JPH08142387A - 静電記録用電極シートの製造方法 - Google Patents

静電記録用電極シートの製造方法

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JPH08142387A
JPH08142387A JP30702694A JP30702694A JPH08142387A JP H08142387 A JPH08142387 A JP H08142387A JP 30702694 A JP30702694 A JP 30702694A JP 30702694 A JP30702694 A JP 30702694A JP H08142387 A JPH08142387 A JP H08142387A
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electrode
insulating substrate
pattern
laser beam
electrode film
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JP30702694A
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Tetsuya Kitamura
哲弥 北村
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度に能率的に所定の領域に微細な凹部を
形成できる静電記録用電極シートの製造方法を提供す
る。 【構成】 絶縁性基板41の表面に厚さ約3μmの銅箔
により、多数の電極膜42と導線43及び前後1対のダ
ミー電極膜44のパターンを形成する。次に、絶縁性基
板41の表面にポリイミド樹脂の絶縁コーティング層4
5を形成し、絶縁コーティング層45の全面に帯電防止
層46を形成する。絶縁性基板41の裏面からレーザー
光を照射し、開口部48を形成し、次に、絶縁性基板4
1の裏面からレーザー光57を照射し、複数の電極膜4
2と1対のダミー電極膜44のパターンに対応する領域
よりも広幅の領域に沿って、レーザー光57を絶縁性基
板41に対して相対移動させて、絶縁性基板41の厚さ
の全部の深さの凹部49を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の開口部とそれら
開口部近傍の電極膜とをシート状の絶縁体に形成してな
る静電記録用電極シートであって、複写機、プリンタ、
ファクシミリ、プロッター等に装備される静電記録方式
の画像形成装置に用いる為の静電記録用電極シートの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、多数の微小な開口(アパチャ)と
各開口の外周に付設した制御電極とを有するアパチャ電
極体と、アパチャ電極体を挟んだ両側に位置するトナー
搬送ローラー及び背面電極と、トナー搬送ローラーにマ
イナスに帯電させたトナーを供給するトナー供給機構と
を備え、各制御電極への印加電圧を制御し、制御電極と
背面電極間の電界を介して、トナー搬送ローラーの表面
のトナーを前記開口を通過させて記録媒体(用紙)に記
録するように構成した静電記録方式の画像形成装置が、
種々提案されている(例えば、特開平2−297570
号公報参照)。
【0003】前記アパチャ電極体(静電記録用電極シー
ト)としては、合成樹脂製の例えば厚さ25μmの薄い
シート状の絶縁板に、多数の開口部と制御電極(電極
膜)とを形成し、絶縁板をトナー搬送ローラー側に位置
させ、制御電極を背面電極側に位置させた状態で使用さ
れる。ところで、トナーで記録する画素の鮮明化の為に
は、制御電極からトナー搬送ローラーへ向かう電界を強
化することが望ましく、その為には、制御電極への駆動
電圧を高めるか、制御電極とトナー搬送ローラー間の距
離を極力小さくすることが必要である。しかし、制御電
極を駆動する集積回路の特性上、駆動電圧は約40V以
下に抑えることが望ましいので、前記絶縁板を極力薄く
構成することが望ましい。
【0004】そこで、前記絶縁板を一層薄い絶縁被膜で
構成することが考えられるが、その場合、アパチャ電極
体の厚さが過小となるため、制御電極に対して絶縁被膜
と反対側に補強用の厚さ50〜100μm位の薄いシー
ト状の絶縁性基板を設け、制御電極の内側に、絶縁被膜
と絶縁性基板とを貫通する開口部を形成する必要があ
る。しかし、絶縁性基板の開口部の大きさが、制御電極
の内側の開口部の大きさと同程度に小さい場合には、絶
縁性基板の開口部を通って背面電極から制御電極に向か
うように形成される電界が殆ど生じなくなることから、
絶縁性基板の開口部を広幅の少なくとも絶縁被膜を貫通
しない凹部に形成する必要があり、この凹部の幅×長さ
(多数の制御電極を所定パターンに形成した領域)は、
例えばA4版対応の場合、1mm×200mmとなる。
【0005】従来、前記のような絶縁性基板を微細加工
するのに、エキシマレーザー光が適用されているが、エ
キシマレーザー光は、最大発熱量が0.5ジュール/c
2、最大照射領域が22.5mm2 であり、従来の加
工技術により、エキシマレーザー光を用いて、1mm×
200mm程度の加工領域にスリット状の凹部を加工す
る場合には、前記加工領域を9分割し、9回のエキシマ
レーザー光照射を介して加工しているのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、多数の
制御電極を所定パターンに形成した加工領域を9分割し
て、9回の加工で凹部を形成する場合には、レーザー光
のエッジに対応する部分ではエネルギー密度が低いため
に不連続な継ぎ目が複数個発生するので、その不連続な
継ぎ目が電界に影響を及ぼし、多数の制御電極に亙って
記録性能が均一化せず、静電記録の記録性能を十分に高
めることが困難である。本発明の目的は、前記不連続な
継ぎ目を発生させることなく、高精度に能率的に所定の
領域に微細な凹部を形成できる静電記録用電極シートの
製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の静電記録用電
極シートの製造方法は、シート状の絶縁性基板の表面に
複数の電極膜のパターンを形成するパターン形成工程
と、前記複数の電極膜のパターンを覆うように絶縁性基
板の表面に絶縁性コーティング層を形成するコーティン
グ工程と、前記絶縁性基板の前記表面と反対側の裏面側
からレーザー光を照射し、複数の電極膜のパターンに対
応する領域に沿って、絶縁性基板と絶縁性コーティング
層を貫通する開口部を形成する開口形成工程と、前記絶
縁性基板の前記表面と反対側の裏面側からレーザー光を
照射し、複数の電極膜のパターンに対応する領域よりも
広幅の領域に沿って、そのレーザー光を絶縁性基板に対
して相対移動させて、絶縁性基板の厚さの全部又は大部
分の深さの凹部を形成する凹部形成工程とを備えたこと
を特徴とする方法である。
【0008】請求項2の静電記録用電極シートの製造方
法は、請求項1の発明において、前記パターン形成工程
において、複数の電極膜のパターンの長さ方向の両端近
傍部位に、凹部形成工程おいて照射するレーザー光の入
射断面よりも大きな反射面を有するダミー電極膜を形成
し、前記凹部形成工程において、一方のダミー電極膜に
対応する部位からレーザー光の照射を開始し、他方のダ
ミー電極膜に対応する部位においてレーザー光の照射を
終了することを特徴とする方法である。
【0009】
【作用】請求項1の静電記録用電極シートの製造方法に
おいては、パターン形成工程においてシート状の絶縁性
基板の表面に複数の電極膜のパターンを形成し、次に、
コーティング工程において複数の電極膜のパターンを覆
うように絶縁性基板の表面に絶縁性コーティング層を形
成する。次に、開口形成工程において絶縁性基板の前記
表面と反対側の裏面側からレーザー光を照射し、複数の
電極膜のパターンに対応する領域に沿って、絶縁性基板
と絶縁性コーティング層を貫通する開口部を形成する。
但し、レーザー光は電極膜で反射されるため、電極膜の
個所では貫通しない開口部となる。
【0010】次に、凹部形成工程において絶縁性基板の
前記表面と反対側の裏面側からレーザー光を照射し、複
数の電極膜のパターンに対応する領域よりも広幅の領域
に沿って、そのレーザー光を絶縁性基板に対して相対移
動させて、絶縁性基板の厚さの全部又は大部分の深さの
凹部を形成する。この場合、レーザー光の出力との関連
において、相対移動の速度を適当な速い速度に設定する
ことにより、絶縁性基板の厚さの全部又は大部分の深さ
の凹部を形成できる。
【0011】請求項2の静電記録用電極シートの製造方
法においては、請求項1の発明において、パターン形成
工程において、複数の電極膜のパターンの長さ方向の両
端近傍部位に、前記凹部形成工程おいて照射するレーザ
ー光の入射断面よりも大きな反射面を有するダミー電極
膜を形成し、凹部形成工程において、一方のダミー電極
膜に対応する部位からレーザー光の照射を開始し、他方
のダミー電極膜に対応する部位においてレーザー光の照
射を終了する。前記レーザー光の照射開始時及び照射終
了時には、レーザー光の絶縁性基板に対する相対移動速
度を十分に高めることができないので、所期の深さの凹
部に形成できず、貫通状の凹部になる可能がある。
【0012】しかし、本発明では、複数の電極膜のパタ
ーンの長さ方向の両端近傍部位に、凹部形成工程おいて
照射するレーザー光の入射断面よりも大きな反射面を有
するダミー電極膜を形成しておき、一方のダミー電極膜
に対応する部位からレーザー光の照射を開始するため、
この照射開始時の凹部がダミー電極膜よりも深くなるこ
とはない。同様に、他方のダミー電極膜に対応する部位
においてレーザー光の照射を終了するので、照射終了時
の凹部がダミー電極膜よりも深くなることはない。こう
して、レーザー光の照射開始部位と照射終了部位におい
ても、所期の凹部を形成することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。最初に、静電記録用電極シートが装備される
画像形成装置について説明し、その後、静電記録用電極
シートについて説明する。図1に示すように、画像記録
装置1は、その本体フレーム2内に、用紙P(画像記録
媒体)を搬送する用紙搬送機構10と、定着機構20
と、所定量のトナー3と、トナー供給機構30と、この
トナー供給機構30のトナーケース31の上端に付設さ
れた静電記録用電極シート40と、背面電極ローラー5
0とを設けたものである。
【0014】前記用紙搬送機構10は、搬送される用紙
Pを支持する複数のガイドプレート12〜14と、複数
の搬送用ローラー15〜18と、搬送用ローラー15,
16と搬送用ローラー17,18の間において用紙Pの
幅方向両端部数mm程の部分を支持して搬送する搬送用
ローラー(図示略)と、用紙カセット11内の用紙を1
枚ずつ給紙する給紙ローラー(図示略)と、用紙搬送機
構10を駆動する電動モータ(図示略)等で構成され、
本体フレーム2の前側には、多数の用紙Pを収納した給
紙カセット11が設けられ、本体フレーム2の後側に
は、記録されて排出された用紙Pを受ける排紙トレイ1
9が設けられている。
【0015】定着機構20は、ハロゲンランプを内蔵し
た定着用ローラー17と押圧ローラー18とからなり、
定着用ローラー17と押圧ローラー18とは、用紙搬送
機構10にも兼用されている。
【0016】次に、トナー供給機構30について説明す
ると、用紙搬送方向(前方から後方向き)に直交する方
向に、用紙Pの最大幅より僅かに広幅のトナーケース3
1内には、後述の電気絶縁性を有するトナー3が収納さ
れている。トナーケース31の内部には、トナー供給ロ
ーラー32と、トナー搬送ローラー33とが左右方向向
きに水平に配設され、これらローラー32,33は、夫
々回転可能に枢支されている。トナー供給ローラー32
は、シリコン発泡体で構成されており、このトナー供給
ローラー32は、トナー3をトナー搬送ローラー33の
方へ移送し且つトナー3との摩擦接触を介してトナー3
をマイナス極性に帯電させる。
【0017】トナー搬送ローラー33は、絶縁材料から
なる合成樹脂発泡体製のローラー本体部の外周に、ニッ
ケル製のスリーブを外嵌した構造であり、このトナー搬
送ローラー33の表面に静電気力で付着したトナー3
が、矢印A方向へ搬送される。これらトナー供給ローラ
ー32とトナー搬送ローラー33とは、図示外のローラ
ー駆動機構により、矢印B方向及び矢印A方向へ回転駆
動される。前記トナーケース31には、薄い板状の弾性
を有する絶縁材料製のトナー規制ブレード34が取付け
られ、その湾曲状部分がトナー搬送ローラー33に押圧
状に接触しており、トナー搬送ローラー33の表面に層
状に付着したトナー3の層厚が、このトナー規制ブレー
ド34で所定厚さ(約40〜50μm)に規制される。
【0018】前記トナーケース31の上端部には、トナ
ーケース31の上端の開口部分を覆うように、且つトナ
ー搬送ローラー33の上端部に層状のトナー3を介して
上側から接触するように、ほぼ屋根型に傾斜した静電記
録用電極シート40が取付けられている。静電記録用電
極シート40について説明すると、図1〜図6に示すよ
うに、静電記録用電極シート40は、厚さ約50〜10
0μmの合成樹脂(例えば、ポリイミド)製のシート状
の絶縁性基板41と、この絶縁性基板41の下面に用搬
送方向と直交する水平方向に所定間隔おきに形成された
銅被膜製の多数のコ字状の電極膜42及び電極膜42か
ら延びる導線43と、合成樹脂(例えば、ポリイミド)
製の厚さ約8μmの絶縁コーティング層45と、合成樹
脂(例えば、ポリイミド)にカーボン微粒子を混合した
半導電性の厚さ約5μmの帯電防止層46とを備えたも
のである。
【0019】この静電記録用電極シート40の前後方向
の略中央部の位置には、多数の電極膜42が所定の微小
間隔おきに、左右方向向きに1列状に形成され、各電極
膜42の内側及び電極膜42同士間には、絶縁コーティ
ング層45と帯電防止層46とを貫通する65μm×6
5μmのアパチャ47(微小開口)が形成され、これら
アパチャ47間のピッチは約127μmであり、例え
ば、A4用紙を対象とする場合には、アパチャ47の数
(つまり、電極膜42の数)は、約1700個である。
【0020】更に、図2、図6に示すように、多数の電
極膜42が形成された領域を含みその領域よりも前後方
向に広幅の凹部49であって、絶縁性基板41の上面か
ら電極膜42までの深さ、つまり、絶縁性基板41のほ
ぼ全厚にわたる深さの凹部49が形成されている。各電
極膜42から延びる細い導線43が絶縁性基板41上に
夫々形成され、図2に示すように、これら多数の導線4
3の各々には、記録すべき画像の画像信号に応じた、+
30V又は−30Vの駆動電圧が、制御線54を介して
駆動回路52から個別に供給される。
【0021】一方、電極シート40の直ぐ上側には、用
紙Pを搬送する搬送隙間を隔てて背面電極ローラー50
が配設され、この背面電極ローラー50は、その支軸5
0aを介して本体フレーム2に回転可能に枢支されてい
る。用紙Pは、この背面電極ローラー50の下部に接し
ながら搬送方向に搬送され、この用紙Pの下面には、搬
送中に電極膜42に供給される駆動信号に応じてトナー
搬送ローラー33の表面から飛翔しアパチャ47を通過
したトナー3が付着する。背面電極ローラー50は、図
示外のローラ駆動機構により、記録用紙Pの搬送と同期
して矢印Cの方向へ回転駆動される。
【0022】次に、画像記録装置1の制御系について簡
単に説明すると、図2に示すように、背面電極ローラー
50には、電源回路55により、約+1KVの高電圧が
常に印加され、マイナスに帯電されたトナー3を大きな
静電気力で背面電極ローラー50に引き付けるようにな
っている。一方、電極シート40の多数の導線43は、
多数本の信号線からなる制御線54を介して駆動回路5
2に接続され、この駆動回路52には、+30Vと−3
0Vの2種類の電圧を出力する電源回路53と、外部か
ら画像信号を受信する制御ユニット51とが接続され、
制御ユニット51は、多数の電極膜42の為の画像信号
に応じた制御信号を駆動回路52に同時に出力し、駆動
回路52は、画素を記録する各電極膜42には+30V
の駆動電圧を制御線54を介して出力し、また、画素を
記録しない各電極膜42には−30Vの駆動電圧を制御
線54を介して出力する。尚、トナー搬送ローラー33
は接地されている。
【0023】従って、+30Vの電圧が電極膜42に印
加されると、電極膜42からトナー搬送ローラー33に
向かう電界が発生し、マイナスに帯電したトナー3は、
この電界から静電気力を受け、トナー搬送ローラー33
の表面からアパチャ47を通過して電極膜42の方へ飛
翔すると同時に、背面電極ローラー50から電極膜42
に向かう強力な電界による静電気力を受けて、背面電極
ローラー50へ方へ飛翔し用紙Pに衝突して付着する。
しかし、電極膜42に−30Vの電圧が印加されたとき
には、トナー搬送ローラー33からトナー3が飛翔しな
い。
【0024】以上説明した静電記録用電極シート40に
おいては、電極膜42の下面側には薄い絶縁コーティン
グ層45と、薄い帯電防止層46とが形成されるだけな
ので、電極膜42からトナー搬送ローラー33までの距
離を小さくして、電極膜42からトナー搬送ローラー3
3間に発生する電界を強化できるし、また、多数のアパ
チャ47よりも前後方向に広幅で絶縁性基板41の上面
から電極膜42まで又は電極膜42の近くまで達する凹
部49が形成されているため、補強用の絶縁性基板41
から、背面電極ローラー50と電極膜42間に発生する
電界に悪影響を及ぼすのを確実に防止できる。こうし
て、静電記録用電極シート40の電気的を性能を高めて
ある。
【0025】次に、以上説明した静電記録用電極シート
40の製造方法について説明する。パターン形成工程に
おいて、図3に示すように、シート状の所定のサイズの
絶縁性基板41を準備し、この絶縁性基板41の表面
(図2における下面)に、厚さ約3μmの銅箔を全面的
に接着し、この銅箔の表面に多数の電極膜42と導線4
3及び前後1対のダミー電極膜44のパターンをマスク
するマスキングを施した状態で、所定のエッチング液で
エッチング処理を施して、多数の電極膜42と導線43
及び前後1対のダミー電極膜44のパターンを形成す
る。尚、1対のダミー電極膜44は、多数の電極膜42
のパターンの長さ方向(図2における左右方向、つま
り、図2における紙面直交方向))の両端近傍部位に形
成される。また、各ダミー電極膜44は、後述の凹部形
成工程におけるエキシマレーザーのレーザー光57の入
射断面よりも大きな反射面を有する矩形形状に形成され
る。
【0026】次に、コーティング工程において、図4に
示すように、絶縁性基板41の表面の全面に、多数の電
極膜42と導線43及び前後1対のダミー電極膜44を
覆うように、ポリイミド樹脂をコーティングして厚さ約
8μmの絶縁性コーティング層45を形成する。次に、
絶縁性コーティング層45を十分乾燥させてから、その
絶縁性コーティング層45の表面の全面に、カーボン微
粉末を添加したポリイミド樹脂をコーティングして厚さ
約5μmの帯電防止層46を形成して乾燥させる。
【0027】次に、開口形成工程において、図5に示す
ように、絶縁性基板41を所望の設定速度で移動駆動で
きる1軸移動型キャリアにセットし、絶縁性基板41の
前記表面と反対側の裏面から、複数の電極膜42及び1
対のダミー電極膜44のパターンに対応する領域に沿っ
て、一端側から他端側へ向かって、エキシマレーザーの
レーザー光56を照射可能にセットする。そして、絶縁
性基板41の前記表面と反対側の裏面から、レーザー光
56を照射し、複数の電極膜42及び1対のダミー電極
膜44のパターンに対応する領域に沿って、レーザー光
56を絶縁性基板41に対して相対移動させて、絶縁性
基板41と絶縁コーティング層45と帯電防止層46と
を貫通する開口部48であって、前記多数のアパチャ4
7を形成する為の開口部48を形成する(図6参照)。
尚、レーザー光56の照射前に、絶縁性基板41の裏面
の全面に、所定の離型剤を塗布してからレーザー光56
を照射するものとする。
【0028】前記レーザー光56は、一端側のダミー電
極膜44の部位から照射を開始し、また、他端側のダミ
ー電極膜44の部位で照射を終了するものとする。前記
レーザー光56の入射断面の前後方向幅aはアパチャ4
7の前後方向の幅65μm、レーザー光56の入射断面
の左右方向幅bは例えば200μm、レーザー光56の
エネルギー密度は0.5 ジュール/cm2 、レーザー光5
6の周波数は100Hz、レーザー光56の絶縁性基板
41に対する相対移動速度は例えば40mm/sであ
る。前記絶縁性基板41と絶縁コーティング層45と帯
電防止層46とを貫通する開口部48を形成すると、電
極膜42の部位では、レーザー光56が反射するため、
電極膜42を貫通せず、図6に示すように、各電極膜4
2のレーザー光入射側と反対側には、絶縁コーティング
層45と帯電防止層46とがブリッジ状に残り、各電極
膜42に対応する多数のアパチャ47が形成される。
【0029】次に、凹部形成工程において、図6に示す
ように、絶縁性基板41を前記キャリアにセットしたま
ま、絶縁性基板41の前記表面と反対側の裏面から、複
数の電極膜42及び1対のダミー電極膜44のパターン
に対応する領域よりも広幅の領域に沿って、一端側から
他端側へ向かって、エキシマレーザーのレーザー光57
を照射可能にセットする。そして、絶縁性基板41の前
記表面と反対側の裏面から、レーザー光57を照射し、
複数の電極膜42と1対のダミー電極膜44のパターン
に対応する領域よりも広幅の領域に沿って、レーザー光
57を絶縁性基板41に対して相対移動させて、絶縁性
基板41の厚さの全部の深さの凹部49を形成する。但
し、凹部49は、絶縁性基板41の厚さの大部分の深さ
に形成してもよい。
【0030】前記レーザー光57は、一端側のダミー電
極膜44の部位から照射を開始し、また、他端側のダミ
ー電極膜44の部位で照射を終了するものとする。前記
レーザー光57の入射断面の前後方向幅cは1000μ
m、レーザー光57の入射断面の左右方向幅dは例えば
200μm、レーザー光57のエネルギー密度は0.5 ジ
ュール/cm2 、レーザー光57の周波数は100H
z、レーザー光57の絶縁性基板41に対する相対移動
速度は例えば65mm/sである。レーザー光57の照
射開始端と照射終了端では、相対移動速度が一定化しな
いために入熱量が一定化しないが、一端側のダミー電極
膜44の部位で照射を開始し、また、他端側のダミー電
極膜44の部位で照射を終了するため、全部のアパチャ
47に対応する領域では、凹部49の断面形状が一定化
する。
【0031】こうして、前記開口部48をバラツキのな
い一定形状に形成でき、凹部49をバラツキのない一定
形状に形成できるため、電気的に高性能の静電記録用電
極シート40を製造することができる。そして、一端側
のダミー電極膜44の部位で照射を開始し、他端側のダ
ミー電極膜44の部位で照射を終了するため、レーザー
光57の照射開始部位及び照射終了部位においても、所
期の凹部を形成することができる。
【0032】
【発明の効果】請求項1の静電記録用電極シートの製造
方法においては、パターン形成工程においてシート状の
絶縁性基板の表面に複数の電極膜のパターンを形成し、
次に、コーティング工程において複数の電極膜のパター
ンを覆うように絶縁性基板の表面に絶縁性コーティング
層を形成する。次に、開口形成工程において絶縁性基板
の前記表面と反対側の裏面側からレーザー光を照射し、
複数の電極膜のパターンに対応する領域に沿って、絶縁
性基板と絶縁性コーティング層を貫通する開口部を形成
する。従って、一定幅の連続する開口部を形成できる。
【0033】次に、凹部形成工程において絶縁性基板の
前記表面と反対側の裏面側からレーザー光を照射し、複
数の電極膜のパターンに対応する領域よりも広幅の領域
に沿って、そのレーザー光を絶縁性基板に対して相対移
動させて、絶縁性基板の厚さの全部又は大部分の深さの
凹部を形成する。このように、レーザー光を絶縁性基板
に対して相対移動させて凹部を形成するため、一定の幅
と深さの滑らかに連続した凹部を簡単に形成することが
できる。従って、前記開口部をバラツキのない一定形状
に形成でき、凹部をバラツキのない一定形状に形成でき
るため、電気的に高性能の静電記録用電極シートを製造
することができる。
【0034】請求項2の静電記録用電極シートの製造方
法においては、請求項1と同様の効果を奏するが、複数
の電極膜のパターンの長さ方向の両端近傍部位に、凹部
形成工程おいて照射するレーザー光の入射断面よりも大
きな反射面を有するダミー電極膜を形成しておき、一方
のダミー電極膜に対応する部位からレーザー光の照射を
開始するため、この照射開始時の凹部がダミー電極膜よ
りも深くなることはない。同様に、他方のダミー電極膜
に対応する部位においてレーザー光の照射を終了するの
で、照射終了時の凹部がダミー電極膜よりも深くなるこ
とはない。こうして、レーザー光の照射開始部位と照射
終了部位においても、所期の凹部を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る画像形成装置の一部縦断
側面図である。
【図2】図1の画像形成装置の要部拡大断面図である。
【図3】図1の画像形成装置の静電記録用電極シートの
絶縁性基板と電極膜等の要部斜視図である。
【図4】前記静電記録用電極シートの絶縁性基板と絶縁
コーティング層と帯電防止層の要部斜視図である。
【図5】前記静電記録用電極シートに開口部を形成する
工程を示す要部斜視図である。
【図6】前記静電記録用電極シートに凹部を形成する工
程を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 40 静電記録用電極シート 41 絶縁性基板 42 電極膜 44 ダミー電極膜 45 絶縁コーティング層 46 帯電防止層 48 開口部 49 凹部 56,57 レーザー光

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の絶縁性基板の表面に複数の電
    極膜のパターンを形成するパターン形成工程と、 前記複数の電極膜のパターンを覆うように絶縁性基板の
    表面に絶縁性コーティング層を形成するコーティング工
    程と、 前記絶縁性基板の前記表面と反対側の裏面側からレーザ
    ー光を照射し、複数の電極膜のパターンに対応する領域
    に沿って、絶縁性基板と絶縁性コーティング層を貫通す
    る開口部を形成する開口形成工程と、 前記絶縁性基板の前記表面と反対側の裏面側からレーザ
    ー光を照射し、複数の電極膜のパターンに対応する領域
    よりも広幅の領域に沿って、そのレーザー光を絶縁性基
    板に対して相対移動させて、絶縁性基板の厚さの全部又
    は大部分の深さの凹部を形成する凹部形成工程と、 を備えたことを特徴とする静電記録用電極シートの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記パターン形成工程において、複数の
    電極膜のパターンの長さ方向の両端近傍部位に、前記凹
    部形成工程おいて照射するレーザー光の入射断面よりも
    大きな反射面を有するダミー電極膜を形成し、 前記凹部形成工程において、一方のダミー電極膜に対応
    する部位からレーザー光の照射を開始し、他方のダミー
    電極膜に対応する部位においてレーザー光の照射を終了
    する、 ことを特徴とする請求項1に記載の静電記録用電極シー
    トの製造方法。
JP30702694A 1994-11-15 1994-11-15 静電記録用電極シートの製造方法 Pending JPH08142387A (ja)

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