JPH08150404A - H形鋼の熱間圧延方法 - Google Patents

H形鋼の熱間圧延方法

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JPH08150404A
JPH08150404A JP6292512A JP29251294A JPH08150404A JP H08150404 A JPH08150404 A JP H08150404A JP 6292512 A JP6292512 A JP 6292512A JP 29251294 A JP29251294 A JP 29251294A JP H08150404 A JPH08150404 A JP H08150404A
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rolling
roll
flange
rolls
thickness
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JP6292512A
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Michiya Komashiro
倫哉 駒城
Takao Iguchi
貴朗 井口
Masanori Kitahama
正法 北浜
Hiroshi Yoshida
博 吉田
Hiroyuki Hayashi
宏之 林
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 H形断面になる粗形鋼片を、粗ユニバーサル
圧延機を用いて複数パスで熱間圧延するに当たり、圧延
中の左右の垂直ロールに働く圧下方向における圧延反力
および上下水平ロールのロール軸方向に働く圧延反力を
それぞれ計測して、その計測結果から圧延後における形
鋼の上下左右4脚のフランジの厚みないしは厚み偏差を
算出し、この算出結果をもとに次パスの圧延によって4
脚のフランジの厚み偏差を0もしくは許容範囲に収める
圧延荷重を算出するとともに、この圧延荷重に基づく水
平ロールのロール軸方向の移動量および垂直ロールの圧
下方向の移動量を求め、これらのロールの移動量とフラ
ンジの厚み偏差および目標フランジ厚から次パスにおけ
る圧延機のロールすき間を決定する。 【効果】各フランジの厚みを均一にすることが可能なの
で、寸法精度の良好なH形鋼を安定供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】この発明は、ユニバーサル圧延機を用いて
H形鋼を熱間圧延する場合に不可避であった上下, 左右
におけるフランジの厚さの変動を軽減し、製品品質の改
善を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】H形鋼の熱間圧延設備は、一般にはブレ
ークダウン圧延機、粗ユニバーサル圧延機、エッジャー
圧延および仕上げユニバーサル圧延機の配列になる(図
4a,b参照)のが普通であって、この設備において、
スラブやブルーム、ビームブランク等の素材を順次に通
して圧延することにより所定の断面寸法になるH形鋼が
製造されている。
【0003】水平ロールと垂直ロールを備えた粗ユニバ
ーサル圧延機では、ブレークダウン圧延によって得られ
た粗鋼片の圧延がさらに進められ、水平ロールにてウエ
ブがその厚さ方向に、また、水平ロールと垂直ロールと
によってフランジがその厚さ方向に圧下され(図5
a)、フランジの幅寸法については粗ユニバーサル圧延
機と対で用いられるエッジャー圧延機にて所定の寸法に
まで圧下される(図5b)。そして、この粗圧延は所定
の断面寸法に至るまで複数回繰り返され、その後、仕上
げユニバーサル圧延機において最終製品に仕上げられる
(図5c) 。
【0004】このような要領に従うH形鋼の熱間圧延で
は、上下で一対になる水平ロールと左右で一対になる垂
直ロールを備えたユニバーサル圧延機が使用されるが、
被圧延材の圧延中、各ロールには圧延反力が作用し、こ
れによって圧延機の各部が弾性変形するので、圧延中の
ロールのすき間は無負荷時のロールすき間に較べて増加
する傾向にある。
【0005】そして、このような状況において何らかの
原因で上下左右4箇所のフランジの厚みが異なることと
なれば、無負荷時のロールの設定すき間を4箇所のフラ
ンジの圧延する部位において等しくしていても、発生す
る反力が4箇所でそれぞれ異なるため、この寸法変動を
修正しきれず、最終的にH形鋼製品の寸法精度の低下を
招く原因になっていた。
【0006】さらに、近年では、薄肉サイズのH形鋼の
需要が増加する傾向にあり、残留応力の軽減や形状不良
の発生を防止する観点から、ウエブに比べて冷却速度の
遅いフランジ部を熱間圧延の途中または熱間圧延の終了
後に強制的に水冷する場合があり、このとき4箇所のフ
ランジ厚みに差があればその部位における温度が不均一
になり、冷却むらが生じて形状不良を引き起こす等の問
題があった。
【0007】圧延中における圧延機のロールすき間の制
御に関してはこれまでに種々検討されており、その代表
的なものとしてはセットアップ制御が知られている。こ
れは、圧延反力とこれによるロールのすき間の増加量は
直線関係にあることから、圧延反力(圧延荷重)の予測
を行い、これに応じて予め無負荷時のロールのすき間を
調整しておこうとするものであり、この点に関する先行
文献としては、ユニバーサル圧延機の水平ロール、垂直
ロールのすき間を調整してフランジおよびウエブの厚み
を制御するようにした特開昭63-104714 号公報や特開昭
63-123510 号公報が参照される。
【0008】また、H形鋼のフランジ4脚の厚みを揃え
るという観点からは、この他に特開平6-15327 号公報や
「影響係数法によるH形鋼の圧延寸法制御法」( 鉄と鋼
vol.79, No.3,P409 〜) に開示の技術も知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭63-1
04714 号公報や特開昭63-123510 号公報に開示の技術
は、上下左右4脚のフランジの厚みのばらつきまでを軽
減することは考慮がなされておらずフランジの平均厚み
を制御するにとどまっているため、4脚のフランジの厚
みの均一化を図るのは困難であった。
【0010】ここに、4脚のフランジの厚みに差を生じ
させる要因は多々あるが、この要因の中で上下水平ロー
ルのロール軸方向位置の相対的なずれの影響が非常に大
きい。すなわち、H形鋼のユニバーサル圧延では、水平
ロールのロール側面と垂直ロールのロール胴との間でフ
ランジがその厚み方向に圧下されることになるが、ここ
で水平ロールがロール軸方向に移動すると、水平ロール
のロール胴長は一定であるから、フランジを圧下する部
位のすき間が左右で反対方向に変化し、4脚のフランジ
の厚みに差が生じる。
【0011】一方、特開平6-15327 号公報に開示の技術
は、粗ユニバーサル圧延中の素材の4脚のフランジ厚み
を測定し、この測定結果から粗ユニバーサル圧延機の上
下水平ロールのロール軸方向位置の偏差、左右垂直ロー
ルのロール開度の偏差および上下水平ロールのロールす
き間中心の垂直ロールすき間中心に対する偏差を演算
し、これらの偏差を0もしくは許容範囲に収める各ロー
ルの位置変更を行おうとするものであって、これによれ
ば、H形鋼の断面寸法、とくにフランジの厚みのばらつ
きは極めて軽減される傾向にあった。しかしながら、か
かる技術では、粗ユニバーサル圧延中の素材の寸法を計
測することが必須であることから寸法測定装置を別途に
設ける必要があるとともに、設備の取り合い上、寸法を
測定できないパスがどうしても生じるため寸法を測定し
たパスの次のパスでしか制御が行えず、品質の改善を図
るにも限界があった。
【0012】また、「影響係数法によるH形鋼の圧延寸
法制御法」( 鉄と鋼vol.79, No.3,P409 〜) において
は、ユニバーサル圧延時、エッジャー圧延時のウエブ,
フランジそれぞれの圧延条件と圧延機の出側の厚みの関
係を定式化し、各部の寸法が多パスの圧延の後にどのよ
うに他部への寸法変動を含めて影響するかを把握し、こ
れを考慮して寸法制御を行う方法が開示されているが、
圧延条件とロールの出側における4脚のフランジ厚との
関係の定式化において、水平ロールのロール軸方向に働
く圧延反力による移動までは考慮が払われていないた
め、左右のフランジ厚みが異なる場合も生じ、フランジ
の厚みを全てにおいて揃えることは困難であった。
【0013】この発明の目的は、上下、左右の全てにお
いて厚みの均一なフランジを有する寸法精度の良好なH
形鋼を製造できる熱間圧延方法を提案するところにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、ウエブおよ
びフランジを有するH形断面になる被圧延材を、ユニバ
ーサル圧延機を用いて熱間圧延する工程において、被圧
延材の圧延中の垂直ロールの圧延荷重および上下水平ロ
ールのロール軸方向の圧延荷重から、圧延機出側での4
脚のフランジ厚偏差を算出し、次パス以降でこの偏差が
0もしくは許容範囲になるように次パス以降においてロ
ールの圧下を調整するものである。
【0015】すなわちこの発明は、ブレークダウン圧延
を施して得たH形断面になる粗形鋼片を被圧延材にし
て、この被圧延材を左右に挟む一対の垂直ロールとロー
ル軸方向への移動を可能とした上下で一対になる水平ロ
ールを備えた粗ユニバーサル圧延機を用いて複数パスで
熱間圧延を行うに当たり、圧延中の左右の垂直ロールに
働く圧下方向における圧延反力および上下水平ロールの
ロール軸方向に働く圧延反力をそれぞれ計測して、その
計測結果から圧延後における被圧延材の上下左右4箇所
のフランジの厚みないしは厚み偏差を算出し、この算出
結果を基に次パスの圧延によって4箇所のフランジの厚
み偏差を0もしくは許容範囲に収める圧延荷重を算出す
るとともに、この圧延荷重に基づく水平ロールのロール
軸方向の移動量および垂直ロールの圧下方向の移動量を
求め、このロールの移動量とフランジの厚み偏差および
目標フランジ厚から次パスにおける圧延機のロールすき
間を決定することを特徴とするH形鋼の熱間圧延方法で
ある。
【0016】
【作用】ユニバーサル圧延機による圧延中において、垂
直ロールに働く圧下方向の圧延反力および水平ロールの
ロール軸方向に働く圧延反力から、圧延後の上下左右4
箇所のフランジ厚みの偏差を求め、この厚み偏差から次
パスのロールすき間を調整する場合につき以下に説明す
る。
【0017】図1a, bに粗ユニバーサル圧延機のロー
ルの断面 (b:被圧延材の各フランジの厚みが異なる場
合) を模式的に示す。図1a, bにおいて、1, 2は水
平ロール、3,4は垂直ロールであって、圧延素材aの
各フランジfに対応する部分の圧延荷重をP、素材の入
側厚み(圧延前) をH、無負荷時のロールすき間をS、
圧延によって生じるロールすき間の変化をδとし、図中
左上のフランジについて添字1を、左下のフランジにつ
いて添字2を、右上のフランジについて添字3を、さら
に右下のフランジについて添字4をそれぞれ付し、左右
の垂直ロール3, 4の圧延方向の剛性係数をそれぞれK
1 , K2 で表し、水平ロール1, 2のロール軸方向の剛
性係数をK3 , K4 で表し、各フランジの塑性定数をM
1 〜M4 で表すこととする。
【0018】ここで、簡単のためロールのテーパ角θと
被圧延材のウエブwの圧下による水平ロールのスラスト
方向の拘束を無視すれば、各フランジの圧延荷重P1
4は、下記の如くとなる。 P1 =M1 {H1 − (S1 +δ1)} ----- (1) P2 =M2 {H2 − (S2 +δ2)} ----- (2) P3 =M3 {H3 − (S3 +δ3)} ----- (3) P4 =M4 {H4 − (S4 +δ4)} ----- (4)
【0019】左右の垂直ロール3, 4に働く圧延反力は
それぞれP1 +P2 , P3 +P4 であり、一方、上下の
水平ロール1, 2のロール軸方向に働く圧延反力は、左
から右方向へ向かう場合を正とすればそれぞれP1 −P
3 , P2 −P4 である。
【0020】ユニバーサル圧延機による圧延中の第Jパ
ス目におけるこの4つの圧延反力を測定すれば、圧延に
よって生じるロールのすき間の変化量δ1 〜δ4 は下記
で求められる。 δ1 = (P1 +P2)/ K1 + (P1 −P3)/ K3 ----(5) δ2 = (P1 +P2)/ K1 + (P2 −P4)/ K4 ----(6) δ3 = (P3 +P4)/ K2 + (P3 −P1)/ K3 ----(7) δ4 = (P3 +P4)/ K2 + (P4 −P2)/ K4 ----(8)
【0021】上記δ1 〜δ4 から、次パス (j+1パ
ス) のユニバーサル圧延における入側のフランジの厚み
偏差を求めることができる。すなわち、(1) 〜 (4)式の
1 〜H4 の偏差が定まる。
【0022】通常のユニバーサル圧延においては、各パ
ス毎に目標とする出側厚みを設定している。上記 (1)〜
(4)式で出側フランジ厚さhi はsi +δi ( i=1〜
4)で表されるが、j+1パス目においてsi +δi
j+1パス目の目標厚さにするとすれば、H1 〜H4
偏差および目標厚さからj+1パス目のフランジ4脚の
圧延荷重偏差が求められ、基準状態(偏差0)での圧延
荷重を加えることにより、フランジ4脚の圧延荷重P1
〜P4 が求められる。そしてj+1パス目の圧延荷重が
定まれば、 (5)〜 (8)式よりj+1パス目のロールすき
間の変化量が、また、このすき間の変化量が求められれ
ば、下記の4つの式からj+1パス目の4箇所の設定す
き間s1 〜s4 が求められることになる。 s1 =h1 −δ1 ---- (9) s2 =h2 −δ2 ---- (10) s1 =h1 −δ1 ---- (11) s1 =h1 −δ1 ---- (12)
【0023】(9) 〜 (12) 式においてh1 〜h4 はそれ
ぞれ左上、左下、右上、右下のフランジの圧延後におけ
る目標の厚みである。j+1パスにおける圧延機の4つ
の設定すき間が定まれば、ロール形状、位置等の幾何学
的な関係からロールの圧下位置の調整が行える。このと
き、計算された圧下調整量が大きく、それだけの圧下調
整を行って圧延すると反りや曲がり等が発生するおそれ
がある場合には、そのパスにおいては調整量を適量だけ
減じ、さらにその次のパスで修正を行うようにして最終
的に製品の厚み偏差が許容範囲に納まるようにすればよ
い。
【0024】上記 (5)〜(8) 式に示したように、各フラ
ンジf1 〜f4 、すなわちフランジ4脚を圧延する際の
ロールのすき間がロールの軸方向に働く圧延反力により
変化することを考慮したのは、この発明における特徴事
項の一つであって、これは、ユニバーサル圧延中の水平
ロールのロール軸方向の圧延反力、移動量およびそのと
きの4脚のフランジの厚み偏差を幾度となく測定、検討
した結果見出されたものである。
【0025】なお、上記 (1)〜(8) 式で用いたミル剛性
係数K1 〜K4 および塑性定数M1〜M4 は、予め計算
や実測によって求めておいたものを用いるのが好まし
い。また、ウエブを圧下することによる水平ロールのス
ラスト方向の拘束を無視できない場合には、(5) 〜(8)
式中の係数K3 , K4 の値を見かけ上大きくすればよ
い。
【0026】ロールのテーパ角度θが無視できない場合
には、テーパ角度に応じて定数を式中の必要な箇所に乗
じてやればよい。
【0027】ロールすき間の調整に当たっては、各垂直
ロールの圧下位置の調整、各水平ロールのロール軸方向
位置の調整、水平ロールの上下方向の位置調整等が必要
となるが、水平ロールのロール軸方向位置の調整に関し
ては、実開平3-24301 号公報に開示されているような機
構やこれに類似した方式を採用すればよい。
【0028】図2に、この発明を実施するのに好適な圧
延設備の構成を模式で示す。図中、5はブレークダウン
圧延機、6は粗ユニバーサル圧延機であって、この粗ユ
ニバーサル圧延機6は図示はしないが垂直ロール1, 2
の圧延反力および水平ロール3, 4のロール軸方向の圧
延反力がそれぞれ測定できるようになっている。
【0029】また、7はエッジャー圧延機、8は仕上げ
ユニバーサル圧延機、9は測定した圧延反力から次のパ
スにおけるロールの設定すき間を演算する演算装置、10
は粗ユニバーサル圧延機6のロールすき間調整装置であ
って、演算装置9の演算結果に基づいてロールのすき間
を調整する。
【0030】上記の構成になる圧延設備においては、粗
ユニバーサル圧延機6のロール位置の調整は、素材の圧
延中に少なくとも1回行われ、これによって各フランジ
の厚みの均一化が図られる。
【0031】粗ユニバーサル圧延機6の上水平ロール1
に対するロール軸方向位置の調整・固定機構の例を図3
に示す。図3において、水平ロール1はスラストベアリ
ング11を介して回転可能にロールチョック12に支持さ
れ、この状態で水平ロール1のロール軸方向の位置は固
定される。ロールチョック12にはガイドアーム13が設け
られていて、このガイドアーム13はくさび形スペーサー
14とクランプアーム15によって挟持されていて、これに
よって水平ロール1のロール軸方向の位置が固定されて
いる。
【0032】水平ロール1のロール軸方向の位置を調整
するには、パス間でクランプアーム15を開放するととも
に、くさび形スペーサー14を上または下に移動させる。
そうすると、くさび形スペーサー14の移動に従い寸法c
が変化し、水平ロール1のロール軸方向の位置が変更さ
れる。垂直ロール3,4についての位置調整は、通常の
ロール開度の調整機構を用いる。
【0033】なお、水平ロールのうち下水平ロール2に
ついての位置調整については触れていないが、これは基
本的には下水平ロール2を基準にして圧延機のロールす
き間を決定するようにしたからであり、上水平ロール1
を基準にするような場合には、下水平ロール2に上掲図
3に示したような機構が適用される。図3に示した如き
機構は、パス間で水平ロールのロール軸方向位置の調整
が可能で、かつ圧延中にはその位置を固定できるもので
あれば同様の効果が期待でき、その構成についてはとく
に限定されない。
【0034】
【実施例】図2に示した設備を適用して、ウエブ高さ46
0 mm, フランジ幅400 mm, ウエブ厚120 mmになるビーム
ブランク (鋼種:SS400)を、呼称寸法でウエブ高さ700
mm, フランジ幅300 mm, ウエブ厚13mm, フランジ厚20mm
のH形鋼になるまで熱間圧延し、圧延後におけるH形鋼
の各フランジ厚みを調査した。
【0035】粗ユニバーサル圧延機を用いた圧延は全13
パスで行ったが、この実施例では3パス目以降の圧延反
力の測定から、4パス目以降で垂直ロールおよび水平ロ
ールのロール軸方向の位置の調整を行った。
【0036】上下水平ロールのロール軸方向の剛性は45
tonf/mm 、左右垂直ロールの剛性は160tonf/mmであり、
これは予め実測により求めておいたものを用い、塑性定
数Mは過去の圧延実績から表1中に示した値を用いた。
なお、1パス, 2パスにおいては、フランジ全面を垂直
ロールで圧下していないと考え制御の対象外とした。
【0037】表1に、測定した圧延反力、計算ミル伸
び、実際の調整量等をまとめて示す。ロールの設定すき
間の調整量は左右の垂直ロールではロール開度を小さく
する方向を正とし、上水平ロールにおいてはロールを右
から左へ移動させる場合を正とした。
【0038】
【表1】
【0039】3パス時の圧下反力から、(5) 〜 (8)式を
そのまま用いて右下のフランジ厚みを基準にした左上、
左下および右上の3箇所のミル伸びの偏差を計算した。
3パス目時点での調整量は0であるから、これが3パス
後 (4パスに入る前)における左上, 左下および右上の
三箇所のフランジの計算による厚み偏差はそれぞれΔH
1 , ΔH2 , ΔH3 となる。
【0040】次に、この4パス目入側厚み偏差と4パス
後の目標厚から、(1) 〜 (4)式を用いて各フランジの圧
延荷重偏差を求め、あらかじめ求めておいた基準状態
(偏差0の状態)での圧延荷重を加えることにより
1 ′〜P4 ′を求め、この圧延荷重を左右の垂直ロー
ルおよび上下の水平ロールの圧延反力に振り分けた。そ
して、この圧延反力から4パス目におけるミル伸び
δ1 ′〜δ4 ′を求めた。
【0041】表1では右下フランジを基準とした偏差を
示しており、この4パス目のミル伸びの偏差と3パス後
の計算厚み偏差の和が、4パス目における無負荷時の必
要設定すき間偏差ΔS1 ′, ΔS2 ′, ΔS3 ′とな
る。必要設定すき間偏差から計算調整量ΔV1 ′, ΔV
2 ′, ΔT1 ′を求めるのに、ここでは以下の式を用い
た。 ΔV1 ′=ΔS2 ′/2 ---- (13) ΔV2 ′=ΔS2 ′/2 ---- (14) ΔT1 ′= (ΔS1 ′−ΔS2 ′−ΔS3 ′) /2 ---- (15)
【0042】上記の (13) 〜 (15) 式において、Δ
1 ′, ΔV2 ′は圧下方向が正、ΔT 1 ′は右から左
方向に正である。実際の調整に当たってはロールの設定
すき間の精度も考慮し0.05mm単位の調整とした。
【0043】4パス目の実際の圧延反力を測定し、3パ
ス目と同様にミル伸び偏差を計算した。この4パス目の
計算ミル伸び偏差と3パス後の計算厚み偏差の和から4
パス目の圧下調整量を差し引いたものを4パス後のフラ
ンジの計算による厚み偏差とした。以降5パス目以降も
4パス目と同様に調整を行っていった。ただし、11パス
目においては、上水平ロールの計算調整量が大きく圧延
時の曲がりが懸念されたので実際の調整量を0.3 mmとし
た。
【0044】比較として、ロール位置の調整を全く行わ
ない従来法 (対比例1) および左右の垂直ロールの圧延
荷重から垂直ロールの圧下調整だけを行った場合 (対比
例2) のフランジ厚さの調査も行った。この実施例、対
比例ともにブレークダウン圧延条件は全く同一とした
が、ブレークダウン圧延後の素材の寸法調査をしたとこ
ろ素材の進行方向に向かう左側のフランジの厚みが厚
く、厚み偏差が約3mm程度生じていた。
【0045】表2にこの発明に従って圧延した場合の製
品の各フランジの厚みを対比例1,2の結果とともに示
す。
【表2】
【0046】表2より明らかな如く、この発明によれ
ば、H形鋼のフランジの厚みのばらつきが減少し寸法精
度の向上に有用であることが確かめられた。また、反り
や曲がり等の不具合については適合例、対比例2につい
ては問題はなかったが、対比例1では若干ではあるが圧
延方向左側 (素材の進行方向に向かって左側) への曲が
りが発生していた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
H形鋼の熱間圧延において各フランジの厚みを均一にす
ることが可能なので、寸法精度の良好なH形鋼を安定供
給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】a, bは粗ユニバーサル圧延機のロールの断面
を示した図である。
【図2】この発明を実施するのに用いて好適な設備の構
成を示した図である。
【図3】上水平ロールの位置調整機構の構成説明図であ
る。
【図4】a,bは従来の圧延設備の構成を示した図であ
る。
【図5】a, b, cはH形鋼の熱間圧延での断面の変化
状況を示した図である。
【符号の説明】
1 水平ロール 2 水平ロール 3 垂直ロール 4 垂直ロール 5 ブレークダウン圧延機 6 粗ユニバーサル圧延機 7 エッジャー圧延機 8 仕上げユニバーサル圧延機 9 演算装置 10 ロール隙間調整装置 11 スラストベアリング 12 ロールチョック 13 ガイドアーム 14 くさび形スペーサー 15 クランプアーム
フロントページの続き (72)発明者 北浜 正法 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 吉田 博 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 林 宏之 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレークダウン圧延を施して得たH形断
    面になる粗形鋼片を被圧延材にして、この被圧延材を左
    右に挟む一対の垂直ロールとロール軸方向への移動を可
    能とした上下で一対になる水平ロールを備えた粗ユニバ
    ーサル圧延機を用いて複数パスで熱間圧延を行うに当た
    り、 圧延中の左右の垂直ロールに働く圧下方向における圧延
    反力および上下水平ロールのロール軸方向に働く圧延反
    力をそれぞれ計測して、その計測結果から圧延後におけ
    る被圧延材の上下左右4箇所のフランジの厚みないしは
    厚み偏差を算出し、この算出結果をもとに次パスの圧延
    によって各フランジの厚み偏差を0もしくは許容範囲に
    収める圧延荷重を算出するとともに、この圧延荷重に基
    づく水平ロールのロール軸方向の移動量および垂直ロー
    ルの圧下方向の移動量を求め、各ロールの移動量とフラ
    ンジの厚み偏差および目標フランジ厚から次パスにおけ
    る圧延機のロールすき間を決定することを特徴とするH
    形鋼の熱間圧延方法。
JP6292512A 1994-11-28 1994-11-28 H形鋼の熱間圧延方法 Pending JPH08150404A (ja)

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