JPH08139524A - 周波数変換回路およびこの周波数変換回路を備えた無線通信装置 - Google Patents

周波数変換回路およびこの周波数変換回路を備えた無線通信装置

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JPH08139524A
JPH08139524A JP7235847A JP23584795A JPH08139524A JP H08139524 A JPH08139524 A JP H08139524A JP 7235847 A JP7235847 A JP 7235847A JP 23584795 A JP23584795 A JP 23584795A JP H08139524 A JPH08139524 A JP H08139524A
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みゆき 小倉
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浩二 飯野
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章二 大高
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、周波数変換後に変換前の複数の周波
数域の信号の重畳を防止し、これにより受信対象の周波
数帯域全域にわたって正確な周波数変換動作を行ない得
る周波数変換装置を提供する。 【構成】入力信号を所定サンプリング周波数信号に従っ
てサンプリングし、中間周波数信号を出力するサンプリ
ング回路36と、サンプリング周波数の3倍以上の整数
倍に入力信号の帯域が入らないようにサンプリング周波
数を設定したサンプリング信号をサンプリング回路に出
力するサンプリング信号発生回路37とにより構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば無線通信装
置において、受信された無線周波信号を中間周波信号あ
るいはベースバンド信号に周波数変換するために設けら
れる周波数変換回路に係わり、特に無線周波信号をパル
ス列でサンプリングすることにより周波数変換を行なう
周波数変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の周波数変換装置は、サン
プリング回路と、このサンプリング回路に局部発振信号
としてのサンプリング信号を供給するための方形波発生
器とから構成される。方形波発生器は、無線周波数の入
力信号よりも低い周波数の方形波信号を発生する。サン
プリング回路は、方形波発生器から発生された方形波の
サンプリング信号に従って入力信号をサンプリングし、
これによりこの入力信号を中間周波信号に周波数変換し
て出力する。
【0003】以下その原理を説明する。時間領域におけ
る、帯域制限された入力信号の波形をr(t) とし、これ
に対応する周波数領域における、入力信号のスペクトラ
ムをR(f) とする。このスペクトラムR(f) はr(t) を
フーリエ変換して得られ、図1に示すような波形を示
す。また、局部発振信号l(t) に相当する方形波の周期
(パルス幅:Ts/2)を図2に示すごとくTs とする
と、この方形波のスペクトラムL(f) は図3に示すよう
に間隔Ts (=1/Fs )のインパルス列にsin(πf
Ts /2)/(πfTs /2)を乗じた形態を示す。
【0004】入力信号r(t) をこの方形波l(t) でサン
プリングすることは、周波数領域において入力信号のス
ペクトラムR(f) と方形波のスペクトラムL(f) との畳
み込みを行なったことに相当する。したがって、入力信
号r(t) を方形波l(t) でサンプリングすると、図4示
すごとく中間周波信号が得られる。この中間周波信号の
中心周波数Fi は入力信号の中心周波数Fc と方形波の
周期Ts の逆数Fs との差(Fc −Fs )となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したサン
プリング方式を用いた周波数変換装置では、サンプリン
グ周波数Fs の値によっては、異なる周波数の複数の入
力信号が同一の周波数域に周波数変換される場合があっ
た。すなわち、周波数変換後の同一周波数域において変
換前の複数の周波数域の信号が重畳することがあった。
この重畳が発生すると、後段の復調回路において複数の
入力信号をいずれも再生することができなくなり、通信
不能状態となって非常に好ましくない。
【0006】一方、周波数変換された中間周波信号は、
例えばA/D変換器によりディジタル信号に変換された
のちディジタル信号処理回路(DSP)に入力されて、
ここでディジタル復調処理や復号処理が施される。この
ディジタル信号処理を考えると、周波数変換後の中間周
波信号の周波数はできるだけ低いことが望ましい。
【0007】しかしながら、先に述べたように方形波か
らなるサンプリング信号を用いて入力信号をサンプリン
グすると、方形波のパルス幅によってはサンプリング後
の出力信号の低周波域の信号レベルが大幅に低下し、こ
れにより信号レベルの十分な低周波数の中間周波信号を
出力することができなかった。
【0008】以上述べたようにサンプリング方式を使用
した従来の周波数変換装置では、サンプリング周波数に
よっては周波数変換後に変換前の複数の周波数域の信号
の重畳が発生して信号再生が不可能になるという問題点
を有し、またサンプリング信号のパルス幅によっては周
波数変換後に低周波域で振幅低下が生じて、信号レベル
の十分な低周波の中間周波信号を出力することができな
いという問題点を有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、周波数
変換後に変換前の複数の周波数域の信号の重畳を防止
し、これにより受信対象の周波数帯域全域にわたって正
確な周波数変換動作を行ない得る周波数変換装置を提供
することである。
【0010】本発明の目的は、低周波域における信号レ
ベルの低下を抑制して、信号レベルの十分な低周波数の
中間周波信号を出力することができる周波数変換装置を
提供することである。
【0011】本発明の目的は、複数の無線チャネルの入
力信号に対して、周波数変換後の信号が互いに重畳しな
いように周波数変換できる周波数変換装置を備えた無線
通信装置を提供することである。
【0012】本発明の目的は、異なる使用周波数帯域の
複数の無線システムに対して入力信号が重畳することな
く、しかも低周波域の信号レベルの十分大きい中間周波
信号を出力することができる周波数変換装置を備えた無
線通信装置を提供することである。
【0013】本発明によると、PHS入力信号から得ら
れ、所定の中心周波数および所定の帯域幅を有する入力
信号を受け、この入力信号を所定サンプリング周波数の
サンプリング信号に従ってサンプリングするサンプリン
グ回路と、サンプリング周波数の整数倍および1/2以
下の周波数に入力信号の周波数が入らないように設定さ
れたサンプリング周波数を有するサンプリング信号をサ
ンプリング回路に出力するサンプリング信号発生回路と
により構成される周波数変換装置が提供される。
【0014】この発明によると、異なる周波数帯域の複
数の無線通信装置の1つから到来した受信信号を受信
し、この受信信号をこの受信信号周波数よりも低い周波
数の第1の中間周波数信号に変換する第1の周波数変換
回路と、第1の中間周波数信号を所定サンプリング周波
数のサンプリング信号に従ってサンプリングし、第2の
中間周波数信号を出力するサンプリング回路と、サンプ
リング周波数の整数倍および1/2以下の周波数に第1
の中間周波数信号の周波数が入らないように設定された
サンプリング周波数を有するサンプリング信号をサンプ
リング回路に出力するサンプリング信号発生回路とによ
り構成される第2の周波数変換回路と、第2の中間周波
数信号を復調する復調回路とにより構成される無線通信
装置が提供される。
【0015】本発明によれば、サンプリング前の複数の
周波数の信号がサンプリング後に同一の周波数域で互い
に重なり合わないように周波数変換することが可能とな
る。したがって、受信対象とする一つの無線システムの
周波数帯域全域にわたって、すべてのチャネル信号が重
なり合いを生じることなく正確に周波数変換することが
できる。
【0016】また本発明によれば、サンプリング信号と
してパルス幅を有するパルス信号を使用した場合に、そ
のパルス幅の値を所定の条件を満たす値に設定すること
により、周波数変換後の信号の低周波域における減衰を
抑制し、これによりサンプリングによる周波数変換によ
って可能な限り低周波数の中間周波数を得ることができ
る。
【0017】さらに、本発明によれば、周波数変換装置
を備えた無線通信装置において、通信対象となる無線シ
ステムごとに、周波数変換のための最適なサンプリング
周波数を算出してサンプリング信号発生回路に可変設定
することができる。このため、使用周波数帯域の異なる
複数の無線システムのいずれに対しても重畳現象が生じ
ない最適なサンプリング周波数により周波数変換を行な
うことが可能となる。
【0018】さらに、本発明によれば、サンプリング方
式を採用した周波数変換装置を備え、かつこの周波数変
換装置で使用するサンプリング信号としてパルス幅を有
するパルス列を用いた無線通信装置において、最適なサ
ンプリング周波数を算出してサンプリング信号発生回路
に可変設定する回路と、最適なパルス幅を算出してサン
プリング信号発生回路に可変設定する回路とを設けたこ
とにより、使用周波数帯域の異なる複数の無線システム
のいずれに対しても、重畳現象が生じない最適なサンプ
リング周波数でかつ信号レベルの減衰を抑圧できる最適
なパルス幅に設定されたサンプリングパルスを使用して
周波数変換を行なうことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】図5には、第1の実施例の周波数
変換装置を備えたディジタル携帯電話装置が示されてい
る。これによると、図示しない基地局から無線通話チャ
ネルを介して送られた無線通信信号は、アンテナ1およ
びアンテナ共用器(DUP)2を介して受信回路(R
X)3に入力される。この受信回路3には後述する複数
段の周波数変換回路が含まれており、これらの周波数変
換回路では無線通信信号が周波数シンセサイザ(SY
N)4から発生された受信局部発振信号とミキシングさ
れて中間周波数に変換される。
【0020】受信回路3から出力された受信中間周波信
号IFSは、アナログ−ディジタル(A/D)変換器7
でディジタル信号DRSに変換されたのち、ディジタル
復調回路(DEM)6に入力される。このディジタル復
調回路6では、受信信号に対するフレーム同期およびビ
ット同期がとられたうえでディジタル復調のための信号
処理が行なわれる。ディジタル復調回路6から出力され
たディジタル通話信号は、誤り訂正復号回路(CH−D
EC)8で誤り訂正復号化されたのち、音声復号回路
(SP−DEC)9で復号化され、さらにディジタル−
アナログ(D/A)変換器10でアナログ通話信号に戻
されたのち、スピーカ11に供給されてこのスピーカ1
1から拡声出力される。
【0021】一方、マイクロホン12に入力された送話
信号は、A/D変換器13でディジタル化されたのち、
音響エコーキャンセラ(AEC)14により音響エコー
成分がキャンセルされ、しかるのち音声符号回路(SP
−COD)15に入力される。この音声符号回路15で
は、例えばVSELP方式等の符号化方式によりディジ
タル送話信号が符号化される。この符号化により得られ
た符号化ディジタル送話信号は、制御回路20Aから出
力されるディジタル制御信号とともに誤り訂正符号回路
(CH−COD)16で誤り訂正符号化されたのち、デ
ィジタル変調回路(MOD)17に入力される。
【0022】ディジタル変調回路17では、符号化ディ
ジタル送話信号に応じた変調信号が生成され、この変調
信号はD/A変換器18でアナログ信号に変換されたの
ち送信回路(TX)5に入力される。送信回路5では、
変調信号が周波数シンセサイザ4から出力された送信局
部発振信号とミキシングされて無線周波信号に変換され
たのち、制御回路20Aから供給された制御信号TCS
に従い送信電力が制御される。この送信回路5から出力
された無線周波信号は、アンテナ共用器2を介してアン
テナ1から図示しない基地局へ向けて送信される。
【0023】本実施例の装置では、各回路のうちディジ
タル復調回路7、ディジタル変調回路17、誤り訂正符
号回路8、誤り訂正復号回路16、音声復号回路9、音
声符号回路15および音響エコーキャンセラ14の各機
能を、ディジタル信号処理回路(DSP)19によるデ
ィジタル信号処理により実現している。
【0024】制御回路20Aは、主制御部として例えば
マイクロコンピュータを備えたもので、その制御機能と
して無線チャネルの接続制御機能や通信制御機能等を有
している。キー入力部21には発信キー、終了キー、ダ
イヤルキーおよび各種機能キーなどが設けられている。
LCD24は、通信相手端末の電話番号や装置の動作状
態等を表示するために使用される。22は電源回路(P
OW)であり、この電源回路22はバッテリ23の出力
電圧を基に所要の動作電圧Vccを生成して各回路に供給
する。
【0025】ところで、受信回路3は次のように構成さ
れる。図6はその構成を示す回路ブロック図である。同
図において、受信無線周波信号は、高周波増幅器31で
増幅されたのち先ず第1ミキサ32に入力され、ここで
周波数シンセサイザ4から出力された局部発振信号とミ
キシングされて第1受信中間周波信号に変換される。こ
の第1受信中間周波信号は、第1中間周波フィルタ33
および第1中間周波増幅器34に通されたのち、次に本
発明に係わる周波数変換回路35に入力される。
【0026】周波数変換回路35は、サンプリング回路
36と、サンプリング信号発生器としてのインパルス列
発生器37と、低域通過フィルタ38とを備えている。
【0027】インパルス列発生器37は、周波数が予め
固定設定されたインパルス列SP1をサンプリング信号
として発生し、サンプリング回路36に供給する。サン
プリング回路36は、インパルス列発生器37から供給
されたインパルス列SP1に従って第1受信中間周波信
号をサンプリングし、そのサンプリング出力を第2受信
中間周波信号として出力する。低域通過フィルタ38
は、サンプリング回路36の出力信号の中から周波数が
最も低い所望信号を選択的に通過させる。この低域通過
フィルタ38から出力された受信中間周波信号は、第2
中間周波増幅器39を介してA/D変換器7に入力され
る。
【0028】ところで、第2の周波数変換回路35にお
けるインパルス列SP1の周波数Fs は、サンプリング
回路36への入力信号である第1受信中間周波信号の中
心周波数とその帯域幅とに基づいて次のように設定され
る。すなわち、いま仮にサンプリング回路36に入力さ
れる第1受信中間周波信号の中心周波数をFc 、その帯
域幅 を2・FB とすると、インパルス列SP1の周
波数Fs は、
【数5】
【0029】次に、以上のように構成された周波数変換
回路の作用を説明する。
【0030】いま、時間領域における波形がr(t) でか
つ周波数領域におけるスペクトラムがR(f) の第1受信
中間周波信号がサンプリング回路36に入力されたとす
る。このときインパルス列発生器37からは、周期が図
7に示すごとくTs に設定され、かつ周波数領域におけ
るスペクトラムL( f)が図8に示すごとく周波数間隔F
s (=1/Ts )で存在する複数のインパルス列SP1
が発生されている。
【0031】このようなインパルス列SP1により第1
受信中間周波信号をサンプリングすると、このサンプリ
ングは第1受信中間周波信号の周波数スペクトラムR
(f) とインパルス列SP1の周波数スペクトラムL(f)
との畳み込みに相当するため、サンプリング回路36か
らは図9に示すごとくサンプリング前の第1受信中間周
波信号の中心周波数Fc と、インパルス列SP1の周期
Ts の逆数、つまり周波数Fs の整数倍N・Fs との差
(Fc −N・Fs )に相当する間隔で、複数のスペクト
ラムが現れる。この複数のスペクトラムのうち中心周波
数が最も低いものが低域通過フィルタ38により選択さ
れて第2受信中間周波信号としてA/D変換器7に供給
される。
【0032】ところで、本実施例の回路では、インパル
ス列SP1の周波数Fs が、先に述べたように第(1) 式
で表わされる範囲内の任意の値に設定されている。この
式(1)は、サンプリング周波数Fs の3倍以上の整数
倍が所望信号帯域に入らない条件を満たしている。この
ため、所望信号が重畳することなく、入力信号を周波数
変換することが可能である。
【0033】このことを具体例を用いて説明する。い
ま、入力信号である第1受信中間周波信号の中心周波数
Fc =2000MHz、その帯域幅2・FB =20MH
zと仮定する。すなわち、入力信号は1990MHzか
ら2010MHzの帯域信号である。これに対し、本実
施例の条件を満たすインパルス列SP1の周波数Fs
は、第(1) 式から次のように表わされる。
【0034】
【数6】
【0035】この条件に従って、例えばサンプリング周
波数としてFs =49.7MHzを選び、インパルス列
発生器37の発振周波数をこの周波数Fs に設定する。
そうすると、入力信号の2010MHzの周波数成分は
2010−(49.7×40)=22MHzに、また2
000MHzの周波数成分は2000−(49.7×4
0)=12MHzにそれぞれ周波数変換され、さらに1
990MHzの周波数成分は1990−(49.7×4
0)=2MHzに周波数変換される。すなわち、199
0MHz以上2010MHz以下の帯域の信号は、すべ
て2MHzから22MHzの信号に周波数変換されるこ
とになり、互いに重なり合うことはない。
【0036】ちなみに、サンプリング周波数Fs を第
(1) 式に示した条件を満たさない任意の値、例えば4
9.875MHzに設定したとする。そうすると、この
場合には入力信号の2010MHzの周波数成分は20
10−(49.875×40)=15MHzに、また2
000MHzの周波数成分は2000−(49.875
×40)=5MHzにそれぞれ周波数変換される。しか
るに、1990MHzの周波数成分も(49.875×
40)−1990=5MHzに周波数変換されることに
なり、2000MHzを周波数変換した信号周波数と重
なってしまう。すなわち、1990MHzから2000
MHzの範囲内のすべての無線チャネルの入力信号が重
畳することになり、これにより1990MHzから20
00MHzの周波数帯に属する入力信号はすべて再生不
可能になる。
【0037】このように本実施例では、第1受信中間周
波信号を、サンプリング回路36においてインパルス列
発生器37から発生されたインパルス列SP1でサンプ
リングする周波数変換回路にあって、第(1) 式で表わさ
れる条件を満足する周波数範囲から任意の値をサンプリ
ング周波数Fs として選択し、この選択したサンプリン
グ周波数Fs のインパルス列SP1を発生するように構
成したインパルス列発生器37を設けている。即ち、サ
ンプリング周波数Fs の3倍以上の整数倍に入力信号の
帯域が入らないようにサンプリング周波数が設定され
る。
【0038】したがって本実施例によれば、サンプリン
グ前の複数の周波数の信号がサンプリング後に同一の周
波数域で互いに重なり合わないように周波数変換するこ
とができる。故に、受信対象とする一つの無線システム
の周波数帯域全域にわたって、すべてのチャネルの信号
が重なり合いを生じることなく正確に周波数変換するこ
とができる。
【0039】上記実施例において、第2の周波数変換回
路35にフィルタ38がサンプリング回路36の後段に
設けられているが、このフィルタは必ずしも必要としな
い。
【0040】次に、第2の実施例を説明する。この第2
実施例では、サンプリング方式の周波数変換回路を備え
たディジタル携帯電話装置において、周波数変換のため
の最適なサンプリング周波数を算出し、それをサンプリ
ング信号発生器に可変設定する手段が設けられ、これに
より異なる使用周波数帯域の複数の無線システムのいず
れに対しても重畳現象が生じない最適なサンプリング周
波数により周波数変換が行なえる。
【0041】図10は、本実施例に係わる周波数変換回
路を備えたディジタル携帯電話装置の要部構成を示す回
路ブロック図である。なお、同図において図6と同一部
分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0042】本実施例の周波数変換回路45は、サンプ
リング回路36と、周波数シンセサイザにより構成され
るインパルス列発生器47と、カットオフ周波数を外部
から可変設定可能なアクティブフィルタからなる低域通
過フィルタ48とを備えている。インパルス列発生器4
7は、先に述べたように発振周波数を外部から可変設定
できる周波数シンセサイザからなり、制御回路20Bか
ら供給される発振周波数制御信号SYSに応じた周波数
のインパルス列SP2を発生する。低域通過フィルタ4
8は、制御回路20Bから供給されるカットオフ周波数
制御信号CFSに応じてカットオフ周波数Fcut を可変
設定する。
【0043】また制御回路20Bは、無線チャネル接続
制御や通信制御等の通常の制御機能に加えて、サンプリ
ング周波数設定制御回路201を備えている。このサン
プリング周波数設定制御回路201は、通信接続先の無
線システムが切り替わった場合に、切替後の無線システ
ムが使用する周波数帯域の中心周波数Fc とその帯域幅
FB とを基に、第(1) 式に従って最適なサンプリング周
波数Fs を算出する。この算出した最適なサンプリング
周波数Fs を指定するための発振周波数制御信号(分周
数指定信号)SYSを周波数変換回路45のインパルス
列発生器47に供給する。また、それとともに最適なサ
ンプリング周波数Fs を基に、最適なカットオフ周波数
Fcut を決定してその制御信号CFSを前記低域通過フ
ィルタ48に供給する。
【0044】このような構成であるから、例えばあるキ
ャリアが運用する第1のディジタル無線システムから、
別のキャリアが運用する異なる使用周波数帯域の第2の
ディジタル無線システムに接続先を切り替える旨の指示
が入力されると、制御回路20Bは図11に示す手順に
従って、第2のディジタル無線システムにあって最適な
サンプリング周波数Fs2およびカットオフ周波数Fcut2
を算出する。
【0045】すなわち、先ずステップ7aで変更後の第
2のディジタル無線システムの中心周波数Fc2およびそ
の帯域幅FB2を制御回路20B内のメモリから読出し、
さらにステップ7bでN1 を任意の値に決定する。次に
ステップ7cで第(1) 式の左辺、つまり
【数7】
【0046】を算出する。ステップ7eでこれらの算出
値により表わされる範囲内から適当な値を選択し、これ
をサンプリング周波数Fs2とする。次に、ステップ7f
にてこのサンプリング周波数Fs2に対応する分周数をイ
ンパルス列発生器47に設定する。
【0047】また、制御回路20Bは、ステップ7gで
サンプリング周波数Fs2に応じた周波数変換後の周波数
を算出し、ステップ7hによりこの算出した周波数に応
じて低域通過フィルタ48のカットオフ周波数Fcut2を
決定する。ステップ7iにて決定したカットオフ周波数
Fcut2の指定制御信号CFSを低域通過フィルタ48へ
出力する。
【0048】この結果、インパルス列発生器47は、以
後、指定されたサンプリング周波数Fs2のインパルス列
SP2を発生することになる。したがって、この状態で
通信が開始されると、サンプリング回路36では周波数
Fs2のインパルス列SP2により第1受信中間周波信号
のサンプリングが行なわれる。このとき、インパルス列
SP2の周波数Fs2は、制御回路20Bにおいて周波数
変換前の異なる周波数の複数の信号が周波数変換後の同
一周波数に変換されないように変更された信号である。
このため、第2のディジタル無線システムとの間で無線
通信を行なう場合にも、複数のチャネル信号の重畳現象
を起こすことなく使用周波数帯域全域にわたって正確に
周波数変換することができる。
【0049】また、低域通過フィルタ48のカットオフ
周波数Fcut も最適な値に設定し直しているため、サン
プリング回路36の出力に現れた複数のスペクトラムの
中から周波数が最も低いスペクトラムが正確に抽出で
き、これにより後段のディジタル信号処理回路へは可能
な限り低い周波数の受信中間周波信号を供給することが
できる。
【0050】次に、第3の実施例を説明する。この第3
の実施例は、サンプリング信号としてパルス幅を有する
パルス信号を使用した場合に、そのパルス幅の値を所定
の条件を満たす値に設定することにより、周波数変換後
の信号の低周波域における減衰を抑制し、これによりサ
ンプリングによる周波数変換によって可能な限り低周波
数の中間周波数を得るようにしている。図12は、本実
施例に係わる周波数変換回路の構成を示す回路ブロック
図である。なお、同図において図6と同一部分には同一
符号を付して詳しい説明は省略する。
【0051】本実施例の周波数変換回路55は、サンプ
リング信号発生器としてパルス列発生器57を備えてい
る。このパルス列発生器57は、周波数Fs が第1の実
施例(図6)で述べたインパルス列発生器37と同様に
第(1) 式に示される条件を満足するように設定され、さ
らにパルス幅Tp の逆数Fp が
【数8】
【0052】に示す条件を満足するように設定されたパ
ルス列SP3を発生するように構成されている。
【0053】以下第3の実施例の回路の作用を説明す
る。
【0054】サンプリング信号として例えば図13に示
すようにパルス幅Tp を有するパルス列を用いると、そ
のパルス幅Tp により振幅は図14に示す如く sin(π
fTp )/(πfTp )の形状となるため、周波数変換
後の信号はその低周波数域において図15に示すように
大きく減衰を起こすことがある。これを防止するにはパ
ルス幅を前述した第1の実施例で述べたインパルス列S
P1のように十分に小さくすればよいが、現実にはパル
ス幅の全くないパルス列を生成することは不可能であ
る。しかし、サンプリングパルスのパルス幅Tp を第
(7) 式に示した条件を満足する値に設定すると、周波数
変換後の信号の特に低周波数域における振幅の減衰を抑
制することができる。
【0055】このことを具体例を上げて説明する。いま
サンプリング回路36への入力信号の中心周波数Fc を
2000MHz、その帯域幅FB を20MHzと仮定す
る。すなわち、入力信号は1990MHzから2010
MHzの帯域信号である。また、サンプリング周波数F
s を第1の実施例で述べた49.7MHzに設定する。
そうすると、入力信号の2010MHzの周波数成分は
2010−(49.7×40)=22MHzに、また2
000MHzの周波数成分は2000−(49.7×4
0)=12MHzにそれぞれ周波数変換され、さらに1
990MHzの周波数成分は1990−(49.7×4
0)=2MHzに周波数変換される。これは第1の実施
例で述べた通りである。
【0056】ここで、いま例えばサンプリングパルス列
のパルス幅Tp を1nsecに、つまりFp =1GHz
に設定したとする。そうすると、パルス列のパルス幅が
Tpであるとき、その周波数スペクトラムはFs (=1
/Ts )のインパルス列に sin(πfTp )/(πfT
p )を乗じた形態となるため、周波数スペクトラムはF
s =49.7MHzのインパルス列に sin(πf・1×
10-9)/(πf・1×10-9)を乗じた形態となる。
したがって、最大レベルを1としたとき、1990MH
zの信号を周波数変換して得られた2MHzの信号のレ
ベルの相対値は、
【数9】
【0057】となる。同様に12MHzおよび22MH
zの信号のレベルの相対値は、それぞれ−7.47×1
0-7、5.04×10-3となる。このようにサンプリン
グパルスのパルス幅Tp によっては周波数変換後の信号
の出力レベルが大きく低下してしまう。
【0058】しかしながら、サンプリングパルスのパル
ス幅Tp を第(7) 式の条件を満足する値に設定すると、
周波数変換後の信号のレベル低下を抑制することが可能
である。すなわち、このとき前記第(7) 式の条件式は、 2000/N2 [MHz]<Fp <1990/(N2 −1)[MHz] …(9) となる。ここで、例えばFp を Fp =4020/N3 …(10) とする。例えばN3 =5としてFp =804MHz、つ
まりTp =1.244nsecとしたとすると、199
0MHzの信号が周波数変換されたときのレベルの相対
値は、
【数10】
【0059】となる。同様に12MHzおよび22MH
zの信号レベルも、それぞれ0.128、0.127と
なり、前述したようにTp =1×10-9に設定した場合
に比べ、周波数変換後の信号レベルの低下を少なく抑え
ることができる。
【0060】このように本実施例では、サンプリング信
号としてパルス幅を有するパルス列を使用する周波数変
換回路にあって、周波数Fs を前記第(1) 式の条件を満
足する値に設定するとともに、パルス幅Tp を第(7) 式
に示す条件を満足する値に設定したパルス列を発生する
パルス列発生器57を設けている。
【0061】したがって本実施例によれば、周波数変換
後のスペクトラムに重畳が生じないようにできることは
勿論のこと、パルス幅Tp を有するパルス列を使用して
いるにも拘らず、周波数変換後の信号の低周波数域にお
ける信号レベルの減衰を抑圧して、信号レベルが十分に
大きい低周波数域の受信中間周波信号を出力することが
できる。
【0062】次に、第4の実施例を説明する。本実施例
では、サンプリング方式の周波数変換回路を備え、かつ
この周波数変換回路で使用するサンプリング信号として
パルス幅を有するパルス列を用いたディジタル携帯電話
装置において、最適なサンプリング周波数を算出してサ
ンプリング信号発生器に可変設定する回路と、最適なパ
ルス幅を算出してサンプリング信号発生器に可変設定す
る回路とが設けられ、これにより異なる使用周波数帯域
の複数の無線システムのいずれに対しても、重畳現象の
生じない最適なサンプリング周波数でかつ信号レベルの
減衰を抑圧できる最適なパルス幅に設定されたサンプリ
ングパルスを使用して周波数変換が行なえる。
【0063】図16は、本実施例に係わる周波数変換回
路を備えたディジタル携帯電話装置の要部構成を示す回
路ブロック図である。なお、同図において図10の実施
例と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略す
る。
【0064】本実施例の周波数変換回路65は、サンプ
リング回路36と、周波数シンセサイザおよびパルス幅
変調回路により構成されるパルス列発生器67と、カッ
トオフ周波数を外部から可変設定可能なアクティブフィ
ルタからなる低域通過フィルタ48とを備えている。パ
ルス列発生器67は、発振周波数を外部から可変設定で
きる周波数シンセサイザと、この周波数シンセサイザか
ら出力されたパルス列のパルス幅を可変設定するパルス
幅変調回路とからなり、制御回路20Cから供給される
発振周波数制御信号SYSに応じた周波数Fs でかつパ
ルス幅制御信号PWSに応じたパルス幅Tp を有するパ
ルス列SP4を発生する。
【0065】また制御回路20Cは、無線チャネル接続
制御や通信制御等の通常の制御機能に加えて、サンプリ
ング周波数設定制御回路201と、パルス幅設定制御回
路202とを備えている。このうちパルス幅設定制御回
路202は、通信接続先の無線システムが変更された場
合に、変更後の無線システムが使用する周波数帯域の中
心周波数Fc とその帯域幅FB とを基に、前記第(7) 式
に従ってサンプリングパルスの最適なパルス幅Tp を算
出する。この算出した最適なパルス幅Tp を指定するた
めのパルス幅制御信号PWSをパルス列発生器67のパ
ルス幅変調回路に供給する。なお、サンプリング周波数
設定制御手段201の機能は、前記第2の実施例(図
6)で述べたものと同一である。
【0066】このような構成であるから、例えばあるキ
ャリアが運用する第1のディジタル無線システムから、
別のキャリアが運用する異なる使用周波数帯域の第2の
ディジタル無線システムに接続先を切り替える旨の指示
が入力されると、制御回路20Cは先ず図11に示した
手順に従って最適なサンプリング周波数Fs2およびカッ
トオフ周波数Fcut2を算出し、この算出されたサンプリ
ング周波数Fs2およびカットオフ周波数Fcut2をそれぞ
れパルス列発生器67の周波数シンセサイザおよび低域
通過フィルタ48に設定する。
【0067】次に、制御回路20Cは、図17に示す手
順に従ってパルス幅Tp2を算出して設定するための制御
を実行する。すなわち、先ずステップ13aでN2 を任
意に設定し、続いてステップ13b,13cでそれぞれ
【数11】
【0068】を算出する。ステップ13dでこれらの算
出値により表わされる範囲内から適当な値Fp2を選択
し、ステップ13eにおいてこのFp からパルス幅Tp2
(=1/Fp2)を求めて、このパルス幅Tp2を設定する
ためのパルス幅制御信号PWSをパルス列発生器67の
パルス幅変調回路に供給する。このため、パルス列発生
器67は、以後、制御回路20Cから指定されたサンプ
リング周波数Fs2でかつパルス幅Tp2を有するパルス列
SP4を発生することになる。したがって、この状態で
通信が開始されると、サンプリング回路36では周波数
Fs2でかつパルス幅Tp2のパルス列SP4により第1受
信中間周波信号のサンプリングが行なわれる。
【0069】このとき、インパルス列SP4の周波数F
s2は、制御回路20Cにおいて周波数変換前の異なる周
波数の複数の信号が周波数変換後の同一周波数に変換さ
れないように変更される。このため、第2のディジタル
無線システムとの間で通信を行なう場合でも、複数のチ
ャネル信号の重畳現象を起こすことなく使用周波数帯域
全域にわたって正確に周波数変換することができる。
【0070】また、低域通過フィルタ48のカットオフ
周波数Fcut2についても最適な値に設定し直しているた
め、サンプリング回路36の出力に現れた複数のスペク
トラムの中から周波数が最も低いスペクトラムを正確に
抽出することができ、これにより後段のディジタル信号
処理回路へは可能な限り低い周波数の受信中間周波信号
を供給することができる。
【0071】さらに、パルス幅Tp2も、制御回路20C
において周波数変換後の信号レベルが低周波数域で大き
く減衰しないような値に変更されている。このため、第
2のディジタル無線システムから到来した無線信号を受
信する場合でも、周波数変換後の信号の低周波数域にお
いて信号レベルの大きな減衰を起こすことがなく、信号
レベルの十分に大きい低周波数域の受信中間周波信号を
出力することができる。 上記実施例において、第2の
周波数変換回路65にフィルタ48がサンプリング回路
36の後段に設けられているが、このフィルタ48は必
ずしも必要としない。
【0072】次に、第5の実施例を説明する。
【0073】第1の実施例(図6)で示した条件を満た
すサンプリング周波数Fsを用いることによって、所望
の信号が他の信号と重畳することなく、入力信号をベー
スバンド付近へ周波数変換することができることが理解
されるが、第5の実施例によると、入力信号の帯域信号
が複数の狭帯域信号から成っている場合には、所望の任
意のある1つのチャネルの信号が常に同一の中間周波数
に変換される。この実施例は、例えば、PHSのように
23.1MHzの帯域の中に77つの狭帯域信号であ
る、いわゆる「チャネル」で構成されるシステムの周波
数変換に適用される。
【0074】このようなシステムで復調を行う場合、周
波数変換後の中間周波数は周波数変換器により後段の回
路を簡単に構成するためには同一であることが望まし
い。
【0075】ここでは、次のようにサンプリング周波数
Fsを設定することにより常に同一の中間周波数に受信
信号を変換することが可能となる。即ち、式(1)にお
けるN1 の値が次の条件を満たす整数に選ぶことであ
る。
【0076】
【数12】
【0077】このような条件を満たすN1 を用いること
により、復調したいチャネルに応じてサンプリング周波
数Fsを変えることにより中間周波数FIFを常に2FB
とすることが可能となる。但し、上記式の中の[]はガ
ウス記号であり、[]内の字数を越えない最大の整数を
表す。サンプリング周波数Fs は所望のチャネルの中心
周波数をFn とした場合に、次式を用いて決められる。
【0078】
【数13】
【0079】このことを具体的に説明する。
【0080】いま、入力信号の中心周波数Fc=200
0MHz、帯域幅2FB =20MHzと仮定する。即ち
入力信号は1990MHzから2010MHzの帯域信
号である。さらにこの帯域中に500kHzの間隔で4
0チャネルがあるものとする。つまり、第1チャネルは
1990.25MHz……となって最後に第40チャネ
ル,2009.075MHzとする。この場合、常に同
一の中間周波数に周波数変換できるように上の式(1
5)および(16)から次のようなN1 を選択すれば良
い。
【0081】
【数14】
【0082】例えば、N1 =51とし、また、中間周波
数をFIF=20MHzとすると、[(Fc +FB )/2
FB ]−N1 が奇数であるので、所望信号が第1チャネ
ルである1990.25MHzの場合は、サンプリング
周波数Fs =(1990.25−20)/{100−
(51+1)}/2=82.09375MHzとすれば
よい。また、第2チャネルである1990.75MHz
の場合はサンプリング周波数Fs =(1990.75−
20)/{100−(51+1)}/2=82.114
6MHzとすればよい。第40チャネルである200
9.75MHzの場合はサンプリング周波数Fs =(2
009.75−20)/{100−(51+1)}/2
=82.9063MHzとすればよい。
【0083】N1 =50とし、また、中間周波数をFIF
=20MHzとすると、[(Fc +FB )/2FB ]−
N1 が偶数であるので、所望信号が第1チャネルである
1990.25MHzの場合は、サンプリング周波数F
s =(1990.25+20)/{100−50}/2
=80.41MHzとすればよい。また、第2チャネル
である1990.75MHzの場合はサンプリング周波
数Fs =(1990.75+20)/{100−50}
/2=80.43MHzとすればよい。第40チャネル
である2009.75MHzの場合はサンプリング周波
数Fs =(2009.75+20)/{100−5
0)}/2=81.19MHzとすればよい。
【0084】なお、上記の周波数はすべて第1の実施例
に示した式(1)を満足する値である。
【0085】式(1)において、N1 =51とした場
合、サンプリング周波数Fs の範囲は、
【数15】
【0086】すなわち、 82.04[MHz]<Fs <82.92[MHz] となる。
【0087】また,式(1)において、N1 =50とし
た場合、サンプリング周波数Fs の範囲は、
【数16】
【0088】すなわち、 80.40[MHz]<Fs <81.22[MHz] となる。
【0089】PHSの場合は、次のようになる。PHS
の場合は、中心周波数Fc =1906.55MHz、帯
域幅2FB =23.1MHzである。即ち、入力信号は
1895.0MHzから1918.1MHzの帯域信号
である。さらにこの中に300kHzの間隔で77チャ
ネルがある。つまり、第1チャネルは1895.15M
Hz、第2チャネルが1895.45……となって最後
に第77チャネルが1917.95MHzである。この
場合、常に同一の中間周波数に周波数変換できるように
上式から次のようなN1 を選択すれば良い。
【0090】
【数17】
【0091】例えば、N1 =42とし、また中間周波数
FIF=23.1MHzとすると、[(Fc +FB )/2
FB ]−N1 が奇数であるので、所望信号が第1チャネ
ルである1895.15MHzの場合は、サンプリング
周波数Fs =(1895.15−23)/{83−(4
2+1)}/2=93.6025MHzとすればよい。
また、第2チャネルである1895.45MHzの場合
はサンプリング周波数Fs =(1895.45−23)
/{83−(42+1)}/2=93.6175MHz
とすればよい。第77チャネルである1917.95M
Hzの場合はサンプリング周波数Fs =(1917.9
5−23.1)/{83−(42+1)}/2=94.
4725MHzとすればよい。
【0092】N1 =41とし、また中間周波数をFIF=
23.1MHzとすると、[(Fc +FB )/2FB ]
−N1 が偶数であるので、サンプリング周波数Fs=
(1895.15+23.1)/{83−41}/2=
91.34524MHzとすればよい。また、第2チャ
ネルである1895.45MHzの場合はサンプリング
周波数Fs =(1895.45+23.1)/{83−
41}/2=91.35952MHzとすればよい。第
77チャネルである1917.95MHzの場合はサン
プリング周波数Fs =(1917.23+23.1)/
{83−41)}/2=92.43095MHzとすれ
ばよい。
【0093】以上説明したように本実施例によれば、あ
る帯域内にある複数の狭帯域信号の中の任意の信号を常
にある同一の中間周波数に変換することが可能となり、
周波数変換器の後段の回路を大幅に簡略化できる。
【0094】次に、第6の実施例を説明する。この実施
例は第1の実施例を無線通信装置に適用した実施例であ
る。
【0095】図18に示すようにアンテナから入力され
る受信信号は、低雑音増幅器101により所望のレベル
に増幅される。その信号はバンドパスフィルタ102に
入力され、帯域制限される。バンドパスフィルタ102
によって帯域制限された出力信号は第1の実施例に記述
したサンプリング回路103によってサンプリングされ
る。そのサンプリングパルスはパルス列発生器104に
より与えられ、そのサンプリングパルスの周波数は第1
の実施例に記述した条件を満たす周波数である。
【0096】サンプリング回路103によりサンプリン
グされた信号はその後、A/D変換器106に入力され
る。
【0097】以上の操作によって入力信号はA/D変換
され、ディジタル信号となる。この信号はその後、ディ
ジタル信号処理回路109によってチャネル選択され、
復調される。A/D変換により得られたディジタル信号
は複数のチャネルが含まれていてもよい。このとき、デ
ィジタル信号処理回路で、複数のチャネル選択が行わ
れ、復調がなされる。これにより、同時に複数のチャネ
ルを復調することが簡単に行える。
【0098】次に、第7の実施例を説明する。第7の実
施例は第5の実施例を無線通信装置に適用した実施例で
ある。図19に示すようにアンテナから入力される受信
信号は、低雑音増幅器101により所望のレベルに増幅
される。その信号はバンドパスフィルタ102に入力さ
れ、帯域制限される。バンドパスフィルタ102によっ
て帯域制限された出力信号は第1の実施例に記述したサ
ンプリング回路103によってサンプリングされる。そ
のサンプリングパルスはパルス列発生器104により与
えられ、そのサンプリングパルスの周波数は第5の実施
例に記述した条件を満たす周波数である。
【0099】サンプリング回路103によりサンプリン
グされた信号は、第5の実施例で説明した通りであり、
必ずある1つの中間周波数に周波数変換されている。こ
のサンプリングされた中間周波信号はバンドパスフィル
タ110に入力される。このフィルタ110の目的とす
るところは、次段の第2のサンプリング回路111のサ
ンプリングにより得られる信号が中間周波信号に重畳す
ることを防止する。このとき、第2のパルス列発生回路
112の固定サンプリング周波数によってその特性が定
義づけられる。この第2段目のサンプリングについて
は、サンプリング周波数を発生する第2のパルス列発生
器112は固定的にある1つの周波数を発振するもので
よい。
【0100】サンプリング回路111の出力信号はA/
D変換器114によってデジタル信号に変換され、復調
器115に入力される。
【0101】また、図19に示す2段目のサンプリング
回路111およびパルス列発生器112は、図20に示
すようにより一般的な周波数変換回路116および発振
器117に置き換えることが可能である。この場合、こ
の発振器117の出力周波数は比較的低く、固定であっ
てもよいので、複雑な回路を用いる必要がない。
【0102】また、図19に示す1段目のパルス列発生
器104は中間周波数を所望チャネルに関わらず一定と
するために出力周波数を可変する必要がある。これの具
体的な実現方法が図21に示されている。ここでは、1
段目のパルス列発生器に周波数シンセサイザ118が用
いられる。周波数シンセサイザ118は通常のPLLを
用いており、基準信号を発生する水晶発振器118ー1
と、この発振器の出力を分周する基準分周器118ー2
と、発振出力信号を発生するVCO(電圧制御発振器)
118ー6と、このVCOの周波数を分周する可変分周
器118ー3、基準信号と比較信号の位相を比較する位
相比較器118ー4と、位相比較器の出力電圧を平滑化
するループフィルタ118ー5とにより構成される。周
波数シンセサイザ118の発振周波数は制御部119か
らの発振周波数制御信号によって、基準分周器118ー
2および可変分周器118ー3の分周数を設定すること
により決定される。
【0103】
【発明の効果】上述した本発明によると、異なる使用周
波数の複数の無線システムに対してそれぞれ重畳現象を
生じずにしかも低周波域の信号レベルの十分大きい中間
周波数信号を出力することができる周波数変換回路を備
えた無線通信装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】周波数変換前の入力信号の周波数スペクトラム
を示す図。
【図2】サンプリング信号として使用する方形波の時間
領域の波形を示す図。
【図3】図2に示した方形波の周波数スペクトラムを示
す図。
【図4】図1に示す入力信号を図2に示す方形波でサン
プリングして得られる中間周波信号の周波数スペクトラ
ムを示す図。
【図5】本発明の第1の実施例に係わる周波数変換回路
を備えたディジタル携帯電話装置の構成の一例を示す回
路ブロック図。
【図6】図5に示した受信回路の構成を示す回路ブロッ
ク図。
【図7】サンプリング信号として使用するインパルス列
の時間領域の波形を示す図。
【図8】サンプリング信号として使用するインパルス列
の周波数スペクトラムを示す図。
【図9】周波数変換後の中間周波信号の周波数スペクト
ラムを示す図。
【図10】本発明の第2の実施例に係わる周波数変換回
路を備えたディジタル携帯電話装置の要部構成を示す回
路ブロック図。
【図11】図10に示した制御回路によるサンプリング
周波数設定制御手順および制御内容を示すフローチャー
ト。
【図12】本発明の第3の実施例に係わる周波数変換回
路の構成を示す回路ブロック図。
【図13】サンプリング信号として使用するパルス列の
時間領域の波形の一例を示す図。
【図14】図13に示したパルス列の振幅周波数特性を
示す図。
【図15】図13に示すパルス列によりサンプリングし
た中間周波信号の周波数スペクトラムを示す図。
【図16】本発明の第4の実施例に係わる周波数変換回
路を備えたディジタル携帯電話装置の要部構成を示す回
路ブロック図。
【図17】図16に示した制御回路によるサンプリング
周波数設定制御手順および制御内容を示すフローチャー
ト。
【図18】第1の実施例の周波数変換回路を用いた無線
通信装置のブロック図。
【図19】第5の実施例の周波数変換回路を用いた無線
通信装置のブロック図。
【図20】図19に示すサンプリング回路及びパルス列
発生器の代わりに一般的な周波数変換回路および発振器
を用いた周波数変換回路を用いた無線通信装置のブロッ
ク図。
【図21】図19に示すパルス列発生器の出力周波数を
可変とした周波数変換回路を用いた無線通信装置のブロ
ック図。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…アンテナ共用器(DUP)、3…受
信回路(RX) 4…周波数シンセサイザ(SYN)、5…送信回路(T
X) 6…ディジタル復調回路(DEM)、7,13…A/D
変換器 8…誤り訂正復号回路(CHDEC)、9…音声復号回
路(SPDEC) 10,18…D/A変換器、11…スピーカ、12…マ
イクロホン 14…音響エコーキャンセラ(AEC)、15…音声符
号回路(SPCOD) 16…誤り訂正符号回路(CHCOD)、17…ディジ
タル変調回路(MOD) 19…ディジタル信号処理回路(DSP)、20A,2
0B,20C…制御回路(CONT)、21…キー入力
部 22…液晶表示器(LCD)、23…バッテリ、24…
電源回路(POW) 31…高周波増幅器、32…第1ミキサ、33…第1中
間周波フィルタ 34…第1中間周波増幅器、35,45,55,65…
周波数変換回路 36…サンプリング回路、37,47…インパルス列発
生器 57,67…パルス列発生器、38,48…低域通過フ
ィルタ 39…第2中間周波増幅器、101…低雑音増幅器 102…バンドパスフィルタ、103…サンプリング回
路、105…フィルタ、106…A/D変換器、109
…ディジタル信号処理回路、114…A/D変換器 115…復調器、118…周波数シンセサイザ 201…サンプリング周波数設定制御手段 202…パルス幅設定制御手段、SP1,SP2,SP
3,SP4…サンプリング信号 SYS…サンプリング周波数制御信号 CFS…カットオフ周波数制御信号 PWS…パルス幅制御信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大高 章二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の中心周波数および所定の帯域幅を
    有する入力信号を受け、前記入力信号を所定サンプリン
    グ周波数のサンプリング信号に従ってサンプリングする
    サンプリング回路と、 前記サンプリング周波数の整数倍および1/2以下の周
    波数に前記入力信号の周波数が入らないように設定され
    たサンプリング周波数を有するサンプリング信号を前記
    サンプリング回路に出力するサンプリング信号発生回路
    と、 により構成される周波数変換装置。
  2. 【請求項2】 前記サンプリング信号発生回路は、 【数1】 Fc :入力信号の中心周波数 FB :入力信号の帯域幅 で示される範囲内の任意の周波数に予め設定されたパル
    ス列を発生するサンプリング信号発生手段により構成さ
    れる請求項1の周波数変換装置。
  3. 【請求項3】 前記サンプリング信号発生手段は、パル
    ス列のパルス幅の逆数Fp が 【数2】 で示される範囲内の任意の周波数に予め設定されたパル
    ス列を発生する請求項2の周波数変換装置。
  4. 【請求項4】 異なる周波数帯域の複数の無線通信装置
    の1つから到来した受信信号を受信し、この受信信号を
    この受信信号周波数よりも低い周波数の第1の中間周波
    数信号に変換する第1の周波数変換回路と、 前記第1の中間周波数信号を所定サンプリング周波数の
    サンプリング信号に従ってサンプリングし、第2の中間
    周波数信号を出力するサンプリング回路と、前記サンプ
    リング周波数の整数倍および1/2以下の周波数に前記
    第1の中間周波数信号の周波数が入らないように設定さ
    れたサンプリング周波数を有するサンプリング信号を前
    記サンプリング回路に出力するサンプリング信号発生回
    路とにより構成される第2の周波数変換回路と、 前記第2の中間周波数信号を復調する復調回路と、 により構成される無線通信装置。
  5. 【請求項5】 前記サンプリング信号発生回路は、 【数3】 Fc :第1の中間周波数の中心周波数 FB :第1の中間周波数の帯域幅 で示される範囲内の任意の周波数に予め設定されたパル
    ス列を発生するサンプリング信号発生回路により構成さ
    れる請求項4の無線通信装置。
  6. 【請求項6】 前記サンプリング信号発生回路は、パル
    ス列のパルス幅の逆数Fp が 【数4】 で示される範囲内の任意の周波数に予め設定されたパル
    ス列を発生する請求項4の無線通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003243936A (ja) * 1998-10-21 2003-08-29 Parkervision Inc 汎用周波数トランスレーションの応用例
US6836650B2 (en) 1998-10-21 2004-12-28 Parkervision, Inc. Methods and systems for down-converting electromagnetic signals, and applications thereof
JP2009165095A (ja) * 2007-12-31 2009-07-23 Ind Technol Res Inst プログラム可能な信号帯域を有する回路およびその方法

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