JPH08144717A - カム装置 - Google Patents
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- JPH08144717A JPH08144717A JP28225194A JP28225194A JPH08144717A JP H08144717 A JPH08144717 A JP H08144717A JP 28225194 A JP28225194 A JP 28225194A JP 28225194 A JP28225194 A JP 28225194A JP H08144717 A JPH08144717 A JP H08144717A
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Abstract
(57)【要約】
【目 的】 カムとローラからなるカム装置における案
内面に発生する異常摩耗を防止する装置を提供する。 【構 成】 カム12とこのカム12によって駆動され
るローラ14からなるカム装置10において、カム12
又はローラ14の縁部の少なくとも一方を、この縁部以
外の部分より低剛性に形成したカム装置。
内面に発生する異常摩耗を防止する装置を提供する。 【構 成】 カム12とこのカム12によって駆動され
るローラ14からなるカム装置10において、カム12
又はローラ14の縁部の少なくとも一方を、この縁部以
外の部分より低剛性に形成したカム装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカムと、このカム上を転
動するローラとからなるカム装置の改良に関し、特に内
燃機関のバルブ駆動装置に適用して最も効果を発揮する
カム装置を提供するものである。
動するローラとからなるカム装置の改良に関し、特に内
燃機関のバルブ駆動装置に適用して最も効果を発揮する
カム装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸・排気バルブを開閉するバ
ルブ機構は機関作動の適切な時期に吸・排気バルブを開
閉して燃焼室内に吸気したり、あるいは排気ガスを排出
している。このバルブ機構としては、クランクシャフト
で駆動されるカムシャフトに設けたカムの案内面、特に
外周面にカムフオロアの機能を有するタペット、あるい
はローラタペットを接触あるいは転動させ、カムの外周
面のリフト量をプッシュロッドを介してロッカアームに
伝え、これを揺動させてこのロッカアームを介して吸・
排気バルブを作動させるようになっている。
ルブ機構は機関作動の適切な時期に吸・排気バルブを開
閉して燃焼室内に吸気したり、あるいは排気ガスを排出
している。このバルブ機構としては、クランクシャフト
で駆動されるカムシャフトに設けたカムの案内面、特に
外周面にカムフオロアの機能を有するタペット、あるい
はローラタペットを接触あるいは転動させ、カムの外周
面のリフト量をプッシュロッドを介してロッカアームに
伝え、これを揺動させてこのロッカアームを介して吸・
排気バルブを作動させるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】カムとローラタペット
からなるカム装置によって吸・排気バルブを正確に駆動
するためにはカムとローラタペットとが常時正確に接触
してカムの案内面形状に倣ってバルブを開閉することが
重要である。しかし、本発明者等の観察によると、ロー
ラタペットのローラはカムの案内面転動しながらリフト
運動するためにカムの案内面に対して正確に接触しない
場合があり、この状態になると両者の接触面の面圧がラ
ンダムに変化して面圧分布が変化する。この面圧分布の
変化に伴なって油膜の厚さが変化し、その結果、耐摩耗
性と耐ピッチング性(耐虫くい状態にカジリ現象が発生
する)が大きく変化する。
からなるカム装置によって吸・排気バルブを正確に駆動
するためにはカムとローラタペットとが常時正確に接触
してカムの案内面形状に倣ってバルブを開閉することが
重要である。しかし、本発明者等の観察によると、ロー
ラタペットのローラはカムの案内面転動しながらリフト
運動するためにカムの案内面に対して正確に接触しない
場合があり、この状態になると両者の接触面の面圧がラ
ンダムに変化して面圧分布が変化する。この面圧分布の
変化に伴なって油膜の厚さが変化し、その結果、耐摩耗
性と耐ピッチング性(耐虫くい状態にカジリ現象が発生
する)が大きく変化する。
【0004】具体的には、図5に示すようにカムシャフ
ト1に設けたカム2の案内面2aにプッシュロッド3の
下端に設けたローラタペットを構成するローラ4を接触
させているが、これらの接触部分に異常摩耗部分2bが
形成される。この現象が発生すると内燃機関が設計した
通りの出力を発揮しないことが確認されている。この原
因を解明すると、図6に示すようにカム2に対して何ら
かの原因でローラ4が傾斜してエッジ4aがカム2の案
内面に接触し、このエッジ4aとこの部分が当たるカム
2の案内面に図5に示すように異常摩耗部分2bを形成
するものと考えられる。この異常摩耗部分2bは他の部
分に比較して摩耗量が大きく、そして荒れが見られる。
ト1に設けたカム2の案内面2aにプッシュロッド3の
下端に設けたローラタペットを構成するローラ4を接触
させているが、これらの接触部分に異常摩耗部分2bが
形成される。この現象が発生すると内燃機関が設計した
通りの出力を発揮しないことが確認されている。この原
因を解明すると、図6に示すようにカム2に対して何ら
かの原因でローラ4が傾斜してエッジ4aがカム2の案
内面に接触し、このエッジ4aとこの部分が当たるカム
2の案内面に図5に示すように異常摩耗部分2bを形成
するものと考えられる。この異常摩耗部分2bは他の部
分に比較して摩耗量が大きく、そして荒れが見られる。
【0005】さて、このような摩耗状態になるとカム2
の案内面2aに対してローラ4が正確に追従しなくな
り、このローラ4は予測ないしは設計した挙動とは異な
ることになる。このような不具合が発生するカム装置
は、特に高速と低速との間で挙動が異なることが多い。
具体的には図5のようにカム2の案内面2aにローラ4
が転動した跡が異常摩耗部分2bとして蛇行状態に形成
され、その結果、耐摩耗性と耐ピッチング性が低下して
早期にカム装置に作動不良を発生して内燃機関の性能を
低下させることになる。
の案内面2aに対してローラ4が正確に追従しなくな
り、このローラ4は予測ないしは設計した挙動とは異な
ることになる。このような不具合が発生するカム装置
は、特に高速と低速との間で挙動が異なることが多い。
具体的には図5のようにカム2の案内面2aにローラ4
が転動した跡が異常摩耗部分2bとして蛇行状態に形成
され、その結果、耐摩耗性と耐ピッチング性が低下して
早期にカム装置に作動不良を発生して内燃機関の性能を
低下させることになる。
【0006】図8はローラ4の表面が平坦な場合のカム
2との接触状態を示しており、この場合の接触面Sはロ
ーラ4の全巾に相当し、理想的な状態である。しかし、
図6のようにローラ4のエッジ4aが片当りすると、図
7のようにエッジ4aが4bのように摩耗し、表面4c
はカム2の案内面に接触したり、しなかったりの不安定
な状態となる。
2との接触状態を示しており、この場合の接触面Sはロ
ーラ4の全巾に相当し、理想的な状態である。しかし、
図6のようにローラ4のエッジ4aが片当りすると、図
7のようにエッジ4aが4bのように摩耗し、表面4c
はカム2の案内面に接触したり、しなかったりの不安定
な状態となる。
【0007】このローラ4が不安定となる欠点を解消す
る手段として図9に示すようにローラ4の表面を所定の
半径のR形状(クラウニング)に形成して曲面からなる
表面4dに加工することによってローラ4のカム2との
間の接触状態の変化によって図6に示すようなローラ4
のエッジ4aの当りを防止し、もって局部的に高面圧が
発生することに伴なう強度の摩耗、あるいは摩耗が特殊
な条件で発生するピッチングの発生を防止している。
る手段として図9に示すようにローラ4の表面を所定の
半径のR形状(クラウニング)に形成して曲面からなる
表面4dに加工することによってローラ4のカム2との
間の接触状態の変化によって図6に示すようなローラ4
のエッジ4aの当りを防止し、もって局部的に高面圧が
発生することに伴なう強度の摩耗、あるいは摩耗が特殊
な条件で発生するピッチングの発生を防止している。
【0008】しかしながら、図9のようにR加工をした
ローラ4において挙動が安定している時には、表面4d
の一部が接触面S1 となり、図8の場合に比較して接触
面積が著しく小さくなり、その接触面積が低下した分だ
け耐摩耗性が低下してしまうことになる。特に、カム4
の直径が増加する「立ち上がり部分」においてはローラ
4(ローラタペット)の方向性が定まらず、図5のよう
にカム2の案内面2a上を蛇行して異常摩耗部分2bを
発生することになる。このようにローラ4の転動状態に
フラツキが発生すると、このローラタペットによって駆
動される吸・排気バルブが正確に動作しなくなり、その
結果、内燃機関の能力を最大限に引き出すことができな
いことになる。
ローラ4において挙動が安定している時には、表面4d
の一部が接触面S1 となり、図8の場合に比較して接触
面積が著しく小さくなり、その接触面積が低下した分だ
け耐摩耗性が低下してしまうことになる。特に、カム4
の直径が増加する「立ち上がり部分」においてはローラ
4(ローラタペット)の方向性が定まらず、図5のよう
にカム2の案内面2a上を蛇行して異常摩耗部分2bを
発生することになる。このようにローラ4の転動状態に
フラツキが発生すると、このローラタペットによって駆
動される吸・排気バルブが正確に動作しなくなり、その
結果、内燃機関の能力を最大限に引き出すことができな
いことになる。
【0009】本発明は、前記従来のカム装置の持つ不具
合、特に図6のようにローラ4のエッジ4aがカム2の
案内面2aに片当りするのを防止するために図9のよう
にクラウニング加工をした場合に、その表面4dがカム
2に接触した際に発生する高面圧化が起因して異常摩耗
部分2bが発生するのを防止するこのであり、ローラタ
ペットを構成するローラの全表面にわたる接触面積の確
保と、同時にカムローラの挙動が安定した状態において
エッジ当たりのないローラカム装置を提供することを目
的とするものである。
合、特に図6のようにローラ4のエッジ4aがカム2の
案内面2aに片当りするのを防止するために図9のよう
にクラウニング加工をした場合に、その表面4dがカム
2に接触した際に発生する高面圧化が起因して異常摩耗
部分2bが発生するのを防止するこのであり、ローラタ
ペットを構成するローラの全表面にわたる接触面積の確
保と、同時にカムローラの挙動が安定した状態において
エッジ当たりのないローラカム装置を提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係るカム装置は、次のように構成されてい
る。 A)カムとこのカムによって駆動されるローラからなる
カム装置において、カムまたはローラの縁部の少なくと
も一方を、この縁部以外の部分より低剛性に形成したカ
ム装置。 B)ローラの側面の外周部分であって、円周方向に溝部
を形成したA)記載のカム装置。
の本発明に係るカム装置は、次のように構成されてい
る。 A)カムとこのカムによって駆動されるローラからなる
カム装置において、カムまたはローラの縁部の少なくと
も一方を、この縁部以外の部分より低剛性に形成したカ
ム装置。 B)ローラの側面の外周部分であって、円周方向に溝部
を形成したA)記載のカム装置。
【0011】C)カムの立上がり部分の側面の外周部分
に溝部を形成したA)記載のカム装置。 D)カムとこのカムによって駆動されるローラからなる
カム装置において、ローラの側面の外周部分に円周方向
に溝部を形成し、更にカムの少なくとも立上がり部分の
側面の外周部分に溝部を形成したA)記載のカム装置。
に溝部を形成したA)記載のカム装置。 D)カムとこのカムによって駆動されるローラからなる
カム装置において、ローラの側面の外周部分に円周方向
に溝部を形成し、更にカムの少なくとも立上がり部分の
側面の外周部分に溝部を形成したA)記載のカム装置。
【0012】E)カムとこのカムによって駆動されるロ
ーラからなるカム装置において、ローラの縁部とこの縁
部以外の部分とを異なる金属で形成し、縁部はこの縁部
以外の部分より低剛性の材料によって構成したカム装
置。 F)カムとこのカムによって駆動されるローラからなる
カム装置において、少なくともローラの表面層に近い内
面層を、表面層の金属材料より低剛性の材料によって構
成したカム装置。
ーラからなるカム装置において、ローラの縁部とこの縁
部以外の部分とを異なる金属で形成し、縁部はこの縁部
以外の部分より低剛性の材料によって構成したカム装
置。 F)カムとこのカムによって駆動されるローラからなる
カム装置において、少なくともローラの表面層に近い内
面層を、表面層の金属材料より低剛性の材料によって構
成したカム装置。
【0013】本発明はローラ、即ちカムローラの端部に
弾性変形を許容する帯域を形成して構成している点に特
徴がある。弾性変形を許容する帯域は、カムに対してロ
ーラが片当りして局部的に強く押圧接触する部分、つま
りエッジ部分を意味し、この部分を他の部分より弾性変
形し易く形成することによってエッジ部分を変形を大き
くしてこの部分に局部的に面圧が発生するのを抑制する
部分を意味する。
弾性変形を許容する帯域を形成して構成している点に特
徴がある。弾性変形を許容する帯域は、カムに対してロ
ーラが片当りして局部的に強く押圧接触する部分、つま
りエッジ部分を意味し、この部分を他の部分より弾性変
形し易く形成することによってエッジ部分を変形を大き
くしてこの部分に局部的に面圧が発生するのを抑制する
部分を意味する。
【0014】この帯域の第1の実施例としては、ローラ
の側面であって、外周部分(案内面)の近傍に円周方向
に溝部を形成してローラの案内面のエッジ部分を薄肉に
形成し、局部的な面圧が発生しようとする際にはこの部
分を弾性的に僅かに変形させて逃げ部分を形成し、もっ
て局部的な面圧が発生することを防止しようとするもの
である。
の側面であって、外周部分(案内面)の近傍に円周方向
に溝部を形成してローラの案内面のエッジ部分を薄肉に
形成し、局部的な面圧が発生しようとする際にはこの部
分を弾性的に僅かに変形させて逃げ部分を形成し、もっ
て局部的な面圧が発生することを防止しようとするもの
である。
【0015】ローラの側面の円周方向に形成する溝部と
しては、例えばローラの材質がSUJで、その直径が2
4mmである場合には、溝部の巾は2mm、深さは2m
m程度の範囲で決定するのが良い。この帯域の実施例と
しては、駆動源側のカムと、被駆動側のローラの双方の
案内面の近傍に溝部を形成し、これによって双方に局部
的な弾性変形を与えることによってローラが片当りして
も局部的な高面圧が発生することを抑制するものであ
る。
しては、例えばローラの材質がSUJで、その直径が2
4mmである場合には、溝部の巾は2mm、深さは2m
m程度の範囲で決定するのが良い。この帯域の実施例と
しては、駆動源側のカムと、被駆動側のローラの双方の
案内面の近傍に溝部を形成し、これによって双方に局部
的な弾性変形を与えることによってローラが片当りして
も局部的な高面圧が発生することを抑制するものであ
る。
【0016】この帯域の別の実施例としては、少なくと
もローラの外周面、即ち案内面の近傍に円周方向に形成
した溝部に相当する部分に弾性係数が低い部材を埋め込
んでローラの端部あるいは縁部が接触する部分を変形し
易く形成した構造である。例えばローラの材質がSUJ
である場合には、埋め込む材料としては硬質ゴムを使用
し、焼付によってローラと一体化するのが良い。
もローラの外周面、即ち案内面の近傍に円周方向に形成
した溝部に相当する部分に弾性係数が低い部材を埋め込
んでローラの端部あるいは縁部が接触する部分を変形し
易く形成した構造である。例えばローラの材質がSUJ
である場合には、埋め込む材料としては硬質ゴムを使用
し、焼付によってローラと一体化するのが良い。
【0017】前記のようにローラやカムに明確に溝を形
成することによって案内面に弾性変形を与える方法は有
用であるが、薄肉にしてオーバーハングして弱い部分の
形成するとこの部分の耐久性に影響を与えることが配慮
される場合は、ローラやカムの中央部分を硬い材料で、
その両側部分を硬い材料より柔軟な材料でサンドイッチ
状に形成することも可能である。
成することによって案内面に弾性変形を与える方法は有
用であるが、薄肉にしてオーバーハングして弱い部分の
形成するとこの部分の耐久性に影響を与えることが配慮
される場合は、ローラやカムの中央部分を硬い材料で、
その両側部分を硬い材料より柔軟な材料でサンドイッチ
状に形成することも可能である。
【0018】この構造は、ローラやカムの表面部分のみ
を異なる材料とするのが良く、この場合はローラやカム
のエッジを含む縁部の表面に溝を掘り、この溝の内部に
充填するようにメッキ処理やプラズマジエット処理、更
には焼嵌め処理等によってろーラやカムの本体部分より
剛性の低い材料からなる部分を設けるのが良い。
を異なる材料とするのが良く、この場合はローラやカム
のエッジを含む縁部の表面に溝を掘り、この溝の内部に
充填するようにメッキ処理やプラズマジエット処理、更
には焼嵌め処理等によってろーラやカムの本体部分より
剛性の低い材料からなる部分を設けるのが良い。
【0019】
【作 用】カムとローラからなるカム装置において、少
なくともローラのエッジを含む縁部を、本体部分より弾
性変形し易い状態に形成していることから、ローラの軸
芯が傾いてローラがカムの案内面に対して片当りして
も、縁部が弾性変形してマイルドな当りが実現され、そ
の結果、局部的な面圧が発生して異常摩耗やピッチング
現象を発生することを防止できる。
なくともローラのエッジを含む縁部を、本体部分より弾
性変形し易い状態に形成していることから、ローラの軸
芯が傾いてローラがカムの案内面に対して片当りして
も、縁部が弾性変形してマイルドな当りが実現され、そ
の結果、局部的な面圧が発生して異常摩耗やピッチング
現象を発生することを防止できる。
【0020】
【実 施 例】次に図面を参照して本発明の実施例を説
明する。図1は本発明に係るカム装置10の要部の側断
面図、図2は同装置の側面図であって、カムシャフト1
1に支持されたカム12と、プッシュロッド側に設けた
シャフト13に軸受を介して回転自在に支持されて前記
カム12の案内面上を転動するローラ14とで構成され
たローラタペットである。
明する。図1は本発明に係るカム装置10の要部の側断
面図、図2は同装置の側面図であって、カムシャフト1
1に支持されたカム12と、プッシュロッド側に設けた
シャフト13に軸受を介して回転自在に支持されて前記
カム12の案内面上を転動するローラ14とで構成され
たローラタペットである。
【0021】そして図2に示すようにカム12の立ち上
がり部分θの範囲を含んでこのカム12の両側面の案内
面の近傍であって、案内面に沿って溝部15を形成して
この溝部15の外周のエッジ部分を含む縁部16を薄肉
にしている。この実施例においては溝部15(白地部
分)に連続して斜線で示した溝部15aを形成している
が、このように前記溝部15より少し延長した溝部15
aとすることによって縁部16の変形をなだらかなもの
としている。
がり部分θの範囲を含んでこのカム12の両側面の案内
面の近傍であって、案内面に沿って溝部15を形成して
この溝部15の外周のエッジ部分を含む縁部16を薄肉
にしている。この実施例においては溝部15(白地部
分)に連続して斜線で示した溝部15aを形成している
が、このように前記溝部15より少し延長した溝部15
aとすることによって縁部16の変形をなだらかなもの
としている。
【0022】更にローラ14の両側面の外周面の近傍に
同心円状の溝部17を形成してリング状に縁部18を薄
肉部としている。縁部16と18とは、ローラ14が何
らかの理由で傾斜してエッジ部分に片当りが生ずる際に
弾性変形を許容する帯域を意味しており、片当りするエ
ッジ部分は勿論、この部分の近傍も弾性変形することに
なる。
同心円状の溝部17を形成してリング状に縁部18を薄
肉部としている。縁部16と18とは、ローラ14が何
らかの理由で傾斜してエッジ部分に片当りが生ずる際に
弾性変形を許容する帯域を意味しており、片当りするエ
ッジ部分は勿論、この部分の近傍も弾性変形することに
なる。
【0023】カム12側の溝部15とローラ14側の溝
部17の巾と深さ、縁部16と18の厚さは、カム12
とカムフロアであるローラ14の材質や大きさ、そして
ローラ14を介して伝達される駆動力とリフト量、更に
回転速度等の諸条件を考慮して決定されるものである
が、具体的な巾と深さとは図5に示すようにローラ4の
エッジ部分4aがカム2の案内面2a上を転動して異常
摩耗部分2bを形成しない条件を、多数の実験より決定
する必要がある。
部17の巾と深さ、縁部16と18の厚さは、カム12
とカムフロアであるローラ14の材質や大きさ、そして
ローラ14を介して伝達される駆動力とリフト量、更に
回転速度等の諸条件を考慮して決定されるものである
が、具体的な巾と深さとは図5に示すようにローラ4の
エッジ部分4aがカム2の案内面2a上を転動して異常
摩耗部分2bを形成しない条件を、多数の実験より決定
する必要がある。
【0024】前記のようにカム12に溝部15を、ロー
ラ14に溝部17をそれぞれ設けることによって縁部1
6と18を薄肉状として弾性変形し易い形状としたこと
から、例えば図1においてシャフト13の左側が矢印U
のように上昇した状態となってローラ14の右側の縁部
18がカム12の縁部16に強く押圧された場合に両縁
部16,18には矢印で示すような押圧力が発生するこ
とになる。
ラ14に溝部17をそれぞれ設けることによって縁部1
6と18を薄肉状として弾性変形し易い形状としたこと
から、例えば図1においてシャフト13の左側が矢印U
のように上昇した状態となってローラ14の右側の縁部
18がカム12の縁部16に強く押圧された場合に両縁
部16,18には矢印で示すような押圧力が発生するこ
とになる。
【0025】しかし、この縁部16,18には溝部1
5,17が形成されてその断面は片持梁状になっている
ことから、この溝部15,17を設けていない本体部分
より変形し易い構造となっていることから、この部分を
積極的に変形させてその低剛性と、カム12のリフトに
伴うローラ14の伝達力をバランスさせることができ、
カム12の案内面上に発生する面圧が局部的に上昇する
ことを防止して面圧の均等化を図ることができる。
5,17が形成されてその断面は片持梁状になっている
ことから、この溝部15,17を設けていない本体部分
より変形し易い構造となっていることから、この部分を
積極的に変形させてその低剛性と、カム12のリフトに
伴うローラ14の伝達力をバランスさせることができ、
カム12の案内面上に発生する面圧が局部的に上昇する
ことを防止して面圧の均等化を図ることができる。
【0026】なお、前記実施例においてはカムとローラ
との双方に溝部を形成した例を示したが、ローラ側のみ
に溝部を形成しても充分を局部面圧の発生の抑制効果を
期待することができる。図3は第2の実施例に係るロー
ラタペットを示すもので、カム12aと、このカム12
aによってリフトされるローラ14aと、このローラ1
4aを支持するタペット22とから構成されている。
との双方に溝部を形成した例を示したが、ローラ側のみ
に溝部を形成しても充分を局部面圧の発生の抑制効果を
期待することができる。図3は第2の実施例に係るロー
ラタペットを示すもので、カム12aと、このカム12
aによってリフトされるローラ14aと、このローラ1
4aを支持するタペット22とから構成されている。
【0027】そしてローラ14aは中央部分20と側部
分21とが鋳造ないしは圧着により積層構造になってい
る。この中央部分20は高剛性材料、例えばSUJで構
成され、側部分21は前記高剛性材料より僅かに低い剛
性を持つ材料SCで構成されている。従って、ローラ1
4aがカム12aの案内面に対して片当りするような場
合には、この側部分21が積極的に変形してローラ14
aの面圧を均等にする。
分21とが鋳造ないしは圧着により積層構造になってい
る。この中央部分20は高剛性材料、例えばSUJで構
成され、側部分21は前記高剛性材料より僅かに低い剛
性を持つ材料SCで構成されている。従って、ローラ1
4aがカム12aの案内面に対して片当りするような場
合には、この側部分21が積極的に変形してローラ14
aの面圧を均等にする。
【0028】側部分21を形成する方法としては、前記
のようにローラ14aとカム12aを構成する肉厚部分
を全体的に変える方法の他、側部分20の肉を削り、こ
の削った部分に別の金属層を形成して一体化することも
可能である。この肉盛り方法としてはメッキ処理する方
法、プラズマによって金属材料あるいはセラミックスの
ような非金属材料を溶射する方法、更にはリング状の金
属板を焼嵌めする法等があるが、これらは耐久性と処理
のし易さやコスト面等を考慮して決定するのが良い。
のようにローラ14aとカム12aを構成する肉厚部分
を全体的に変える方法の他、側部分20の肉を削り、こ
の削った部分に別の金属層を形成して一体化することも
可能である。この肉盛り方法としてはメッキ処理する方
法、プラズマによって金属材料あるいはセラミックスの
ような非金属材料を溶射する方法、更にはリング状の金
属板を焼嵌めする法等があるが、これらは耐久性と処理
のし易さやコスト面等を考慮して決定するのが良い。
【0029】図4は第3の実施例に係るローラタペット
を構成するローラ14bを示すもので、このローラ14
bはローラ14bの本体22の側面の周縁部に同心円状
に溝部23を形成してローラ14bの全周に薄肉状の縁
部24を形成する。そしてこの溝部23内に充填材25
を設けている。この充填材25は、例えば硬質ゴムのよ
うな本体22より低剛性の材料を使用し、焼付によって
一体化されている。そして縁部24が大きく変形した際
のクッション材として作用させている。
を構成するローラ14bを示すもので、このローラ14
bはローラ14bの本体22の側面の周縁部に同心円状
に溝部23を形成してローラ14bの全周に薄肉状の縁
部24を形成する。そしてこの溝部23内に充填材25
を設けている。この充填材25は、例えば硬質ゴムのよ
うな本体22より低剛性の材料を使用し、焼付によって
一体化されている。そして縁部24が大きく変形した際
のクッション材として作用させている。
【0030】この構造のローラ14bによると、表面は
同一材料で構成されているので摩擦に対しては同一な挙
動を示す。一方、面圧に対しては縁部24を薄肉状に形
成ししてこの薄肉状の部分を低剛性の材料で充填してい
るために、この縁部24は他の部分より容易に変形する
ことができる。前記の本発明によれば、ローラのカムの
案内面に対する片当りを防止することによってカム装置
のローラ、あるいはカムとローラの両者の耐摩耗性を向
上することができる。
同一材料で構成されているので摩擦に対しては同一な挙
動を示す。一方、面圧に対しては縁部24を薄肉状に形
成ししてこの薄肉状の部分を低剛性の材料で充填してい
るために、この縁部24は他の部分より容易に変形する
ことができる。前記の本発明によれば、ローラのカムの
案内面に対する片当りを防止することによってカム装置
のローラ、あるいはカムとローラの両者の耐摩耗性を向
上することができる。
【0031】また、接触面の高面圧が発生することを防
止できることから、カム装置をコンパクト化して慣性力
を軽減することができ、その結果、内燃機関の耐オーバ
ーラン性を向上することができる。更に、カム装置をコ
ンパクト化することによってこのカム装置を含む内燃機
関の重量を軽減し、内燃機関の低コスト化を実現すこと
ができる。
止できることから、カム装置をコンパクト化して慣性力
を軽減することができ、その結果、内燃機関の耐オーバ
ーラン性を向上することができる。更に、カム装置をコ
ンパクト化することによってこのカム装置を含む内燃機
関の重量を軽減し、内燃機関の低コスト化を実現すこと
ができる。
【0032】
【発明の効果】本発明に係るカム装置は、カムとこのカ
ムによって駆動されるローラからなるカム装置におい
て、少なくともローラの縁部を、この縁部以外の部分よ
り低剛性に形成して構成されている。従って、ローラの
縁部、あるいはローラとカムの縁部が中央部分より弾性
変形し易くなっていることから、ローラがカムの案内面
に対して片当りしても縁部が他の部分より多く弾性変形
するから、カムとローラとの接触部分の面圧が局部的に
上昇することを防止できる。
ムによって駆動されるローラからなるカム装置におい
て、少なくともローラの縁部を、この縁部以外の部分よ
り低剛性に形成して構成されている。従って、ローラの
縁部、あるいはローラとカムの縁部が中央部分より弾性
変形し易くなっていることから、ローラがカムの案内面
に対して片当りしても縁部が他の部分より多く弾性変形
するから、カムとローラとの接触部分の面圧が局部的に
上昇することを防止できる。
【0033】その結果、異常摩耗やピッチング現象が発
生することを防止することができ、本発明のカム装置に
よって駆動される内燃機関の吸・排気バルブを正確に作
動させることができ、内燃機関の能力を最大限に発揮す
ることができる。
生することを防止することができ、本発明のカム装置に
よって駆動される内燃機関の吸・排気バルブを正確に作
動させることができ、内燃機関の能力を最大限に発揮す
ることができる。
【図1】本発明の第1の実施例に係るカム装置の要部を
正断面図である。
正断面図である。
【図2】図1に示したカム装置の側面図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係るカム装置を要部を
示す正面図である。
示す正面図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係るカム装置を構成す
るローラの要部断面図である。
るローラの要部断面図である。
【図5】従来のカム装置の案内面の摩耗状態を示す正面
図である。
図である。
【図6】ローラがカムに片当りする状態の説明図であ
る。
る。
【図7】片当りしたローラの摩耗状態の説明図である。
【図8】カムとローラが正確に接触している状態の説明
図である。
図である。
【図9】クラウニング化工したローラとカムの接触状態
の説明図である。
の説明図である。
10 カム装置 11 カムシャフト 12 カム
13 シャフト 14 ローラ(ローラタペット) 15 溝部 1
6 縁部 17 溝部 18 縁部
13 シャフト 14 ローラ(ローラタペット) 15 溝部 1
6 縁部 17 溝部 18 縁部
Claims (6)
- 【請求項1】 カムとこのカムによって駆動されるロー
ラからなるカム装置において、カムまたはローラの縁部
の少なくとも一方を、この縁部以外の部分より低剛性に
形成したカム装置。 - 【請求項2】 ローラの側面の外周部分であって、円周
方向に溝部を形成した請求項1記載のカム装置。 - 【請求項3】 カムの立上がり部分の側面の外周部分に
溝部を形成した請求項1記載のカム装置。 - 【請求項4】 カムとこのカムによって駆動されるロー
ラからなるカム装置において、ローラの側面の外周部分
に円周方向に溝部を形成し、更にカムの少なくとも立上
がり部分の側面の外周部分に溝部を形成した請求項1記
載のカム装置。 - 【請求項5】 カムとこのカムによって駆動されるロー
ラからなるカム装置において、ローラの縁部とこの縁部
以外の部分とを異なる金属で形成し、縁部はこの縁部以
外の部分より低剛性の材料によって構成したカム装置。 - 【請求項6】 カムとこのカムによって駆動されるロー
ラからなるカム装置において、少なくともローラの表面
層に近い内面層を、表面層の金属材料より低剛性の材料
によって構成したカム装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28225194A JPH08144717A (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | カム装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28225194A JPH08144717A (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | カム装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08144717A true JPH08144717A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17650021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28225194A Pending JPH08144717A (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | カム装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08144717A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000356184A (ja) * | 1999-05-31 | 2000-12-26 | Sig (Schweiz Ind Ges) | 高圧吐出ポンプ |
EP0935920A3 (de) * | 1998-02-11 | 2001-09-05 | Tipper Tie Alpina AG | Kurvengetriebe |
WO2012138649A1 (en) * | 2011-04-07 | 2012-10-11 | Harris Corporation | Compliant cam of composite materials |
-
1994
- 1994-11-16 JP JP28225194A patent/JPH08144717A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0935920A3 (de) * | 1998-02-11 | 2001-09-05 | Tipper Tie Alpina AG | Kurvengetriebe |
JP2000356184A (ja) * | 1999-05-31 | 2000-12-26 | Sig (Schweiz Ind Ges) | 高圧吐出ポンプ |
WO2012138649A1 (en) * | 2011-04-07 | 2012-10-11 | Harris Corporation | Compliant cam of composite materials |
US8511203B2 (en) | 2011-04-07 | 2013-08-20 | Harris Corporation | Compliant cam of composite materials |
US9091339B2 (en) | 2011-04-07 | 2015-07-28 | Harris Corporation | Compliant cam of composite materials |
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