JPH0813526B2 - 布地付接着剤シート - Google Patents

布地付接着剤シート

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JPH0813526B2
JPH0813526B2 JP5051811A JP5181193A JPH0813526B2 JP H0813526 B2 JPH0813526 B2 JP H0813526B2 JP 5051811 A JP5051811 A JP 5051811A JP 5181193 A JP5181193 A JP 5181193A JP H0813526 B2 JPH0813526 B2 JP H0813526B2
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polyurethane
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数雄 塘
律雄 木村
秀男 西
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Bando Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加硫ゴムとポリウレタ
ンとを積層一体化してなる加硫ゴム製品の製造に使用さ
れる布地付接着剤シートに関する。
【0002】
【従来の技術】加硫ゴムを、例えば履物の接地底面の素
材として使用する場合には、加硫ゴム素材と半硬質ポリ
ウレタン等の合成樹脂製品もしくは皮革製品等とを強力
に接着することで、大きな外力に適応した耐久性をもた
せる必要がある。
【0003】従来の接着処理では、加硫ゴム素材をいっ
たんプレス成形した後、その接着面をバフ掛けして粗面
化し、その面を塩素化処理、続いてプライマー処理し、
さらに接着剤処理を行う等、極めて複雑な処理工程が必
要であり、このような処理を行っても、その接着性は満
足すべきものとはいえなかった。
【0004】また、このような問題を解決すべく、特公
昭63−28021号公報に開示されるごとく、成形用
金型内に未加硫ゴム組成物を装填し、その少なくとも一
面に特定の組成と物性とをもった熱可塑性ポリウレタン
の有孔フィルムを装填した後、一定の熱圧をかけて両者
を積層一体化し、ゴム製品の表面に予めポリウレタン薄
層を形成することにより、半硬質ポリウレタン、合成樹
脂製品等との接着力を増大させる方法が提案されている
が、この製造方法においては、以下のような問題があっ
た。
【0005】 加熱加圧時に加硫ゴム製品に付帯して
生ずるバリの除去に余分の工数がかかる。
【0006】 得られた加硫ゴム製品の表面に形成さ
れたポリウレタン薄層の面の状態が平滑なために、これ
を半硬質ポリウレタン等の合成樹脂製品あるいは皮革製
品等と接着するときにアンカー効果が働かない。
【0007】 加熱,加圧時において、ポリウレタン
フィルムとゴム組成物の収縮率の差により、製品に反り
が生じる。
【0008】 ポリウレタンフィルムが直接金型に接
着し、金型表面のさびや汚れがフィルム面に付着して接
着性が悪化する。
【0009】そこで、特開平3−162955公報に開
示されるごとく、ポリウレタンを布地に積層してなる基
布のポリウレタン薄層側を未加硫ゴム組成物と接するよ
うに重ね合わせ、加熱加圧して未加硫ゴム組成物を加硫
するとともに、ポリウレタン薄層を該ゴム組成物表面に
接着させ、その後布地を剥離することにより、加硫ゴム
とポリウレタンとを積層一体化してなる加硫ゴム製品を
製造する方法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記後者の公報による
加硫ゴムの製造方法では、布地の剥離の際、ゴムとポリ
ウレタンからなる箔状部をバリゴムとともに布地に絡め
てゴム製品から容易に分離させることでゴムバリの除去
が容易となり、布地の剥離で生じた凹凸によってポリウ
レタン薄層のアンカー効果が得られるほか、製品の反り
の解消や製造時における金型の汚れの防止をも実現する
ことができ、上記前者の公報における問題点は略解決さ
れている。
【0011】しかしながら、その場合でも、ゴム組成物
とポリウレタンフィルムとの接着性が確実とはいえず、
そのためポリウレタンフィルムの表面にプライマー処理
を行う必要があった。また、加硫ゴム製品の製造時にお
いて、金型が曲面を有する場合における基布の曲面への
適合性、布地の剥離性、汚れの付着防止等に関し、基布
について改良すべき問題が残っている。
【0012】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、上記後者の公報における加硫ゴム製
品の製造方法において使用される基布を、基布のポリウ
レタン薄層の上に予めゴム薄層が形成された布地付接着
剤シートとしておくことにより、未加硫ゴム組成物とポ
リウレタンフィルム及びゴムシート面とポリウレタンフ
ィルムとの接着性の向上を図り、かつ上述のような製造
上の不具合を解消し得る布地付接着剤シートを提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の講じた手段は、布地付接着剤シー
トの布地とは反対側の面を未加硫ゴム組成物表面と接す
るように重ね合わせ、加熱加圧して未加硫ゴム組成物を
加硫すると共に布地付接着剤シートを該ゴム組成物表面
に接着させ、その後布地を剥離するようにした加硫ゴム
製品の製造に使用される布地付接着剤シートを前提とす
る。
【0014】そして、布地付接着剤シートに、布地上に
形成されたポリウレタン薄層と、該ポリウレタン薄層の
上に形成され、加硫ゴム製品の製造時に上記未加硫ゴム
と接する層となるゴム薄層とを設ける構成としたもので
ある。
【0015】請求項2の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、上記布地を構成する繊維を、耐熱
性を有する合成繊維としたものである。
【0016】請求項3の発明の講じた手段は、上記請求
項2の発明において、上記布地を構成する繊維を、ポリ
エステル繊維としたものである。
【0017】請求項4の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、上記布地を、緯方向に伸縮性を有
するものとしたものである。
【0018】請求項5の発明の講じた手段は、上記請求
項4の発明において、上記緯方向に伸縮性を有する布地
をトリコット編布としたものである。
【0019】請求項6の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、上記ポリウレタン薄層を、ポリウ
レタン100重量部とジイソシアネート3〜5重量部と
の2液配合物で構成したものである。
【0020】請求項7の発明の講じた手段は、上記請求
項1の発明において、ゴム薄層を、アクリロニトリル・
ブタジエンゴム又はNBR−PVCブレンド材で構成し
たものである。
【0021】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、加硫
ゴム製品の製造に際し、箔状バリの除去が容易となり、
ポリウレタン薄層のアンカー効果により接着力が向上
し、ポリウレタン薄層の強度向上により製品の反りが防
止され、ポリウレタン薄層面への汚れの付着防止により
接着力が向上し、布地のガス抜き作用による空気やガス
溜まり発生が防止される等に加えて、ゴム薄層を介して
布地付接着剤シートと未加硫ゴムとの接着が行われるの
で、両者の接着性が向上する。
【0022】請求項2の発明では、布地を構成する繊維
が耐熱性繊維であるために、接着時の加熱に対する抵抗
性が確保されるとともに、合成繊維はケバが少ないこと
から、布地を剥がした後のポリウレタン薄層表面への繊
維の付着が低減する。
【0023】請求項3の発明では、上記請求項2の発明
の作用において、ポリエステル繊維の特性から、加熱時
における布地の収縮が少なくなり、金型との適合性が特
に良好となる。
【0024】請求項4の発明では、布地付接着剤シート
の布地が緯方向に伸縮性を有することから、縦方向に布
地を剥がすことで剥離性を確保しながら、緯方向に伸縮
することで曲面状の金型に対する適合性が向上すること
になる。
【0025】請求項5の発明では、上記請求項4の発明
の作用において、トリコット編布が特に緯方向に伸縮性
が大きい特性から、請求項4の発明の作用が顕著とな
る。
【0026】請求項6の発明では、布地付接着剤シート
のポリウレタン薄層の軟らかさが最適なものとなり、布
地への浸透が抑制されることで、加硫後の布地の剥離性
が良好となる。
【0027】請求項7の発明では、ゴム薄層を介する布
地付接着剤シートと未加硫ゴムとの接着性等の適合性が
良好となる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
き説明する。
【0029】図1は、本発明にいう布地付接着剤シート
1の断面構造を示し、該布地付接着剤シート1は、ポリ
エステルトリコット編布等の緯方向に伸縮性のある編布
又は緯糸が捲縮系からなる織物で構成される布地10の
上にポリウレタン薄層11及びNBR等のゴムからなる
ゴム薄層12を順次設けたものである。
【0030】次に、図2の(a)〜(d)は、上記布地
付接着剤シート1を使用した加硫ゴム製品の製造方法を
示し、まず、成型用下金型4内に未加硫ゴム組成物2を
予め慣用技術に基づきゴムのバリがでる程度の量を秤量
して装填し、この未加硫ゴム組成物2の上面に、予め準
備された上述の布地付接着剤シート1をそのゴム薄層1
2がゴム組成物2と接するように重ねて置く(同図の
(a)参照)。
【0031】次に、上金型3を閉じて金型温度120℃
〜180℃程度、プレス圧100kg/cm2 〜200kg/
cm2 程度で3〜10分間程度熱圧をかけて該布地付接着
剤シート1のゴム薄層12をゴム組成物2上に接着させ
る(同図の(b)参照)。このとき、余剰のゴム組成物
2は、上・下金型3,4のパーティングラインを通り溝
6でゴムが突き出たバリゴムbgを生ずるとともに、ポ
リウレタン薄層11及びゴム薄層12はパーティングラ
イン部に残留して、バリゴムbgとつながった厚さ0.
01mm〜0.1mm程度の薄い箔状部fを形成する。
【0032】そして、上金型3を開けた後、温度が高い
うちにバリゴムbgの絡んだ布地10を剥ぎ取ると、上
記箔状部fは布地10に絡まってゴム製品から完全に分
離される(同図の(c)参照)。
【0033】このようにして得られた加硫ゴム2上にゴ
ム薄層12を介して積層接着されたポリウレタン薄層1
1の表面には、布地10の面が転写されて細かい凹凸5
が形成されている(同図の(d)参照)。
【0034】なお、通常下金型4に設けられている意匠
の彫りこみが緩慢な場合、バリゴムbgの絡んだ布地1
0を掴むとゴム製品が容易に下金型4より取り出されて
くることがある。このような場合には、取り出しながら
直ちに、バリゴムbgの絡んだ布地10とゴム製品の端
末とを各々掴み引き剥がすことにより、目的とするゴム
製品が得られる。
【0035】以上のようにして得られる加硫ゴム製品
は、例えば履物の接地底面として使用することで、実用
的なものとなる。すなわち、該加硫ゴム製品は、そのポ
リウレタン薄層11の表面に細かい凹凸を有するため
に、ポリウレタン原液を用いた履物底の射出成形により
履物の接地底面として設けられる際、履物底本体のポリ
ウレタン薄層11に対してアンカー効果が働き、プライ
マー、接着剤などを一切使用することなく設けることが
できる。
【0036】次に、上記加硫ゴム製品を履物の接地底面
として用いる方法を、図3に基づき説明する。
【0037】図3は、ラスト21に胛被24をつり込
み、これに履物底部成形用のサイドモールド22及びボ
トムモールド23を組み合せ、これらによって形成され
るキャビティへ注入口aからポリウレタン原液を注入す
るダイレクトソーリング法を説明するものである。同図
から明らかなように、加硫ゴム製品27のポリウレタン
薄層11を上方に向けてボトムモールド23の所定の位
置に受け入れ保持し、この状態で常法通り、キャビティ
内にポリウレタン原液を注入し、発泡させて発泡ポリウ
レタン薄層28を形成する。このとき、加硫ゴム製品2
7には、従来方法のようにプライマー、接着剤などを塗
布する必要はない。以下、常法通り処理することによ
り、加硫ゴム製品27を接地底面として有する履物を得
ることができる。
【0038】また、上記のようにダイレクトソーリング
法を用いずに、履物の底本体を成形した後、胛被及び中
底と張り合わせることによって履物を得ることもでき
る。この履物の底本体は、履物底部成形用の型を用い
て、常法通り成形することができる。例えば、図4に示
すように、加硫ゴム製品33のポリウレタン薄層11を
上方に向け下型32の所定の位置に受け入れ保持し、上
型31と下型32とを組み合せて形成されるキャビティ
へポリウレタン原液を注入して、発泡させ、発泡ポリウ
レタン薄層35を形成する。その後、常法通り成形する
ことで加硫ゴム製品33を接地底面として有する履物の
底本体を得ることができる。この場合も、上記と同様、
加硫ゴム製品にプライマー、接着剤などを塗布する必要
は全くない。
【0039】したがって、上記実施例では、下記のよう
な作用効果が得られる。
【0040】(1).パーティングライン部に生じるバ
リゴムbg,ゴム薄層12及びポリウレタン薄層11か
らなる箔状部fは、布地10の剥離の際、バリゴムbg
とともに布地10に絡まってゴム製品から完全に分離さ
れるために、従来技術的に大きな問題となっていた厚さ
0.01mm〜0.1mm程度の箔状バリの除去を極め
て容易に実施することができる。
【0041】(2).加硫ゴム製品は、加硫ゴム2の上
にゴム薄層12を介して接着されたポリウレタン薄層1
1の表面に布地10の面が転写され、細かい凹凸5が形
成されているので、この加硫ゴム製品を履物底の接地面
用等に用いると、半硬質ポリウレタン等の合成樹脂製品
或は皮革製品等と接着するときにアンカー効果が働く結
果、両素材の接着力が著しく向上し、従来のような接着
剤の選定並びに繁雑な接着作業を省略することが可能で
ある。
【0042】(3).加硫ゴム製品の製造法における加
熱加圧の際、未加硫ゴム組成物2が成型用金型内キャビ
ティに沿って動いても、ゴム組成物2上のポリウレタン
薄層11は布地10によって支持されているために、薄
いものであっても裂け目を生じるようなことはない。従
って従来のようにポリウレタン薄層11を必要以上に厚
くして強靭性を持たせる必要もない。また、その結果、
成型後の加硫ゴム製品は、ゴムの柔軟性が阻害されるこ
となく、またポリウレタン薄層11の収縮率の影響を受
けて製品に反りを生じるようなこともない。
【0043】(4).加硫ゴム製品の製造法における加
熱加圧の際、成型用金型3,4内において、ポリウレタ
ン薄層11は布地10によって保護されているので、直
接金型3,4に接触しない。従って金型3,4表面の
錆、汚れなどがポリウレタン薄層11の表面に付着して
接着を阻害することもない。
【0044】(5).加硫ゴム製品の製造法における加
熱加圧の際、布地10の布目がガス抜きの作用をするた
めに、成型用金型3,4とポリウレタン薄層11もしく
は未加硫ゴム組成物2との接触面に空気やガス溜まりを
生じることは全くない。また、布地10が介在するため
に型離れが極めて円滑である。
【0045】加えて、 (6).加硫ゴム2とポリウレタン薄層11との間にゴ
ム薄層12が介在しているので、加硫ゴム2とポリウレ
タン薄層11とを直接接着させる場合に比べ、接着強度
が増大し、接着性の向上を図ることができる。また、こ
のことにより、ポリウレタン薄層11の表面へのプライ
マー処理を省略し得る。
【0046】上記加硫ゴム製品の製造法において使用さ
れる未加硫ゴムとしては、天然ゴム、スチレン−ブタジ
エン共重合体(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタ
ジエンゴム(BR)など、靴その他のゴム製品の成型材
料に汎用されるゴム類が挙げられ、これらの少なくとも
1種が用いられる。これら未加硫ゴムは、必要に応じて
製造時に公知の充填剤,架橋剤,老化防止剤,軟化剤,
促進剤,活性剤,顔料等を適宜配合され、未加硫ゴム組
成物として使用される。例えば充填剤としては炭酸カル
シウム、微粉ケイ酸、クレーなど;架橋剤としては硫
黄、亜鉛華など;老化防止剤としてはスチレネイテドフ
ェノールなどのフェノール系のものなど;軟化剤として
は高分子脂肪酸エステル類、ステアリン酸などの高級脂
肪酸、ナフテン系オイルなどのプロセスオイル、黒サ
ブ、白サブなどのファクチス、DOPなど;促進剤とし
ては2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジ
ルジサルハイドなどのチアゾール系促進剤、テトラメチ
ルチウラムモノサルハイドなどのチウラム系促進剤な
ど;活性剤としてはジフェニールジシクロヘキシルアミ
ン、ポリエチレングリコールなど;顔料としては、酸化
チタン、ベンガラ、各種有機顔料などをそれぞれ例示す
ることができる。上記未加硫ゴム組成物中のゴム含有率
は、ゴム製品としての機能を失わない限り特に制限され
ず、通常20〜90重量%程度とするのが良い。
【0047】また、布地付接着剤シート1における布地
10としては、例えば天然繊維、合成繊維等の繊維から
なる織布、不織布もしくは編成物などがあるが、耐熱性
合成繊維からなり、緯方向に伸縮性のあるものとするこ
とが好ましい。緯方向に伸縮性を有することで、局面状
の金型に対する形状の適合性が向上し、かつ縦方向には
それほど伸縮性を有しないことで、縦方向から布地10
を容易に剥がすことができるからである。また、未加硫
ゴム2を接着する際に加熱されることから、耐熱性繊維
が好ましく、天然繊維では布地10をはぎ取った後にポ
リウレタン薄層11にケバや汚れが付着する虞れがある
ので、そのような付着物の少ない合成繊維が好ましい。
【0048】特に、布地10の繊維をポリエステル繊維
とすることで、布地10剥がし後の付着物を少なく、か
つ加熱時における繊維の収縮を小さく抑制することがで
きる利点がある。
【0049】さらに、布地10をトリコット編布とする
ことで、緯方向の伸縮性を大きく確保することができ
る。
【0050】また、予め布地10に積層されるポリウレ
タンとは、平均分子量1000〜4000のポリマーグ
リコール類、有機イソシアネート類及び鎖延長剤類のそ
れぞれ少なくとも1種を反応せしめて得られるポリウレ
タンをいう。
【0051】さらに、上記ポリマーグリコール類として
は、例えばポリエチレンアジペートグリコール、ポリプ
ロピレンアジペートグリコール、ポリプチレンアジペー
トグリコール、ポリヘキサメチレンアジペートグリコー
ル及びこれらの共重合グリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等のポリエーテル系ジオール等が挙げられ
る。有機イソシアネート類としては、例えばトリレンジ
イソシアネート(TDI),ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート(MDI),キシリレンジイソ
シアネート(XDI),ナフチレンジイソシアネート
(NDI),ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシア
ネート水素添加物(HMDI),キシリレンジイソシア
ネート水素添加物(HXDI),ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HMDI),イソホロンジイソシアネート
(IDI)が挙げられる。また、鎖延長剤類としては、
活性水素原子2個を有する低分子量ジオール,低分子量
ジアミン等が挙げられる。
【0052】特に、ポリウレタン薄層11を、ポリウレ
タン100重量部と、ジイソシアネート3〜5重量部と
の2液配合物で形成することで、ポリウレタン薄層11
の軟らかさを適度に調整することができ、布地10にポ
リウレタンが含浸して布地10が剥がし難くなったり、
ゴム薄層12との接着性が悪化するのを防止することが
できる。
【0053】上記ポリウレタンは、布地10への積層に
用いられる際、予めフィルム状にされるが、フィルムの
厚みは、ポリウレタン原液を用いる履物底の射出成形時
に本発明加硫ゴム製品の接地底面としての接着力を保持
できる範囲であれば特に制限ないが、薄すぎるとウレタ
ン底との接着力が弱くなり、厚すぎるとコストアップに
なることから、通常加熱加圧成型の前の値で0.015
〜0.030mm程度が好ましい。
【0054】なお、布地10とポリウレタン薄層11と
の接着力は、0.1(kg/cm)以下では加工時(裁断,
搬送及びプレス加工)に剥がれやすく、0.60(kg/
cm)以上では剥がしにくいので、0.2〜0.4(kg/
cm)が好ましい。また、布地付接着剤シート1の軟化点
は、145℃以下では樹脂に浸透して剥がしにくくなる
ことから、150℃±5℃程度が好ましい。
【0055】次に、布地付接着剤シート1において、ポ
リウレタン薄層11の上に積層されるゴム薄層12は、
未加硫ゴム2との接着性を向上させるものであることか
ら、柔軟性及び未加硫ゴム2との馴染みのよいものが好
ましく、特にアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NB
R)又はNBR−PVCのブレンド材が適している。そ
の厚みは、0.015〜0.030mmが好ましい。ただ
し、底ゴムの種類によっては、底ゴムとなる未加硫ゴム
と同種の素材からなるゴム層としてもよい。
【0056】そして、この布地付接着剤シート1全体の
伸びは、縦30−50%、緯100〜150%程度が好
ましい。
【0057】次に、本発明の具体例について説明する。
【0058】(具体例)ポリウレタンフォームのダイレ
クトソーリング法により運動靴を製造するに際し、布地
付接着剤シート1として、ポリエステルのトリコット編
布からなる布地10に、ポリウレタン(大日本インク工
業社製 商品名クリスホン5150S)100重量部に
対し、架橋剤(TDI)(大日本インキ化学工業社製
商品名クリスホンNX)3重量部を用いて、ポリウレタ
ン薄層11を形成した。また、このポリウレタン薄層1
1の上に、NBR−PVCブレンド材(日本合成ゴム社
製商品名 JSR−NV73)を用いて、厚み0.02
0mmのゴム薄層12を形成した。
【0059】次に、靴底の最も摩耗の激しい踏付け部に
ゴム片を接着するべく、下記表1に記載の配合割合で通
常の加工方法により厚さ5mmの未加硫ゴム組成物のシ
ートを得た。
【0060】
【表1】 注) 1) メルカプトベンゾチアゾール 45重量部% ジベンゾチアゾールジサルハイド 45重量部% テトラメチルチウラムモノサルハイド 10重量部% 2) ジフェニールジシクロヘキシルアミン (“アクチングSL”吉富製薬(株)製) 3) ホワイトカーボン(“ニップシールVN3”日本シリカ(株)製) 4) “NA24”出光石油(株)製 5) “ストラクトールWB”西独SCHILL&SEILACHER GmbH製 6) 硫黄ファクチス このシートからゴムのバリが出る程度の容量の未加硫ゴ
ム組成物片2を切取って加硫成型用下金型4内に装填し
た。そして、上記布付接着剤シート1を下金型4を覆う
程度の大きさに裁断し、布付接着剤シート1のゴム薄層
12を上記ゴム組成物片2に接するように重ね合せて、
布付接着剤シート1が上側となるようにして置き(第1
図、上金型3を閉じて金型温度150℃、プレス圧15
0kg/cm2 で5分間ゴムを加硫した。
【0061】このとき余剰の未加硫ゴム組成物2は上・
下金型3,4のパーティングラインを通ってバリゴムb
gを生じた。また、同パーティングライン部では、ゴム
組成物2とゴム薄層12及びポリウレタン薄層11とが
極めて薄い箔状部fとなって、基布10に絡みバリゴム
bgと連続した状態を呈した(図2の(b)参照)。
【0062】上金型3を開けた後製品の温度が下がらな
い内に布付接着剤シート1のバリゴムbgを掴み、これ
に連続した布地10を容易に剥ぎ取ることができた(図
3の(c)参照)。
【0063】このとき、上記箔状部fは布地10に絡ま
ってゴム製品から完全に分離され、ゴム組成物2上には
ゴム薄層12及びポリウレタン薄層11が均一に積層接
着されて残っていた。また、ポリウレタン薄層11の表
面には、布地10の凹凸に対応して細かい凹凸5が転写
されていた(図2の(d))。このようにして目的とす
る加硫ゴム片を得た。
【0064】このゴム片を靴底用モールドの所定の箇所
に保持し、ダイレクトソーリング法による運動靴製造に
際し汎用されるウレタンの発泡性原液を常法に従い注型
し硬化させた。これを試料として、JIS K6301
に規定する試験法で両材料の剥離強度を測定した結果、
上記各配合例A,B,Cのいずれについても、6kgf/c
mの値を示し材料破壊となった。ここで、上記特開平3
−162955公報における接着強度(剥離強度)の試
験においては、未加硫ゴム組成物として上記表1に示す
配合例A,B,Cとまったく同じ組成を有する組成物を
用いながら、本発明のごとくゴム薄層を用いずに布地上
のポリウレタン薄層と未加硫ゴムとを接着させたものに
ついて、3.2〜4.3kgf /cmの剥離強度を得ている
(同公報中の実施例参照)。したがって、ゴム薄層を介
在させることにより、布地付接着剤シートと未加硫ゴム
との接着強度が大幅に向上することが判る。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、布地付接着剤シートを未加硫ゴム組成物に重ね
合わせ、加熱加圧してゴムの加硫と両者の接着とを行っ
た後布地を剥離するようにした加硫ゴム製品の製造に使
用される布地付接着剤シートの構成として、布地上にポ
リウレタン薄層を積層し、さらにこのポリウレタン薄層
の上に未加硫ゴムと接する層となるゴム薄層を積層した
ので、箔状バリの除去の容易化、ポリウレタン薄層のア
ンカー効果による接着力の向上、ポリウレタン薄層の強
度向上による製品の反りの防止、ポリウレタン薄層面へ
の汚れの付着防止による接着力の向上、布地のガス抜き
作用による空気やガス溜まり発生の防止等を図ることが
できるに加えて、ゴム薄層を介して布地付接着剤シート
と未加硫ゴムとの接着を行うことで、両者の接着性の向
上を図ることができる。
【0066】請求項2の発明によれば、上記請求項1の
発明において、布地を構成する繊維を耐熱性のある合成
繊維としたので、接着時の加熱に対する抵抗性を確保し
ながら、布地剥がし後のポリウレタン薄層表面への繊維
の付着を可及的に低減することができる。
【0067】請求項3の発明によれば、上記請求項2の
発明において、耐熱性合成繊維をポリエステル繊維とし
たので、加熱時における布地の収縮を有効に防止するこ
とができる。
【0068】請求項4の発明によれば、上記請求項1の
発明において、布地付接着剤シートの布地を緯方向に伸
縮性を有するものとしたので、ゴム加硫後の布地の剥離
性を確保しながら、曲面状の金型に対する適合性の向上
を図ることができる。
【0069】請求項5の発明によれば、上記請求項4の
発明において、緯方向に伸縮性を有する布地をトリコッ
ト編布としたので、特に緯方向に伸縮性が大きい特性を
利用して、上記請求項4の発明の効果を顕著に発揮する
ことができる。
【0070】請求項6の発明によれば、上記請求項1の
発明において、ポリウレタン薄層を、ポリウレタン10
0重量部とジイソシアネート3〜5重量部との2液配合
物からなるものとしたので、ポリウレタン薄層の軟らか
さを最適なものとすることができ、よって、布地の剥離
性及びゴム層との接着性の向上を図ることができる。
【0071】請求項7の発明によれば、上記請求項1の
発明において、ゴム薄層をアクリロニトリル・ブタジエ
ンゴム又はNBR−PVCブレンド材で形成したので、
未加硫ゴムへの適合性を良好に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る布地付接着剤シートの構造を示す
断面図である。
【図2】実施例に係る加硫ゴム製品の製造工程を説明す
る断面図である。
【図3】ダイレクトソーリングを行なっている状況を示
す縦断面図である。
【図4】射出成形により靴底の成形を行なっている状況
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 布地付接着剤シート 2 ゴム組成物 3,31 上金型 4、32 下金型 5 細かい凹凸 6 溝 10 布地 11 ポリウレタン薄層 12 ゴム薄層 21 ラスト 22 サイドモールド 23 ボトムモールド 24 胛被 25 中底 26 、27 、33 、34 加硫ゴム 28 、35 ポリウレタン a 注入口 bg バリゴム f 箔状部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 105:04 B29L 31:50 (56)参考文献 特開 平3−162955(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布地付接着剤シートの布地とは反対側の
    面を未加硫ゴム組成物表面と接するように重ね合わせ、
    加熱加圧して未加硫ゴム組成物を加硫すると共に布地付
    接着剤シートを該ゴム組成物表面に接着させ、その後布
    地を剥離するようにした加硫ゴム製品の製造に使用され
    る布地付接着剤シートであって、 該布地付接着剤シートは、布地上に形成されたポリウレ
    タン薄層と、該ポリウレタン薄層の上に形成され、加硫
    ゴム製品の製造時に上記未加硫ゴムと接する層となるゴ
    ム薄層とを備えたことを特徴とする布地付接着剤シー
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の布地付接着剤シートにお
    いて、 上記布地を構成する繊維は、耐熱性を有する合成繊維で
    あることを特徴とする布地付接着剤シート。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の布地付接着剤シートにお
    いて、 上記布地を構成する繊維は、ポリエステル繊維であるこ
    とを特徴とする布地付接着剤シート。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の布地付接着剤シートにお
    いて、 上記布地は、緯方向に伸縮性を有するものであることを
    特徴とする布地付接着剤シート。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の布地付接着剤シートにお
    いて、 上記緯方向に伸縮性を有する布地は、トリコット編布で
    あることを特徴とする布地付接着剤シート。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の布地付接着剤シートにお
    いて、 上記ポリウレタン薄層は、ポリウレタン100重量部と
    ジイソシアネート3〜5重量部との2液配合物からなる
    ことを特徴とする布地付接着剤シート。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の布地付接着剤シートにお
    いて、 ゴム薄層は、アクリロニトリル・ブタジエンゴム又はN
    BR−PVCブレンド材からなることを特徴とする布地
    付接着剤シート。
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