JPH0814055B2 - 三次元織物及びその製造方法 - Google Patents

三次元織物及びその製造方法

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JPH0814055B2
JPH0814055B2 JP13369389A JP13369389A JPH0814055B2 JP H0814055 B2 JPH0814055 B2 JP H0814055B2 JP 13369389 A JP13369389 A JP 13369389A JP 13369389 A JP13369389 A JP 13369389A JP H0814055 B2 JPH0814055 B2 JP H0814055B2
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明司 穴原
義治 安居
裕志 大森
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株式会社豊田自動織機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は軸方向糸、周方向糸及び軸を含む平面内で放
射方向と軸方向に延びるように屈曲配置される半径方向
糸の三成分の糸から構成される三次元織物及びその製造
方法に関するものである。
[従来の技術] 三次元織物を骨格材とし、樹脂あるいは無機物をマト
リックスとした複合材はロケット、航空機、自動車、船
舶及び建築物の構造材として幅広い途が期待されてい
る。三次元織物としては従来四角柱状あるいは板状の物
と環状の物とがある。従来、、環状の三次元織物として
特開昭56−142053号公報には第14図に示すように、マン
ドレル(心材)Mnの周面に形成された多数の孔に樹脂で
固められた炭素繊維製のロッドRを三次元環状織物の半
径方向糸成分として多数突起状に嵌入し、その状態で各
ロッドR間に軸線とほぼ直交する平面内に配列される糸
hcと、軸線と斜めに交差する平面内に配列される糸hd
と、前記糸hdと反対方向に傾斜する糸hgとを順次マンド
レルMnに巻き付けることにより形成される三次元環状織
物が提案されている。
又、三次元環状織物として環状織物の放射方向に配列
される放射方向糸と、内周面に沿って軸方向に配列され
る軸線方向糸と、周方向に配列される周方向糸とから構
成され、放射方向糸を環状織物の内側及び外側で折り返
すことにより、環状織物の最外周及び最内周に配列され
た周方向糸の環状織物からの離脱を防止するようにした
構造の物が知られている。この構造を有する三次元環状
織物の製造方法として、特開昭61−201063号公報には第
15,16図に示すように、筒状をなす基板61に多数の糸案
内管62を放射状にかつ半径方向外側に向かって移動可能
に挿通し、基板61の表面には隣接する糸案内管62間にそ
れぞれ板状のスペーサ63を放射状に配置するとともに、
その先端部に沿って巻回され糸案内管62間に環状をなし
て延びるワイヤ64で固定した心材を使用して三次元環状
織物を製造する方法が開示されている。
この方法ではまず基板61の軸線方向すなわち第15図の
紙面と直交する方向に第1の無端糸65を心材の両端で折
り返しながら糸案内管62に沿って蛇行配置して得られた
第1の無端糸65の層の上に、基板61の周方向に沿って第
1の無端糸65を巻き付ける。そして、この操作を所定回
数(n回)繰返し、スペーサ63上に第1の無端糸65の積
層体を形成する。次に糸案内管62の内部に基板61の内側
から第2の無端糸66のループを挿通するとともに、糸案
内管62を第1の無端糸65の積層の外面に引き出して取除
き、第1の無端糸65の積層の外面に第2の無端糸66のル
ープを引き出す。そして、引き出された第2の無端糸66
のループに第3の無端糸67をかんぬき糸として挿通し、
前記第2の無端糸66及び第3の無端糸67によって第1の
無端糸65の積層を締め付けることにより三次元環状織物
が製造される。
又、環状の複合構造体の製造方法として、前もって基
盤物質に含浸するかワインディングの最中に含浸するか
しながら、連続繊維状補強材(ガラス、ボロン、シリコ
ンカーバイド等)を張力をもたせて回転コア上に巻くい
わゆるフィラメントワインディグがある。
[発明が解決しようとする課題] ところが、前記特開昭56−142053号公報に開示された
製造方法では糸の巻き付け側にロッドRをマンドレルMn
に差し込む作業が面倒であるばかりでなく、各糸間相互
及び糸とロッド間に空隙を生じ易く、織物中の繊維の占
める割合を高め難い上に、巻付完了後のマンドレルMnの
取外し作業も面倒であるという不都合がある。又、ロッ
ドRの間隔が外側ほど拡がるため、三次元織物の外層ほ
ど半径方向の糸の密度が低下するという問題もある。更
にこの方法で作られる構造は環状であり、中心部まで繊
維の詰まった柱状体を作ることができない。
一方、特開昭61−201063号公報に開示された方法で
は、環状織物の放射方向に配列される糸を構成する第2
の無端糸66を糸案内管62に挿通する作業及び糸案内管62
を基板61から取り除くとともに第2の無端糸66のループ
内に第3の無端糸67をかんぬき糸として挿通する作業は
極めてきめこまかく繁雑であり、人手に頼らざるを得な
いために工業製品としての再現性、信頼性に乏しい。そ
の上、少なくとも糸案内管62の肉厚の分、環状織物を構
成する糸密度が低くなり無端糸66,67で締め付けること
で若干向上が図れるものの、強いしごき作用によってカ
ーボンなどの伸度の低い糸素材では損傷を受け、毛羽発
生を免れないという不都合がある。加えて、外層程放射
方向糸の密度が低い円環構造に限定されるなど、前者同
様の問題点を有する。又、この方法で製造された三次元
環状織物は軸方向に対して斜めの糸成分がないので捩り
に対する強度が小さいという問題もある。
又、フィラメントワインディングにより製造された場
合構造体は、多層に巻かれた連続繊維状補強材の各層間
を貫いて各層を固定する繊維状補強材が存在しないた
め、各層間のずれが生じ易くその分強度が弱くなるとい
う問題がある。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は従来の三次元環状織物の製造方法より簡
単な方法で織成でき、しかも、それらのもつ問題点を解
消する新規な構造の三次元織物及びその製造方法を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するための本発明の三次元織物は、
中心から同心円状に多層状態で配列され軸方向に延びる
多数の軸方向糸(z)と、軸方向糸(z)の層間あるい
は外側にその周方向に沿って巻き付けられた周方向糸
(yθ)と、周方向糸(yθ)の任意の層間を軸方向及
び放射方向に連続して蛇行状態に挿入された多数の半径
方向糸(yrz)とから構成され、かつ前記軸方向糸
(z)の層の少なくとも一層を構成する軸方向糸(z)
又は半径方向糸(yrz)が軸方向に対して傾斜した状態
に配列されている。
又、前記三次元織物の製造方法では、多数の軸方向糸
(z)及び半径方向糸(yrz)の端部を所定の中心から
多層状態をなすように糸支持体に固定した状態で放射状
に配置し、周方向糸(yθ)の端部を前記糸支持体に固
定する。そして、各層を形成する軸方向糸(z)と半径
方向糸(yrz)の外側から該層を中心側に圧着するよう
周方向糸(yθ)が巻き付けられることにより、各層の
一つが形成され、各層ごとに該当する軸方向糸(z)と
半径方向糸(yrz)とは、放射状位置を保ちながら軸方
向に移動することにより開口位置を変更して周方向糸
(yθ)が巻き付けられる。軸方向糸(z)の少なくと
も一層は該層を構成する軸方向糸(z)がその外側に周
方向糸(yθ)を巻き付けた状態で軸方向に対して傾斜
するように、該軸方向糸(z)を軸心の回りに所定量回
動させた後、その外側に周方向糸(yθ)が巻き付けら
れる。半径方向糸(yrz)は軸方向に沿って所定長さ配
置されたのち軸方向糸(z)と直交する方向に折り曲げ
られ開口位置の選定により、一部は周方向糸(yθ)の
任意の層間で再び軸方向糸(z)に沿って延びるように
直線状に配置され、残部は周方向糸(yθ)の外側から
の巻き付けを受けずに半径方向に配置されて蛇行状態で
織り込まれるように半径方向糸(yrz)の開口位置が変
更された状態で周方向糸(yθ)が巻き付けられる。
[作用] 本発明の三次元織物は3種類の糸群で構成され、その
うち織物の周方向に沿って多層に巻装された周方向糸
(yθ)の任意の層間を周方向糸(yθ)と直交し、軸
方向及び放射方向に連続して蛇行状に挿入された多数の
半径方向糸(yrz)が存在するため、半径方向糸(yrz
の周方向糸(yθ)に対する挿入位置及び折返し位置を
変更することにより外周部における半径方向の糸密度を
任意に選択することができ、従って内周部と同様な密度
とすることも容易に可能である。かかる変更も含めて3
種類の糸の配列状況を種々に変化せしめることにより、
織物の物性や織物形状も種々変更可能となる。又、軸方
向糸(z)により構成される層の少なくとも一層の軸方
向糸(z)又は半径方向糸(yrz)が軸方向に対して傾
斜した状態に配列されているため、捩りに対する強度も
大きい。
又、第2請求項に記載の製造方法では、多数の軸方向
糸(z)及び半径方向糸(yrz)の端部を所定の中心か
ら多層状態をなすように糸支持体に固定した状態で放射
状に配置するとともに、周方向糸(yθ)の端部を前記
糸支持体に固定した状態で織成が開始される。周方向糸
(yθ)は前記軸方向糸(z)の開口状態に対応して軸
方向糸(z)の各層間に順次挿入されるとともに、対応
する層の軸方向糸(z)の周囲に巻付けられる。そし
て、軸方向糸(z)の少なくとも一層は該層を構成する
軸方向糸(z)が軸方向に対して傾斜するように、該軸
方向糸(z)を軸心の回りに所定量回動させた後、その
外側に周方向糸(yθ)が巻き付けられる。又、半径方
向糸(yrz)の開口位置が変更されて半径方向糸(yrz
の外側から周方向糸(yθ)が半径方向糸(yrz)を内
層に圧着するように巻付けられることにより、周方向糸
(yθ)の任意の層間に半径方向糸(yrz)が周方向糸
(yθ)と直交する状態すなわち軸方向糸(z)と平行
に織り込まれる。従って、半径方向糸(yrz)の開口位
置を変更することにより、半径方向糸(yrz)の半径方
向での折り返し位置を所望の位置で変更することが可能
となり、半径方向糸(yrz)の軸方向の長さ及び半径方
向の長さを適宜変更することにより多様な構造の三次元
織物の製造が可能となる。
[実施例1] 以下、本発明を具体化した一実施例を第1〜8図に従
って説明する。
三次元織機は第6図に示すように、三次元織物の織成
部を挟んで上下に分割された状態に構成され、下部側中
央には糸固定テーブル1が図示しない駆動機構により上
下方向に移動可能に構成された支軸2の上端に一体的に
昇降動可能に配設されている。糸固定テーブル1の下方
には放射状に延びる多数のアーム3を有する支持体4
が、そのボス部5において支軸2を中心に回転自在、か
つ支軸2に対して上下方向への相対移動可能に配設さ
れ、ボス部5の外周に形成されたギヤ部5aと歯噛すると
ともに図示しないモータにより正逆回転駆動されるギヤ
6により支軸2を中心に回転されるようになっている。
前記各アーム3の先端にはエアシリンダ7が上方へ延び
るように固定されている。エアシリンダ7のピストンロ
ッド7aの先端には電磁石の作用により磁性体製のボビン
ホルダ8を吸着保持するホルダ保持体9が装着されてい
る。ボビンホルダ8には半径方向糸(yrz)が巻き付け
られたボビンBが着脱可能に取り付けられている。又、
前記支持体4のボス部5には該支持体4と同様に多数の
アーム10を有する支持体11が所定の高さ位置で相対回動
可能に支持され、各アーム10は第7図に示すように前記
支持体4のアーム3の外側でかつ位相が異なる位置に配
設されている。各アーム10の先端にもエアシリンダ12が
上方へ延びるように固定され、そのピストンロッド12a
の先端には前記と同様なホルダ保持体13が装着されてい
る。
前記糸固定テーブル1の上方には織物を構成する3種
類の糸すべてを固定する糸支持体としての糸固定テーブ
ル14が、前記支軸2と同軸上に設けられた支軸15の下端
に一体的に昇降動可能に配設されている。両支軸2,15は
完全に分離されているが、互いに同期して昇降動される
ようになっている。支軸15には前記支持体4と同数の放
射状に延びる多数のアーム16を有する支持体17が所定の
高さ位置で支持体4と対称な状態で支軸15に摺動可能に
支持され、支持体17の上方には前記支持体11と同数の放
射状に延びる多数のアーム18を有する支持体19が支持体
11と対称な状態で支持体17のボス部に支持されている。
前記各アーム16,18の先端にはエアシリンダ20,21が下方
へ延びるように固定され、そのピストンロッド20a,21a
の先端には前記と同様に磁性体製のボビンホルダ8を電
磁石の作用により吸着保持するホルダ保持体22,23が装
着されている。前記ホルダ保持体9,22及びホルダ保持体
13,23はそれぞれ対向する位置関係にあり、エアシリン
ダ7,20,12,21の作動によるホルダ保持体9,22,13,23の昇
降動と電磁石の励消磁によりボビンホルダ8の受け渡し
を行うようになっている。
前記支持体4の中央上面には織成位置を規制するため
のガイドフレーム24が配設されている。ガイドフレーム
24の上端面とほぼ同じ高さ位置には、周方向糸供給装置
25が配設されている。周方向糸供給装置25は第7図に示
すように、環状の回転体26が支持フレーム27にブラケッ
トを介して回転自在に取付けられた複数のガイドローラ
28に支承された状態で、前記ホルダ保持体13,23の外側
において支軸2の軸心を中心に回転可能に配設されてい
る。回転体26の外周にはモータMの駆動軸に装着された
駆動歯車29と歯噛する歯車26aが一体に形成され、モー
タMの駆動により回転駆動されるようになっている。回
転体26の内側には周方向糸(yθ)が巻かれた周方向糸
ボビン30が着脱可能に装着され、該周方向糸ボビン30の
装着部下面には支持ブラケット31が支軸2,15を中心とし
た放射方向に延びる状態に固定され、その先端には周方
向糸ボビン30から繰出される周方向糸(yθ)を織成位
置に導く耐磨耗性の材質で形成された糸ガイド31aが固
定されている。又、支持ブラケット31には必要に応じて
適当な糸張力付与装置が設けられるようになっている。
次に前記の装置による三次元織物の製織作用を説明す
る。
三次元織物の製織に先立って、まず、軸方向糸(z)
が両糸固定テーブル1,14の中心部間に張設され、各ボビ
ンホルダ8に装着されたボビンBから繰出された半径方
向糸(yrz)の一端が上側の糸固定テーブル8に前記軸
方向糸(z)を中心として多層状態をなすように固定さ
れる。これにより、第7図に示すように半径方向糸(y
rz)が支軸2,15を中心とした放射状に配置される。又、
周糸方向ボビン30から繰出された周方向糸(yθ)の一
端が上側の糸固定テーブル14に固定される。そして、各
ボビンホルダ8がそれぞれ製織条件に対応して上側、下
側のホルダ保持体9,13,22,23に保持された状態から製織
が開始される。
第6図に示すように、ボビンホルダ8から繰出される
半径方向糸(yrz)は、ボビンホルダ8が上側のホルダ
保持体22,23に保持された上昇位置に配置された状態で
は周方向糸ボビン30から繰出される周方向糸(yθ)よ
り上方に位置し、ボビンホルダ8が下側のホルダ保持体
9,13に保持された下降位置に配置された状態では図中二
点鎖線で示したように前記周方向糸(yθ)と交差する
位置に配置される。従って、モータMの駆動により回転
体26とともに周方向糸ボビン30が公転された際に、ボビ
ンホルダ8が下降位置に配置された状態で周方向糸ボビ
ン30が該ボビンホルダ8と対応する位置を通過すると、
半径方向糸(yrz)の織物側端部が周方向糸ボビン30か
ら繰出される周方向糸(yθ)により製織途中の三次元
織物の周面に軸方向に延びる状態に固定される。
第8図(a1),(a2)は第1〜5図に示した三次元織
物Fを製織し始める際の状態をそれぞれX−X断面、Y
−Y断面について示している、この状態から同図(b
1),(b2)に示すようにボビンB1に連なる半径方向糸
(yrz1)はボビンホルダ8が下降位置にあるホルダ保持
体13に保持されることによりガイドフレーム24の上端面
に近接するように伸張され、他のボビンB2,B3,B4,B5,B6
に連なる5本の半径方向糸(yrz2,yrz3,yrz4,yrz5,
yrz6)はそれぞれホルダ保持体22,23により糸固定テー
ブル14に近接するように上昇位置に屈曲保持される。そ
して、モータMの駆動により回転体26が3回転される
と、周方向糸(yθ)の1層目が両糸固定テーブル1,14
の中心間に張設された軸方向糸(z)の周囲に巻き付け
られるとともに、下降位置に配置されたボビンホルダ8
に連なる半径方向糸(yrz1)が周方向糸(yθ)の内側
に織り込まれ、第8図(c1),(c2)に示すように軸方
向糸(z)の周囲に周方向糸(yθ)が3段に巻き付け
られた状態となる。これにより1層目の周方向糸(y
θ)の内側で半径方向糸(yrz1)は軸方向に圧着され、
外側へ向かって折り曲げられた状態にあった他の5本の
半径方向糸は、そのまま拘束されない状態を保つ。
次に第8図(d1),(d2)に示すようにボビンB5,B6
が上昇位置のホルダ保持体22から下降位置のホルダ保持
体9にそれぞれ移載され、各ボビンに連なる半径方向糸
(yrz5,yrz6)はガイドフレーム24上端面に近接する状
態となる。この状態で支持体4が回転されて支持体4と
ともにボビンB5,B6が周方向に一定角度回転され、ボビ
ンB5,B6に連なる半径方向糸(yrz5,yrz6)が軸方向に対
して傾斜した状態に配置された後、回転体26が3回転さ
れて前記と同様に2層目の周方向糸(yθ)が3段に巻
き付けられる。これにより半径方向糸(yrz5,yrz6)は
軸方向に対して傾斜した状態で1層目の周方向糸(y
θ)の外側に圧着され、外側へ向かって折り曲げられた
状態にあった半径方向糸(yrz2,yrz3,yrz4)はそのまま
拘束されずに、第8図(e1),(e2)に示す状態が得ら
れる。ついで2層目の周方向糸(yθ)で固定された端
部からボビンB5,B6に連なる半径方向糸(yrz5,yrz6)が
軸方向に沿って延びる位置にホルダ保持体9が配置され
る角度だけ支持体4が逆方向に回転され、下降位置のホ
ルダ保持体9と上昇位置のホルダ保持体22とが対向する
状態となる。次に第8図(f1),(f2)に示すように、
ボビンB3が上記と同様に上昇位置から下降位置に移載さ
れた後、回転体26の回転によって周方向糸(yθ)が巻
き付けられ、第8図(g1),(g2)の状態が得られ、第
1段階の織成が完了する。
次に支軸2,15が上昇移動されて三次元織物Fが所定量
引上げられ、下降位置に配置されていたボビンB1,B3,
B5,B6が上昇位置に移載され、一方、ボビンB2が下降位
置に移載されて、第8図(h1),(h2)に示される半径
方向糸の配置状態になった後に、周方向糸(yθ)が回
転体26の回転によって巻き付けられ、ボビンB2に連なる
半径方向糸(yrz2)は第8図(i1)に示されるように織
物の最外層から周方向糸(yθ)の第1層の内側にまで
配設される。次いで第8図(j2)に示されるように、ボ
ビンB5,B6が上昇位置から下降位置に移載され、それぞ
れのボビンB5,B6に連なる半径方向糸(yrz5,yrz6)がガ
イドフレーム24に近接する位置に配置されるとともに、
前記と同様にボビンB5,B6が周方向に一定角度回転され
てボビンB5,B6に連なる半径方向糸(yrz5,yrz6)が軸方
向に対して傾斜した状態に配置された後、回転体26が3
回転されて前記と同様に周方向糸(yθ)によって内側
へ圧着され、第8図(k1),(k2)の状態が得られる。
この場合第1段階の織成で周方向糸(yθ)の第1層と
第2層の間で軸方向に傾斜して延びる状態にあった半径
方向糸(yrz5,yrz6)は共にそのままの状態で延長され
る。そして、前記と同様に支持体4が逆方向に所定角度
回転された後、第8図(l2)に示すように、ボビンB4
上昇位置から下降位置に移載され、回転体26の回転によ
って周方向糸(yθ)が巻き付けられると第8図(m
1),(m2)に示したように、ボビンB4に連なる半径方
向糸(yrz4)は最外周位置から周方向糸(yθ)の第2
層と第3層の間に狹圧される形で短い半径方向部分と軸
方向部分とを形成し、第2段階の織成が完了する。
次に支軸2,15が上昇移動されて第8図(n1),(n2)
に示すように三次元織物Fが所定量引上げられ、ボビン
B1が下降位置へ、ボビン B2,B4,B5,B6が上昇位置にそ
れぞれ移載され、回転体26が回転されて周方向糸(y
θ)が巻き付けられ、ボビンB1に連なる半径方向糸(y
rz1)は三次元織物Fの最外周位置から内層に至る半径
方向に連続して軸方向に配列され、第8図(o1),(o
2)の糸配列状態が得られる。続いて第8図(p2)に示
すようにボビンB5,B6が下降位置に移載され、前記と同
様にボビンB5,B6に連なる半径方向糸(yrz5,yrz6)が軸
方向に対して傾斜した状態に配置された後、回転体26の
回転によって周方向糸(yθ)が巻き付けられ、ボビン
B5,B6に連なる半径方向糸(yrz5,yrz6)が引き続いて軸
方向糸を形成する第8図(q1),(q2)の糸配列状態が
得られる。続いて第8図(r2)に示すようにボビンB3
下降位置に移載し、回転体26の回転によって周方向糸
(yθ)が巻き付けられ、ボビンB3に連なる半径方向糸
(yrz3)は周方向糸(yθ)の第2層と第3層の間に狹
圧されて、短い半径方向部分と軸方向部分とを形成し、
第8図(s1),(s2)に示す糸配列となり第3段階を完
了する。以下、同様にして順次製織が継続され、中心部
に軸方向糸(z)を有する円柱状の三次元織物Fが製織
される。
この製織方法で得られた三次元織物Fの概略斜視図が
第1図に、断面が第2〜第5図にそれぞれ示されてい
る。この製織方法では特定のボビンホルダ8が回転体26
の回転による周方向糸(yθ)の巻き付け時に常に下降
位置に配置された状態に保持されるため、該ボビンホル
ダ8から繰出される半径方向糸(yrz5,yrz6)は、常に
軸方向に延びるように織り込まれ、製織後は三次元織物
Fの軸方向糸(z)となる。又、前記半径方向糸
(yrz5,yrz6)が軸方向に対して傾斜した状態に配置さ
れた状態で回転体26の回転による周方向糸(yθ)の巻
き付けが行われるため、該ボビンホルダ8から繰出され
る半径方向糸(yrz5,yrz6)は、常に軸方向に対して傾
斜した状態で軸方向に延びるように、すなわちスパイラ
ル状に織り込まれる。又、その他の半径方向糸(yrz
は周方向糸(yθ)の1層目の内側と3層目の外側との
間で交互に折り返されるものと、2層目の内側と3層目
の外側との間で交互に折り返されるものと、3層目の内
側と外側との間で交互に折り返されるものとの3種類が
規則的に繰り返される状態で織り込まれる。
この実施例においては中心部の軸方向糸(z)を直線
状に張設したが、中心部の軸方向糸(z)を捩じって、
軸方向に傾斜した状態で張設してもよい。
[実施例2] 次に第2実施例を第9〜11図に従って説明する。この
実施例の三次元織物Fはその中心部に軸方向糸(z)が
存在しない点と、全ての半径方向糸(yrz)が3層の周
方向糸(yθ)の最内層の内側と最外層の外側の間で交
互に折り返されている点とが前記実施例の三次元織物F
と大きく異なっている。このような構造では隣接する半
径方向糸(yrz)の間隔が三次元織物Fの外側ほど拡が
るので、各半径方向糸(yrz)の間に織り込まれる軸方
向糸(z)の本数が外側ほど多くなっている。
この三次元織物Fを製織する場合には、前記実施例と
同様に半径方向糸(yrz)を準備するとともに、糸固定
テーブル1,14の中心部間に軸方向糸(z)の代わりに円
柱状あるいは円筒状の芯金を設置した状態で製織を行
う。そして、ボビンホルダ8の昇降動による半径方向糸
(yrz)の開口状態が規則的に変更され、周方向糸(y
θ)の1層目と2層目の間に織り込まれて軸方向糸
(z)となる半径方向糸(yrz)が、周方向糸(yθ)
の最内層の内側と最外層の外側の間で交互に折り返され
る状態に織り込まれる半径方向糸(yrz)と交互に配置
され、周方向糸(yθ)の2層目と3層目の間に織り込
まれて軸方向糸(z)となる半径方向糸(yrz)が、周
方向糸(yθ)の最内層の内側と最外層の外側の間で交
互に折り返される状態に織り込まれる隣接する半径方向
糸(yrz)の間に2本ずつ配置されるように周方向糸
(yθ)の巻き付けが行われる。
又、中心部に金属部材、織物をまるめたもの、ブレー
ド構造体を設置した状態で製織を行い、製織後も、織物
の中心部に残しておいてもよい。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、例えば、第12図に示すように半径方向糸(yrz)を
軸方向に対して傾斜するように織り込んでもよい。その
場合には第13図に示すように、支持体11を回転駆動可能
に構成し、ボビンホルダ8をその下降位置で吸着保持す
るホルダ保持体13を支軸2を中心に回転可能に構成す
る。又、軸方向糸(z)の一部と半径方向糸(yrz)の
双方を軸方向に対して傾斜させてもよい。又、互いに対
向する位置に配設されたホルダ保持体9,22,1323の両者
を昇降動可能に構成する代わりに一方のみを昇降動可能
に構成したり、ボビンホルダ8を保持するための構成と
してマグネットによらず、空圧式あるいは油圧式のホル
ダを使用したり、回転体26に周方向糸ボビン30を複数個
装備して周方向糸(yθ)を複数箇所から供給可能とし
てもよい。さらには、周方向糸(yθ)を巻き付けるの
に周方向糸ボビン30側を支軸2,15を中心に公転させる代
わりに、糸固定テーブル1,14及び支持体4,11、17,19側
を回転させてもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の三次元織物は3種類の糸
群で構成され、そのうち織物の周方向に沿って多層に巻
装された周方向糸(yθ)の任意の層間を周方向糸(y
θ)と直交する状態で軸方向及び放射方向に連続して蛇
行状に挿入された多数の半径方向糸(yrz)が存在する
ため、半径方向糸(yrz)の周方向糸(yθ)に対する
挿入位置及び折り返し位置を変更することにより外周部
においても半径方向の糸密度を内周部と同様な密度とす
ることが可能となるとともに、3種類の糸の材質あるい
は織物形状も種々変更可能となる。しかも、軸方向に延
びる軸方向糸(z)の層の少なくとも一層又は半径方向
糸(yrz)が軸方向に対して傾斜する状態に配列されて
いるので、捩りに対する強度が大きくなる。
又、第2請求項に記載の製造方法では、ロッドや糸案
内管等の治具を使用することなく軸方向糸(z)、半径
方向糸(yrz)及び周方向糸(yθ)の3種類の糸が連
続的に軸方向、放射方向及び周方向に挿入されるので、
生産性が向上するとともに自動化が容易となる。又、半
径方向糸(yrz)の半径方向での折り返し位置を所望の
位置で変更することにより、半径方向糸(yrz)の蛇行
状態及び半径方向成分の糸間に配置される周方向糸(y
θ)の段数を容易に変更でき多様な織成構造の三次元織
物の製織が可能となり、多様な材料設計に対応できる。
さらに、同一段数における周方向糸(yθ)の層数を変
更することにより、軸方向に径が変化する三次元織物の
製造も可能となり、三次元織物の使用用途が広くなる。
これらの織物は樹脂あるいは無機物と共に複合材の構成
要素として使用できるばかりでなく、多層に構成された
繊維構造を利用して過材などの用途に織物そのものと
して使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1〜8図は本発明を具体化した一実施例を示すもので
あって、第1図は三次元織物の概略斜視図、第2図は三
次元織物の断面図、第3図は第2図のX−X線断面図、
第4図は第2図のY−Y線断面図、第5図は第2図のZ
−Z線断面図、(いずれも片側のみ図示)、第6図は三
次元織機の一部破断概略正面図、第7図は第6図のA−
A線断面図、第8図a及至sの1は第2図のX−X線断
面に対応した製織作用を示す概略図、第8図a及至sの
2は第2図のY−Y線断面に対応した製織作用を示す概
略図、第9図は第2実施例の三次元織物の断面図、第10
図は第9図のP−P線断面図、第11図は第9図のQ−Q
線断面図、第12図は変更例の三次元織物の概略斜視図、
第13図は変更例の三次元織機の一部破断概略正面図、第
14図は従来の織成方法を示す概略図、第15図は別の従来
の織成方法を示す平面図、第16図は同じくその部分断面
図である。 糸固定テーブル1、支持体4,11,17,19、ボビンホルダ
8、ホルダ保持体9,13,22,23、糸支持体としての糸固定
テーブル14、周方向糸供給装置25、回転体26、周方向糸
ボビン30、ボビンB、軸方向糸z、半径方向糸yrz、周
方向糸yθ、三次元織物F。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−229241(JP,A) 特開 昭62−69848(JP,A) 特開 昭61−207657(JP,A) 特開 昭60−194145(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心から同心円状に多層状態で配列され軸
    方向に延びる多数の軸方向糸(z)と、軸方向糸(z)
    の層間あるいは外側にその周方向に沿って巻き付けられ
    た周方向糸(yθ)と、周方向糸(yθ)の任意の層間
    を軸方向及び放射方向に連続して蛇行状態に挿入された
    多数の半径方向糸 (yrz)とから構成され、かつ前記
    軸方向糸(z)の層の少なくとも一層を構成する軸方向
    糸(z)又は半径方向糸(yrz)が軸方向に対して傾斜
    した状態に配列された三次元織物。
  2. 【請求項2】多数の軸方向糸(z)及び半径方向糸(y
    rz)の端部を所定の中心から多層状態をなすように糸支
    持体に固定した状態で放射状に配置するとともに、周方
    向糸(yθ)の端部を前記糸支持体に固定し、各層を形
    成する軸方向糸(z)と半径方向糸(yrz)の外側から
    該層を中心側に圧着するように周方向糸(yθ)を巻き
    付けて各層の一つを形成し、各層ごとに該当する軸方向
    糸(z)と半径方向糸(yrz)とを放射状位置を保ちな
    がら軸方向に移動させることにより開口位置を変更して
    周方向糸(yθ)を巻き付け、半径方向糸(yrz)が軸
    方向に沿って所定長さ配置されたのち軸方向糸(z)と
    直交する方向に折り曲げられ開口位置の選定により一部
    は周方向糸(yθ)の任意の層間で再び軸方向糸(z)
    に沿って延びるように直線状に配置され、残部が周方向
    糸(yθ)の外側からの巻き付けを受けずに半径方向に
    配置されて蛇行状態で織り込まれるように半径方向糸
    (yrz)の開口位置を変更して周方向糸(yθ)を巻き
    付け、かつ少なくとも一層を構成する軸方向糸(z)が
    周方向糸(yθ)を巻き付けた状態で軸方向に対して傾
    斜するように、該軸方向糸(z)の外側への周方向糸
    (yθ)の巻き付けを行う前に該軸方向糸(z)を軸心
    の回りに所定量回動させる三次元織物の製造方法。
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