JPH08146204A - 屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents
屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法Info
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- JPH08146204A JPH08146204A JP29156794A JP29156794A JPH08146204A JP H08146204 A JPH08146204 A JP H08146204A JP 29156794 A JP29156794 A JP 29156794A JP 29156794 A JP29156794 A JP 29156794A JP H08146204 A JPH08146204 A JP H08146204A
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- diffused
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 レンズ系の光軸を一致させる方法として機械
的位置関係より行えるように、レンズの光学的中心とレ
ンズの機械的中心とが一致したプラスチックGRINレ
ンズを“芯だし工程”を経ずに得られる製造方法を提供
することを目的とする。 【構成】 予め一部重合したプラスチックレンズ母材に
該母材とは異なる屈折率を有するモノマーを拡散させ、
この拡散済み母材を重合することを経て屈折率分布型プ
ラスチックレンズを製造する際に、拡散済み母材の重合
工程にて屈折率分布型プラスチックレンズの外径を形成
する。
的位置関係より行えるように、レンズの光学的中心とレ
ンズの機械的中心とが一致したプラスチックGRINレ
ンズを“芯だし工程”を経ずに得られる製造方法を提供
することを目的とする。 【構成】 予め一部重合したプラスチックレンズ母材に
該母材とは異なる屈折率を有するモノマーを拡散させ、
この拡散済み母材を重合することを経て屈折率分布型プ
ラスチックレンズを製造する際に、拡散済み母材の重合
工程にて屈折率分布型プラスチックレンズの外径を形成
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、カメラ、複写
機などの画像伝送用アレイや、光ディスク装置、内視鏡
などの結像光学系に用いられる屈折率分布型プラスチッ
クレンズの製造方法に関し、特に複合レンズ系に使用し
た場合に有効な屈折率分布型プラスチックレンズの製造
方法に関する。
機などの画像伝送用アレイや、光ディスク装置、内視鏡
などの結像光学系に用いられる屈折率分布型プラスチッ
クレンズの製造方法に関し、特に複合レンズ系に使用し
た場合に有効な屈折率分布型プラスチックレンズの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、屈折率分布型レンズとしては、素
材がガラスから成るセルフォクレンズ(“SELFO
C”は日本板硝子(株)の登録商標)が光通信用集光レ
ンズとして実用化されている。また近年では素材として
プラスチックを用いたものの開発が試みられている。
材がガラスから成るセルフォクレンズ(“SELFO
C”は日本板硝子(株)の登録商標)が光通信用集光レ
ンズとして実用化されている。また近年では素材として
プラスチックを用いたものの開発が試みられている。
【0003】プラスチックを用いた屈折率分布型レンズ
すなわち屈折率分布型プラスチックレンズ(以下、「プ
ラスチックGRINレンズ」と呼ぶ)は、材料の選択に
制限はあるが、例えば『応用物理』第54巻第2号第1
23頁〜第129頁(1985)に示されているように
大口径・低コスト化・小型軽量において有利であること
から、カメラ等の複合レンズ系への応用が期待されてい
る。
すなわち屈折率分布型プラスチックレンズ(以下、「プ
ラスチックGRINレンズ」と呼ぶ)は、材料の選択に
制限はあるが、例えば『応用物理』第54巻第2号第1
23頁〜第129頁(1985)に示されているように
大口径・低コスト化・小型軽量において有利であること
から、カメラ等の複合レンズ系への応用が期待されてい
る。
【0004】このプラスチックGRINレンズの製造方
法として種々の方法が提案され(例えば『光学』第10
巻第2号第96頁〜第110頁(1981))、特に光
学的性能から2段階共重合法を用いた製造方法が着目さ
れている。
法として種々の方法が提案され(例えば『光学』第10
巻第2号第96頁〜第110頁(1981))、特に光
学的性能から2段階共重合法を用いた製造方法が着目さ
れている。
【0005】2段階共重合法を用いた製造方法では、例
えば、ある屈折率の架橋重合体を生成する反応性モノマ
ーを不完全に重合させてプラスチックレンズ母材として
の高分子ゲル母材すなわちプレポリマーゲルロッドを形
成し、次に、上記重合体とは異なる屈折率を有する重合
体を生成する重合性モノマーをこのプレポリマーゲルロ
ッドの表面からその内部へ拡散させた後、最終工程での
硬化(共重合)を行わせ、硬化後の母材を切断・研磨し
て、プラスチックGRINレンズを得ている。
えば、ある屈折率の架橋重合体を生成する反応性モノマ
ーを不完全に重合させてプラスチックレンズ母材として
の高分子ゲル母材すなわちプレポリマーゲルロッドを形
成し、次に、上記重合体とは異なる屈折率を有する重合
体を生成する重合性モノマーをこのプレポリマーゲルロ
ッドの表面からその内部へ拡散させた後、最終工程での
硬化(共重合)を行わせ、硬化後の母材を切断・研磨し
て、プラスチックGRINレンズを得ている。
【0006】図12はこの製造方法の一例を説明するた
めの図で、この例では、次のようにしてプラスチックG
RINレンズが製造される。まず、底部に栓1aが取り
付けられた筒状容器(成形用チューブ)1に、重合開始
剤が混合されたモノマーm1を注入して(図12(a)
参照)、加熱等を行い重合を開始させる。モノマーm1
がゲル化したところで、栓1aを抜いて容器1からこの
高分子ゲル母材であるプレポリマーゲルロッド2を抜き
出す(図12(b)参照)。
めの図で、この例では、次のようにしてプラスチックG
RINレンズが製造される。まず、底部に栓1aが取り
付けられた筒状容器(成形用チューブ)1に、重合開始
剤が混合されたモノマーm1を注入して(図12(a)
参照)、加熱等を行い重合を開始させる。モノマーm1
がゲル化したところで、栓1aを抜いて容器1からこの
高分子ゲル母材であるプレポリマーゲルロッド2を抜き
出す(図12(b)参照)。
【0007】次に、拡散モノマーm2が入れられた大口
径の容器3中にプレポリマーゲルロッド2を浸し、モノ
マーm2をこのプレポリマーゲルロッド2の表面からそ
の内部へ拡散させる(図12(c)参照)。
径の容器3中にプレポリマーゲルロッド2を浸し、モノ
マーm2をこのプレポリマーゲルロッド2の表面からそ
の内部へ拡散させる(図12(c)参照)。
【0008】所定の時間だけ浸した後、拡散済みのプレ
ポリマーゲルロッド(以下、この状態の母材を「拡散済
み母材」と呼ぶ)2を取り出し、この拡散済み母材2を
フィルムで巻きオーブン等の加熱装置に入れる。そし
て、硬化(最終的な共重合)させ(図12(d)参
照)、硬化後の母材2を切断し(図12(e)参照)、
研磨して、プラスチックGRINレンズを得ている。
ポリマーゲルロッド(以下、この状態の母材を「拡散済
み母材」と呼ぶ)2を取り出し、この拡散済み母材2を
フィルムで巻きオーブン等の加熱装置に入れる。そし
て、硬化(最終的な共重合)させ(図12(d)参
照)、硬化後の母材2を切断し(図12(e)参照)、
研磨して、プラスチックGRINレンズを得ている。
【0009】従来公知の2段階共重合法によるプラスチ
ックGRINレンズの製造方法(『高分子論文集』Vo
l.35,No.9,第535頁〜第542頁(197
8))では、前述のように、プレポリマーゲルロッド作
製時に成形用チューブを使用し、外径を決定し、最終的
な共重合時にはフィルムで拡散済み母材を巻く工程を採
用している。
ックGRINレンズの製造方法(『高分子論文集』Vo
l.35,No.9,第535頁〜第542頁(197
8))では、前述のように、プレポリマーゲルロッド作
製時に成形用チューブを使用し、外径を決定し、最終的
な共重合時にはフィルムで拡散済み母材を巻く工程を採
用している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的に光
学系は光軸を合致させて複数のレンズを使用する場合が
多い。このレンズ間の光軸制御(調整)は、レンズ外径
とレンズホルダーの機械的位置関係により行う方法と、
実際に光線を入れ位置関係を調整し固定する方法とがあ
る。単レンズの場合も、発光源(例えばレーザ光線)が
存在する場合は発光源とレンズ光軸を上記方法のいずれ
かで調整する。
学系は光軸を合致させて複数のレンズを使用する場合が
多い。このレンズ間の光軸制御(調整)は、レンズ外径
とレンズホルダーの機械的位置関係により行う方法と、
実際に光線を入れ位置関係を調整し固定する方法とがあ
る。単レンズの場合も、発光源(例えばレーザ光線)が
存在する場合は発光源とレンズ光軸を上記方法のいずれ
かで調整する。
【0011】上記光軸を一致させるためには、コスト及
び量産性の点から機械的に調整する手段が一般的に選択
されている。したがって、レンズ作製時はレンズの光学
的中心(すなわちレンズの光軸)とレンズの機械的中心
(以下、「レンズ外径からの中心」と呼ぶ)とを一致さ
せる必要が生じる。
び量産性の点から機械的に調整する手段が一般的に選択
されている。したがって、レンズ作製時はレンズの光学
的中心(すなわちレンズの光軸)とレンズの機械的中心
(以下、「レンズ外径からの中心」と呼ぶ)とを一致さ
せる必要が生じる。
【0012】しかしながら、前述の通り、従来公知の2
段階共重合法によるプラスチックGRINレンズの製造
方法では、プレポリマーゲルロッド作製時に成形用チュ
ーブを使用し、外径を決定し、最終的な共重合時にはフ
ィルムに拡散済み母材を巻く工程を採用している。
段階共重合法によるプラスチックGRINレンズの製造
方法では、プレポリマーゲルロッド作製時に成形用チュ
ーブを使用し、外径を決定し、最終的な共重合時にはフ
ィルムに拡散済み母材を巻く工程を採用している。
【0013】このため、拡散時に生じる母材の膨張の影
響及び最終的な共重合時に生じる収縮の影響を避けるこ
とができず、光学レンズとして必要なレンズの光軸とレ
ンズ外径からの中心とを満足いくように一致させること
ができなかった。
響及び最終的な共重合時に生じる収縮の影響を避けるこ
とができず、光学レンズとして必要なレンズの光軸とレ
ンズ外径からの中心とを満足いくように一致させること
ができなかった。
【0014】特開昭57−182702号公報には、外
周部を削ることによりプラスチックGRINレンズを得
ることが実施例で示されている。しかしながら外周部を
削る場合は一般的に、『光学部品技術集大成』(発行:
(株)経営システム研究所)第33頁〜第34頁に示さ
れているように”ベルクランプ式芯だし法”または”光
学的芯だし法”が用いられるため、工程が複雑となり、
高コスト化を招く。また、本工程を用いる場合は連続的
に行うことができず、レンズ毎に調整する必要が生じ、
量産性に劣るという問題があった。
周部を削ることによりプラスチックGRINレンズを得
ることが実施例で示されている。しかしながら外周部を
削る場合は一般的に、『光学部品技術集大成』(発行:
(株)経営システム研究所)第33頁〜第34頁に示さ
れているように”ベルクランプ式芯だし法”または”光
学的芯だし法”が用いられるため、工程が複雑となり、
高コスト化を招く。また、本工程を用いる場合は連続的
に行うことができず、レンズ毎に調整する必要が生じ、
量産性に劣るという問題があった。
【0015】特開昭60−12507号公報には、母材
のモノマーから連続的にゲル化、拡散、重合を行う方法
が開示されている。この場合のレンズ外径を決定する工
程も前述同様ゲル化工程である。この公開公報の記載に
よれば、本製造方法によると外周部付近での屈折率分布
の歪みを回避できることが明示され、周辺部の切削を行
わなくて良いとされている。
のモノマーから連続的にゲル化、拡散、重合を行う方法
が開示されている。この場合のレンズ外径を決定する工
程も前述同様ゲル化工程である。この公開公報の記載に
よれば、本製造方法によると外周部付近での屈折率分布
の歪みを回避できることが明示され、周辺部の切削を行
わなくて良いとされている。
【0016】しかしながら、外周部付近での歪みの解消
を達成できることは明らかにされているものの、レンズ
の光軸とレンズ外径からの中心との位置関係の改善は明
らかにされていない。さらに公開公報によると材料を変
更することにより、レンズ外径とレンズの作用が生ずる
外径が異なることが記載されている。つまり、本製造方
法では、光学レンズとして必要なレンズの光軸とレンズ
外径からの中心との関係を満足することができないこと
になる。
を達成できることは明らかにされているものの、レンズ
の光軸とレンズ外径からの中心との位置関係の改善は明
らかにされていない。さらに公開公報によると材料を変
更することにより、レンズ外径とレンズの作用が生ずる
外径が異なることが記載されている。つまり、本製造方
法では、光学レンズとして必要なレンズの光軸とレンズ
外径からの中心との関係を満足することができないこと
になる。
【0017】本発明の目的は、レンズ系の光軸を一致さ
せる方法として機械的位置関係より行えるように、レン
ズの光学的中心とレンズの機械的中心(レンズ外径から
の中心)とが一致したプラスチックGRINレンズを
“芯だし工程”を経ずに得られる製造方法を提供するこ
とにある。
せる方法として機械的位置関係より行えるように、レン
ズの光学的中心とレンズの機械的中心(レンズ外径から
の中心)とが一致したプラスチックGRINレンズを
“芯だし工程”を経ずに得られる製造方法を提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討を
重ねた結果、レンズの光軸とレンズ外径からの中心とが
一致したプラスチックGRINレンズの低コストでかつ
量産性に適した製造方法を発明した。
重ねた結果、レンズの光軸とレンズ外径からの中心とが
一致したプラスチックGRINレンズの低コストでかつ
量産性に適した製造方法を発明した。
【0019】本発明の内、請求項1の発明は、予め一部
重合したプラスチックレンズ母材に該母材とは異なる屈
折率を有するモノマーを拡散させ、この拡散済み母材を
重合することを経てプラスチックGRINレンズを製造
するプラスチックGRINレンズの製造方法であって、
拡散済み母材の重合工程にてプラスチックGRINレン
ズの外径を形成することを特徴としたものである。
重合したプラスチックレンズ母材に該母材とは異なる屈
折率を有するモノマーを拡散させ、この拡散済み母材を
重合することを経てプラスチックGRINレンズを製造
するプラスチックGRINレンズの製造方法であって、
拡散済み母材の重合工程にてプラスチックGRINレン
ズの外径を形成することを特徴としたものである。
【0020】ここで、プラスチックレンズ母材としての
プレポリマーゲルロッドを形成するモノマーとしては、
1分子中に2個以上の重合性不飽和基を有する化合物が
好ましく、例えばジアリルエステルとしてジアリルフタ
レート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレ
ート、ジエチレングリコールビス、アリルカーボネイト
などがあり、また、不飽和酸アリルエステルとしてメタ
クリル酸アリル、アクリル酸アリル、ビニルエステルと
してフタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフ
タル酸ジビニルなどが挙げられるが、これらに限定され
ることなく、網状重合体を生成するものであればいかな
るものも使用可能である。
プレポリマーゲルロッドを形成するモノマーとしては、
1分子中に2個以上の重合性不飽和基を有する化合物が
好ましく、例えばジアリルエステルとしてジアリルフタ
レート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレ
ート、ジエチレングリコールビス、アリルカーボネイト
などがあり、また、不飽和酸アリルエステルとしてメタ
クリル酸アリル、アクリル酸アリル、ビニルエステルと
してフタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフ
タル酸ジビニルなどが挙げられるが、これらに限定され
ることなく、網状重合体を生成するものであればいかな
るものも使用可能である。
【0021】拡散に用いるモノマーとしては、重合性官
能基を有し、熱もしくは活性化エネルギー線等によって
重合体となるモノマーであればいかなるものも使用可能
である。
能基を有し、熱もしくは活性化エネルギー線等によって
重合体となるモノマーであればいかなるものも使用可能
である。
【0022】本発明では、上記各種示したモノマーのう
ち、目的とする屈折率分布に応じて、プレポリマーゲル
ロッドのモノマーとそれとは異なる屈折率を有する拡散
モノマーを適宜選択して用いる。
ち、目的とする屈折率分布に応じて、プレポリマーゲル
ロッドのモノマーとそれとは異なる屈折率を有する拡散
モノマーを適宜選択して用いる。
【0023】一方、重合開始剤は公知の熱重合開始剤も
しくは光重合開始剤を使用することが望ましく、公知の
ラジカル開始剤を使用できる。具体的には、例えばジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネイト、過酸化ベンゾイ
ル、アゾビスイソブチロニトリル、tert-ブチルヒドロ
パーオキシドなどを使用できる。
しくは光重合開始剤を使用することが望ましく、公知の
ラジカル開始剤を使用できる。具体的には、例えばジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネイト、過酸化ベンゾイ
ル、アゾビスイソブチロニトリル、tert-ブチルヒドロ
パーオキシドなどを使用できる。
【0024】また、プレポリマーゲルロッドのゲル化率
(重合転化率)は、15%以下では形状を保持したゲル
状態とならず、40%以上では重合が進み過ぎて変形し
にくくなるため、15〜40%であることが望ましい。
さらに言えば、ゲル化率は許容する範囲で低いのが重合
管を用いる場合には良い。
(重合転化率)は、15%以下では形状を保持したゲル
状態とならず、40%以上では重合が進み過ぎて変形し
にくくなるため、15〜40%であることが望ましい。
さらに言えば、ゲル化率は許容する範囲で低いのが重合
管を用いる場合には良い。
【0025】上記ゲル化率とは重合を用いたモノマー重
量W(M)に対する重合後のポリマー重量W(P)の比
率(百分率:%)であり、次式で示される。 ゲル化率={W(P)/W(M)}×100 ここで、ポリマー重量W(P)は従来法に基づき、モノ
マーを溶解しポリマーを溶解しない溶剤を用いてプレポ
リマーゲルロッドを所定の方法で処理した際の溶解しな
い部分の重量である。
量W(M)に対する重合後のポリマー重量W(P)の比
率(百分率:%)であり、次式で示される。 ゲル化率={W(P)/W(M)}×100 ここで、ポリマー重量W(P)は従来法に基づき、モノ
マーを溶解しポリマーを溶解しない溶剤を用いてプレポ
リマーゲルロッドを所定の方法で処理した際の溶解しな
い部分の重量である。
【0026】請求項2の発明は、拡散済み母材の重合工
程時にレンズ外径規定管として重合管を用いると共に、
該重合管の内径を拡散済み母材の外径に対してほぼ同等
もしくは小さく選んだことを特徴とした製造方法であ
る。
程時にレンズ外径規定管として重合管を用いると共に、
該重合管の内径を拡散済み母材の外径に対してほぼ同等
もしくは小さく選んだことを特徴とした製造方法であ
る。
【0027】一般的には重合管内径が挿入すべく拡散済
み母材の内径よりも少なくとも大きくなければ挿入でき
ないと考えられるが、本発明者らは、拡散済み母材のゲ
ル化率を調整することにより、挿入時に変形を起こさ
せ、挿入できることを見出した。
み母材の内径よりも少なくとも大きくなければ挿入でき
ないと考えられるが、本発明者らは、拡散済み母材のゲ
ル化率を調整することにより、挿入時に変形を起こさ
せ、挿入できることを見出した。
【0028】この重合管に挿入された拡散済み母材は、
最終重合工程時の収縮とそれに伴う変形緩和により、大
きな機械的歪みを生じることはなく、その断面は重合管
内径に沿った真円となる。
最終重合工程時の収縮とそれに伴う変形緩和により、大
きな機械的歪みを生じることはなく、その断面は重合管
内径に沿った真円となる。
【0029】なお、この場合、重合管の材料と母材に付
着した残留拡散モノマーとの関係は、重合管が拡散モノ
マーに対してぬれ角が70°以上であると、余分な残量
拡散モノマーがレンズ外周部に付着することなく形成で
き、より良好な真円が得られる。特に100°以上では
さらに欠陥などが著しく少なくなり歩留まりが向上す
る。
着した残留拡散モノマーとの関係は、重合管が拡散モノ
マーに対してぬれ角が70°以上であると、余分な残量
拡散モノマーがレンズ外周部に付着することなく形成で
き、より良好な真円が得られる。特に100°以上では
さらに欠陥などが著しく少なくなり歩留まりが向上す
る。
【0030】これらの点から、重合管の材料としては、
モノマーとの関係によっても異なるが、ポリプロピレン
が好ましく、特にテフロン(デュポン社の商品名)が好
ましい。
モノマーとの関係によっても異なるが、ポリプロピレン
が好ましく、特にテフロン(デュポン社の商品名)が好
ましい。
【0031】また、本発明者らは、重合管の拡散済み母
材挿入口を拡散済み母材の外径より大きくし徐々に重合
管内径を小さくして最終重合時の収納位置では本来の内
径をもつ重合管を用いることによって、拡散済み母材の
挿入を容易にし、挿入時の歩留まりを向上させることに
成功した。
材挿入口を拡散済み母材の外径より大きくし徐々に重合
管内径を小さくして最終重合時の収納位置では本来の内
径をもつ重合管を用いることによって、拡散済み母材の
挿入を容易にし、挿入時の歩留まりを向上させることに
成功した。
【0032】さらに、重合管に拡散済み母材を挿入する
場合、自重により挿入しても良いが、請求項3の発明の
ように、拡散済み母材の加圧または吸引の少なくとも一
方を行って、拡散済み母材を重合管内へ挿入すれば、短
時間で作業を行うことができ、作業効率を著しく向上さ
せることができる。加圧または吸引の圧力としては、例
えば500g/cm2 〜4kg/cm2 が好ましい。
場合、自重により挿入しても良いが、請求項3の発明の
ように、拡散済み母材の加圧または吸引の少なくとも一
方を行って、拡散済み母材を重合管内へ挿入すれば、短
時間で作業を行うことができ、作業効率を著しく向上さ
せることができる。加圧または吸引の圧力としては、例
えば500g/cm2 〜4kg/cm2 が好ましい。
【0033】請求項4の発明は、最終重合時に拡散済み
母材をその中心軸に関して回転させながら重合すること
により、真円を得ることを特徴とした製造方法である。
拡散済み母材の回転速度は、その外径にもよるが、例え
ば、5〜50rpmが好ましく、特に10〜20rpm
が好ましい。
母材をその中心軸に関して回転させながら重合すること
により、真円を得ることを特徴とした製造方法である。
拡散済み母材の回転速度は、その外径にもよるが、例え
ば、5〜50rpmが好ましく、特に10〜20rpm
が好ましい。
【0034】拡散済み母材の回転方法は、請求項5の発
明のように、拡散済み母材を支える支持部材の動きによ
り回転させる方法が容易であり、支持部材との当接によ
って真円度も良好となる。具体的な拡散済み母材の回転
方法としては、例えば、請求項6の発明のように、支持
部材を回転させることにより拡散済み母材を回転させる
ことができる。
明のように、拡散済み母材を支える支持部材の動きによ
り回転させる方法が容易であり、支持部材との当接によ
って真円度も良好となる。具体的な拡散済み母材の回転
方法としては、例えば、請求項6の発明のように、支持
部材を回転させることにより拡散済み母材を回転させる
ことができる。
【0035】この回転型の支持部材としては、例えば、
円筒状回転容器(容器には底面を有しないものも含まれ
る)や環状の回転ベルト、あるいは、並設され同方向に
回転する一対のローラがある。円筒状回転容器を水平に
配置しこの回転容器内に拡散済み母材を入れることで、
拡散済み母材を回転させることができる。
円筒状回転容器(容器には底面を有しないものも含まれ
る)や環状の回転ベルト、あるいは、並設され同方向に
回転する一対のローラがある。円筒状回転容器を水平に
配置しこの回転容器内に拡散済み母材を入れることで、
拡散済み母材を回転させることができる。
【0036】また、環状の回転ベルトの一部にU字形の
弛み部を形成させ、そこに拡散済み母材を載せること
で、拡散済み母材を回転させることができる。さらに、
並設され同方向に回転する一対のローラ間にこれらと平
行に拡散済み母材を載せることで、拡散済み母材を回転
させることもできる。
弛み部を形成させ、そこに拡散済み母材を載せること
で、拡散済み母材を回転させることができる。さらに、
並設され同方向に回転する一対のローラ間にこれらと平
行に拡散済み母材を載せることで、拡散済み母材を回転
させることもできる。
【0037】これらの支持部材は簡便であり、真円性の
良いプラスチックGRINレンズが得られる。支持部材
は回転型に限られない。回転型でない支持部材として
は、例えば、揺動若しくは水平往復運動するプレート
(容器を含む)がある。揺動プレート上に拡散済み母材
を載せると拡散済み母材は低い方に移動するため、拡散
済み母材は正転と逆転を繰り返しながら回転することに
なる。
良いプラスチックGRINレンズが得られる。支持部材
は回転型に限られない。回転型でない支持部材として
は、例えば、揺動若しくは水平往復運動するプレート
(容器を含む)がある。揺動プレート上に拡散済み母材
を載せると拡散済み母材は低い方に移動するため、拡散
済み母材は正転と逆転を繰り返しながら回転することに
なる。
【0038】同様に、水平往復運動するプレート上に拡
散済み母材を載せても、拡散済み母材は正転と逆転を繰
り返しながら回転することになる。これら回転型でない
支持部材を用いても良好に真円性の良いプラスチックG
RINレンズが得られる。
散済み母材を載せても、拡散済み母材は正転と逆転を繰
り返しながら回転することになる。これら回転型でない
支持部材を用いても良好に真円性の良いプラスチックG
RINレンズが得られる。
【0039】また、請求項7の発明のように、拡散済み
母材に付着した余分な残留モノマーを排除できる支持部
材を使用することにより、拡散済み母材の外周部に余分
なモノマーが付着する割合を小さくでき、歩留まりを向
上させることができる。
母材に付着した余分な残留モノマーを排除できる支持部
材を使用することにより、拡散済み母材の外周部に余分
なモノマーが付着する割合を小さくでき、歩留まりを向
上させることができる。
【0040】特に、請求項8の発明のように、支持部材
としては多孔質材でできているものを使用すると、多孔
質材によって余分な残留モノマーが削り取られて容易に
上記目的を達することができる。
としては多孔質材でできているものを使用すると、多孔
質材によって余分な残留モノマーが削り取られて容易に
上記目的を達することができる。
【0041】また、請求項9の発明のように、余分な残
留モノマーを吸収する支持部材を使用しても余分な残留
モノマーを排除でき、良好な歩留まりの高いプラスチッ
クGRINレンズを得ることができる。
留モノマーを吸収する支持部材を使用しても余分な残留
モノマーを排除でき、良好な歩留まりの高いプラスチッ
クGRINレンズを得ることができる。
【0042】上記多孔質材としては合成石英ガラス発砲
体が好ましく、吸引支持部材としてはセルロースが好ま
しい。請求項10の発明は、拡散済み母材を加圧しなが
ら重合することを特徴とした製造方法である。特に、請
求項11の発明は、加圧を拡散済み母材の平均的比重と
ほぼ同じ比重の液体中に拡散済み母材を入れて加圧しな
がら重合することを特徴としており、液体とプラスチッ
クGRINレンズ材料の選択性があるものの、調整でき
た場合には、重合時の熱分布性が気体や他の場合に比べ
均一化できることから、母材内変動値が著しく小さくな
り歩留まりが向上する。
体が好ましく、吸引支持部材としてはセルロースが好ま
しい。請求項10の発明は、拡散済み母材を加圧しなが
ら重合することを特徴とした製造方法である。特に、請
求項11の発明は、加圧を拡散済み母材の平均的比重と
ほぼ同じ比重の液体中に拡散済み母材を入れて加圧しな
がら重合することを特徴としており、液体とプラスチッ
クGRINレンズ材料の選択性があるものの、調整でき
た場合には、重合時の熱分布性が気体や他の場合に比べ
均一化できることから、母材内変動値が著しく小さくな
り歩留まりが向上する。
【0043】また、請求項12の発明は、熱または光の
少なくとも一方により収縮する材料からなる筒状の容器
(チューブ)内に拡散済み母材を挿入し、容器内壁と拡
散済み母材との接触により拡散済み母材を加圧しながら
重合することを特徴とした製造方法であり、簡便に真円
性の向上が図れる。
少なくとも一方により収縮する材料からなる筒状の容器
(チューブ)内に拡散済み母材を挿入し、容器内壁と拡
散済み母材との接触により拡散済み母材を加圧しながら
重合することを特徴とした製造方法であり、簡便に真円
性の向上が図れる。
【0044】さらに、請求項13の発明は、円錐状に内
径が縮小する円錐部を有した重合管を用い、拡散済み母
材を該円錐部を通過させることにより徐々にその外径を
縮小させながら小径の重合部に移すことにより、拡散済
み母材を加圧し、この加圧状態の拡散済み母材を重合す
ることを特徴とした製造方法であり、拡散済み母材を円
滑に重合位置に移動でき、量産性に適する。
径が縮小する円錐部を有した重合管を用い、拡散済み母
材を該円錐部を通過させることにより徐々にその外径を
縮小させながら小径の重合部に移すことにより、拡散済
み母材を加圧し、この加圧状態の拡散済み母材を重合す
ることを特徴とした製造方法であり、拡散済み母材を円
滑に重合位置に移動でき、量産性に適する。
【0045】また、請求項14の発明は、拡散済み母材
の重合工程時にレンズ外径規定管として重合管を用いる
と共に、該重合管の内径を拡散済み母材の外径に対して
ほぼ同等に選び、該重合管に拡散済み母材を挿入後、該
重合管の両端開放口より加圧しながら重合することを特
徴としたものであり、重合管の両端開放口より加圧する
ことから、重合管内径の加工精度が悪くても重合管内壁
に拡散済み母材が密着し、重合管の低コスト化を図れ、
ひいては製造コストの低減が可能となる。
の重合工程時にレンズ外径規定管として重合管を用いる
と共に、該重合管の内径を拡散済み母材の外径に対して
ほぼ同等に選び、該重合管に拡散済み母材を挿入後、該
重合管の両端開放口より加圧しながら重合することを特
徴としたものであり、重合管の両端開放口より加圧する
ことから、重合管内径の加工精度が悪くても重合管内壁
に拡散済み母材が密着し、重合管の低コスト化を図れ、
ひいては製造コストの低減が可能となる。
【0046】
【作用】請求項1の発明では、予め一部重合したプラス
チックレンズ母材に該母材とは異なる屈折率を有するモ
ノマーを拡散させ、この拡散済み母材を重合することを
経てプラスチックGRINレンズを製造する。この際、
拡散済み母材の重合工程にてプラスチックGRINレン
ズの外径を形成する。
チックレンズ母材に該母材とは異なる屈折率を有するモ
ノマーを拡散させ、この拡散済み母材を重合することを
経てプラスチックGRINレンズを製造する。この際、
拡散済み母材の重合工程にてプラスチックGRINレン
ズの外径を形成する。
【0047】よって、予め一部重合したプラスチック母
材に該母材とは異なる屈折率を有するモノマーを拡散さ
せて重合する2段階共重合の作製工程内で真円性の向上
が可能となり、レンズの光学的中心とレンズの機械的中
心(レンズ外径からの中心)とが一致したプラスチック
GRINレンズを“芯だし工程”を経ずに得られ、上記
重合工程後に“芯だし工程”を経る必要がなくなり、工
程の簡略化が可能となる。
材に該母材とは異なる屈折率を有するモノマーを拡散さ
せて重合する2段階共重合の作製工程内で真円性の向上
が可能となり、レンズの光学的中心とレンズの機械的中
心(レンズ外径からの中心)とが一致したプラスチック
GRINレンズを“芯だし工程”を経ずに得られ、上記
重合工程後に“芯だし工程”を経る必要がなくなり、工
程の簡略化が可能となる。
【0048】請求項2の発明では、拡散済み母材を重合
管に挿入させて最終的な重合工程に移っている。重合管
に挿入された拡散済み母材は、挿入当初は変形により内
部応力が生じていても、最終重合時の収縮とそれに伴う
変形緩和により、硬化後に機械的歪みは残らず、硬化後
の母材は重合管外径に沿った真円となる。
管に挿入させて最終的な重合工程に移っている。重合管
に挿入された拡散済み母材は、挿入当初は変形により内
部応力が生じていても、最終重合時の収縮とそれに伴う
変形緩和により、硬化後に機械的歪みは残らず、硬化後
の母材は重合管外径に沿った真円となる。
【0049】請求項3の発明では、拡散済み母材を重合
管に挿入する際に、拡散済み母材が加圧により押されあ
るいは吸引により引かれて重合管に挿入される。したが
って、自重により重合管に挿入する場合に比べ、短時間
に挿入作業を行うことができ、作業効率を著しく向上さ
せることができる。
管に挿入する際に、拡散済み母材が加圧により押されあ
るいは吸引により引かれて重合管に挿入される。したが
って、自重により重合管に挿入する場合に比べ、短時間
に挿入作業を行うことができ、作業効率を著しく向上さ
せることができる。
【0050】請求項4の発明では、重合管を用いずに、
最終重合時に拡散済み母材を回転させることにより真円
を得ている。この発明では、作製冶具は真円性を決定し
ないため、高精度な作製冶具が不要となる利点と、外径
の異なったプラスチックGRINレンズを容易に並行し
て製造できる利点がある。
最終重合時に拡散済み母材を回転させることにより真円
を得ている。この発明では、作製冶具は真円性を決定し
ないため、高精度な作製冶具が不要となる利点と、外径
の異なったプラスチックGRINレンズを容易に並行し
て製造できる利点がある。
【0051】請求項5の発明では、支持部材の動きによ
り拡散済み母材が回転し、拡散済み母材は重力に対して
どの面も均一な力を受けている。請求項6の発明では、
支持部材の回転により拡散済み母材が回転している。拡
散済み母材の回転により、真円度も向上する。
り拡散済み母材が回転し、拡散済み母材は重力に対して
どの面も均一な力を受けている。請求項6の発明では、
支持部材の回転により拡散済み母材が回転している。拡
散済み母材の回転により、真円度も向上する。
【0052】請求項7の発明では、拡散済み母材の余分
な拡散モノマーを、拡散済み母材を回転させる支持部材
で排除している。このため、拡散済み母材の外周部に余
分な残留モノマーが付着する割合が小さくなり、歩留ま
りを向上させることができる。
な拡散モノマーを、拡散済み母材を回転させる支持部材
で排除している。このため、拡散済み母材の外周部に余
分な残留モノマーが付着する割合が小さくなり、歩留ま
りを向上させることができる。
【0053】請求項8の発明では、拡散済み母材の余分
な拡散モノマーの排除を、多孔質材でなる支持部材で行
い、請求項9の発明では、拡散済み母材の余分な拡散モ
ノマーの排除を、余分なモノマーを吸収する支持部材で
行っている。いずれの場合も、余分な残留モノマーを排
除でき良好な歩留まりの高いプラスチックGRINレン
ズを得ることができる。
な拡散モノマーの排除を、多孔質材でなる支持部材で行
い、請求項9の発明では、拡散済み母材の余分な拡散モ
ノマーの排除を、余分なモノマーを吸収する支持部材で
行っている。いずれの場合も、余分な残留モノマーを排
除でき良好な歩留まりの高いプラスチックGRINレン
ズを得ることができる。
【0054】請求項10の発明では、拡散済み母材を加
圧しながら重合する。外径の異なったプラスチックGR
INレンズの作製に利用できる。第1の加圧形態をとる
請求項11の発明では、拡散済み母材の平均的比重とほ
ぼ同じ比重の液体中に拡散済み母材を入れて加圧しなが
ら重合する。この場合、重合時の熱分布性を気体や他の
場合に比べて均一化できることから、母材内変動値が著
しく小さくなり歩留まりが向上する。
圧しながら重合する。外径の異なったプラスチックGR
INレンズの作製に利用できる。第1の加圧形態をとる
請求項11の発明では、拡散済み母材の平均的比重とほ
ぼ同じ比重の液体中に拡散済み母材を入れて加圧しなが
ら重合する。この場合、重合時の熱分布性を気体や他の
場合に比べて均一化できることから、母材内変動値が著
しく小さくなり歩留まりが向上する。
【0055】第2の加圧形態をとる請求項12の発明で
は、熱または光の少なくとも一方により収縮する材料か
らなる筒状の容器内に拡散済み母材を挿入し、容器内壁
と拡散済み母材との接触により拡散済み母材を加圧しな
がら重合する。この場合、簡便に真円性の向上が図れ
る。
は、熱または光の少なくとも一方により収縮する材料か
らなる筒状の容器内に拡散済み母材を挿入し、容器内壁
と拡散済み母材との接触により拡散済み母材を加圧しな
がら重合する。この場合、簡便に真円性の向上が図れ
る。
【0056】第3の加圧形態をとる請求項13の発明で
は、拡散済み母材を重合管の円錐部を通過させることに
より徐々にその外径を縮小させながら小径の重合部に移
す。これにより拡散済み母材は加圧し、この加圧状態の
拡散済み母材を重合する。この場合、円錐部で重合時の
収縮を歪みなく行わせることができ、かつ真円性の向上
が図れる。特に、連続製造方法に有効であり、量産性に
適する。
は、拡散済み母材を重合管の円錐部を通過させることに
より徐々にその外径を縮小させながら小径の重合部に移
す。これにより拡散済み母材は加圧し、この加圧状態の
拡散済み母材を重合する。この場合、円錐部で重合時の
収縮を歪みなく行わせることができ、かつ真円性の向上
が図れる。特に、連続製造方法に有効であり、量産性に
適する。
【0057】第4の加圧形態をとる請求項14の発明で
は、拡散済み母材の重合工程時にレンズ外径規定管とし
て重合管を用いると共に、該重合管の内径を拡散済み母
材の外径に対してほぼ同等に選び、該重合管に拡散済み
母材を挿入後、該重合管の両端開放口より加圧しながら
重合する。この場合、重合管の両端開放口より加圧する
ことから、重合管内径の加工精度が悪くても重合管内壁
に拡散済み母材が密着し、重合管の低コスト化を図れ、
ひいては製造コストの低減が可能となる。
は、拡散済み母材の重合工程時にレンズ外径規定管とし
て重合管を用いると共に、該重合管の内径を拡散済み母
材の外径に対してほぼ同等に選び、該重合管に拡散済み
母材を挿入後、該重合管の両端開放口より加圧しながら
重合する。この場合、重合管の両端開放口より加圧する
ことから、重合管内径の加工精度が悪くても重合管内壁
に拡散済み母材が密着し、重合管の低コスト化を図れ、
ひいては製造コストの低減が可能となる。
【0058】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。本発明の
プラスチックGRINレンズの製造方法は、2段階共重
合法を適用して行われる。具体的には、例えば、図1に
示すような工程〜をとる。各工程〜の詳細は次
の通りである。 母材モノマー液の調整工程:モノマーと所定量の重合
開始剤を混合させる。 プレポリマーゲルロッドの作製工程:モノマー液を熱
あるいは活性エネルギー線等によって一部重合させプレ
ポリマーゲルロッドを得る。 拡散モノマー液の調整工程:モノマーと所定量の重合
開始剤を混合させる。 拡散工程:拡散モノマー液中にプレポリマーゲルロッ
ドを所定の条件で浸漬させる。この場合、光学特性分布
の偏心を制御すべく、例えば特願平6−231450号
の発明を用いると良い。この特願平6−231450号
の発明は、要約すると、プレポリマーゲルロッドを拡散
モノマー中で回転することにより、拡散モノマーを均等
に拡散させ、材料分布の偏心を抑制して、光学特性分布
を制御するというものである。 共重合工程:拡散工程が終了した拡散済み母材を熱も
しくは活性化エネルギー線などで十分に重合する。ここ
では、光学特性分布の中心(光軸)と母材の機械的中心
を一致させるために、この重合工程(共重合工程)にて
プラスチックGRINレンズの外径を形成する。 切断研磨工程:母材を切断、研磨してプラスチックG
RINレンズを得る。
プラスチックGRINレンズの製造方法は、2段階共重
合法を適用して行われる。具体的には、例えば、図1に
示すような工程〜をとる。各工程〜の詳細は次
の通りである。 母材モノマー液の調整工程:モノマーと所定量の重合
開始剤を混合させる。 プレポリマーゲルロッドの作製工程:モノマー液を熱
あるいは活性エネルギー線等によって一部重合させプレ
ポリマーゲルロッドを得る。 拡散モノマー液の調整工程:モノマーと所定量の重合
開始剤を混合させる。 拡散工程:拡散モノマー液中にプレポリマーゲルロッ
ドを所定の条件で浸漬させる。この場合、光学特性分布
の偏心を制御すべく、例えば特願平6−231450号
の発明を用いると良い。この特願平6−231450号
の発明は、要約すると、プレポリマーゲルロッドを拡散
モノマー中で回転することにより、拡散モノマーを均等
に拡散させ、材料分布の偏心を抑制して、光学特性分布
を制御するというものである。 共重合工程:拡散工程が終了した拡散済み母材を熱も
しくは活性化エネルギー線などで十分に重合する。ここ
では、光学特性分布の中心(光軸)と母材の機械的中心
を一致させるために、この重合工程(共重合工程)にて
プラスチックGRINレンズの外径を形成する。 切断研磨工程:母材を切断、研磨してプラスチックG
RINレンズを得る。
【0059】本発明の性能評価の基準となる「真円度」
および「外径−光軸ズレ量」は次の方法により求めた。
なお、「真円度」はレンズ外径の真円性を測定して示
し、「外径−光軸ズレ量」は偏心と真円性の両方を考慮
した実用的な値で示した。
および「外径−光軸ズレ量」は次の方法により求めた。
なお、「真円度」はレンズ外径の真円性を測定して示
し、「外径−光軸ズレ量」は偏心と真円性の両方を考慮
した実用的な値で示した。
【0060】《真円度》試料の直径を非接触レーザ線径
測定装置で測定し、下記の式より算出した。 S=最大直径−最小直径 《外径−光軸ズレ量》 干渉装置にて絶対座標上で光学中心(2乗分布中心)
を決定する。
測定装置で測定し、下記の式より算出した。 S=最大直径−最小直径 《外径−光軸ズレ量》 干渉装置にて絶対座標上で光学中心(2乗分布中心)
を決定する。
【0061】上記光学中心からレンズ外径への最大長
と最小長を測定し、下記の式より光軸ズレ量を決定し
た。 H=(最大長−最小長)/2 以下、実施例1〜19および比較例を具体的に説明す
る。
と最小長を測定し、下記の式より光軸ズレ量を決定し
た。 H=(最大長−最小長)/2 以下、実施例1〜19および比較例を具体的に説明す
る。
【0062】実施例1. 母材モノマー液の調整工程:プレポリマーゲルロッドの
材料としてジエチレングリコールビスアリルカーボネイ
ト(PPG社(Pittsuburgh Plate Glass Indaustrie
s)製:製品名CR−39、以下CR−39と略す。)
を用い、これに2.0wt%のジイソプロピルパーオキ
シジカーボネイト(日本油脂社製:製品名パーロイルI
PP、以下IPPと略す。)を添加し混合する。
材料としてジエチレングリコールビスアリルカーボネイ
ト(PPG社(Pittsuburgh Plate Glass Indaustrie
s)製:製品名CR−39、以下CR−39と略す。)
を用い、これに2.0wt%のジイソプロピルパーオキ
シジカーボネイト(日本油脂社製:製品名パーロイルI
PP、以下IPPと略す。)を添加し混合する。
【0063】プレポリマーゲルロッドの作製工程:母材
モノマー液を、内径12.0mmφ、長さ100mm
の、フッ素樹脂でなる中空パイプに注入する。これを、
50℃のウォーターバスに2時間15分間浸漬し加熱し
た後、中空パイプから取り出してプレポリマーゲルロッ
ドを得る。
モノマー液を、内径12.0mmφ、長さ100mm
の、フッ素樹脂でなる中空パイプに注入する。これを、
50℃のウォーターバスに2時間15分間浸漬し加熱し
た後、中空パイプから取り出してプレポリマーゲルロッ
ドを得る。
【0064】拡散モノマー液の調整工程:拡散モノマー
としてジアリルイソフタレート(ダイソー社製:製品名
ダップ100モノマー、以下DAIと略す。)を用い、
次に2.0wt%のIPPを添加し混合する。
としてジアリルイソフタレート(ダイソー社製:製品名
ダップ100モノマー、以下DAIと略す。)を用い、
次に2.0wt%のIPPを添加し混合する。
【0065】拡散工程:拡散モノマー液を所望の容器に
入れ、上記作製のプレポリマーゲルロッドを10時間浸
漬する。この時上記プレポリマーゲルロッドの外周面に
対して拡散が等方的に行われなければならない。本拡散
手段の例としては、例えば前述の特願平6−23145
0号の発明がある。
入れ、上記作製のプレポリマーゲルロッドを10時間浸
漬する。この時上記プレポリマーゲルロッドの外周面に
対して拡散が等方的に行われなければならない。本拡散
手段の例としては、例えば前述の特願平6−23145
0号の発明がある。
【0066】共重合工程:拡散工程が終了し容器から取
り出した時の拡散済み母材の外径は12.3mmφであ
った。重合管として、外径15mmφ、内径12.0m
mφ、長さ120mmの、ガラスでなる中空パイプを用
い、この中空パイプに、拡散済み母材を重力で伸ばして
挿入した(中空パイプを立てて拡散済み母材を上方向か
ら挿入した)。そして、拡散済み母材を挿入したこの重
合管を、温度制御機能付きオーブンにて40℃〜90℃
に10時間かけて昇温し硬化させ、重合を完結させた。
硬化後は、冷却を行った。
り出した時の拡散済み母材の外径は12.3mmφであ
った。重合管として、外径15mmφ、内径12.0m
mφ、長さ120mmの、ガラスでなる中空パイプを用
い、この中空パイプに、拡散済み母材を重力で伸ばして
挿入した(中空パイプを立てて拡散済み母材を上方向か
ら挿入した)。そして、拡散済み母材を挿入したこの重
合管を、温度制御機能付きオーブンにて40℃〜90℃
に10時間かけて昇温し硬化させ、重合を完結させた。
硬化後は、冷却を行った。
【0067】切断研磨工程:重合管から母材を取り出し
切断研磨して、プラスチックGRINレンズを作製し
た。
切断研磨して、プラスチックGRINレンズを作製し
た。
【0068】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.20mm、外径−光軸ズレ量Hは0.12
0mmであった。 実施例2.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
円度Sは0.20mm、外径−光軸ズレ量Hは0.12
0mmであった。 実施例2.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
【0069】共重合工程では、まず、拡散工程が終了し
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。次に、重合管として、外径1
5mmφ、内径12.3mmφ、長さ120mmの、材
質がガラスである中空パイプを用い、この中空パイプ
に、拡散済み母材を重力で伸ばして挿入した。以下実施
例1と同様な処理を行い、プラスチックGRINレンズ
を作製した。
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。次に、重合管として、外径1
5mmφ、内径12.3mmφ、長さ120mmの、材
質がガラスである中空パイプを用い、この中空パイプ
に、拡散済み母材を重力で伸ばして挿入した。以下実施
例1と同様な処理を行い、プラスチックGRINレンズ
を作製した。
【0070】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.15mm、外径−光軸ズレ量Hは0.09
5mmであった。 実施例3.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
円度Sは0.15mm、外径−光軸ズレ量Hは0.09
5mmであった。 実施例3.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
【0071】共重合工程では、まず、拡散工程が終了し
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。重合管として、外径15mm
φ、内径11.9mmφ、長さ120mmの、ガラスで
なる中空パイプを用い、この中空パイプに、拡散済み母
材を重力で伸ばして挿入した。以下実施例1と同様な処
理を行い、プラスチックGRINレンズを作製した。
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。重合管として、外径15mm
φ、内径11.9mmφ、長さ120mmの、ガラスで
なる中空パイプを用い、この中空パイプに、拡散済み母
材を重力で伸ばして挿入した。以下実施例1と同様な処
理を行い、プラスチックGRINレンズを作製した。
【0072】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.10mm、外径−光軸ズレ量Hは0.06
1mmであった。 実施例4.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
円度Sは0.10mm、外径−光軸ズレ量Hは0.06
1mmであった。 実施例4.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
【0073】共重合工程では、まず、拡散工程が終了し
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。重合管として、外径15mm
φ、内径11.9mmφ、長さ120mmの、ポリプレ
ンでなる中空パイプを用い、この中空パイプに拡散済み
母材を重力で伸ばして挿入した。以下実施例1と同様な
処理を行い、プラスチックGRINレンズを作製した。
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。重合管として、外径15mm
φ、内径11.9mmφ、長さ120mmの、ポリプレ
ンでなる中空パイプを用い、この中空パイプに拡散済み
母材を重力で伸ばして挿入した。以下実施例1と同様な
処理を行い、プラスチックGRINレンズを作製した。
【0074】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.09mm、外径−光軸ズレ量Hは0.05
5mmであった。 実施例5.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
円度Sは0.09mm、外径−光軸ズレ量Hは0.05
5mmであった。 実施例5.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
【0075】共重合工程では、まず、拡散工程が終了し
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。重合管として、外径15mm
φ、内径11.9mmφ、長さ120mmの、テフロン
(デュポン社の商品名)でなる中空パイプを用い、この
中空パイプに、拡散済み母材を重力で伸ばして挿入し
た。以下実施例1と同様な処理を行い、プラスチックG
RINレンズを作製した。
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。重合管として、外径15mm
φ、内径11.9mmφ、長さ120mmの、テフロン
(デュポン社の商品名)でなる中空パイプを用い、この
中空パイプに、拡散済み母材を重力で伸ばして挿入し
た。以下実施例1と同様な処理を行い、プラスチックG
RINレンズを作製した。
【0076】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.08mm、外径−光軸ズレ量Hは0.05
2mmであった。 実施例6.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
円度Sは0.08mm、外径−光軸ズレ量Hは0.05
2mmであった。 実施例6.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
【0077】共重合工程では、まず、拡散工程が終了し
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。この実施例では、重合管とし
て、図2で示すように、拡散済み母材の挿入部11aの
挿入内径を拡散済み母材の外径より大きくし、円錐部1
1bにて徐々に重合管内径を小さくしていき、最終重合
時の収納位置すなわち重合部11cでは本来の内径をも
つ重合管11を用いている。
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。この実施例では、重合管とし
て、図2で示すように、拡散済み母材の挿入部11aの
挿入内径を拡散済み母材の外径より大きくし、円錐部1
1bにて徐々に重合管内径を小さくしていき、最終重合
時の収納位置すなわち重合部11cでは本来の内径をも
つ重合管11を用いている。
【0078】具体的には、挿入内径が14mmφであ
り、円錐部で徐々に内径が小さくなり、重合部で内径が
11.8mmφとなる長さ120mmの、ガラスでなる
中空パイプを用い、この中空パイプに、拡散済み母材を
挿入した。内径が11.8mmφの重合部のところに拡
散済み母材を収納した後、以下実施例1と同様な処理を
行い、プラスチックGRINレンズを作製した。
り、円錐部で徐々に内径が小さくなり、重合部で内径が
11.8mmφとなる長さ120mmの、ガラスでなる
中空パイプを用い、この中空パイプに、拡散済み母材を
挿入した。内径が11.8mmφの重合部のところに拡
散済み母材を収納した後、以下実施例1と同様な処理を
行い、プラスチックGRINレンズを作製した。
【0079】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.06mm、外径−光軸ズレ量Hは0.04
2mmであった。 実施例7.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
円度Sは0.06mm、外径−光軸ズレ量Hは0.04
2mmであった。 実施例7.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
【0080】共重合工程では、まず、拡散工程が終了し
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。この実施例でも、重合管とし
て、図3で示すように、拡散済み母材の挿入部11aの
挿入内径を拡散済み母材の外径より大きくし、円錐部1
1bにて徐々に重合管内径を小さくしていき、最終重合
時の収納位置すなわち重合部11cでは本来の内径をも
つ重合管11を用いている。
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。この実施例でも、重合管とし
て、図3で示すように、拡散済み母材の挿入部11aの
挿入内径を拡散済み母材の外径より大きくし、円錐部1
1bにて徐々に重合管内径を小さくしていき、最終重合
時の収納位置すなわち重合部11cでは本来の内径をも
つ重合管11を用いている。
【0081】具体的には、挿入内径が14mmφであ
り、円錐部で徐々に内径が小さくなり、重合部で内径が
11.8mmφとなる長さ120mmの、ガラスでなる
中空パイプを用い、この中空パイプに、拡散済み母材を
挿入した。その後、同図に示す吸引装置(例えばロータ
リーポンプ)12にて拡散済み母材を内径が11.8m
mφの重合部まで吸引した後、以下実施例1と同様な処
理を行い、プラスチックGRINレンズを作製した。
り、円錐部で徐々に内径が小さくなり、重合部で内径が
11.8mmφとなる長さ120mmの、ガラスでなる
中空パイプを用い、この中空パイプに、拡散済み母材を
挿入した。その後、同図に示す吸引装置(例えばロータ
リーポンプ)12にて拡散済み母材を内径が11.8m
mφの重合部まで吸引した後、以下実施例1と同様な処
理を行い、プラスチックGRINレンズを作製した。
【0082】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.06mm、外径−光軸ズレ量Hは0.04
3mmであった。 実施例8.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
円度Sは0.06mm、外径−光軸ズレ量Hは0.04
3mmであった。 実施例8.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
【0083】共重合工程では、まず、拡散工程が終了し
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。この実施例の場合も、実施例
7の場合と同様に、重合管として、図4で示すように、
拡散済み母材の挿入部11a、円錐部11bおよび重合
部11cからなる重合管11を用いている。
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。この実施例の場合も、実施例
7の場合と同様に、重合管として、図4で示すように、
拡散済み母材の挿入部11a、円錐部11bおよび重合
部11cからなる重合管11を用いている。
【0084】具体的には、挿入内径が14mmφであ
り、円錐部で徐々に内径が小さくなり、重合部で内径が
11.8mmφとなる長さ120mmの、ガラスでなる
中空パイプを用い、この中空パイプに、拡散済み母材を
挿入した。その後、同図で示す加圧装置(例えば窒素ガ
スボンベ)13にて、拡散済み母材を内径が11.8m
mφの重合部まで加圧して移動させた後、以下実施例1
と同様な処理を行い、プラスチックGRINレンズを作
製した。なお、図中の14は加圧の圧力を一定値に調整
するためのレギュレータである。
り、円錐部で徐々に内径が小さくなり、重合部で内径が
11.8mmφとなる長さ120mmの、ガラスでなる
中空パイプを用い、この中空パイプに、拡散済み母材を
挿入した。その後、同図で示す加圧装置(例えば窒素ガ
スボンベ)13にて、拡散済み母材を内径が11.8m
mφの重合部まで加圧して移動させた後、以下実施例1
と同様な処理を行い、プラスチックGRINレンズを作
製した。なお、図中の14は加圧の圧力を一定値に調整
するためのレギュレータである。
【0085】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.06mm、外径−光軸ズレ量Hは0.04
2mmであった。 実施例9.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
円度Sは0.06mm、外径−光軸ズレ量Hは0.04
2mmであった。 実施例9.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プ
レポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同
様に実施した。
【0086】共重合工程では、まず、拡散工程が終了し
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。この実施例では、図5に示す
ように、拡散済み母材15の外径よりも内径が大きい円
筒状の重合容器(回転容器)16内に、中心軸が平行と
なるように拡散済み母材15は挿入載置される。この重
合容器16は回転可能に軸支された2本のローラ17,
18で支持され、ローラ17は例えばベルトなどの回転
伝達手段を介してモータ19により回転駆動されるよう
になっている。なお、重合容器16内の空間は、重合開
始剤が反応しない例えば窒素ガスで充満されている。
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。この実施例では、図5に示す
ように、拡散済み母材15の外径よりも内径が大きい円
筒状の重合容器(回転容器)16内に、中心軸が平行と
なるように拡散済み母材15は挿入載置される。この重
合容器16は回転可能に軸支された2本のローラ17,
18で支持され、ローラ17は例えばベルトなどの回転
伝達手段を介してモータ19により回転駆動されるよう
になっている。なお、重合容器16内の空間は、重合開
始剤が反応しない例えば窒素ガスで充満されている。
【0087】ここで、モータ19が駆動されると、ロー
ラ17が回転し重合容器16も回転することになる。重
合容器16が回転すれば、拡散済み母材15も重合容器
16内壁との接触位置を移しながら水平状態で回転す
る。
ラ17が回転し重合容器16も回転することになる。重
合容器16が回転すれば、拡散済み母材15も重合容器
16内壁との接触位置を移しながら水平状態で回転す
る。
【0088】なお、重合容器16は同一軸上に1つだけ
設ける構成であっても良いし、図6に示したように軸方
向に複数個配置し、これらを同時に回転させても良い。
さらに、ローラを3個以上設け、重合容器16を軸方向
と直交する方向に複数個配置するようにしても良い。
設ける構成であっても良いし、図6に示したように軸方
向に複数個配置し、これらを同時に回転させても良い。
さらに、ローラを3個以上設け、重合容器16を軸方向
と直交する方向に複数個配置するようにしても良い。
【0089】また、重合容器16の加熱手段は装置全体
を恒温槽などの加熱装置20にて加熱しても良いし、図
5に示したように重合容器16およびローラ17,18
などを加熱装置20内に収容し、モータ19は駆動装置
21として加熱装置20外に設けても良い。
を恒温槽などの加熱装置20にて加熱しても良いし、図
5に示したように重合容器16およびローラ17,18
などを加熱装置20内に収容し、モータ19は駆動装置
21として加熱装置20外に設けても良い。
【0090】上記重合容器を用いれば、拡散済み母材は
回転することになるので重力の影響が一軸方向でなくな
る。このため、重力を均一的に受けることになり、真円
性が向上する。さらに、空間の存在による残留モノマー
の揮発の影響も均一となり、分布性の向上が図れる。
回転することになるので重力の影響が一軸方向でなくな
る。このため、重力を均一的に受けることになり、真円
性が向上する。さらに、空間の存在による残留モノマー
の揮発の影響も均一となり、分布性の向上が図れる。
【0091】このように回転した状態で、実施例1にあ
る昇温により重合を完結し、以下実施例1と同様な処理
を行い、プラスチックGRINレンズを作製したとこ
ろ、後述の表1に示すように、本実施例での真円度Sは
0.10mm、外径−光軸ズレ量Hは0.065mmで
あった。
る昇温により重合を完結し、以下実施例1と同様な処理
を行い、プラスチックGRINレンズを作製したとこ
ろ、後述の表1に示すように、本実施例での真円度Sは
0.10mm、外径−光軸ズレ量Hは0.065mmで
あった。
【0092】実施例10.プレポリマーゲルロッドの作
製工程及び該プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程
は実施例1と同様に実施した。
製工程及び該プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程
は実施例1と同様に実施した。
【0093】この実施例では、図7に示すように、平行
に配置された複数のローラ23上に、複数の拡散済み母
材15が載せられている。ローラ23の間隔は拡散済み
母材15がその隙間から落下しないように、拡散済み母
材15の外径より小さく選ばれている。
に配置された複数のローラ23上に、複数の拡散済み母
材15が載せられている。ローラ23の間隔は拡散済み
母材15がその隙間から落下しないように、拡散済み母
材15の外径より小さく選ばれている。
【0094】これらのローラ23のうち、例えば一つお
きのローラは、モータ19からの駆動力を受けて回転す
る駆動ローラになっており、他のローラは回転自在に軸
支された従動ローラとなっている(図では、モータ19
から一つの駆動ローラに動力が伝達される構成だけが図
示されている)。この構成では、駆動ローラの回転によ
り拡散済み母材15が水平状態で回転する。なお、該拡
散済み母材15を介して従動ローラにも回転力が伝達さ
れて、従動ローラも回転する。
きのローラは、モータ19からの駆動力を受けて回転す
る駆動ローラになっており、他のローラは回転自在に軸
支された従動ローラとなっている(図では、モータ19
から一つの駆動ローラに動力が伝達される構成だけが図
示されている)。この構成では、駆動ローラの回転によ
り拡散済み母材15が水平状態で回転する。なお、該拡
散済み母材15を介して従動ローラにも回転力が伝達さ
れて、従動ローラも回転する。
【0095】重合手段として、ここでは加熱装置20を
用い、実施例1の昇温条件により装置全体を加熱装置
(恒温槽)20に入れて重合した。重合手段の他の手段
としては、紫外線を拡散済み母材15に照射し重合する
ものを用いても良いことはもちろんである。なお、拡散
済み母材15は重合開始剤が反応しない例えば窒素ガス
で周囲が覆われていることが望ましい。
用い、実施例1の昇温条件により装置全体を加熱装置
(恒温槽)20に入れて重合した。重合手段の他の手段
としては、紫外線を拡散済み母材15に照射し重合する
ものを用いても良いことはもちろんである。なお、拡散
済み母材15は重合開始剤が反応しない例えば窒素ガス
で周囲が覆われていることが望ましい。
【0096】上記構成によると、重合容器などを動かす
ことなく拡散済み母材を安定的に回転でき、かつ重力の
影響が一軸方向でなくなるため、重力を均一的に受ける
ことになり、真円性が向上する。さらに空間の存在によ
る残留モノマーの揮発の影響も均一となり分布性の向上
が図れる。
ことなく拡散済み母材を安定的に回転でき、かつ重力の
影響が一軸方向でなくなるため、重力を均一的に受ける
ことになり、真円性が向上する。さらに空間の存在によ
る残留モノマーの揮発の影響も均一となり分布性の向上
が図れる。
【0097】なお、ローラ23の配置は上記構成に限定
されるものではなく、例えば複数のローラを軸方向にも
複数並べて、拡散済み母材もそれに応じて複数並べても
良い。
されるものではなく、例えば複数のローラを軸方向にも
複数並べて、拡散済み母材もそれに応じて複数並べても
良い。
【0098】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.12mm、外径−光軸ズレ量Hは0.07
2mmであった。 実施例11.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
円度Sは0.12mm、外径−光軸ズレ量Hは0.07
2mmであった。 実施例11.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
【0099】本実施例では、図8に示すように、回転可
能に軸支されたプーリ25,26と、モータ19に固着
されたプーリ27との間に、支持部材としてベルト(環
状の回転ベルト)28が巻き掛けられ、このベルト28
のプーリ25,26間の部位で、拡散済み母材15が支
持されている。
能に軸支されたプーリ25,26と、モータ19に固着
されたプーリ27との間に、支持部材としてベルト(環
状の回転ベルト)28が巻き掛けられ、このベルト28
のプーリ25,26間の部位で、拡散済み母材15が支
持されている。
【0100】この場合、拡散済み母材15の自重により
弛みが生じ、拡散済み母材15はプーリ25,26の中
間位置に常に留まろうとしている。このため、モータ1
9によってベルト28が回転させられると、拡散済み母
材15はベルト28上でかつ水平状態で回転することに
なる。
弛みが生じ、拡散済み母材15はプーリ25,26の中
間位置に常に留まろうとしている。このため、モータ1
9によってベルト28が回転させられると、拡散済み母
材15はベルト28上でかつ水平状態で回転することに
なる。
【0101】重合手段として、ここでも加熱装置20を
用い、実施例1の昇温条件によりプーリ25,26およ
び拡散済み母材15を加熱装置(恒温槽)20内に入れ
て重合した。重合手段の他の手段としては、紫外線を拡
散済み母材15に照射し重合するものを用いても良いこ
とは同様である。なお、拡散済み母材15は重合開始剤
が反応しない例えば窒素ガスで周囲が覆われていること
が望ましい。
用い、実施例1の昇温条件によりプーリ25,26およ
び拡散済み母材15を加熱装置(恒温槽)20内に入れ
て重合した。重合手段の他の手段としては、紫外線を拡
散済み母材15に照射し重合するものを用いても良いこ
とは同様である。なお、拡散済み母材15は重合開始剤
が反応しない例えば窒素ガスで周囲が覆われていること
が望ましい。
【0102】上記構成によると、実施例10の場合と同
様に、重合容器などを動かすことなく拡散済み母材を安
定的に回転でき、かつ重力の影響が一軸方向でなくなる
ため、重力を均一的に受けることになり、真円性が向上
する。さらに空間の存在による残留モノマーの揮発の影
響も均一となり分布性の向上が図れる。
様に、重合容器などを動かすことなく拡散済み母材を安
定的に回転でき、かつ重力の影響が一軸方向でなくなる
ため、重力を均一的に受けることになり、真円性が向上
する。さらに空間の存在による残留モノマーの揮発の影
響も均一となり分布性の向上が図れる。
【0103】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.12mm、外径−光軸ズレ量Hは0.07
2mmであった。 実施例12.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
円度Sは0.12mm、外径−光軸ズレ量Hは0.07
2mmであった。 実施例12.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
【0104】本実施例は、図9に示すように、揺動プレ
ートを用いて拡散済み母材15を回転させる方法をとる
もので、揺動プレートとしての重合容器30は、側部の
高さが好ましくは拡散済み母材15の外径よりも僅かに
大きく形成され、拡散済み母材15の軸方向に関しては
開放若しくは拡散済み母材15より長く形成されてお
り、重合容器30が揺動した時、拡散済み母材15が重
合容器30の床面上でその軸方向と直交する方向に移動
するようになっている。
ートを用いて拡散済み母材15を回転させる方法をとる
もので、揺動プレートとしての重合容器30は、側部の
高さが好ましくは拡散済み母材15の外径よりも僅かに
大きく形成され、拡散済み母材15の軸方向に関しては
開放若しくは拡散済み母材15より長く形成されてお
り、重合容器30が揺動した時、拡散済み母材15が重
合容器30の床面上でその軸方向と直交する方向に移動
するようになっている。
【0105】すなわち、重合容器30は例えば一端が傾
動可能に支持され、他端近傍にはリンク31の一端が回
転可能に枢着されている。一方、リンク31の他端は、
モータ19によって回転駆動される円板32の偏心位置
に回転可能に枢着されている。このため、円板32が回
転するとリンク31が上下に往復運動し、重合容器30
は一端を中心として揺動する。この結果、拡散済み母材
15が重合容器30の床面上でその軸方向と直交する方
向に往復移動し、結果として拡散済み母材15が回転す
るようになっている。
動可能に支持され、他端近傍にはリンク31の一端が回
転可能に枢着されている。一方、リンク31の他端は、
モータ19によって回転駆動される円板32の偏心位置
に回転可能に枢着されている。このため、円板32が回
転するとリンク31が上下に往復運動し、重合容器30
は一端を中心として揺動する。この結果、拡散済み母材
15が重合容器30の床面上でその軸方向と直交する方
向に往復移動し、結果として拡散済み母材15が回転す
るようになっている。
【0106】重合手段としては加熱装置20を用い、実
施例1の昇温条件により図9のごとく拡散済み母材15
および重合容器30を加熱装置(恒温槽)20に入れ重
合した。拡散済み母材15は重合開始剤が反応しない例
えば窒素ガスで周囲が覆われていることが望ましい。
施例1の昇温条件により図9のごとく拡散済み母材15
および重合容器30を加熱装置(恒温槽)20に入れ重
合した。拡散済み母材15は重合開始剤が反応しない例
えば窒素ガスで周囲が覆われていることが望ましい。
【0107】上記構成において、重合容器が揺動すると
容器の床面が上下に傾斜し拡散済み母材が床面上で軸方
向と直交する方向に転がりながら往復運動し、重力の影
響が一軸方向でなく均一的に受けることになり、真円性
が向上する。さらに空間の存在による残留モノマーの揮
発の影響も均一となり分布性の向上が図れる。
容器の床面が上下に傾斜し拡散済み母材が床面上で軸方
向と直交する方向に転がりながら往復運動し、重力の影
響が一軸方向でなく均一的に受けることになり、真円性
が向上する。さらに空間の存在による残留モノマーの揮
発の影響も均一となり分布性の向上が図れる。
【0108】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.13mm、外径−光軸ズレ量Hは0.07
5mmであった。 実施例13.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
円度Sは0.13mm、外径−光軸ズレ量Hは0.07
5mmであった。 実施例13.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
【0109】本実施例は、図10に示すように、水平往
復運動するプレートを用いて拡散済み母材15を回転さ
せる方法をとるもので、揺動プレートとしての重合容器
30は、側部の高さが好ましくは拡散済み母材15の外
径よりも僅かに大きく形成され、拡散済み母材15の軸
方向に関しては開放若しくは拡散済み母材15より長く
形成されており、重合容器30が左右に水平往復運動し
た時、拡散済み母材15が重合容器30の床面上でその
軸方向と直交する方向に移動するようになっている。
復運動するプレートを用いて拡散済み母材15を回転さ
せる方法をとるもので、揺動プレートとしての重合容器
30は、側部の高さが好ましくは拡散済み母材15の外
径よりも僅かに大きく形成され、拡散済み母材15の軸
方向に関しては開放若しくは拡散済み母材15より長く
形成されており、重合容器30が左右に水平往復運動し
た時、拡散済み母材15が重合容器30の床面上でその
軸方向と直交する方向に移動するようになっている。
【0110】すなわち、重合容器30は、水平方向に平
行に配置された一対のローラ31,32間に巻回された
ベルト33上に載置されている。ローラ31はモータ1
9によって、正逆交互に回転駆動され、このため、重合
容器30は左右に往復運動する。この結果、拡散済み母
材15が重合容器30の床面上でその軸方向と直交する
方向に往復移動し、結果として拡散済み母材15が回転
するようになっている。
行に配置された一対のローラ31,32間に巻回された
ベルト33上に載置されている。ローラ31はモータ1
9によって、正逆交互に回転駆動され、このため、重合
容器30は左右に往復運動する。この結果、拡散済み母
材15が重合容器30の床面上でその軸方向と直交する
方向に往復移動し、結果として拡散済み母材15が回転
するようになっている。
【0111】重合手段としては加熱装置20を用い、実
施例1の昇温条件により図10のごとく拡散済み母材1
5および重合容器30を加熱装置(恒温槽)20に入れ
重合した。拡散済み母材15は重合開始剤が反応しない
例えば窒素ガスで周囲が覆われていることが望ましい。
施例1の昇温条件により図10のごとく拡散済み母材1
5および重合容器30を加熱装置(恒温槽)20に入れ
重合した。拡散済み母材15は重合開始剤が反応しない
例えば窒素ガスで周囲が覆われていることが望ましい。
【0112】上記構成において、重合容器はベルトの往
復運動により応じて水平方向に往復運動し、このとき慣
性力によって拡散済み母材が水平軸回りに回転し、重力
の影響が一軸方向でなく重力を均一的に受けることにな
り、真円性が向上する。さらに空間の存在による残留モ
ノマーの揮発の影響も均一となり分布性の向上が図れ
る。
復運動により応じて水平方向に往復運動し、このとき慣
性力によって拡散済み母材が水平軸回りに回転し、重力
の影響が一軸方向でなく重力を均一的に受けることにな
り、真円性が向上する。さらに空間の存在による残留モ
ノマーの揮発の影響も均一となり分布性の向上が図れ
る。
【0113】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.15mm、外径−光軸ズレ量Hは0.08
5mmであった。 実施例14.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
円度Sは0.15mm、外径−光軸ズレ量Hは0.08
5mmであった。 実施例14.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
【0114】また、装置として実施例9で用いたものを
利用し、重合容器として、石英からなる気泡径が50〜
800μmの多孔質重合容器を使用した。後述の表1に
示すように、本実施例での真円度Sは0.08mm、外
径−光軸ズレ量Hは0.053mmであった。
利用し、重合容器として、石英からなる気泡径が50〜
800μmの多孔質重合容器を使用した。後述の表1に
示すように、本実施例での真円度Sは0.08mm、外
径−光軸ズレ量Hは0.053mmであった。
【0115】実施例15.プレポリマーゲルロッドの作
製工程及び該プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程
は実施例1と同様に実施した。
製工程及び該プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程
は実施例1と同様に実施した。
【0116】また、装置として実施例9で用いたものを
利用し、重合容器として、セルロース繊維からなる円筒
瀘紙が内壁に配置され、外壁がガラスなどでできている
重合容器を使用した。
利用し、重合容器として、セルロース繊維からなる円筒
瀘紙が内壁に配置され、外壁がガラスなどでできている
重合容器を使用した。
【0117】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.09mm、外径−光軸ズレ量Hは0.05
5mmであった。 実施例16.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
円度Sは0.09mm、外径−光軸ズレ量Hは0.05
5mmであった。 実施例16.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
【0118】このときの比重は1.182であった。
水:グリセリン=3:7の比率にし、比重を調整し拡散
済み母材を重合容器に挿入した。このとき、比重調整液
は拡散済み母材を溶解しないことが重要である。上記容
器の液面を窒素ガスにて2kg/cm2 で加圧しつつ、
容器全体を実施例1の昇温条件により加熱した。
水:グリセリン=3:7の比率にし、比重を調整し拡散
済み母材を重合容器に挿入した。このとき、比重調整液
は拡散済み母材を溶解しないことが重要である。上記容
器の液面を窒素ガスにて2kg/cm2 で加圧しつつ、
容器全体を実施例1の昇温条件により加熱した。
【0119】上記方法により、拡散済み母材は重力の影
響を浮力にて相殺し、拡散済み母材に働く力は実質上比
重調整液による加圧のみであり、重合が進むにつれて均
一的に収縮し真円性が向上する。
響を浮力にて相殺し、拡散済み母材に働く力は実質上比
重調整液による加圧のみであり、重合が進むにつれて均
一的に収縮し真円性が向上する。
【0120】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.15mm、外径−光軸ズレ量Hは0.08
5mmであった。 実施例17.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
円度Sは0.15mm、外径−光軸ズレ量Hは0.08
5mmであった。 実施例17.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
【0121】本実施例では、図11に示すように、重合
管として、拡散済み母材15の挿入部11aの挿入内径
を拡散済み母材15の外径より大きくし、円錐部11b
にて徐々に重合管内径を小さくしていき、最終重合時の
収納位置すなわち重合部11cでは本来の内径をもつ重
合管11を用いている。また、加熱装置20は円錐部1
1bおよび重合部11cを囲むように配置されている。
管として、拡散済み母材15の挿入部11aの挿入内径
を拡散済み母材15の外径より大きくし、円錐部11b
にて徐々に重合管内径を小さくしていき、最終重合時の
収納位置すなわち重合部11cでは本来の内径をもつ重
合管11を用いている。また、加熱装置20は円錐部1
1bおよび重合部11cを囲むように配置されている。
【0122】拡散済み母材15は上部挿入口から挿入さ
れ、吸引装置12の吸引により図11の下方に移動す
る。加熱装置による重合が進むにつれて、拡散済み母材
15はその外径が小さくなるようになっている。このと
きの挿入口の内径は14mmφであり、拡散済み母材1
5の加熱開始時の外径は12.3mmφであった。縦方
向に温度分布を持たせ、約10時間かけて重合を終了さ
せたときの拡散済み母材15の最終の外径は11.8m
mφであった。その後、母材を取り出し切断研磨して、
プラスチックGRINレンズを作製した。
れ、吸引装置12の吸引により図11の下方に移動す
る。加熱装置による重合が進むにつれて、拡散済み母材
15はその外径が小さくなるようになっている。このと
きの挿入口の内径は14mmφであり、拡散済み母材1
5の加熱開始時の外径は12.3mmφであった。縦方
向に温度分布を持たせ、約10時間かけて重合を終了さ
せたときの拡散済み母材15の最終の外径は11.8m
mφであった。その後、母材を取り出し切断研磨して、
プラスチックGRINレンズを作製した。
【0123】上記方法によると、拡散済み母材を重合管
内径が大きいので容易に挿入でき、かつ徐々に重合管径
が小さくなるので、拡散済み母材は均一的に収縮し真円
性が向上する。また、複数の拡散済み母材を連続的に重
合できる。
内径が大きいので容易に挿入でき、かつ徐々に重合管径
が小さくなるので、拡散済み母材は均一的に収縮し真円
性が向上する。また、複数の拡散済み母材を連続的に重
合できる。
【0124】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.06mm、外径−光軸ズレ量Hは0.04
3mmであった。 実施例18.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
円度Sは0.06mm、外径−光軸ズレ量Hは0.04
3mmであった。 実施例18.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
【0125】拡散済み母材の外径は12.3mmφであ
った。本実施例では、重合管として、内径が14mm
φ、長さ120mm、収縮率が約30%、収縮温度が約
100℃の熱収縮チューブを用い、この熱収縮チューブ
に拡散済み母材を挿入した。上記重合管を、実施例1の
昇温条件にて硬化させ、重合を完結させた。硬化後は冷
却を行い、重合管から母材を取り出し切断研磨して、プ
ラスチックGRINレンズを作製した。
った。本実施例では、重合管として、内径が14mm
φ、長さ120mm、収縮率が約30%、収縮温度が約
100℃の熱収縮チューブを用い、この熱収縮チューブ
に拡散済み母材を挿入した。上記重合管を、実施例1の
昇温条件にて硬化させ、重合を完結させた。硬化後は冷
却を行い、重合管から母材を取り出し切断研磨して、プ
ラスチックGRINレンズを作製した。
【0126】上記方法によると、拡散済み母材挿入時に
重合管の内径が大きいので容易に挿入でき、かつ徐々に
重合管が収縮するので、拡散済み母材は重力の影響を受
けずに均一的に収縮し真円性が向上する。
重合管の内径が大きいので容易に挿入でき、かつ徐々に
重合管が収縮するので、拡散済み母材は重力の影響を受
けずに均一的に収縮し真円性が向上する。
【0127】後述の表1に示すように、本実施例での真
円度Sは0.20mm、外径−光軸ズレ量Hは0.11
3mmであった。 実施例19.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
円度Sは0.20mm、外径−光軸ズレ量Hは0.11
3mmであった。 実施例19.プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該
プレポリマーゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と
同様に実施した。
【0128】このときの外径は12.3mmφであっ
た。重合管として、外径15mmφ、内径12.4mm
φ、長さ120mmの、テフロンでなる中空パイプを用
い、この中空パイプに、拡散済み母材を挿入した。上記
中空パイプの両端開放口から3kg/cm2 の圧力をか
けながら、実施例1の昇温条件にて硬化させ、重合を完
結させた。硬化後は冷却を行い、重合管から母材を取り
出し切断研磨して、プラスチックGRINレンズを作製
した。
た。重合管として、外径15mmφ、内径12.4mm
φ、長さ120mmの、テフロンでなる中空パイプを用
い、この中空パイプに、拡散済み母材を挿入した。上記
中空パイプの両端開放口から3kg/cm2 の圧力をか
けながら、実施例1の昇温条件にて硬化させ、重合を完
結させた。硬化後は冷却を行い、重合管から母材を取り
出し切断研磨して、プラスチックGRINレンズを作製
した。
【0129】上記方法によると、拡散済み母材は重合管
挿入後加圧により重合管内径と一致し、重合を行うた
め、真円性が向上する。後述の表1に示すように、本実
施例での真円度Sは0.06mm、外径−光軸ズレ量H
は0.042mmであった。
挿入後加圧により重合管内径と一致し、重合を行うた
め、真円性が向上する。後述の表1に示すように、本実
施例での真円度Sは0.06mm、外径−光軸ズレ量H
は0.042mmであった。
【0130】比較例 プレポリマーゲルロッドの作製工程及び該プレポリマー
ゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同様に実施し
た。
ゲルロッドを用いた拡散工程は実施例1と同様に実施し
た。
【0131】共重合工程では、まず、拡散工程が終了し
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。この拡散済み母材を塩化ビニ
リデンフィルムに巻き、温度制御機能付きオーブンに
て、40℃〜90℃に10時間かけて昇温して硬化さ
せ、重合を完結させた。硬化後は冷却を行い、重合管か
ら母材を取り出し切断研磨して、プラスチックGRIN
レンズを作製した。
た拡散済み母材を容器から取り出した。この時の外径は
12.3mmφであった。この拡散済み母材を塩化ビニ
リデンフィルムに巻き、温度制御機能付きオーブンに
て、40℃〜90℃に10時間かけて昇温して硬化さ
せ、重合を完結させた。硬化後は冷却を行い、重合管か
ら母材を取り出し切断研磨して、プラスチックGRIN
レンズを作製した。
【0132】後述の表1に示すように、本比較例での真
円度Sは0.50mm、外径−光軸ズレ量Hは0.22
8mmであった。
円度Sは0.50mm、外径−光軸ズレ量Hは0.22
8mmであった。
【0133】
【表1】
【0134】上記表1から明らかなように、上記各実施
例における、真円度Sと外径−光軸ズレ量Hは、比較例
に比べて格段に向上している。
例における、真円度Sと外径−光軸ズレ量Hは、比較例
に比べて格段に向上している。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の何れの
請求項の発明においても、予め一部重合したプラスチッ
クレンズ母材に該母材とは異なる屈折率を有するモノマ
ーを拡散させ、この拡散済み母材を重合することを経て
プラスチックGRINレンズを製造する際に、拡散済み
母材の重合工程にてプラスチックGRINレンズの外径
を形成するため、予め一部重合したプラスチック母材に
該母材とは異なる屈折率を有するモノマーを拡散させて
重合する2段階共重合の作製工程内で真円性の向上が可
能となり、レンズの光学的中心とレンズの機械的中心
(レンズ外径からの中心)とが一致したプラスチックG
RINレンズを“芯だし工程”を経ずに得られ、上記工
程後に“芯だし工程”を経る必要がなくなり、工程の簡
略化が可能となる。
請求項の発明においても、予め一部重合したプラスチッ
クレンズ母材に該母材とは異なる屈折率を有するモノマ
ーを拡散させ、この拡散済み母材を重合することを経て
プラスチックGRINレンズを製造する際に、拡散済み
母材の重合工程にてプラスチックGRINレンズの外径
を形成するため、予め一部重合したプラスチック母材に
該母材とは異なる屈折率を有するモノマーを拡散させて
重合する2段階共重合の作製工程内で真円性の向上が可
能となり、レンズの光学的中心とレンズの機械的中心
(レンズ外径からの中心)とが一致したプラスチックG
RINレンズを“芯だし工程”を経ずに得られ、上記工
程後に“芯だし工程”を経る必要がなくなり、工程の簡
略化が可能となる。
【0136】この効果に加えて、請求項2以降の発明は
以下のような効果を奏する。まず、請求項2の発明によ
れば、重合管に挿入された拡散済み母材は、挿入当初は
変形により内部応力が生じていても、最終重合時の収縮
とそれに伴う変形緩和により硬化後に機械的歪みは残ら
ず、硬化後の母材は重合管外径に沿った真円となる。
以下のような効果を奏する。まず、請求項2の発明によ
れば、重合管に挿入された拡散済み母材は、挿入当初は
変形により内部応力が生じていても、最終重合時の収縮
とそれに伴う変形緩和により硬化後に機械的歪みは残ら
ず、硬化後の母材は重合管外径に沿った真円となる。
【0137】請求項3の発明によれば、拡散済み母材を
重合管に挿入する際に、拡散済み母材が加圧により押さ
れあるいは吸引により引かれて重合管に挿入されるた
め、自重により重合管に挿入する場合に比べ、短時間に
挿入作業を行うことができ、作業効率を著しく向上でき
る。
重合管に挿入する際に、拡散済み母材が加圧により押さ
れあるいは吸引により引かれて重合管に挿入されるた
め、自重により重合管に挿入する場合に比べ、短時間に
挿入作業を行うことができ、作業効率を著しく向上でき
る。
【0138】請求項4の発明によれば、重合管を用いず
に、最終重合時に拡散済み母材を回転させることにより
真円を得ているため、作製冶具は真円性を決定せず、高
精度な作製冶具が不要となり、また、外径の異なったプ
ラスチックGRINレンズを容易に並行して製造でき
る。
に、最終重合時に拡散済み母材を回転させることにより
真円を得ているため、作製冶具は真円性を決定せず、高
精度な作製冶具が不要となり、また、外径の異なったプ
ラスチックGRINレンズを容易に並行して製造でき
る。
【0139】請求項5および6の発明によれば、支持部
材の動きにより拡散済み母材が回転し、拡散済み母材は
重力に対してどの面も均一な力を受け、この点からも真
円度が向上する。
材の動きにより拡散済み母材が回転し、拡散済み母材は
重力に対してどの面も均一な力を受け、この点からも真
円度が向上する。
【0140】請求項7〜9の発明によれば、拡散済み母
材の余分な拡散モノマーを拡散済み母材を回転させる支
持部材で排除しているため、拡散済み母材の外周部に余
分な残留モノマーが付着する割合が小さくなり、歩留ま
りを向上させることができる。
材の余分な拡散モノマーを拡散済み母材を回転させる支
持部材で排除しているため、拡散済み母材の外周部に余
分な残留モノマーが付着する割合が小さくなり、歩留ま
りを向上させることができる。
【0141】請求項10の発明によれば、拡散済み母材
を加圧しながら重合するため、外径の異なったプラスチ
ックGRINレンズ作製に利用できる。第1の加圧形態
をとる請求項11の発明によれば、拡散済み母材の平均
的比重とほぼ同じ比重の液体中に拡散済み母材を入れて
加圧しながら重合するため、重合時の熱分布性を気体や
他の場合に比べて均一化できることから、母材内変動値
が著しく小さくなり歩留まりが向上する。
を加圧しながら重合するため、外径の異なったプラスチ
ックGRINレンズ作製に利用できる。第1の加圧形態
をとる請求項11の発明によれば、拡散済み母材の平均
的比重とほぼ同じ比重の液体中に拡散済み母材を入れて
加圧しながら重合するため、重合時の熱分布性を気体や
他の場合に比べて均一化できることから、母材内変動値
が著しく小さくなり歩留まりが向上する。
【0142】第2の加圧形態をとる請求項12の発明に
よれば、熱または光の少なくとも一方により収縮する材
料からなる筒状の容器内に拡散済み母材を挿入し、容器
内壁と拡散済み母材との接触により拡散済み母材を加圧
しながら重合するため、簡便に真円性の向上が図れる。
よれば、熱または光の少なくとも一方により収縮する材
料からなる筒状の容器内に拡散済み母材を挿入し、容器
内壁と拡散済み母材との接触により拡散済み母材を加圧
しながら重合するため、簡便に真円性の向上が図れる。
【0143】第3の加圧形態をとる請求項13の発明に
よれば、拡散済み母材を重合管の円錐部を通過させるこ
とにより徐々にその外径を縮小させながら小径の重合部
に移すことにより、拡散済み母材は加圧し、この加圧状
態の拡散済み母材を重合するため、円錐部で重合時の収
縮を歪みなく行わせることができ、かつ真円性の向上が
図れ、特に、連続製造方法に有効である。
よれば、拡散済み母材を重合管の円錐部を通過させるこ
とにより徐々にその外径を縮小させながら小径の重合部
に移すことにより、拡散済み母材は加圧し、この加圧状
態の拡散済み母材を重合するため、円錐部で重合時の収
縮を歪みなく行わせることができ、かつ真円性の向上が
図れ、特に、連続製造方法に有効である。
【0144】第4の加圧形態をとる請求項14の発明に
よれば、拡散済み母材の重合工程時にレンズ外径規定管
として重合管を用いると共に、該重合管の内径を拡散済
み母材の外径に対してほぼ同等に選び、該重合管に拡散
済み母材を挿入後、該重合管の両端開放口より加圧しな
がら重合するため、重合管内径の加工精度が悪くても重
合管内壁に拡散済み母材が密着し、重合管の低コスト化
を図れ、ひいては製造コストの低減が可能となる。
よれば、拡散済み母材の重合工程時にレンズ外径規定管
として重合管を用いると共に、該重合管の内径を拡散済
み母材の外径に対してほぼ同等に選び、該重合管に拡散
済み母材を挿入後、該重合管の両端開放口より加圧しな
がら重合するため、重合管内径の加工精度が悪くても重
合管内壁に拡散済み母材が密着し、重合管の低コスト化
を図れ、ひいては製造コストの低減が可能となる。
【図1】本発明における2段階共重合法を適用したプラ
スチックGRINレンズの製造工程の説明図である。
スチックGRINレンズの製造工程の説明図である。
【図2】本発明のプラスチックGRINレンズの製造方
法の一実施例において用いる重合管を示す図である。
法の一実施例において用いる重合管を示す図である。
【図3】本発明のプラスチックGRINレンズの製造方
法の他の実施例において用いる重合管およびその周辺構
成を示す図である。
法の他の実施例において用いる重合管およびその周辺構
成を示す図である。
【図4】本発明のプラスチックGRINレンズの製造方
法の他の実施例において用いる重合管およびその周辺構
成を示す図である。
法の他の実施例において用いる重合管およびその周辺構
成を示す図である。
【図5】本発明のプラスチックGRINレンズの製造方
法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を示
す図である。
法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を示
す図である。
【図6】本発明のプラスチックGRINレンズの製造方
法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を示
す図である。
法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を示
す図である。
【図7】本発明のプラスチックGRINレンズの製造方
法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を示
す図である。
法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を示
す図である。
【図8】本発明のプラスチックGRINレンズの製造方
法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を示
す図である。
法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を示
す図である。
【図9】本発明のプラスチックGRINレンズの製造方
法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を示
す図である。
法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を示
す図である。
【図10】本発明のプラスチックGRINレンズの製造
方法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を
示す図である。
方法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を
示す図である。
【図11】本発明のプラスチックGRINレンズの製造
方法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を
示す図である。
方法の他の実施例において用いる重合工程での装置例を
示す図である。
【図12】2段階共重合法を適用したプラスチックGR
INレンズの従来の製造方法の説明図である。
INレンズの従来の製造方法の説明図である。
11:重合管 11a:挿入部 11b:円錐部 11c:重合部 12:吸引装置 15:母材 16,30:重合容器 17,18:ローラ 19:モータ 20:加熱装置 21:駆動装置 23,31,32:ローラ 25,26,27:プーリ 28,33:ベルト 31:リンク 32:円板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 敦子 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 松本 和正 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内
Claims (14)
- 【請求項1】 予め一部重合したプラスチックレンズ母
材に該母材とは異なる屈折率を有するモノマーを拡散さ
せ、この拡散済み母材を重合することを経て屈折率分布
型プラスチックレンズを製造する屈折率分布型プラスチ
ックレンズの製造方法であって、 前記拡散済み母材の重合工程にて屈折率分布型プラスチ
ックレンズの外径を形成することを特徴とした屈折率分
布型プラスチックレンズの製造方法。 - 【請求項2】 前記拡散済み母材の重合工程時にレンズ
外径規定管として重合管を用いると共に、該重合管の内
径を前記拡散済み母材の外径に対してほぼ同等もしくは
小さく選んだことを特徴とした請求項1記載の屈折率分
布型プラスチックレンズの製造方法。 - 【請求項3】 前記拡散済み母材の加圧または吸引の少
なくとも一方を行って、前記拡散済み母材を前記重合管
へ挿入するようにしたことを特徴とした請求項2記載の
屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法。 - 【請求項4】 前記拡散済み母材をその中心軸に関して
回転させながら重合することを特徴とした請求項1記載
の屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法。 - 【請求項5】 前記拡散済み母材を支持部材の動きによ
り回転させることを特徴とした請求項4記載の屈折率分
布型プラスチックレンズの製造方法。 - 【請求項6】 前記支持部材を回転させることにより前
記母材を回転させることを特徴とした請求項5記載の屈
折率分布型プラスチックレンズの製造方法。 - 【請求項7】 拡散工程時に前記拡散済み母材に付着し
た余分な残留モノマーを前記支持部材が排除できること
を特徴とした請求項5記載の屈折率分布型プラスチック
レンズの製造方法。 - 【請求項8】 前記支持部材が多孔質でできていること
を特徴とした請求項7記載の屈折率分布型プラスチック
レンズの製造方法。 - 【請求項9】 前記支持部材が余分なモノマーを吸収す
ることを特徴とした請求項7記載の屈折率分布型プラス
チックレンズの製造方法。 - 【請求項10】 前記拡散済み母材を加圧しながら重合
することを特徴とした請求項1記載の屈折率分布型プラ
スチックレンズの製造方法。 - 【請求項11】 前記拡散済み母材の平均的比重とほぼ
同じ比重の液体中に前記拡散済み母材を入れて加圧しな
がら重合することを特徴とした請求項10記載の屈折率
分布型プラスチックレンズの製造方法。 - 【請求項12】 熱または光の少なくとも一方により収
縮する材料からなる筒状の容器内に前記拡散済み母材を
挿入し、前記容器内壁と前記拡散済み母材との接触によ
り前記拡散済み母材を加圧しながら重合することを特徴
とした請求項10記載の屈折率分布型プラスチックレン
ズの製造方法。 - 【請求項13】 円錐状に内径が縮小する円錐部を有し
た重合管を用い、前記拡散済み母材を該円錐部を通過さ
せることにより徐々にその外径を縮小させながら小径の
重合部に移すことにより、前記拡散済み母材を加圧し、
この加圧状態の前記拡散済み母材を重合することを特徴
とした請求項10記載の屈折率分布型プラスチックレン
ズの製造方法。 - 【請求項14】 前記拡散済み母材の重合工程時にレン
ズ外径規定管として重合管を用いると共に、該重合管の
内径を拡散済み母材の外径に対してほぼ同等に選び、該
重合管に前記拡散済み母材を挿入後、該重合管の両端開
放口より加圧しながら重合することを特徴とした請求項
10記載の屈折率分布型プラスチックレンズの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29156794A JPH08146204A (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29156794A JPH08146204A (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08146204A true JPH08146204A (ja) | 1996-06-07 |
Family
ID=17770598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29156794A Pending JPH08146204A (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 屈折率分布型プラスチックレンズの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08146204A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003066249A (ja) * | 2001-08-23 | 2003-03-05 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 光伝送体、その製造方法および検査方法、並びにレンズアレイ、ledプリンタ及びスキャナ |
US6682666B2 (en) * | 2000-07-29 | 2004-01-27 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Object with radially varying refractive index, and producing method and apparatus thereof |
-
1994
- 1994-11-25 JP JP29156794A patent/JPH08146204A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6682666B2 (en) * | 2000-07-29 | 2004-01-27 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Object with radially varying refractive index, and producing method and apparatus thereof |
JP2003066249A (ja) * | 2001-08-23 | 2003-03-05 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 光伝送体、その製造方法および検査方法、並びにレンズアレイ、ledプリンタ及びスキャナ |
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