JPH08148148A - 非水電解液電池用電極材料の製造方法及びその方法により得られた電極材料を用いた非水電解液電池 - Google Patents

非水電解液電池用電極材料の製造方法及びその方法により得られた電極材料を用いた非水電解液電池

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JPH08148148A
JPH08148148A JP6315525A JP31552594A JPH08148148A JP H08148148 A JPH08148148 A JP H08148148A JP 6315525 A JP6315525 A JP 6315525A JP 31552594 A JP31552594 A JP 31552594A JP H08148148 A JPH08148148 A JP H08148148A
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battery
electrode
negative electrode
carbonaceous material
aqueous electrolyte
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JP6315525A
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Koichi Tanaka
浩一 田中
Kenichi Takahashi
賢一 高橋
Toru Kihira
徹 紀平
Eiji Endo
英司 遠藤
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 負極電極材料としてリチウム等の軽金属をド
ープ/脱ドープし得る炭素質材料を使用する非水電解液
電池において、負極のドープ/脱ドープ反応の可逆性を
高めて、初回の充放電効率を向上させ、しかも電池寿命
を延ばす。 【構成】 非水電解液電池の負極材料として、軽金属を
電気化学的にドープ/脱ドープできる炭素質材料にアル
キル化処理を施した材料を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水電解液電池用電極
材料の製造方法及びそれを用いた非水電解液電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】負極にリチウム、ナトリウム、アルミニ
ウムなどの軽金属を用いた非水電解液電池は、電気化学
理論的に高電圧で高エネルギー密度の電池となりうるた
めに各種電子機器の電源として期待されている。最近で
は、ランニングコストを大きく低減できるように、その
ような電池を二次電池化することが要請されており、実
際に、軽金属としてリチウムを負極として使用したリチ
ウム非水電解液二次電池が市販されるようになってい
る。
【0003】このようなリチウム非水電解液二次電池に
おいては、充電時に負極にリチウムがデンドライド状に
析出することを防止し、安全性と信頼性とを飛躍的に向
上させるために、負極として金属リチウムをそのままの
形態では使用せずに、リチウムイオンをドープ/脱ドー
プできる炭素質材料、例えば、グラファイトなどにリチ
ウムをドープしたものを使用している。また、このよう
に、リチウムイオンをドープ/脱ドープし得る負極を、
リチウム以外の軽金属を使用する非水電解液二次電池に
適用することが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ム等の軽金属を電気化学的にドープ/脱ドープし得る炭
素質材料の場合、ドープした軽金属を完全に脱ドープす
ることができないという問題がある。このため、例え
ば、負極用軽金属としてリチウムを使用した非水電解液
二次電池の場合、初回の充放電効率が60〜85%程度
と低いという問題があった。これは、炭素質材料の結合
末端(主に表面)に、電子親和力の比較的大きいカルボ
ニル基、カルボキシル基あるいは水酸基などの官能基が
存在するため、それらが軽金属イオンを捕捉して不活性
化したり、それらの官能基が非水電解液の非水溶媒へ電
子を放出して非水溶媒を分解させ、その分解物がドープ
した金属を不活性化したりするためと考えられる。特
に、非水溶媒の分解は、電池の使用に伴う充放電の繰り
返しにより徐々に進行し、電池寿命を短縮させる大きな
要因となっている。
【0005】本発明は、以上の従来技術の課題を解決し
ようとするものであり、負極としてリチウム等の軽金属
をドープ/脱ドープし得る炭素質材料を使用する非水電
解液電池において、負極のドープ/脱ドープ反応の可逆
性を高めて、初回の充放電効率を向上させ、しかも電池
寿命を延ばせるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、軽金属を電
気化学的にドープ/脱ドープできる炭素質材料にアルキ
ル化処理を施したものを、非水電解液電池に負極として
用いることにより上述の目的が達成できることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は、軽金属を電気化学的にド
ープ/脱ドープできる炭素質材料にアルキル化処理を施
すことを特徴とする非水電解液電池用電極材料の製造方
法を提供する。
【0008】また、本発明は、上述の製造方法により得
られる非水電解液電池用電極材料からなる負極と、正極
と、非水電解液とを備える非水電解液電池を提供する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の製造方法において、炭素質材料に
ドープする軽金属としては、リチウム、ナトリウム、ア
ルミニウムなどを例示することができる。
【0011】また、炭素質材料としては、ベンゼン、ア
セチレン等の炭化水素ガスを気相で炭素化反応させるこ
とにより得られるカーボンブラック類や気相成長炭素
類、液相で石油、石炭などのピッチを熱分解させること
により得られるピッチコークス類、樹脂等の高分子材料
を固相で熱分解あるいは重合させたノボラック樹脂焼成
体、ガラス状カーボン、フルフリルアルコール樹脂焼成
体、ポリアセン等や、これらの高温処理物である人造黒
鉛あるいは天然黒鉛等を例示することができる。中で
も、軽金属としてリチウムを使用する場合には、(00
2)面の面間隔が3.70オングストローム以上で真密
度が1.70g/cc未満で、且つ空気気流中における
示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを有さない炭素
質材料を好ましく使用することができる。
【0012】本発明において、アルキル化処理は、炭素
質材料の結合末端(主に表面)のカルボキシル基や水酸
基などを電子供与性の高いアルキル基で置換し、あるい
はアルキルキャップし、もしくは炭素質材料の表面に直
接アルキル基を導入するものである。これにより、軽金
属イオンが炭素質材料に捕捉されて不活性化することを
抑制し、また、非水溶媒が炭素質材料から電子を授受し
て分解することを抑制することができる。
【0013】アルキル化処理の方法として、炭素質材料
表面にアルキル基を導入できる公知の方法を採用するこ
とができ、例えば、炭素質材料にジアルキル硫酸を作用
させる方法、ハロゲン化アルキルをフリーデルクラフト
反応させる方法、ジアゾメタンを作用させる方法、ある
いはアルキルメタルを作用させる方法などを例示するこ
とができる。これらの方法の具体的な実施条件は、使用
する炭素質材料や反応試剤などの種類などに応じて適宜
設定することができる。
【0014】なお、炭素質材料にジアルキル硫酸を作用
させる方法の場合、非水溶媒が分解することを大きく抑
制する目的で、炭素質材料へのアルキル基の導入量を増
加させるために、硫酸ジアルキルを作用させるに先立っ
て、炭素質材料の表面を酸化改質することが好ましい。
酸化改質の方法としては、アルカリ性水溶液中で炭素質
材料にペルオキソ硫酸アンモニウムを作用させる方法を
好ましく例示することができる。
【0015】本発明において、アルキル化処理により導
入されるアルキル基としては、電子供与性であり、且つ
軽金属イオンのドープ/脱ドープ反応を抑制しないよう
に空間的に過度にかさ高くないものを好ましく使用する
ことができる。例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基などを好
ましく例示することができ、中でも、メチル基、エチル
基、プロピル基、n−ブチル基が好ましい。
【0016】本発明において、アルキル化処理後の炭素
質材料は、十分に水洗し、乾燥させることにより非水電
解液電池用電極材料として使用することができる。
【0017】本発明の非水電解液電池は、上述の本発明
の方法により得られる非水電解液電池用電極材料を用い
て形成した負極と、正極と、非水電解液とからなる。
【0018】ここで正極としては、二酸化マンガン、五
酸化バナジウムなどの遷移金属酸化物、硫化鉄、硫化チ
タン、硫化モリブデンなどの遷移金属カルコゲン化物を
使用することができる。特に、負極にドープさせる金属
としてリチウムを使用する場合には、高電圧で高いエネ
ルギー密度を実現でき、充放電サイクル特性も向上させ
ることができるLiMO(式中、Mは1種以上の遷
移金属を表し、0.05≦x≦1.10である)を主体
とするリチウム複合酸化物を使用することができる。な
お、遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn、Feの少
なくとも1種を使用することが好ましく、このようなリ
チウム複合酸化物としては、LiCoO、LiNiO
、LiNiCo1−y、LiMnOなどを好
ましく例示することができる。これらのリチウム複合酸
化物は、リチウムの炭酸塩、硝酸塩、酸化物あるいは水
酸化物と、コバルト、マンガンあるいはニッケルなどの
炭酸塩、硝酸塩、酸化物、あるいは水酸化物とを所望の
組成に応じて粉砕混合し、酸素雰囲気下で600〜10
00℃の温度範囲で焼成することにより調製することが
できる。
【0019】非水電解液は、支持電解質を有機溶媒で溶
解することにより得られるが、ここで有機溶媒として
は、従来より非水電解液二次電池などにおいて用いられ
ているような有機溶媒を使用することができ、例えば、
プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの
環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、メチルエチルカーボネート、ジプロピルカ
ーボネートなどの鎖状カーボネート、1,2−ジメトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒ
ドロフラン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類、酢
酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチルなどのエス
テル類、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類等を単独
もしくは2種以上を混合して使用することができる。
【0020】また、支持電解質としては、負極の炭素質
材料にドープする軽金属の種類などに応じて適宜選択す
ることができる。例えば、軽金属としてリチウムを使用
する場合には、LiClO、LiAsF、LiBF
、LiPF等を単独で、もしくは2種以上を混合し
て使用することができる。
【0021】なお、本発明の非水電解液電池において、
負極、正極及び非水電解液以外の他の構成要素、例えば
集電体や電池缶などの要素は、従来の非水電解液電池と
同様とすることができる。
【0022】本発明の非水電解液電池の形状についても
特に限定されることはなく、円筒形、角形、コイン形、
ボタン形等の種々の形状にすることができる。また、電
池を密閉型とする場合には、より高い安全性を確保する
ために、過充電時の異常時に電池内圧の上昇に応じて電
流を遮断させる手段、例えば電流遮断装置を設けること
が好ましい。
【0023】
【作用】本発明の非水電解液電池用電極材料の製造方法
においては、軽金属をドープ/脱ドープ可能な炭素質材
料をアルキル化処理する。このようにアルキル化処理さ
れた炭素質材料は、軽金属イオンを捕捉しにくくなり、
また、電子を放出しにくくなる。従って、このような炭
素質材料を負極として非水電解液電池を構成した場合に
は、軽金属の不活性化と非水溶媒の分解とが抑制され
る。よって、充電効率、とりわけ初回の充放電効率を向
上させ、しかも電池寿命を延ばすことが可能となる。
【0024】
【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例1〜24は、炭素質材料のアルキル化
処理を硫酸ジアルキルを使用して行った例であり、実施
例25〜48は、炭素質材料のアルキル化処理をハロゲ
ン化アルキルを使用するフリーデルクラフト反応を利用
した例である。実施例49〜96は、実施例1〜48の
炭素質材料を負極として使用したリチウム非水電解液二
次電池の作製例である。比較例1〜4は、実施例1〜4
で使用した炭素質材料についてアルキル化処理を施さな
いものでリチウム非水電解液二次電池を作製した例であ
る。
【0025】実施例1 200mlの水に、ペルオキソ硫酸アンモニウム45.
8gと水酸化ナトリウム6.0gとを溶解させ、その溶
液に炭素質材料として石油ピッチコークス20gを添加
し、室温下で2日間撹拌して炭素質材料の表面を酸化し
た。
【0026】次に、酸化処理された炭素質材料を、10
0mlの水に水酸化ナトリウム6.0gを溶解させた溶
液に添加し、その溶液に100mlのメタノールに硫酸
ジメチル25.2gを溶解した溶液を室温下で徐々に滴
下した。その後、1日間加熱還流させることにより、ア
ルキル化処理を行った。得られた炭素質材料を水洗し乾
燥することにより、本発明の非水電解液電池用電極材料
を得た。
【0027】実施例2〜24 表1に示す炭素質材料と硫酸ジアルキルとを使用する以
外は、実施例1と同様にして非水電解液電池用電極材料
を得た。なお、人造黒鉛は、石油ピッチコークスを28
00℃で加熱処理することにより得られたものを使用し
た。また、”PFA−C”はフルフリルアルコール樹脂
焼成体を意味する。
【0028】
【表1】 実施例 炭素質材料 硫酸ジアルキル 1 石油ピッチコークス 硫酸ジメチル 2 PFA−C 同上 3 人造黒鉛 同上 4 天然黒鉛 同上 5 石油ピッチコークス 硫酸ジエチル 6 PFA−C 同上 7 人造黒鉛 同上 8 天然黒鉛 同上 9 石油ピッチコークス 硫酸ジプロピル 10 PFA−C 同上 11 人造黒鉛 同上 12 天然黒鉛 同上 13 石油ピッチコークス 硫酸ジn−ブチル 14 PFA−C 同上 15 人造黒鉛 同上 16 天然黒鉛 同上 17 石油ピッチコークス 硫酸ジイソブチル 18 PFA−C 同上 19 人造黒鉛 同上 20 天然黒鉛 同上 21 石油ピッチコークス 硫酸ジペンチル 22 PFA−C 同上 23 人造黒鉛 同上 24 天然黒鉛 同上 実施例25 十分に乾燥したニトロメタン200ml中に、石油ピッ
チコークス20gを添加し、更に無水塩化アルミニウム
53.4gを溶解させた。その混合物に無水塩化メチル
30gを室温下で徐々に添加した。添加終了後、更に室
温で100時間撹拌することによりアルキル化処理を行
った。得られた炭素質材料を水洗し乾燥することによ
り、本発明の非水電解液電池用電極材料を得た。
【0029】実施例26〜48 表2に示す炭素質材料とハルゲン化アルキルとを使用す
る以外は、実施例25と同様にして非水電解液電池用電
極材料を得た。
【0030】
【表2】 実施例 炭素質材料 ハロゲン化アルキル 25 石油ピッチコークス 塩化メチル 26 PFA−C 同上 27 人造黒鉛 同上 28 天然黒鉛 同上 29 石油ピッチコークス 塩化エチル 30 PFA−C 同上 31 人造黒鉛 同上 32 天然黒鉛 同上 33 石油ピッチコークス 塩化プロピル 34 PFA−C 同上 35 人造黒鉛 同上 36 天然黒鉛 同上 37 石油ピッチコークス 塩化n−ブチル 38 PFA−C 同上 39 人造黒鉛 同上 40 天然黒鉛 同上 41 石油ピッチコークス 塩化イソブチル 42 PFA−C 同上 43 人造黒鉛 同上 44 天然黒鉛 同上 45 石油ピッチコークス 塩化ペンチル 46 PFA−C 同上 47 人造黒鉛 同上 48 天然黒鉛 同上 実施例49〜72、73〜96及び比較例1〜4 実施例1〜24、実施例25〜48、並びにアルキル化
処理されていない石油ピッチコークス(比較例1)、P
FA−C(比較例2)、人造黒鉛(比較例3)及び天然
黒鉛を負極材料として用い、図1に示すような円筒型の
リチウム非水電解液二次電池を次のように作製した。
【0031】まず、正極活物質として、炭酸リチウムと
炭酸コバルトとをLi/Co比=1となるように混合
し、空気中で900℃で5時間焼成してLiCoO
(X線回折測定の結果、JCPDSカードと一致)を
得た。
【0032】得られたLiCoO91重量部と、導電
剤として黒鉛6重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニ
リデン(PVDF)3重量部とを混合し、更にN−メチ
ル−2−ピロリドンで混練してペースト状にした。次
に、このペーストを正極集電体である帯状のアルミニウ
ム箔の両面に均一に塗布して帯状の正極1を得た。
【0033】次に、アルキル化処理もしくは未処理の炭
素質材料90重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)10重量部とを混合し、更にN−メチ
ル−2−ピロリドンで混練りしてペースト状にした。こ
のペーストを負極集電体である帯状の銅箔の両面に均一
に塗布して帯状の負極2を得た。
【0034】なお、帯状の正極1及び帯状の負極2に、
集電するためのアルミニウム製の正極リード端子3及び
ニッケル製の負極リード端子4をそれぞれ溶接した。
【0035】次に、帯状の正極1と帯状の負極2との間
に、微孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレータ
ー5を介して互いに積層し、多数回巻き回して、渦巻き
型の電極体を作製した。
【0036】得られた電極体をニッケルメッキを施した
鉄製電池容器6に収容した。そして負極リード端子4
は、電池容器6の内底部にスポット溶接により接続し、
正極リード端子3は、電池封口板7に溶接した。
【0037】次に、電極体が収容された電池容器6内
に、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの
同容積混合溶媒にLiPFを1モル/リットルの割合
で溶解させた電解液を注液した。そして、電池容器6と
電池封口板7とをポリプロピレン製パッキング8を介し
てかしめて密封し、直径18mm、高さ65mmの円筒
型リチウム非水電解液二次電池を作製した。
【0038】(初回充放電効率の評価)得られた二次電
池について、定電圧(4.2V)で電池電圧が4.2V
に達するまで充電した後、定電流(700mA)で電池
電圧が2.75Vに低下するまで放電させた。このとき
の初回充電容量、放電容量及びそれらの差分の初回充電
容量に占める割合である不可逆容量率[即ち、不可逆容
量率=(初回充電容量−放電容量)×100/初回充電
容量]をそれぞれ求めた。ここで、不可逆容量率が小さ
い程、初回充放電効率が高いことを意味する。
【0039】実施例49〜72の電池(硫酸ジアルキル
により処理された電極材料を負極として使用)について
は、図2に初回充電容量、図3に放電容量及び図4に不
可逆容量率の結果をプロットした。ここで、結果のプロ
ットに際し、実施例番号を図に記入せずに、炭素質材料
名とアルキル化処理名とを図に記入した。
【0040】また、実施例73〜96の電池(フリーデ
ルクラフト反応により処理された電極材料を負極として
使用)については、図5に初回充電容量、図6に放電容
量及び図7に不可逆容量率の結果を示した。
【0041】なお、図2〜図7のそれぞれに、比較例1
〜4の電池の結果も参考のためにプロットした。
【0042】図2〜図7に示したように、アルキル化処
理した炭素質材料を負極として用いた実施例の電池は、
初回充電容量が減少するとともに放電容量が増加し、結
果として不可逆容量率が比較例の電池に比べ大きく低下
し、初回充放電効率が約85〜95%となり、従来の6
0〜85%より大きく向上したことがわかる。
【0043】また、メチル化処理の電池の場合に比べ、
エチル化処理、プロピル化処理及びn−ブチル化処理の
電池の場合の方が好ましい不可逆容量率を示した。これ
は、メチル基の電子供与効果よりも、エチル基、プロピ
ル基及びn−ブチル基の電子供与効果の方が大きく、負
極から溶媒への電子放出がより抑制されたためと考えら
れる。
【0044】一方、イソブチル化処理又はペンチル化処
理の電池の場合には、比較例の電池に比べ、好ましい不
可逆容量率を示したが、メチル化処理〜n−ブチル化処
理の電池に比べ、不可逆容量率が若干増大した。これ
は、イソブチル基及びペンチル基がメチル基などに比べ
て空間的にかさ高くなるので、軽金属イオンのドープ/
脱ドープ反応が若干抑制されるためと考えられる。この
ことから、アルキル化処理により導入するアルキル基と
して、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基
が特に好ましいことがわかる。
【0045】(電池寿命(サイクル特性)の評価)次
に、初回充放電効率の評価の場合と同じ条件で充放電サ
イクル試験を行い、放電容量が初回値の80%に低下す
るまでの充放電サイクル回数を調べた。実施例49〜7
2の電池(硫酸ジアルキルにより処理された電極材料を
負極として使用)については、その結果を図8に示し、
実施例73〜96の電池(フリーデルクラフト反応によ
り処理された電極材料を負極として使用)については、
図9に、その結果を示した。また、比較例1〜4の電池
の結果は、図8及び図9の双方に示した。なお、結果の
プロットに際し、実施例番号を図に記入せずに、炭素質
材料名とアルキル化処理名とを図に記入した。
【0046】図8及び図9に示したように、アルキル化
処理した炭素質材料を負極として用いた実施例の電池
は、比較例の電池に比べ充放電サイクル回数が大きく増
大し、電池寿命が大きく伸びたことがわかる。
【0047】なお、メチル化処理の電池の場合に比べ、
エチル化処理、プロピル化処理、n−ブチル化処理の電
池の方が好ましいサイクル寿命を示した。これは、メチ
ル基の電子供与効果よりも、エチル基、プロピル基及び
n−ブチル基の電子供与効果の方が大きく、負極から溶
媒への電子放出がより抑制されたためと考えられる。
【0048】イソブチル化処理又はペンチル化処理の電
池が、n−ブチル処理の電池に比べわずかにサイクル寿
命が低下したが、これは、イソブチル基及びペンチル基
がn−ブチル基に比べて空間的にかさ高くなるので、軽
金属イオンのドープ/脱ドープ反応が若干抑制され、電
極反応の過電圧が上昇したものと考えられる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、負極電極材料としてリ
チウム等の軽金属をドープ/脱ドープし得る炭素質材料
を使用する非水電解液電池において、負極におけるドー
プ/脱ドープ反応の可逆性を高め、初回の充放電効率を
向上させ、電池寿命を延ばさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作製した電池の部分断面図である。
【図2】硫酸ジアルキルにより処理した電極材料を負極
として使用した電池の初回充電容量図である。
【図3】硫酸ジアルキルにより処理した電極材料を負極
として使用した電池の放電容量図である。
【図4】硫酸ジアルキルにより処理した電極材料を負極
として使用した電池の不可逆容量率図である。
【図5】フリーデルクラフト反応を利用して処理した電
極材料を負極として使用した電池の初回充電容量図であ
る。
【図6】フリーデルクラフト反応を利用して処理した電
極材料を負極として使用した電池の放電容量図である。
【図7】フリーデルクラフト反応を利用して処理した電
極材料を負極として使用した電池の不可逆容量率図であ
る。
【図8】硫酸ジアルキルにより処理した電極材料を負極
として使用した電池のサイクル特性図である。
【図9】フリーデルクラフト反応を利用して処理した電
極材料を負極として使用した電池のサイクル特性図であ
る。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 正極リード端子 4 負極リード端子 5 セパレーター 6 電池容器 7 電池封口板 8 パッキング
フロントページの続き (72)発明者 遠藤 英司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽金属を電気化学的にドープ/脱ドープ
    できる炭素質材料にアルキル化処理を施すことを特徴と
    する非水電解液電池用電極材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルキル化処理が、炭素質材料を酸化改
    質し、その後にジアルキル硫酸を作用させることからな
    る請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルキル化処理が、炭素質材料にハロゲ
    ン化アルキルをフリーデルクラフト反応させることから
    なる請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 軽金属がリチウムである請求項1〜3の
    いずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法により得られる非
    水電解液電池用電極材料からなる負極と、正極と、非水
    電解液とを備える非水電解液電池。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の方法により得られる非
    水電解液電池用電極材料からなる負極を備える請求項5
    に記載の非水電解液電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011144218A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Toyota Central R&D Labs Inc オレフィン有機化グラファイト材料およびその製造方法
JP2011144054A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Toyota Central R&D Labs Inc グラファイト層間化合物の製造方法
WO2015125740A1 (ja) * 2014-02-18 2015-08-27 積水化学工業株式会社 薄片化黒鉛の製造方法、薄片化黒鉛及び薄片化黒鉛-樹脂複合材料

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