JPH08146027A - 水深流速計 - Google Patents

水深流速計

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Publication number
JPH08146027A
JPH08146027A JP29136894A JP29136894A JPH08146027A JP H08146027 A JPH08146027 A JP H08146027A JP 29136894 A JP29136894 A JP 29136894A JP 29136894 A JP29136894 A JP 29136894A JP H08146027 A JPH08146027 A JP H08146027A
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JP
Japan
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water
pressure
housing
water depth
hole
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Pending
Application number
JP29136894A
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English (en)
Inventor
Minoru Sakaimoto
実 堺本
Fumio Masuda
文男 増田
Toru Saiki
徹 斉木
Masahiro Kondo
真啓 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 河川が増水し流速が時々刻々に変動している
状況下であっても筐体を安定した状態で入水できるよう
にするとともに、流木、流石により損傷を受けないよう
にしてリアルタイムに継続的に計測できるようにする。 【構成】 重心近傍で索条と連結する保持具が設けられ
た筐体に、重力方向の力を与える翼手段を取付け、この
翼手段が入水したときに流水により受ける重力方向の分
力で筐体を索条の繰り出しにより指定した位置まで安定
した状態で沈下させる。流水中では水流に平行に開口す
る動水圧孔および水流に垂直に開口する静水圧孔に生じ
る水圧をそれぞれ二つの圧力センサで検出して電気信号
に変換し、この電気信号を索条に併設した通信線を介し
て出力する。 【効果】 異物混流あるいは強風にさらされる悪い環境
であっても有効に計測を継続することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、河川の水深別の流速を
測定するために利用する。本発明は、河川の増水時の水
深流速を測定するに適する。本発明は、筐体を安定した
状態で入水できるようにした水深流速計の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、流水中に曝される魚形の筐体
と、この筐体の重心近傍に設けられ索条と連結する保持
具とを備え、この筐体には水流に平行に設けた動水圧孔
および水流に垂直に設けた静水圧孔を備え、この動水圧
孔および静水圧孔に生じる水圧を電気信号に変換する二
つの圧力センサが筐体内に実装され、この二つの圧力セ
ンサの出力電気信号を陸上に伝送する伝送手段を備えた
水深流速計が建設省土木研究所により研究された。
【0003】このように構成された従来の水深流速計
は、それまでに問題とされてきた欠点、すなわち、測
定結果を知るためには筐体を引き上げなければならずリ
アルタイムに状況把握ができない、保守整備に工数を
要する、筐体内部に機械的な可動機構が備えられてい
るので衝撃による影響を受けやすく測定精度が必ずしも
安定しない、河川の増水や河川に異物が流れているな
どの環境の悪い状態で安定した測定ができない、流速
が小さい範囲での測定精度が満足できない、などの問題
に改良が加えられた。これにより、リアルタイムで継続
的に、かつ流速が小さい場合にも高い精度を持って流速
を測定することができ、構造が簡単かつ堅牢であり、保
守整備を簡単に行えるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】河川の環境が通常の状
態にある場合には、このように改良された従来の水深流
速計で十分に目的は達せられるが、河川の水深流速はむ
しろ長雨あるいは台風による増水時のように異常状態時
に測定されるもので、このようなときには河川の流速が
大きく、索条を繰り出して筐体を流水中に投入しようと
したときに、頭部がはね飛ばされて安定した状態で入水
することができず、さらには強風下で、水面には流木な
どの異物が流れ、河床には流石が押し流されているため
に衝突による破損の恐れがあり、その改良が望まれてい
た。
【0005】本発明はこのような背景におこなわれたも
のであって、河川が増水し、暴風雨のもとであっても安
定した状態で入水できる装置を提供することを目的とす
る。本発明は流木や流石との衝突を避けることができる
装置を提供することを目的とする。本発明は筐体と河床
との距離を自動的に計測し下降および上昇を適切に制御
することができる装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は河川の水深別の
流速を安定した状態で測定できる計測器に関するもの
で、流水中に曝される魚形の筐体と、この筐体の重心近
傍に設けられ索条と連結する保持具とを備え、この筐体
には水流に平行に設けた動水圧孔および水流に垂直に設
けた静水圧孔を備え、この動水圧孔および静水圧孔に生
じる水圧を電気信号に変換する二つの圧力センサが前記
筐体内に実装され、この二つの圧力センサの出力電気信
号を陸上に伝送する伝送手段を備えた水深流速計におい
て、流水により前記筐体に重力方向の力を与える翼手段
が前記筐体底部に取付けられたことを特徴とする。
【0007】河床からの距離を非接触測定し前記伝送手
段に与える測距手段を備え、前記伝送手段は複数の情報
を多重伝送する手段を含み、前記動水圧孔および静水圧
孔には水となじまない油液があらかじめ注入され、前記
静水圧孔は前記筐体の一方の側部に設けられた一開口型
の孔であることが望ましく、前記伝送手段は、前記索条
に併設された通信線を含み、この通信線は光ファイバで
あるか、もしくは前記伝送手段は、前記索条に巻付けら
れたアンテナ線を含む無線伝送手段であることができ
る。
【0008】
【作用】索条が繰り出され翼手段が入水すると水流によ
り押し流そうとする力が加えられる。翼手段は円錐状に
形成されているので、重力方向への分力が動き、この分
力が筐体を流水中に誘導し索条に張力を与えた状態で停
止する。翼手段は河川の流れの速さ、水面の波立ちの程
度には関係なく重力方向への分力を受けるので、水流が
速く、風の影響があっても安定した状態で筐体を流水中
に入水させることができる。
【0009】索条を繰り出すか巻き取るかによって筐体
の位置は変化するが、この河床からの距離の変化を測距
手段が計測し、その値は観測基地に表示される。河床で
は流石が移動しているので、筐体との衝突を避けるに必
要とされる距離(例えば1m)があらかじめ設定されて
いて、その下降および上昇は測距手段により計測された
異物の流れの少ない範囲で行うことができる。これによ
って筐体が異物に衝突し破損することを回避することが
できる。
【0010】流水中に投入された筐体の動水圧孔には全
水圧が加わり、この全水圧が動水圧孔側の第一圧力セン
サを押圧する。同時に、筐体側面に配置された静水圧孔
に静水圧が加わり、この静水圧が全水圧に対抗する逆の
方向から第一圧力センサを押圧する。この第一圧力セン
サは全水圧と静水圧との差圧を検出し電気信号に変換し
て観測基地に伝送する。観測基地では伝送された電気信
号を流速として記録する。静水圧孔からの静水圧は静水
圧孔側の第二圧力センサも押圧する。第二圧力センサに
はこの静水圧の押圧方向に対抗してあらかじめ大気圧が
かけられている。第二圧力センサは静水圧と大気圧との
差圧を検出し電気信号に変換して観測基地に伝送する。
観測基地では伝送された電気信号を水深として記録す
る。前述の複数の情報は多重伝送手段により観測基地に
送出される。
【0011】動水圧孔および静水圧孔には水となじまな
い油液があらかじめ注入されているので、河川の流れに
混入している不純物が侵入することはなく、またその形
態は一開口型の孔であるために油液の流出がなくなり、
したがって油液の注入などの保守作業が不要になるとと
もに、油液のない状態での測定による精度不良をなくす
ことができる。
【0012】索条には筐体内からの通信線が併設されて
いるが、通信線に光ファイバを用いた場合には索条の直
径を小さくすることができ、無線通信により情報の伝送
を行う場合にもその直径を小さくすることができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0014】(第一実施例)図1は本発明第一実施例の
要部の構成を示す断面図、図2は本発明第一実施例の図
1に示すA−A断面図、図3は本発明第一実施例の流水
中に配置された状態を示す図である。
【0015】本発明第一実施例は、流水中に曝される魚
形の筐体1と、この筐体1の重心近傍に設けられ索条2
と連結する保持具3とを備え、筐体1には水流に平行に
設けられた動水圧孔1aおよび水流に垂直に設けられた
静水圧孔1bを備え、この動水圧孔1aおよび静水圧孔
1bに生じる水圧を電気信号に変換する第一圧力センサ
4および第二圧力センサ5が筐体1内に実装され、この
第一圧力センサ4および第二圧力センサ5の出力電気信
号を陸上に伝送する伝送手段9を備え、本発明の特徴と
して、流水により筐体1に重力方向の力を与える翼手段
が筐体1の底部に取付けられる。この翼手段には円錐板
54が用いられ、伝送手段9には索条2に併設された通
信線が含まれる。
【0016】さらに、筐体1の内部には河床52からの
距離を非接触測定し伝送手段9に与える測距手段51が
備えられ、動水圧孔1aおよび静水圧孔1bには水とな
じまない油液が注入され、静水圧孔1bは図2に示すよ
うに筐体1の一方の側部に一開口型の孔として設けられ
る。これにより油液の流出が防止される。
【0017】図4は本発明第一実施例における第一圧力
センサの全体構成の一例を示す管路の軸方向に分割した
分解斜視図、図5は本発明第一実施例における第一圧力
センサの検出部の構成を示す管路の軸方向に分割した分
解斜視図、図6は本発明第一実施例における図5に示す
B部拡大図である。
【0018】第一圧力センサ4は、静水圧孔側管路11
に接続されたヘッダ12と、このヘッダ12上に載置固
定された検出部13と、この検出部13に電気的に接続
されヘッダ12に固定された複数の接続ピン14と、ヘ
ッダ12に被せられ検出部13を密閉状態にする圧力ポ
ート15と、この圧力ポート15と図1に示す動水圧孔
1aとを連結する動水圧孔側管路16とを備える。
【0019】検出部13は、図5および図6に示すよう
に、耐熱性の絶縁体17上に圧力検知部18が載置固定
され、絶縁体17には第二圧力センサ5に導通する導通
孔17aが設けられる。また、圧力検知部18の導通孔
17aに対向する側には圧力空間18aが形成され、こ
の圧力空間18aの圧力を検知するダイヤフラム19と
接続端子を含む配線基板20とが備えられる。さらに、
ダイヤフラム19に埋め込まれた状態で複数のストレイ
ンゲージ21が配置され、ダイヤフラム19の両面はS
iO2 膜22により被膜される。
【0020】図7は本発明第一実施例における第二圧力
センサの全体構成の一例を示す断面図、図8は本発明第
一実施例における第二圧力センサの検出部の構成を示す
管路の軸方向に分割した分解斜視図である。
【0021】第二圧力センサ5は、筐体1内の大気圧を
導入する大気圧導入孔7に接続されたヘッダ32と、こ
のヘッダ32上に載置固定された検出部33と、この検
出部33に電気的に接続されヘッダ32に固定された複
数の接続ピン34と、ヘッダ32に被せられ検出部33
を密閉状態にする圧力ポート35と、この圧力ポート3
5と図1に示す静水圧孔1bからの管路とを連結する静
水圧孔側管路36とを備える。
【0022】検出部33は、図8に示すように、耐熱性
の絶縁体37上に圧力検知部38が載置固定され、絶縁
体37には大気圧導入孔7に通じる導通孔37aが設け
られる。また、圧力検知部38の導通孔37aに対向す
る側には圧力空間38aが形成され、この圧力空間38
aの圧力を検知するダイヤフラム39と接続端子を含む
配線基板40とが備えられる。さらに、図6に示す第一
圧力センサ4同様にダイヤフラム39に埋め込まれた状
態で複数のストレインゲージ41が配置され、ダイヤフ
ラム39の両面は図6に示すようにSiO2 膜22によ
り被覆される。
【0023】動水圧孔1aと第一圧力センサ4とを接続
する管路内、第一圧力センサ4および静水圧孔1bと第
二圧力センサ5とを接続する管路内には油液が封入され
ているので、ダイヤフラム19および39はこの封入液
を介して受圧し、ストレインゲージ21および41がそ
の受圧による変位を電気信号に変換する。
【0024】図9は本発明第一実施例における測距手段
の要部の構成を示すブロック図である。測距手段51に
は、クロック信号を発生するクロック信号発生器51a
と、このクロック信号発生器51aからのクロック信号
を受けて繰返しパルス信号を発生するパルス発生器51
bと、減衰器51cと、送信信号および受信信号を分離
する送受信信号分離器51dと、この送受信信号分離器
51dからの送信信号を音響に変換して河床52に向け
て送信するとともに河床に反射した音響を受けて電気信
号に変換する電気・音響変換器51eと、送受信信号分
離器51dからの受信信号を受信する受信回路51f
と、この受信回路51f、クロック信号発生器51bお
よび減衰器51cからの出力を受けて送信波と受信反射
波との時間差を計測し、測距情報として出力する時間差
計数器51gとが備えられる。
【0025】図10は本発明第一実施例における伝送手
段および観測基地の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【0026】伝送手段9には、第一圧力センサ4からの
流速を示す動水圧、第二圧力センサ5からの水深を示す
静水圧と大気圧との差圧、および測距手段51からの測
距情報を多重化する多重回路9aと、この多重回路9a
からの信号を送信する送信器9bと、この送信器9bが
送信する電気信号を光信号に変換する電気・光変換器9
cとが備えられる。索条2に併設された通信線には電気
信号線あるいは光ファイバが用いられるが、本第一実施
例では光ファイバが用いられるものとして説明する。
【0027】本発明の測定原理はベルヌーイの定理に基
づくもので、ここでその測定原理について図11を参照
して説明する。
【0028】P=全水圧 P1 =静水圧 P2 =動水圧 V=流速 g=重力の加速度 w=水の単位重量 とすると、 P=P1 +P2 =(V2 /2g)+(P1 /w) 水の密度を1とすれば、 P=(V2 /2g)+P1 したがって、
【0029】
【数1】 ここで、動水圧孔1aの形状による補正係数をkとする
と、流速Vは、
【0030】
【数2】 により求めることができる。但し、静水圧P1 は静水圧
孔1bに現れた圧力から大気圧P0 を差引いた値とな
る。
【0031】次に、本発明第一実施例水深流速計による
水深および流速の測定について図9、図10および図1
1を参照して説明する。
【0032】筐体1を懸架する索条2を繰出してゆく
と、まず、円錐板54が河川の流れの中に入水する。こ
のとき円錐板54のテーパ面が流水による力を受けて、
そのテーパの角度に応じた垂直方向(河床52の方向)
の分力が生じ筐体1を水中に引き込み、索条2に張力が
加えられた状態で水中に停止する。このように、円錐板
54のテーパ面の作用により筐体1は強制的に流れの中
に引き込まれるために、流速や水面の状態に関係なく円
滑に入水させることができる。流れの中では尾翼8によ
り筐体1は頭部を上流に向けた安定した状態が維持され
る。
【0033】筐体1が入水すると測距手段51の電気・
音響変換器51eからパルス発生器51bが発生したパ
ルス信号が音響に変換されて河床52に向けて発信され
る。発信された音響は河床52で反射して筐体1に向け
て戻される。この反射音響を電気・音響変換器51eが
受けて電気信号に変換し送受信信号分離器51dに送出
する。送受信信号分離器51dは分離した受信信号を受
信回路51fを介して時間差計数器51gに送出する。
時間差計数器51gはこの受信信号、減衰器51cから
のパルス信号およびクロック信号発生器51aからのク
ロック信号により音響信号の送信から受信までの時間差
を計数し測距情報として観測基地に送信する。観測基地
には地上基地と移動車両とがあるが本実施例では地上基
地にあるものとして説明する。
【0034】観測基地ではこの測距情報を参考にして索
条2の繰出し量を調節し、予測される流石53の大きさ
から衝突を避けることができる河床52からの距離を設
定して、その位置から水面を流れる流木が衝突しない範
囲での水深における流速が測定される。
【0035】ここで、流速および水深の測定動作につい
て説明する。流水中に設定された筐体1の動水圧孔1a
内には水流が導入されて第一圧力センサ4の図5に示す
ダイヤフラム19が図11に示す全水圧Pで押圧され
る。一方、静水圧孔1b内にもそのときの水深に応じた
静水圧P1 が加わり、この静水圧P1 が第一圧力センサ
4のダイヤフラム19を全水圧Pに対抗して押圧すると
ともに、第二圧力センサ5のダイヤフラム39を押圧す
る。第二圧力センサ5のダイヤフラム39には静水圧孔
1bからの静水圧P1 に対抗するように大気圧導入孔7
からの筐体1内の大気圧P0 が加えられる。
【0036】第一圧力センサ4では、動水圧孔1aから
の全水圧Pにより押圧されたダイヤフラム19が変位す
るとともに、静水圧孔1bからの静水圧P1 により押圧
されたダイヤフラム19が全水圧Pによる変位方向に対
抗して変位する。その差圧による変位がダイヤフラム1
9に加えられ、ストレインゲージ21にその変位に応じ
た歪が生じて抵抗変化として検出され、電気信号に変換
される。
【0037】同時に、第二圧力センサ5では、大気圧導
入孔7から筐体1内の大気圧P0 が加えられているダイ
ヤフラム39が静水圧孔1bからの静水圧P1 により押
圧される。この静水圧P1 と大気圧P0 との差圧に応じ
た圧力が封入された油液を介してストレインゲージ41
に加えられ、これにより水深が抵抗の変化として検出さ
れ、電気信号に変換される。
【0038】第一圧力センサ4、第二圧力センサ5およ
び水深の参考値を得るための測距手段51からの電気信
号は伝送手段9に送出され、伝送手段9では多重回路9
aがこれらの電気信号を多重化し、多重化された信号は
送信器9bを経て電気・光変換器9cで光信号に変換さ
れ、光ファイバ6を介して観測基地に送信される。
【0039】観測基地では、この光ファイバ6からの光
信号を光・電気変換器50aが電気信号に変換し、受信
器50bを経て分離回路50cに送出する。分離回路5
0cでは、受信した電気信号を流速情報、水深情報、お
よび測距情報に分離し、記録計46およびメモリカード
記録機47に送出する。メモリカード記録機はメモリカ
ード48にそれぞれのデータを記録し、このメモリカー
ド48を用いて計算機49により必要とされる演算処理
が行われる。
【0040】なお、分離回路50cで分離された測距情
報は図外の表示装置に表示され、観測基地ではこの表示
を見ながら筐体1の流水中での移動範囲が設定される。
【0041】このような測定は水深を所定の速度で変え
ながら連続的に行うことができる。また、その記録は記
録計46により連続して行われるとともに、メモリカー
ド記録機47からのメモリカード48を用いて計算機4
9により必要とするデータが演算される。
【0042】図12は本発明実施例水深流速計による水
深および流速の測定記録例を示す図、図13は本発明実
施例水深流速計により連続測定した水深と流速との関係
を示す図である。
【0043】図12の記録例は、21秒間に水深を0か
ら2mまでほぼ等速度で変化させその水深における流速
を記録したもので、このように水深を連続的に変えなが
らその水深における流速を測定することができる。な
お、同図中のA部に示されるように水深の変化がスムー
ズに記録されていないのは手操作により行ったためで、
これは昇降装置を用いることによって改善することがで
きる。
【0044】また、図13は水深2.2mまで100秒
および20秒でそれぞれ下降させたときの水深(m)お
よび流速(m/sec)の記録例を示したもので、水深
は瞬間値であり、流速は各水深点とその前後3点の1秒
ピッチでの平均値である。この記録によると下降速度が
異なっても測定値に相異はみられず、その平均流速の差
は1%程度であり、応答性にすぐれていることがわか
る。
【0045】図14は動圧力と流速との理論的な関係を
示す図である。このように低流速の範囲では動圧変化が
少なく、正確に測定することが困難であるが、本発明に
よれば高感度の圧力センサを用いて、その検出出力を電
気信号として外部に取出し処理を行うことができるため
に、低流速の場合であっても正確な測定値を得ることが
できる。
【0046】(第二実施例)図15は本発明第二実施例
の要部の構成を示す断面図である。
【0047】本発明第二実施例は、第一実施例の大気圧
導入孔に、索条2に併設され筐体1内に外部から大気圧
を導入する大気圧導入管路10が接続され、筐体1内に
静水圧孔1bの水圧とこの大気圧導入管路10に現れる
大気圧との差圧を発生させる手段を備える。その他は第
一実施例同様に構成される。
【0048】本第二実施例の場合は、索条2に大気圧導
入管路10が併設されるので、その外径が大きくなり水
流中に曝されたときに受ける抵抗は大きくなるが、台風
のときなどには大気圧が数%変動し水深にして数十cm
の差を生じることになる。したがってこのような大気圧
の変動を考慮しての正確な測定値を得たい場合には有効
である。
【0049】(第三実施例)図16は本発明第三実施例
の要部の構成を示す断面図である。
【0050】本発明第三実施例は、第一実施例における
図1に示す大気圧導入孔7が閉塞され、静水圧孔1bに
加わる静水圧の圧力値を直接に(比較圧力ではない)検
出する第二圧力センサ5aが備えられる。一方、観測基
地には別に備えられた大気圧センサ(図示せず)からの
検出出力が入力され、変換処理が行われたデータが記録
計46およびメモリカード記録機47に出力されて記録
される。
【0051】本発明第三実施例は、第二圧力センサ5で
の静水圧と大気圧との差圧を検出する機構が不要となる
ので構造が簡単になり、製作費の低減をはかり、保守整
備に要する時間を削減することができる利点がある。
【0052】(第四実施例)図17は本発明第四実施例
の要部の構成を示す断面図である。
【0053】本発明第四実施例は、動水圧孔1aからの
動水圧および静水圧孔1bからの静水圧を第一圧力セン
サ4aおよび第二圧力センサ5aにより直接かつ個別に
検出するように構成される。第一圧力センサ4aおよび
第二圧力センサ5aからの検出出力は電気信号として観
測基地に個別に伝送される。観測基地では、第三実施例
同様に大気圧センサから大気圧が検出されていて、伝送
された動水圧および静水圧とこの大気圧とに基づき演算
が行われ、水深および流速が算出される。
【0054】本第四実施例の場合は、第二実施例におけ
る大気圧導入管路10が不要になるとともに第一圧力セ
ンサ4aでの差圧を検出する機構が不要になるために、
その構造をさらに簡単にすることができ、製作費の低減
および保守整備の容易化をはかることができる利点があ
る。
【0055】(第五実施例)図18は本発明第五実施例
の流水中に配置された状態を示す図、図19は本発明第
五実施例における伝送手段および観測基地の電気的構成
を示すブロック図である。本第五実施例の場合は観測基
地として移動車両が用いられるものとして説明する。
【0056】本発明第五実施例は、筐体1内に備えられ
た伝送手段90内の多重回路90aからの信号を無線に
より送信する無線送信器90bと、索条2に所定の長さ
(例えば10m)をもって巻回され無線信号を送信する
アンテナ90cとが備えられ、その他は第一実施例と同
様に構成される。
【0057】なお、観測基地としての移動車両には、ア
ンテナ90cからの無線信号を受けるアンテナ50f
と、このアンテナ50fからの信号を受信する無線受信
器50dと、無線信号を流速、水深、測距の各情報に分
離する分離回路50cと、測距情報を表示する表示装置
50eとが備えられ、その他は第一実施例で説明した観
測基地同様に構成される。
【0058】本第五実施例の場合は、第一圧力センサ
4、第二圧力センサ5および測距手段51により測定さ
れたデータが多重回路90aで多重され、無線送信器9
0bにより無線信号としてアンテナ90cから送信され
る。アンテナ90cは河川の水深をあらかじめ考慮して
水没しない程度の長さをもって索条2に巻回されてい
る。
【0059】アンテナ90cからの無線信号は移動車両
側のアンテナ50fを経て無線受信器50dが受信し、
分離回路50cで流速、水深、距離を示す電気信号とし
て分離され、第一実施例同様の処理が行われる。なお、
分離回路50cからの測距データは表示装置50eに表
示され、この測距データを参考にして索条2の繰出し操
作が行われる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、河
川が増水し流速が時々刻々に変動し、あるいは強風にさ
らされている状況下であっても筐体がはねとばされるこ
となく安定した状態で入水させることができ、また、筐
体と河床までの距離を測距しながら索条の繰出し操作を
行うことができるので、流木や流石が通過する位置を避
けて損傷を受けない状態でリアルタイムに継続的に計測
を行うことができる。さらに、静水圧口が一開口型の孔
であるために注入されている油液の流出が防止されて測
定精度の低下を防止することができる。さらに通信手段
として光ファイバあるいは無線を利用することによって
索条の外径を小さくし水流に対する抵抗を少なくするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の要部の構成を示す断面図。
【図2】本発明第一実施例の図1に示すA−A断面図。
【図3】本発明第一実施例の流水中に配置された状態を
示す側面図。
【図4】本発明第一実施例における第一圧力センサの全
体構成の一例を示す管路の軸方向に分割した分解斜視
図。
【図5】本発明第一実施例における第一圧力センサの検
出部の構成を示す管路の軸方向に分割した分解斜視図。
【図6】本発明第一実施例における図5に示すB部拡大
図。
【図7】本発明第一実施例における第二圧力センサの全
体構成の一例を示す断面図。
【図8】本発明第一実施例における第二圧力センサの検
出部の構成を示す管路の軸方向に分割した分解斜視図。
【図9】本発明第一実施例における測距手段の要部の構
成を示すブロック図。
【図10】本発明第一実施例における伝送手段および観
測基地の電気的構成を示すブロック図。
【図11】本発明に係わる測定原理を説明する図。
【図12】本発明第一実施例水深流速計による水深およ
び流速の測定記録例を示す図。
【図13】本発明第一実施例水深流速計により連続測定
した水深と流速との関係を示す図。
【図14】動圧力と流速との理論的な関係を示す図。
【図15】本発明第二実施例の要部の構成を示す断面
図。
【図16】本発明第三実施例の要部の構成を示す断面
図。
【図17】本発明第四実施例の要部の構成を示す断面
図。
【図18】本発明第五実施例の流水中に配置された状態
を示す図。
【図19】本発明第五実施例における伝送手段および観
測基地の電気的構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 筐体 1a 動水圧孔 1b 静水圧孔 2 索条 3 保持具 4、4a 第一圧力センサ 5、5a 第二圧力センサ 6 光ファイバ 7 大気圧導入孔 8 尾翼 9、90 伝送手段 9a、90a 多重回路 9b 送信器 9c 電気・光変換器 10 大気圧導入管路 11、36 静水圧孔側管路 12、32 ヘッダ 13、33 検出部 14、34 接続ピン 15、35 圧力ポート 16 動水圧孔側管路 17、37 絶縁体 17a、37a 導通孔 18、38 圧力検知部 18a、38a 圧力空間 19、39 ダイヤフラム 20、40 配線基板 21、41 ストレインゲージ 22 SiO2 膜 45 変換処理部 46 記録計 47 メモリカード記録機 48 メモリカード 49 計算機 50a 光・電気変換器 50b 受信器 50c 分離回路 50d 無線受信器 50e 表示装置 50f、90c アンテナ 51 測距手段 51a クロック信号発生器 51b パルス発生器 51c 減衰器 51d 送受信信号分離器 51e 電気・音響変換器 51f 受信回路 51g 時間差計数器 52 河床 53 流石 54 円錐板 90b 無線送信器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 真啓 東京都中央区新川1丁目5番13号 横河ウ ェザック株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流水中に曝される魚形の筐体と、この筐
    体の重心近傍に設けられ索条と連結する保持具とを備
    え、この筐体には水流に平行に設けた動水圧孔および水
    流に垂直に設けた静水圧孔を備え、この動水圧孔および
    静水圧孔に生じる水圧を電気信号に変換する二つの圧力
    センサが前記筐体内に実装され、この二つの圧力センサ
    の出力電気信号を陸上に伝送する伝送手段を備えた水深
    流速計において、 流水により前記筐体に重力方向の力を与える翼手段が前
    記筐体底部に取付けられたことを特徴とする水深流速
    計。
  2. 【請求項2】 河床からの距離を非接触測定し前記伝送
    手段に与える測距手段を備えた請求項1記載の水深流速
    計。
  3. 【請求項3】 前記伝送手段は複数の情報を多重伝送す
    る手段を含む請求項2記載の水深流速計。
  4. 【請求項4】 前記動水圧孔および静水圧孔には水とな
    じまない油液があらかじめ注入された請求項1記載の水
    深流速計。
  5. 【請求項5】 前記静水圧孔は前記筐体の一方の側部に
    設けられた一開口型の孔である請求項4記載の水深流速
    計。
  6. 【請求項6】 前記伝送手段は、前記索条に併設された
    通信線を含む請求項1または2記載の水深流速計。
  7. 【請求項7】 前記通信線は光ファイバである請求項6
    記載の水深流速計。
  8. 【請求項8】 前記伝送手段は、前記索条に巻付けられ
    たアンテナ線を含む無線伝送手段である請求項1または
    2記載の水深流速計。
JP29136894A 1994-11-25 1994-11-25 水深流速計 Pending JPH08146027A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006514278A (ja) * 2003-02-03 2006-04-27 インディアン インスティテュート オブ サイエンス 気体流速測定のための方法、固体材料にかけて流れる気体流を用いるエネルギー変換のための方法及びこれらの方法のためのデバイス
JP2019035677A (ja) * 2017-08-17 2019-03-07 株式会社 拓和 水中距離観測装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006514278A (ja) * 2003-02-03 2006-04-27 インディアン インスティテュート オブ サイエンス 気体流速測定のための方法、固体材料にかけて流れる気体流を用いるエネルギー変換のための方法及びこれらの方法のためのデバイス
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