JPH081450U - 時計の輪列構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】中心パイプをカシメ無しでプラスチック機枠へ
打ち込み固定するだけで、中心パイプ抜けをなくし、指
針取付け時の軸の破損および軸曲がりを防止する。 【解決手段】基枠、輪列受、時針が取付けられる筒車、
分針が取付けられる二番車、秒針が取付けられる四番
車、前記二番車および前記筒車を案内し前記基枠に打ち
込み固定される中心パイプよりなる時計の輪列構造にお
いて、 前記基枠は前記中心パイプの打ち込み部下面よ
り筒車側に突出した筒車受面が形成され、 指針取付け
時前記筒車は前記筒車受面で、前記四番車は前記輪列受
で受けることを特徴とする。 また、前記基枠および輪
列受がプラスチック材料よりなることを特徴とする

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は指針指示車を同一軸上に２つ以上配した時計の輪列構造の改良に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

近年、時計部品にプラスチック材料を多用してきており、輪列構造においても 、プラスチック基枠、輪列受にほぞ枠、石および中心パイプ等を打ち込み輪列の ほぞを軸受している。

【０００３】 従来例を図２に示す。１は中心パイプてあり図の下方より上方にツバ１ｂで度 決めされるまで打ち込み、逆側にカシメ１ａを実施して固定している。２は二番 車、３は筒車、４は四番車であり、それぞれ指針指示車として機能し分針２ａ、 時針３ａ、秒針４ａを取付けている。５はプラスチック材料で成形された基枠で あり、中心パイプ１を打ち込みカシメされている。６は輪列受であり、四番車４ の上ほぞを軸受している構造である。７は文字板である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、プラスチック基枠に打ち込まれる中心パイプは時針取付け時および分 針取りはずし時の押し込み力Ｆ１、抜き力Ｆ２のために、打ち込まれた逆側で必 ずカシメをしなくてはならない。カシメの無い状態では上方向、下方向のどちら の方向で打ち込んでも針押し込み時又は針取り外し時に中心パイプの抜けが発生 し、二番車のアガキ無しやアガキ大となり輪列軋みや外れを生ずる問題点を有す る。

【０００５】 そこで本考案では中心パイプをカシメ無しでプラスチック機枠へ打ち込み固定 するだけで、中心パイプ抜けをなくし、工程の簡略化を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の時計の輪列構造は、指針指示車である二番車、該二番車を案内し、プ ラスチック材料より形成された基枠に打ち込み固定される中心パィプおよび筒車 を有する輪列構造において、前記中心パイプはツバを有し、該ツバは前記基枠と 当接し断面位置が決められており、該中心パイプの打ち込み部下面が前記基枠の 筒車受面より低いことを特徴とする。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案の実施例を図１に示す。１は中心パイプ、２は二番車、３は筒車、４は 四番車を示す。５は基枠であり、５ａは筒車受面を示す。６は輪列受、７は文字 板を示す。

【０００８】 中心パイプ１はプラスチック基枠５に図２上方より下方に打ち込まれ、シメシ ロ固定されており、ツバ１ｂにより打ち込み高さが規制されている。打ち込み部 下面１ｃは基枠５の筒車３の受面５ａより低い位置に設定されている。ここで筒 車３への時針３ａ取付け時において、押し込み力Ｆ１は筒車を介して基枠５の筒 車受面５ａで受けることになり、中心パイプ１の打ち込み部下面１ｃと段差があ ることにより、中心パイプ１に抜き力は働かない。また必要以上の押し込み力Ｆ １が加わった場合、筒車受面５ａで受けるが、基枠５全体が弾性体として、中心 パイプ１のツバ１ｂを介して二番車２と四番車４のアガキを無くすまでたわみ、 押し込み力Ｆ１を受けることになる。そして押し込み力Ｆ１が無くなると元に戻 る。

【０００９】 次に二番車への分針２ａ取外し時には中心パイプ１が二番車２により抜き力Ｆ ２を受けることになるが、中心パイプ１のツバ１ｂにより受け中心パイプ１の抜 けは発生しない。

【００１０】 以上述べてきたように、中心パイプ１を単に上方より打ち込み、シメシロ固定 するだけで、従来と同一の機能を保持すると同時に、カシメ廃止による組み込み 工程の簡略化、中心パイプの形状の簡素化が可能となる。プラスチック成形され た基枠５では中心部に発生する突き当てバリ５ｂを許容することができ、部品製 造を容易にする。又、本実施例は中三針の例で述べたが、中二針又は四針以上の 構造にも同様に適用できることになる。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は以上説明したように、同一軸上に２針以上の指針指示車の軸受部にお いて、中針パイプがプラスチック基枠に中心パイプのツバを度当たりとし、打ち 込み部下面が基枠の筒車軸受面より低く打ち込まれたことにより、カシメ工程の 廃止による組込み工程の簡略化や部品形状の簡素化および、針取付け時、取外し 時の不具合を解消する効果を有する。

【提出日】平成８年２月２１日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００３

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００３】 従来例を図２に示す。１は中心パイプてあり図の下方より上方にツバ１ｂで度 決めされるまで打ち込み、逆側にカシメ１ａを実施して固定している。２は二番 車、３は筒車、４は四番車であり、それぞれ指針指示車として機能し分針２ａ、 時針３ａ、秒針４ａを取付けている。５はプラスチック材料で成形された基枠で あり、中心パイプ１を打ち込みカシメされている。６は輪列受である。四番車へ の指針押込み時は四番車４の上ほぞで軸を受ける構造である。７は文字板である 。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００４

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、プラスチック基枠に打ち込まれる中心パイプは時針取付け時および分 針取りはずし時の押し込み力Ｆ１、抜き力Ｆ２のために、打ち込まれた逆側で必 ずカシメをしなくてはならない。カシメの無い状態では上方向、下方向のどちら の方向で打ち込んでも針押し込み時又は針取り外し時に中心パイプの抜けが発生 し、二番車のアガキ無しやアガキ大となり輪列軋みや外れを生ずる問題点を有す る。 また、四番車への指針押し込み時には四番車の軸の上ほぞで受けていたので、 押し込み時に軸の破損や軸曲がり等の問題を有する。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００５】 そこで本考案では指針取付け時筒車は筒車受面で、四番車は輪列受で受けるこ とにより、中心パイプ抜けをなくし、さらに、四番車の軸の破損や曲がりなくし た時計の輪列構造を提供するものである。

【手続補正５】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００６

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の時計の輪列構造は、基枠、輪列受、時針が取付けられる筒車、分針が 取付けられる二番車、秒針が取付けられる四番車、前記二番車および前記筒車を 案内し前記基枠に打ち込み固定される中心パイプよりなる時計の輪列構造におい て、 前記基枠は前記中心パイプの打ち込み部下面より筒車側に突出した筒車受面が 形成され、 指針取付け時前記筒車は前記筒車受面で、前記四番車は前記輪列受で受けるこ とを特徴とする。 また、前記基枠および輪列受がプラスチック材料よりなることを特徴とする 。

【手続補正６】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１１

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１１】

【考案の効果】

本考案は以上説明したように、同一軸上に２針以上の指針指示車の軸受部にお いて、中針パイプがプラスチック基枠に中心パイプのツバを度当たりとし、打ち 込み部下面が基枠の筒車軸受面より低く打ち込まれたことにより、カシメ工程の 廃止による組込み工程の簡略化や部品形状の簡素化および、針取付け時、取外し 時の不具合を解消する効果を有する。 更に、指針取付け時の軸の破損および軸曲がりを防止することができるもので ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の輪列構造の一実施例を示す断面図。

【図２】従来の輪列構造を示す断面図。

【符号の説明】

１・・・中心パイプ ２・・・二番車 ３・・・筒車 ４・・・四番車 ５・・・基枠 ６・・・輪列受 ７・・・文字板

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【手続補正書】

【提出日】平成８年２月２１日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】指針指示車である二番車、該二番車を案内
   し、プラスチック材料より形成された基枠に打ち込み固
   定される中心パイプ及び筒車を有する輪列横造におい
   て、前記中心パイプはツバを有し、該ツバは前記基枠と
   当接し断面位置が決められており、該中心パイプの打ち
   込み部下面が前記基枠の筒車受面より低いことを特徴と
   する時計の輸列構造。