JPH08142734A - 車室内用加温・冷却装置 - Google Patents

車室内用加温・冷却装置

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JPH08142734A
JPH08142734A JP28686894A JP28686894A JPH08142734A JP H08142734 A JPH08142734 A JP H08142734A JP 28686894 A JP28686894 A JP 28686894A JP 28686894 A JP28686894 A JP 28686894A JP H08142734 A JPH08142734 A JP H08142734A
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heating
casing
beverage
cooling device
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JP28686894A
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Kazunari Ishiguro
一成 石黒
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】操作者の選択によって、インストルメントパネ
ルから突出して、または突出することなく缶飲料等を保
持することが可能であるとともに、収納した状態で飲料
物を効率的に加温または冷却することが可能な車室内用
加温・冷却装置を提供すること。 【構成】車室内用加温・冷却装置10は、エアコン本体
部に連通する孔部19を有するケーシング20と、前記
ケーシング20から引き出しまたは収納自在に形成され
るスライド部材22と、前記スライド部材22によって
画成される室52内にスプリング36の弾発力によって
上下方向に変位可能に設けられ、缶飲料を立設状態に保
持する孔部42a、42bと該缶飲料を倒置状態で保持
する曲面部40a、40bを有するホルダ38とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車室内に設置され、飲
料物を加温・冷却する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車室内で飲む缶ジュース等の
缶飲料を保持するために、前記車室内にカップホルダ装
置を設けることが提案されている(例えば、実開平5−
82652号公報参照)。この第1従来技術に係るカッ
プホルダ装置は、インストルメントパネルの窓側寄りに
引き出し・収納自在なエアコンの吹出部を設け、前記吹
出部の上部に組み立て・折り畳み可能なカップホルダを
有している。すなわち、吹出部の引き出し時には、その
引き出し動作と連動してカップホルダが前記吹出部の上
部に立ち上がり、一方、吹出部を収納する時には、その
収納動作と連動してカップホルダが折り畳まれるように
構成されている。なお、第1従来技術では、カップホル
ダに保持されたカップを吹出部から導出される冷気によ
って冷却する点に関して何ら開示乃至示唆されていな
い。
【0003】さらに、自動車の車室内に向けて冷房用の
冷気を吹き出す冷気吹き出し口に収納自在な可動ダクト
を設け、前記可動ダクトの上面部にカップ保持用の装入
孔が画成された自動車用保冷カップホルダが提案されて
いる(実開平6−45854号公報参照)。この第2従
来技術に係る自動車用保冷カップホルダは、前記第1従
来技術に比して冷房用の冷気を利用するものである点で
異なる。
【0004】一方、インストルメントパネルに固定され
た吹出口にカップホルダを突出固定して、常時、このカ
ップホルダに缶飲料を保持させるものも市販されている
(第3従来技術)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
第1従来技術は、車室内の冷暖房用の冷気または暖気を
利用するものではなく、また第2従来技術に係るカップ
ホルダは、インストルメントパネルから車室内に向かっ
て進動作した吹き出し口に対して缶飲料を保持させ、前
記缶飲料に暖気または冷気を及ぼすものである。すなわ
ち、第1および第2従来技術は、吹き出し口自体が退動
作してインストルメントパネルに収納されている時に、
該缶飲料に対して暖気または冷気を供給して、これを暖
めたり、冷却しようとするものではない。しかも、進動
作した吹き出し口に対して缶飲料を立設した状態で保持
しているため、該缶飲料の底部のみが暖められ、または
冷却されるにすぎない。
【0006】一方、第3従来技術では、カップホルダ自
体が常時車室内に突出しているため、不使用時にその存
在が煩わしく且つ狭小な空間の有効活用が達成されない
不都合がある。
【0007】本発明は、前記の不都合を悉く克服するた
めになされたものであり、操作者の選択によって、イン
ストルメントパネルから突出して、または突出すること
なく飲料物を保持し、収納した状態で飲料物を効率的に
加温または冷却することが可能であり、且つ狭小な空間
を有効に活用できる車室内用加温・冷却装置を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、車室内に設置され、飲料物を加温・冷
却する装置であって、インストルメントパネルに設けら
れたダクトを介して熱風・冷風供給源に連通する孔部を
有するケーシングと、前記ケーシングから引き出しまた
は収納自在に形成されるスライド部材と、前記スライド
部材によって画成される室内に上下方向に変位可能に設
けられ、飲料物を立設状態と倒置状態とに選択的に保持
することが可能なホルダと、を備え、前記熱風・冷風供
給源から前記室内に熱風または冷風を供給することによ
り、飲料物を加温・冷却することを特徴とする。
【0009】
【作用】上記の本発明に係る車室内用加温・冷却装置で
は、インストルメントパネルに設けられたダクトを介し
て熱風・冷風供給源からスライド部材によって画成され
る室内に暖房用の熱風または冷房用の冷風が供給され、
前記熱風または冷風によってホルダに保持された飲料物
が加温または冷却される。
【0010】スライド部材をケーシングから引き出した
状態で使用する場合には、弾性部材の弾発力によって上
方に変位するホルダの孔部によって飲料物が保持され、
前記ホルダに立設状態で保持された飲料物が加温または
冷却される。
【0011】一方、前記スライド部材をケーシング内に
収納した状態で使用する場合には、ホルダの曲面部に飲
料物が倒置状態で保持され、該飲料物の重量によってホ
ルダが下方に押圧される。この場合、スライド部材はイ
ンストルメントパネルから突出することなくケーシング
内に収納され、前記スライド部材の室内に飲料物が保持
された状態で加温または冷却される。
【0012】
【実施例】次に、本発明に係る車室内用加温・冷却装置
について好適な実施例を挙げ、添付の図面を参照しなが
ら以下詳細に説明する。
【0013】図1および図2は、本発明の第1実施例に
係る車室内用加温・冷却装置をインストルメントパネル
の略中央部に設けた図、図3および図4は、前記車室内
用加温・冷却装置が配設されたインストルメントパネル
の断面図、図5は、車室内用加温・冷却装置の概略分解
斜視図である。
【0014】この車室内用加温・冷却装置(以下、単に
加温・冷却装置という)10は、車室内の前面部に配設
されたインストルメントパネル12の略中央の上部に設
けられ、ダクト14を介してエアコン本体部16に連結
されている(図3および図4参照)。前記加温・冷却装
置10の下方には、エアコン等の操作部18が設けら
れ、操作部18に配設された図示しない切換スイッチを
介して暖房または冷房等の切り換え操作を行う。
【0015】前記加温・冷却装置10は、図5に示され
るように、前記ダクト14の通風口に連通する孔部19
を有し、略直方体状に形成されたケーシング20と、前
記ケーシング20の内壁面に沿って引き出され、または
収納されるスライド部材22と、前記スライド部材22
の前面部に固着され、車室内に露呈するフェイスパネル
24と、前記フェイスパネル24に設けられた一組の窓
部26a、26bに飲料物(例えば、缶飲料A)が収納
されているか否かを表示する表示機構28(図8参照)
と、前記ケーシング20内にスライド部材22が収納さ
れた状態を保持するロック機構30(図3および図4参
照)とから基本的に構成される。
【0016】なお、ダクト14の通風口と連通するケー
シング20の孔部19に複数の編み目状の通孔が画成さ
れたフィルタ等の網状部材21を張設することにより、
該ダクト14からの通風の確保と、ケーシング20内に
塵埃が侵入することを防止することができる。前記ケー
シング20の上面の端縁部には所定長からなる二条の長
溝32が長手方向に沿って画成されるとともに該ケーシ
ング20の開口34に沿ってスライド部材22が進退自
在に収納される。
【0017】前記スライド部材22の底面部には、弾性
部材としての複数のスプリング36を介してホルダ38
が保持される。前記ホルダ38には、略円柱状の缶飲料
Aの外周面に対応する一組の曲面部40a、40bと、
缶飲料Aの直径に対応して略円形状を呈する一組の孔部
42a、42bと、該ホルダ38の端部にあって対向す
る一組のガイド溝44a、44bとが夫々画成されてい
る。なお、前記複数のスプリング36は、スライド部材
22の内壁面に設けられた複数の突起部46に夫々係着
される。前記ホルダ38の曲面部40a、40bに沿っ
て缶飲料Aを横に倒した状態で保持する場合には、該缶
飲料Aの重量がスプリング36の弾発力に打ち勝って該
ホルダ38を下方側に押圧した状態となり、缶飲料Aを
保持した状態でスライド部材22をケーシング20内に
収納することが可能となる(図6Aおよび図6B参
照)。一方、缶飲料Aを孔部42a、42bに挿入し該
缶飲料Aを立設させた状態で保持する場合には、スプリ
ング36の弾発力によってホルダ38が上方に変位し、
内壁面に設けられた係止片48によって該ホルダ38の
それ以上の上昇が阻止される。
【0018】また、前記スライド部材22の底面部には
ケーシング20の孔部19に連通する開口部50が画成
され、エアコン本体部16からダクト14を介して供給
される暖房用の熱風または冷房用の冷風は、前記孔部1
9および開口部50を通じてケーシング20の上面板お
よびスライド部材22の側面板によって囲繞された室5
2内に導入される。スライド部材22の対向する側面板
にはケーシング20の長溝32に沿って変位する突起片
54が形成され、前記突起片54が長溝32の終端部3
2aに当接することによりスライド部材22の変位が規
制される。前記スライド部材22の対向する一組の内壁
面には、スプリング36の弾発力によってホルダ38が
上方に変位する際、該ホルダ38を案内する一組のガイ
ド片56a、56bが設けられている。
【0019】フェイスパネル24の前面部には断面長方
形状の一組の吹き出し孔58a、58bが画成されてい
る。前記吹き出し孔58a、58bには複数の間隙が画
成され、室52内を通過する暖房用の熱風または冷房用
の冷風を車室内に向かって吹き出すスリット部材60
a、60bが装着される。また、前記吹き出し孔58
a、58bに近接する下方には小さな長方形状の窓部2
6a、26bが画成され、後述するように、前記窓部2
6a、26bに表示される表示内容を通じて加温・冷却
装置10内に缶飲料Aが収納されているか否かを容易に
視認可能なように構成されている。さらに、前記フィエ
スパネル24の底面部には、スライド部材22をケーシ
ング20から引き出しまたは収納する際に把持する把手
部62が設けられる。
【0020】表示機構28は、図8に示されるように、
両端部が夫々上方に向かって屈曲し、且つ中央部からホ
ルダ38側に偏位して湾曲する係合部64が設けられた
揺動部材66と、スライド部材22の平面部から突出し
て形成され、前記揺動部材66の湾曲した係合部64を
支持する支持部68とを含む。前記揺動部材66の両端
部は、係合部64を支点として上下方向に揺動する。す
なわち、缶飲料Aの重量で下方側に変位するホルダ38
の底面部を介して揺動部材66の一端部が下方側に押圧
され、揺動部材66の他端部は係合部64を支点として
窓部26a、26bに対応する位置まで変位する(破線
参照)。この場合、前記揺動部材66の屈曲する他端部
に表示プレート70a〜70d(図9A〜図9D参照)
を予め貼着しておくことにより、窓部26a、26bを
通じて前記表示プレート70a〜70dを容易に視認す
ることができる。一方、缶飲料Aが保持されていない場
合にはホルダ38が上方側に変位することにより、表示
プレート70a〜70dが貼着された揺動部材66の他
端部が係合部64を支点として下方側に変位するため、
窓部26a、26bに対応する位置にないことになる
(二点鎖線参照)。従って、窓部26a、26bから表
示プレート70a〜70dを視認することができず、加
温・冷却装置10内に缶飲料Aが収納されていないこと
がわかる。
【0021】前記表示プレート70a〜70dの具体例
を図9A〜図9Dに示す。ケーシング20内にスライド
部材22が収納されて外部から缶飲料Aを視認すること
ができない状態において、缶飲料Aが既に室52内に入
っていることを、例えば、図9Aでは、「JUICE」
という英文字で表し、図9Bでは、缶飲料Aの絵で表
し、図9Cでは、「IN」という英単語で表し、図9D
では、変位することにより色等が変化する部材によって
表示している。さらに、本実施例では、加温・冷却装置
10内に缶飲料Aが収納されている場合にのみ窓部26
a、26bを通じて表示プレート70a〜70dを視認
することができるように構成しているが、缶飲料Aが収
納された状態と収納されていない状態のいずれも視認で
きるように構成することも可能である。例えば、揺動部
材66の屈曲する他端部を伸長させ、前記他端部に収納
状態を表す表示プレートと未収納状態を表す表示プレー
トをともに併設し、揺動部材66の変位によって前記表
示プレートが切り換わるように構成すればよい。
【0022】ロック機構30は、所定間隔離間してフェ
イスパネル24の底面部に一体的に結合された一組の突
起板72a、72bと、前記突起板72a、72bを挟
持する板ばね状の止め具74と、ケーシング20の底面
部に設けられ、前記止め具74が当接する溝部76を有
する固定板78とから構成される(図3および図4参
照)。この場合、スライド部材22がケーシング20内
に収納されることにより、止め具74の上面部が固定板
78の溝部76に当接し、前記止め具74の弾発力によ
って該スライド部材22がケーシング20に保持され
る。なお、前記止め具74に代替して、弾発力を有する
突起板72a、72bの上面部に半球状の係止部80を
設けてもよい(図10参照)。または、前記突起板72
a、72bの先端部に鉤状部82を設け、固定板78に
前記鉤状部82を保持するラッチ部84を設けてもよい
(図11参照)。なお、図12に示されるように、ケー
シング20の底面部に平板状のスライドプレート86を
設け、前記スライドプレート86とスライド部材22と
が摺接する際の摩擦力を低減させることにより、該スラ
イド部材22を円滑に引き出し且つ収納することができ
る。
【0023】本発明の第1実施例に係る加温・冷却装置
10は、基本的には以上のように構成されるものであ
り、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0024】先ず、操作者は、エアコン等の操作部18
を介して暖房または冷房の切り換え操作を行い、エアコ
ン本体部16からダクト14を介して暖房用の熱風また
は冷房用の冷風が加温・冷却装置10内に予め供給され
た状態にしておく。なお、エアコン本体部16を切り換
え操作して熱風または冷風を送給する場合では、加温・
冷却装置10内の缶飲料Aを加温または冷却する点だけ
が異なり、その他は同様の作用効果を有することから、
以下、缶飲料Aを冷却する場合を例にして説明する。
【0025】エアコン本体部16から導出された冷風が
ケーシング20の尾端部に画成された孔部19並びにス
ライド部材22の開口部50を介して加温・冷却装置1
0の室52内に導入される。その際、操作者は、ケーシ
ング20からスライド部材22を引き出して加温・冷却
装置10を使用する場合と、ケーシング20内にスライ
ド部材22を収納した状態で加温・冷却装置10を使用
する場合のいずれかを選択することができる。
【0026】初めに、ケーシング20からスライド部材
22を引き出した状態で加温・冷却装置10を使用する
場合について説明する。すなわち、把手部62を把持し
てスライド部材22を前面方向に引張することにより、
ケーシング20の長溝32に沿ってスライド部材22の
突起片54が摺動し、該スライド部材22が前面方向に
引き出される。前記長溝32の終端部32aに突起片5
4が到達することによりストッパ機能が発揮され、スラ
イド部材22は前方に引き出された状態でケーシング2
0に保持される。前記スライド部材22の室52内に設
けられたホルダ38は、スプリング36の弾発力によっ
て上方に変位し係止片48によって係止された状態にあ
る。操作者はホルダ38に画成された一組の孔部42
a、42bに缶飲料Aを載置することにより、該缶飲料
Aを立設した状態で保持することができる(図2参
照)。この場合、スライド部材22の開口部50を介し
て室52内に導入された冷風によって缶飲料Aが冷却さ
れ、前記冷風は、スライド部材22の開口する上面部お
よびスリット部材60a、60bの間隙から車室内に向
かって導出される(図3参照)。従って、予め冷やされ
た缶飲料Aは保冷状態を維持することができるととも
に、冷やされていない常温の缶飲料Aを新たに冷却する
ことが可能となる。
【0027】次に、ケーシング20内にスライド部材2
2を収納した状態で加温・冷却装置10を使用する場合
について説明する。
【0028】前述したようにしてケーシング20からス
ライド部材22を引き出した状態において、ホルダ38
の曲面部40a、40bに沿って缶飲料Aを載置する。
前記缶飲料Aの重量がスプリング36の弾発力に打ち勝
ってホルダ38は下方側に押圧される。その際、前記ホ
ルダ38と表示機構28を構成する揺動部材66とが係
合し、該揺動部材66の一端部が下方側に押圧され、揺
動部材66の他端部に設けられた表示プレート70a
(70b〜70d)が窓部26a、26bに対応する位
置まで上昇する(図8の破線参照)。この結果、缶飲料
Aが室52内に並列に配置された状態で、スライド部材
22はケーシング20に沿って押し入れられる。この場
合、操作者は窓部26a、26bを通じて表示プレート
70a(70b〜70d)を視認することにより、缶飲
料Aが加温・冷却装置10の室52内に収納されている
ことを容易に知ることができる。缶飲料Aが加温・冷却
装置10内に収納されている場合、エアコン本体部16
からダクト14を介して導入された冷風によって該缶飲
料Aが冷却され、前記冷風はスリット部材60a、60
bの間隙を通過して車室内に供給される(図4参照)。
その際、ダクト14から導出される冷風は、略その全て
が缶飲料Aの周囲全面を通過してスリット部材60a、
60bから車室内へ導出されるために、缶飲料Aの冷却
効果が一挙に向上する。なお、このことは、前記缶飲料
Aを暖める場合も同様である。
【0029】このように、本実施例に係る加温・冷却装
置10では、操作者の選択によって、引き出されたスラ
イド部材22にホルダ38を介して缶飲料Aを立設した
状態で保持することができるとともに、前記スライド部
材22をケーシング20内に押し入れることにより、該
スライド部材22がインストルメントパネル12から外
部側に突出しない状態で缶飲料Aを効率的に加温・冷却
することもできる。
【0030】次に、本発明の第2実施例に係る加温・冷
却装置90を図13に示す。なお、以下では、第1実施
例と異なる構成並びに作用効果についてのみ説明する。
【0031】この加温・冷却装置90は、断面略半楕円
形状の凹部92が画成されたケーシング94を有し、前
記凹部92には保持機構として機能する一対のクリップ
部材96a、96bを回転軸として、スライド部材98
が回転自在に収納される点に特徴がある。すなわち、前
記スライド部材98の両端部には逆Ω形状の一対のクリ
ップ部材96a、96bが夫々固着され、ケーシング9
4に固着されたピン100を挟持するいずれか一方のク
リップ部材96b(96a)を回転軸として、スライド
部材98を左右いずれの方向にも回転させることが可能
である(二点鎖線参照)。
【0032】前記スライド部材98は、図示しないスプ
リングの弾発力を介して支持プレート102が上下方向
に変位することにより、缶飲料A1 を立設した状態で保
持するとともに、缶飲料A2 を横に倒した状態で保持す
ることも可能である。従って、前記した第1実施例と同
様に、スライド部材98をケーシング94から引き出し
た状態で立設する缶飲料A1 を冷却または保冷するとと
もに、スライド部材98をケーシング94内に収納した
状態で倒置した缶飲料A2 をその全面にわたって供給さ
れる冷気によって効率的に冷却することも可能である。
このことは、前記缶飲料Aを暖める場合も同様である。
【0033】なお、前記一対のクリップ部材96a、9
6bに代替して、図14〜図16に示されるように、一
対のハンドル104a、104b(一方は図示せず)を
設けるように構成してもよい。前記ハンドル104a、
104bは、断面半円形状に形成された支持部106と
平板状の把手部108とが一体的に結合され、前記支持
部106の上下両端部がプレート110の図示しない保
持溝によって回動自在に保持される。前記支持部106
には巻回されたスプリング112が装着され、前記スプ
リング112の弾発力によって把手部108を原位置に
復帰させようとする力が発揮される。支持部106が原
位置にある場合には、断面半円形状に形成された部位に
よって略円柱状の支柱114が保持される。そこで、い
ずれか一方のハンドル104a(104b)の把手部1
08を把持し、スプリング112の弾発力に抗して矢印
B方向に所定角度回動させることにより、支柱114に
対する保持状態が解除され、支持部106を支柱114
から離間させることが可能となる。この場合、他方のハ
ンドル104b(104a)は支柱114を保持した状
態にありヒンジとしての機能を営む。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る車室内用加温・冷却装置に
よれば、以下の効果が得られる。
【0035】すなわち、スライド部材がケーシングから
引き出された、あるいは収納されたいずれの状態でもホ
ルダによって飲料物を保持して加温する、若しくは冷却
することができる。従って、設置スペースが狭小となる
ことがなく車室内の空間を効率的に利用することができ
る。
【0036】また、スライド部材がケーシングから引き
出された、あるいは収納されたいずれの状態でも熱風・
冷風供給源から室内に供給される熱風・冷風によって、
ホルダに保持された飲料物を加温または冷却することが
できる。特に、ケーシングに収納されている状態では、
飲料物の全面にわたって暖気または冷気が供給されるた
めに、加温または冷却効率が極めて優れるという特有の
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る車室内用加温・冷却
装置を構成するスライド部材をケーシングから引き出し
た状態を示す斜視図である。
【図2】図1において、缶飲料を立設して保持した状態
を示す斜視図である。
【図3】図1に示す車室内用加温・冷却装置を含むイン
ストルメントパネルの断面図である。
【図4】図3において、スライド部材をケーシング内に
収納した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る車室内用加温・冷却
装置の分解斜視図である。
【図6】図6Aおよび図6Bは、夫々、缶飲料がホルダ
の曲面部に沿って倒置状態に載置された状態を示す説明
図である。
【図7】図7Aおよび図7Bは、夫々、缶飲料がホルダ
の孔部に立設して保持された状態を示す説明図である。
【図8】本発明の第1実施例に係る車室内用加温・冷却
装置を構成する表示機構の説明図である。
【図9】図9A〜図9Dは、夫々、表示プレートの具体
例を示す説明図である。
【図10】本発明の第1実施例に係る車室内用加温・冷
却装置を構成する保持機構の変形例である。
【図11】本発明の第1実施例に係る車室内用加温・冷
却装置を構成する保持機構の変形例である。
【図12】ケーシングの底面部に設けられるスライドプ
レートの説明図である。
【図13】本発明の第2実施例に係る車室内用加温・冷
却装置の平面図である。
【図14】本発明の第2実施例に係る車室内用加温・冷
却装置を構成する保持機構の変形例を示す斜視図であ
る。
【図15】図14に示す保持機構の平面図である。
【図16】図14に示す保持機構の正面図である。
【符号の説明】
10、90…車室内用加温・冷却装置 12…インスト
ルメントパネル 14…ダクト 16…エアコン
本体部 20、94…ケーシング 22、98…ス
ライド部材 24…フェイスパネル 28…表示機構 30…ロック機構 36、112…
スプリング 38…ホルダ 40a、40b
…曲面部 42a、42b…孔部 50…開口部 52…室 58a、58b
…吹き出し孔 60a、60b…スリット部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室内に設置され、飲料物を加温・冷却す
    る装置であって、 インストルメントパネルに設けられたダクトを介して熱
    風・冷風供給源に連通する孔部を有するケーシングと、 前記ケーシングから引き出しまたは収納自在に形成され
    るスライド部材と、 前記スライド部材によって画成される室内に上下方向に
    変位可能に設けられ、飲料物を立設状態と倒置状態とに
    選択的に保持することが可能なホルダと、 を備え、前記熱風・冷風供給源から前記室内に熱風また
    は冷風を供給することにより、飲料物を加温・冷却する
    ことを特徴とする車室内用加温・冷却装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の装置において、前記装置
    は、室内に飲料物が収納されていることおよび/または
    飲料物が収納されていないことを表示する表示機構を有
    することを特徴とする車室内用加温・冷却装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の装置において、ケ
    ーシングは車室内の前面部のインストルメントパネルの
    略中央部に配設され、室内に飲料物が保持された状態で
    スライド部材をケーシング内に収納する際、車室内に露
    呈する前記スライド部材の端面がインストルメントパネ
    ルと略面一となるように形成されることを特徴とする車
    室内用加温・冷却装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装
    置において、スライド部材には、室内に連通し、前記室
    内に供給された熱風または冷風を車室内に導出する吹き
    出し孔が画成されることを特徴とする車室内用加温・冷
    却装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装
    置において、ホルダは飲料物を立設状態に保持する孔部
    と、該飲料物を倒置状態に保持する曲面部とを有し、前
    記ホルダには弾発力によって該ホルダを上下方向に変位
    させる弾性部材が設けられることを特徴とする車室内用
    加温・冷却装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装
    置において、スライド部材の両端部にはケーシングに固
    定された支柱を挟持する一組のクリップ部材が設けら
    れ、前記支柱を保持するいずれか一方のクリップ部材を
    回転軸とし、他方のクリップ部材の保持状態を解除して
    スライド部材をケーシングから引き出しまたはケーシン
    グ内に収納することを特徴とする車室内用加温・冷却装
    置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の装置において、スライド部
    材の両端部には、クリップ部材に代替して、スプリング
    の弾発力の作用下に回動して支柱を保持するハンドルを
    設けることを特徴とする車室内用加温・冷却装置。
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