JPH08146205A - 可変焦点レンズ - Google Patents

可変焦点レンズ

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Publication number
JPH08146205A
JPH08146205A JP6280894A JP28089494A JPH08146205A JP H08146205 A JPH08146205 A JP H08146205A JP 6280894 A JP6280894 A JP 6280894A JP 28089494 A JP28089494 A JP 28089494A JP H08146205 A JPH08146205 A JP H08146205A
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JP
Japan
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resin plate
transparent resin
transparent
lens
variable focus
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Application number
JP6280894A
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English (en)
Inventor
Toshio Hosokawa
俊夫 細川
Takekazu Terui
武和 照井
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】重力等によりレンズ面に不均一な湾曲変形が生
じず、良好なレンズ性能を確保することができ、レンズ
枠の構造も比較的薄形に形成することができる可変焦点
レンズを提供する。 【構成】この可変焦点レンズは、少なくとも一面が透明
樹脂板2で形成されたレンズ体10の内部に透明液体L
を充填し、その透明液体Lの量を変えることにより透明
樹脂板2の曲率を変化させ、レンズ体10の焦点距離を
変化させる可変焦点レンズである。透明樹脂板2の周縁
部付近が環状のゴム状挟持部材3と支持枠体4の凸状曲
面を有する環状挟持部4aによって挟持され、透明樹脂
板2が挟持された箇所の外周部の両側に隙間Sが設けら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも一面が透明
樹脂板で形成されたレンズ体の内部に透明液体を充填
し、その液体の容量を変えることにより、透明樹脂板の
曲率を変化させ、レンズの焦点を変化させる可変焦点レ
ンズに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の可変焦点レンズとして、
円形リング状の支持枠の両側に透明弾性膜を張設し、内
部に透明な液体を充填した構造の可変焦点レンズが、特
開昭55−36857号公報等により提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の可変
焦点レンズでは、透明弾性膜の膜厚が薄く、且つその弾
性率も低いため、透明弾性膜が重力によって変形しやす
く、そのレンズ面に不均一な湾曲変形が生じ、レンズの
性能が低下する問題があった。
【0004】このため、透明弾性膜を高い張力で枠体に
固定することが考えられたが、高い張力で透明弾性膜を
枠体に張設する作業は容易ではなく、張設時に膜にたる
みを生じさせやすい。さらに、高い張力で張設した透明
弾性膜の周囲を、枠体に確実に固定するためには、その
枠体の構造を強固にする必要があり、枠体が大形化し、
眼鏡等の分野にはこの可変焦点レンズを適用しにくい問
題があった。
【0005】また、特開平3−1102号公報で提案さ
れているように、透明弾性膜に変えて膜厚を厚くした透
明弾性体を使用し、その透明弾性体を枠体に対し熱溶着
或は接着剤等により固定することが考えられたが、この
ように透明弾性体を枠体に熱溶着等で固定した場合、内
部に液圧を印加して透明弾性体を膨出させると、その表
面は理想的な放物面から離れて大きく歪むように変形
し、レンズの性能が低下する問題があった。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、重力等によりレンズ面に不均一な湾曲変形が生じ
ず、良好なレンズ性能を確保することができ、レンズ枠
の構造も比較的薄形に形成することができる可変焦点レ
ンズを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の可変焦点レンズは、少なくとも一面が透明
樹脂板で形成されたレンズ体の内部に透明液体を充填
し、その透明液体の量を変えることにより透明樹脂板の
曲率を変化させ、レンズ体の焦点距離を変化させる可変
焦点レンズにおいて、透明樹脂板の周縁部付近が環状の
ゴム状挟持部材と支持枠体の凸状曲面を有する環状挟持
部によって挟持され、透明樹脂板が挟持された箇所の外
周部の両側に、透明樹脂板の周縁部付近の変形を妨げな
いように隙間が設けられて構成される。
【0008】
【作用・効果】このような構成の可変焦点レンズでは、
レンズ体の内部に透明液体を充填し、その透明液体の量
を変えることにより透明樹脂板の曲率を変化させ、レン
ズ体の焦点距離を変化させるが、透明樹脂板の周縁部付
近が環状のゴム状挟持部材と支持枠体の凸状曲面を有す
る環状挟持部によって挟持され、透明樹脂板が挟持され
た箇所の外周部の両側に隙間が設けられているため、透
明樹脂板の周縁部が全周に渡って略線接触に近い状態で
支持される。また、挟持された透明樹脂板の周縁部分に
おける周囲の境界条件が単純支持に近い状態となるた
め、周縁部を完全に固定した場合に比べ、透明樹脂板
は、理想的な放物面に近い形状に均一に変形し、良好な
レンズ性能を得ることができる。
【0009】さらに、透明樹脂板を、0.1mm〜1.0
mmの厚さで、伸度2%以上の合成樹脂製板により形成す
れば、従来の透明弾性膜を使用した場合に比べ、重力等
によりレンズ面に不均一な湾曲変形を生じないようにす
ることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0011】図1は可変焦点レンズの正面図を示し、図
2はその断面図を示し、図3はその拡大断面図を示して
いる。1はレンズ体10のフレームを構成するレンズ枠
体であり、金属或は合成樹脂により環状に成形され、外
周部の2箇所に透明液体の供給部1aが突設され、各供
給部1aから内縁部にかけて供給孔1bが穿設されてい
る。そのレンズ枠体1の背面側外周におねじ部1cが形
成され、さらに、レンズ枠体1の背面側に環状溝が形成
され、その環状溝内にゴム製のOリング9が嵌着され
る。
【0012】さらに、レンズ枠体1の正面側にも環状溝
が形成され、その環状溝には、後述の透明樹脂板を挟持
する環状のゴム状挟持部材3が嵌挿される。ゴム状挟持
部材3は、例えばニトリルゴムで成形され、その外周面
が凸状曲面となるように、環状に形成されている。
【0013】さらに、レンズ枠体1の正面側にはリング
状の支持枠体4が嵌着される。この支持枠体4は弾性係
数の高い金属或は合成樹脂により形成され、その内側に
は、凸状曲面を有する環状挟持部4aが環状に設けられ
る。一方、レンズ枠体1の背面側には、環状の背面支持
枠体5が、その内側に設けためねじ部5aを、レンズ枠
体1のおねじ部1cの螺合させて取付けられる。
【0014】2はレンズ体10の前面を形成する円板状
の透明樹脂板であり、例えば、ポリカーボネート、アク
リル等の透明合成樹脂により、厚さ0.1mm〜1.0mm
の板状に形成され、レンズ枠体1の前面側にゴム状挟持
部材3との間で挟持されるように取付けられる。また、
この透明樹脂板2は伸度2%以上の合成樹脂板で形成さ
れる。
【0015】即ち、透明樹脂板2の周縁部付近が、環状
のゴム状挟持部材3と支持枠体4の凸状曲面を有する環
状挟持部4aによって挟持され、さらに、挟持された透
明樹脂板2の部分の外周部の両側に隙間(空間)Sが設
けられている。
【0016】6はレンズ体10の背面を形成する円板状
の透明板であり、例えば、ガラス板、或はポリカーボネ
ート、アクリル等の透明合成樹脂により、厚さ約1mm〜
3mmの板状に形成され、レンズ枠体1の背面側(Oリン
グ9が設けられた部分)に背面支持枠体5との間で挟持
されるように取付けられる。この透明板6は平板である
が、球面板或は曲面板とすることもできる。
【0017】レンズ枠体1の供給部1aに図示しない注
入チューブが接続され、注入チューブを通して透明液体
(例えばシリコーンオイル)Lがレンズ体10の内部つ
まり透明樹脂板2と透明板6の間の空間に充填される。
内部に充填される透明液体Lの量に応じて透明樹脂板2
の曲率が変化し、レンズ体10の焦点距離が変化する。
【0018】このように、透明液体Lの量に応じて透明
樹脂板2の曲率が変化するが、透明樹脂板2は、凸状曲
面を有する環状挟持部4aとゴム状挟持部材3によっ
て、その全周に渡り略線接触に近い状態で支持され、ま
た、挟持された透明樹脂板2の部分の外周部の両側に隙
間(空間)Sが設けられているため、挟持された透明樹
脂板2の周縁部分における周囲の境界条件が単純支持に
近い状態となり、周縁部を完全に固定した場合に比べ、
透明樹脂板2は、理想的な放物面に近い形状に均一に変
形し、良好なレンズ性能を得ることができる。
【0019】図4は、上記で使用した透明樹脂板の周縁
端部を完全に固定し、その一面に一定圧力を加えた場合
に生じる透明樹脂板の変形形状をFEM解析によりシュ
ミレーションし、作成した図形を示している。この図4
の図形から、透明樹脂板は、放物面からは遠く変形し、
多くの歪みが生じていることがわかる。
【0020】一方、図5は、透明樹脂板の周縁端部を上
記のように線接触で単純支持し、その一面に一定圧力を
加えた場合に生じる透明樹脂板の変形形状をFEM解析
によりシュミレーションし、作成した図形を示してい
る。この図5の図形から、透明樹脂板は、放物面に近い
形状に均一に変形し、殆ど歪みが生じてないことがわか
る。
【0021】図6は他の実施例の可変焦点レンズの断面
図を示し、この例では、レンズ体20の背面側に凹面
(内側に膨出する曲面)を有する透明板16が取付けら
れる。この可変焦点レンズは、上記と同様に、レンズ体
20のフレームを構成するレンズ枠体11を有し、その
外周部の1箇所に透明液体の供給部11aが突設され、
供給部11aから内縁部にかけて供給孔1bが穿設され
ている。
【0022】そのレンズ枠体11の背面側外周におねじ
部が形成され、さらに、レンズ枠体11の背面側に環状
溝が形成され、その環状溝内にゴム製のOリング19が
嵌着される。さらに、レンズ枠体11の正面側に環状溝
が形成され、その環状溝に、透明樹脂板12を挟持する
環状のゴム状挟持部材13が嵌挿される。ゴム状挟持部
材13は、その外周面が凸状曲面となるように環状に、
ニトリルゴム等で形成されている。
【0023】レンズ枠体11の正面側にはリング状の支
持枠体14が嵌着される。この支持枠体14は弾性係数
の高い金属或は合成樹脂により形成され、その内側に
は、凸状曲面を有する環状挟持部14aが環状に設けら
れる。一方、レンズ枠体11の背面側には、環状の背面
支持枠体15が、その内側に設けためねじ部をレンズ枠
体11のおねじ部に螺合させて取付けられる。
【0024】レンズ体20の前面を形成する円板状の透
明樹脂板12は、ポリカーボネート、アクリル等の透明
合成樹脂により厚さ約0.1mm〜1.0mmの板状に形成
され、レンズ枠体11の前面側にゴム状挟持部材13と
の間で挟持されるように取付けられる。
【0025】透明樹脂板12は、その周縁部付近が環状
のゴム状挟持部材13と支持枠体14の凸状曲面を有す
る環状挟持部14aによって挟持され、挟持された透明
樹脂板12の部分の外周部の両側に隙間(空間)が設け
られる。
【0026】レンズ体20の背面を形成する円板状の透
明板16は、ガラス板、或はポリカーボネート、アクリ
ル等の透明合成樹脂により、曲率R=149.5となる
ように凹状曲面を有して形成され、レンズ枠体11の背
面側(Oリング19が設けられた部分)に背面支持枠体
15との間で挟持されるように取付けられる。
【0027】レンズ枠体11の供給部11aに図示しな
い注入チューブが接続され、注入チューブを通して透明
液体(例えば、屈折率n=1.555のシリコーンオイ
ル)Lがレンズ体20の内部つまり透明樹脂板12と透
明板16の間の空間に充填される。内部に充填される透
明液体Lの量に応じて、透明樹脂板12の曲率が変化す
る。
【0028】図7は、上記構成の可変焦点レンズの実験
例のグラフであり、レンズ体20内に注入する透明液体
Lの注入量とレンズの屈折力との関係を示している。こ
のグラフから透明液体Lの注入量を約−3ccから3c
cまで変化させることにより、レンズの屈折力が、約−
6D〜0Dに略直線的に変化することがわかる。
【0029】上記構成の図6の可変焦点レンズは、図
8、図9に示すように、眼鏡フレーム18に取付けら
れ、供給部11aに注入チューブを接続して使用され
る。このような眼鏡に可変焦点レンズを使用する場合、
レンズ体20の透明樹脂板12側を眼鏡の前面に、透明
板16側を眼鏡の背面側に配置して使用するとよい。そ
の理由は以下の如くである。
【0030】一般に、レンズの前面曲率をγ1 、背面曲
率をγ2 、レンズの屈折率n、レンズ中心の厚さをd、
とした場合、レンズの焦点距離fは、1/f=(n−
1)/γ1 +(1−n)/γ2 +d/n×(1−n)2
/γ1 ・γ2 、の式から求められる。
【0031】また、レンズの屈折力kと焦点距離fとの
関係はk=1/f、 の式で表される。
【0032】上記式において、d/n×(1−n)2
γ1 ・γ2 の項の値は、眼鏡の場合、レンズの厚さdが
小さい値となるため、(n−1)/γ1 、(1−n)/
γ2の項に比べ非常に小さな値となる。
【0033】つまり、透明液体Lの屈折率を一定とする
と、レンズ体20の屈折力kは、レンズの前面曲率γ1
と背面曲率γ2 に大きく依存する。
【0034】レンズ体20の焦点距離fを変化させる場
合、内部に入れる透明液体Lの量に応じて透明樹脂板1
2の曲率を変えて行うが、この透明樹脂板12は、従来
の透明弾性膜に比べ、板厚が厚く、曲率の変化量を大き
くとることができない。
【0035】そこで、仮に透明樹脂板を曲面板として形
成し、その曲率を変えて使用することを考えた場合、レ
ンズ体内の透明液体Lの量を増大させ透明樹脂板に正圧
をかけると、その透明樹脂板は一様に変化するが、レン
ズ体内の透明液体Lの量を減少させ透明樹脂板に負圧を
かけると、透明樹脂板の中心部のみが内側にへこむよう
に変形する恐れがある。
【0036】このため、レンズ体20の透明樹脂板12
の曲率変化量を大きくとるためには、平板状の透明樹脂
板12を前後両側に変形させる方法が望ましい。例え
ば、透明樹脂板12をその前後に夫々屈折力5D分だけ
変形させるとすると、レンズ体20の屈折力の変化量は
±5Dとなる。
【0037】一方、近視用眼鏡の需要が多いことを考慮
すると、近視用眼鏡とする場合にはレンズ体20の屈折
力を−D側にシフトさせる必要がある。また、このよう
な可変焦点レンズを眼鏡に使用する場合、図10に示す
ように、レンズ体20の透明板16側を装着者側に位置
させるか、或は、図11に示すように、レンズ体20の
透明樹脂板12側を装着者側に位置させるか、の2通り
が考えられる。
【0038】この図10と図11の2通りを考えた場
合、図11より図10の方が、レンズ体20と眼球との
距離の変化がその中心部と周辺部でより少なく、図10
のように、レンズ体20の透明板16側を装着者側に位
置させることが実用上優れていることがわかる。
【0039】また、図12に示すように、レンズ体20
内の透明液体Lの量を減少させ、透明樹脂板12に負圧
をかけてそれを凹状に変形させた場合、そのレンズ体2
0は両面が凹状曲面を持つ凹レンズとなり、収差が大き
くなる。しかし、一般に、この種の凹レンズは遠距離の
物体を見るために使用され、図12のように、その視野
角θ1は小さいと考えられるため、収差は実用上あまり
問題とはならない。
【0040】一方、図13に示すように、レンズ体20
内の透明液体Lの量を増大させ、透明樹脂板12に正圧
をかけてそれを凸状に変形させた場合、そのレンズ体2
0はメニスカスレンズとなり、収差は小さくなるため、
図13のように、このレンズ体20が近距離の物体を見
るために使用され、その視野角θ2が大きい場合でも、
収差の問題は生じない。
【0041】このように、レンズ体20の透明板16に
凹状曲面を持たせ、透明樹脂板12を前後両側に変形さ
せる構成とすれば、透明樹脂板12に負担をかけずにレ
ンズ体20の曲率を大きく変化させることができ、近視
用眼鏡のレンズとして好適に使用することができる。
【0042】ところで、眼鏡に使用されるレンズは、一
般に、横方向に広い視野を必要とするため、横方向に長
い略楕円形状とする場合が多い。このため、上記構成の
可変焦点レンズにおいても、縦方向の径より横方向の径
を長くした楕円形状にすることが考えられるが、このよ
うな場合には、透明樹脂板が大きく歪むことが予想され
る。
【0043】そこで、レンズ体つまり透明樹脂板22を
楕円形にする場合には、図14、15に示す如く、透明
樹脂板22の厚さを、斜線に示す部分22aが他の部分
より薄くなるように形成し、これにより、透明樹脂板2
2の変形曲面が略放物面となるようにして、歪を抑制す
ることができる。なお、楕円形のレンズの場合、透明樹
脂板22の曲面の頂点Tと眼球の中心位置Gとは合せる
必要がある。
【0044】図16は他の実施例を示している。34は
レンズ体30のフレーム部を構成する片側の支持枠体で
あって環状に形成され、同様の形状を持つ他方の片側の
支持枠体35と嵌合して組立てられ、その嵌合面は接着
剤により或は溶着により固定される。そして、レンズ体
30の背面を構成する透明板36が、支持枠体34、3
5内に嵌着した環状のスペーサ31と支持枠体35の内
壁との間に挟持される。
【0045】スペーサ31上には、断面略三角形のゴム
状挟持部材33が、焼付け接着等により環状に固定され
る。一方、上側の支持枠体34の内側には、凸状曲面を
有する環状挟持部34aが設けられ、透明樹脂板32の
周縁部がその環状挟持部34aとゴム状挟持部材33に
挟持され、挟持された透明樹脂板32の部分の外周部の
両側に隙間(空間)Sが設けられる。
【0046】そして、図示しない供給部に接続した注入
チューブから透明液体Lが透明樹脂板32と透明板36
の間に注入され、充填される。なお、凸状曲面を有する
環状挟持部34aと接触する支持枠体34の周縁部に、
ゴム状部材を焼き付け接着してもよい。
【0047】上記と同様に、透明樹脂板32は、凸状曲
面を有する環状挟持部34aとゴム状挟持部材33によ
って、その全周に渡り略線接触に近い状態で支持され、
また、挟持された透明樹脂板32の部分の外周部の両側
に隙間(空間)Sが設けられているため、挟持された周
縁部分における周囲の境界条件が単純支持に近い状態と
なり、透明樹脂板32は、理想的な放物面に近い形状に
均一に変形し、良好なレンズ性能を得ることができる。
【0048】図17はさらに他の実施例を示している。
44はレンズ体40のフレーム部を構成する支持枠体で
あって環状に形成され、透明板46の周縁部上に接着剤
により或は溶着により固定される。さらに、透明板46
の内側の周縁部上には断面略三角形のゴム状挟持部材4
3が、焼付け接着等により環状に固定される。
【0049】一方、支持枠体44の内側には、断面三角
形の環状挟持部47が溶着され、透明樹脂板42の周縁
部がその環状挟持部47とゴム状挟持部材43に挟持さ
れる。透明樹脂板42の表裏の周縁部における環状挟持
部47、ゴム状挟持部材43と接触する箇所には環状溝
42a,42bが刻設され、環状挟持部47とゴム状挟
持部材43の先端が環状溝42a,42bに嵌り、位置
ズレを防止する。また、上記と同様に、透明樹脂板42
の挟持部分の外周両側に隙間(空間)Sが設けられる。
【0050】そして、図示しない供給部に接続した注入
チューブから透明液体Lが透明樹脂板42と透明板46
の間に注入され、充填される。
【0051】この実施例においても、上記と同様に、透
明樹脂板42は、三角形断面の環状挟持部47とゴム状
挟持部材43によって、その全周に渡り略線接触に近い
状態で支持され、また、挟持された透明樹脂板42の部
分の外周部の両側に隙間(空間)Sが設けられているた
め、挟持された周縁部分における周囲の境界条件が単純
支持に近い状態となり、透明樹脂板42は、理想的な放
物面に近い形状に均一に変形し、良好なレンズ性能を得
ることができる。
【0052】ところで、図8、図9に示す可変焦点レン
ズを装着した眼鏡を、サングラスとするためには、透明
液体Lに色素を混入し、レンズ体20を着色すればよ
い。例えば、トリフェルメタン系の一部の色素のよう
に、光量により光透過率が変化する色素を使用すれば、
周囲の明るさに応じてレンズ体の光透過率を自動的に変
えることができる。
【0053】このため、自動車等を運転中に、この可変
焦点レンズ型サングラスを使用した場合、昼間には通常
のサングラスとして機能し、トンネル内や夜間には光透
過率を上げて通常の眼鏡として便利に使用することがで
きる。
【0054】また、サングラスに可変焦点レンズを使用
した場合、サングラスは通常の眼鏡に比べ、取扱いが乱
雑になりやすいが、透明板16や透明樹脂板12は比較
的衝撃に強く、容易に破損することはない。また、透明
樹脂板12の周縁部が、凸状曲面を有する支持枠体14
とゴム状挟持部材とで挟持されるため、透明液体Lが漏
れることはない。
【0055】さらに、可変焦点レンズをサングラスに使
用する場合、レンズ体20の透明液体Lを入れ換えれ
ば、比較的容易にレンズの色を変えることができる。そ
の場合、透明樹脂板12は支持枠体とゴム状挟持部材に
より挟持され、接着や溶着されているわけではないた
め、簡単に内側を洗浄して透明液体の入れ換えを行うこ
とができる。
【0056】図18は、可変焦点レンズを使用した水中
眼鏡の例を示している。この水中眼鏡は、水中眼鏡フレ
ーム51内に透明液体用のポンプ53を収納し、可変焦
点レンズのレンズ体20をその前部に装着し、ポンプ5
3とレンズ体50とをゴム状或は金属のチューブ54に
より接続して構成される。
【0057】レンズ体50は、図7、8の眼鏡に使用し
たレンズ体20と同様に、レンズ枠体の両面に透明板と
透明樹脂板を取付け、透明板と透明樹脂板との間に透明
液体Lを充填して構成される。
【0058】図7、8の眼鏡の箇所で説明したように、
透明板16に凹状曲面をもたせて眼鏡の背面側に配置
し、透明樹脂板12を眼鏡の前面側に配置してそれを前
後両側に変形させて使用することが、近視用眼鏡には好
適である。しかし、比較的衝撃強度の大きい透明板を前
面側に、強度の小さい透明樹脂板を眼鏡の背面側に配置
したほうが、水中眼鏡という特殊な環境で使用し外部か
らの衝撃を考慮すると、望ましい。
【0059】このような構成の可変焦点レンズ型水中眼
鏡では、ポンプ53を動作させてレンズ体50内の透明
液体Lの量を調整し、透明樹脂板を変形させ、レンズ体
50の曲率を変化させ、使用者の目に合せるようにその
ジオプターを調整する。
【0060】レンズ体50の調整を行う場合には、水中
で調整するほうがより正確に調整することができる。即
ち、空気中でレンズ体50のジオプターを調整すると、
空気中と水中の屈折率の相違により、使用者が水中で斜
め方向を見た場合、像がぼけて見える。このため、水中
でこの可変焦点レンズ型水中眼鏡を装着しながら、レン
ズ体50のジオプターを調整すれば、斜め方向の視界を
含め良好に調整することができる。
【0061】また、上記と実施例と同様に、レンズ体5
0がレンズ枠体の両面に透明板と透明樹脂板を取付け、
透明板と透明樹脂板との間に透明液体Lを充填して構成
されるため、薄膜で形成する場合に比べ、水圧の影響を
あまり受けず、水中でも良好なレンズ性能を確保するこ
とができる。また、透明樹脂板の周縁部が凸状曲面を有
する支持枠体とゴム状挟持部材により挟持される構造の
ため、比較的薄型に構成でき、また、外部からの衝撃や
水圧によっても、内部の透明液体を漏れることなく保持
することができる。
【0062】このように、可変焦点レンズ型水中眼鏡と
することにより、ジオプターの異なるレンズの眼鏡を必
要とする複数の人に対し、レンズ体の屈折力を変えて使
用することができ、水中眼鏡の汎用性を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す可変焦点レンズの正面
図である。
【図2】同可変焦点レンズの断面図である。
【図3】同レンズの拡大部分断面図である。
【図4】透明樹脂板の変形をFEMシュミレーション解
析した際の変形図形である。
【図5】透明樹脂板の変形をFEMシュミレーション解
析した際の変形図形である。
【図6】他の実施例の可変焦点レンズの断面図である。
【図7】透明液体の注入量とレンズ体の屈折力との関係
を示すグラフである。
【図8】図6の可変焦点レンズを使用した眼鏡の正面図
である。
【図9】その眼鏡の部分断面付き平面図である。
【図10】眼鏡に使用した可変焦点レンズの断面図であ
る。
【図11】眼鏡に使用した可変焦点レンズの断面図であ
る。
【図12】眼鏡に使用した可変焦点レンズと眼球との関
係を示す断面図である。
【図13】眼鏡に使用した可変焦点レンズと眼球との関
係を示す断面図である。
【図14】楕円形の可変焦点レンズの透明樹脂板の正面
図である。
【図15】楕円形の可変焦点レンズの透明樹脂板の断面
図である。
【図16】他の実施例の可変焦点レンズの部分断面図で
ある。
【図17】さらに他の実施例の可変焦点レンズの部分断
面図である。
【図18】可変焦点レンズを用いた水中眼鏡の斜視図で
ある。
【符号の説明】
2−透明樹脂板、 3−ゴム状挟持部材、 4−支持枠体、 4a−環状挟持部、 10−レンズ体、 L−透明液体、 S−隙間。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一面が透明樹脂板で形成され
    たレンズ体の内部に透明液体を充填し、該透明液体の量
    を変えることにより該透明樹脂板の曲率を変化させ、該
    レンズ体の焦点距離を変化させる可変焦点レンズにおい
    て、 該透明樹脂板の周縁部付近が環状のゴム状挟持部材と支
    持枠体の凸状曲面を有する環状挟持部によって挟持さ
    れ、該透明樹脂板が挟持された箇所の外周部の両側に、
    該透明樹脂板の周縁部付近の変形を妨げないように隙間
    が設けられたことを特徴とする可変焦点レンズ。
  2. 【請求項2】 前記透明樹脂板が、0.1mm〜1.0mm
    の厚さで、伸度2%以上の合成樹脂製板により形成され
    ている請求項1記載の可変焦点レンズ。
  3. 【請求項3】 前記レンズ体の前面側に前記透明樹脂板
    が配設され、その背面側に凹状曲面を有する透明板が配
    設されたことを特徴とする請求項1記載の可変焦点レン
    ズ。
  4. 【請求項4】 眼鏡フレームに装着して使用され、前記
    レンズ体内の透明液体の量を変えることにより、前記透
    明樹脂板を前方に又は後方に変形させ、レンズ体の屈折
    力を変えることを特徴とする請求項3記載の可変焦点レ
    ンズ。
  5. 【請求項5】 該透明樹脂板の厚さを部分的に変えて、
    前記透明樹脂板の変形時の表面形状を放物面に近づける
    ことを特徴とする請求項2記載の可変焦点レンズ。
  6. 【請求項6】 眼鏡フレームに装着して使用され、前記
    透明液体が着色されていることを特徴とする請求項1記
    載の可変焦点レンズ。
  7. 【請求項7】 前記透明液体が光量によって光透過率の
    変化する色素により着色されることを特徴とする請求項
    6記載の可変焦点レンズ。
  8. 【請求項8】 水中眼鏡の水中眼鏡フレームに装着して
    使用され、前記レンズ体の前面に透明板が配設され、そ
    の背面に前記透明樹脂板が配設されたことを特徴とする
    請求項1記載の可変焦点レンズ。
  9. 【請求項9】 水中眼鏡の水中眼鏡フレームに装着して
    使用され、前記レンズ体の前面に前記透明樹脂板が配設
    され、その背面に凹状曲面を有する透明板が配設された
    ことを特徴とする請求項1記載の可変焦点レンズ。
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