JPH08137998A - 認識辞書変更方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 認識辞書の変更に際して、容易に文字コード
を付与できるようにするとともに、認識に悪影響を及ぼ
す認識辞書を作成する。 【構成】 通常に筆記された文字パターン２１と丁寧に
筆記された文字パターン２２および通常に筆記された文
字パターンの認識結果の候補文字群２３と丁寧に筆記さ
れた文字パターン２２の候補文字群２４が同一画面上に
表示される。利用者は候補文字群２４の中から正解の文
字２６を選択し、認識装置にその文字コードを知らせ
る。認識装置は認識辞書中の文字パターン２１の候補文
字群２３の先頭の候補文字２５を候補文字２６に書き換
える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はペンで筆記される情報を
用いて文字認識する文字認識装置や、紙面上に筆記され
た文字をスキャナーやカメラ等を用いて文字を認識する
文字認識装置の認識辞書の変更方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の文字認識装置では、登録
する文字の認識結果の候補文字の中に正解が含まれてい
る場合は、候補文字の中から正解文字を選択することに
よって文字パターンと正解コードとの対応付けを取って
認識辞書に登録していた。しかし、候補文字の中に正解
がない場合は、正解となる文字コードを別に用意された
コード表から探し出してコード番号を付与する方法が取
られていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】認識技術を用いて文字
パターンをコード情報に変換する場合、認識できないカ
テゴリーの特徴を認識辞書に登録して、次回からの文字
認識ができるようにする認識辞書の登録や変更の技術が
ある。その中では認識できなかった文字の特徴に文字コ
ードを付与して認識系側に教えてやる方法として、文字
コードの入力では文字コードを直接入力する方法が採ら
れていた。そのため、文字コードの入力では文字コード
表の検索などに人手を要するという問題があった。

【０００４】本発明の目的は、認識辞書の変更に際して
は、容易に文字コードを付与できるようにするととも
に、認識辞書の変更に関しては認識に悪影響を及ぼす認
識辞書を削除して、認識精度を向上させることができる
ような認識辞書を短時間に作成する認識辞書変更方法を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の認識辞書変更方
法は、通常に筆記された文字を認識し、そこで得られた
文字の特徴や認識結果の情報を保持する手順と、丁寧に
筆記された、前記文字と同じカテゴリーあるいは候補文
字と同じカテゴリーの文字を認識し、そこで得られた認
識結果の情報を保持する手順と、通常に筆記された文字
の認識結果を、丁寧に筆記された前記文字と同じカテゴ
リーの文字の認識結果またはその候補文字から利用者に
よって選択された正解文字を用いて修正するか、通常に
筆記された文字の特徴と丁寧に筆記された文字の認識結
果を認識辞書に登録するか、通常に筆記された文字の認
識結果のうち、利用者によって指定された、認識に悪影
響を及ぼすカテゴリーあるいはサブカテゴリーの認識結
果を認識辞書から削除する手順とを含む。

【０００６】

【作用】本発明は、文字認識によって認識できない文字
が生じた場合、その文字パターンの特徴と文字コードと
を、利用者が文字認識装置に教え、次回からの文字認識
ができるようにするために、文字コードの教示の方法と
して、認識できない文字の特徴の文字コードの付与に、
別途、丁寧に記入した文字の認識結果の情報（候補文字
を選択することによって得られる情報）を用いて行うよ
うにしたものである。また、認識辞書のカテゴリー、あ
るいはサブカテゴリーを削除したりできるようにしたも
のである。

【０００７】この方法を実現するために、本発明の認識
辞書変更方法では、通常に筆記された文字を認識したと
きに抽出される文字パターンの特徴と認識結果の情報を
保存しておき、一方では、入力文字が認識できるように
丁寧に書いたときの文字パターンの特徴や認識結果の情
報をも保存しておく。そして、保存されている情報の関
係（どの文字パターンがどの文字コードに対応するの
か、およびどの認識用の特徴が認識誤りを生じさせてい
るのか）を、利用者が教えることができるようにしてい
る。このような構成を取ることによって、これまで認識
できなかった文字を、次回から認識できるようにするこ
とができるとともに、文字コードを教える場合の操作が
容易になる。

【０００８】

【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【０００９】図１は本発明の一実施例で、文字認識装置
のブロック図、図２はその動作を示すフローチャートで
ある。

【００１０】文字パターン入力部１は、認識辞書を即時
に変更する場合、筆記情報としてのストローク情報やイ
メージ情報などの文字パターン情報を認識装置内に取り
込む処理を行う。

【００１１】文字認識部２は、入力パターンからそのパ
ターンの特徴を抽出して認識辞書３内の標準特徴（認識
辞書内にはパターンを認識するためにカテゴリーやサブ
カテゴリーごとに特徴のセットが用意され、それに辞書
番号と文字コードが付与されている）と照合し、最も類
似しているカテゴリーから順に認識結果としてイメージ
パターンとともに出力する。

【００１２】通常筆記情報格納部４は、操作入力部７か
らの指令に基づいて、認識結果や入力パターンのイメー
ジ情報を格納する。

【００１３】丁寧筆記情報格納部５は、操作入力部７か
らの指令に基づいて、認識結果や入力パターンのイメ−
ジ情報を格納する。

【００１４】認識辞書制御部６は、操作入力部７からの
指令に基づいて、認識結果の情報と既存の認識辞書３と
の情報から「認識辞書３内のどの部分に、認識用の特徴
とその文字コードとを登録するのか」を、認識辞書３の
辞書番号ごとに制御する。

【００１５】操作入力部７では、利用者が認識結果を通
常筆記情報格納部４と丁寧筆記情報格納部５のどちらに
格納するのか、認識辞書３にどの特徴と文字コードとを
対応づけて登録するのか、どの辞書番号の特徴を変更す
るのかなど判断をしたり、情報を入力する処理を行う。

【００１６】出力部８は文字認識装置の最終的な認識結
果を出力する。

【００１７】次に、本実施例の動作について図２のフロ
ーチャートを用いて説明する。認識対象の文字は文字パ
ターン入力部１から入力されて文字パターンに変更さ
れ、次に個々の文字パターンが検出される（ステップ１
１）。検出された文字パターンは文字認識部２に送られ
て、そのパターンの特徴が抽出されるとともに、認識辞
書３の標準特徴と照合され、標準特徴に最も類似してい
るものから順序付けされ、認識結果として出力される
（ステップ１２）。このとき、この認識結果等の情報は
操作入力部７からの指令に基づいて、筆記条件が通常筆
記の場合は通常筆記情報格納部４に格納される（ステッ
プ１４）。連続認識の場合は、認識結果の第１位の候補
文字が十分類似していると確信を持って判定された場合
は認識結果の第１位候補を認識装置の認識結果として出
力部８から出力する（ステップ１８）。このとき、認識
結果の第１位候補が確信が持てない場合は、通常筆記情
報格納部４に保持した認識結果の候補文字の中から正解
文字を選択して文字コードを出力する。この操作を行っ
たときに、次回からの認識ができるように、選択された
正解文字の文字コードと特徴が認識辞書３の中に格納さ
れる（ステップ１６）。このような認識辞書の即時作成
において、通常筆記情報の候補文字の中に正解文字が出
現しなかった場合は操作入力部７からの指令に基づい
て、次回に丁寧に筆記されて入力された文字パターンの
認識結果を丁寧筆記情報格納部５に格納し（ステップ１
５）、その候補文字を操作入力部７のデスプレイ（入力
表示一体型の表示画面）に表示して、その中から正解文
字を選択することによって（ステップ１７）、略字や続
け字等の文字パターンの特徴と文字コードとの対応づけ
を行ない、それらを認識辞書３に登録する（ステップ１
６）。

【００１８】図３は認識辞書３の変更の例を示した操作
入力部７の表示画面を示す図である。通常に筆記された
文字パターン２１と丁寧に筆記された文字パターン２２
が表示され、通常に筆記された文字パターン２１の認識
結果の候補文字群２３と、丁寧に筆記された文字パター
ン２２の認識結果の候補文字群２４が同一画面上に表示
されている。利用者は、候補文字群２４の候補文字の中
から正解の文字２６を選ぶことによって装置に文字コー
ドを知らせる。認識辞書制御部６はこれを候補文字群２
３の候補文字２５の代りに登録する。

【００１９】このようなシステム構成と処理の流れとを
取ることによって、続け字や略字等の文字に対しても、
操作入力部７から丁寧な文字を入力し、その認識結果か
ら正解文字を選択する単純な操作で認識辞書３の性能を
向上させることができる。なお、文字パターンの入力に
際しては通常筆記パターンの認識結果の格納と、丁寧に
筆記された文字パターンの認識結果の格納との順序を逆
にしても、同じ結果を得ることができる。

【００２０】図４は認識辞書３の認識用特徴の削除の例
を示した操作入力部７の表示画面を示す図である。通常
に筆記された文字パターン３１，３２とそれぞれの候補
文字群３４，３５および丁寧に筆記された文字パターン
３３とその候補文字群３６が同一画面に表示されてい
る。ここで、候補文字３６₁ と３５₃ は同じであり、候
補文字３６₂ と３５₁ と３４₃ は同じであり、候補文字
３６₃ と３５₂ と３４₂は同じであり、候補文字３６₄
と３４₁ は同じである。候補文字群３４の２番目に正解
文字が出現しており、候補文字群３４の先頭の候補文字
３４₁ は候補文字群３５には現われず、また候補文字群
３６の最後の候補文字３６₄ と同じであり、文字パター
ン３１の候補文字を出力する際に、認識に悪影響を及ぼ
すので、操作入力部７からの指示により候補文字３４₁
を認識辞書３から削除する。

【００２１】これによって認識辞書３の性能を認識装置
の利用者や認識対象の文字品質に適合させることができ
る。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、認識で
きない文字が生じた場合、その文字パターンの特徴と文
字コードを、別途、丁寧に記入した文字の認識結果の情
報を用いて利用者が文字認識装置に教えるようにしたの
で、認識辞書の変更を短時間に、かつ容易に行うことが
でき、しかも認識の精度を向上させることができるの
で、利用者にとっては認識精度が高くて使いやすい装置
を、短時間の操作で得ることができるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の文字認識装置のブロック図
である。

【図２】図１の実施例の動作を示すフローチャートであ
る。

【図３】ディスプレイの表示画面の例を示す図である。

【図４】ディスプレイの表示画面の他の例を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ 文字パターン入力部 ２ 文字認識部 ３ 認識辞書 ４ 通常筆記情報格納部 ５ 丁寧筆記情報格納部 ６ 認識辞書制御部 ７ 操作入力部 ８ 出力部 １１〜１９ ステップ ２１，３１，３２ 通常筆記パターン ２２，３３ 丁寧筆記パターン ２３，２４，３４〜３６ 候補文字群 ２５，２６，３４₁ 〜３４₃ ，３５₁ 〜３５₄ ，３６₁
〜３６₄ 候補文字

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 直樹 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 鈴木 章 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 文字認識に用いられる認識辞書を変更す
   る認識辞書変更方法であって、 通常に筆記された文字を認識し、そこで得られた文字の
   特徴と認識結果の情報を保持する手順と、 丁寧に筆記された、前記文字と同じカテゴリーあるいは
   候補文字と同じカテゴリーの文字を認識し、そこで得ら
   れた認識結果の情報を保持する手順と、 通常に筆記された文字の認識結果を、丁寧に筆記された
   前記文字と同じカテゴリーの文字の認識結果またはその
   候補文字から利用者によって選択された正解文字を用い
   て修正するか、通常に筆記された文字の特徴と丁寧に筆
   記された文字の認識結果を認識辞書に登録するか、通常
   に筆記された文字の認識結果のうち、利用者によって指
   定された、認識に悪影響を及ぼすカテゴリーあるいはサ
   ブカテゴリーの認識結果を認識辞書から削除する手順と
   を含む認識辞書変更方法。