JPH08134715A - 難燃アクリル系合成繊維の製造方法 - Google Patents

難燃アクリル系合成繊維の製造方法

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JPH08134715A
JPH08134715A JP6298750A JP29875094A JPH08134715A JP H08134715 A JPH08134715 A JP H08134715A JP 6298750 A JP6298750 A JP 6298750A JP 29875094 A JP29875094 A JP 29875094A JP H08134715 A JPH08134715 A JP H08134715A
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weight
solution
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vcl
monomer
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JP6298750A
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Masashi Arai
正志 新井
Masahito Ono
雅人 大野
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Kanebo Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】失透性、着色性の改善された難燃アクリル系合
成繊維の製造方法を提供する。 【構成】アクリロニトリル30〜80重量%、塩化ビニ
ル又は塩化ビニリデン20〜70重量%、及び他の不飽
和単量体0〜15重量%よりなる混合液をジメチルホル
ムアミドを媒体として溶液重合するにあたり、重合開始
前にアクリロニトリル10〜85重量%、塩化ビニル又
は塩化ビニリデン10〜50重量%、アニオン性モノマ
ー5〜40重量%とからなる重合体を反応系全量に対
し、0.1〜10重量%、並びに芳香族スルホン酸亜鉛
を0.005〜5.0重量%添加して重合を行い、得ら
れた重合体原液から未反応単量体を回収した後、重合体
原液に対し二酸化チオ尿素、アスコルビン酸及びその誘
導体から選ばれた1種又は2種を0.005〜3.0重
量%添加して紡糸原液とした後、ジメチルホルムアミド
水溶液中に紡出する事を特徴とする難燃アクリル系合成
繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は失透性、着色性の改善さ
れた難燃アクリル系合成繊維の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般にアクリル系繊維は羊毛に類似した
嵩高な風合い、優れた物理的性質、染色堅牢性、染色鮮
明性を有するが故に広範囲な用途に使用されている。し
かしアクリル系繊維は多くの天然繊維や合成繊維と同じ
く易燃性である欠点を有する。例えば、衣料、インテリ
ア製品、産業用、建築用等の用途に於いては、火災の伝
播を助けるなどの理由により、需要範囲には限定があ
る。そこで従来よりアクリル系繊維の易燃性を改良し、
難燃化しようとする試みが盛んに行われている。アクリ
ル繊維に難燃性を付与する方法としては難燃性を有する
単量体を共重合する方法や、いわゆる難燃剤を繊維に対
して含有又は付与せしめる方法が数多く提案されてい
る。
【0003】しかし、それらの多くは耐洗濯性、耐ドラ
イクリーニング性、繊維の風合等を満足せしめえず、実
用的ではなかった。また前者の共重合法では、アクリロ
ニトリル(以下ANと略称する)と共重合性のある単量
体とし、塩化ビニル、塩化ビニリデン(以下それぞれV
cl,Vcl2 と略称する)が良く知られており実際、
これらの単量体を25〜70重量%含有している共重合
体からなる繊維はかなりの難燃性を有している。
【0004】しかし、この様に難燃性単量体を含むAN
系共重合体から繊維を作る場合、失透、着色という二つ
の大きな問題があげられ、未だ満足な解決が与えられて
いない。しかしながら失透の問題に於いては、特公昭5
3−9299号公報にAN30〜80重量%、Vcl又
はVcl2 20〜70重量%及び他の不飽和単量体より
なる単量体と有機溶剤とからなる混合系にAN10〜8
5重量%、Vcl又はVcl2 10〜50重量%及びア
ニオン性モノマー5〜40重量%よりなる重合体を重合
系全量に対し0.1〜10重量%になるように添加した
のち、重合を行い得られた紡糸原液を有機溶媒の水溶液
中に紡出することにより、空洞のない緻密な構造を保有
する難燃性AN系繊維が得られることを見出し提示し
た。
【0005】着色については、全重合体に対してVcl
又はVcl2 を20重量%以上、特に30重量%を含む
難燃性AN系重合体溶液は非常に着色しやすく得られた
難燃アクリル系繊維の商品価値を著しく損なわしめる
が、この傾向は溶媒として、ジメチルホルムアミド(以
下DMFと略称する)を使用したときに特に顕著であ
る。
【0006】特公昭47−892号公報には、ANを8
0重量%以上含むビニル単量体混合物をジメチルホルム
アミド中で溶液重合するに際して、芳香族スルホン酸の
金属塩類を添加して重合体溶液の着色を防止することが
提案されているが、該重合体溶液より未反応単量体を回
収した後紡出して得られたアクリル系繊維は着色し白色
度の優れた繊維を得ることは不可能である。
【0007】一般にVcl又はVcl2 含量が20重量
%を超える難燃性AN系重合体溶液の着色とANを80
重量%以上含むいわゆる通常のAN系重合体溶液の着色
機構は異なり、それ故着色防止剤の作用効果も相違し、
両者に効果的である着色防止剤は非常に稀であることが
知られている。未反応単量体が残存している系での芳香
族スルホン酸亜鉛の着色防止効果はかなりある。しかし
その理由は定かでないが、未反応単量体が回収された系
での着色は著しく、重合反応中の着色を芳香族スルホン
酸亜鉛塩により防止しても、製品の着色は防止できない
という欠陥を有している。
【0008】また特公昭39−8386号公報には、ジ
メチルスルホキシド溶媒中ANを85重量%以上と他の
重合体不飽和ビニル化合物を溶液重合するに際し、着色
防止剤として、二酸化イオウを使用することが記載され
ているが、ジメチルスルホキシドと比較しDMF溶媒の
着色傾向は、かなり大きくしかもVcl又はVcl2
20重量%以上含む系での着色機構の異なるのは前記の
通りである。
【0009】更に一般に染色性付与剤として、スルホン
酸ソーダ塩を含む化合物を共重合成分として用いる場合
が多いが、その場合。重合前に二酸化イオウを添加する
と重合中及び特に高温下での未反応単量体回収工程にお
いて、二酸化イオウが前記スルホン酸ソーダ塩と反応
し、亜硫酸水素ナトリウムもしくは亜硫酸ナトリウムと
なり該重合体溶液を白濁させたり、更には濾過工程及び
紡糸時の口金での目詰まりを起こすなど、著しく操業性
を悪化させる欠陥を有している。又、二酸化イオウは毒
性が強く取扱いが困難である。
【0010】本発明者らは、これらの欠陥を排除するた
め重合開始前に芳香族スルホン酸亜鉛を添加して重合を
行い、次いで未反応単量体を回収した後二酸化チオ尿
素、アスコルビン酸及びその誘導体から選ばれた1種又
は2種を添加することにより本発明の目的に対して、驚
くべき効果を発揮することを見出し、本発明を完成した
ものである。
【0011】即ち芳香族スルホン酸亜鉛及び上記有機還
元性化合物の添加時期がそれぞれ重合開始前と未反応単
量体開始後と限定されており、しかも芳香族スルホン酸
亜鉛及び上記有機還元性化合物のいずれか一方が欠けて
も又は添加時期が異なってもその着色防止効果は著減す
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は白色度
良好な難燃性AN系繊維を工業的に容易に得る方法を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の方法はANを3
0〜80重量%、Vcl又はVcl2 20〜70重量
%、及び他の不飽和単量体0〜15重量%よりなる混合
液をDMFを媒体として溶液重合するにあたり、重合開
始前にAN10〜85重量%、Vcl又はVcl2 10
〜50重量%、アニオン性モノマー5〜40重量%とか
らなる重合体を反応系全量に対し、0.1〜10重量
%、並びに芳香族スルホン酸亜鉛0.005〜5.0重
量%を添加して重合を行い、得られた重合体原液から未
反応単量体を回収した後、重合体原液に対し二酸化チオ
尿素、アスコルビン酸及びその誘導体から選ばれた1種
又は2種を0.005〜3.0重量%添加して紡糸原液
とした後ジメチルホルムアミド水溶液中に紡出すること
を特徴とする。
【0014】本発明はAN.Vcl又はVcl2 及び他
の不飽和単量体よりなる混合液(以下仕込液と呼称す
る)にAN.Vcl又はVcl2 及びアニオン性モノマ
ーからなる重合体(以下ブレンドマーと呼称する)を添
加して重合せしめるものである。
【0015】ブレンドマーの組成はブレンドマーに使用
するアニオン性モノマーによっても異なるが、ANを1
0〜85重量%Vcl又はVcl2 を10〜50重量
%、アニオン性モノマー5〜40重量%である。
【0016】ブレンドマーのVcl又はVcl2 の種類
及び量は別に限定されないが、仕込液の難燃性モノマー
(Vcl又はVcl2 )の種類と同じであることが経済
的であり好ましい。
【0017】ブレンドマーのVcl又はVcl2 の量が
10重量%未満では難燃性の低下も大きくなり、更に仕
込液との相溶性が低下する。またブレンドマーのVcl
又はVcl2 の量が50重量%より多いと重合率が低下
し且つ着色が著しくなる。
【0018】アニオン性モノマーが40重量%を超える
とそのブレンドマーが水溶性になり、紡出時に紡浴中に
流出することが多いばかりか耐熱性も悪化する。またア
ニオン性モノマーが5重量%未満のブレンドマーでは得
られた繊維の空洞消滅効果が不充分である。
【0019】したがってブレンドマー組成としてはAN
10〜85重量%、Vcl又はVcl2 10〜50重量
%、アニオン性モノマー5〜40重量%である。
【0020】ブレンドマーの重合は懸濁、乳化、溶液の
いずれの重合方法もよく、特に限定されない。ブレンド
マーの添加量は反応系全量に対し0.1〜10重量%、
好ましくは0.5〜7重量%である。
【0021】ブレンドマーの添加量が0.1重量%未満
ではその失透防止効果が小さく、一方10重量%を超え
ると重合時の重合原液の粘度を異常に増大させるばかり
ではなく、得られた繊維の染色性が過大になり染色斑の
原因となる。
【0022】ブレンドマーの添加時期は重合前又は重合
反応初期の何れでもよいが重合前が好ましい。重合後添
加しても、ブレンドマーの失透防止効果は認められるも
ののブレンドマーとAN系重合体の分散がマクロである
ため相分離を起こしやすく、重合体原液のゲル安定性が
よくなく、しかも最終製品の光沢が低下する。
【0023】ブレンドマーの添加方法としては、ブレン
ドマーだけでもよいがブレンドマーを溶解したDMF溶
液でもよく、ブレンドマーを重合した原液をそのまま添
加しても何らさしつかえない。ブレンドマーに用いるア
ニオン性モノマーとしては、たとえばアリルスルホン
酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸のような
スルホン酸類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸
などのようなカルボン酸類及びこれらのアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩があげられるが特に
スルホン酸類のアルカリ金属塩がよい。
【0024】本発明の方法に用いられるDMFは特殊な
品位のものである必要はなく、通常5%程度までの水を
含んでいても良い。
【0025】また反応混合物中の仕込単量体濃度は通常
30〜65重量%程度が適当である。
【0026】仕込単量体組成としては、ANを30〜8
0重量%とVcl又はVcl2 を20〜70重量%及び
他の不飽和単量体0〜15重量%との混合物である。
【0027】ANが30重量%より少ないと、耐熱性な
どが低下し一方80重量%を超えると優れた難燃性付与
することはできない。
【0028】またVclまたはVcl2 量としては、7
0重量%を超えると得られた繊維の耐熱性が低下するば
かりか、難燃性も飽和に達していて、経済的ではなく、
また20重量%より少ないと得られた繊維の難燃性が不
充分である。
【0029】また他の不飽和単量体の量が15重量%を
超えると繊維の耐熱性が低下する。
【0030】該不飽和単量体としては特に限定されない
が、例えばアクリル酸メチル等のアクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド又はそれ
らのモノ・ジ・アルキル置換体、スチレン又はそのα,
−βの置換体、酢酸ビニル、ビニルベンゾエートのよう
な有機酸のビニルエステル類、2−ビニルピリジン、2
−メチル5ビニルピジリンのようなビニルピリジンのア
ルキル置換体、アリルスルホン酸、メタリルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、などのスルホン酸及びそれら
の塩類があげられ、これらの1種又は2種以上が目的に
より、適宜選択される。
【0031】本発明に適用する芳香族スルホン酸の亜鉛
塩としては、例えばベンゼンスルホン酸、O−トルエン
スルホン酸、P−トルエンスルホン酸、P−フェノール
スルホン酸、O−フェノールスルホン酸、P−クロルス
ルホン酸等の芳香族スルホン酸の亜鉛塩である。これら
の芳香族スルホン酸の亜鉛塩類は、一般に含水塩を形成
するが、本発明に於いてはこれらの含水塩を使用しても
良い。
【0032】芳香族スルホン酸亜鉛の使用量は、反応系
全量に対して0.005〜5.0重量%であるが0.0
1〜2.0重量%が好ましい。
【0033】芳香族スルホン酸亜鉛が0.005重量%
未満であるとその着色防止効果は満足されず、5.0重
量%を超えると着色防止効果は飽和になるばかりか、D
MFへの溶解性も低下するので避けねばならない。
【0034】重合触媒は通常のラジカル重合に用いられ
るもので良く、特に限定されないが、例えば過硫酸アン
モニウムのごとき過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスジメチルパレロニトリルのごときアゾビス
化合物、ベンゾイルパーオキシドなどのごとき過酸化物
等があげられる。重合反応は通常30℃〜75℃、6〜
15時間で円滑に実施され単量体の重合率が40〜80
%に達した段階で重合を終了する。重合終了後の未反応
単量体の分離回収は常圧でもよいが、減圧化で実施する
のが有利であり、通常減圧下50〜120℃好ましくは
60〜100℃の範囲で実施される。
【0035】得られた重合体原液から未反応単量体を減
圧下で回収した後に二酸化チオ尿素、アスコビン酸及び
その誘導体から選ばれた1種又は2種を0.005〜
3.0重量%、好ましくは0.01〜1.0重量%添加
する。
【0036】アスコビン酸の誘導体とはd−キシロアス
コルビン酸、ニリスロアスコルビン酸、アラボアスコル
ビン酸等である。
【0037】これらの有機還元性化合物はDMF溶液状
にして添加する。DMF不溶、難溶性の二酸化チオ尿素
はDMF水溶液を用いて完全に溶解した後紡糸原液へ添
加する。そうする事で紡出時の濾布への目詰まりが激減
すると共に繊維が緻密化し失透が防げる。
【0038】上記有機還元化合物の添加量が0.005
重量%未満だと着色防止効果が充分でなく、一方3.0
重量%を超えると着色防止効果が飽和するばかりでなく
DMFを分解し着色を促進する等の弊害が生じる。
【0039】上記有機還元化合物の添加後、通常濾過を
行い紡糸原液とする。なお紡糸原液に酸化チタンなどの
つや消し剤を混入したり他の難燃剤を含有しても何ら本
発明の効果を損なうものではない。紡糸原液はDMF水
溶液中に通常の方法により紡出する。紡出後延伸、水
洗、乾燥、熱処理等通常の工程を実施すればよい。
【0040】
【発明の効果】斯して得られたAN系繊維は優れた光沢
及び白色度を有し、しかも恒久的難燃性を有するもので
ある。
【0041】
【実施例】以下、実施例にて詳細に説明する。実施例中
〔%〕とあるのは全て重量%を意味する。
【0042】実施例1 ANを26%、Vcl21%及び通常の方法で製造した
AN:Vcl2 :2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸ソーダ=72:15:13(重量比)の
ブレンドマー4%をDMF49%に溶解する。更にパラ
トルエンスルホン酸亜鉛0.09%、そして触媒として
アゾビスジメチルバレロニトリル0.004%を投入
し、窒素置換オートクレーブ中で55℃で9時間重合さ
せると、単量体の重合率が58%、分子量55,00
0、420mμに於ける20mmガラスセルの透過率
(T420と略称する)が82%と極めて白色度の高い
重合体が得られた。重合終了後DMF30部で希釈し、
更に70℃100mmHgで未反応単量体を回収した後
(T420=75%)、該重合体原液にDMF/水=7
0/30組成液に二酸化チオ尿素を濃度1%で溶解した
液を3%加え、重合体濃度27%、T420=73%の
紡糸原液を得た。
【0043】これを1,000ホール、0.1mmφの
口金を通し55%のDMF水溶液(15℃)に紡出し、
10倍延伸後110℃で蒸熱セットを行い3.1デニー
ル、強度3.2g/d、伸度38%の失透の全くみられ
ない、白色度87%、帯色度は8%と着色の少ない繊維
が得られた。尚、白色度は475mμ波長における反射
率で表し、帯色度は475mμ波長での反射率と400
mμでの反射率との差を表す。
【0044】得られた繊維のJIS−K7201に規定
された限界酸素指数(L0I値)を測定した結果、2
9.8と良好な難燃性を示した。
【0045】LOIを求めるにあたっては、本発明の繊
維をハンドカードで解綿後、約0.35gの綿を取り、
これを25cmの長さに均一に伸ばし、加撚機にて70
回の撚りをかけて2つ折りにして撚り棒を作った。そし
て、窒素ガスと酸素ガスの混合ガスにて上記撚り棒の上
端に接炎し、この撚り棒が5cmだけ燃焼した際におけ
る混合ガス中の酸素ガス濃度を測定して、下記の式によ
り求めるようにした。 LOI=〔酸素ガス/(窒素ガス+酸素ガス)〕×10
【0046】比較例1 パラトルエンスルホン酸亜鉛のかわりに、二酸化イオウ
を重合前に使用する以外は実施例1と全く同様にして、
重合、紡糸を行った。一般に550mμに於ける透過率
(T550と略称する)は濁りを表すが、実施例1の結
果との比較を表1 に示した。
【0047】
【表1】
【0048】表1の如く、二酸化イオウを重合前に使用
すると、重合体溶液の濁りが大きくなり、濾布詰まり、
口金詰まりによる可紡性、作業性の低下が著しかった。
【0049】比較例2 実施例1と同じように重合を行いDMF希釈し、未反応
単量体回収を行った。そして表2の如くなるように各種
添加剤を加え50℃にて5時間放置して、T420を測
定した。
【0050】
【表2】
【0051】表2の如く未反応単量体回収後に芳香族ス
ルホン酸亜鉛を使用してもブランクと殆ど有意差なく着
色を防止する効果がないことが判る。
【0052】実施例2 ANを30部、Vcl2 20部、及びAN:Vcl2
スチレンスルホン酸ナトリウム=60:20:20(重
量比)のブレンドマー20部、更にパラトルエンスルホ
ン酸亜鉛を表3の如く添加し、DMF48部に溶解し、
アゾビスジメチルバレロニトリル0.04部を投入し、
窒素置換オートクレープ中で57℃×9時間重合させ
た。結果を表3に記した。
【0053】
【表3】
【0054】表3の如く、反応系全量に対し、パラトル
エンスルホン酸亜鉛が0.005%より少ないとその着
色防止効果が十分でなく一方5.0%を超えるとDMF
への溶解性が低下し重合体溶液の濁りが発生する。
【0055】実施例3 ANを28部、Vcl2 88部及びAN:Vcl2 :ア
リルスルホン酸ナトリウム=77:10:13(重量
比)のブレンドマー3部、メタトルエンスルホン酸亜鉛
0.03部添加し、DMF40部に溶解し、アゾビスイ
ソブチロニトリル0.045部を投入し、窒素置換オー
トクレープ中で65℃×10時間重合させ、モノマーの
重合率40%、T420=80%、T550=95%の
重合体溶液が得られた。該重合体溶液にDMFを30倍
希釈し、75℃×110mmHgでて未反応単量体を回
収した該重合体原液にL−アスコルビン酸を表4の如く
添加して紡糸原液とした。この紡糸原液を50℃で5時
間放置し、耐熱安定性をみた。
【0056】
【表4】
【0057】表4の如く、L−アスコルビン酸が紡糸原
液に対し、0.005%より少ないと、着色防止効果は
十分でないが、また30%より大になると逆に加熱安定
性が良くないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/18 Z 6/40 13/04 // C08F 214/06 MKG 214/08 MKH

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリル30〜80重量%、塩
    化ビニル又は塩化ビニリデン20〜70重量%、及び他
    の不飽和単量体0〜15重量%よりなる混合液をジメチ
    ルホルムアミドを媒体として溶液重合するにあたり、重
    合開始前にアクリロニトリル10〜85重量%、塩化ビ
    ニル又は塩化ビニリデン10〜50重量%、アニオン性
    モノマー5〜40重量%とからなる重合体を反応系全量
    に対し、0.1〜10重量%、並びに芳香族スルホン酸
    亜鉛を0.005〜5.0重量%添加して重合を行い、
    得られた重合体原液から未反応単量体を回収した後、重
    合体原液に対し二酸化チオ尿素、アスコルビン酸及びそ
    の誘導体から選ばれた1種又は2種を0.005〜3.
    0重量%添加して紡糸原液とした後、ジメチルホルムア
    ミド水溶液中に紡出する事を特徴とする難燃アクリル系
    合成繊維の製造方法。
JP6298750A 1994-11-07 1994-11-07 難燃アクリル系合成繊維の製造方法 Pending JPH08134715A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101831725A (zh) * 2010-05-18 2010-09-15 保利源(南通)实业有限公司 用于制作人工毛发的聚氯乙烯纤维

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CN101831725A (zh) * 2010-05-18 2010-09-15 保利源(南通)实业有限公司 用于制作人工毛发的聚氯乙烯纤维

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