JPH08138454A - 無遮蔽対型ケーブル - Google Patents
無遮蔽対型ケーブルInfo
- Publication number
- JPH08138454A JPH08138454A JP27494494A JP27494494A JPH08138454A JP H08138454 A JPH08138454 A JP H08138454A JP 27494494 A JP27494494 A JP 27494494A JP 27494494 A JP27494494 A JP 27494494A JP H08138454 A JPH08138454 A JP H08138454A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- insulator
- twisted
- weight
- polymer
- parts
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Insulated Conductors (AREA)
- Communication Cables (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高周波帯で伝送損失を増大させず、かつ、有
害ガスを発生しないで難燃性を図ること。 【構成】 絶縁体4と一括シース3を低誘電正接ポリマ
であるポリフェニレンオキサイドで構成するか、あるい
は低誘電正接ポリマとエチレン系ポリマの組成物で構成
する。
害ガスを発生しないで難燃性を図ること。 【構成】 絶縁体4と一括シース3を低誘電正接ポリマ
であるポリフェニレンオキサイドで構成するか、あるい
は低誘電正接ポリマとエチレン系ポリマの組成物で構成
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無遮蔽対型ケーブルに
関し、特に、高速度ディジタル信号を伝送するに適した
無遮蔽対型ケーブルに関するものである
関し、特に、高速度ディジタル信号を伝送するに適した
無遮蔽対型ケーブルに関するものである
【0002】
【従来の技術】一般に、LAN用ケーブルとしては、一
対撚線または多対撚線群を束ねて一括シースを施した無
遮蔽対型ケーブルが用いられている。このLAN用の無
遮蔽対型ケーブルは、建物内でフロア間を垂直に、ある
いは天井裏の空間、すなわち、プレナム部に水平に金属
コンジットなしで布設されている。従って、火災時には
炎の媒介物となる可能性もあるため、難燃性が要求され
る。そのため、従来の無遮蔽対型ケーブルでは、対撚線
の絶縁材料としてポリエチレンやふっ素樹脂が、また一
括シース材料として誘電正接の小さなポリエチレンを使
用せずに難燃性の高いPVC(ポリ塩化ビニル)がそれ
ぞれ使用されていた。
対撚線または多対撚線群を束ねて一括シースを施した無
遮蔽対型ケーブルが用いられている。このLAN用の無
遮蔽対型ケーブルは、建物内でフロア間を垂直に、ある
いは天井裏の空間、すなわち、プレナム部に水平に金属
コンジットなしで布設されている。従って、火災時には
炎の媒介物となる可能性もあるため、難燃性が要求され
る。そのため、従来の無遮蔽対型ケーブルでは、対撚線
の絶縁材料としてポリエチレンやふっ素樹脂が、また一
括シース材料として誘電正接の小さなポリエチレンを使
用せずに難燃性の高いPVC(ポリ塩化ビニル)がそれ
ぞれ使用されていた。
【0003】この無遮蔽対型ケーブルは、近年のLAN
の高速化に伴い、情報信号速度が10Mb/sから10
0Mb/s(TPDDI LAN)という高速度のディ
ジタル信号を伝送することが要求されている。
の高速化に伴い、情報信号速度が10Mb/sから10
0Mb/s(TPDDI LAN)という高速度のディ
ジタル信号を伝送することが要求されている。
【0004】しかし、従来の無遮蔽対型ケーブルによる
と、PVC及びふっ素樹脂は火災時において塩化水素、
ふっ化水素等のハロゲン系ガスを含んだ有色有害ガスを
発生するため、人体に悪影響を与えたり、見通しを悪く
して避難行動や消火活動を著しく妨げ、さらにコンピュ
ータ回路や通信装置を腐食する等の重大な二次災害を招
くおそれがある。また、対撚線が遮蔽されていないの
で、その高周波電界がシースにも及びことになり、しか
もシース材料であるPVCは誘電正接が大きいことか
ら、高周波漏洩電流がシースに流れて高周波での伝送損
失が増大するという問題があった。
と、PVC及びふっ素樹脂は火災時において塩化水素、
ふっ化水素等のハロゲン系ガスを含んだ有色有害ガスを
発生するため、人体に悪影響を与えたり、見通しを悪く
して避難行動や消火活動を著しく妨げ、さらにコンピュ
ータ回路や通信装置を腐食する等の重大な二次災害を招
くおそれがある。また、対撚線が遮蔽されていないの
で、その高周波電界がシースにも及びことになり、しか
もシース材料であるPVCは誘電正接が大きいことか
ら、高周波漏洩電流がシースに流れて高周波での伝送損
失が増大するという問題があった。
【0005】そこで、本発明の目的は、高周波領域(1
50MHz)において、対撚線の伝送損失を増大させる
ことなく、燃焼時に有害なガスを発生しないで優れた難
燃性を備えた無遮蔽対型ケーブルを提供することにあ
る。
50MHz)において、対撚線の伝送損失を増大させる
ことなく、燃焼時に有害なガスを発生しないで優れた難
燃性を備えた無遮蔽対型ケーブルを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を実現
するため、導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コアを対撚り
して対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シースを施し
た無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体の少なくと
も外表面及び前記一括シースがポリフェニレンオキサイ
ドで構成されることを特徴とする無遮蔽対型ケーブルを
提供し、導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コアを対撚りし
て対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シースを施した
無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体の少なくとも
外表面及び前記一括シースが低誘電正接難燃性ポリマと
エチレン系ポリマを重量比95/5〜30/70の割合
でブレンドした混合物で構成されることを特徴とする無
遮蔽対型ケーブルを提供し、導体を絶縁体で絶縁した絶
縁体コアを対撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて
一括シースを施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記
絶縁体の少なくとも外表面及び前記一括シースが低誘電
正接難燃性ポリマとエチレン系ポリマの混合物100重
量部に対して、スチレン系ポリマを1〜50重量部添加
して成る組成物で構成されることを特徴とする無遮蔽対
型ケーブルを提供し、導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コ
アを対撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シ
ースを施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体
の少なくとも外表面及び前記一括シースがポリフェニレ
ンオキサイド100重量部に対して、難燃剤を1〜30
0重量部添加して成る組成物で構成されることを特徴と
する無遮蔽対型ケーブルを提供し、導体を絶縁体で絶縁
した絶縁体コアを対撚りして対撚線とし、この対撚線を
束ねて一括シースを施した無遮蔽対型ケーブルにおい
て、前記絶縁体の少なくとも外表面及び前記一括シース
が低誘電正接難燃性ポリマとエチレン系ポリマの混合物
100重量部に対して、難燃剤を1〜300重量部添加
して成る組成物で構成されることを特徴とする無遮蔽対
型ケーブルを提供し、導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コ
アを対撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シ
ースを施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体
の少なくとも外表面及び前記一括シースが低誘電正接難
燃性ポリマとエチレン系ポリマの混合物100重量部に
対して、スチレン系ポリマを1〜50重量部及び難燃剤
を1〜300重量部添加して成る組成物で構成されるこ
とを特徴とする無遮蔽対型ケーブルを提供するものであ
る。
するため、導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コアを対撚り
して対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シースを施し
た無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体の少なくと
も外表面及び前記一括シースがポリフェニレンオキサイ
ドで構成されることを特徴とする無遮蔽対型ケーブルを
提供し、導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コアを対撚りし
て対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シースを施した
無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体の少なくとも
外表面及び前記一括シースが低誘電正接難燃性ポリマと
エチレン系ポリマを重量比95/5〜30/70の割合
でブレンドした混合物で構成されることを特徴とする無
遮蔽対型ケーブルを提供し、導体を絶縁体で絶縁した絶
縁体コアを対撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて
一括シースを施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記
絶縁体の少なくとも外表面及び前記一括シースが低誘電
正接難燃性ポリマとエチレン系ポリマの混合物100重
量部に対して、スチレン系ポリマを1〜50重量部添加
して成る組成物で構成されることを特徴とする無遮蔽対
型ケーブルを提供し、導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コ
アを対撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シ
ースを施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体
の少なくとも外表面及び前記一括シースがポリフェニレ
ンオキサイド100重量部に対して、難燃剤を1〜30
0重量部添加して成る組成物で構成されることを特徴と
する無遮蔽対型ケーブルを提供し、導体を絶縁体で絶縁
した絶縁体コアを対撚りして対撚線とし、この対撚線を
束ねて一括シースを施した無遮蔽対型ケーブルにおい
て、前記絶縁体の少なくとも外表面及び前記一括シース
が低誘電正接難燃性ポリマとエチレン系ポリマの混合物
100重量部に対して、難燃剤を1〜300重量部添加
して成る組成物で構成されることを特徴とする無遮蔽対
型ケーブルを提供し、導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コ
アを対撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シ
ースを施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体
の少なくとも外表面及び前記一括シースが低誘電正接難
燃性ポリマとエチレン系ポリマの混合物100重量部に
対して、スチレン系ポリマを1〜50重量部及び難燃剤
を1〜300重量部添加して成る組成物で構成されるこ
とを特徴とする無遮蔽対型ケーブルを提供するものであ
る。
【0007】低誘電正接難燃性ポリマとは、150MH
zにおける誘電正接が0.7%以下であり、かつUL9
4(プラスチック材料の燃焼試験法規格)においてV−
0または、V−1の難燃性を持つプラスチック材料の事
であり、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキ
サイド、無水マレイン酸変性ポリフェニレンオキサイ
ド、シリコーン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン等が
挙げられる。
zにおける誘電正接が0.7%以下であり、かつUL9
4(プラスチック材料の燃焼試験法規格)においてV−
0または、V−1の難燃性を持つプラスチック材料の事
であり、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキ
サイド、無水マレイン酸変性ポリフェニレンオキサイ
ド、シリコーン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン等が
挙げられる。
【0008】エチレン系ポリマとしては、ポリエチレ
ン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルア
クリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−メチルアク
リレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレー
ト共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン−メチルメタクリレート共重合体等の単独または2
種以上をブレンドしたプラスチック材料が挙げられる。
ン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルア
クリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−メチルアク
リレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレー
ト共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン−メチルメタクリレート共重合体等の単独または2
種以上をブレンドしたプラスチック材料が挙げられる。
【0009】スチレン系ポリマは、エチレン系ポリマと
低誘電正接難燃性ポリマに対する相溶化剤として用い、
スチレン−エチレンブチレン−スチレントリブロック共
重合体、スチレン−エチレンブチレンジブロック共重合
体等が挙げられる。
低誘電正接難燃性ポリマに対する相溶化剤として用い、
スチレン−エチレンブチレン−スチレントリブロック共
重合体、スチレン−エチレンブチレンジブロック共重合
体等が挙げられる。
【0010】上記混合コンパンドの難燃剤としては、リ
ン化合物、水和金属化合物、酸化金属化合物等を挙げる
事が出来る。これらの難燃剤を単独または2種以上組み
合わせて使用する事も可能である。
ン化合物、水和金属化合物、酸化金属化合物等を挙げる
事が出来る。これらの難燃剤を単独または2種以上組み
合わせて使用する事も可能である。
【0011】リン化合物としては、赤リン、フォスフェ
ートエステル(一例として、トリフェニルフォスフェー
トがある)、フォスフォネート、フォスフォリネン等を
挙げることが出来る。水和金属酸化物としては、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、カルシウムアルミ
ネート水和物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、ハ
ードクレー等を挙げることが出来る。酸化金属化合物と
しては、酸化アンチモン、酸化スズ、水酸化スズ、酸化
モリブデン、酸化ジルコニウム等を挙げることが出来
る。
ートエステル(一例として、トリフェニルフォスフェー
トがある)、フォスフォネート、フォスフォリネン等を
挙げることが出来る。水和金属酸化物としては、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、カルシウムアルミ
ネート水和物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、ハ
ードクレー等を挙げることが出来る。酸化金属化合物と
しては、酸化アンチモン、酸化スズ、水酸化スズ、酸化
モリブデン、酸化ジルコニウム等を挙げることが出来
る。
【0012】なお、これらのコンパンドには必要に応じ
て酸化防止剤、滑剤、界面活性剤、着色剤、軟化剤、可
塑剤を加えることができる。また適宜架橋することも可
能であり、その場合、有機酸化物による化学架橋、シラ
ングラフト水架橋、電離性放射線による照射架橋等を適
用できる。
て酸化防止剤、滑剤、界面活性剤、着色剤、軟化剤、可
塑剤を加えることができる。また適宜架橋することも可
能であり、その場合、有機酸化物による化学架橋、シラ
ングラフト水架橋、電離性放射線による照射架橋等を適
用できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の無遮蔽対型ケーブルの第1の
実施例を詳述する。図1に示す様に、外径が0.5mm
の銅導体1の上に表1および表2に示した各種樹脂組成
物を19mm押出機を用いて200〜400°Cにおい
て0.25mm厚で押出被覆して絶縁体4を備えた絶縁
体コア5を形成した後、これら絶縁体コア5を2本撚り
合わせて対撚線2とし、少なくとも25対の対撚線2を
更に束ねて低誘電正接難燃性ポリマを含むコンパンドか
ら成る一括シース3を0.7mm厚で被覆し、表1およ
び表2に示すような25種類の試料ケーブルを作製し
た。また、250〜350°Cで表1および表2に示し
た各種樹脂組成物を電熱プレスを用いてプレスし、0.
5mm厚のシートを作成した。
実施例を詳述する。図1に示す様に、外径が0.5mm
の銅導体1の上に表1および表2に示した各種樹脂組成
物を19mm押出機を用いて200〜400°Cにおい
て0.25mm厚で押出被覆して絶縁体4を備えた絶縁
体コア5を形成した後、これら絶縁体コア5を2本撚り
合わせて対撚線2とし、少なくとも25対の対撚線2を
更に束ねて低誘電正接難燃性ポリマを含むコンパンドか
ら成る一括シース3を0.7mm厚で被覆し、表1およ
び表2に示すような25種類の試料ケーブルを作製し
た。また、250〜350°Cで表1および表2に示し
た各種樹脂組成物を電熱プレスを用いてプレスし、0.
5mm厚のシートを作成した。
【表1】
【表2】
【0014】上記の方法によって作製した無遮蔽対型ケ
ーブル、およびシートの難燃性、引張り伸び、誘電正接
を評価した。難燃性の評価方法としてはIEEE規格3
83に準拠し、2.4mのケーブルを規定の本数だけ垂
直に並べ、下方0.6mから70.000BTU/hの
炎を20分間当て、その後、炎を取り去り、延焼距離
1.8m未満で自己消炎すれば合格、1.8m以上延焼
したものは不合格とした。また、JIS3005の28
(2)に準拠した傾斜燃焼試験を行い、延焼せず自然に
消えたものは合格、自然消火せずに燃焼を続けたものを
不合格とした。これら二種類の燃焼試験においてIEE
E規格383のみ合格、またはIEEE規格383及び
JIS3005の28(2)の両方を合格したものを
優、JIS3005の28(2)のみ合格したものを
良、両方不合格だったものを悪とした。燃焼時のハロゲ
ン化水素発生の有無はJCS(日本電線工業規格)C第
53号に準拠して測定した。
ーブル、およびシートの難燃性、引張り伸び、誘電正接
を評価した。難燃性の評価方法としてはIEEE規格3
83に準拠し、2.4mのケーブルを規定の本数だけ垂
直に並べ、下方0.6mから70.000BTU/hの
炎を20分間当て、その後、炎を取り去り、延焼距離
1.8m未満で自己消炎すれば合格、1.8m以上延焼
したものは不合格とした。また、JIS3005の28
(2)に準拠した傾斜燃焼試験を行い、延焼せず自然に
消えたものは合格、自然消火せずに燃焼を続けたものを
不合格とした。これら二種類の燃焼試験においてIEE
E規格383のみ合格、またはIEEE規格383及び
JIS3005の28(2)の両方を合格したものを
優、JIS3005の28(2)のみ合格したものを
良、両方不合格だったものを悪とした。燃焼時のハロゲ
ン化水素発生の有無はJCS(日本電線工業規格)C第
53号に準拠して測定した。
【0015】引張り伸びは絶縁体コア5から銅導体1を
抜き取った後、引張り試験機を用いて、引張り速度20
0mm/分で引張り伸びを測定し、伸びが300%以上
のものを優、50%未満のものを悪とした。
抜き取った後、引張り試験機を用いて、引張り速度20
0mm/分で引張り伸びを測定し、伸びが300%以上
のものを優、50%未満のものを悪とした。
【0016】誘電特性は、150MHzで誘電正接(t
anδ)を容量法によってシートで測定し、7×10-3
(0.7%と表すことができる)以上のものを悪とし
た。
anδ)を容量法によってシートで測定し、7×10-3
(0.7%と表すことができる)以上のものを悪とし
た。
【0017】この結果、表1および表2からも明らかな
ように、本発明の実施例1〜25はいずれも優れた難燃
性、引張り伸び及び誘電特性を発揮し、燃焼時にハロゲ
ン化水素の発生も見られなかった。
ように、本発明の実施例1〜25はいずれも優れた難燃
性、引張り伸び及び誘電特性を発揮し、燃焼時にハロゲ
ン化水素の発生も見られなかった。
【0018】これに対し、低誘電正接難燃性ポリマの代
わりに、ポリメタクリル酸メチル及びポリアミド6レジ
ンを用いた比較例2〜11では、難燃性、引張り伸び、
誘電正接のうち少なくとも一つは評価が悪であった。ま
た、比較例1では燃焼時に有害な塩化水素ガスが発生し
た。
わりに、ポリメタクリル酸メチル及びポリアミド6レジ
ンを用いた比較例2〜11では、難燃性、引張り伸び、
誘電正接のうち少なくとも一つは評価が悪であった。ま
た、比較例1では燃焼時に有害な塩化水素ガスが発生し
た。
【0019】以上述べたように、絶縁体および一括シー
スとして低誘電正接難燃性ポリマを使用すると、従来の
問題点であった燃焼時の有害なガスを発生しないことは
勿論、優れた難燃性、引張り伸び、及び誘電特性を発揮
するため、火災時の信頼性、安全性の向上に貢献するば
かりでなく、高周波領域でも対撚線の伝送損失を小さく
できるため、LANの高速化にも大きく貢献することが
できる。
スとして低誘電正接難燃性ポリマを使用すると、従来の
問題点であった燃焼時の有害なガスを発生しないことは
勿論、優れた難燃性、引張り伸び、及び誘電特性を発揮
するため、火災時の信頼性、安全性の向上に貢献するば
かりでなく、高周波領域でも対撚線の伝送損失を小さく
できるため、LANの高速化にも大きく貢献することが
できる。
【0020】低誘電正接難燃性ポリマの中でも、特に、
ポリフェニレンオキサイドは、他のすべての低誘電正接
難燃性ポリマよりも高周波帯での誘電率が小さく、シー
ス及び絶縁体のいずれに用いても伝送損失を最も小さく
できる。また、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレ
ンサルファイドより伸びが良い為可とう性があり、ケー
ブルの布設が容易である。更に、ポリエーテルイミド、
ポリフェニレンサルファイドより成形温度が低い為製造
が比較的容易である。同時に、ポリエーテルイミド、ポ
リフェニレンサルファイドより価格が安い。
ポリフェニレンオキサイドは、他のすべての低誘電正接
難燃性ポリマよりも高周波帯での誘電率が小さく、シー
ス及び絶縁体のいずれに用いても伝送損失を最も小さく
できる。また、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレ
ンサルファイドより伸びが良い為可とう性があり、ケー
ブルの布設が容易である。更に、ポリエーテルイミド、
ポリフェニレンサルファイドより成形温度が低い為製造
が比較的容易である。同時に、ポリエーテルイミド、ポ
リフェニレンサルファイドより価格が安い。
【0021】以下、本発明の他の特徴を述べると以下の
通りである。 (1)低誘電正接難燃性ポリマにエチレン系ポリマをブ
レンドすると、誘電特性を損なう事なくエチレン系ポリ
マを混ぜないケーブルに比べ引張り伸び及び成形性が大
幅に改良される。 (2)低誘電正接難燃性ポリマにエチレン系ポリマおよ
びスチレン系ポリマをブレンドすると、さらに引張り伸
び及び成形性が改良される。 (3)それぞれの配合に難燃剤を1〜300重量部の割
合で添加すると、VTFT試験においてそれを添加しな
いケーブルより延焼速度を遅くする効果がある。
通りである。 (1)低誘電正接難燃性ポリマにエチレン系ポリマをブ
レンドすると、誘電特性を損なう事なくエチレン系ポリ
マを混ぜないケーブルに比べ引張り伸び及び成形性が大
幅に改良される。 (2)低誘電正接難燃性ポリマにエチレン系ポリマおよ
びスチレン系ポリマをブレンドすると、さらに引張り伸
び及び成形性が改良される。 (3)それぞれの配合に難燃剤を1〜300重量部の割
合で添加すると、VTFT試験においてそれを添加しな
いケーブルより延焼速度を遅くする効果がある。
【0022】図2は本発明の表1および表2に示した実
施例1〜25が適用される無遮蔽対型ケーブルを示し、
図1と同一の部分には同一引用数字を付したので重複す
る説明は省略するが、エチレン系ポリマ絶縁体6の外周
に施された外表面層7と、一括シース3が実施例1〜2
5の材料で構成されている。図2の無遮蔽対型ケーブル
においても、図1のものと同等の効果が得られた。
施例1〜25が適用される無遮蔽対型ケーブルを示し、
図1と同一の部分には同一引用数字を付したので重複す
る説明は省略するが、エチレン系ポリマ絶縁体6の外周
に施された外表面層7と、一括シース3が実施例1〜2
5の材料で構成されている。図2の無遮蔽対型ケーブル
においても、図1のものと同等の効果が得られた。
【0023】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の無遮蔽対型
ケーブルによると、電気特性を損なわず、かつ、有毒ガ
スを発生せずに難燃性を実現したので、LANの高速化
のみならず、INS(高度情報管理システム)、マルチ
メディア、超高速小型コンピュータ等の高度情報社会の
ニーズに対応が可能である。
ケーブルによると、電気特性を損なわず、かつ、有毒ガ
スを発生せずに難燃性を実現したので、LANの高速化
のみならず、INS(高度情報管理システム)、マルチ
メディア、超高速小型コンピュータ等の高度情報社会の
ニーズに対応が可能である。
【図1】本発明の一実施例を示すケーブル横断面図であ
る。
る。
【図2】本発明の他の実施例を示すケーブル横断面図で
ある。
ある。
1 銅導体 2 対撚線 3 一括シース 4 絶縁体 5 絶縁体コア 6 エチレン系ポリマ絶縁体 7 外表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日下 眞二 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 伊師 真弥 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 岩田 茂 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内
Claims (6)
- 【請求項1】 導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コアを対
撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シースを
施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体の少な
くとも外表面及び前記一括シースがポリフェニレンオキ
サイドで構成されることを特徴とする無遮蔽対型ケーブ
ル。 - 【請求項2】 導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コアを対
撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シースを
施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体の少な
くとも外表面及び前記一括シースが低誘電正接難燃性ポ
リマとエチレン系ポリマを重量比95/5〜30/70
の割合でブレンドした組成物で構成されることを特徴と
する無遮蔽対型ケーブル。 - 【請求項3】 導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コアを対
撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シースを
施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体の少な
くとも外表面及び前記一括シースが低誘電正接難燃性ポ
リマとエチレン系ポリマの混合物100重量部に対し
て、スチレン系ポリマを1〜50重量部添加して成る組
成物で構成されることを特徴とする無遮蔽対型ケーブ
ル。 - 【請求項4】 導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コアを対
撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シースを
施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体の少な
くとも外表面及び前記一括シースがポリフェニレンオキ
サイド100重量部に対して、難燃剤を1〜300重量
部添加して成る組成物で構成されることを特徴とする無
遮蔽対型ケーブル。 - 【請求項5】 導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コアを対
撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シースを
施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体の少な
くとも外表面及び前記一括シースが低誘電正接難燃性ポ
リマとエチレン系ポリマの混合物100重量部に対し
て、難燃剤を1〜300重量部添加して成る組成物で構
成されることを特徴とする無遮蔽対型ケーブル。 - 【請求項6】 導体を絶縁体で絶縁した絶縁体コアを対
撚りして対撚線とし、この対撚線を束ねて一括シースを
施した無遮蔽対型ケーブルにおいて、前記絶縁体の少な
くとも外表面及び前記一括シースが低誘電正接難燃性ポ
リマとエチレン系ポリマの混合物100重量部に対し
て、スチレン系ポリマを1〜50重量部及び難燃剤を1
〜300重量部添加して成る組成物で構成されることを
特徴とする無遮蔽対型ケーブル。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27494494A JPH08138454A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 無遮蔽対型ケーブル |
US08/398,566 US5597981A (en) | 1994-11-09 | 1995-03-03 | Unshielded twisted pair cable |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27494494A JPH08138454A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 無遮蔽対型ケーブル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08138454A true JPH08138454A (ja) | 1996-05-31 |
Family
ID=17548736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27494494A Pending JPH08138454A (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 無遮蔽対型ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08138454A (ja) |
-
1994
- 1994-11-09 JP JP27494494A patent/JPH08138454A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN101133465B (zh) | 压力通风系统电缆部件和包括其的通信电缆 | |
US5841072A (en) | Dual insulated data communication cable | |
US5597981A (en) | Unshielded twisted pair cable | |
JPH10255560A (ja) | 難燃性電線・ケーブル | |
CN101124643B (zh) | 通信电缆-阻燃隔离物 | |
JPH10168248A (ja) | 難燃性樹脂組成物とそれを用いた絶縁電線、シールド電線および被覆チューブ | |
JP3723025B2 (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物 | |
JP2000336225A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれを用いた電線・ケーブル | |
JPH08138454A (ja) | 無遮蔽対型ケーブル | |
JP2000248126A (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物および難燃性電線・ケーブル | |
KR20150074557A (ko) | Cmp 난연등급 utp 케이블 | |
JPH03203123A (ja) | 難燃性電線・ケーブル | |
JPH09129033A (ja) | 無遮蔽対型ケーブル | |
JP3164485B2 (ja) | 絶縁電線 | |
JP2560679B2 (ja) | 難燃性電気絶縁組成物 | |
JPH09259639A (ja) | 無遮蔽対型ケーブル | |
JP2001110236A (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物および難燃性電線・ケーブル | |
JPH09320358A (ja) | 難燃性絶縁電線 | |
JP3233655B2 (ja) | 難燃性電気ケーブル | |
JP3057597B2 (ja) | 高速度ディジタル信号伝送用無遮蔽対型ケーブル | |
KR102322295B1 (ko) | Cmp 난연등급 utp 케이블 | |
JPH09129032A (ja) | 無遮蔽対型ケーブル | |
JPH11306873A (ja) | 耐火電線・ケーブル | |
JPH07312120A (ja) | 耐火ケーブル | |
JP3050584B2 (ja) | 難燃性電線・ケーブル |