JPH08138609A - 電子顕微鏡における電子線検出器 - Google Patents

電子顕微鏡における電子線検出器

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JPH08138609A
JPH08138609A JP6270877A JP27087794A JPH08138609A JP H08138609 A JPH08138609 A JP H08138609A JP 6270877 A JP6270877 A JP 6270877A JP 27087794 A JP27087794 A JP 27087794A JP H08138609 A JPH08138609 A JP H08138609A
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JP
Japan
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electron beam
detector
electron
detectors
observation
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JP6270877A
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English (en)
Inventor
Kenichi Myochin
健一 明珍
Katsuhisa Yonehara
勝久 米原
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】上段の電子線検出器1で散乱,回折電子線5が
透過して、下段の電子線検出器8に影響を与えないよう
に、検出素子1Aを軽金属1B重金属1Cを組み合わせ
たものでシールドする。電子線の開き角7の減少に対し
て、検出器の孔径6の異なる複数個の検出器1を用意し
ておきクリップストップ方式等で任意に移動,設定す
る。 【効果】複数個の電子線検出器による、同一視野におけ
る多種多様な像の同時観察が可能となる。また、加速電
圧の上昇に伴う電子線の開き角減少を考慮し、孔径を可
変できるようにすることでコントラストの良い、解像度
の高い観察が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多種の電子線を同時に検
出,観察できるように、複数個の検出器を備えた電子顕
微鏡における電子線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】電子顕微鏡で電子線が物質(試料)に照
射されると、電子線と物質(試料)との相互作用によ
り、様々な情報を持った多種多様な電子線,X線等が放
出される。それらの情報を各々の情報に合わせた検出器
を用いて、個々の情報として捕らえ、もしくは、電子顕
微鏡の像として観察している。しかし、図2に示すよう
に、高加速電圧(経験上200kV以上)で加速された
電子線10は加速電圧に比例して電子のエネルギが高く
なるため、電子線検出器11内でティアドロップ型に電
子線が拡散する際に低加速電圧時の拡散12(a)に比
べ12(b)のように増大する。そのため、検出器によ
って得られる情報は大きくなる一方、電子線10の照射
点における細部の識別が困難となると共に、電子線の拡
散によって発生する電子線13を検出器11で散乱、も
しくは下方に透過してしまうために、その他の検出器等
に影響を及ぼしてしまう大きな問題が発生する。透過し
ないようにする対策は、検出素子の肉厚を厚くする方法
等も考えられるが、上記したように、検出素子内での電
子線の拡散12(b)が大きくなるために、肉厚の増加
に伴って細部の識別が困難となってしまったり、検出器
の厚みが大幅に厚くなってしまう。これらの問題点か
ら、特に、加速電圧の高い電子顕微鏡における像観察で
下記に示すようないくつかの問題が発生する。
【0003】第一に、検出器のシールドの必要性に関し
ては、例えば、図3のように検出器の一つとして上段に
アニュラ形の検出器を用いれば、検出素子が半導体素子
であり薄膜であるため、上段の電子線検出器1,下段の
電子線検出器8の間隔9を非常に小さくできるため、各
々の検出器から得られる暗視野像,明視野像を電子のエ
ネルギが小さい電子顕微鏡では、同一視野でしかも同時
に観察できる可能性がある。しかし、高加速電圧下で観
察している場合、検出器1,検出器8の間隔9を可能な
限り小さくしようとすると、散乱電子線,回析電子線5
の電子エネルギが高いために検出器1で何らかのシール
ドを施さないと、それらの電子線が検出器1を透過,散
乱してしまう。そのため、明視野像を観察に使用する下
段の検出器8に影響を与え、ノイズとして検出器の情報
に現れてしまうために、明視野像の解像度の低下を招
き、同一視野での観察,同時観察が困難となる。
【0004】第二に、絞りとしての機能に関しては、上
記と同様に図3のような構成にした場合、明視野像を観
察するための透過電子線4を検出する検出器8の上段に
ある検出器1は、検出器8を使用しての明視野像観察の
際に不必要なある開き角を持った散乱電子線,回折電子
線5を遮断することができるが、ブラッグの条件から分
かるように加速電圧の上昇に伴って電子線の照射角7が
小さくなるため、不必要な散乱電子線,回折電子線5は
一定の孔径6をもつ検出器1では遮断されなくなる。そ
のため、検出器1の孔より漏れてきたそれらの電子線が
検出器8に影響を与えてしまい、観察像のコントラスト
が悪くなり、像の解像度が低下する。つまり、観察中の
加速電圧に適した検出器1の孔径6が必要となるが従来
の技術では全く考慮されていない。
【0005】上記のように、従来の電子顕微鏡における
電子線検出器では、超高圧電子顕微鏡などの加速電圧の
高い顕微鏡で使用する際の、加速電圧の上昇に伴う、電
子エネルギの増加,電子線の開き角の減少等については
全く考慮されていないものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電子顕微鏡において、
試料から透過,散乱してきた様々な情報を持った電子線
を、複数個の電子線検出器で検出し、もしくは顕微鏡像
として観察する。その中で、高加速電圧を使用しての観
察では、加速電圧の上昇に伴い電子線の電子エネルギが
高くなるため、電子線検出器内での拡散が大きくなると
共に、その検出器で電子線が透過してしまうので、その
他の電子線検出器等に影響を与えノイズとしてそれらの
情報が現れてしまい、コントラストの良い解像度の高い
観察像を得ることは不可能である。また、ブラッグの条
件からも明らかなように、電子線の開き角は加速電圧の
大きさに反比例して小さくなるため、一定の孔径である
電子線検出器では、加速電圧の上昇とともに、その他の
検出器で観察目的としない電子線を遮断することが不可
能となってくる。
【0007】本発明の第一の目的は、電子線が電子線検
出器を散乱,透過しないように検出素子をシールドする
ことで、高加速電圧を使用する電子顕微鏡でも電子線検
出器を隣接して配置できるようになり、例えば、暗視野
像,明視野像も同一視野における同時観察が可能となる
電子顕微鏡における電子線検出器を提供することにあ
る。
【0008】本発明の第二の目的は、電子線検出器の孔
径を観察中の加速電圧に適したように、任意に変えられ
るような機構を用いることで、その他の検出器で検出目
的としていない電子線を完全に遮断できるようになり、
いかなる加速電圧を用いての観察条件下でもコントラス
トの良い、解像度の高い観察が可能となるような電子顕
微鏡における電子線検出器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第一に、高加速電圧によ
って印加された電子線と試料との相互作用によって発生
する、電子エネルギの高い散乱電子線等を、電子線検出
器で検出する際に、その検出器において電子エネルギの
高い電子線が透過して、その他の検出器に影響を与えな
いように検出器のシールド方法は、検出器に電子エネル
ギを弱めるための軽金属(例えばアルミニウム)と、弱
めた電子を吸収するための重金属(例えば鉛)の薄膜を
単独、もしくは組み合わせたものをそれら電子線のシー
ルドとして検出器へ適用することで、検出器の検出素子
の厚みを増すこと無く、それらの電子線の外部への影響
が無くなるように、電子線をシールドすることが可能と
なる。つまり、超高圧電子顕微鏡のような加速電圧の高
い電子顕微鏡においても、複数の検出器を隣接すること
で、例えば、暗視野像,明視野像の同一視野における同
時観察が可能となる。
【0010】第二に、電子線検出器の孔径を任意に可変
する手段は、電子線検出器をブレード状の構造にしてお
き孔径を可変するか、もしくは、例えば、孔径の異なる
複数個の電子線検出器を用意しておき、クリップストッ
プ方式等を用いて、観察中の加速電圧に合わせて電子線
検出器の孔径を任意に可変できるような構造をもつこと
で、加速電圧の変化に伴い電子線の開き角が変化して
も、観察目的に不必要な電子線を完全に遮断できるよう
になり、いかなる加速電圧を使用しての観察条件下で
も、コントラストの良い、解像度の高い像を得ることが
可能となる。
【0011】
【作用】電子線と物質(試料)との相互作用によって発
生した様々な情報を持った電子線を検出する上で、それ
らの電子線が電子線検出器を透過しないように検出素子
をシールドすることにより、その他の検出器等への影響
が無くなり、高加速電圧を使用する電子顕微鏡でも複数
個の電子線検出器を隣接することで、例えば、暗視野
像,明視野像も同一視野における同時観察が可能とな
る。
【0012】また、電子線検出器の孔径を観察中の加速
電圧に適したように、任意に可変できるようにすること
で、その他の検出器で検出目的としていない電子線を完
全に遮断できるようになり、いかなる加速電圧を使用し
ての観察条件下でもコントラストの良い、解像度の高い
観察することが可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図示する一実施例を用いて説
明する。
【0014】図1(a)は電子線検出器を二つのみ使用
した場合のそれらの検出器の断面図を示す。試料3に電
子線2を照射したことにより発生する、透過電子線4と
散乱,回折電子線5による像を同一視野でしかも同時に
観察するには、検出器1と検出器8との間隔9を可能な
限り小さくしなければならない。その際、散乱,回折電
子線5が検出器1で、散乱,透過をおこして透過電子線
4を検出するための検出器8に影響を与えないように、
検出器1の検出素子1Aを電子線エネルギを弱めるアル
ミニウム等の軽金属1Bと、電子線を吸収するための鉛
等の重金属1Cの薄膜とを組み合わせたものを、検出器
のシールドとして用いる。また、検出器1の孔径を観察
中の加速電圧に適した孔径に変える手段は、検出器をブ
レード状にしておく方法も有るが、その他の実施例は図
1(b)のように、孔径6の異なる複数個の検出器1を
装備し、クリップストップ方式等で移動してやることに
より、電子線検出器8における検出目的としない散乱,
回折電子線5を、加速電圧の変化に伴って電子線の開き
角7が変化しても遮断することが可能となる。
【0015】
【発明の効果】電子線と物質(試料)との相互作用によ
って発生した、様々な情報を持った電子線が電子線検出
器を透過しないように、検出素子を電子線エネルギを弱
めるための軽金属と、電子線を吸収する重金属の薄膜を
単独もしくは、組み合わせたものでシールドすることに
より、その他の検出器等への影響が無くなり、高加速電
圧を使用する電子顕微鏡でも複数個の電子線検出器を隣
接することで、例えば暗視野像,明視野像の同一視野に
おける同時観察が可能となる。
【0016】また、電子線検出器の孔径を、観察中の加
速電圧に適したように任意に変えられるような機構にす
ることで、その他の検出器で検出目的としていない電子
線を完全に遮断できるようになり、いかなる加速電圧を
使用しての観察条件下でもコントラストの良い、解像度
の高い観察をすることが可能となる。
【0017】また、本発明によれば高加速電圧,超高加
速電圧を使用しての顕微鏡観察でも暗視野像,明視野像
等の異種類の観察像が同一視野における同時観察が初め
て可能となる。また、観察操作の簡略化,容易性等が図
れ、コントラストが良く解像度の高い観察像を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子線検出器の説明図。
【図2】加速電圧の変化に伴う、検出器内での電子線の
拡散等の様子を示した電子線検出器の断面図。
【図3】上下二段の検出器を用いた場合の、上段の電子
線検出器が散乱,回折電子線を遮断する様子を示した検
出器の断面図。
【符号の説明】
1,8…電子線検出器、1A…電子線検出素子、1B…
軽金属、1C…重金属、4…透過電子線、5…散乱,回
折電子線、6…検出器の孔径、7…電子線の開き角、9
…検出器間の距離。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透過電子線,二次電子線,散乱電子線等の
    電子線を検出するため、多段に構成された電子顕微鏡の
    電子線検出器において、高解像度の観察像を得るため
    に、電子線の検出器にシールド、および、可動,可変な
    絞りを持たせたことを特徴とする電子顕微鏡装置におけ
    る電子線検出器。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記電子線検出器で検
    出目的としている電子線が透過してその他の検出器に影
    響を与えないように、軽金属,重金属とを組み合わせた
    ものを一組あるいは複数組用いてシールドしている電子
    顕微鏡装置における電子線検出器。
  3. 【請求項3】請求項1で、前記可動,可変な絞りは、電
    子線の開き角が小さくなっても、観察像の解像度が低下
    しないように、絞りとして前記検出器の孔径を任意に変
    えられるような機構を備えた電子顕微鏡装置における電
    子線検出器。
JP6270877A 1994-11-04 1994-11-04 電子顕微鏡における電子線検出器 Pending JPH08138609A (ja)

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