JPH08143593A - 新規ペプチド及びその塩 - Google Patents

新規ペプチド及びその塩

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JPH08143593A
JPH08143593A JP6309645A JP30964594A JPH08143593A JP H08143593 A JPH08143593 A JP H08143593A JP 6309645 A JP6309645 A JP 6309645A JP 30964594 A JP30964594 A JP 30964594A JP H08143593 A JPH08143593 A JP H08143593A
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JP
Japan
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peptide
action
amino acid
serum albumin
salt
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JP6309645A
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English (en)
Inventor
Masaaki Yoshikawa
正明 吉川
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Ito Ham KK
Itoham Foods Inc
Original Assignee
Ito Ham KK
Itoham Foods Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式で表わされるペプチド及びその塩であ
って医薬として使用される。 【化1】H−Tyr−Leu−Tyr−Glu−Ile
−Ala−Arg−OH で表わされる新規ペプチド及びその塩。 【効果】 回腸収縮,オピオイドアンタゴニスト活性,
ファゴサイトシス促進活性なとの生理活性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モルモット回膓収縮作
用,オピオイドアンタゴニスト作用及びヒト好中球のフ
ァゴサイトシスの促進作用を有する新規ペプチド及びそ
の塩に関する。本発明のペプチドは免疫賦活剤等の医薬
として有用である。
【0002】
【従来の技術】食品中に含まれる蛋白質は栄養効果のみ
ならず種々の生理活生を有することが知られている。例
えば牛乳蛋白質であるガゼインを酵素分解することによ
り、血圧降下作用を有するペプチドが得られることが特
公昭60−23085号公報,特公昭60−23086
号公報,特公昭60−23087号公報等に開示されて
いる。最近種々の蛋白質を酵素分解して得られるペプチ
ドが種々の生理活生を有することが確認されており、食
品由来の蛋白質のアミノ酸配列には、潜在的に生理機能
を持つことが推定されている。
【0003】先に本発明者らはウシ血清アルブミン由来
のペプチドを研究する過程において、血清アルブミンの
アミノ酸配列に注目し、このアミノ酸配列の中から生理
活性を持つ新規なペプチドを見出した(特開平6−10
7686号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】更に本発明者は鋭意研
究した結果、血清アルブミンのアミノ酸配列の中から、
モルモット回腸収縮作用のみならず、オピオイドアンタ
ゴニスト作用及びヒト好中球のファゴサイトシスの促進
作用を有する新規なペプチドを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0005】本発明は血清アルブミンのアミノ酸配列に
由来する新規なペプチドであり、モルモット回腸収縮作
用,オピオイドアンタゴニスト作用,ヒト好中球のファ
ゴサイトシスの促進作用等の各種生理活性を有する物質
の提供を目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の新規なペプチド
は、ウシ血清アルブミンの一次構造中に存在し、第13
7〜143残基に相当するペプチドである。又、ヒト血
清アルブミンの第138〜142残基及びブタ血清アル
ブミンの第137〜143残基に相当するペプチドであ
り、その配列はH−Tyr−Leu−Tyr−Glu−
Ile−Ala−Arg−OHで表わされる。
【0007】本明細書において、アミノ酸,ペプチド,
保護基,その他に関して略号で表示する場合は、IU
B,IUPACの規定もしくは当該分野における慣用記
号に従うものとし、その例を以下に挙げる。又、アミノ
酸等に関して光学異性体がある場合は、特に明記しない
限りL−体を示すものとする。
【0008】Bzl ベンジル基 Boc tert−ブトキシカルボニル基 HCl 塩酸 TFA トリフルオロ酢酸 DMF ジメチルホルムアミド DCM ジクロロメタン
【0009】 Cl2 −Bzl 2,6−ジクロロベンジル基 OcHex シクロヘキシルオキシ基 Bom ベンジルオキシメチル基 Tos p−トルエンスルホニル基 Bop ベンゾトリアゾリル−N−ヒドロキシトリスジ
メチルアミノホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩
【0010】本発明のペプチドは化学合成によって得ら
れる。これらペプチドは逆相ODSによるクロマト,疎
水クロマト,イオン交換クロマト等により精製し、目的
とするペプチドが得られる。なお、化学合成はペプチド
の合成の常法手段によって合成できる。
【0011】例えば「ザ.ペプチド(The Pept
ide)」第1巻(1966年)[Schreder
and Luhke著、Academic Pres
s,New York,U.S.A.]、あるいは「ペ
プチド合成」[泉屋ら著、丸善株式会社(1975
年)]に記載されるごとき方法に従い、例えば、アジド
法,酸クロライド法,酸無水物法,混合酸無水物法,D
CC法,活性エステル法,カルボジイミダゾール法,酸
化還元法,DCC−アディティブ(HONB,HOB
t,HOSu)法等を例示できる。上記においては、固
相合成法及び液相合成法のいずれも適用できる。
【0012】上記各種方法において側鎖官能基を有する
アミノ酸、例えばArg,Glu,及びTyrは、その
側鎖官能基は保護しておくのがのぞましく、これは通常
の保護基により保護され、反応終了後該保護基は脱離さ
れる。このようにして得られたペプチドをアミノ酸シー
ケンサによる配列分析及びアミノ酸組成により特定する
ことができる。
【0013】又、本発明のペプチドは酢酸,塩酸等と塩
を形成する。本発明ではこれらの塩も包含する。このよ
うにして得られた新規ペプチドは、モルモット回腸収縮
作用,オピオイドアンタゴニスト作用,ヒト好中球のフ
ァゴサイトシスの促進作用を有する。
【0014】
【実施例】以下に実施例を説明する。本実施例では一例
としてポリペプチド誘導体の製造例を挙げるが、これら
は本発明を限定するものではない。なお、物性値として
6N塩酸110℃、24時間加水分解後のアミノ酸分析
及び高速液体クロマトグラフ(510型、ウオーターズ
社製)を用いた高速液体クロマトグラフィーによる分析
を行なった。
【0015】実施例1(化学合成によるH−Tyr−L
eu−Tyr−Glu−Ile−Ala−Arg−OH
の調製) ペプチド合成装置9600(Bioserch社製)に
より、同装置のプロトコールに従って合成した。即ち、
7番目の保護アミノ酸の結合したBoc−Arg(To
s)−PAM樹脂(0.5mmole/g渡辺化学工業
株式会社製)0.6gをペプチド合成装置の反応容器に
セットし、45%(v/v)TFA,2.5%(v/
v)アニソール,52.5%(v/v)DCMを含むデ
ブロック液と20分間接触させBoc基を除いた。
【0016】DCMによる洗浄の後、10%(v/v)
ジイソプロピルエチレンアミンを含むDCMにて樹脂を
中和し、DCMにより洗浄した。その後1.5mmol
eの6番目の保護アミノ酸Boc−Ala−OH及び
1.5mmoleのBop(夫々理論当量の5倍)を含
む20mlのDCM,DMF混合溶液中で1時間室温に
て反応させた。DMF及びDCMにじ順次洗浄してBo
c−Ala−Arg(Tos)−PAM樹脂を得た。以
下、次に示す保護アミノ酸を用いて順次6番目から1番
目までのアミノ酸をカップリングした。
【0017】 アミノ酸順序 保護アミノ酸 6 Boc−Ala−OH 5 Boc−Ile−OH 4 Boc−Glu(OcHex)−OH 3 Boc−Tyr(Cl2 Bzl)−OH 2 Boc−Leu−OH 1 Boc−Tyr(Cl2 Bzl)−OH
【0018】上記のようにカップリングした保護ペプチ
ド樹脂を10%アニソールを含む無水フッ化水素中で1
時間0℃にて反応させた後、フッ化水素留去及びエーテ
ルによる洗浄を行なった。得られたペプチド及び樹脂の
混合物から10%酢酸にてペプチドを抽出し、凍結乾燥
によって約240mgの粗ペプチドを得た。
【0019】粗ペプチドを0.1%TFAに溶解した
後、オクタデシルシリカ(ODS)カラム(Cosmo
sil、5C18−AR,4.6×150mm、ナカライ
テスク社製)を接続した高速液体クロマトグラフ(51
0型、ウオーターズ社製)により、0.1%TFAを含
むアセトニトリルの直線的濃度勾配(1%/min)に
て流速1.0mlで展開した。目的とするペプチドは3
0分に溶出された。 アミノ酸分析 Glu(1)1.01,Ile(1)0.99,Ala
(1)1.00,Leu(1)0.98,Tyr(2)
2.03,Arg(1)1.02
【0020】[薬理活性]このようにして得られた新規
ペプチドはモルモット回腸収縮作用,オピオイドアンタ
ゴニスト作用,ヒト好中球のファゴサイトシスの促進作
用を有する。これらの生理活性は以下のように確認され
る。
【0021】 回腸収縮作用 体重300〜400gのモルモットより摘出した回腸縦
走筋切片を高木らの著書による方法(高木他編薬物学実
験、94〜99P、1972年、南山堂)に従って処理
をし、測定に供した。標本の一端を糸を介して等長性ト
ランスジューサに接続し、他端を内容積2mlのマヌグ
ス管内に固定し、筋収縮の張力を電気的に記録した。検
体の回腸収縮活性の強さは、最大値50%の収縮を与え
るのに必要な濃度EC50値により表わした。このように
して測定した本発明ペプチドの濃度EC50は300μM
であった。
【0022】 オピオイドアンタゴニスト活性 モルモット回腸縦走筋神経叢標本のオピオイド作用薬に
よる収縮抑制を解除する作用により測定した。体重30
0〜350gのモルモットより摘出した回腸から縦走筋
神経叢標本を調製し、該標本の一端を糸を介して等長性
トランスジューサに接続し、他端を内容積2mlのマグ
ヌス管の底に固定した。
【0023】マグヌス管にはクレブス−リンゲル液を満
たし、37℃の温度に保ち、02 /CO2 混合ガス(9
5:5)を通気した。マグヌス管内の電極には10秒に
1回の割合で電気刺激(10V,0.5msec)を与
え、筋収縮の張力を電気的に記録した。なお、収縮はオ
ピオイドアゴニストによって抑制される。
【0024】液体のオピオイドアンタゴニストの活性の
強さは、[D−Ala2 ,N−Me−Phe4 ,Gly
ol5 ]エンケファリンのオピオイドアゴニスト活性を
1/2にするのに必要なアンタゴニストの濃度EC50
により表わした。このようにして測定した本発明ペプチ
ドのEC50値は70μMであった。
【0025】 ファゴサイトシス促進活性 ヒト末梢血にPBSを加え1000rpm×5分の遠心
分離で血球を洗浄した後、PBSにて4×106 個/m
lの血球の懸濁液を調製した。この溶液100μlを採
り、PBSに溶解させたペプチド溶液10μlを加え、
37℃で10分インキュベートを行ない、次いでヒト末
梢血でオプソニン化した4×108 個/mlの蛍光標識
ラテックスビーズ液10μlを加え、更に5分インキュ
ベートを行なった。EDTAを含むPBSで反応を停止
させ、遠心により血球を分離し、これに塩化アンモニウ
ム溶血剤を加えて溶血させ白血球を得た。これをEDT
Aを含むPBSに懸濁後、フローサイトメトリーにて測
定した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば回
腸収縮,オピオイドアンタゴニスト活性,ファゴサイト
シス促進活性など種々の生理活性を有する新規ペプチド
は、免疫賦活剤等医薬として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 【化1】H−Tyr−Leu−Tyr−Glu−Ile
    −Ala−Arg−OH で表わされる新規ペプチド及びその塩。
JP6309645A 1994-11-18 1994-11-18 新規ペプチド及びその塩 Pending JPH08143593A (ja)

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