JP2542332B2 - 回転混合器 - Google Patents
回転混合器Info
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Description
らに詳細には、気体、液体または固体と液体とを混合、
接触せしめて、以て、たとえば、気体、液体または固体
と液体との反応および液体による気体、液体または固体
からの抽出などを効率よく行わせる回転混合器に係わ
る。
として、従来は連続攪拌槽型反応装置が広く使用されて
いる。しかして、この連続攪拌槽型反応装置において
は、攪拌機によって攪拌されている槽内へ反応原料が供
給されて、原料同士を互いに混合、接触せしめて反応が
進行せしめられ、所定の反応時間後に、反応生成物は槽
外へ排出される。この場合に、反応時間は槽内での反応
原料の滞留時間を統計的に平均した平均滞留時間とされ
るが、この滞留時間は通常は反応原料について正規分布
となる。そのために槽内では微視的には転化率などにば
らつきを生じて、槽外へ排出される反応生成物は純度な
どの品質にばらつきが生ずることになる。
も、従来は連続攪拌槽型抽出装置が使用されているが、
この場合にも、前記の反応におけると同様に槽外に排出
される抽出物の品質にばらつきが生ずる。これらの品質
のばらつきは主として、前記のように槽内において混合
の程度が不均一であり、かつ、混合の程度が低いことに
起因する。ばらつきを小さくし均一な品質の反応生成物
および抽出物を得るために、これらの連続攪拌槽型反応
装置および連続攪拌槽型抽出装置では、槽内における混
合を実質的に均一に行い、かつ、混合の程度を向上させ
るために攪拌機の回転数を増加させるのが一般である。
しかしながら、攪拌機の回転数を増加させるにしても経
済的および技術的な限界があり、他方、攪拌機の回転数
を増加させても、ある限度をこえると回転数を増加させ
た割には混合の程度は上昇せず、結局は動力が浪費され
るだけであった。すなわち、液体を使用する反応および
抽出において、効率よく反応および抽出を行なうために
は液体と他の物質との混合をよくすればよいことにな
る。
抽出において、小さな動力でも、外槽内にテーラー渦を
発生せしめることにより、液体と他の物質との混合をよ
くし、両者の接触を向上させることが可能であるとの新
知見を得、この新知見に基づいて、液々接触塔に関する
発明に到達して、さきに特許出願(特願平3−3130
82号)した。この発明の液々接触塔を使用することに
より、液々接触を飛躍的に向上させることが可能となっ
た。しかしながら、この液々接触塔では、その塔内にお
けるテーラー渦を発生させる条件が実質的に一定とされ
ることから、液々接触による抽出および反応の経過にお
けるて液中の成分濃度および/または粘度などの変化に
対応して混合の条件を変更することができなかった。そ
の後、この点についてさらに研鑽を重ねた結果、改良に
成功して、本発明に到達するに至った。
供給口および他端側または中間部に排出口が穿設された
円筒状外槽(以下 外槽 と記すこともある)内に、こ
れと同心的に回転せしめられる複数の円筒状内筒(以下
内筒 と記すこともある)が収納され、該円筒状外槽
の内周面と該円筒状内筒の外周面との間に、テーラー渦
を発生せしめる環状の間隙(以下 環状間隙 と記すこ
ともある)が形成せしめられていることを特徴とする回
転混合器である。外槽の一端には供給口が穿設され、他
端側または中間部には排出口が穿設されている。また、
供給口から供給された液体は、外槽内を排出口に向って
流れるので、以下では、供給口に近い側および排出口に
近い側を、それぞれ上流側および下流側と記すこともあ
る。外槽および内筒はいずれも長軸線に直交する断面が
実質的に円であり、かつ、この両者は互いに同心的に配
設されており、また、該外槽の内周面と該内筒の外周面
との間に環状間隙が形成せしめられている。供給口から
液体を供給して、この外槽内に液体を充填し、該液体を
排出口に向って流しつつ、内筒を適当な回転数で回転せ
しめることにより、この環状間隙内にテーラー渦を発生
せしめる。
同心的に回転する円筒状内筒の外周面と該円筒状外槽の
内周面とで形成された環状間隙において、流体は円筒状
内筒の回転による遠心力を受け、円筒状内筒の回転数が
或る臨界値を超えた場合に、前記の環状間隙に発生する
互いに回転方向が逆な2個で1組のドーナツ状の2次
流」と定義される。しかして、この環状間隙の流体にテ
ーラー渦を発生せしめるための内円筒の回転数は、予備
実験によって予め求められ、または、計算により算出す
ることができる。この回転数は、次の式によって算出さ
れる。
は、環状の間隙中における流体が2種類以上である場合
には、これらの液体の運動粘度のうちの最小のものが採
択される。
れる。これらの内筒の直径は互いに等しくてもよく、ま
た、互いに相違せしめられていてもよい。また、これら
の内筒は1本の回転軸に固着されてもよく、また、それ
ぞれ異なる回転軸に固着されてもよい。内筒の直径が互
いに相違せしめられている場合には、後者が好ましい。
内筒の環状間隙の上流側を閉塞することもできる。ま
た、所望により、外槽の外側に、熱媒および冷媒を通過
させるジャケットを設けることができる。
は抽剤である液体および他の反応原料または被抽出物が
供給され、また、排出口から反応生成物と未反応原料と
の混合物または抽出液と抽出残渣との混合物が排出せし
められる。なお、環状間隙に供給される液体は予め振動
を与えておくことが好ましい。液体に振動を与える装置
として一般に市販されている装置を使用することができ
るが、この代表例として、ユーラスモータ、バイブレー
ター、振動発生器および振動試験器などを挙げることが
できる。液体である反応原料または抽剤および他の反応
原料または被抽出物は、同じ供給口から供給することが
できるが、異なる供給口から別々に供給することもでき
る。本発明の回転混合器は、水平および鉛直のいずれに
も設置することができる。また、本発明の回転混合器
は、液体抽剤を使用する抽出および乳化重合などに好適
に使用される。
りさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
によって制限されるものではない。図1乃至図4に示さ
れた本発明の回転混合器は、いずれも水平に設置されて
いる。図1で示された回転混合器は、円筒状外槽1内に
円筒状内筒21,21が同心的に収納されている。しか
して円筒状内筒21および21のそれぞれの直径は互い
に実質的に等しくされており、各円筒状内筒は両端とも
底板で塞がれている。また、これらは円筒状外槽1の底
板の中心を貫通せしめられた軸3にそれぞれ固着されて
いる。円筒状外槽1の内周面と円筒状内筒21,21の
それぞれの外周面とによって環状間隙41,41が形成
されている。円筒状外槽1の図面における左端および右
端(それぞれ、上流側および下流側に相当する 以下同
様)には、供給口5および排出口6が穿設されている。
供給口5から液体の反応原料または抽剤および他の反応
原料または被抽出物が環状間隙41に供給され、回転軸
3を回転させて円筒状内筒21,21を回転させること
により、この環状間隙41,41内にテーラー渦が発生
せしめられ、液体の反応原料または抽剤と他の反応原料
または被抽出物とは充分に混合せしめられつつ、ピスト
ン流となって下流側の環状間隙41の右端に至り、これ
らの混合物は排出口6から円筒状外槽1外へ排出せしめ
られる。
1内に、上流側(図面左側)には下流側の円筒状内筒22
の直径よりも大きい直径の円筒状内筒21が収納され、こ
れらの円筒状内筒は回転軸31および32にそれぞれ固着さ
れ、異なる回転数で回転せしめられる以外には、図1で
示された回転混合器と本質的に異なる処はない。
1内に、上流(図面左側)から下流へ行くに従って順次
直径が大きくされた円筒状内筒21,22および23が収納さ
れ、これに伴って環状間隙41,42および43の幅が順次小
さくされ、これら円筒状内筒21,22および23は回転軸 3
に固着されている以外には、図1で示された回転混合器
と本質的に異なる処はない。
1内に、円筒状内筒21,21が同心的に収納されてお
り、上流側(図面左側)の円筒状内筒21はその両端と
も底板で塞がれており、他方、下流側(図面右側)の円
筒状内筒21の両端は底板で閉塞されることなく開放さ
れたままであり、下流側の円筒状内筒21の外側の環状
間隙41はその上流側端に、中心孔を有する環状の仕切
板7を設けることにより閉塞されている。この仕切板7
は、円筒状外槽1の内周面に固着されている。なお、仕
切板7は、下流側の円筒状内筒21の外周面またはの円
筒状内筒21の上流側端縁に衝き合わせて固着すること
もできる。上流側の円筒状内筒21の外側の環状間隙か
らの液体が下流側の円筒状内筒21の外側の環状間隙へ
流入しないように、仕切板と円筒状外槽または円筒状内
筒との間の間隙は液封されている。 また、これらの円筒
状内筒21,21は、回転軸31,32にそれぞれ固着
されている。円筒状外槽1の上流側端および下流側の環
状間隙41の上流側端近くに相当する位置には、供給口
5および排出口6がそれぞれ穿設されている。供給口5
から、上流側の環状間隙41に供給された液体の反応原
料または抽剤および他の反応原料または被抽出物は、こ
こで発生せしめられたテーラー渦によって互いに混合さ
れ、この混合物はピストン流となって仕切板7の中心孔
および下流側の円筒状内筒21の内部を順次経由して、
下流側の環状間隙41の下流端から下流側の環状間隙4
1へ送られ、ここで発生せしめられたテーラー渦によっ
て再度混合され、この混合物は排出口6から円筒状外槽
1外へ排出せしめられる。図2乃至図4で示された回転
混合器において、環状間隙41および42さらには43
においては、それぞれ性状が互いに相違するテーラー渦
を発生せしめることができる。なお、これらの図面は、
原理を示すためのものであって、動力装置、軸受、軸封
装置、液封装置および振動装置などの詳細は省略されて
いる。
り、比較的小さい動力で、槽内での混合の程度を実質的
に均一にし、反応および抽出の経過における成分濃度お
よび/または粘度などの変化に対応して混合の条件を変
更して、液体の反応原料または抽剤と、他の反応原料ま
たは被抽出物との混合、接触の程度を向上せしめ、以
て、反応および抽出のそれぞれを効率よく行わせ、転化
率および抽出率をそれぞれ向上せしめ、かつ、製品の品
質のばらつきを低減させることが可能となる。
する2個の円筒状内筒が収納された回転混合器の一部切
欠断面図である。bは、図1aで示された回転混合器の
A−A切断部端面図である。
2個の円筒状内筒が収納された回転混合器の一部切欠断
面図である。
3個の円筒状内筒が収納された回転混合器の一部切欠断
面図である。
れ、下流側の環状間隙の上流側が閉塞された回転混合器
の一部切欠断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 一端に供給口および他端側に排出口が穿
設された円筒状外槽内に、これと同心的に回転せしめら
れる複数の有底円筒状内筒が収納され、該円筒状外槽の
内周面と該有底円筒状内筒の外周面との間に、テーラー
渦を発生せしめる環状の間隙が形成せしめられているこ
とを特徴とする回転混合器。 - 【請求項2】 直径が互いに実質的に等しくされた複数
の円筒状内筒を有する請求項1記載の回転混合器。 - 【請求項3】 直径が互いに相違せしめられた複数の円
筒状内筒を有する請求項1記載の回転混合器。 - 【請求項4】 一端および中間部に供給口および排出口
がそれぞれ穿設された円筒状外槽内の供給口側および排
出口側に該円筒状外槽と同心的に回転せしめられる有底
円筒状内筒および無底円筒状内筒がそれぞれ収納され、
該円筒状外槽の内周面と該両円筒状内筒の外周面との間
にテーラー渦を発生せしめる環状の間隙がそれぞれ形成
せしめられ、該排出口側の無底円筒状内筒の外側の環状
の間隙の供給口側が、中心孔を有する仕切板で閉塞さ
れ、該仕切板が前記円筒状外槽または前記排出口側の無
底円筒状内筒の何れか一方に固着され、供給口および排
出口は、供給口側の有底円筒状内筒の外側の環状の間隙
および排出口側の無底円筒状内筒の外側の環状の間隙と
それぞれ連絡せしめられてなる回転混合器。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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JP5173680A Expired - Fee Related JP2542332B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 回転混合器 |
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JP5904019B2 (ja) | 2012-06-05 | 2016-04-13 | セイコーエプソン株式会社 | センサーユニット,運動計測システム、およびテニスラケット |
KR101596272B1 (ko) * | 2013-01-03 | 2016-02-22 | 주식회사 엘지화학 | 리튬 복합 전이금속 산화물 제조용 장치, 이를 이용하여 제조된 리튬 복합 전이금속 산화물, 및 그 제조방법 |
-
1993
- 1993-06-22 JP JP5173680A patent/JP2542332B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR102455295B1 (ko) * | 2016-05-20 | 2022-10-18 | 한국과학기술원 | 다중 테일러-쿠에트 흐름 발생장치 |
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