JPH0813511B2 - 合成樹脂製締結部材の製造方法 - Google Patents

合成樹脂製締結部材の製造方法

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JPH0813511B2
JPH0813511B2 JP3361581A JP36158191A JPH0813511B2 JP H0813511 B2 JPH0813511 B2 JP H0813511B2 JP 3361581 A JP3361581 A JP 3361581A JP 36158191 A JP36158191 A JP 36158191A JP H0813511 B2 JPH0813511 B2 JP H0813511B2
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幹夫 酒井
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幹夫 酒井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長繊維で補強された合
成樹脂製締結部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、合成樹脂製の締結部材は、軽
量かつ耐食性が要求される場合において広く用いられて
いるが、合成樹脂のみにより製造された締結部材は、そ
のままでは、強度が必ずしも十分ではないので、カーボ
ンファイバ等の長繊維により補強されることが一般に行
なわれている。その製造方法としては、合成樹脂に長繊
維を長手方向に配されるように含有させてなる棒状素材
を、メスネジ状の内周面を有する金型内に挿入するとと
もに、軟化状態の前記棒状素材の軸線方向に沿って樹脂
製の強化素材あるいはスチール製の棒部材等の圧入棒を
圧入することにより、棒状素材を半径方向に押し広げ、
ネジ山を形成するという方法が開示されている(特開平
2−162021号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、圧入棒を規定の長さだけ圧入することになるた
め、棒状素材の体積のバラツキ等の理由によって、十分
なネジ山が形成されないという問題があった。
【0004】したがって、本発明の目的は、棒状素材の
体積のバラツキ等があっても、十分なネジ山を形成する
ことができる合成樹脂製締結部材の製造方法を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の合成樹脂製締結部材の製造方法は、合成樹
脂に長繊維を長手方向に配されるように含有させてなる
棒状素材を、メスネジ状の内周面を有する金型内に挿入
するとともに、軟化状態の前記棒状素材の軸線方向に沿
って圧入棒を圧入することにより、該棒状素材を半径方
に押し広げ、ネジ山を形成する製造方法であって、前
記圧入棒を、前記金型の内容積から前記棒状素材の体積
引いた量より多く圧入し、前記金型内の圧力が前記圧
入棒の変形圧力より高くなった場合に、前記圧入棒圧入
側に対し同側または反対側の前記金型から余圧力を逃す
ことを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明の合成樹脂製締結部材の製造方法によれ
ば、圧入棒を、金型の内容積から棒状素材の体積を引い
た量より所定量多く圧入(圧入により体積減がある場合
にはその体積減を埋める量よりさらに多く圧入)し、金
型内の圧力が棒状素材の変形圧力より高い状態(すなわ
ち金型内が棒状素材および圧入棒により隙間なく充填さ
れた状態)となったら、圧入棒圧入側に対し同側または
反対側の金型から余圧力を逃すようにしたため、金型内
が棒状素材および圧入棒により隙間なく充填されること
になる。したがって、ネジ山が十分形成されないという
ことがない。
【0007】
【実施例】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部
材の製造方法を以下に説明する。
【0008】まず、合成樹脂に長繊維を長手方向に配さ
れるように含有させてなる棒状素材の製造方法について
図8〜図14を参照して説明する。なお、第1実施例に
おいて棒状素材は、軸方向に沿って二分割した形状のも
のを接着するものを例にとり説明するが、該棒状素材と
しては、以下に説明する形状のものを一体形状で成形し
ても構わない。また、棒状素材として軸方向に沿って二
分割した形状のものを使用する方法は、特開平2−28
6226号公報に開示されている。
【0009】まず、熱可塑性合成樹脂1中に、高強度の
長繊維2を多数含有させ、それを押出成形あるいは引抜
成形することによって、図8に示すような円柱状素材3
を成形する。その際、長繊維2が円柱状素材3の長手方
向に沿って配されるようになす。ここで、上記熱可塑性
合成樹脂1としては、例えば、軽量で十分な強度を有す
るPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂を採用
することができ、長繊維2としては、例えば、カーボン
ファイバを用いることができる。
【0010】次に、上記円柱状素材3を所定長さに切断
し、図9および図10に示すような棒状素材成形用メス
型4内に挿入し、加熱して軟化させる。ここで、棒状素
材成形用メス型4はフランジ状の頭部、該頭部と同軸を
なし該頭部より所定量小径の軸部およびこれらと同軸を
なしこれらを連結させるテーパ状の首部を有するオス側
の締結部材の棒状素材の半割品を製作するためのもの
で、頭部成形面5aと該頭部成形面5aより所定量小径
の軸部成形面5bとこれらを連結させるテーパ状の首部
成形面5cとにより主に構成され前記締結部材の頭部側
の端部外周面の半周分を形成する成形面5が形成された
成形部6と、後述する棒状素材成形用オス型8または円
柱状素材3の挿入を案内するガイド部7とを有してい
る。
【0011】その後、上記頭部成形面5aおよび首部成
形面5cに対向する位置に外形が、前記頭部成形面5a
および首部成形面5cと所定の間隔をなして沿うように
形成された凸部8aが設けられた棒状素材成形用オス型
8により、図11および図12に示すように、軟化した
円柱状素材3をその側面方向から棒状素材成形用メス型
4の成形部6に押し付けるようにプレスし、これを所定
温度まで冷却硬化させた後、その不要部分を切断する。
このようにして、図13に示すような、頭部10aと、
該頭部10aより所定径小径の軸部10bと、頭部10
aおよび軸部10bを連結させるテーパ状の首部10c
とが前記頭部10a側の一端に形成された半割品10が
得られることになる。
【0012】次に、不要部分が切断された上記半割品1
0を、それぞれの平面部分を互いに合せるようにして接
着して一体となすことにより、図14に示すように、軸
部12bの一端に首部12cおよび頭部12aが形成さ
れ、頭部12aの端面側に凹部11を有する棒状素材1
2が形成されることになる。ここで、上記半割品10同
士の接着は、例えば熱融着等により行なうことができ
る。そして、以上により作製された棒状素材12は、図
12に示すように、各半割品10がその全長にわたって
長繊維2が延在し該長繊維2が切断されることがない。
なお、上記半割品10は接着等せずに単に組み合わせた
状態で後述する金型19に挿入することも可能であり、
この場合は成形時に相互に融着されることになる。
【0013】次に、上記のようにして、成形された棒状
素材12の軸部12bにネジ山を成形する本発明にかか
わる合成樹脂製締結部材の製造方法について説明する。
【0014】まず、この製造方法を実施するために用い
られる製造装置15について図1を主に参照して説明す
る。この製造装置15は、上記棒状素材12が内部に挿
入されるメス型16とこのメス型16内に挿入された
(図2参照)棒状素材12の頭部12aに対し反対側の
端部に当接あるいは近接する第一オス型17と棒状素材
12の頭部12aの端部に当接あるいは近接する第二オ
ス型18とを有する金型19と、この金型19内に設け
られた棒状素材12の軸線方向に沿ってスチール等から
なる圧入棒20を第二オス型18側から圧入する圧入部
21と、金型19内の圧力が棒状素材12の変形圧力よ
り高くなった場合に上記圧入部21に対し反対側(第一
オス型17側)から余圧力を逃す余圧力逃し手段22と
から主に構成されている。
【0015】上記金型19を構成するメス型16は、棒
状素材12の軸部12bとほぼ同径・同長をなし、該軸
部12bの反頭部12a側の所定部分に対応する位置に
所定長さのメスネジ状の内周面23を有する第一穴部2
4と、該第一穴部24の反頭部12a側に設けられた該
第一穴部24より所定径大径の所定長さの第二穴部25
と、第一穴部24の反第二穴部25側に設けられた、上
記棒状素材12の首部12cと同形状をなすテーパ穴部
26と、該テーパ穴部26の反第二穴部25側に設けら
れた、上記棒状素材12の頭部12aとほぼ同径で該頭
部12aより所定長さ長い第三穴部27とを有してい
る。なお、このメス型16は装置本体28の所定位置に
位置決めされて固定されるものであり、また、その上記
各穴部24,25,26,27の軸線に沿って二分割さ
れている。
【0016】また、上記金型19を構成する第一オス型
17は、上記メス型16の第二穴部25に隙間なく嵌合
する、該第二穴部25にほぼ同径かつ同長をなす円筒状
の突出部29と該第二穴部25より大径の鍔部30とを
有するものである。そして、この第一オス型17は、そ
の突出部29をメス型16の第二穴部25に挿入した状
態で該メス型16に固定されることになる。ここで、第
一オス型17は、突出部29から鍔部30の軸線に沿っ
て穿設された、メス型16の第一穴部24より所定量小
径の挿入孔31と、該挿入孔31の反突出部29側に設
けられたテーパ凹部32とを有している。
【0017】さらに、上記金型19を構成する第二オス
型18は、上記メス型16の第三穴部27とほぼ同径の
外径をなす所定長さの第一円筒部33と該第一円筒部3
3より所定径大径の第二円筒部34とを有するもので、
上記圧入部21側に設けられるものである。そして、第
一円筒部33および第二円筒部34等第二オス型18の
内周部18aは、圧入部21の圧入棒20を隙間なく挿
通させるように該圧入棒20の径とほぼ同径に形成され
ている。
【0018】圧入部21は、第二オス型支持部35と、
圧入棒20を突出作動させる圧入シリンダ部36と、圧
入棒20が固定され該圧入棒20の突出量を、前記第二
オス型支持部35との位置関係で決める圧入棒支持部3
7とを有している。第二オス型支持部35にはそのメス
型16側の側面部に上記第二オス型18が固定されてお
り、また、第二オス型支持部35をメス型16方向およ
び反メス型16方向に移動させる図示せぬ移動機構が装
置本体28側との間に設けられている。この移動機構
は、メス型16内に棒状素材12を挿入する際等に第二
オス型支持部35を逃し、棒状素材12が挿入されたメ
ス型16の第三穴部27に第二オス型18の第一円筒部
33を所定位置まで嵌合させその位置で停止させるべく
第二オス型支持部35を移動させるものである。そし
て、第二オス型支持部35内には第二オス型18の内周
部18aと同軸・同径をなす挿通孔38が設けられてお
り、この挿通孔38には第二オス型18とともに、圧入
棒20が挿通されることになる。
【0019】また、圧入棒支持部37にはメス型16側
の側面から該メス型方向に突出するように圧入棒20が
固定支持されており、その反メス型16側の側面には圧
入シリンダ部36の図示せぬピストンが固定されてい
る。この圧入シリンダ部36は、圧入棒20を圧入棒支
持部37ごと軸線方向に沿って所定の圧力で突出させる
もので、エアシリンダあるいは油圧シリンダ等を採用す
ることができ、そのピストン以外の非作動部分において
装置本体28側に固定されている。なお、圧入棒支持部
37にはメス型16側に当接部40が設けられており、
この当接部40が圧入時に第二オス型支持部35に当接
することによって圧入棒20の先端部20aを所定の突
出位置で停止させるようになっている。
【0020】なお、圧入棒20の先端部20aには、棒
状素材12の頭部12aにドライバの先端係合用の+あ
るいは−等のリセスを形成するリセス形成部が設けられ
ている(図示せず)。
【0021】余圧力逃し手段22は、メス型16に嵌合
固定された第一オス型17の挿入孔31に密に挿入さ
れ、テーパ凹部32に当接した状態でその先端面41a
が第一穴部24と第二穴部25との境界部分に位置する
挿入部41と、この挿入部41が固定され該挿入部41
を所定の圧力で前記テーパ凹部32に当接させる余圧力
逃しシリンダ42とを有している。この余圧力逃しシリ
ンダ42は、そのピストン43側に固定された挿入部4
1の先端面41aに所定値以上の圧力がかかると、その
余圧力を逃すべく該余圧力の大きさに応じて後退するよ
うになっている。なお、この余圧力逃しシリンダ42も
エアシリンダあるいは油圧シリンダを採用することがで
き、また、その非作動部分において装置本体28に固定
されている。
【0022】次に、以上に説明した製造装置15を用い
て実施される第1実施例の合成樹脂製締結部材の製造方
法について説明する。
【0023】まず、棒状素材12を、第一オス型17内
に余圧力逃し手段22の挿入部41が所定位置まで挿入
された状態のメス型16内に第三穴部27側から挿入
し、第二オス型18を、その第一円筒部33をメス型1
6の第三穴部27に所定量嵌合させる(図2参照)。そ
して、この状態で加熱して棒状素材12を軟化させる。
【0024】次いで、圧入部21の圧入シリンダ部36
を駆動させることにより、軟化状態にある棒状素材12
にその軸線方向に沿って圧入棒20を所定量圧入するこ
とになる。ここで、この圧入の初期段階においては、圧
入棒20の圧入量に応じて棒状素材12が径方向に広が
り、メス型16のメスネジ状の内周部23に入り込ん
で、その外周部にオスネジ部44を形成することになる
(図3参照)。
【0025】そして、さらに圧入棒20の圧入が進む
と、圧入棒20および棒状素材12により金型19内が
充満し、棒状素材12の変形の逃げ場がなくなるため、
棒状素材12の変形圧力より大きな圧力が金型19内に
生じることになる。するとその余圧力は、挿入部41の
先端面41aに作用し該挿入部41を余圧力逃しシリン
ダ42の押圧力に抗して後退させ、棒状素材12の余体
積が挿入孔31内にはみ出ることになる(図4参照)。
【0026】そして、圧入棒20が所定量圧入された状
態となったら、金型19を所定温度まで冷却し離型す
る。その後、挿入孔31にはみ出た余分な部分を切断除
去し、また、圧入棒20の先端部20aにより形成され
た図示せぬドライバ係合用リセスより端面側の頭部12
aを図4に示すX−X線に沿って切断除去することにな
る。
【0027】以上のように、第1実施例の合成樹脂製締
結部材の製造方法によれば、金型19の内容積から棒状
素材12の体積を引いた量より所定量多く圧入(圧入に
より体積減がある場合にはその体積減を埋める量よりさ
らに多く圧入)し、金型19内の圧力が棒状素材12の
変形圧力より高い状態(すなわち金型19内が棒状素材
12および圧入捧20により隙間なく充填された状態)
となったら、圧入棒20圧入側に対し反対側の金型19
から余圧力を逃すようにしたため、金型19内が棒状素
材12および圧入棒20により隙間なく充填されること
になる。したがって、オスネジ部44のネジ山が十分形
成されないということがなく、棒状素材12の体積のバ
ラツキ等があっても、十分なネジ山を形成することがで
きることになる。また、上記のようにして製造された合
成樹脂製締結部材は、図4に示すように全長にわたって
長繊維2が乱れることなく延在するため、頭部12Aの
強度が低下することがなく、しかもネジ山付近の長繊維
2はネジ山に沿って湾曲することになるため、ネジ山の
強度を向上させることができる。
【0028】なお、当然のことながら、棒状素材12の
体積は、最小値(金型19の内容積から圧入棒20の圧
入される部分の体積を引き、それに圧入により体積減が
ある場合にはその体積減を埋める量を加え、さらに安全
をみて所定量の体積を加えたもの)のみを満たしていれ
ば、余圧力逃し手段22により逃すことのできる余圧力
の範囲内であれば、多少ばらついても構わないため、棒
状素材12の品質管理が容易となりその製造コストが低
減されることになる。
【0029】また、圧入棒20の圧入量を多くして、例
えば、棒状素材12の頭部12aの長さ等を短くするこ
とも可能であり、圧入棒20を圧入することによりこの
頭部12aを最終的な長さに成形することも勿論可能で
ある。
【0030】次に、本発明の第2実施例による合成樹脂
製締結部材の製造方法について説明する。なお、上記第
1実施例が棒状素材12としてある程度完成品に近い半
割品10を成形しこれを組み合わせたものを採用したの
に対して、この第2実施例は、棒状素材として上記した
円柱状素材3をそのまま用いるものである。そして、そ
の製造装置15等は上記第1実施例とほぼ同様であるた
め、相違部分についてのみ以下に説明し、同様の部分は
同一の符号を付す等してその説明を略すこととする。
【0031】第2実施例においては、円柱状素材3を、
第一オス型17内に余圧力逃し手段22の挿入部41が
所定位置まで挿入されたメス型16内に第三穴部27側
から挿入し、第二オス型18を、その第一円筒部33を
所定量メス型16の第三穴部27に所定量嵌合させる
(図5参照)。そして、この状態で加熱して円柱状素材
3を軟化させる。
【0032】次いで、圧入部21の圧入シリンダ部36
を駆動させることにより、軟化状態にある円柱状素材3
に圧入棒20を所定量圧入することになる。ここで、こ
の圧入の初期段階においては、圧入棒20の圧入量に応
じて円柱状素材3が径方向等に広がり、メス型16の第
三穴部27、圧入棒20および第二オス型18の第一円
筒部33で囲まれた部分に入り込んで頭部3aおよび首
部3bが形成されるとともに、メスネジ状の内周部23
に入り込んでその外周部にオスネジ部45が形成される
ことになる(図6参照)。
【0033】そして、さらに圧入棒20の圧入が進む
と、圧入棒20および円柱状素材3により金型19内が
充満し、円柱状素材3の逃げ場がなくなるため、円柱状
素材3の変形圧力より大きな圧力が金型19内に生じる
ことになる。するとその余圧力は、挿入部41の先端面
41aに作用し該挿入部41を余圧力逃しシリンダ42
の押圧力に抗して後退させ、円柱状素材3の余体積が挿
入孔31内にはみ出ることになる(図7参照)。
【0034】そして、圧入棒20が所定量圧入された状
態で、金型19を所定温度まで冷却し離型する。その
後、挿入孔31にはみ出た余分な部分を切断除去し、ま
た、圧入棒20の先端部により形成された図示せぬドラ
イバ係合用リセスより端面側の頭部3aを図7に示すY
−Y線に沿って切断除去することになる。このとき圧入
棒20の圧入により形成されるドライバ係合用リセスよ
り端面側の頭部3a内の長繊維2は、図7に示すように
端面側に近づく程乱れることになり、この乱れた部分を
硬化後切断除去することになるため、切断後の合成樹脂
製締結部材には、この乱れた部分が無くなり強度上優れ
ることになる。なお、当然のことながら、この長繊維2
の乱れる範囲が切断除去される範囲内におさまるよう
に、円柱状素材3の長さ、圧入棒20の圧入量および第
二オス型18の嵌合量等を適宜設定することになる。
【0035】以上のように、第2実施例の合成樹脂製締
結部材の製造方法によれば、上記第1実施例と同様、ネ
ジ山が十分形成されないということがなく、円柱状素材
3の体積のバラツキ等があっても、十分なネジ山を形成
することができることになる等の効果を奏することにな
る。しかも、棒状素材として円柱状素材3をそのまま用
いることになるため、製造コストが低減できることにな
る。
【0036】次に、本発明の第3実施例〜第6実施例の
合成樹脂製締結部材の製造方法について説明する。第3
実施例〜第6実施例は、上記第1実施例および第2実施
例が圧入棒20の圧入側に反する側に余圧力逃し手段を
設けたのに対して圧入棒20の圧入側に余圧力逃し手段
を設けた点が主に相違しているため、この相違部分を中
心に以下に説明する。なお、以下の説明において金型1
9内に投入される棒状素材については記載しないが、上
記第1実施例のように半割品10を組み合わせた棒状素
材12あるいは第2実施例のように円柱状部材3のいず
れをも用いることができる。
【0037】まず、第3実施例は、図15に示すよう
に、圧入棒20を第一オス型17側から圧入するように
構成し、この圧入棒20の圧入方向と同側から圧力を逃
すようになっている。すなわち、第一オス型17の挿入
孔31に挿入される円筒状の挿入部41と、この挿入部
41の内周部に挿入される棒状の圧入棒20とを有して
おり、挿入部41には上記第1実施例と同様余圧力逃し
シリンダ等(図示略)が設けられていて、圧入棒20に
も上記第1実施例と同様圧入シリンダ部等(図示略)が
設けられている。なお、前記図示せぬ余圧力逃しシリン
ダおよび圧入シリンダ部等は、圧入棒20および挿入部
41を同軸上に位置させるためのアタッチメント等を介
して相互に干渉しないように少なくもいずれか一方がオ
フセットされている。そして、図示せぬ第二オス型18
側は圧力が抜けないように密閉状態となっている。
【0038】このような構成の第3実施例においては、
棒状の圧入棒20を圧入し、金型19内の圧力が所定圧
より高くなると円筒状の挿入部41が余圧力を逃すべく
移動することになって、上記第1実施例および第2実施
例と同様の効果を奏することができる。
【0039】次に、第4実施例は、図16に示すよう
に、第3実施例とほぼ同様であるが、圧入棒20を円筒
状に形成して第一オス型17の挿入孔31に挿入し、こ
の圧入棒20の内周部に挿入されるように棒状の挿入部
41を設け、円筒状の圧入棒20を圧入し、金型19内
の圧力が所定圧より高くなると棒状の挿入部41が余圧
力を逃すべく移動するようになっている。
【0040】次いで、第5実施例は、図17に示すよう
に、第1実施例および第2実施例と同様圧入棒20を第
二オス型18側から圧入するように構成した上で、この
圧入棒20の圧入方向と同側から圧力を逃すようになっ
ている。すなわち、第二オス型18の内周部18aに挿
入される円筒状の圧入棒20と、この圧入棒20の内周
部に挿入される棒状の挿入部41とを有しており、挿入
部41には上記第3実施例と同様余圧力逃しシリンダ等
(図示略)が、圧入棒20にも上記第3実施例と同様圧
入シリンダ部等(図示略)が、圧入棒20および挿入部
41を同軸上に位置させるためのアタッチメント等を介
して相互に干渉しないように少なくもいずれか一方がオ
フセットされて設けられている。そして、図示せぬ第一
オス型17側は圧力が抜けないように密閉状態となって
いる。
【0041】このような構成の第5実施例においては、
円筒状の圧入棒20を圧入し、金型19内の圧力が所定
圧より高くなると棒状の挿入部41が余圧力を逃すべく
移動することになって、上記第1実施例および第2実施
例等と同様の効果を奏することができる。
【0042】次に、第6実施例は、図18に示すよう
に、第5実施例とほぼ同様であるが、挿入部41を円筒
状に形成して第二オス型18の内周部18aに挿入し、
この挿入部41の内周部に挿入されるように棒状の圧入
棒20を設け、棒状の圧入棒20を圧入し、金型19内
の圧力が所定圧より高くなると挿入部41が余圧力を逃
すべく移動するようになっている。この第6実施例にお
いては、リセス成形が可能である。
【0043】ここで、上記第3〜第6実施例においても
硬化後に不要部分の所定の切断除去を行なうことにな
る。
【0044】なお、以上の第1〜第6実施例において
は、スチール等からなる圧入棒20を圧入するものを例
にとり説明したが、スチール製の圧入棒20の代りに、
成形後も合成樹脂製締結部材内に残存する棒状の合成樹
脂製の強化素材を圧入棒として圧入することも可能であ
る。
【0045】また、以上の第1〜第6実施例において
は、合成樹脂として熱可塑性のものを用いているが、プ
レス成形の際に十分軟化させることができるものであれ
ば、これに限定されることなく、熱硬化性の合成樹脂を
用いてもよい。この場合、熱硬化性樹脂としては、例え
ば、強度等物性面からエポキシ樹脂が好ましく、該樹脂
にカーボンファイバの長繊維を軸方向に配向させた半重
合硬化段階いわゆるBステージ段階のプリブレグとして
の棒状素材を、上記第1実施例で熱可塑性樹脂を用いた
場合と同様にプレス成形した後、ネジ山を成形する段階
で再加熱し、完全に重合硬化させれば、上記第1実施例
の場合と同様の優れた効果を奏することになる。なお、
熱硬化性の合成樹脂を採用した場合も第2実施例等と同
様、円柱状素材から直接ネジ山および頭部を圧入棒の圧
入により成形することも勿論可能であり、第3〜第6実
施例と同様に圧入棒の圧入側から余圧力を逃すことも可
能である。
【0046】さらに、以上の第1〜第6実施例において
は、頭部および首部を有する合成樹脂製締結部材の製造
方法を例にとり説明したが、頭部および首部を除く軸部
のみの合成樹脂製締結部材を上記方法により製造するこ
とも可能であり、この場合これに応じてメス型の形状等
を適宜変更すればよいことになる。そして、製造した軸
部のみの合成樹脂製締結部材に別に製造した頭部を固着
すればよいのである。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の合成樹脂
製締結部材の製造方法によれば、金型の内容積から棒状
素材の体積を引いた量より所定量多く圧入(圧入により
体積減がある場合にはその体積減を埋める量よりさらに
多く圧入)し、金型内の圧力が棒状素材の変形圧力より
高い状態(すなわち金型内が棒状素材および圧入棒によ
り隙間なく充填された状態)となったら、圧入棒圧入側
に対し同側または反対側の金型から余圧力を逃すように
したため、金型内が棒状素材および圧入棒により隙間な
く充填されることになる。したがって、ネジ山が十分形
成されないということがなく、棒状素材の体積のバラツ
キ等があっても、十分なネジ山を形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部材
の製造方法に用いられる製造装置を概略的に示す断面図
であり、棒状素材投入前の状態を示すものである。
【図2】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部材
の製造方法に用いられる製造装置の主要部を概略的に示
す断面図であり、棒状素材投入後の状態を示すものであ
る。
【図3】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部材
の製造方法に用いられる製造装置の主要部を概略的に示
す断面図であり、圧入初期の状態を示すものである。
【図4】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部材
の製造方法に用いられる製造装置の主要部を概略的に示
す断面図であり、圧入終期の状態を示すものである。
【図5】本発明の第2実施例による合成樹脂製締結部材
の製造方法に用いられる製造装置の主要部を概略的に示
す断面図であり、円柱状素材(棒状素材)投入後の状態
を示すものである。
【図6】本発明の第2実施例による合成樹脂製締結部材
の製造方法に用いられる製造装置の主要部を概略的に示
す断面図であり、圧入初期の状態を示すものである。
【図7】本発明の第2実施例による合成樹脂製締結部材
の製造方法に用いられる製造装置の主要部を概略的に示
す断面図であり、圧入終期の状態を示すものである。
【図8】本発明の第1実施例および第2実施例による合
成樹脂製締結部材の製造方法に用いられる円柱状素材を
示す斜視図である。
【図9】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部材
の製造方法に用いられる棒状素材の製造装置を概略的に
示す正面図であり、円柱状素材を挿入した状態を示すも
のである。
【図10】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部
材の製造方法に用いられる棒状素材の製造装置を概略的
に示す側断面図であり、円柱状素材を挿入した状態を示
すものである。
【図11】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部
材の製造方法に用いられる棒状素材の製造装置を概略的
に示す正面図であり、棒状素材の半割品を成形した状態
を示すものである。
【図12】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部
材の製造方法に用いられる棒状素材の製造装置を概略的
に示す側断面図であり、棒状素材の半割品を成形した状
態を示すものである。
【図13】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部
材の製造方法に用いられる棒状素材の半割品を示す斜視
図である。
【図14】本発明の第1実施例による合成樹脂製締結部
材の製造方法に用いられる棒状素材を示す斜視図であ
る。
【図15】本発明の第3実施例による合成樹脂製締結部
材の製造方法に用いられる製造装置の主要部を概略的に
示す断面図であり、圧入終期の状態を示すものである。
【図16】本発明の第4実施例による合成樹脂製締結部
材の製造方法に用いられる製造装置の主要部を概略的に
示す断面図であり、圧入終期の状態を示すものである。
【図17】本発明の第5実施例による合成樹脂製締結部
材の製造方法に用いられる製造装置の主要部を概略的に
示す断面図であり、圧入終期の状態を示すものである。
【図18】本発明の第6実施例による合成樹脂製締結部
材の製造方法に用いられる製造装置の主要部を概略的に
示す断面図であり、圧入終期の状態を示すものである。
【符号の説明】
1 熱可塑性合成樹脂(合成樹脂) 2 長繊維 3 円柱状素材(棒状素材) 12 棒状素材 19 金型 20 圧入棒 23 メスネジ状の内周部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂に長繊維を長手方向に配される
    ように含有させてなる棒状素材を、メスネジ状の内周面
    を有する金型内に挿入するとともに、軟化状態の前記棒
    状素材の軸線方向に沿って圧入棒を圧入することによ
    り、該棒状素材を半径方向に押し広げ、ネジ山を形成す
    る合成樹脂製締結部材の製造方法において、 前記圧入棒を、前記金型の内容積から前記棒状素材の体
    積を引いた量より多く圧入し、 前記金型内の圧力が前記圧入棒の変形圧力より高くなっ
    た場合に、前記圧入棒圧入側に対し同側または反対側の
    前記金型から余圧力を逃すことを特徴とする合成樹脂製
    締結部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104325664A (zh) * 2014-08-28 2015-02-04 航天精工股份有限公司 一种连续纤维树脂基复合材料紧固件的制备方法

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