JPH08135982A - 高周波加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、着脱容易で、皿受け台を想定して
いない発売済みの機器にも簡単に装着でき、棚位置を任
意に設定できる皿受けレールを提供する。 【構成】 加熱室１上面の天板３に設けた凹部または凸
部に、皿受けレールの上端部を係合させて保持し、加熱
室両側壁２、８に接触するように取り付ける構成、また
は前記加熱室側壁面２、８と接触する部分と、加熱室底
面２、８に接する部分との間の寸法を皿受けレール２０
の自重によるモーメントで、加熱室側壁面２、８側に倒
れるように変移させた構成とした。 【効果】 加熱室側壁面に押えつけるだけの簡単な操作
で、簡単に着脱でき、かつ加熱室側へ倒れない安定した
皿受けレールとなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は皿受けレールに調理用受
け皿を置いて調理する高周波加熱装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より電熱装置付高周波加熱装置に於
いては、一般に加熱室両側壁面に凸部を一体に成型して
皿受けレールとする方法や、高周波によるスパーク等の
障害を避けるため、加熱室両側壁面に金属製のピンを設
け、着脱自在とした皿受けレールを前記ピンに装着する
方法等が取られていた。しかし例えば業務用の高周波加
熱装置等では、お客様に食を提供する目的のため一般家
庭用機器以上の厳しい要求があり、調理物の種類や量、
及び特定の定形で定量の複合食材の均一加熱に最も適し
た調理の位置は各々異なる場合が多く、前記加熱室側壁
面一体の皿受けレールでは対応しきれず、後者の金属製
のピンに装着する着脱式皿受けレールでは、着脱に手間
を要し、金属ピンを介しているため食品カス等によるス
パークの原因になる等、課題を有していた。

【０００３】以下図５、６、とともに従来例について説
明する。図５は前記加熱室両側壁面に凸部を一体に成型
して皿受けレールとする方法で、加熱室１を構成するオ
ーブンの側壁２及び８に一体に成型して対称に設けた皿
受けレール２２に調理用受け皿１７を載置するもので、
電熱やガスの燃焼熱を利用した加熱装置や、電熱装置付
高周波加熱装置に一般に用いられている方法である。

【０００４】図６は他の従来例で、加熱室１を構成する
オーブンの側壁２及び８に各々カシメ２７等で固定され
た頭付きの金属製のピン２６を設け、このピン２６に脱
着可能とし、皿受け部２５を有する皿受けレール２４を
装着し、調理用受け皿１７を載置するものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構成に於いては、まず図５による従来例で
は、皿受けレール位置が固定され食材等に応じた任意の
受け皿位置が設定できない。また図６による従来例で
は、皿受けレールが着脱可能のため、食材に応じた皿受
けレールを準備することで対応できるが、加熱室側壁面
に固定されたピンに係合させて装着しなければならず、
装着に手間を要すると共に、金属製のピンのため食材に
よっては微妙に分布を乱す可能性がある。また食品カス
等の付着によりスパーク等の高周波障害の原因となり、
皿受けレールを低誘電率よりなる合成樹脂とした場合、
前記スパークによる熱で変形や溶け、最悪の場合は燃焼
に繋がる等の課題を有する。さらに、皿受けレールを設
けていない発売済みの機器に関しては、従来例によって
は皿受けレール対応は不可能である。

【０００６】本発明は上記課題を解決するとともに、よ
り着脱容易な皿受けレーを提供することを第１の目的と
し、皿受けレールのない発売済みの機器にも簡単に装着
できる高周波加熱機器用の皿受けレールを提供すること
を第２の目的とし、第３の目的は皿受けレールの材料を
透明材とすることで、一般に加熱室側壁面に設ける庫内
照明ランプ位置による制約を受けることなく、皿受けレ
ールの棚位置を任意に設定できる皿受けレールを提供す
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで前記第１の目的を
達成するために本発明による皿受けレールは、加熱室側
壁面に接触するように設け、下部は加熱室底面に置き、
上部は加熱室に高周波を導き入れる開口部を閉塞する天
板に設けた凸部または凹部に係合させる構成とするもの
である。

【０００８】また第２の目的を達成するために本発明に
よる皿受けレールは、前記同様に加熱室側壁面に接触す
るように設け、下部は加熱室底面に置く構成で、加熱室
底面に接する部分と加熱室側壁面に接触する部分との寸
法を変移させた構成とするものである。

【０００９】また第３の目的を達成するため本発明で
は、皿受けレールの材料を透明材とするものである。

【００１０】

【作用】本発明は、上記した構成によって請求項１では
皿受けレールの上部を、その上部に設けた加熱室に高周
波を導き入れる開口部を閉塞する天板に設けた凸部また
は凹部に係合させる構成とするため、加熱室側壁面に接
触するようにその下部を加熱室底面置くだけの構成にも
かかわらず、加熱室側に倒れることなく保持される。ま
た皿受けレールの取付けも加熱室底面と、加熱室側壁面
に傾斜させて置き、側壁側へ押すだけで片手で簡単に取
付けられる。

【００１１】また、加熱室底面に接する部分と加熱室側
壁面に接触する部分との寸法を変移させ、皿受けレール
の自重によるモーメントで必ず加熱室側壁面側へ倒れる
構成とするため、前述のように本体側に凹凸等を設けて
係合させることなく、安定して倒れない、より簡単で脱
着容易な皿受けレールとなり、また本体側への凹凸等の
細工が一切不要なため、皿受けレールのない発売済みの
機器にも簡単に対応できる。

【００１２】また、皿受けレールを低誘電率材料でかつ
透明な材料で構成するもので、一般に加熱室側壁面には
調理中の被加熱物を見やすくするため照明ランプを設け
るが、透明な材料とすることで皿受けレールの棚位置を
照明ランプの位置の制約を受ける事なく、任意に設定で
きる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとずいて説
明する。

【００１４】図１は本発明の一実施例を示す高周波加熱
装置の全体構成図で、加熱室１の両側壁２及び８に接触
するように設けた着脱可能な皿受けレール４の、皿受け
部５に調理用受け皿１７を置き、受け皿１７上で被加熱
物２８を調理するするものである。一方高周波は高周波
発振装置９より発生し、導波管１０を経て加熱室の開口
部１１より加熱室１に供給されるが、一般に開口部１１
近傍には電波攪拌用のスタラー羽根１２が設けられモー
タ１３で回転駆動されるが、前記開口部１１及び回転駆
動されるスタラー羽根１２が加熱室１に露出するのを遮
蔽するため、上部給電の場合は加熱室１の上部に低誘電
率材料よりなる天板３が設けられる。

【００１５】また下方給電の場合は同じく低誘電率材料
よりなり、被加熱物を直に於いても耐える強度を有する
耐熱ガラスよりなる皿受け台１４で遮蔽する。前記皿受
けレール４と調理用受け皿１７を使用しない場合は、こ
の皿受け台１４の上に被加熱物を置き加熱調理するもの
である。

【００１６】また加熱室１の少なくとも一つの側壁面８
の加熱室外には加熱室１照明用のオーブンランプ６を設
け、側壁面８に設けた複数個のパンチング孔１６を通じ
てランプ６の照明は加熱室１に導き入れられる。７はラ
ンプ６用の反射板である。

【００１７】このように構成された高周波加熱装置に於
いて、前記皿受けレール４は図２に示すように、加熱室
１上部の天板３に設けた凹部イに対応する、皿受けレー
ル４の上部に凸部ロを設け、天板３の凹部イに皿受けレ
ール４の凸部ロを係合させることで倒れ防止とするもの
である。Ａは皿受けレールの装着状態を示し、Ｂ（２点
鎖線）は装着前の状態を示すもので、装着時皿受けレー
ルはＢに示すように加熱室１の底面となる例えば皿受け
台１４と、側壁面２にもたれさせるように置き、側壁面
２に押し付けるように矢印Ｆ方向に押すことにより、皿
受けレール４の上端部は側壁面２に添って矢印Ｓ方向に
移動し、上端部に設けた前記凸部ロは前記天板に設けた
凹部に係合し、皿受けレール４はＡの状態に装着される
ものである。

【００１８】次に本発明の他の実施例を図３を用いて説
明する。天板３に皿受けレール１８の上端部の厚さハを
挿入するための突起１９を設け、図２の実施例と同様な
操作で皿受けレール１８の上端部を前記突起１９で構成
される挿入部ハに係合させて上端部を保持して倒れ防止
とするものである。突起１９の高さニは、皿受けレール
上端部を保持するに必要な寸法とする。

【００１９】なおＢ２（２点鎖線）は前記同様皿受けレ
ール１８の装着前の状態を示し、皿受けレール１８を矢
印Ｆ方向に押すことによりは装着状態Ａ２となる。

【００２０】つまり図２および図３による実施例は、天
板３に凸部の突起１９あるいは凹部イを設け、皿受けレ
ールの上端部をこの突起１９あるいは凹部に係合させて
保持し倒れ防止ととするもので、加熱室側壁２及び８側
へ押すだけで極めて簡単に取りつけることができる。

【００２１】次に本発明の第２の発明を図４を用いて説
明する。装着前Ｂ３（２点鎖線）は加熱室底面となる皿
受け台１４と、側壁面２にもたれさせるように置き、側
壁面２に押し付けるように矢印Ｆ方向に押すことで、皿
受け部５を有する皿受けレール２０を加熱室側壁面２接
触するように取りつける（取付け状態はＡ３で示す）点
は前記実施例に同じであるが、本発明に於いては皿受け
レール２０の下端部２１を、加熱室底面となる皿受け台
１４と接触する部分ｂと、側壁面２と接触する部分ａと
の間を、寸法Ｌの距離を設けるものである。

【００２２】なお、Ａ３は皿受けレールの取付け状態を
示し、Ｂ３（２点鎖線）は装着前状態を示す。

【００２３】このような構成にすると、取付け状態Ａ３
に於いて皿受けレール２０は側壁面２に接触し、ほぼ垂
直に取り付けられるため、前記ａ点に皿受けレール２０
のほぼ全重量Ｗが作用し、ｂ点は前記皿受け台１４に当
接し皿受けレール２０の自重を受ける支持点となり、支
持点ｂと重量Ｗの作用点ａとの間に寸法Ｌの距離を設け
ることで、皿受けレール２０は側壁面２側へ倒れるよう
なモーメントＭが作用し、前記図２、図３の実施例のよ
うに皿受けレール２０の上端部を他の手段で保持するこ
となく、安定して加熱室１側へ倒れにくい取付け状態を
得ることができるものである。

【００２４】また、上記のように皿受けレール２０の上
端部を他の手段で保持する必要がないため、皿受けレー
ル２０以外の加熱室１側の部材は保持のための凹凸等の
細工が一切不要となり、よって本来皿受けレールのない
発売済みの機器にも簡単に取り付けられる皿受けレール
を提供できるものである。

【００２５】なお、前記ａ点とｂ点間の距離Ｌは、許さ
れる限り大きく取るほど倒れ防止の効果は大きくなるの
は言うまでもない。

【００２６】また、上記した皿受けレールの材質を低誘
電率でかつ透明な材料で構成することにより、図１に示
す加熱室１照明用のオーブンランプ６による、皿受けレ
ールの形状への制約や皿受け部５（棚位置）の位置の制
約がなくなり、任意の形状、棚位置が設定できるものと
なる。

【００２７】以上のように、本発明による高周波加熱装
置の皿受けレールは、従来例の金属製のかしめピン等を
使用しないため前述のような、高周波によるスパークの
原因や着脱の不便さが解消され、また皿受けレール位置
が加熱室側壁面に一体成型された固定式でないため、透
明な材料とすることと合わせて顧客の要望に合わせた任
意の皿受けレールを提供できるものである。

【００２８】

【発明の効果】以上のように、本発明の高周波加熱装置
の皿受けレールによれば以下の効果が得られる。

【００２９】（１）皿受けレールを加熱室底面と加熱室
側壁面に斜めに置き、側壁面側に押し付けるだけの操作
で、加熱室上面の天板に設けた凹部又は凸部に簡単に係
合するようにしたため、簡単な操作で確実に皿受けレー
ル上端部が保持され、加熱室側へ倒れない安定した皿受
けレールとなり、しかも極めて容易に脱着ができる皿受
けレールが提供できる。

【００３０】（２）加熱室底面に接する部分と加熱室側
壁面と接触する部分との間の寸法を、皿受けレールの自
重によるモーメントで加熱室側壁面側に倒れるように変
移させたため、前記（１）に記述の皿受けレール以外の
部材に凹凸等の細工の必要が無いため、本来皿受けレー
ルのない発売済みの機器にも簡単に取り付けられる皿受
けレールを提供できるものである。

【００３１】（３）皿受けレールの材質を低誘電率でか
つ透明な材料で構成するため、一般に設けられる加熱室
照明用のオーブンランプ等による、皿受けレールの形状
への制約や皿受け部（棚位置）の位置の制約がなくな
り、任意の形状、棚位置が設定できるものとなる。

【００３２】もちろん本発明による高周波加熱装置の皿
受けレールは、従来例のように金属のかしめピン等を使
用しない構成のため、高周波によるスパークの原因、着
脱の不便さ等の課題が解消されるとともに、透明な材料
とすることと合わせて顧客の要望に合わせた任意の皿受
けレールを提供できる等、従来の課題を極めて簡単な構
成で解消するもので極めて実用的価値の高いものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による高周波加熱装置の断面
構成図

【図２】本発明の他の実施例の高周波加熱装置の要部断
面図

【図３】本発明の他の実施例の高周波加熱装置の要部断
面図

【図４】本発明の他の実施例の高周波加熱装置の要部断
面図

【図５】従来例による高周波加熱装置の断面構成図

【図６】他の従来例による高周波加熱装置の断面構成図

【符号の説明】

１ 加熱室 ２、８ 加熱室側壁 ３ 天板 ４、１８、２０、２４ 皿受けレール ５ 皿受けレールの皿受け部 ６ オーブンランプ ９ 高周波発振装置 １４ 皿受け台 １７ 調理用受け皿

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】加熱室と、加熱室に高周波を照射するよう
   に結合された高周波発振装置と、加熱室に高周波を導き
   入れる開口部と、前記開口部を閉塞する低誘電率材料よ
   りなる天板とを上部に備え、前記加熱室内の両側壁面に
   は調理用受け皿を載置する低誘電率材料で構成した着脱
   自在の皿受けレールとを有し、前記加熱室両側壁面に着
   脱自在に設けた皿受けレールは、下部は加熱室底面に置
   き、加熱室側壁面に接触するように設け、その上部は前
   記天板に設けた凸部又は、凹部に係合させる構成とする
   高周波加熱装置。
2. 【請求項２】前記皿受けレールは、前記加熱室底面に接
   する部分と、前記加熱室側壁面に接触する部分との間の
   寸法を、皿受けレールの自重によるモーメントで加熱室
   側壁面側に倒れるように変移させる構成とした高周波加
   熱装置。
3. 【請求項３】前記皿受けレールを低誘電率材料でかつ透
   明な材料で構成した、請求項１または請求項２記載の高
   周波加熱装置。