JPH08143069A - 金属製品収納用容器 - Google Patents

金属製品収納用容器

Info

Publication number
JPH08143069A
JPH08143069A JP6304358A JP30435894A JPH08143069A JP H08143069 A JPH08143069 A JP H08143069A JP 6304358 A JP6304358 A JP 6304358A JP 30435894 A JP30435894 A JP 30435894A JP H08143069 A JPH08143069 A JP H08143069A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
water
soluble glass
rust
metal product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6304358A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitomo Otsuka
良知 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AISERO KAGAKU KK
Aicello Chemical Co Ltd
Original Assignee
AISERO KAGAKU KK
Aicello Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by AISERO KAGAKU KK, Aicello Chemical Co Ltd filed Critical AISERO KAGAKU KK
Priority to JP6304358A priority Critical patent/JPH08143069A/ja
Publication of JPH08143069A publication Critical patent/JPH08143069A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Rigid Containers With Two Or More Constituent Elements (AREA)
  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属製品を内部に収納するための防錆性の改
善された容器の提供 【構成】 水溶性ガラス粉末を、適宜の市販防錆剤とと
もに熱可塑性樹脂に含有させてなる材料より形成されて
なる、あるいは水溶性ガラス粉末含有塗布液で容器内側
又は製品表面を処理してなる金属製品収納用容器。 【効果】 すぐれた防錆効果が長期にわたって維持され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防錆を必要とする各種
金属製品を保管するための金属製品用容器に関するも
の。
【0002】
【従来の技術】従来、金属の大気環境化における腐食を
防ぐ容器には、木材、木質材、板紙、金属等がある。こ
れらは、素材の保管や輸送のために主として用いられ、
輸送に便利なためと、包装品の機械的衝撃保護を目的と
するものであるが、外装自体が防湿防水のバリア材であ
ったり、また外装が内部に包装された金属製品を腐食し
たりすることがある。例えば、木材は、平均含水率約30
〜250 % (全乾基準) の水分を含んでおり、外気の温湿
度によって結果的に容器内の湿度を高めるために、防錆
面では不向である。木質材には、木片の破片と尿素樹脂
などの熱硬化性樹脂で固めたものがあるが、接着用の尿
素樹脂には、尿素に対しホルマリンが結合割合以上に加
えられており、熱硬化が不十分であると遊離のホルムア
ルデヒトを除々に発生し、空気中の酸素により酸化して
ギ酸となり、ほとんどの金属を激しく腐食する現象があ
り、これも適当ではなかった。板紙箱の代表的なものと
して段ボール箱があるが、湿潤時の強さのないことが致
命的であるため板紙表面を耐水処理した板紙とすること
も提案されたが、これらの耐水処理板紙の容器で金属を
保管しても、防錆が考慮されていないので、これを改善
するため金属面又は板紙表面に防錆油を塗布したり、容
器内部に乾燥剤を共存させる方法が採用されてきた。
【0003】このような製品の多くは、現地組み立ての
輸出用自動車等の部品である。したがって、これらの部
品は輸出先国において組み立てるために、施された防錆
油の除去という余分な作業が必要になり、手間と作業環
境の悪化をまねき、作業者自体も防錆油処理された製品
の取り扱いを嫌悪する傾向にある。また乾燥剤の使用
は、完全密封された系のみ有効で、何日か経過し除湿能
力の無くなった乾燥剤は、吸収されていた水分の放出の
ために逆に錆の原因となるケースもある。
【0004】金属製品を容器に入れ保管する場合、外気
の温度変化から熱伝導のよい金属は、気温が低くなるに
従って金属自体のすぐ表面の温度が下がるので、金属表
面からの放射熱による冷却により結露するようになる。
容器と接していない部分は、公知の気化性防錆剤を容器
内に入れて置くことにより錆や変色を抑制する方法が行
われている。しかし容器と金属とがぴったりと面接触し
ていたり付着しているときは、接触部の結露水中の溶存
酸素の作用で通気差電池を形成し、溶存酸素の供給が少
ない隙間内表面が、供給の多い自由表面に対してアノー
ドとなり錆が進行する。また、鋼表面に亜硝酸塩で不動
態皮膜が形成されていても塩素イオンのように腐食因子
が介在した場合、孔食により不動体を崩壊させ、内部表
面に激しい腐食がおきる。特に気化速度が高い気化性防
錆剤を含有させた樹脂組成物から成形された容器におい
ては、経時的に樹脂中の含有量が減り、接触面での防錆
力が長続きしない欠点があった。
【0005】また、容器と金属製品の接触部分の結露に
よる発錆を防止するため、亜硝酸塩、安息香酸塩等の水
溶性防錆剤を使用することも試みられた。しかし、亜硝
酸塩、安息香酸塩等の水溶性防錆剤と気化性防錆剤との
間で加水分解反応を生じるので、保管時あるいは使用時
に気化性防錆剤の早期損失があるという問題があり、実
用上不十分であった。また、これらの水溶性防錆剤は、
多種の金属に対して有効ではなく、鋼に対し有効な亜硝
酸ナトリウム等であっても、アルミニウム、亜鉛等の非
鉄金属に対しては、逆に錆の発生を促進する性質がある
ので汎用性がなく、容器に保管した金属製品の全てに対
して有効な防錆剤の開発が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
によって解決できなかった課題、即ち、容器に保管した
金属に対して長期間にわたり防錆効果を維持し、気化性
防錆剤とも加水分解などの相互間の反応がなく優れた防
錆効果を発揮し、しかも成形特性が損なわれない優れた
金属製品用容器を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性ガラス
粉末を熱可塑性樹脂中に含有させ、直接的に容器に形成
したもの、もしくは、シートから二次成形で容器に形成
したもの、又は水溶性ガラス粉末を含有させた組成物の
溶剤や分散液よりなる塗布液を調製し、この塗布液を熱
可塑性樹脂製や紙製などの材料より形成された容器の内
側面に塗布し、乾燥して被覆層とすることによって上記
課題を解決した。
【0008】本発明で使用する熱可塑性樹脂には、ポリ
オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂がある。
ポリオレフィン系樹脂には、高密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ブテン−1、ペンテン−1等のα−オレフィン
単独重合体、エチレンとプロピレンまたは他のα−オレ
フィンとの共重合体等がある。プロピレンに共重合する
コモノマーとしては、エチレンその他のα−オレフィン
があり、エチレンが特に好ましいオレフィン系エラスト
マーとしてはエチレン、プロピレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィンの2種もし
くは3種以上の共重合体ゴム、又はα−オレフィンと他
種のモノマーとの共重合体ゴム等が挙げられる。
【0009】上記α−オレフィンの2種もしくは3種以
上の共重合体ゴムとしては、典型的には、エチレン−ブ
テン共重合体ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエン共
重合体ゴムが挙げられる。α−オレフィンと共重合する
他種のモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸エス
テル等を用いることができる。典型的な例として、エチ
レン酢酸ビニル共重合体(EVA)が挙げられる。ポリ
スチレン系樹脂には、ポリスチレン、アクリロニトリル
・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS樹脂)、アクリロ
ニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)等、ポリエステル
系樹脂には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートとポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコールのポリエステル
共重合体等、ポリアミド系樹脂には、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン610、ナイロン6/66、ナイロ
ン12、ナイロン6/12、非晶質ナイロン等がある。
塩化ビニル系樹脂には、塩化ビニル、塩化ビニル塩化ビ
ニリデン共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル
アクリロニトリル共重合体、エチレン塩化ビニル共重合
体等を挙げることができる。
【0010】また、水溶性ガラスを上記ポリオレフィン
系、ポリスチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系、
塩化ビニル系樹脂中に含有する方法としては、樹脂ペレ
ット又は粉末等に適当な混練手段、例えばバンバリーミ
キサー、ミキシングロールニーダー、二軸混練押出し機
等の装置を用いてコンパウンド化する方法がある。本発
明の水溶性ガラス粉末は、水に対する1.0 重量%以上の
溶解度をもつように、組成及び粒径を調整した水溶性ガ
ラス粉末が適当であり、代表的な組成にはB2O8-SiO2-Na
2O系があるが、好ましくはそれらの粒径 100μm 以下の
粉末、さらに好ましくは粒径60μm 以下の粉末を使用す
る。水に対する溶解度が1.0 重量%未満の水溶性ガラス
粉末では十分な効果が発揮されない。また単に水溶性ガ
ラスのみからなる組成物では接触していない部分の防錆
効果が不十分であるので、市販の気化性防錆剤を水溶性
ガラス粉末と共存させることによってこれらの組成物と
接していない非接触部の防錆効果を補うことができる。
【0011】さらに気化性防錆剤を水溶性ガラス粉末と
併用添加するときには、ポリオレフィン系、ポリスチレ
ン系、ポリエステル系、ポリアミド系、塩化ビニル系樹
脂コンパウンドにブレンドし、インフレーション法又は
T−ダイキャスト法等によりシートを得たり、板から真
空成形により容器にしたり、ブロー成形、射出成形等に
より成形し、容器を得る方法がある。水溶性ガラス粉末
に加える市販の気化性防錆剤としては、アミン又はアン
モニウムの無機酸塩、それらの有機酸塩、複素環式アミ
ン又はイミン化合物、尿素化合物、芳香族酸塩及び無機
酸塩の群より選ばれた化合物がある。
【0012】上記気化性防錆剤の具体的化合物として、
アミン又はアンモニウムの無機酸塩には、ジシクロヘキ
シルアンモニウム・ナイトライト、ジイソプロピルアン
モニウム・ナイトライト、ニトロナフタリンアンモニウ
ム・ナイトライト、リン酸三アンモニウム、リン酸水素
アンモニウム、モリブテン酸アンモニウム、リン酸ジシ
クロヘキシルアミン塩、シクロヘキシルアミン・カーバ
メートなどが、アミン又はアンモニウムの有機酸塩に
は、アンモニウムベンゾエート、シクロヘキシルアミン
ベンゾエート、フタル酸アンモニウム、ジシクロヘキシ
ルアンモニウム・カプリレート、シクロヘキシルアミン
・ラウレートなどが、複素環式アミン又はイミン化合物
には、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾー
ル、2−ヘプタデジルイミダゾール、チオナリドなど
が、尿素系化合物には、尿素、チオ尿素、ウロトロピ
ン、ガルバミン酸フエニルなどが、芳香族酸塩には、安
息香酸ナトリウム、安息香酸亜鉛、フタル酸ナトリウム
などが、無機酸塩には、クロム酸ナトリウム、亜硝酸ナ
トリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが夫々挙げ
られる。そして気化性防錆剤は上記例示の具体的化合物
の一種又はそれ以上を適宜組み合せて使用することがで
き、気化性防錆剤の併用によって防錆効果の一層の改善
が図られることは勿論である。
【0013】紙製容器の材料としては、クラフト紙、ロ
ール紙、牛乳パック容器等からの再生紙からなる原紙を
使用する。原紙は防水、耐水処理されたものが望まし
い。水溶性ガラスと適宜の気化性防錆剤を含有する熱可
塑性樹脂の被覆面が金属製品を収納する内側面となるよ
うにすることが必要である。原紙、熱可塑性樹脂、その
他の材料にコーティングする場合は、水溶性ガラス粉末
を塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体を酢酸エチル等の
溶剤に溶かした溶液に分散させたり、アクリル酸エステ
ル系等の粘着剤を含む水溶液中に分散させたりして、基
材シート上にナイフコーター、ロールドクターコータ
ー、コンマロールコーター、メイヤーバーコーター法に
よりコーティングした後、容器に加工したり、予め形成
された容器内面にスプレー法、浸漬塗り法等で塗布し
て、乾燥、エージングすればよい。
【0014】本発明の防錆効果は、包装された金属製品
の表面に外気の温湿度変化から結露が生じた場合、結露
水中に容器表面に析出した水溶性ガラスが溶解し、ガラ
ス質成分が金属表面に選択的に吸着し、極く薄いガラス
の皮膜を形成することによって達成されるものと考えら
れる。そのため結露水中における水溶性ガラスが飽和濃
度に達成すると、水溶性ガラスは溶解せずに残るが、こ
の時の溶解度は、水溶性ガラスの組成比を変えることに
より自由に調整することが可能である。本発明では、水
溶性ガラスの溶解度は、水に対して1.0 重量%以上であ
れば、十分目的を達成することができる。これらの水溶
性ガラスは少なくとも 400℃以下では熱的変化を受けな
いので、水溶性防錆剤、気化性防錆剤とは化学的反応を
起こすことがなく、同一樹脂又は溶液中に混入させるこ
とが可能である。また、必要に応じ炭酸カルシウム、タ
ルク、マイカ、又は水酸化アルミニウム、ガラス繊維等
の補強剤を加えてもよいし、用途に応じ揮発性発泡剤、
化学発泡剤を加え緩衝性を付与してもかまわない。
【0015】以下に本発明の好ましい実施例について説
明する。
【実施例1】 平均粒径40μm 以下に粉砕したガラス組成;B2O860 (モ
ル%)/SiO225 (同)/Na2O15 (同) の水溶性ガラスを、ポ
リプロピレン樹脂 [三菱化成(株)、1501 F、密度=0.
90、MI=9.0]に対して20重量%添加し、バンバリーミ
キサーにより温度 180℃で2時間混練した後、ペレタイ
ザーを通してマスターバッチペレットを調製した。この
マスターバッチ 100重量部とこれに使用した樹脂100 重
量部とを、よくブレンドして、T−ダイキャスト法で20
0℃の成形温度で水溶性ガラス10重量%を含む、厚さ1.5
mmのポリプロピレン板を作製した。
【0016】上記ポリプロピレン板を150 ℃に加熱し、
真空成形にて第1表に示す4種の金属製品が収容可能な
トレーを作成した。冷却は50℃にて行い、離型させ試供
品とした。直接水蒸気が試験片表面にかからないように
40μm のLDPEフイルムでこのトレーを密封し、後記
(イ) の試験環境下に放置した。この容器の腐食抑制試験
結果を第2表、第3表に示す。
【0017】
【実施例2】 平均粒径30μm 以下に粉砕したガラス組成;B2O860 (モ
ル%)/SiO222 (同)/Na2O18 (同) の水溶性ガラスの粉末
及び気化性防錆剤としてジシクロヘキシルアンモニウム
・ナイトライトの粉末をMEK中に撹拌分散させ、アク
リル酸ブチル系粘着剤 [三洋化成(株)製] と混合溶解
した。さらに粘着剤 100重量部に対しメラミン樹脂系架
橋剤 [日立化成 (株)]6重量部、リン酸モノブチルエス
テル架橋促進剤 [城北化学(株)製] 0.06重量部を添加
した。T−ダイキャスト法により、成形温度 180℃で成
形した厚み1.95mmのポリプロピレンフイルム [三菱油化
(株) 製、FL6S、密度=0.90、MI=2, 3] 表面に
メイヤーバーにて、コート層が50μm の厚みになるよう
塗布し、80℃の熱風で乾燥した。基体樹脂に対し水溶性
ガラス濃度が2.0 重量%、気化性防錆剤2.4 重量%を含
有する厚み2 mmのポリプロピレン板を作製した。このポ
リプロピレン板を150 ℃に加熱し、真空成形にて第1表
に示す4種の金属製品の収納可能なトレーを作成した。
冷却は40℃にて離型させ試供品とした。直接水蒸気が試
験片表面にかからないように40μm のLDPEフイルム
でこのトレーを密封し、後記(イ) の試験環境下に放置し
た。この容器の腐食抑制試験結果を第2表、第3表に示
す。
【0018】
【実施例3】 平均粒径40μm 以下に粉砕したガラス組成;B2O860 (モ
ル%)/SiO220 (同)/Na2O20 (同) の水溶性ガラスを粉末
高密度ポリエチレン [日本石油(株) 製、スタフレンE
-891、密度=0.956 、MI=12.0]に対して20重量%添加
し、二軸押出機にて混練し、空冷により冷却後ペレタイ
ザーを通してマスターバッチペレットを調製した。水溶
性ガラスのマスターバッチ15重量部と高密度ポリエチレ
ン [日本石油 (株) 製、スタフレンE-891、密度=0.95
6、MI=12.0] 100重量部とをよくブレンドし、射出成
形法により 180℃の成形温度で、水溶性ガラス 2.6重量
%を含有する、200 ×200 ×200mm 、平均厚み1.0 mmの
箱を作製した。箱蓋も同一樹脂を使用し、射出成形法に
より180 ℃の成形温度で、205 ×205 ×20mmの大きさの
ものを成形した。1個の収納容器に第1表に示す4種の
試験片を入れ、接触面積が最大になるようにねかして置
き、後記(イ) の試験環境下に放置した。この容器は完全
密封ではなく、若干隙間がある。この容器の腐食抑制試
験結果を第2表、第3表に示す。
【0019】
【実施例4】 平均粒径40μm 以下に粉砕したガラス組成;実施例2と
同様な方法で、低密度ポリエチレン [住友化学 (株)
製、フローセンG201-SN、密度=0.922 、MI=6.0]
に対してB2O860 (モル%)/SiO220 (同)/Na2O20 (同) の
粉末を20重量%添加し、二軸押出機にて混練し、空冷に
より冷却後ペレタイザーを通してマスターバッチペレッ
トを調製した。また、乾式法により粉砕された気化性防
錆剤(ジシクロヘキシルアミン安息香酸塩)20重量%
を、上記の粉末低密度ポリエチレンに添加し、二軸押出
機にて混練し、マスターバッチペレットを作成した。水
溶性ガラスのマスターバッチ12重量部と気化性防錆剤の
マスターバッチ8重量部を低密度ポリエチレン [三菱化
成 (株) 製、L-320、密度=0.918 、MI=7.0] 100重
量部に加え、よくブレンドし、射出成形法により168 ℃
の成形温度で水溶性ガラスが2.0 重量%、気化性防錆剤
1.3 重量%含有する、200 ×200 ×200mm 、平均厚み1.
0 mmの箱を作製した。箱蓋も同一樹脂を使用し、射出成
形法により168 ℃の成形温度で、205 ×205 ×20mmの大
きさのものを成形した。1個の収納容器に第1表に示す
4種の試験片を接触面積が最大になるようにねかせて置
き、後記(イ) の試験環境下に放置した。この収納容器は
完全密封ではなく、若干隙間がある。この容器の腐食抑
制試験結果を第2表、第3表に示す。
【0020】
【比較例1】実施例1と同じ製法で作製したポリプロピ
レン [三菱化成(株)製、1501F、密度=0.90、MI=
9.0]厚み 1.5mmのシートを作製した。このポリプロピレ
ン板を 150℃に加熱し、真空成形にて4種の金属がはめ
込み可能なトレーを作成した。冷却は40℃にて離型させ
て試供品とした。直接水蒸気が試験片表面にかからない
ように40μm のLDPEフイルムでこのトレーを密封
し、後記(イ) の試験環境下に放置した。この容器の腐食
抑制試験結果を第2表、第3表に示す。
【0021】
【比較例2】実施例3から同様な方法で気化性防錆剤と
してジシクロヘキシルアミン安息香酸塩のマスターバッ
チペレットを作製した。高密度ポリエチレン [日本石油
(株)製、スタフレンE-891、密度=0.956 、MI=1
2.0] 100 重量部に対し加え、よくブレンドし、射出成
形法により168 ℃の成形温度で気化性防錆剤1.3 重量%
を含有する、200×200×200mm 、平均厚み1.0 mmの箱を
作製した。箱蓋も気化性防錆剤が1.3 重量%含有する同
一樹脂を使用し、射出成形法により 168℃の成形温度で
205×205×20mmの大きさのものを成形した。1個の収
納容器に第1表に示す4種の試験片を入れ、接触面積が
最大になるようにねかせて置き、後記(イ)の試験環境下
に放置した。この容器は完全密封ではなく、若干隙間が
ある。この容器の腐食抑制試験結果を第2表、第3表に
示す。
【0022】なお、腐食抑制試験は、下記(イ) の環境下
に、下記(ロ) の条件で実施した。 (イ) 試験環境 温湿度サイクル 25℃、75%RH : 4 時間 25℃→50℃昇温・昇湿時間 : 2 時間 50℃、95%RH : 4 時間 50℃→25℃降温・除湿時間 : 2 時間 計 12 時間 / 1サイクル、 計 14日間 / 28サイク
【0023】(ロ) 腐食抑制試験 実施例1、2、比較例1から成形されたトレー上に、ソ
ルベントナフサにて超音波洗浄し、風乾した試験片を置
き、直接水蒸気がかからないように40μm の低密度ポリ
エチレンで密封し、試験環境下に置いた時の試験片表面
の錆及び変色発生率を評価した。評価基準を表5に示
す。実施例3、4、比較例2から成形された箱には、洗
浄後、風乾された表1に示す4種類の試験片を置き、蓋
を締め後記(イ) の試験環境下に放置した。この容器の腐
食抑制試験の接触部での結果を第2表に、第3表には非
接触部の結果を示す。また箱での試験は、外気との通風
がある環境下での腐食抑制効果の比較を示す。
【0024】(ハ)評価基準 ◎:錆、変色無し 〇:点錆、わずかな変色発生 △:面積の10%未満に錆又は変色 ×:面積の10〜50%未満に錆又は変色 ××:面積の50%以上に錆又は変色
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】以上に説明したように水溶性ガラス粉末
を含有する、熱可塑性樹脂からなる少なくとも1種の樹
脂により成形された金属腐食抑制性の容器に金属を収納
させることにより、優れた腐食抑制性を発揮し、適宜の
気化性防錆剤と併用することにより非接触部での防錆は
もとより、含有させる気化性防錆剤の量が少なくてすむ
ため、製造環境が改善され、低コストでの金属防錆が可
能になる。よって本発明は、従来の問題を解決すること
ができ、有用な金属腐食抑制容器の提供は業界に寄与す
ることが極めて大である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ガラス粉末含有の熱可塑性樹脂組
    成物より形成された金属製品収納用容器。
  2. 【請求項2】 水溶性ガラス粉末を含有する塗布液を、
    容器の内面に塗布して成る金属製品収納用容器。
  3. 【請求項3】 容器が、熱可塑性樹脂、木材製、木質材
    製、紙製又は金属製である請求項2の容器。
  4. 【請求項4】 水溶性ガラス粉末に、アミン又はアンモ
    ニウムの無機酸塩、アミン又はアンモニウムの有機酸
    塩、尿素系化合物、複素環式アミン又はイミン化合物、
    芳香族酸塩、無機酸塩類の群から選ばれる少なくとも一
    種の気化性防錆剤を共存させることを特徴とする請求項
    1乃至請求項3のいずれかの金属製品収納用容器。
JP6304358A 1994-11-14 1994-11-14 金属製品収納用容器 Pending JPH08143069A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6304358A JPH08143069A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 金属製品収納用容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6304358A JPH08143069A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 金属製品収納用容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08143069A true JPH08143069A (ja) 1996-06-04

Family

ID=17932064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6304358A Pending JPH08143069A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 金属製品収納用容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08143069A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5840381A (en) Corrosion inhibiting laminate sheets and containers
KR101483015B1 (ko) 기상 부식 방지제 및 그 제조방법
US5209869A (en) Vapor phase corrosion inhibitor-dessiccant material
US5332525A (en) Vapor phase corrosion inhibitor-desiccant material
US5320778A (en) Vapor phase corrosion inhibitor-desiccant material
US5344589A (en) Vapor phase corrosion inhibitor-desiccant material
RU2287616C2 (ru) Газофазные ингибиторы коррозии и способы их получения
US6464899B1 (en) Putty composition containing a vapor phase corrosion inhibitor
EP0566789A1 (en) Vapor phase corrosion inhibitor material
EP0662527A1 (en) Vapor phase corrosion inhibitor-desiccant material
US6533962B1 (en) Anticorrosive plastic packaging materials
US7270775B2 (en) Corrosion inhibiting composition and article containing it
JP2829314B2 (ja) 金属防錆用樹脂組成物
US6540959B1 (en) Vapor-phase corrosion inhibitors and methods for their production
JPS648019B2 (ja)
TWI467056B (zh) Metal rust inhibitor composition, metal rust-proof resin composition, metal rust-proof film and metal rust prevention method
JPH08143069A (ja) 金属製品収納用容器
JP5565013B2 (ja) 防錆フィルム
JPH02295735A (ja) 防錆フィルム
JP3160247B2 (ja) 金属包装用フイルム
JP3544447B2 (ja) 金属防錆剤
JP3129667B2 (ja) 金属防錆剤
JPS6149344B2 (ja)
JPH07316314A (ja) 金属包装用フイルム
JP4160235B2 (ja) 金属防錆用ポリマー組成物及び金属の防錆方法