JPH08141076A - 血液浄化器とこの血液浄化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法 - Google Patents

血液浄化器とこの血液浄化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法

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JPH08141076A
JPH08141076A JP6305673A JP30567394A JPH08141076A JP H08141076 A JPH08141076 A JP H08141076A JP 6305673 A JP6305673 A JP 6305673A JP 30567394 A JP30567394 A JP 30567394A JP H08141076 A JPH08141076 A JP H08141076A
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blood
purifier
blood flow
flow path
adsorbent
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Takeshi Shibata
猛 柴田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】安全簡便な吸着にの人体の有害物質除去を可能
にする装置を提供する。 【構成】血液浄化器4に中空糸膜による血液浄化器血液
流路4bを設け、その外側にコーティングをしない吸着
剤粒子4cを充填して、吸着剤粒子区画は密閉する。血
液は、その血液浄化器のカートリッジ本体4aの血液流
入口F1より入り、中空糸の中を通り、血液流出口F2
より出る。これは具体的にはまず、血液浄化器のカート
リッジ本体4aがある。つぎに、血液浄化器血液流路4
bがある。この血液浄化器血液流路4bあは、上記のカ
ートリッジ本体4aの内部に設けられた中空糸膜から成
るものである。そして、コーティングなしの吸着剤粒子
4cがある。このコーティングなしの吸着剤粒子4c
は、上記の血液浄化器血液流路4bの外側に充填され、
最後に、密閉剤4dがある。この密閉剤4dは、上記の
吸着剤粒子4cの区画の両端を密閉剤で密閉する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広くは医療に関するも
のであり、特に吸着などによる血液浄化に関するもので
ある。就中、血液浄化器と血液浄化方法に関するもので
ある。さらにはその請求項3と4の発明においては、上
記の発明に血液浄化器への血流方向の間欠的な切替装置
と方法をプラスした発明に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血液中に含まれる人体に有害な物質を除
去する装置や方法の一つとして、有害物質を選択的に吸
着する能力を持った通常多孔性の活性炭や樹脂などの吸
着剤を用いて血液または血漿より有害物質を除去する血
液吸着法及び血漿吸着法が一般に行なわれている。血液
吸着法は血液と吸着剤を体外で直接触れさせるものであ
り、血漿吸着法は血液より血漿を分離した後に、血漿成
分だけを吸着剤と接触させる方法である。
【0003】一方、従来、血液を体外循環させ中空糸型
血液フィルターを用いて行われる血液浄化装置と方法お
よび血漿分離装置と方法では、フィルターとなる血液浄
化器血液流路内を流れる血流の方向は治療の開始より終
了まで一方向に固定されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】血液中に含まれる人体
に有害な物質を除去する吸着剤の吸着性能をよくするた
めにはその粒子をなるべく小さくし、表面積を大きくし
た方がよい。しかし、粒子が小さいと液が流れにくくな
る事と、微粒子が流出して人体に入る危険があるため粒
子は小さくできなかった。微粒子が血液又は血漿へ混入
しないように吸着剤は、コーティング剤でコーティング
されている。
【0005】さらに、その吸着剤の微粒子の人体への混
入を防止するために、その微粒子除去フィルターの使用
が必要な吸着剤もある。そして、人体への安全性のため
吸着剤をコーティング剤でコーティングしなければなら
ない結果、吸着剤が持つ吸着性能が大幅に低下すること
が吸着方法の最大の問題であった。さらに、コーティン
グのために吸着剤のコストが高くなる問題があった。
【0006】その上に、血液吸着法及び血漿吸着法に
は、各々つぎのような煩雑さと高価な治療となる経済上
の問題があった。血液吸着法は、血液を吸着剤のカート
リッジへ直接流入させる方法であり、血漿分離の工程は
省かれる。しかし、その吸着剤が、カートリッジ内で血
液を凝固させずに体外循環を行なう抗凝固法が最大の問
題であった。さらに、血液吸着法では微粒子除去フィル
ターの使用は不可能であって、安全上の問題もあった。
一方、血漿吸着法は血液吸着法にくらべ手技上の安全度
及び人体への安全度は高いが、血液から濾液血漿を予め
分離する必要がある。さらに、吸着剤によっては微粒子
除去フィルターが必要となり、経済的に高価になる問題
があった。
【0007】一方、血液は、体外で異物に触れると凝固
を起こしやすい。体外循環中に血液の流れがゆるやかに
なったり淀んだりする箇所があると血液凝固が発生す
る。図1に示す中空糸型血液浄化器の血液流入口(ポー
ト)側と血液流出口(ポート)側の両ヘッダー部は、流
れがゆるやかになる部分で、さらにヘッダーの外周に近
い部分は流れが淀みやすく外周に近い部分からリング状
に血液凝固が発生する。このヘッダー部に発生した凝固
により中空糸の流入口(ポート)がふさがると、その中
空糸には血液が流れなくなる。
【0008】さらに、血液濾過の場合は、経時的に濾過
膜(血液浄化器血液流路)の表面に蛋白ゲル層の形成や
血球成分の付着による濾過膜の目づまりが起こる。血液
がフィルターとなる血液浄化器血液流路を通過する時、
その流速は中空糸中の流路抵抗のため流入口(ポート)
より流出口(ポート)に向い低下していく。一方、血液
の濃度は、濾過により濾液が失われる結果、流入口(ポ
ート)より流出口(ポート)に向い濃度が高くなり流れ
にくくなる。
【0009】この流速と濃度の変化のためフィルター本
体内の濾過膜表面への蛋白ゲル層の形成と、血球成分の
付着は流出口(ポート)側に近い部分ほど著しくなる。
つぎに、血漿分離の場合には、フィルターとなる血液浄
化器血液流路の流入口(ポート)に近い部分ほど血液側
の圧力が高く血漿は濾過膜の内側より外側へ移行するた
め、濾過膜の穴は内より外に向い目づまりが起きる。フ
ィルターの出口側に近い部分では、濾過膜外に出た血漿
成分側の圧力が濾過膜内の血液側より高くなる結果、血
漿成分が血液へ戻る逆行現象が起き、この濾過膜の外側
から内側に向い目づまりが発生する。
【0010】上記の通り、血液凝固、蛋白ゲル層の形成
および濾過膜の穴の目づまり等のため、フィルターとな
る血液浄化器血液流路の濾過性能や血漿分離性能が経時
的に低下してしまう問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる血液浄化
器とこの血液浄化器使用の血液浄化手段方法は、以上の
問題点を解決すべく精意検討の結果、吸着剤の粒子を従
来より小さくした。しかも、コーティングする必要性を
なくし、かつ血液より濾液や血漿を予め分離する工程も
なくし従来の吸着法の問題も一挙に解決して、安全で簡
便な吸着による人体の有害物質除去を可能にしたもので
ある。さらに、本発明は吸着剤により血液より有害物質
を除去するのみならず、物質分解機能を持った物質を利
用して血液成分中の物質の分解など新たな分野への適用
を可能にするものである。
【0012】以下に、本発明にかかる血液浄化器とこの
血液浄化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法の具
体的な構成を詳細に記載する。最初に、本発明の請求項
1に記載した発明の血液浄化器の構成を説明する。これ
は、まず、血液浄化器のカートリッジ本体がある。つぎ
に、血液浄化器血液流路がある。この血液浄化器血液流
路は、上記のカートリッジ本体の内部に設けられた中空
糸膜から成るものである。そして、コーティングなしの
吸着剤粒子がある。このコーティングなしの吸着剤粒子
は、上記の血液浄化器血液流路の外側に充填されたもの
である。
【0013】つぎに、本発明にかかる血液浄化器とこの
血液浄化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法の請
求項2に記載した発明の血液浄化方法の構成を説明す
る。この発明は、まず、血液浄化器のカートリッジ本体
の内部に設けられた中空糸膜から成る血液浄化器血液流
路の外側にコーティングなされていない吸着剤粒子を充
填し、浄化器血液流路に体内から取り出された血液を流
すことによりその血液を浄化して、この浄化された血液
を体内に戻すものである。
【0014】一方、血液浄化の実施中に、間欠的に血液
浄化器への血流方向を切替え血液の流れのパターンを変
えることにより、血液浄化器内の血液凝固を防止し、さ
らに血液濾過では濾過膜表面に付着する蛋白ゲル層を血
液逆流により除去し、血漿分離では濾過膜の穴の目づま
りを濾液や血漿の濾過膜透過方向を逆転させることで除
去し、濾過膜の性能を維持するものである。血液透析に
おいて、血液透析器の血液凝固防止と透析性能維持を目
的として特開平5−76594の発明がすでに提案され
ている。
【0015】この発明を、本発明の血液浄化器とこの血
液浄化器使用の血液浄化手段と血液浄化方法に応用した
ものとして、その請求項3に記載した発明の血液浄化手
段の構成を説明する。これは、血液浄化装置において、
血液取り出し回路がある。この血液取り出し回路は、血
液を体外に取り出すものである。つぎに、血液ポンプが
ある。この血液ポンプは、上記の血液取り出し回路から
の血液を血液浄化器血液流路に送るものである。
【0016】さらに、血流方向間欠切替手段がある。つ
ぎに、下記の血液浄化器がある。この血液浄化器は、上
記の血流方向間欠切替手段にその流入口(ポート1)と
流出口(ポート2)がそれぞれにつながるものであっ
て、且つその血液を浄化する。最後に、血液送り返し回
路がある。この血液送り返し回路は、上記血流方向間欠
切替手段の出口のからの血液を体内に送り返す。しかし
て上記の血液浄化器は、本発明にかかる血液浄化器とこ
の血液浄化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法の
発明の請求項1に記載の血液浄化器の構成に記載のもの
であるゆえに、ここにその説明の全文を援用する。
【0017】最後に、本発明にかかる血液浄化器とこの
血液浄化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法の請
求項4に記載した発明の血液浄化方法の構成を説明す
る。この発明は、血液浄化装置を使用の方法において、
血液取り出し回路にて血液を体外に取り出す。そして、
血液ポンプにてその血液取り出し回路からの血液を下記
の血液浄化器に送り、これを血液ポンプの出口につなが
る血流方向間欠切替手段におくる。
【0018】さらに、血流方向間欠切替手段にその流入
口(ポート1)と出口がそれぞれにつながるフィルター
となる血液浄化器の血液流路とこの血液浄化器血液流路
の外側に充填されたコーティングなしの吸着剤粒子で血
液を浄化し、その浄化された血液を上記の血流方向切替
手段の静脈側出口から体内に送り返すものである。しか
して、上記の血液浄化器は、本発明にかかる血液浄化器
とこの血液浄化器使用の血液浄化手段および血液浄化方
法の発明の請求項1に記載の血液浄化器の構成に記載の
ものであるゆえに、ここにその説明の全文を援用する。
【0019】
【作用】本発明の血液浄化器とこの血液浄化器使用の血
液浄化手段および血液浄化方法は、以上のごとき構成に
為したゆえに以下のごとき作用が生じた。最初に、本発
明の血液浄化器とこの血液浄化器使用の血液浄化手段お
よび血液浄化方法の請求項1に記載した発明の血液浄化
器の作用を説明する。これは、まず、血液浄化器血液流
路が、上記の血液浄化器のカートリッジ本体の内部に設
けられた中空糸膜から成り、コーティングなしの吸着剤
粒子が上記の血液浄化器血液流路の外側に充填されてい
るゆえに、濾液や血漿成分のみがコーティングされてい
ない粒子の小さな吸着剤にその膜外で直接接触する。
【0020】つぎに、本発明にかかる血液浄化器とこの
血液浄化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法の請
求項2に記載した発明の血液浄化方法の作用を説明す
る。この発明は、まず、血液浄化器のカートリッジ本体
の内部に設けられた中空糸膜から成る血液浄化器血液流
路の外側にコーティングなされていない吸着剤粒子が充
填されて、上記の血液浄化器の浄化器血液流路に、体内
から取り出された血液が流されるゆえに、濾液や血漿成
分のみがコーティングされていない粒子の小さな吸着剤
にその膜外で直接接触することによりその血液が浄化さ
れて、体内に戻される。
【0021】そして、本発明の血液浄化器とこの血液浄
化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法の請求項3
に記載した発明の血液浄化手段の作用を説明する。この
発明は、血液浄化装置において、まず、血液取り出し回
路が血液を体外に取り出し、血液ポンプが上記の血液取
り出し回路からの血液を、下記の血液浄化器に送る。そ
して、血流方向間欠切替手段が上記の動脈側ドリップチ
ャンバーの出口につながり、血液浄化器が上記の血流方
向間欠切替手段にその流入口(ポート1)と流出口(ポ
ート2)がそれぞれにつながるゆえに、その血液浄化器
内での血流方向が間欠的に切り替わる。最後に、血液送
り返し回路が、上記の静脈側ドリップチャンバーからの
血液を体内に送り返す。
【0022】しかして、上記の血液浄化器は、本発明に
かかる血液浄化器とこの血液浄化器使用の血液浄化手段
および血液浄化方法の発明の請求項1に記載の血液浄化
器の構成に記載のものであるゆえに、ここにその説明の
全文を援用する。
【0023】最後に、本発明にかかる血液浄化器とこの
血液浄化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法の請
求項4に記載した発明の血液浄化方法の作用を説明す
る。この発明は、血液浄化装置を使用の方法において、
血液取り出し回路にて血液が体外に取り出されて、血液
ポンプにてその血液取り出し回路からの血液が下記の血
液浄化器に送られ、これが血液ポンプの出口につながる
血流方向間欠切替手段におくられる。
【0024】さらに、血流方向間欠切替手段にその流入
口(ポート1)と出口がそれぞれにつながるフィルター
となる血液浄化器血液流路とこの血液浄化器血液流路の
外側に充填されたコーティングなしの吸着剤粒子で血液
が濾過され、その濾過された血液が上記の血流方向切替
手段の静脈側出口から体内に送り返される。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の血液浄化器とこの血液浄化
器使用の血液浄化手段と浄化方法の各実施例を用いて、
添付図面と共に詳細に述べる。最初に、本発明の請求項
1に記載した発明の血液浄化器の構成を説明する。図1
は、中空糸型血液浄化器4の例である。血液浄化器4に
中空糸膜による血液浄化器血液流路4bを設け、その外
側にコーティングをしない吸着剤粒子4cを充填して、
吸着剤粒子区画は密閉したものである。血液は、その血
液浄化器のカートリッジ本体4aの血液流入口F1より
入り、中空糸の中を通り、血液流出口F2より出る。
【0026】これは具体的にはまず、血液浄化器のカー
トリッジ本体4aがある。つぎに、血液浄化器血液流路
4bがある。この血液浄化器血液流路4bあは、上記の
カートリッジ本体4aの内部に設けられた中空糸膜から
成るものである。そして、コーティングなしの吸着剤粒
子4cがある。このコーティングなしの吸着剤粒子4c
は、上記の血液浄化器血液流路4bの外側に充填された
ものである。最後に、密閉剤4dがある。この密閉剤4
dは、上記の吸着剤粒子4cの区画の両端を密閉剤で密
閉するものである。
【0027】かようにして、そのカートリッジ本体4a
へ流入する血液は、そのカートリッジ本体4aの血液流
路4bを通過する前半では、その血液流路4bの濾過膜
を介して濾液や血漿成分は血液流路側4bより吸着剤4
c側へ流出される。そして、その通過の後半では、吸着
剤4c側から血液流路4b側へと濾液や血漿成分の移行
がなされる。
【0028】つぎに、本発明の血液浄化器とこの血液浄
化器使用の血液浄化手段と血液浄化方法の請求項2に記
載した発明の血液浄化方法の一実施例を説明する。この
発明は、まず、血液浄化器のカートリッジ本体4aの内
部に設けられた中空糸膜から成る血液浄化器血液流路4
bの外側にコーティングなされていない吸着剤粒子4c
が充填されて、該吸着剤粒子区画が密閉剤4dで密閉さ
れたものに、上記の血液浄化器血液流路4bに体内から
取り出された血液を流すことによりその血液を浄化さ
れ、この浄化された血液は体内に戻される。
【0029】図3は、本発明の血液浄化器を利用した血
液体外循環のシステムを示したものである。なお、図3
と4では、図面を強調して説明が分かりやすくするよう
に、その血液浄化器4の血液流路4bをその血液浄化器
4の図面の中に1本のみ描いて、その血液流路4bの外
側に充填されている吸着剤粒子4cを省略した。これに
よって、その濾液や血漿成分の流れ方向の反転を矢印で
示し、簡略明解化したものである。
【0030】まず、人体の動脈Aより導き出された血液
は、血液ポンプ1で回路中の血流方向切り替え手段3を
経て、カートリッジ本体4の血液流入口F1より入る。
そして、その流出口F2より出て血流方向切り替え手段
3を経て、人体の静脈Vに戻る。カートリッジ本体4内
の流れの前半で濾液や血漿成分の一部は限外濾過により
吸着剤4cの区画へ移行し、吸着剤区画を満たし、吸着
剤4cと接触し、有害物質の吸着が行われる。そして、
カートリッジ本体4の後半(流出口F2側)の浄化され
た濾液や血漿が血液側へ濾過膜を透過して戻る。
【0031】図4は、カートリッジ本体4への血液送り
方向を血流方向切り替え手段3で切り替え、図3と逆転
させたところを示したものである。体外循環回路の人体
やカートリッジ本体4への接続を変える事なく、カート
リッジ本体4内の血流方向が逆転し血漿や濾液の膜透過
方法が図3の状態より逆転したものである。
【0032】すなわち、血液濾過回路の場合、血液を体
外に取り出す血液取り出し回路A’で患者の動脈Aから
体外へ取り出された血液は、血液ポンプ1で、動脈側ド
リップチャンバーと血流方向切り換え手段3を通じて、
下記の血液浄化器(中空糸型フィルター)4へ送り込ま
れる。そして、この血液フィルター4で濾液を除去し
て、この血液を体内に送り返す血液送り返し回路V’か
ら再び患者の静脈Vへ戻る構成となっている。
【0033】その血液回路の血液浄化器4のポートF1
とF2との接続端に近い部位にある血流方向切り替え手
段3が、上記の血液浄化器4への血流方向を間欠的に切
り替える。上記のドリップチャンバーは、主として循環
血液の圧力を検出するためのものである。
【0034】以上の実施例の動作を図3と4により述べ
ると、まず、血液ポンプ1により患者動脈Aより取り出
された血液は、動脈側ドリップチャンバーを経て血流方
向切り替え手段3の動脈入口A1に入る。そして、その
出口B1より出て血液浄化器4のカートリッジ4aの流
入口(ポート)F1よりそのフィルター4の血液流路4
bへ入る。そして、その血液浄化器4の出口F2より出
て、上記の血流方向切り替え手段3のB2へ入り、その
静脈出口V2より出て、静脈側ドリップチャンバーを通
って患者の静脈Vへ戻る。
【0035】なお、図3においてはその血液浄化器4の
約上部の半分が限外濾過の役目をしており、その下部の
約半分が逆透過の働きをするものである。そして、図4
においては、それが逆転している。
【0036】つぎに、図4は、その血流方向が切り変わ
り、図3のものと逆になった状態を示す。この図で明白
なごとくに、その血流回路の接続を変えることなく、そ
の血液浄化器4内の血流方向が図3のものと逆になって
いる。この血流方向の切り替えを交互に間欠的に行うも
のである。こうして、上記の動脈側ドリップチャンバー
と静脈側ドリップチャンバーの中間に設けた血流方向切
り換え手段3を切り替えると、上記の血液浄化器4の血
液の流れのパターンが変わり、それまで淀んでいた部分
の流速、すなわち濾過膜(血液流路4b)表面の線速度
が上がり濾過膜表面への蛋白ゲル層の形成が防止され
る。
【0037】かようにして、上記の血液浄化器は濾液や
血漿成分の浸透性の良い膜を用い、血液濾過器や血液分
離器と同様な血液の流路を構成する。すなわち、人体よ
り導き出された血液はそのカートリッジ本体4aの一端
に設けられたポートF1(流入口)より入り、複数の血
液浄化器血液流路4bに流れて入り他端に設けられたポ
ートF2(流出口)に集まりそのカートリッジ本体4a
より流出して人体へ戻る。そのカートリッジ本体4a内
の血液浄化器血液流路4bと濾過膜4bを介した反対側
の区画に粒子上のコーティングをしない吸着剤4cを充
填し吸着剤4c側の区画は密閉する。
【0038】血液ポンプ1で血液をそのカートリッジ本
体4aに送り込むと流入口F1に近い流路の前半では血
液流路側4bは吸着剤側4cに比し陽圧となり、血液側
より濾液や血漿成分が濾過膜の外、すなわち吸着剤4c
の区画へ濾過され、一方ポートF2(流出口)に近い血
液流路4bの後半の部分では、血液浄化器血液流路4b
の流れの抵抗による圧損失のため血液側が吸着剤側4c
に比し陰圧となり逆濾過が起き吸着剤4cの区画より濾
液や血漿成分が濾過膜を透過して、逆に血液側の区画に
戻る現象が獲られる。
【0039】そのカートリッジ本体4a内の血液浄化器
血液流路4bの長さをその断面に比し、長くするに従い
上記の現象が著しくなる。この原理は特願平5−235
898号で中空糸を用いた「血液透析器兼血液濾過器」
において出願されている。血液がそのカートリッジ本体
4aを通過する間に、通過の前半では血液の濾液や血漿
成分は限外濾液として吸着剤4cの区画へ出る。そこで
吸着剤4cにより目的とする物質が除去され浄化され
る。そして、通過の後半では逆濾過により、濾液は再び
吸着剤4cの区画より血液の区画へ濾過膜を透過して移
動し血液へ戻る方式である。濾過膜は、濾液や血漿の濾
液だけを透過させるため吸着剤4cはコーティングをし
なくてもその微粒子は血液に入らない。
【0040】しかして、血流方向を一定にしておくと、
そのカートリッジ本体4aへ流入する血液はそのカート
リッジ本体4aの濾過膜を通過する前半では、濾過膜を
介して濾液や血漿成分は血液側より吸着剤4c側へ固定
される。そして、その通過の後半では、吸着剤4c側か
ら血液側へと濾液や血漿成分の移行方向が固定されるこ
とになる。したがって、血中の蛋白成分や吸着剤4cの
微粒子が透過膜表面や透過膜の穴に付着し、濾過膜が目
づまりを起こし性能が低下してくる。
【0041】この現象を避けるために、血液の体外循環
システム、中に血液方向切り替え装置(特願平3−26
2653)を設け、そのカートリッジ本体4aへ注入す
る血液の方向、すなわち上記で血液の流入口とされてい
たポートF1を血液の流出口とし、上記で血液の流出口
とされていたポートF2を血液の流入口にすると言う具
合いに間欠的に切り替えて、そのカートリッジ本体4a
内の血流方向を逆転させる。
【0042】この結果、そのカートリッジ本体4a内の
濾過膜に対する濾液の動きは限外濾液と逆濾液が交互に
発生することになる。換言すれば、血流方向が変わるた
びに濾液の濾過膜透過方向が逆転する結果、濾過膜4b
に付着した蛋白成分や吸着剤4cの微粒子は逆方向の濾
液の動きによりはがされ除去される。かくして、濾過膜
の目づまりが防止され濾過膜の性能低下が防止される。
一方、濾液や血漿成分は、コーティングされていない粒
子の小さな吸着剤4cに濾過膜外で直接接触する結果、
効率よく有害物質の吸着が行われる。
【0043】さらに、このそのカートリッジ本体4aの
吸着剤4cの代わりに物質分解機能を持つ物質を充填す
ると、血中成分の分解、例えば人工肝臓などの分野への
利用が可能となる。
【0044】
【発明の効果】本発明にかかる血液浄化器とこの血液浄
化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法は、以上の
ごとくになったゆえに以下のごとき多大な効果が生じ
た。すなわち、吸着剤の粒子を従来より小さくし、コー
ティングする必要性をなくし、かつ血液より濾液や血漿
を予め分離する工程もなくしたゆえに、従来の吸着法の
問題も一挙に解決して、安全で簡便な吸着による人体の
有害物質除去を可能にしたものである。
【0045】さらに、本発明は吸着剤により血液より有
害物質を除去するのみならず、物質分解機能を持った物
質を利用して血液成分中の物質の分解など新たな分野へ
の適用を可能にするものである。そして、その請求項3
と4の発明では、血液浄化器の血液凝固や膜の目づまり
が大幅に抑止でき治療効果及び安全度が向上し、高価な
血液フィルターの性能維持による経済的利点が生じた。
さらに、血液の体外循環に必要な坑凝固剤の使用量を減
らすことも可能になった。
【0046】しかして、本発明の効果を箇条書にする
と、次の通りである。 1. 血液吸着剤の粒子の大きさを従来より小さくで
き、吸着性能が向上した結果、吸着剤の使用量を少なく
できた。 2. 血液吸着剤のコーティングが不要となり吸着性能
が向上した。さらにコーティングの費用がなくなり、吸
着剤の製造コストが安くなった。 3. 濾液や血漿吸着療法のための濾液や血漿分離が不
要になり、手段は簡単になりまた濾液や血漿分離のため
のフィルターや回路が不要となり、経済的に多大な利点
が生まれた。 4. 血液吸着法の血液凝固の問題が解決され、吸着剤
の微粒子フィルターが不要となり、手段上、安全上、及
び経済上の多大な利点が生まれた。 5. 物質分解による血液浄化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血液浄化器の正面拡大概略断面図を示
したものであって、説明が分かりやすいようにその血液
浄化器血液流路4bと吸着剤4cの層を特に拡大して描
いたものである。
【図2】図1の実施例の平面拡大概略断面図である。
【図3】本発明の血液浄化器を血流方向切替手段へ使用
した場合の1実施例の回路図を示すものである。
【図4】その血流方向が切り替えられた回路図を示すも
のである。
【符号の説明】
1 血液ポンプ 3 血流方向切り替え手段 4 血液浄化器 4a カートリッジ本体 4b 血液浄化器血液流路 4c 吸着剤 4d 密閉剤 A’回路血液取り出し回路 V’血液送り返し回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血液浄化器のカートリッジ本体、該カート
    リッジ本体の内部に設けられた中空糸膜から成る血液浄
    化器血液流路、および該血液浄化器血液流路の外側に充
    填されたコーティングなしの吸着剤粒子、より構成され
    ることを特徴とした血液浄化器。
  2. 【請求項2】血液浄化器のカートリッジ本体の内部に設
    けられた中空糸膜から成る血液浄化器血液流路の外側に
    コーティングなしの吸着剤粒子を充填し、その血液浄化
    器血液流路に体内から取り出された血液を流すことによ
    りその血液を浄化して、この浄化された血液を体内に戻
    すこと、より構成されることを特徴とした血液浄化方
    法。
  3. 【請求項3】血液浄化装置において、血液を体外に取り
    出す血液取り出し回路、該血液取り出し回路からの血液
    を下記の血液浄化器に送る血液ポンプ、該血液ポンプの
    出口につながる血流方向間欠切替手段、該血流方向間欠
    切替手段にその流入口(ポート1)と流出口(ポート
    2)がそれぞれにつながるものであって血液を浄化する
    フィルターとなる血液浄化器血液流路、上記の血流方向
    切替手段の静脈側出口からの血液を体内に送り返す血液
    送り返し回路、より構成されることを特徴とした血液浄
    化手段。上記の血液浄化器は、血液浄化器のカートリッ
    ジ本体、該カートリッジ本体の内部に設けられた中空糸
    膜から成る血液浄化器血液流路、該血液浄化器血液流路
    の外側に充填されたコーティングなしの吸着剤粒子、よ
    り成る。
  4. 【請求項4】血液浄化装置を使用の方法において、血液
    取り出し回路にて血液を体外に取り出して、血液ポンプ
    にてその血液取り出し回路からの血液を下記の血液浄化
    器に送り、これを血液ポンプの出口につながる血流方向
    間欠切替手段におくり、血流方向間欠切替手段にその流
    入口(ポート1)と流出口(ポート2)がそれぞれにつ
    ながるものであって下記の血液浄化器のフィルターとな
    る血液浄化器血液流路と血液浄化器血液流路の外側に充
    填されたコーティングなしの吸着剤粒子で血液を浄化
    し、その浄化された血液を上記の血流方向切替手段の静
    脈側出口からの血液を体内に送り返すこと、より構成さ
    れることを特徴とした血液浄化方法。上記の血液浄化器
    は、血液浄化器のカートリッジ本体、該カートリッジ本
    体の内部に設けられた中空糸膜から成る血液浄化器血液
    流路、該血液浄化器血液流路の外側に充填されたコーテ
    ィングなしの吸着剤粒子、より成る。
JP6305673A 1994-11-16 1994-11-16 血液浄化器とこの血液浄化器使用の血液浄化手段および血液浄化方法 Pending JPH08141076A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013047549A1 (ja) 2011-09-30 2013-04-04 東レ株式会社 浄化カラムおよび浄化カラムの製造方法
CN104147653A (zh) * 2014-08-27 2014-11-19 珠海健帆生物科技股份有限公司 具有抗凝缓释功能的血液灌流器及其制备方法

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