JPH081413Y2 - 給湯器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は温水を供給する給湯器に関する。

（ロ）従来の技術 例えば実公昭57−18612号公報には、バーナの給気経
路と、排気経路とを別々に設けた給湯器が開示されてい
る。

（ハ）考案が解決しようとする課題 上記従来の技術において、バーナの給気経路と排気集
合箱とは別に設けられているため、給湯器のコンパクト
化を図ることができないと共に、給気経路、及び排気経
路から漏れる燃焼音により、給湯器の騒音が大きくなる
という問題が発生していた。

本考案は給湯器のコンパクト化を図ると共に、給湯器
の低騒音化を図ることを目的とする。

（ニ）課題を解決するための手段 本考案では、熱交換器（１）と、この熱交換器（１）
の上に設けられ、内部に燃焼用空気通路（20）を形成す
る筒体（４）と、この筒体（４）の下部に取り付けら
れ、熱交換器（１）を加熱する上焚式のバーナ（６）
と、筒体（４）の外周に排気通路（11）となる間隔をと
って設けられ、熱交換器（１）からの排気ガスを下部か
ら排気通路（11）に流入させるとともに、排気通路（1
1）の排気ガスを上部から排出させる排気集合箱（３）
と、この排気集合箱（３）の外に設けられた送風機
（８）と、この送風機（８）と筒体（４）とを連絡する
連絡筒（７）と、筒体（４）の外壁を覆う吸音材（９）
と、排気集合箱（３）の内壁を覆う断熱材（10）とを備
え、筒体（４）の中間部に位置する吸音材（９）には排
気通路（11）の途中を狭める環状の凸部（9A）が設けら
れている構成である。

（ホ）作用 バーナ（６）の燃焼時、排気集合箱（３）内の排気通
路を通る燃焼音を吸音材（９）と断熱材（10）とで吸収
し、排気ガスと共に外部へ漏れる燃焼音を小さくでき、
又、燃焼用空気通路（20）から漏れる燃焼音を吸音材
（９）にて吸収することができ、給湯器から外部へ漏れ
る燃焼音を小さくして低雑音化を図ることが可能にな
る。又、排気集合箱（３）内に燃焼用空気通路（20）と
排気ガス通路とをコンパクト化に設けることができ、給
湯器のコンパクト化が可能になる。

しかも、筒体（４）の中間部に位置する吸音材（９）
には排気通路（11）の途中を狭める環状の凸部（9A）が
設けられているので、熱交換器（１）から排気集合箱
（３）内の排気通路（11）に入った排気ガスは、凸部
（9A）に当たると共に、環状の凸部（9A）によって狭め
られた排気通路（11）を通過した直後に膨張し、排気集
合箱（３）の上部から流出することになり、排気ガスと
共に外部へ漏れる燃焼音を吸収・減衰させ、給湯器の低
騒音化を一層促進することが可能になる。

（ヘ）実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。

第４図において、（１）は給湯器の外装体（２）内に
収納された熱交換器であり、熱交換器（１）の内部には
複数の煙管（1A）…が設けられている。又、熱交換器
（１）の上には排気集合箱（３）が載置されている。第
１図、乃至第４図において、（４）は排気集合箱（３）
に収納された筒体であり、この筒体（４）の上端は排気
集合箱（３）の天板（3A）のバーナ点検口（3a）周縁に
固定されている。そして、点検口（3a）は着脱自在な蓋
（５）により閉塞されている。又、筒体（４）の下部に
は下向きのバーナ（６）が取付けられている。（７）は
排気集合箱（３）の側板（3B）に形成された開口（3b）
と、筒体（４）の上部に形成された開口（4a）との間に
接続された連絡筒であり、開口（3b）周縁の側板（3B）
に第４図に示したように送風機（８）が取付けられてい
る。そして、連絡筒（７）、及び筒体（４）により燃焼
用空気通路（20）が形成されている。又、（９）は例え
ばセラミックファイバよりなる吸音材であり、筒体
（４）、及び連絡筒（７）の外周は吸音材（９）により
囲まれている。ここで筒体（４）の中間部（上部）に位
置する吸音材（９）には、第１図〜第３図に示すよう
に、吸音材（９）と断熱材（10）との間の排気通路（1
1）の途中を狭めるように側方へ突出した環状の凸部（9
A）が形成されている。さらに、排気集合箱（３）の内
面にはそれぞれ断熱材（10）…が取付けられている。そ
して、吸音材（９）と断熱材（10）…との間に煙管（1
A），（1A）と開口（1a），（1a）を介して連通した排
気通路（11）が形成され、吸音材（９）の凸部（9A）と
断熱材（10）…との間隔は狭くなっている。又、第４図
の（14）は排気集合箱（３）の天板（3A）に接続された
排気ダクトであり、この排気ダクト（14）の排気部（1
6）に排気トップ又は煙突（共に図示せず）が接続され
る。さらに（18）は給湯管である。

上記給湯装置の運転時には、第４図に鎖線矢印（12）
にて示したように送風機（８）から吹き出た燃焼用空気
が連絡筒（７）、及び筒体（４）内の燃焼用空気通路
（20）を通りバーナ（６）へ供給される。又、バーナ
（６）へ燃料が供給され、バーナ（６）で燃焼が行われ
る。そして、排気ガスは熱交換器（１）を通り熱交換し
た後、煙管（1A）…から排気集合箱（３）へ入り、排気
通路（11）を通り、さらに排気集合箱（３）の天板（3
A）に接続された排気ダクト（14）を介して、排気部（1
6）に接続された排気トップから外部へ排出される。こ
こで、バーナ（６）から発生して側方へ放射された燃焼
音は筒体（４）、及び連絡筒（７）を囲む吸音材（９）
により吸収され小さくなる。又、熱交換器（１）から排
気ガスと共に排気通路（11）へ入って来た燃焼音は、吸
音材（９）及び断熱材（10）…により吸収される。ここ
で、燃焼音は吸音材（９）の凸部（9A）に当たり吸収さ
れると共に、凸部（9A）と断熱材（10）との間を通ると
きに吸収されて大幅に小さくなる。そして、排気ガス
は、環状の凸部（9A）によって狭められた排気通路（1
1）を通過した直後に膨張して燃焼音を減衰させるた
め、排気集合箱（３）の上部から排気ダクト（14）を介
して外部へ放出される燃焼音は小さくなる。又、排気通
路（11）に入った燃焼音は排気集合箱（３）の内面の断
熱材（10）…にて吸収され、排気集合箱（３）から外装
体（２）を介して外部へ漏れる燃焼音は小さくなる。

上記本考案の実施例によれば、給湯器の運転時、バー
ナ（６）から側方へ放射された燃焼音を吸音材（９）に
より吸収して小さくすることができる。又、熱交換器
（１）を通り排気通路（11）へ入って来た燃焼音が排気
通路（11）を通る間に、燃焼音を吸音材（９）と断熱材
（10）により吸収することができ、この結果、排気ガス
と共に給湯器の外部へ放出される燃焼音を小さくするこ
とができる。さらに、吸音材には（９）には、吸音材
（９）と断熱材（10）との間の排気通路（11）側に突出
させた凸部（9A）が設けられ、排気ガスが吸音材（９）
の凸部（9A）に当たりさらに凸部（9A）と断熱材（10）
との間の狭い通路を通るときに燃焼音は吸収されると共
に、その直後の排気ガスの膨張によって減衰するため、
排気通路（11）を通る間に燃焼音をさらに小さくするこ
とができ、この結果、排気ガスと共に給湯器の外部へ放
出される燃焼音を一層小さくすることができる。又、排
気通路（11）を通る燃焼音を断熱材（10）…により吸収
することができ、排気集合箱（３）から側方へ漏れる燃
焼音を小さくすることができ、この結果、排気集合箱
（３）から外装体（２）を介して外部へ漏れる音を小さ
くすることができる。

又、排気集合箱（３）内に送風機（８）とバーナ
（６）とを連絡する燃焼用空気通路（20）を設け、その
回りに排気通路（11）を設けているので、排気集合箱
（３）内にバーナ（６）の給気経路と排気経路とをコン
パクトにまとめることができ、この結果、給湯器のコン
パクト化を図ることができる。

（ト）考案の効果 本考案は以上のように構成された給湯器であり、排気
集合箱内に送風機とバーナとを連絡する燃焼用空気通路
を設け、燃焼用空気通路の外周を吸音材により囲み、且
つ排気集合箱の内壁に断熱材を設け、断熱材と吸音材と
の間に燃焼ガス排気通路を設けているため、排気集合箱
に入って来た燃焼音を吸音材と断熱材とにより吸収する
ことができ、この結果、排気ガスと共に給湯器の外部へ
放出される燃焼音を小さくすることができる。又、燃焼
用空気通路から漏れる燃焼音を吸音材にて吸収して小さ
くすることができ、給湯器から外部へ漏れる音を小さく
することができ、給湯器の低騒音化を図ることができ
る。さらに、排気集合箱内にバーナへの給湯経路と排気
経路をコンパクトにまとめることができ、この結果、給
湯器のコンパクト化を図ることができる。

又、筒体の中間部に位置する吸音材には吸音材と断熱
材との間の排気通路を狭める環状の凸部が設けられてい
るので、熱交換器から排気集合箱内の排気通路に入った
排気ガスを、凸部に当てると共に、環状の凸部によって
狭められた排気通路を通過した直後に膨張させ、しかる
後、排気集合箱の上部から流出させることができ、排気
ガスと共に外部へ漏れる燃焼音を吸収・減衰させ、この
結果、排気ガスとともに外部へ放出される燃焼音を小さ
くすることができ、給湯器の低雑音化を一層促進するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図、乃至第４図は本考案の一実施例を示したもので
あり、第１図は熱交換器上部及び燃焼ガス集合箱の概略
断面図、第２図は内部構成を説明するために側板を外し
た燃焼ガス集合箱の側面図、第３図は内部構成を説明す
るために上板を外した燃焼ガス集合箱の平面図、第４図
は内部構成を説明するために前板を外した給湯器の上部
正面図である。 （１）…熱交換器、（３）…排気集合箱、（４）…筒
体、（６）…バーナ、（７）…連絡筒、（８）…送風
機、（９）…吸音材、（9A）…凸部、（10）…断熱材、
（20）…燃焼用空気通路。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 伊藤 英樹 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)考案者 藤生 博巳 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)考案者 門間 憲史 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭56−4754（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱交換器と、この熱交換器の上に設けら
   れ、内部に燃焼用空気通路を形成する筒体と、この筒体
   の下部に取り付けられ、熱交換器を加熱する上焚式のバ
   ーナと、筒体の外周に排気通路となる間隔をとって設け
   られ、熱交換器からの排気ガスを下部から排気通路に流
   入させるとともに、排気通路の排気ガスを上部から排出
   させる排気集合箱と、この排気集合箱の外に設けられた
   送風機と、この送風機と筒体とを連絡する連絡筒と、筒
   体の外周を囲む吸音材と、排気集合箱の内壁を覆う断熱
   材とを備え、筒体の中間部に位置する吸音材には排気通
   路の途中を狭める環状の凸部が設けられていることを特
   徴とする給湯器。