JP2019035677A - 水中距離観測装置 - Google Patents

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JP2019035677A JP2017157541A JP2017157541A JP2019035677A JP 2019035677 A JP2019035677 A JP 2019035677A JP 2017157541 A JP2017157541 A JP 2017157541A JP 2017157541 A JP2017157541 A JP 2017157541A JP 2019035677 A JP2019035677 A JP 2019035677A
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重信 鶴岡
Shigenobu Tsuruoka
重信 鶴岡
アヌ バネパリ
Anu Banepari
アヌ バネパリ
秀之 小池
Hideyuki Koike
秀之 小池
聡之 井坂
Satoyuki Isaka
聡之 井坂
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【課題】水中内の基準位置から距離測定対象位置までの距離を高精度に観測することができる水中距離観測装置を提供する。【解決手段】送受信器10は、距離測定対象位置である河床200Bに向けて超音波を送信する送信器11と河床200Bからの反射波を受信する受信器12とを有する。計測データ生成部211は、送信器11が複数の基本送信波W1を送信し、受信器12が複数の基本受信波W2を受信したときに、複数の基本受信波W27それぞれを積分する。計測データ生成部211はそれぞれの積分波形を重畳する。計測データ生成部211は、送信器11が複数の基本送信波W1それぞれを送信したタイミングを基準タイミングとして、基準タイミングから重畳波形に含まれるピークの発生タイミングまでの時間を算出する。計測データ生成部211は、算出された時間に基づいて、送受信器10から河床200Bまでの距離を算出する。【選択図】図2

Description

本発明は、水中距離を観測する水中距離観測装置に関する。
河床は洪水時に洗掘され、流速の低下に伴って埋め戻される。河川の流量を高精度に観測するため、または、橋脚等の河川構造物の安全性を確保するために、河川における河床洗掘の程度を観測することが必要である。特許文献1には、従来の河床洗掘観測装置が記載されている。河床洗掘観測装置は、基準位置から河床までの距離を観測する水中距離観測装置の1つである。
特開昭61−10609号公報
河川等の水中内において基準位置から距離測定対象位置までの距離を高精度に観測することができる水中距離観測装置が求められている。本発明は、水中内の基準位置から距離測定対象位置までの距離を高精度に観測することができる水中距離観測装置を提供することを目的とする。
本発明は、水中に設置され、距離測定対象位置に向けて超音波の送信波を送信する送信器と前記距離測定対象位置からの反射波を受信波として受信する受信器とを有する送受信器と、前記受信波を増幅する増幅器と、前記送信器が所定時間の基本送信波を所定の時間間隔で複数送信して、前記受信器が複数の基本受信波を受信したときに、前記増幅器によって増幅された前記複数の基本受信波それぞれを積分する積分器と、前記積分器によって得られた前記複数の基本受信波それぞれの積分波形を重畳する積分波形重畳部と、前記送信器が前記複数の基本送信波それぞれを送信したタイミングを基準タイミングとして、前記基準タイミングから前記積分波形重畳部によって得られた重畳波形に含まれるピークの発生タイミングまでの時間を算出する時間算出部と、前記時間算出部によって算出された時間に基づいて、前記送受信器から前記距離測定対象位置までの距離を算出する距離算出部とを備えることを特徴とする水中距離観測装置を提供する。
本発明の水中距離観測装置によれば、水中内の基準位置から距離測定対象位置までの距離を高精度に観測することができる。
一実施形態の水中距離観測装置で用いる距離センサの一構成例を示す図である。 一実施形態の水中距離観測装置を示すブロック図である。 一実施形態の水中距離観測装置を設置する場所の例を示す図である。 図2における計測データ生成部211の機能的な内部構成例を示すブロック図である。 図2における送信器11が送信する基本送信波W1を示す図である。 1つの基本送信波W1の拡大図である。 図2における受信器12が受信する基本受信波W2を示す図である。 図2における増幅器26によって基本受信波W2を増幅した基本受信波W26及びその積分波形W3を示す図である。 河川が中濁度であるときの基本受信波W26及び積分波形W3を示す図である。 河川が高濁度であるときの基本受信波W26及び積分波形W3を示す図である。 位相シフトした基本受信波W26及び積分波形W3を示す図である。 ごみの影響を受けた基本受信波W26及び積分波形W3を示す図である。 図8〜図12の積分波形W3を合わせて示す図である。 5つの積分波形W3を重畳した重畳波形W30の一例を示す図である。 一実施形態の水中距離観測装置を堤防洗掘観測装置または水位観測装置として用いている状態を示す図である。 距離センサが送信波を送信して受信波を受信する向きを可変するための一構成例を示す正面図である。 距離センサが送信波を送信して受信波を受信する向きを可変するための一構成例を示す上面図である。
以下、一実施形態の水中距離観測装置について、添付図面を参照して説明する。図1に示す水中距離観測装置は、河床洗掘の程度を観測する河床洗掘観測装置として用いられている。
まず、図1を用いて、一実施形態の水中距離観測装置で用いる距離センサ1の一構成例を説明する。距離センサ1は、一点鎖線で示すように超音波を送受信する送受信器10、無線機基板20、ソーラーパネル28を備える。無線機基板20はパイプ120内に収納されている。パイプ120の下端に下蓋121が装着され、上端に上蓋122が装着されているから、パイプ120の内部には水が浸入しない。
ソーラーパネル28は透明の収納体128に収納されている。パイプ120の上部に収納体128が取り付けられている。収納体128の内部には水が浸入しない。送受信器10と無線機基板20とはケーブル13で接続されている。送受信器10に接続されたケーブル13は、下蓋121を貫通して無線機基板20に接続さている。
以上のように構成された距離センサ1は、保持体の一例であるLアングル150に取り付けられている。Lアングル150は、河川200に設けられた河川構造物の一例であるH鋼210に固定されている。
図1において、送受信器10は、水位が平水位NWL(Neutral Water Level)であっても水没するような位置に設けられている。平水時には河床は二点鎖線で示す河床200Aであり、水位が最高水位HWL(High Water Level)となる洪水時には、河床は洗掘されて実線で示す河床200Bとなる。現在、河床は河床200Bであるとする。
図2を用いて、本実施形態の水中距離観測装置の構成及び動作を説明する。水中距離観測装置は、距離センサ1、中継局3、河川監視事務所4内のデータ送受信部41及びデータ処理装置42を備える。距離センサ1と中継局3とは無線にて接続されている。中継局3と河川監視事務所4とは有線または無線にて接続されている。中継局3と河川監視事務所4とは光ケーブルで接続されていてもよいし、携帯電話またはVSAT(Very Small Aperture Terminal)等の所定規格の無線回線で接続されていてもよい。
図3に示すように、中継局3は、例えば、堤防201に設置した建屋に設置されている。中継局3は、堤防201に設けられた支柱等に取り付けられていてもよい。中継局3を設置する場所は堤防201に限定されない。中継局3は、距離センサ1と無線にて通信できる距離以内の任意の場所に設置されていればよい。
図2に示すように、送受信器10は、河床200Bに向けて超音波を送信(射出)する送信器11と、河床200Bからの反射波を受信波として受信する受信器12とを有する。図1に示すように、送受信器10は送受信器10の直下の河床200Bに向けて超音波を送信するのではなく、離れた位置の河床200Bに向けて超音波を送信して反射波を受信するのがよい。
無線機基板20は、マイクロコンピュータ21、無線機22、充電池23、送信制御部24、送信波形生成部25、増幅器26、A/D変換器27を備える。充電池23は、無線機基板20の外部に設けられていてもよい。
ソーラーパネル28からの電力は充電池23に供給され、充電池23は充電される。ソーラーパネル28及び充電池23は、距離センサ1の電源部を構成する。充電池23は、送受信器10、マイクロコンピュータ21、無線機22、送信制御部24、送信波形生成部25、増幅器26、A/D変換器27に電力を供給する。ソーラーパネル28及び充電池23の代わりに、予め充電された充電池または乾電池を電源部としてもよい。
マイクロコンピュータ21は、計測データ生成部211、時計212、記憶部213を有する。計測データ生成部211及び時計212は、マイクロコンピュータ21の中央処理装置(CPU)によって機能的に構成することができ、記憶部213はマイクロコンピュータ21の記憶装置によって構成することができる。
送信制御部24は、マイクロコンピュータ21による制御に基づき、例えば10分ごとに、送信器11が超音波を送信するタイミングを示すタイミングパルスを生成して、送信波形生成部25に供給する。送信波形生成部25は、タイミングパルスが供給されたら、送信器11が超音波を送信するためにアナログ波形を生成して、送信器11に供給する。送信器11は、供給されたアナログ波形に基づいて河床200Bへと超音波を送信する。受信器12は、河床200Bからの反射波を受信する。
増幅器26は受信器12が受信した反射波を増幅し、A/D変換器27は増幅された反射波をA/D変換したデジタルデータを計測データ生成部211に供給する。計測データ生成部211は後に詳述するような方法で送受信器10から河床200Bまでの距離を算出する。図1に示す水中距離観測装置は河床洗掘観測装置として用いられているため、水中距離観測装置は、送受信器10が設けられている基準位置から、距離測定対象位置として河床200Bまでの距離を算出する。
計測データ生成部211には、時計212からの時刻データが供給される。計測データ生成部211は、距離センサ1を一意に識別する識別符号(ID)と、時刻データと、距離データとを含む計測データを生成する。IDはMACアドレスであってもよい。
記憶部213は、計測データ生成部211から10分ごとに供給される計測データを記憶する。無線機22は、記憶部213に記憶された計測データを中継局3へと送信する。このように、距離センサ1は、所定の時間間隔で計測された河床洗掘の程度を示す、送受信器10から河床(河床200Aまたは200B等)までの距離データを中継局3へと送信する。距離センサ1による所定の時間間隔の河床洗掘の程度の観測は、実質的にリアルタイムの観測である。
無線機22は、イベント方式にて計測データを中継局3へと送信してもよいし、ポーリング方式にて、河川監視事務所4内のデータ処理装置42によるデータ送信の要求に応答して計測データを中継局3へと送信してもよい。
図2では、中継局3が1つの距離センサ1と無線通信するように図示しているが、中継局3が複数の距離センサ1と無線通信して、複数の距離センサ1からの計測データを河川監視事務所4へと送信するよう中継することがある。計測データがIDを含むのは、それぞれの距離センサ1を識別するためである。
無線機22は任意の規格の無線機でよい。但し、省電力で通信品質に優れ、通信距離が比較的長いことから、無線機22として、920MHz帯の周波数を用いるWi-SUN規格に準拠する無線機を用いることが好ましい。
中継局3は、無線機31、データ送受信部34、電源部35を備える。無線機22がWi-SUN規格に準拠する無線機であれば、無線機31もWi-SUN規格に準拠する無線機である。電源部35は、無線機31及びデータ送受信部34に電力を供給する。電源部35はソーラーパネル及び充電池であってもよいし、商用交流電源より得た電力を各部に供給する電源部であってもよい。
データ送受信部34は、無線機31が無線機22より受信した計測データを河川監視事務所4内のデータ送受信部41に送信する。データ送受信部41は、データ送受信部34が送信した計測データを受信する。データ処理装置42は、河川を管理するために計測データを処理する。
データ処理装置42は、河川監視事務所4内で、各距離センサ1からの計測データ(距離データ)に基づいて河床洗掘の程度をディスプレイに表示してもよいし、より上位の監視事務所へと計測データを送信してもよい。平水時の送受信器10から河床200Aまでの距離は予め分かっているから、データ処理装置42は距離データに基づき、河床洗掘の程度を検出することができる。データ処理装置42は、河床洗掘の程度に基づいて河川の流量を算出し、算出した流量をディスプレイに表示してもよい。
本実施形態の水中距離観測装置によれば、距離センサ1が水没しない限り、河床洗掘の程度をリアルタイムで観測することができる。距離センサ1(無線機22を収納するパイプ120)が水没すると、無線機22は計測データを中継局3に送信することができない。無線機22は、水位が低下してパイプ120が河川の水位よりも上方に現れたときに、送信できなかった計測データを中継局3に送信するように構成されていることが好ましい。
そこで、記憶部213は、少なくとも半日程度の計測データを記憶する容量があることが好ましい。ポーリング方式を用いれば、データ処理装置42が中継局3を介してマイクロコンピュータ21へと計測データの送信を要求するので、データ処理装置42は、水没により送信されず記憶部213に蓄積された計測データを水没の解消後に取得することができる。
なお、ポーリング方式を採用しない場合には、データ送受信部41はデータ受信機能のみを有するデータ受信部としてもよい。
次に、計測データ生成部211が送受信器10から河床200Bまでの距離をどのように算出するかについて説明する。図4に示すように、計測データ生成部211は、機能的な内部構成として、積分器2111、作業用メモリ2112、積分波形重畳部2113、時間算出部2114、距離算出部2115を有する。
図5に示すように、送信器11は、例えば2秒間隔で5つの基本送信波W1を河床200Bに向けて送信する。送信器11は、上記のように10分ごとに5つの基本送信波W1を送信する。隣接する2つの基本送信波W1の時間間隔、基本送信波W1の送信数はそれぞれ2秒、5つに限定されない。
図6に拡大して示すように、基本送信波W1は、例えば50ミリ秒の時間を有し、複数のパルスを含む送信波である。送信制御部24は基本送信波W1を送信するタイミングを制御し、送信波形生成部25は基本送信波W1のアナログ波形を生成する。基本送信波W1の発生開始から終了までの時間は50ミリ秒に限定されることはなく、所定の時間であればよい。
図7は、受信器12が河床200Bからの基本送信波W1の反射波を受信した基本受信波W2を示している。基本受信波W2の振幅は基本送信波W1の振幅と比較して格段に小さい。そこで、増幅器26は基本受信波W2を増幅して、図8に示すように、振幅が増大した基本受信波W26を生成する。図2において、A/D変換器27は、基本受信波W26をA/D変換したデジタルデータである基本受信波W27を計測データ生成部211に供給する。図4に示すように、基本受信波W27は積分器2111に供給される。
積分器2111には、2秒間隔で5回、図8に示すような基本受信波W26をA/D変換した基本受信波W27が供給される。積分器2111は、それぞれの基本受信波W27を積分して、積分波形W3を生成する。
ところで、図8に示す基本受信波W26は理想的な波形を示している。実際には、河川の状態によって、図8に示すような理想的な波形とならないことがある。図9は、河川が中程度に濁っている中濁度のときに得られる基本受信波W26及び積分波形W3を示している。基本受信波W26及び積分波形W3の振幅は理想的な基本受信波W26及び積分波形W3の振幅よりも小さくなる。
図10は、河川が非常に濁っている高濁度のときに得られる基本受信波W26及び積分波形W3を示している。基本受信波W26及び積分波形W3の振幅は中濁度のときよりもさらに小さくなる。
図11に示すように、何らかの理由により、パルス状に振幅が増大する時間位置が理想的な基本受信波W26におけるそれよりも前側にシフトすることがある。図12は、河川を流れるごみの影響によって、本来であればパルス状に振幅が増大しない時間位置にパルス状に振幅が増大する箇所が発生した波形を示している。
このように、基本受信波W26は、河川の状態によって各種の波形となることがある。図13は、図8〜図10に示す5種類の積分波形W3を合わせて示している。太実線は図8に示す理想的な基本受信波W26に基づく積分波形W3、一点鎖線は図11に示す位相がシフトした基本受信波W26に基づく積分波形W3、破線は図12に示すごみの影響を受けた基本受信波W26に基づく積分波形W3を示している。細実線は図9に示す中濁度のときの基本受信波W26に基づく積分波形W3、点線は図10に示す高濁度のときの基本受信波W26に基づく積分波形W3を示している。
積分器2111が生成する5つの積分波形W3がばらついたとしても、5つの積分波形W3を互いに重畳すれば、ばらつきが解消された重畳波形を得ることができる。図13は5つの積分波形W3が極端にばらついた状態を示しているが、実際には、5つの積分波形W3はほぼ8秒間で得られるので、図13に示すほど5つの積分波形W3がばらつくことはない。
図4において、作業用メモリ2112には、5つの積分波形W3が一時的に記憶される。5つの積分波形W3の発生タイミングは2秒ずつずれているので、積分波形重畳部2113は、5つの基本送信波W1それぞれを送信したタイミングを基準タイミング(時刻0)として、5つの積分波形W3を互いに重畳する。図14は、5つの積分波形W3を重畳した重畳波形W30の一例を示している。積分波形重畳部2113は、重畳波形W30を時間算出部2114に供給する。
図14に示すように、時間算出部2114は、基準タイミングから、重畳波形W30に含まれるピークの発生タイミングまでの時間Tを算出する。ピークが発生する時間位置が基本受信波W2を受信したタイミングを示す。なお、ピーク検出は公知の方法を採用することができる。時間算出部2114は、時間Tを距離算出部2115に供給する。
送受信器10から河床200Bまでの距離をd、水中の音速をcとすると、式(1)が成り立つ。水中の音速cを1450m/sとする。距離算出部2115は、式(1)に基づき、送受信器10から河床200Bまでの距離dを算出する。
2d=cT …(1)
以上のようにして、計測データ生成部211は、距離dを示す距離データを生成することができる。前述のように、計測データ生成部211は、IDと時刻データと距離データとを含む計測データを生成し、記憶部213は計測データを記憶する。無線機22は、計測データを中継局3へと送信する。
以上のように、本実施形態の水中距離観測装置によれば、重畳波形W30に基づいて基準タイミングからピークの発生タイミングまでの時間Tを算出して、送受信器10から河床までの距離dを算出するように構成しているので、河床洗掘の程度を高精度に観測することができる。
以上説明した本実施形態においては、計測データ生成部211が図4に示す構成を有することにより、距離センサ1が距離データを生成して無線にて送信するように構成している。河川監視事務所4内のデータ処理装置42が図4に示す構成を備えることによって、データ処理装置42が距離データを生成するように構成してもよい。
この場合、距離センサ1は、増幅器26を省略して、A/D変換器27が図7に示す基本受信波W2をデジタルデータに変換する構成とし、無線機22がデジタルデータに変換された基本受信波W2を、中継局3を介して河川監視事務所4へと送信すればよい。データ処理装置42は、受信したデジタルデータの基本受信波W2を増幅して、図4に示す構成によって距離データを生成すればよい。
以上説明した距離センサ1は、河川の流量を高精度に観測するために河床の近傍に設置されてもよいし、橋脚の安全性が確保されているかを観測するために橋脚近傍の水中に設置されてもよい。
本実施形態の水中距離観測装置は、式(1)において音速cを水中の1450m/sとして距離dを算出することから、送受信器10が水中にあることを前提としている。送受信器10が水中になければ、得られる距離dの値は無効な値となる。そこで、水中距離観測装置は、図示していない水位センサから得られる水位データを参照して、送受信器10が水中にあるときのみ、距離dを算出するように構成してもよい。
図1においては、本実施形態の水中距離観測装置を河床洗掘観測装置として用いたが、本実施形態の水中距離観測装置を堤防洗掘の程度を観測する堤防洗掘観測装置として用いることもできる。また、本実施形態の水中距離観測装置を河川等の水位を観測する水位観測装置として用いることもできる。
本実施形態の水中距離観測装置を堤防洗掘観測装置として用いる場合には、図15に示すように、距離センサ1を堤防201の近傍の水中に設置し、送受信器10が堤防201の法面に向けて超音波を射出し、法面からの反射波を受信すればよい。このとき、水中距離観測装置は、送受信器10が設けられている基準位置から、距離測定対象位置として堤防201の法面までの距離を算出する。よって、算出した距離によって、堤防201の法面が二点鎖線で示すように洗掘されているか否かを観測することができる。
本実施形態の水中距離観測装置を水位観測装置として用いる場合には、図15に示すように、送受信器10が水面に向けて超音波を射出し、水面からの反射波を受信すればよい。このとき、水中距離観測装置は、送受信器10が設けられている基準位置から、距離測定対象位置として水面までの距離を算出するので、河川等の水位を観測することができる。
本実施形態の水中距離観測装置を河床洗掘観測装置、堤防洗掘観測装置、水位観測装置のいずれかに選択的に使用できるように構成されていることが好ましい。そのため、送受信器10からの距離を算出する距離測定対象位置を複数の距離測定対象位置のうちから選択できるよう、送受信器10が送信波を送信して距離測定対象位置から受信波を受信する向きが調整自在に構成されていることが好ましい。
一例として、図16及び図17に示す構成によって、送受信器10が送信波を送信して受信波を受信する向きを可変することができる。図16は送受信器10の正面から見た正面図、図17は送受信器10の上方から見ら上面図である。図16または図17において、Lアングル150には取付け部材15が取り付けられており、取付け部材15に支持板16が取り付けられている。支持板16には、送受信器10が固定された支持板17が取り付けられている。
支持板17には、円弧状の溝171及び172が形成されている。支持板16に対して支持板17を所定の角度で回転させて、支持板16に対する支持板17の回転方向の位置をねじで固定することができる。送受信器10が水面に向けて超音波を射出するときには、支持板17の上下を反転させて、支持板16に対する支持板17の回転方向の位置をねじで固定すればよい。
本実施形態の水中距離観測装置が、河床洗掘観測装置と堤防洗掘観測装置とのいずれかに選択的に使用できるように構成されていてもよい。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
1 距離センサ
3 中継局
4 河川監視事務所
10 送受信器
11 送信器
12 受信器
20 無線機基板
21 マイクロコンピュータ
22,31 無線機
23 充電池
24 送信制御部
25 送信波形生成部
26 増幅器
27 A/D変換器
28 ソーラーパネル
34 データ送受信部
35 電源部
41 データ送受信部
42 データ処理装置
211 計測データ生成部
212 時計
213 記憶部

Claims (6)

  1. 水中に設置され、距離測定対象位置に向けて超音波の送信波を送信する送信器と前記距離測定対象位置からの反射波を受信波として受信する受信器とを有する送受信器と、
    前記受信波を増幅する増幅器と、
    前記送信器が所定時間の基本送信波を所定の時間間隔で複数送信して、前記受信器が複数の基本受信波を受信したときに、前記増幅器によって増幅された前記複数の基本受信波それぞれを積分する積分器と、
    前記積分器によって得られた前記複数の基本受信波それぞれの積分波形を重畳する積分波形重畳部と、
    前記送信器が前記複数の基本送信波それぞれを送信したタイミングを基準タイミングとして、前記基準タイミングから前記積分波形重畳部によって得られた重畳波形に含まれるピークの発生タイミングまでの時間を算出する時間算出部と、
    前記時間算出部によって算出された時間に基づいて、前記送受信器から前記距離測定対象位置までの距離を算出する距離算出部と、
    を備えることを特徴とする水中距離観測装置。
  2. 前記送受信器と、前記増幅器と、前記積分器と、前記積分波形重畳部と、前記時間算出部と、前記距離算出部とは、水中に設置された距離センサに設けられ、
    前記距離センサは、前記距離算出部によって算出された距離を示す距離データを無線にて送信する無線機をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の水中距離観測装置。
  3. 前記距離センサは、前記距離データを記憶する記憶部を有し、
    前記無線機は、データ送信の要求に応答して、前記記憶部に記憶された前記距離データを無線にて送信するように構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の水中距離観測装置。
  4. 前記送受信器は水中に設置された距離センサに設けられ、
    前記距離センサは、前記受信器が受信した前記受信波を無線にて送信する無線機をさらに備え、
    前記水中距離観測装置は、前記無線機より送信された前記受信波を処理するデータ処理装置をさらに備え、
    前記データ処理装置は、前記増幅器と、前記積分器と、前記積分波形重畳部と、前記時間算出部と、前記距離算出部とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の水中距離観測装置。
  5. 前記無線機より送信された前記受信波を受信して、前記データ処理装置へと送信するよう中継する中継局をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の水中距離観測装置。
  6. 前記送受信器からの距離を算出する前記距離測定対象位置を複数の距離測定対象位置のうちから選択するために、前記送受信器が前記送信波を送信して前記距離測定対象位置から前記受信波を受信する向きが調整自在に構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水中距離観測装置。
JP2017157541A 2017-08-17 2017-08-17 水中距離観測装置 Pending JP2019035677A (ja)

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