JPH08143475A - 難溶性薬物の溶解方法 - Google Patents

難溶性薬物の溶解方法

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JPH08143475A
JPH08143475A JP6305694A JP30569494A JPH08143475A JP H08143475 A JPH08143475 A JP H08143475A JP 6305694 A JP6305694 A JP 6305694A JP 30569494 A JP30569494 A JP 30569494A JP H08143475 A JPH08143475 A JP H08143475A
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JP
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amino
formula
lower alkyl
acid
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JP6305694A
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English (en)
Inventor
Tetsunori Yamakawa
哲規 山川
Mariko Tanimoto
真理子 谷本
Kazumi Iguro
和美 井黒
Masaru Tai
賢 田井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyama Chemical Co Ltd
Original Assignee
Toyama Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、セファロスポリン、ピリドンカルボン酸、ジ
ピリダモール、ミコナゾールなどの難溶性薬物を生理的
pH付近で溶解させる方法を提供する。 【構成】溶解剤がN−アセチルトリプトファンまたはト
リプトファンである難用性薬物の溶解方法。 【効果】本発明によれば、生理的pH付近で難溶性薬物
の溶解度を著しく向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−アセチルトリプト
ファンまたはトリプトファンを溶解剤として用いる難溶
性薬物の溶解方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】セファロスポリン系抗生物質の溶解方法
については、添加剤として、アルギニン、リジンなどの
塩基性アミノ酸、サリチル酸ナトリウムまたは安息香酸
ナトリウムなどを配合する方法(特開平2−12482
2号、同2−124823号);セファロスポリン系抗
生物質の酸付加塩に、炭酸水素ナトリウム等の塩基性物
質を添加する方法(特開平1−250322号)などが
知られている。また、セファロスポリン系抗生物質の各
種の添加剤、たとえば、アミノ酸類、糖類、無機塩類に
よる製剤の安定化の検討も薬学雑誌[第110巻、第3号、
第191-201頁(1990年)]に報告されている。
【0003】ピリドンカルボン酸およびその塩の溶解方
法としては、アルミニウム、マグネシウムまたは亜鉛を
構成成分とする金属化合物を添加する方法(特開昭63
−188626号)などが知られている。
【0004】その他、難溶性薬物の溶解方法として、ミ
コナゾールについては、尿素を用いる方法(特開昭63
−258814号公報);ジピリダモールについては、
プリンヌクレオチドまたはピリミジンヌクレオチドを用
いる方法(特開昭47−39619号公報);また、炭
素数6〜12の脂肪族アシルでアシル化されたアミノ酸
を難溶性の解熱消炎鎮痛剤の溶解に用いる方法(特開平
5−178763号公報)などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】セファロスポリン系抗
生物質は、選択毒性に優れ、広範囲な抗菌スペクトルを
有するため、薬剤として広く使用されている。特にベタ
イン構造を有する化合物は、グラム陽性菌のみならずグ
ラム陰性菌に対しても強い抗菌力を示す。さらに、近
年、問題となっているメチシリン耐性ブドウ球菌(MR
SA)に対しても極めて有効である。また、ピリドンカ
ルボン酸およびその塩は、グラム陽性菌およびグラム陰
性菌に対して優れた抗菌力を有し、β−ラクタマーゼ産
生菌に対しても有効であることから現在、感染症治療剤
として広く用いられている薬剤である。しかし、このよ
うな化合物は抗菌力に優れるが、難溶性であり、注射剤
としての開発は非常に困難である。難溶性薬物を、医薬
品製剤として開発するのに十分な濃度を与え、かつ、生
理的pH付近の溶液となる溶解方法の開発が望まれてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる状況下において、
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、難溶性薬物に、
N−アセチルトリプトファンまたはトリプトファンを配
合することにより、難溶性薬物の溶解性が著しく改善さ
れることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける難溶性薬物は、特に限定されないが、たとえば、
一般式[1]
【化3】 「式中、R1は、保護されていてもよいアミノ基を;R2
は、水素原子または置換されていてもよいアルキル、ア
ルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルアルキ
ル、アリールもしくは複素環式基を;Aは、CH、CX
(Xは、ハロゲン原子を示す。)または窒素原子を;R
3は、置換されていてもよいヘテロニオまたはヘテロニ
オチオ基を示す。」で表わされるセファロスポリン誘導
体などのベタイン構造を有する化合物;一般式[2]
【化4】 「式中、R4は、置換されていてもよい低級アルキル、
低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ア
リールまたは複素環式基を;R5は、水素原子、ハロゲ
ン原子、低級アルキル基、アルコキシ基、保護されてい
てもよいヒドロキシル、アミノもしくは低級アルキルア
ミノ基またはジ−低級アルキルアミノ基を;R6は、置
換されていてもよいシクロアルキル、ビニルまたは環状
アミノ基を;
【外8】 は、
【外9】 または
【外10】 (式中、X1は、水素原子またはハロゲン原子を示
す。)を意味するか、またはR4と一緒になって式
【外11】 (式中、R7は、水素原子または低級アルキル基を;D
は、酸素原子または硫黄原子を示す。)で表わされる基
を示し;
【外12】 は、
【外13】 または
【外14】 (式中、X2は、水素原子またはハロゲン原子を示
す。)で表わされる基を示す。」で表わされるピリドン
カルボン酸誘導体などの両性化合物;ミコナゾールまた
はジピリダモールなどが挙げられる。
【0008】本発明における溶解剤としては、N−アセ
チルトリプトファンまたはトリプトファンおよびそれら
の薬理学的に許容される塩基性塩もしくは酸性塩などが
挙げられ、好ましくは、N−アセチルトリプトファンが
挙げられる。
【0009】なお、本明細書において、特にことわらな
い限り、アルキル基とは、たとえば、メチル、エチル、
n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イ
ソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはヘ
プチルなどの直鎖状もしくは分枝鎖状のC1-10アルキル
基を;低級アルキル基とは、たとえば、メチル、エチ
ル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチ
ル、イソブチル、tert−ブチルまたはペンチルなどの直
鎖状もしくは分枝鎖状のC1-5アルキル基を;アルケニ
ル基とは、たとえば、ビニル、アリル、プロペニル、イ
ソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニルま
たはヘキセニルなどの直鎖状もしくは分枝鎖状のC2-10
アルケニル基を;低級アルケニル基とは、たとえば、ビ
ニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニ
ル、イソブテニルまたはペンテニルなどの直鎖状または
分枝鎖状のC2-5アルケニル基を;アルキニル基とは、
たとえば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニ
ルまたはヘキシニルなどの直鎖状もしくは分枝鎖状のC
2-10アルキニル基を;低級アルキニル基とは、たとえ
ば、エチニル、プロピニル、ブチニルまたはペンチニル
などの直鎖状もしくは分枝鎖状のC2-5アルキニル基
を;シクロアルキル基とは、たとえば、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチルもしくはシクロヘキ
シルなどのC3-6シクロアルキル基を;アリール基と
は、たとえば、フェニルまたはナフチル基を;アルアル
キル基とは、たとえば、ベンジル、フェネチルまたはト
リチル基を;低級アルキルアミノ基とは、たとえば、メ
チルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノまたはジメ
チルアミノなどのようなモノ−またはジ−C1-5アルキ
ルアミノ基を;環状アミノ基とは、たとえば、ピペラジ
ニル、ピロリジニル、モルホリニルまたは1,4−ジア
ザビシクロ[3.2.1]オクチルなどのような4−10員
環状アミノ基を;アルコキシ基とは、アルキル−O−
(アルキルは、上記したと同様の意味を有する。)で表
わされる基を;低級アルコキシ基とは、低級アルキル−
O−(低級アルキルは、上記したと同様の意味を有す
る)で表わされる基を;
【0010】複素環式基とは、酸素原子、硫黄原子およ
び窒素原子から選ばれる1つ以上の異項原子を含有する
4−7員複素環式基、縮合複素環式基または架橋複素環
式基、たとえば、チエニル、フリル、ピロリル、ピロリ
ニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、
チアゾリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イミ
ダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、1,2,3―
チアジアゾリル、1,3,4―チアジアゾリル、1,2,4
―チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,
4―オキサジアゾリル、1,2,4―オキサジアゾリル、
1,2,3―トリアゾリル、1,2,4―トリアゾリル、テ
トラゾリル、ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒド
ロピリジル、キノリル、イソキノリル、ピリミジニル、
ピラジニル、ピペラジニル、ピリダジニル、チエタニ
ル、チオラニル、テトラヒドロフラニル、1,2,4―ト
リアジニル、ピロリジニル、モルホリニル、イミダゾリ
ジニル、ピペリジニル、キヌクリジニル、ベンズイミダ
ゾリル、ベンズチアゾリルもしくはイミダゾ[1,2―
b][1,2,4]トリアジニルなどを;ハロゲン原子と
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子
を;アシル基とは、たとえば、ホルミル基、アセチルも
しくはプロピオニルなどのC2-5アルカノイル基、ベン
ゾイルもしくはナフトイルなどのアロイル基またはニコ
チノイル、テノイル、ピロリジノカルボニルもしくはフ
ロイル基などの複素環カルボニル基などのアシル基を;
ヘテロニオ基とは、たとえば、ピリジニオ、ピラジニ
オ、イソキノリオ、モルフォリオ、ピロリジニオ、ピラ
ゾリオ、6,7−ジヒドロ−5H−1−ピリジウム、キ
ヌクリジニオ、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニウム
あるいはチエノ[2,3−b]ピリジニオ基などの基
を;ヘテロニオチオ基とは、ヘテロニオ基がSを介して
結合する基を;
【0011】アシルアミノ基とは、たとえば、ホルミル
アミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノまたはブ
チリルアミノなどのようなC1-4アシルアミノ基を;ア
シルオキシ基とは、アシル−O−(アシルは、上記した
と同様の意味を有する。)で表わされる基を;アミノ低
級アルキル基とは、アミノ基で置換された低級アルキル
基(低級アルキルは、上記したと同様の意味を有す
る。)を;アリールオキシ基とは、アリール−O−(ア
リールは、上記したと同様の意味を有する。)で表わさ
れる基を;アリールチオ基とは、アリール−S−(アリ
ールは、上記したと同様の意味を有する。)で表わされ
る基を;アリールスルホニルオキシ基とは、アリール−
SO2−O−(アリールは、上記したと同様の意味を有
する。)で表わされる基を;アルケニルチオ基とは、ア
ルケニル−S−(アルケニルは、上記したと同様の意味
を有する。)で表わされる基を;アルアルキルオキシカ
ルボニル基とは、アルアルキル−O−CO−(アルアル
キル基は、上記したと同様の意味を有する。)で表わさ
れる基を;アルコキシカルボニル基とは、たとえば、ア
ルコキシ−CO−(アルコキシ基は、上記したと同様の
意味を有する。)を;シクロアルキルチオ基とは、シク
ロアルキル−S−(シクロアルキルは、上記したと同様
の意味を有する。)で表わされる基を;シクロアルケニ
ルチオ基とは、たとえば、シクロペンテニルチオまたは
シクロヘキセニルチオなどのシクロアルケニル−S−で
表わされる基を;低級アルキルアミノ低級アルキル基と
は、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、エチル
アミノエチル、ジメチルアミノエチル、メチルエチルア
ミノエチルまたはジメチルアミノメチルなどのモノ−ま
たはジ−C1- 5アルキルアミノC1-5アルキル基を;ハロ
ゲノ低級アルキル基とは、たとえば、クロロメチル、ジ
クロロエチル、ブロモエチル、トリクロロメチルまたは
トリフルオロメチルなどのハロゲノ−C1-5アルキル基
を;ヒドロキシ低級アルキル基とは、ヒドロキシル基で
置換された低級アルキル基(低級アルキルは、上記した
と同様の意味を有する。)を;低級アルコキシカルボニ
ルオキシ基とは、低級アルコキシ−CO−O−(低級ア
ルコキシは、上記したと同様の意味を有する。)で表わ
される基を;低級アルキルスルホニルオキシ基とは、低
級アルキル−SO2−O−(低級アルキルは、上記した
と同様の意味を有する。)で表わされる基を;低級アル
コキシカルボニル基とは、低級アルコキシ−CO−(低
級アルコキシは、上記したと同様の意味を有する。)で
表わされる基を;低級アルキルチオ基とは、低級アルキ
ル−S−(低級アルキルは、上記したと同様の意味を有
する。)で表わされる基を;環状アミノ低級アルキル基
とは、たとえば、1−ピペラジニルメチル、1−ピロリ
ジニルメチル、1−アゼチジニルメチルまたは1−モル
ホリニルメチルなどのような4−6員環状アミノ−C
1-5アルキル基を;複素環式チオ基とは、複素環式−S
−(複素環式基は、上記したと同様の意味を有する。)
で表わされる基をそれぞれ意味する。
【0012】一般式[1]のセファロスポリンまたはそ
の塩において、R2におけるアルキル、アルケニル、ア
ルキニル、シクロアルキル、アルアルキル、アリールも
しくは複素環式基またはR3のヘテロニオもしくはヘテ
ロニオチオ基の置換基としては、たとえば、ハロゲン原
子、アミノ基、オキソ基、カルボキシル基、イミノ基、
低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル
基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アシル基、ア
シルオキシ基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、
スルホ基、低級アルキルチオ基、アルケニルチオ基、シ
クロアルキルチオ基、シクロアルケニルチオ基、アリー
ルチオ基、アルアルキルオキシカルボニル基、アミジノ
基、ホルムアミジノ基、カルバモイル基、ウレイド基、
アジド基、カルバモイルオキシ基、低級アルキルスルホ
ニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、シアノ
基、ニトロ基、低級アルコキシカルボニル基、アリール
基、複素環式チオ基および複素環式基などが挙げられ、
上記した基はこれらの1つまたは2つ以上の置換基で置
換されていてもよい。これらの置換基は、さらにヒドロ
キシル基、低級アルキル基、イミノ基、ハロゲノ低級ア
ルキル基、アミノ低級アルキル基、アシル基、カルボキ
シル基、複素環式チオ基、低級アルコキシ基、スルホ
基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級
アルコキシカルボニルオキシ基およびシクロアルキル基
などの1つまたは2つ以上の置換基で置換されていても
よい。
【0013】一般式[2]の化合物またはその塩におい
て、R4における低級アルキル、低級アルケニル、低級
アルキニル、シクロアルキル、アリールまたは複素環式
基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよい
カルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシル
基、保護されていてもよいアミノ基、アルキル基、アル
コキシ基、アルコキシカルボニル基、アリール基、シク
ロアルキル基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、低級
アルケニル基、ハロゲノ低級アルキル基、低級アルキル
アミノ基またはジ−低級アルキルアミノ基などから選ば
れる一つ以上の置換基で置換されていてもよく、また、
6におけるシクロアルキル、ビニルまたは環状アミノ
基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、保護されていて
もよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキ
シル基、保護されていてもよいアミノ基、保護されてい
てもよい低級アルキルアミノ基、保護されていてもよい
アミノ低級アルキル基、保護されていてもよい低級アル
キルアミノ低級アルキル基、保護されていてもよいヒド
ロキシ低級アルキル基、ジ−低級アルキルアミノ基、ジ
−低級アルキルアミノ低級アルキル基または環状アミノ
低級アルキル基などから選ばれる一つ以上の置換基で置
換されていてもよい。
【0014】カルボキシル基の保護基としては、たとえ
ば、生体内において容易に脱離するエステル形成基のよ
うな薬学的に許容されるカルボキシル保護基が挙げられ
る。また、アミノ基、低級アルキルアミノ基、アミノ低
級アルキル基および低級アルキルアミノ低級アルキル基
の保護基としては、たとえば、アセチル、ベンジルおよ
びtert−ブトキシカルボニル基などの一般に用いられ、
薬学的に許容されるアミノ保護基が挙げられる。さら
に、ヒドロキシル基およびヒドロキシ低級アルキル基の
保護基としては、たとえば、生体内において容易に脱離
する薬学的に許容されるヒドロキシル保護基などが挙げ
られる。
【0015】これらの薬物は遊離体であっても酸付加塩
であってもよい。酸付加塩を使用する場合には注射剤と
して生理的なpHとするため、薬物に対して等モルの塩
基性物質で中和することもできる。この場合、使用され
る塩基性物質は薬理的に許容される塩基性物質であれば
特に限定されないが、炭酸水素ナトリウムのような弱塩
基性物質が好ましい。これらの化合物において異性体
(たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体
など)が存在する場合、本発明で使用される化合物は、
それら全ての異性体を包含し、また水和物、溶媒和物お
よびすべての結晶形を包含するものである。
【0016】本発明で使用されるN−アセチルトリプト
ファンまたはトリプトファンは、単独で使用しても2種
以上混合して使用してもよい。また、これらの溶解剤
は、溶解性を高める目的で塩として用いてもよい。使用
される塩としては、薬理的に許容される塩であれば、特
に限定されないが、たとえば、ナトリウムあるいはカリ
ウムなどのアルカリ金属との塩;塩酸、硫酸およびリン
酸などの無機酸との塩;酢酸、乳酸、メタンスルホン酸
およびクエン酸などの有機酸との塩が好ましい。
【0017】一般式[1]のセファロスポリンの化合物
としては、たとえば、以下の化合物を挙げることができ
る。 ・7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾー
ル−3−イル)−2−(Z)−メトキシイミノアセタミ
ド]−3−[7−(3−シクロプロピルチエノ[2,3
−b]ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カル
ボキシレート ・7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾー
ル−3−イル)−2−(Z)−エトキシイミノアセタミ
ド]−3−[7−(3−シクロプロピルチエノ[2,3
−b]ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カル
ボキシレート ・7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾー
ル−3−イル)−2−(Z)−メトキシイミノアセタミ
ド]−3−(1−イミダゾ[1,2−b]ピリダジニウ
ム)メチル−3−セフェム−4−カルボキシレート ・(−)−1−[[(6R,7R)−7−[(Z)−2
−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−メトキシイミ
ノアセタミド]−2−カルボキシ−8−オキソ−5−チ
ア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−
3−イル]メチル]−6,7−ジヒドロ−5H−1−ピ
リジニウムヒドロキサイドインナーサルト ・(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−
4−チアゾリル)−2−メトキシイミノアセタミド]−
3−(1−メチルピロリジニオメチル)−3−セフェム
−4−カルボキシレート ・(−)−1−[[(6R,7R)−7−[(Z)−2
−(5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール−3−イ
ル)−2−メトキシイミノアセタミド]−2−カルボキ
シ−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.
0]オクト−2−エン−3−イル]メチル]イミダゾ
[1,2−b]ピリダジニウムヒドロキサイドインナー
サルト ・(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−
4−チアゾリル)−2−メトキシイミノアセタミド]−
3−[4−(オキサゾール−5−イル)−1−ピリジニ
オ]メチル−3−セフェム−4−カルボキシレート ・(6R,7R)−7−[2−(5−アミノ−1,2,4
−チアジアゾール−3−イル)−(Z)−2−メトキシ
イミノアセタミド]−3−[(4−カルバモイル−1−
キヌクリジニオ)メチル]−3−セフェム−4−カルボ
キシレート
【0018】・5−アミノ−2−[[(6R,7R)−
7−[(Z)−2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−
2−メトキシイミノアセタミド]−2−カルボキシ−8
−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オ
クト−2−エン−3−イル]メチル]−1−(2−ヒド
ロキシエチル)−1H−ピラゾリウム ・(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−
4−チアゾリル)−2−[(1S)−1−カルボキシエ
トキシイミノ]アセタミド]−3−[[(1−エチル−
4−ピリジノ)チオ]メチル]−3−セフェム−4−カ
ルボキシレート ・7β−[(Z)−2−(5−アミノ−1,2,4−チア
ジアゾール−3−イル)−2−(1−カルボキシ−1−
メチルエトキシイミノ)アセタミド]−3−[3−アミ
ノ−2−(ヒドロキシエチル)ピラゾリオ]メチル−3
−セフェム−4−カルボキシレート ・2−[[(6R,7R)−7−[2−(2−アミノ−
4−チアゾリル)−2−[(1−カルボキシ−1−メチ
ルエトキシ)イミノ]アセタミド]−2−カルボキシ−
8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]
オクト−2−エン−3−イル]メチル]−6,7−ジヒ
ドロキシイソキノリニウムヒドロキサイドインナーサル
ト ・7−[2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−エ
トキシイミノアセタミド]−3−[[1−(カルボキシ
メチル)ピリジニウム−4−イル]チオメチル]−3−
セフェム−4−カルボキシレート ・7−[2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−
(5−ヒドロキシ−4−ピリドン−2−カルボキシアミ
ド)アセタミド]−3−(1−メチル−4−ピリジノチ
オメチル)−3−セフェム−4−カルボキシレート ・7−[(Z)−2−(2−アミノ−4−チアゾリル)
−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)
アセタミド]−3−(5,6−ジヒドロキシ−2−メチ
ル−2−イソインドリウム)メチル−3−セフェム−4
−カルボキシレート ・1−[[7−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジ
アゾール−3−イル)−2−[(カルボキシメトキシ)
イミノ]アセタミド]−2−カルボキシ−8−オキソ−
5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−
エン−3−イル]メチル]ピリジニウムヒドロキサイド
インナーサルト
【0019】一般式[2]の化合物としては、具体的
に、ナフチリジンまたはキノリンの7位塩基性基が結合
する化合物、たとえば、以下の化合物を挙げることがで
きる。 ・1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−
オキソ−7−(1−ピペラジニル)−1,8−ナフチリ
ジン−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−エチル
−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8
−ナフチリジン−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−シクロ
プロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキ
ソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノ−4−メチル−1−ピロリジニル)
−1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒド
ロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン
酸 ・1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(3−メチ
ルアミノ−1−ピロリジニル)−1,4−ジヒドロ−4
−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸
【0020】・7−(3−アミノ−3−メチル−1−ピ
ロリジニル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−
1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−
3−カルボン酸 ・1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(1−ピペ
ラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナ
フチリジン−3−カルボン酸 ・7−(シス−3−アミノメチル−4−クロロ−1−ピ
ロリジニル)−1−シクロプロピル−6−フルオロ−
1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−
3−カルボン酸 ・7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−(2,
4−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−1,4−ジ
ヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カル
ボン酸 ・1−エチル−6−フルオロ−7−(1−ピペラジニ
ル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カ
ルボン酸
【0021】・1−エチル−6,8−ジフルオロ−7−
(3−メチル−1−ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ
−4−オキソキノリン−3−カルボン酸 ・1−(2−フルオロエチル)−6,8−ジフルオロ−
7−(4−メチル−1−ピペラジニル)−1,4−ジヒ
ドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸 ・5−アミノ−1−シクロプロピル−6,8−ジフルオ
ロ−7−(3,5−ジメチル−1−ピペラジニル)−1,
4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−1−シクロ
プロピル−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−
オキソキノリン−3−カルボン酸 ・7−(3−アミノメチル−1−モルホリノ)−1−シ
クロプロピル−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−
4−オキソキノリン−3−カルボン酸
【0022】・1−シクロプロピル−6−フルオロ−7
−(1−ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキ
ソキノリン−3−カルボン酸 ・1−シクロプロピル−6−フルオロ−5−メチル−7
−(3−メチル−1−ピペラジニル)−1,4−ジヒド
ロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸 ・6−フルオロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)
−7−(3−メチル−1−ピペラジニル)−1,4−ジ
ヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸 ・5−アミノ−1−シクロプロピル−7−(3−エチル
アミノメチル−1−ピロリジニル)−6,8−ジフルオ
ロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カル
ボン酸 ・1−シクロプロピル−7−(3−エチルアミノメチル
−1−ピロリジニル)−5,6,8−トリフルオロ−1,
4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸
【0023】・1−エチル−6−フルオロ−7−(4−
メチル−1−ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−
オキソキノリン−3−カルボン酸 ・9−フルオロ−3−メチル−10−(4−メチル−1
−ピペラジニル)−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7
H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾオキ
サジン−6−カルボン酸 ・10−(1−アミノシクロプロピル)−9−フルオロ
−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ−7H−
ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾオキサジ
ン−6−カルボン酸 ・(S)−9−フルオロ−3−メチル−10−(4−メ
チル−1−ピペラジニル)−7−オキソ−2,3−ジヒ
ドロ−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベ
ンゾオキサジン−6−カルボン酸 ・(S)−10−(1−アミノシクロプロピル)−9−
フルオロ−3−メチル−7−オキソ−2,3−ジヒドロ
−7H−ピリド[1,2,3−de][1,4]ベンゾ
オキサジン−6−カルボン酸
【0024】一般式[1]の化合物の塩としては、通常
知られているアミノ基などの塩基性基またはカルボキシ
ル、スルホもしくはヒドロキシル基などの酸性基におけ
る塩あるいは分子内塩が挙げられる。塩基性基における
塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素
酸もしくは硫酸などの鉱酸類との塩;過塩素酸との塩;
ホウフッ化水素酸との塩;リン酸との塩;ギ酸、トリク
ロロ酢酸もしくはトルフルオロ酢酸などの有機カルボン
酸類との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、ナフ
タレン―2―スルホン酸もしくはナフタレン―1,5―
ジスルホン酸などのスルホン酸類との塩;またはグルタ
ミン酸もしくはアスパラギン酸などの酸性アミノ酸類と
の塩などが挙げられる。また、酸性基における塩として
は、たとえば、ナトリウムもしくはカリウムなどのアル
カリ金属との塩;カルシウムもしくはマグネシウムなど
のアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、ピリジン、N,N―
ジメチルアニリン、N―メチルピペリジンもしくはN―
メチルモルホリンなどの含窒素有機塩基との塩;または
リジンもしくはアルギニンなどの塩基性アミノ酸との塩
などが挙げられる。さらに、一般式[1]の化合物が分
子内において、分子内のチエノピリジニオ基並びにこの
他にオニウム基を有する場合、該オニウム基は、通常、
前述したR5におけるカルボキシラト基と分子内塩を形
成していてもよく、ハロゲンアニオン、低級アルキルス
ルホニルオキシアニオンまたは低級アルキル基もしくは
ハロゲン原子などで置換されていてもよいアリールスル
ホニルオキシアニオンなどと塩を形成していてもよい。
【0025】一般式[2]の化合物の塩としては、塩
酸、硫酸もしくはリン酸などのような無機酸との塩;酢
酸、乳酸、コハク酸、p-トルエンスルホン酸、メタンス
ルホン酸、マレイン酸、マロン酸もしくはグルコン酸な
どのような有機酸との塩;並びにアスパラギン酸もしく
はグルタミン酸などのアミノ酸との塩;またはナトリウ
ムもしくはカリウムなどのアルカリ金属との塩;マグネ
シウムもしくはカルシウムなどのアルカリ土類金属との
塩などが挙げられる。
【0026】難溶性薬物と溶解剤との配合割合は薬物の
種類により変動するが、通常、薬物に対する溶解剤の量
は、0.05−50倍量の範囲で選択される。製剤時、
最初に溶解剤を溶媒に溶解するが、その際に、調製され
る溶解剤の濃度は、溶媒の量に対して、高ければ高いほ
ど、薬物の溶解効果は高くなるが、好ましくは、溶解剤
の溶媒の量に対する濃度で、0.1−50%(W/W)
の範囲が挙げられる。
【0027】本発明方法は、薬物に溶解剤を添加するこ
とにより実施できる。さらに具体的には、たとえば、本
発明は、薬剤と溶解剤とを水に溶解し、必要に応じてp
Hを調整することにより実施できる。調節すべきpH値
は薬剤によって変わるが、たとえば、5.0−8.0の
生理的pHの範囲から適宜選択される。また、本発明方
法は注射剤、点眼剤、点耳剤および点鼻剤などの製剤化
に広く適用され、好ましくは、注射剤を調製する際に適
用される。いったん調製された溶液は、凍結乾燥するこ
とも可能である。さらに、溶解剤の他に、安定化剤、緩
衝剤、抗酸化剤およびpH調整剤など薬学的に許容され
る補助剤を添加してもよい。
【0028】
【実施例】つぎに、本発明組成物を具体的に実施例を挙
げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。薬物A、B、C、ジピリダモールおよびミコナゾ
ールを例にとって本発明を更に詳細に説明する。なお、
薬物A、BおよびCは、以下の化合物を示す。
【0029】薬物A:7β−[2−(5−アミノ−1,
2,4−チアジアゾール−3−イル)−2−(Z)−メ
トキシイミノアセトアミド]−3−[7−(3−シクロ
プロピルチエノ[2,3−b]ピリジニオ)メチル]−
3−セフェム−4−カルボキシレート 薬物B:7β−[2−(5−アミノ−1,2,4−チアジ
アゾール−3−イル)−2−(Z)−エトキシイミノア
セトアミド]−3−[7−(3−シクロプロピルチエノ
[2,3−b]ピリジニオ)メチル]−3−セフェム−
4−カルボキシレート 薬物C:シプロフロキサシン
【0030】実施例1 L−アセチルトリプトファン(AcTry)と等モルの
炭酸水素ナトリウムを配合し、注射用蒸留水を加え、ア
セチルトリプトファンの1%、10%、20%溶液を調製す
る。この溶液1mlに、薬物(A、BまたはC)を100mg
ずつ加え、25℃で2分間攪拌する。薬物が完全に溶解す
れば、さらに薬物を100mgずつ加え、溶解しなくなるま
でこの操作を繰り返す。この懸濁液をメンブランフィル
ター(0.22μm)で濾過する。得られた濾液の薬物濃度を
高速液体クロマトグラフィーを用いて測定する。対照と
して、薬物(A、BまたはC)100mgを注射用蒸留水1m
lに加え、25℃で2分間攪拌し、メンブランフィルター
(0.22μm)で濾過し、得られた濾液を用いた。その結果
を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 L−アセチルトリプトファン(AcTry)と等モルの
炭酸水素ナトリウムを配合し、注射用蒸留水を加え、ア
セチルトリプトファンの10%または20%溶液を調製す
る。この溶液1mlに、薬物(ジピリダモールまたは硝酸
ミコナゾール)を100mgずつ加え、25℃で2分間攪拌す
る。薬物が完全に溶解すれば、さらに薬物をそれぞれ10
0mgずつ加え、溶解しなくなるまでこの操作を繰り返
す。この懸濁液をメンブランフィルター(0.22μm)で濾
過する。得られた濾液の薬物濃度を高速液体クロマトグ
ラフィーを用いて測定する。対照として、薬物100mgを
注射用蒸留水1mlに加え、25℃で2分間攪拌し、メンブ
ランフィルター(0.22μm)で濾過し、得られた濾液を用
いた。その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例3 トリプトファンと等モルの炭酸水素ナトリウムを配合
し、注射用蒸留水を加え、1%溶液を調製する。この溶
液1mlに、薬物Aのメタンスルホン酸塩200mgと等モル
の炭酸水素ナトリウムの混合物を加え、25℃で2分間攪
拌する。1時間後、この懸濁液をメンブランフィルター
(0.22μm)で濾過する。得られた濾液の薬物濃度を高速
液体クロマトグラフィーを用いて測定する。対照は、薬
物Aのメタンスルホン酸塩200mgと等モルの炭酸水素ナ
トリウムの混合物を注射用蒸留水1mlに加え、25℃で2
分間攪拌し、メンブランフィルター(0.22μm)で濾過
し、得られた濾液を用いた。その結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】製剤例1 薬物A 1.0g、L−アセチルトリプトファン1.0gおよび
炭酸水素ナトリウム0.49gに注射用蒸留水を加え、全量
を10mlにする。これを完全に溶解した後、メンブランフ
ィルター(0.22μm)で濾過する。得られた濾液を1バ
イアル当り1ml充填し、一次乾燥温度-36〜-20℃、二次
乾燥温度14〜24℃で常法に従い凍結乾燥を行い、凍結乾
燥製剤を得る。本製剤に注射用蒸留水1mlを加えたとこ
ろ、ただちに透明な注射用溶液が得られた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、生理pH付近で難溶性
薬物の溶解度を著しく向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/415 31/435 31/47 31/505 ABR 31/535 31/54 31/545 ADZ C07D 215/56 233/60 103 471/04 114 487/04 148 7019−4C 498/06 501/36 7602−4C 513/06 519/06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−アセチルトリプトファンまたはトリプ
    トファンを溶解剤とする難用性薬物の溶解方法。
  2. 【請求項2】難溶性薬物が両性化合物である請求項1記
    載の溶解方法。
  3. 【請求項3】両性化合物がベタイン構造を有する化合物
    である請求項2記載の溶解方法。
  4. 【請求項4】ベタイン構造を有する化合物が一般式 【化1】 「式中、R1は、保護されていてもよいアミノ基を;R2
    は、水素原子または置換されていてもよいアルキル、ア
    ルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルアルキ
    ル、アリールもしくは複素環式基を;Aは、CH、CX
    (Xは、ハロゲン原子を示す。)または窒素原子を;R
    3は、置換されていてもよいヘテロニオまたはヘテロニ
    オチオ基を示す。」で表わされるセファロスポリン誘導
    体である請求項3記載の溶解方法。
  5. 【請求項5】両性化合物が一般式 【化2】 「式中、R4は、置換されていてもよい低級アルキル、
    低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ア
    リールまたは複素環式基を;R5は、水素原子、ハロゲ
    ン原子、低級アルキル基、アルコキシ基、保護されてい
    てもよいヒドロキシル、アミノもしくは低級アルキルア
    ミノ基またはジ−低級アルキルアミノ基を;R6は、置
    換されていてもよいシクロアルキル、ビニルまたは環状
    アミノ基を; 【外1】 は、 【外2】 または 【外3】 (式中、X1は、水素原子またはハロゲン原子を示
    す。)を意味するか、またはR4と一緒になって式 【外4】 (式中、R7は、水素原子または低級アルキル基を;D
    は、酸素原子または硫黄原子を示す。)で表わされる基
    を示し; 【外5】 は、 【外6】 または 【外7】 (式中、X2は、水素原子またはハロゲン原子を示
    す。)で表わされる基を示す。」で表わされるピリドン
    カルボン酸誘導体である請求項2記載の溶解方法。
  6. 【請求項6】難溶性薬物が、ミコナゾールまたはジピリ
    ダモールである請求項1記載の溶解方法。
  7. 【請求項7】溶解剤がN−アセチルトリプトファンであ
    る請求項1−6のいずれかの項に記載の溶解方法。
  8. 【請求項8】溶解剤の重量が難溶性薬物に対して、0.
    05−50倍量である請求項1−7いずれかの項に記載
    の溶解方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001048807A (ja) * 1999-08-04 2001-02-20 Wakamoto Pharmaceut Co Ltd 難溶性薬物を水に溶解してなる製剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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