JPH08141378A - 乳化分散装置 - Google Patents

乳化分散装置

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JPH08141378A
JPH08141378A JP6291671A JP29167194A JPH08141378A JP H08141378 A JPH08141378 A JP H08141378A JP 6291671 A JP6291671 A JP 6291671A JP 29167194 A JP29167194 A JP 29167194A JP H08141378 A JPH08141378 A JP H08141378A
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JP
Japan
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stator
rotor
protrusion
protrusions
emulsifying
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JP6291671A
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English (en)
Inventor
Masatsugu Yamaguchi
雅嗣 山口
Hirotaka Mitsuzuka
広貴 三塚
Koji Nakanishi
康二 中西
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Nittetsu Mining Co Ltd
Original Assignee
Nittetsu Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 混合液の粒径が小さな乳化産物を得ることが
できると共に加工が容易で、更に耐蝕性及び耐磨耗性を
向上させてランニングコストを低減できる乳化分散装置
を提供する。 【構成】 第2固定子28の2個の固定突起102,1
03が一体的に形成されると共に、第2回転子72の3
個の回転突起202〜204も一体的に形成されている
構成である。そして、各固定突起102,103の幅及
びその間隔と各回転突起202〜204の幅及びその間
隔の寸法誤差が組体の組立精度による依存性を低下で
き、被処理流体が通過する処理間隙を小さくできる。か
つ、回転子と固定子とが接触回転するのを防止可能とし
た乳化分散装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2種類以上の液体の乳
化、或いは1種類以上の液体とそれとは別の液体と混合
された固体懸濁液との分散における乳化分散装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より2種類以上の液体の乳化分散装
置は各種の分野において利用されている。そして、最
近、乳化分散装置を利用する分野として、例えば製紙工
業等における添加剤の製造工程や、オイルサンド油、石
油アスファルト等の重質油を利用する分野がある。そし
て、この重油類の利用に関しては、これらの重油はもと
もと世界各地域に広く分布し、石油以上の埋蔵量を有し
ていることが知られており、又、石油自体も今後重質油
化する傾向にあると共に、原油精製工程から発生するア
スファルトも増加していることから、その需要拡大が求
められている。
【0003】ところが、これら重質油は軟化点が常温以
上で、常温では固体ないしは半固体となり、取り扱いが
困難であるために、その用途が制限されている。一方、
これらの重質油は、乳化により水中油滴型乳化物とする
ことで、粘度が下がり、常温での取り扱いが容易とな
る。このような、相互に溶解性が低い2種類以上の液体
を乳化させて、1相からなる乳化物を製造する場合、も
しくは1種類以上の液体とそれとは別の液体と混合され
た固体懸濁液とから分散産物を製造する場合、従来で
は、槽型撹拌機や、ハレル型ホモジナイザーやコロイド
ミル等の乳化機が用いられていた。
【0004】図10は槽型撹拌機を用いた場合の乳化産
物製造方法の説明図である。この従来例では、原料とな
る溶解性の低い2種類以上の液体A、B等が撹拌槽1に
投入され、回転子羽3で長時間撹拌した後、産物Cが撹
拌槽1から抜き出される。図11は乳化機を用いた場合
の乳化産物製造方法の説明図である。この従来例では、
固定子と回転子とを備えた高速回転式乳化分散機5の原
料供給口に分岐管7が接続され、この分岐管7は所定比
率の主液Dと副液Eとを別々に仕込んだタンク9a、9
bに接続される。そして、タンク9a、9bからの供給
配管にそれぞれ設けられたポンプ11a、11bで、所
定量の原料を同時に分岐管7に供給し、ここで得られた
混合液Fが高速回転式乳化分散機5に供給され、吐出産
物Gを再度いずれかのタンク9a、9bへ戻すことによ
って、原料が循環処理されて乳化処理される。
【0005】図12は従来の高速回転式乳化分散機5の
要部の構成を示す回転軸方向に沿った縦断面図である。
この乳化分散機5には厚肉な円筒状のケーシング51が
設けられ、ケーシング51は内部に収容室52を有して
いる。収容室52の一方の円形内壁中心には原料入口
(供給口)53が設けられ、また収容室52の周側壁に
は産物出口54が設けられ、産物出口54は収容室52
から外部へ連通するように構成されている。
【0006】収容室52の一方の円形内壁には多段リン
グ状固定子(以下、「固定子」という)55が同一中心
で固着され、固定子55は中心が原料入口53と連通す
る主液入口56となって開口している。図13に示すよ
うに、一方の円形内壁と反対側となる固定子55の円形
面(処理面)には、固定子55と同心円でリング状の第
1固定突起101、第2固定突起102及び第3固定突
起103が多段状(本例では3段)に突設され、固定突
起101、102、103同士の間隙は周溝57、58
を形成している。それぞれの固定突起101、102、
103には半径方向に横断する複数のスリット59が形
成され、スリット59による空間は所謂チャンバーとな
る。このスリット59の幅は外周側の突起程小さくなる
のが一般的である。これは供給された混合液Fの粒径を
できるだけ小さくするためである。また、各固定突起1
01〜103のスリット59は、互いにずらして配置さ
れていることが多い。これも、混合液Fの粒径を小さく
しようとするためである。このようにスリットが各突起
毎にその間隔や大きさ更には形成位置が相違する構成で
あることは、単一素材を旋盤等で切りだし加工を行うこ
とは出来ず、その製造上からみて各固定突起101〜1
03が其々別体で形成されているものである。
【0007】一方、収容室52の他方の円形内壁中心に
は駆動軸62が軸支され、駆動軸62は図示しない駆動
部に接続されて高速回転される。駆動軸62の先端には
多段リング状回転子(以下、「回転子」という)63が
固定され、回転子63は固定子55と平行且つ同一中心
軸上に配置されている。固定子55と対向する回転子6
3の対向面には、回転子63と同心円で円環状の第1回
転突起201、第2回転突起202、第3回転突起20
3及び第4回転突起204が多段状(図示のものでは、
4段)に突設され、回転突起201、202、203、
204同士の間隙は周溝64,65,66を形成してい
る。また、其々の回転突起201、202、203、2
04には固定子55と同様に、半径方向に横断する複数
のスリット67が形成されている。各円環突起201〜
204は上述と同様な理由から其々別体で形成されてい
る。
【0008】固定子55と回転子63とは、固定突起1
01、102、103及び周溝57、58と回転突起2
01、202、203、204及び周溝64、65、6
6とを互いに挿入した状態(相補的)に組み合わされ
る。従って、固定子55と回転子63との組合せによっ
て、固定突起101、102、103と回転突起20
1、202、203、204との間には、小さな間隙で
ある処理空間68が形成されている。この乳化分散機5
の原料入口53には混合液Fが供給される。そして、乳
化分散機5に供給された混合液Fは、次に説明する作用
により乳化分散され、産物Gとなって産物出口54から
取り出される。すなわち、この乳化分散機5の作用は、
図13に示すように、回転子63が高速回転されるとと
もに、固定子55の主液入口56に混合液Fが供給され
ると、主液入口53から回転子63のスリット67に入
った混合液Fは、遠心力により、第1回転突起201の
外周から吐出され、固定子55の内側1段目の第1固定
突起101に押し付けられた後、第1固定突起101の
スリット59に入り込む。スリット59に入った混合液
Fは、遠心力により第1回転突起201の外周から順次
吐出される混合液Fに押されて、更に周溝57と第2回
転突起202の間隔である処理空間68に吐出される。
【0009】この時、混合液Fは、固定子55の第1固
定突起101及び第2回転突起102と回転子63の第
2回転突起202とによって強いせん断力が加えられる
とともに、固定子55と回転子63との軸方向及び半径
方向の間隔を通過するに伴って、ズリ応力が加えられ
る。つまり混合液Fには、合流と同時に、強いせん断力
及びズリ応力が加えられる。このようにせん断力及びズ
リ応力が加えられた後、混合液Fは後発の混合液に押さ
れて、第2固定突起102のスリット59に入り開放さ
れる。これによって、混合液Fは、高周波レベルの圧力
変化も受けることになる。第2固定突起102のスリッ
ト59に入った混合液Fは、同様のせん断力、ズリ応力
及び高周波レベルの圧力変化を、外側の固定突起10
2、103及び回転突起202、203、204との処
理空間68で繰り返して受けながら、外側に移動され、
最終的に乳化分散が完了され、乳化産物Gとなって産物
出口54から取り出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の乳化分散装置5
においては固定子55の固定突起101、102、10
3と回転子63の回転突起201、202、203、2
04との隙間、すなわち処理空間68が狭い程、混合液
Fの処理後の粒径が小さな乳化分散産物Gを得ることが
できる。しかしながら、従来の乳化分散装置5は、上述
のように固定子55及び回転子63の各固定突起101
〜103及び各回転突起201〜204が其々別体で同
心円的に形成され、これらが組み合わされていたので処
理空間68をそれ程狭くすることができなかった。これ
は各突起101〜103、201〜204には加工誤差
があるので、これらを組み合わせると比較的大きな累積
誤差となる場合があり、この場合でも固定子55の固定
突起101〜103と回転子63の回転突起201〜2
04が相互に接触回転しないようにするために、処理空
間68を加工精度を考慮して比較的広めに設定しなけれ
ばならなかったからである。
【0011】各突起101〜103、201〜204の
加工精度を非常に良くして、寸法誤差を小さくすれば、
処理空間68を更に狭くすることも可能であるが、これ
では加工コストが高くなるという問題がある。したがっ
て、装置のコストを抑えながら乳化粒子の細かい高品質
の乳化産物を得るには限界があった。
【0012】また、従来の各突起101〜103、20
1〜204はステンレス、チタン、ハステロイなどの金
属で形成されていたので、取り扱う液体によっては腐食
などが発生し、短時間で交換しなければならないことが
あり、ランニングコストが増加するという問題もあっ
た。本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、乳化物
の粒径が小さな乳化分分散物を得ることができ、さらに
加工が簡単で加工費を低減することができ、その上、耐
蝕性、耐磨耗性に優れてランニングコストの低減が可能
な乳化分散装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、径
方向のスリットが設けられた円形の突起を有する多段リ
ング状の固定子と、該固定子のスリットに対して補完的
に組み合うスリットが設けられた円形の突起を有する多
段リング状の回転子とが同軸上に設けられており、前記
固定子の突起と前記回転子の突起との組合せによって形
成された処理空間に複数の被処理流体が供給され且つ前
記回転子が回転されることにより該被処理流体を乳化す
る乳化分散装置において、前記固定子又は前記回転子の
うち少なくとも一方においてその回転半径方向に並んで
径の異なる少なくとも二列の前記突起が一体的に形成さ
れていることを特徴とする乳化分散装置によって達成さ
れる。また、上記乳化分散装置は、前記固定子又は前記
回転子のうち少なくとも一方の全ての突起が一体的に形
成された構成、前記固定子又は前記回転子のうち少なく
とも一方の各突起のスリットが同一線上に並んで放射方
向に配置されている構成、さらには、前記固定子及び前
記回転子がセラミックで形成されている構成とすること
ができる。
【0014】
【作用】本発明の乳化分散装置では、固定子又は回転子
の多段リング状の突起のうち、そのいずれか一方の少な
くとも2個の突起が一体的な構成とすることにより、従
来の突起毎のリング形状の組み合わせタイプのものに比
べて、その組み合わせが無くなった分だけ、例えば突起
の幅方向及び突起間の間隔を所定の加工誤差以内に収め
ることができる。したがって、固定子の突起と回転子の
突起との隙間によって形成される処理空間を従来より狭
くしても固定子の突起と回転子の突起が接触回転するの
を防止でき、これによって、被処理流体に対して従来よ
りも効果的な剪断力等を加えることができ、乳化物の粒
径が小さな乳化分散産物を得ることが可能になる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る乳化分散装置の実施例に
ついて、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明
による乳化分散装置の要部断面図、図2は第1固定子の
断面図、図3は図2のA矢視図、図4は第2固定子の断
面図、図5は図4のB矢視図、図6は第1回転子の断面
図、図7は第2回転子の断面図、図8は図7のC矢視
図、図9は固定突起と回転突起の組合せ状態を示す図で
ある。
【0016】この乳化分散装置2は、厚肉な円筒状のケ
ーシング21に円盤状の固定板22がボルト23で固定
され、ケーシング21と固定子固定板22とで収容室2
4が形成されている。固定子固定板24の中央部には、
混合液Fを供給するための原料供給口25が設けられて
いる。また、ケーシング21の周壁には産物Gを排出す
る産物出口26が設けられている。原料供給口24及び
産物出口26は其々外部から収容室24へ貫通してい
る。
【0017】固定子固定板22の内面には、アルミナや
ジルコニアのようなセラミックで形成されたリング状の
第1固定子27及び第2固定子28が同軸上に当接配置
されている。第1固定子27と第2固定子28は殆ど隙
間なく組み合わされ、第2固定子28の外周側がボルト
30で固定子固定板22に固定されている。これによっ
て、第1固定子27も固定子固定板22に固定されてい
る。第1固定子27の内孔は混合液入口31として原料
供給口25と整合配置されている。第1固定子27は、
図2にも示すように固定子固定板22と反対側の側面3
2に混合液入口31より大きな内径でリング状の第1固
定突起101が設けられている。この第1固定突起10
1には、図3にも示すように半径方向に横断する複数の
スリット33が円周を等分した位置に設けられている。
各スリット33間の空間は、所謂チャンバーとなる。
【0018】一方、第2固定子28は、図4に示すよう
に固定子固定板22と反対側の側面34に複数段、本実
施例では第2固定突起102及び第3固定突起103が
同心円状に設けられた2段のリング形状であり、各固定
突起102、103の間には周溝35が形成されてい
る。第2固定突起102及び第3固定突起103の高さ
は、第1固定子27の第1固定突起101の高さと同一
である。さらに、図5に示すように第2固定突起102
及び第3固定突起103にも第1固定突起101と同数
のスリット36、37が其々円周を等分した位置に設け
られている。又、これらのスリット36、37はスリッ
ト33より幅が狭く、同一の放射方向に配置されてい
る。このようにスリット36と37とが同一線上に位置
していることはその加工を行うときに好都合である。第
2固定子28の外周側には、図5に示すように固定子固
定板22に固定するためのボルト孔41が等間隔で設け
られている。
【0019】一方、図1に示すように収容室24の固定
子固定板22と反対側の内壁中心には図示しない駆動源
に接続されて高速回転する駆動軸42の先端が突出して
いる。この駆動軸42の先端には円板状の回転子固定板
43がはめ込まれると共にキー89で回り止めされ、そ
の先にセラミックで形成された第1回転子71と第2回
転子72が配置されている。第1回転子71は、図6に
示すようにボルト88を通すための空孔73が中心部に
設けられ、駆動軸42と反対側の側面74にリング状の
第1回転突起201が設けられている。第1回転突起2
01には、図3に示した第1固定子27と同様に半径方
向に横断するスリット86が第1固定子27のスリット
33と同一の放射方向に設けられている。
【0020】又、第2回転子72は、図7に示すように
中央部に回転子固定板43の凸部44をはめ込むための
凹部75と、ボルト88を通す空孔76及び第1回転子
71をはめ込む凹溝77が設けられている。この第2回
転子72の固定子28との対向面78には、内周側から
順にリング状の第2回転突起202、第3回転突起20
3及び第4回転突起204が設けられている。各回転突
起202〜204の間には周溝79、80が形成され、
ここに第2固定子28の各突起102、103を挿入し
たとき所定の隙間、すなわち、処理空間ができるように
なっている。さらに、第2回転子72の各回転突起20
2〜204には図8に示すように、半径方向に横断する
複数のスリット81、82、83がスリット86より小
さな同一幅で同一放射方向に配置されている。図7に示
すように、第2回転子72の回転子固定板42との当接
面84には、回転子固定板42に固定するためのボルト
(図示せず)をネジ込むネジ穴85が複数設けられてい
る。第1回転子71及び第2回転子72は、当て板87
を介してボルト88で駆動軸42に固定されている。
【0021】図9は、第1固定子27の第1固定突起1
01、第2固定子28の第2固定突起102及び第3固
定突起103と、第1回転子71の第1回転突起20
1、第2回転子72の第2回転突起202、第3回転突
起203及び第4回転突起204との組合せ状態を示
す。各固定突起101〜103のスリット33、36、
37と各回転突起201〜204のスリット86、8
1、82、83は全て円周を等分した位置にある同一の
放射方向に配置されている。そして、本実施例では上述
のように第2固定突起102及び第3固定突起103の
スリット36、37の幅が同一で、第1固定突起101
のスリット33の幅より小さくなっている。また、第2
回転突起202〜第4回転突起204のスリット81、
82、83も同一幅であり、第1回転突起のスリット8
6より狭くなっている。
【0022】このように一部のスリット36、37及び
スリット81、82、83の幅を同一とし、これを他の
スリット33、86の幅と変えることは、第2固定突起
102と第3固定突起103を一体とすると共に、第2
回転突起202と第3回転突起203と第4回転突起2
04を一体とし、第1固定突起101及び第一回転突起
201を別体とすることによって容易に加工することが
できる。これによって、原料供給口25から混合液Fを
供給するときに流入抵抗の上昇を抑えることがが可能で
あると共に、混合液Fが外周側に送られるにしたがって
その粒径をより小さくすることができる。また、スリッ
ト36、37及びスリット81、82、83は同一幅で
あり且つ同一放射線上に位置しているから加工が容易で
ある。
【0023】なお、本実施例では第1固定突起101が
第2固定突起102及び第3固定突起103と別体であ
り、また、第1回転突起201が第2回転突起202〜
第4回転突起204と別体であるから、一体的に形成さ
れた突起102、103及び202、203、204の
スリット36、37及び81、82、83のスリット位
置を同一放射方向とし、これと別体の突起101、20
1のスリット33、86の位置をスリット102、10
3、202〜204とずらして配置することもでき、こ
れによって、混合液Fの粒径を更に小さくすることが期
待できる。
【0024】また、本実施例では2個の固定突起10
2、103と3個の回転突起202〜204が一体的に
形成されているので、各突起102、103及び202
〜204の幅及び間隔の寸法誤差が加工精度だけに依存
することになる。したがって、従来のように突起102
〜103、202〜204を別体で形成した後、これら
を組み立てる場合のように累積誤差が少ないから、寸法
誤差を小さくすることができる。これによって、各固定
突起102、103と各回転突起202〜204との隙
間を小さくしても相互に接触回転するのを防止すること
ができるから、従来のように隙間(処理空間)が大きい
場合に比べて混合液Fの粒径を小さくして高品質な産物
Gを得ることが可能になる。
【0025】上述の乳化分散装置2の各固定子27、2
8及び各回転子71、72は、従来のように多数のリン
グ状の形態に別れた構造でなく比較的平易な組体として
構成できるので、例えばアルミナやジルコニアのような
セラミックで形成することができる。したがって、耐蝕
性及び耐磨耗性に優れてたものにでき、長時間に亘って
運転することができ、これらの交換費用などランニング
コストの低減が可能になる。このように構成される本実
施例の乳化分散装置2においては、図13で説明した従
来例と同様な作用によって混合液Fに強いせん断力及び
ズリ応力が加えられ、更に高周波レベルの圧力変化が加
えられて乳化分散が完了された産物Gとして産物出口2
6から取り出される。
【0026】なお、上述の実施例では、第2固定突起1
02と第3固定突起103を一体形成し、第2回転突起
202から第4回転突起204を一体的に形成する場合
について説明したが、全ての固定突起101〜103を
一体形成すると共に、全ての回転突起201〜204を
一体形成することもできる。このように全ての突起が一
体に形成された構成とすれば、全ての突起101〜10
3、201〜204の幅及びその間隔を精度良く、しか
も容易に加工することが可能になり、各固定突起101
〜103と各回転突起201〜204の隙間を小さくし
て、混合液Fの粒径を小さくすることが可能になる。更
に、回転子や固定子が単一形態である場合、セラミック
による成形もより平易になり成形を更に向上することが
できる。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の乳
化分散装置によれば、固定子又は回転子のうち少なくと
も一方においてその回転半径方向に並んで径の異なる少
ないくとも二列の前記突起が一体的に形成されているの
で従来のように各突起を有する部分毎に別体で加工した
ものの組体に比べて累積誤差が小さくなるから、固定子
の突起と回転子の突起の隙間を小さくしても相互に接触
回転するのを防止でき、突起間の隙間、すなわち、処理
空間を小さくすることよって、被処理流体に対して剪断
力やズリ応力を効果的に加えることができ、乳化液の混
合粒子の粒径を小さくすることができ、高品質な乳化産
物を得ることができる。また、固定子又は回転子の全て
の突起を一体的に形成することができ、これによって、
部品点数及び組み立て工数を低減することができる。更
に、この場合に各突起のスリットを同一の放射方向に配
置することができ、スリットの加工が容易になる。固定
子及び回転子はセラミックで形成することができ、これ
で耐蝕性及び耐磨耗性が向上するのでランニングコスト
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる乳化分散装置の要部断面図であ
る。
【図2】図1に示した装置の第1固定子の断面図であ
る。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】第2固定子の断面図である。
【図5】図4のB矢視図である。
【図6】図1に示した第1回転子の断面図である。
【図7】第2回転子の断面図である。
【図8】図7のC矢視図である。
【図9】固定突起と回転突起の組合せ状態を示す図であ
る。
【図10】従来例の槽型撹拌機を用いた場合の乳化産物
製造方法の説明図である。
【図11】従来例の乳化機を用いた場合の乳化産物製造
方法の説明図である。
【図12】従来の乳化機の要部断面図である。
【図13】従来の乳化機の要部拡大図である。
【符号の説明】
2 乳化分散装置 21 ケーシング 25 原料供給口 27 第1固定子 28 第2固定子 33、36、37、81、82、83、86 スリット 71 第1回転子 72 第2回転子 101 第1固定突起 102 第2固定突起 103 第3固定突起 201 第1回転突起 202 第2回転突起 203 第3回転突起 204 第4回転突起

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径方向のスリットが設けられた円形の突
    起を有する多段リング状の固定子と、該固定子のスリッ
    トに対して補完的に組み合うスリットが設けられた円形
    の突起を有する多段リング状の回転子とが同軸上に設け
    られており、前記固定子の突起と前記回転子の突起との
    組合せによって形成された処理空間に複数の被処理流体
    が供給され且つ前記回転子が回転されることにより該被
    処理流体を乳化する乳化分散装置において、 前記固定子又は前記回転子のうち少なくとも一方におい
    てその回転半径方向に並んで径の異なる少なくとも二列
    の前記突起が一体的に形成されていることを特徴とする
    乳化分散装置。
  2. 【請求項2】 前記固定子又は前記回転子のうち少なく
    とも一方の全ての突起が一体的に形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の乳化分散装置。
  3. 【請求項3】 前記固定子又は前記回転子のうち少なく
    とも一方の各突起のスリットが同一線上に並んで放射方
    向に配置されていることを特徴とする請求項2記載の乳
    化分散装置。
  4. 【請求項4】 前記固定子及び前記回転子がセラミック
    で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の乳化分散装置
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