分な走行性は得られない。また、アミノ基とエポキシ基
は反応しやすいため、化合物の種類によっては、ベース
フィルム上に被膜を形成させる前に混合物が反応してし
まい、被膜を形成させることが困難である。
【0020】シリコーン化合物としてアミノ変性シリコ
ーン化合物、カルボキシル変性シリコーン化合物および
エポキシ変性シリコーン化合物の3種を併用すると、混
合物のポットライフが長くなり、混合物の貯蔵安定性が
向上する。これはカルボキシル基がアミノ基とイオン結
合することによって、アミノ基とエポキシ基の反応が抑
制されているためであると考えられる。シリコーン化合
物として前記3種のシリコーン化合物を配合して形成し
た耐熱滑性層の性能は良好で、シリコーン化合物として
2種類のみを配合した場合と比較して、より高い温度環
境下で長時間熱転写記録用シートのロールを保管した場
合にも滑性が維持されており、ブロッキングの発生も無
い。これは、層内では、カルボキシル基が存在していて
も、アミノ変性シリコーン化合物とエポキシ変性シリコ
ーン化合物は共有結合して耐熱滑性層の耐熱性および層
内でのシリコーン化合物の保持性を向上させており、さ
らにカルボキシル変性シリコーン化合物は、エポキシ変
性シリコーン化合物と反応しているアミノ変性シリコー
ン化合物の残留アミノ基とイオン結合することによって
保持性を高めているためであると考えられる。
【0021】アミノ変性シリコーン化合物、カルボキシ
ル変性シリコーン化合物およびエポキシ変性シリコーン
化合物は相互に共有結合およびイオン結合が十分に機能
する量関係で添加することが重要である。シリコーン化
合物の含有比率は、アミノ変性シリコーン化合物、カル
ボキシル変性シリコーン化合物およびエポキシ変性シリ
コーン化合物において、変性基の数で考えれば、アミノ
基+カルボキシル基+エポキシ基=100である場合
に、アミノ基:カルボキシル基:エポキシ基=1〜9
0:1〜90:10〜90であることが好ましく、より
好ましくは、アミノ基:カルボキシル基:エポキシ基=
10〜70:5〜70:10〜90であり、重量比で考
える場合は、アミノ変性シリコーン化合物1に対し、カ
ルボキシル変性シリコーン化合物が0.1〜10の範囲
であり、かつエポキシ変性シリコーン化合物が0.1〜
10の範囲であることが好ましく、より好ましくは、ア
ミノ変性シリコーン化合物1に対し、カルボキシル変性
シリコーン化合物が0.2〜5の範囲であり、かつエポ
キシ変性シリコーン化合物が0.2〜5の範囲である。
含有比率については、変性基の数、重量比の両方を満足
させる組み合わせが最も好ましいが、いずれか一方を満
たせば、目的とした性能を得ることができる。
【0022】本発明の耐熱滑性層には、性能を損なわな
い範囲で、アミノ変性シリコーン化合物、カルボキシル
変性シリコーン化合物およびエポキシ変性シリコーン化
合物以外のシリコーン化合物を配合してもよい。本発明
に使用されるバインダー樹脂は単数、もしくは複数使用
することができ、該バインダー樹脂としてはガラス転移
温度が50℃以上のものがのぞましい。ガラス転移温度
が低すぎる場合には、熱転写記録用シートを比較的高温
で保存した際に、巻重ねられた色材層側からの色素の転
移が生じたり、色材層と耐熱滑性層がブロッキングを起
こすことがある。
【0023】ガラス転移温度が50℃以上のバインダー
樹脂としては、アルキルアルコールのアクリル酸エステ
ル及び/またはメタクリル酸エステルを構成成分として
含む高分子化合物を用いることができ、特に、炭素数6
以上10以下のアルキルアルコール及び/または脂肪族
多環式化合物のアクリル酸エステル及び/またはメタク
リル酸エステルが好ましく、特に限定はないが、例え
ば、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカ
ノール、ジメチルブタノール、エチルブタノール、メチ
ルペンタノール、ジメチルペンタノール、エチルペンタ
ノール、メチルヘキサノール、エチルヘキサノール、メ
チルヘプタノール、シクロヘキシルエタノール、ジメチ
ルヘプタノール、エチルジメチルペンタノール、トリメ
チルヘキサノール、シクロヘキシルプロパノール、ジメ
チルオクタノール、シクロヘキサノール、脂肪族多環式
化合物のアルコールなどとアクリル酸、またはメタクリ
ル酸とのエステル類を構成成分として含む高分子化合物
を挙げることができる。
【0024】前記脂肪族多環式化合物とは、脂環式炭化
水素(脂肪族環状炭化水素)の内、2個以上の炭素を共
有する環が2個以上有る化合物の事であり、例えばノル
ボルナン、アダマンタン、キュバンなどをあげることが
できる。IUPACによる命名法で、ビシクロ、トリシ
クロ、テトラサイクロ等が頭に付く化合物の一群であ
る。本発明においては、脂肪族多環式化合物のアルコー
ルは、好ましくはノルボルナン骨格を有するアルコール
であるが、この限りではない。これらの例としては、例
えばフェンコール(Fenchol)、ボルネオール(Borneo
l)、イソボルネオール(Isoborneol)をあげることが
できるが、この限りではない。
【0025】炭素数6以上10以下のアルキルアルコー
ルまたは脂肪族多環式化合物のアルコールのアクリル酸
エステル及び/または炭素数6以上10以下のアルキル
アルコールのメタクリル酸エステルを含む高分子は、こ
れらアクリル酸、メタクリル酸の一種または複数による
重合体であるか、またはこれらアクリル酸、メタクリル
酸の一種または複数と他の構成成分との共重合体が一般
的である。前記の他の構成成分とは、重合体の物性を調
節するのに用いるものであり、特に限定はされないが、
例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピル
アクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピル
アクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルア
クリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリ
レート、イソブチルメタクリレート、ter−ブチルア
クリレート、ter−ブチルメタクリレートなどの炭素
数5以下のアクリル酸エステル類またはメタクリル酸エ
ステル類や、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、
塩化エチレン等のビニル化合物などをあげることができ
る。中でもメチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
トが用いられることが多い。
【0026】前記高分子化合物の合成法は常法でよく、
例えば所定量で混合した構成成分を、常法に従って溶液
中でのラジカル重合法を用いることで得ることが出来
る。また、本発明の耐熱滑性層には、アルキルアルコー
ルのアクリル酸エステル及び/またはアルキルアルコー
ルのメタクリル酸エステルを構成成分として含む高分子
化合物の他の高分子化合物を添加してもよい。該高分子
化合物としては、特に限定はされないが、例えばガラス
転移温度が50℃以上の通常の熱可塑性樹脂が好適に用
いられ、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、
ポリビニルアルコール、塩化ビニル共重合体、ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール
などのビニル系樹脂、アクリル酸エステルまたはメタク
リル酸エステルと他のビニル系化合物との共重合体、ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、
フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニト
リル−スチレン共重合樹脂などが挙げられる。前記の他
のビニル系化合物とは、重合体の物性を調節するのに用
いるものであり、特に限定はされないが、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、マレイン
酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、塩化エチレンなどを挙げることができる。
【0027】さらに、本発明の耐熱滑性層中には、上記
成分の他に、必要に応じて有機または無機の非昇華性粒
子、分散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡
剤、酸化防止剤、粘度調節剤、pH調整剤、潤滑剤など
の添加剤を、必要に応じて適宜添加してもよい。粒子の
耐熱滑性層に対する添加は、表面の粗度を上げて摩擦係
数を下げたり、ヘッドに対するクリーニング性を高めた
りする目的で行われる。そのため、粒径のそろった球状
の粒子や軟質の粒子を添加することで摩耗の程度を軽減
する工夫や、微少な粒子で表面の粗度をコントロールす
る工夫が行われている。粒径のそろった球状の粒子や軟
質の粒子の直径としては、通常は数百nmから3μm程
度、微小な粒子の大きさとしては、通常は数十nm以下
のものが好適に用いられる。
【0028】本発明の耐熱滑性層を形成するには、アミ
ノ変性シリコーン化合物とカルボキシル変性シリコーン
化合物およびエポキシ変性シリコーン化合物と、バイン
ダー樹脂およびその他の成分、溶剤を加えて混合し、耐
熱滑性層塗工液を得、これをベースフィルム上に塗工乾
燥して形成することが出来る。バインダー樹脂(A)に
対するアミノ変性シリコーン化合物(B)とカルボキシ
ル変性シリコーン化合物(C)およびエポキシ変性シリ
コーン化合物(D)の配合比率(A:B+C+D)は、
1対0.01〜0.3とすることが一般的で、好ましく
は1対0.05〜0.2である。
【0029】塗工液をベースフィルム上に塗布乾燥して
耐熱滑性層を形成させる場合、用いられる溶剤として
は、特に限定はされないが、例えば、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系溶剤、トルエン、キ
シレンなどの芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系
溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、
イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶
剤、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系
溶剤、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンな
どのアミド系溶剤などを挙げることが出来る。
【0030】耐熱滑性層を形成させる際に用いる上記塗
工液の塗布方法としては、例えば原崎勇次著「コーティ
ング方式」(1979年、槇書店発行)に記載されてい
るグラビアコーター、リバースコーター、エアドクター
コーターを用いる方法などの種々の方法が挙げられる。
ベースフィルム上に形成せしめる耐熱滑性層の厚さは、
乾燥膜厚で、通常0.1〜10μm、好ましくは0.3
〜5μmである。
【0031】耐熱滑性層を熱硬化性樹脂を用いて作成す
ることも知られており、その場合には、熱硬化性樹脂と
硬化剤とを含んだ液を塗工乾燥後、硬化のために加熱処
理し、硬化皮膜の耐熱滑性層を得る。性能的には良好な
ものが得られるが、熱硬化工程が必要なので、コストが
高くなる。熱可塑性樹脂を用いる場合は、硬化工程が無
い分、コスト的に有利である。
【0032】熱転写記録用シートのベースフィルム上の
耐熱滑性層とは反対面に設けられる色材層の形成方法
は、特に限定されるものではなく、例えば、昇華型感熱
転写記録用シートの場合には、昇華または熱拡散性色素
と耐熱性の良好なバインダー樹脂を、適当な溶媒に溶解
あるいは分散させてインキを調製し、このインキをベー
スフィルムに塗布、乾燥させて形成することができ、ま
た溶融型熱転写記録用シートの場合には、顔料または色
素などの色材を熱溶融性物質中に、必要に応じて溶媒を
用いて溶解あるいは分散させてインキを調製し、このイ
ンキをベースフィルムに塗布、乾燥して形成することが
できる。
【0033】昇華型熱転写記録用シートに用いられる昇
華または熱拡散性色素としては、アゾ系、アントラキノ
ン系、スチリル系、ナフトキノン系、キノフタロン系、
アゾメチン系、クマリン系、および縮合多環系などの種
々の非イオン性の色素が用いられ、またバインダー樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアリ
レート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂およびアセチルセ
ルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどの
ようなセルロース系樹脂などが用いられる。溶剤として
は、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族
系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルな
どのエステル系溶剤、イソプロパノール、ブタノール、
メチルセロソルブなどのアルコール系溶剤、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系
溶剤などが用いられる。
【0034】溶融型熱転写記録用に用いられる色材とし
ては、例えば顔料としてカーボンブラックのような無機
顔料、アゾ系、縮合多環系などの各種有機顔料が用いら
れ、また色素として例えば、酸性染料、塩基性染料、油
溶性染料、金属錯塩染料などが用いられる。又、熱溶融
性物質としては融点が40〜120℃の固体または半固
体物質が好ましく、パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックス、カルナバワックス、モンタンワック
ス、木ロウ、油脂系合成ワックスなどが挙げられる。溶
剤としては、前記の昇華型熱転写記録用シートの場合と
同様のものが挙げられる。
【0035】上記の色材層用インキの中には上記成分の
他に、必要に応じて有機または無機の非昇華性粒子、分
散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、酸化
防止剤、粘度調節剤、pH調整剤、潤滑剤などの添加剤
を添加してもよい。これら色材層用インキは、耐熱滑性
層と同様の塗布方法により塗設されればよく、塗布膜厚
は乾燥膜厚で0.1〜5μmが適当である。
【0036】また、本発明の熱転写記録用シートの製造
においては、上記の塗布により形成される各層とベース
フィルムとの接着性を改良するために、ベースフィルム
の表面にコロナ処理を行ったり、あるいはポリエステル
系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニ
ルアルコール系樹脂、ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン系樹脂などによる下引きコート処理を行っても良い。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本実施例はその要旨を超えない限り、本発明を
何等限定するものではない。 実施例−1 (a)熱転写記録用シートの作製 ダイヤナールLR−313(商品名、メチルメタアクリ
レート(MMA):ブチルメタアクリレート(BM
A):2エチルヘキシルメタアクリレート(2EHM
A)=90:7:3の共重合体、Tg90℃、三菱レイ
ヨン株式会社製)80重量部、バイロン200(商品
名、ポリエステル樹脂、Tg67℃、東洋紡績株式会社
製)20重量部、BY16−857(商品名、アミノ変
性シリコーンオイル、アミン当量2000g/mol、
粘度900cSt(25℃)、東レ・ダウコーニング・
シリコーン株式会社製)4重量部、 X−22−370
1E(商品名、カルボキシル変性シリコーンオイル、カ
ルボキシル当量3800g/mol、粘度3000cS
t(25℃)、信越化学工業株式会社製)4重量部、
KF−101(商品名、エポキシ変性シリコーンオイ
ル、エポキシ当量350g/mol、粘度約2000c
St(25℃)、信越化学工業株式会社製)5重量部、
R−930(商品名、球状シリコーン樹脂、平均粒径1
μm、東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製)5
重量部、R−972(商品名、不定形シリカ微粒子、平
均粒径約0.016μm、日本アエロジル株式会社製)
2重量部、トルエン300重量部、メチルエチルケトン
200重量部を混合し、ペイントシェーカーで2時間分
散して、耐熱滑性層塗工液を作成した。
【0038】この塗工液中のシリコーン化合物の含有量
は全高分子物質(LR−313とバイロン200)10
0重量部に対し、13重量部であり、アミノ変性シリコ
ーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物とエポ
キシ変性シリコーン化合物の含有比率は、アミノ基:カ
ルボキシル基:エポキシ基=12:6:82であり、ア
ミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキシ
ル変性シリコーン化合物が1重量部、エポキシ変性シリ
コーン化合物が1.3重量部である。
【0039】この液を二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(4.5μm厚)に塗工し、120℃で5
秒間乾燥させて、乾燥重量1.3g/m2の耐熱滑性層
を形成した。このフィルムの耐熱滑性層の反対面に、青
色系昇華性色素(下記構造式(2)で示される色素)6
0重量部、フェノキシ樹脂100重量部、トルエン50
0重量部、メチルエチルケトン400重量部、イソプロ
パノール100重量部からなるインクを塗布乾燥し、約
1μm厚の色材層を形成し、熱転写記録用シートを作成
した。
【0040】
【化2】
【0041】(b)受像体の作製 TR−220(商品名、飽和ポリエステル樹脂、日本合
成化学工業株式会社製)100重量部、KF393(商
品名、アミノ変性シリコーンオイル、信越化学工業株式
会社製)5重量部、メチルエチルケトン300重量部、
トルエン300重量部からなる液を合成紙(商品名:ユ
ポFPG150、王子油化合成紙株式会社製)にワイヤ
ーバーで塗布、乾燥し(乾燥膜厚約5μm)、さらにオ
ーブン中で90℃で20分間熱乾燥することにより受像
体を作製した。
【0042】(c)印画試験 上記(a)の様にして作製された熱転写記録用シートの
色材層面と、上記(b)の様にして作製された受像体の
樹脂塗布面を重ね、記録用シートの耐熱滑性層面に8ド
ット/mmの発熱抵抗体密度を有する部分グレース型ラ
インサーマルヘッドを使用して、印圧2kgで、0.4
W/ドットの電力で、10ミリ秒間印加して8ライン/
mmの密度で200mm転写記録を行い、走行性を評価
した。結果は、しわの発生等が無く、良好に印画でき
た。
【0043】(d)保存性評価試験 上記の記録用シートを1インチの紙管に巻き付け、温度
55℃、湿度90%RHの環境下に1週間保存し、巻き
出し時のシートの融着の有無の評価および、(c)と同
様な条件での保存後印画試験を行い、走行性を評価し
た。結果は、シートの融着はなく、印画時にしわの発生
等も無く、良好に印画できた。
【0044】実施例−2 ダイヤナールLR−313を80重量部、M−1002
B(商品名、アクリル樹脂、綜研化学株式会社製)20
重量部、BY16−892(商品名、アミノ変性シリコ
ーンオイル、アミン当量2000g/mol、粘度10
00cSt(25℃)、東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン株式会社製)3重量部、 X−22−3701Eを
5重量部、 KF−101を3重量部、MX−180
(商品名、球状アクリル樹脂、平均粒径1.8μm、綜
研化学株式会社製)7重量部、トルエン300重量部、
メチルエチルケトン200重量部を用い、実施例−1と
同様に耐熱滑性層塗工液を作成し、この液を用いて実施
例−1と同様に試験した。結果を表1に示す。
【0045】この塗工液中のシリコーン化合物の含有量
は全高分子物質(LR−313とM−1002B)10
0重量部に対し、11重量部であり、アミノ変性シリコ
ーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物とエポ
キシ変性シリコーン化合物の含有比率は、アミノ基:カ
ルボキシル基:エポキシ基=13:12:75であり、
アミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキ
シル変性シリコーン化合物が1.7重量部、エポキシ変
性シリコーン化合物が1重量部である。
【0046】実施例−3 ダイヤナールLR−313を80重量部、バイロン20
0を20重量部、BY16−828(商品名、アミノ変
性シリコーンオイル、アミン当量1800g/mol、
粘度120cSt(25℃)、東レ・ダウコーニング・
シリコーン株式会社製)2重量部、 X−22−162
C(商品名、カルボキシル変性シリコーンオイル、カル
ボキシル当量2330g/mol、粘度207cSt
(25℃)、信越化学工業株式会社製)を7重量部、
KF−101を2重量部、R−972を5重量部、トル
エン300重量部、メチルエチルケトン200重量部を
用い、実施例−1と同様に耐熱滑性層塗工液を作成し、
この液を用いて実施例−1と同様に試験した。結果を表
1に示す。
【0047】この塗工液中のシリコーン化合物の含有量
は全高分子物質(LR−313とバイロン200)10
0重量部に対し、11重量部であり、アミノ変性シリコ
ーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物とエポ
キシ変性シリコーン化合物の含有比率は、アミノ基:カ
ルボキシル基:エポキシ基=11:31:58であり、
アミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキ
シル変性シリコーン化合物が3.5重量部、エポキシ変
性シリコーン化合物が1重量部である。
【0048】実施例−4 ダイヤナールLR−313を80重量部、M−1002
Bを20重量部、BY16−893(商品名、アミノ変
性シリコーンオイル、アミン当量4000g/mol、
粘度600cSt(25℃)、東レ・ダウコーニング・
シリコーン株式会社製)3重量部、 X−22−162
Cを8重量部、 X−22−3667(商品名、エポキ
シ変性シリコーンオイル、エポキシ当量3800g/m
ol、粘度約3000cSt(25℃)、信越化学工業
株式会社製)を3重量部、トスパール120を5重量
部、トルエン300重量部、メチルエチルケトン200
重量部を用い、実施例−1と同様に耐熱滑性層塗工液を
作成し、この液を用いて実施例−1と同様に試験した。
結果を表1に示す。
【0049】この塗工液中のシリコーン化合物の含有量
は全高分子物質(LR−313とM−1002B)10
0重量部に対し、14重量部であり、アミノ変性シリコ
ーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物とエポ
キシ変性シリコーン化合物の含有比率は、アミノ基:カ
ルボキシル基:エポキシ基=15:69:16であり、
アミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキ
シル変性シリコーン化合物が2.7重量部、エポキシ変
性シリコーン化合物が1重量部である。
【0050】実施例−5 ダイヤナールLR−321(商品名、イソボルニルメタ
アクリレート:MMA:BMA:2EHMA=40:5
2:5:3の共重合体、Tg120℃、三菱レイヨン株
式会社製)を80重量部、バイロン200を20重量
部、BY16−893を6重量部、 X−22−370
1Eを6重量部、 KF−101を3重量部、トスパー
ル120を5重量部、R−972を2重量部、トルエン
300重量部、メチルエチルケトン200重量部を用
い、実施例−1と同様に耐熱滑性層塗工液を作成し、こ
の液を用いて実施例−1と同様に試験した。結果を表1
に示す。
【0051】この塗工液中のシリコーン化合物の含有量
は全高分子物質(LR−321とバイロン20)100
重量部に対し、15重量部であり、アミノ変性シリコー
ン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物とエポキ
シ変性シリコーン化合物の含有比率は、アミノ基:カル
ボキシル基:エポキシ基=13:14:73であり、ア
ミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキシ
ル変性シリコーン化合物が1重量部、エポキシ変性シリ
コーン化合物が0.5重量部である。
【0052】実施例−6 ダイヤナールLR−321を80重量部、バイロン20
0を20重量部、BY16−893を3重量部、 X−
22−3701Eを6重量部、 X−22−3667を
7重量部、MX−300(商品名、球状アクリル樹脂、
平均粒径3μm、綜研化学株式会社製)を3重量部、ト
ルエン300重量部、メチルエチルケトン200重量部
を用い、実施例−1と同様に耐熱滑性層塗工液を作成
し、この液を用いて実施例−1と同様に試験した。結果
を表1に示す。
【0053】この塗工液中のシリコーン化合物の含有量
は全高分子物質(LR−321とバイロン20)100
重量部に対し、16重量部であり、アミノ変性シリコー
ン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物とエポキ
シ変性シリコーン化合物の含有比率は、アミノ基:カル
ボキシル基:エポキシ基=18:38:44であり、ア
ミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキシ
ル変性シリコーン化合物が2重量部、エポキシ変性シリ
コーン化合物が2.3重量部である。
【0054】実施例−7 ダイヤナールLR−321を80重量部、バイロン20
0を20重量部、KF−8005(商品名、アミノ変性
シリコーンオイル、アミン当量11000g/mol、
粘度1200cSt(25℃)、信越化学工業株式会社
製)を6重量部、 X−22−3701Eを3重量部、
KF−102(商品名、エポキシ変性シリコーンオイ
ル、エポキシ当量3600g/mol、粘度4000c
St(25℃)、信越化学工業株式会社製)を6重量
部、トルエン300重量部、メチルエチルケトン200
重量部を用い、実施例−1と同様に耐熱滑性層塗工液を
作成し、この液を用いて実施例−1と同様に試験した。
結果を表1に示す。
【0055】この塗工液中のシリコーン化合物の含有量
は全高分子物質(LR−321とバイロン20)100
重量部に対し、15重量部であり、アミノ変性シリコー
ン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物とエポキ
シ変性シリコーン化合物の含有比率は、アミノ基:カル
ボキシル基:エポキシ基=18:26:56であり、ア
ミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキシ
ル変性シリコーン化合物が0.5重量部、エポキシ変性
シリコーン化合物が1重量部である。
【0056】実施例−8 ダイヤナールLR−321を80重量部、M−1002
Bを20重量部、KF−393(商品名、アミノ変性シ
リコーンオイル、アミン当量360g/mol、粘度6
0cSt(25℃)、信越化学工業株式会社製)を6重
量部、 X−22−3701Eを5重量部、 KF−1
01を3重量部、MX−180を10重量部、R−97
2を2重量部、トルエン300重量部、メチルエチルケ
トン200重量部を用い、実施例−1と同様に耐熱滑性
層塗工液を作成し、この液を用いて実施例−1と同様に
試験した。結果を表1に示す。
【0057】この塗工液中のシリコーン化合物の含有量
は全高分子物質(LR−321とM−1002B)10
0重量部に対し、14重量部であり、アミノ変性シリコ
ーン化合物とカルボキシル変性シリコーン化合物とエポ
キシ変性シリコーン化合物の含有比率は、アミノ基:カ
ルボキシル基:エポキシ基=63:5:32であり、ア
ミノ変性シリコーン化合物1重量部に対し、カルボキシ
ル変性シリコーン化合物が0.8重量部、エポキシ変性
シリコーン化合物が0.5重量部である。
【0058】比較例−1 実施例−1記載の耐熱滑性層塗工液から、アミノ変成シ
リコーンBY−16−857を除いた以外は、実施例−
1と同様に試験を行った。その結果、保存前のシートを
使用した場合にはしわの発生等が無く、良好に印画でき
たが、保存後はシートの融着が発生し、印画面にしわお
よび融着跡が表れ、印画欠陥が発生した。結果を表1に
示す。
【0059】比較例−2 実施例−1記載の耐熱滑性層塗工液から、エポキシ変成
シリコーンKF−101を除いた以外は、実施例−1と
同様に試験を行った。その結果、保存前のシートを使用
した場合にはしわの発生等が無く、良好に印画できた
が、保存後はシートの融着が発生し、印画面にしわおよ
び融着跡が表れ、印画欠陥が発生した。結果を表1に示
す。
【0060】比較例−3 実施例−2記載の耐熱滑性層塗工液から、エポキシ変成
シリコーンKF−101を除き、X−22−3701E
とBY16−892の量をそれぞれ、7.5重量部ずつ
とした以外は、実施例−2と同様に試験を行った。その
結果、保存前のシートを使用した場合にはしわの発生等
が無く、良好に印画できたが、保存後はシートの融着が
発生し、印画面にしわ及び融着跡が表れ、印画欠陥が発
生した。結果を表1に示す。
【0061】比較例−4 実施例−2記載の耐熱滑性層塗工液から、カルボキシ変
成シリコーンX−22−3701Eを除き、BY16−
892とKF−101の量をそれぞれ、7重量部ずつと
した以外は、実施例−2と同様に試験を行った。その結
果この液は、アミノ変性シリコーン化合物とエポキシ変
性シリコーン化合物とが反応して塗工液を調整後数時間
で粘度が上昇してゲル化気味になり、塗工性が不良でシ
ートが作成できなかった。結果を表1に示す。
【0062】比較例−5 実施例−3記載の耐熱滑性層塗工液から、エポキシ変成
シリコーンKF−101を除いた他は、実施例−3と同
様に試験を行った。その結果、保存前のシートを使用し
た場合にはしわの発生等が無く、良好に印画できたが、
保存後はシートの融着が発生し、印画面にしわ及び融着
跡が表れ、印画欠陥が発生した。結果を表1に示す。
【0063】比較例−6 実施例−5記載の耐熱滑性層塗工液から、カルボキシル
変成シリコーンX−22−3701Eを除いた他は、実
施例−5と同様に試験を行った。その結果、保存前のシ
ートを使用した場合にはしわが発生し、印画欠陥とな
り、保存後はシートの融着は発生しなかったが、印画面
にしわが表れ、印画欠陥が発生した。結果を表1に示
す。
【0064】比較例−7 実施例−8記載の耐熱滑性層塗工液から、カルボキシル
変成X−22−3701Eを除き、KF−393とKF
−101の量をそれぞれ、7重量部ずつとした以外は、
実施例−8と同様に試験を行った。その結果この液は、
アミノ変性シリコーン化合物とエポキシ変性シリコーン
化合物とが反応して塗工液を調整後数時間で粘度が上昇
してゲル化気味になり、塗工性が不良でシートが作成で
きなかった。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の耐熱滑性層を有する感熱転写記
録用シートは、高エネルギー印画時にもしわ等の印画欠
陥が発生することが無く、さらに高温保存安定性の優れ
たものである。
フロントページの続き (72)発明者 鳥居 寿紀 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムの一方の面に耐熱滑性層
    を設け、他方の面に色材層を設けた熱転写記録用シート
    において、該耐熱滑性層に、バインダー樹脂とシリコー
    ン化合物として少なくともアミノ変性シリコーン化合
    物、カルボキシル変性シリコーン化合物およびエポキシ
    変性シリコーン化合物を含有することを特徴とする熱転
    写記録用シート。
  2. 【請求項2】 ベースフィルムの一方の面に耐熱滑性層
    を設け、他方の面に色材層を設けた熱転写記録用シート
    において、該耐熱滑性層が少なくとも、バインダー樹
    脂、アミノ変性シリコーン化合物、カルボキシル変性シ
    リコーン化合物およびエポキシ変性シリコーン化合物を
    配合した調合物によって形成されていることを特徴とす
    る熱転写記録用シート。
  3. 【請求項3】 アミノ変性シリコーン化合物、カルボキ
    シル変性シリコーン化合物およびエポキシ変性シリコー
    ン化合物の配合比率が、変性基のモル比として、アミノ
    基+カルボキシル基+エポキシ基=100である場合
    に、アミノ基:カルボキシル基:エポキシ基=1〜9
    0:1〜90:10〜90であることを特徴とする請求
    項1乃至2記載の熱転写記録用シート。
  4. 【請求項4】 アミノ変性シリコーン化合物、カルボキ
    シル変性シリコーン化合物およびエポキシ変性シリコー
    ン化合物の配合比率が、重量比でアミノ変性シリコーン
    化合物1に対し、カルボキシル変性シリコーン化合物が
    0.1〜10の範囲であり、かつエポキシ変性シリコー
    ン化合物が0.1〜10の範囲であることを特徴とする
    請求項1乃至3記載の熱転写記録用シート。
  5. 【請求項5】 アミノ変性シリコーン化合物、カルボキ
    シル変性シリコーン化合物およびエポキシ変性シリコー
    ン化合物の合計が、バインダー樹脂に対し、1〜30重
    量%であることを特徴とする請求項1乃至4記載の熱転
    写記録シート。
  6. 【請求項6】 バインダー樹脂が、熱可塑性樹脂である
    ことを特徴とする請求項1乃至5記載の熱転写記録用シ
    ート。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂が、アルキルアルコールの
    アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを構成
    成分として含むことを特徴とする請求項6記載の熱転写
    記録用シート。
  8. 【請求項8】 アルキルアルコールが、炭素数6以上1
    0以下のアルキルアルコールであることを特徴とする請
    求項7記載の熱転写記録用シート。
  9. 【請求項9】 アルキルアルコールが、脂肪族多環式ア
    ルコールであることを特徴とする請求項7記載の熱転写
    記録用シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010167699A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート

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