JPH0813322A - 布帛の表面処理方法、および表面処理装置 - Google Patents

布帛の表面処理方法、および表面処理装置

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JPH0813322A
JPH0813322A JP14171994A JP14171994A JPH0813322A JP H0813322 A JPH0813322 A JP H0813322A JP 14171994 A JP14171994 A JP 14171994A JP 14171994 A JP14171994 A JP 14171994A JP H0813322 A JPH0813322 A JP H0813322A
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cloth
roll
rough
rough surface
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JP14171994A
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Yuji Kato
裕司 加藤
Yuji Yasui
祐二 安井
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ENETSUKUSU KK
HANAYAMA KOGYO KK
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ENETSUKUSU KK
HANAYAMA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 布帛の強度を低下させることなく布帛の表面
を起毛でき、安定した品質の製品が得られる布帛の表面
処理方法、およびそのような表面処理を効率的に行える
装置を提供すること。 【構成】 布帛の搬送速度と前記粗面ロールの回転周速
との相対速度が5m/min〜150 m/minの範囲内
で、かつ、布帛と粗面ロールとの総接触面長が布帛長手
方向に30mm〜600 mmの寸法範囲に設定することによ
り、布帛に表面処理を施した。さらに、粗面ロールと、
接触面調整手段と、起毛制御手段と、除塵手段とから構
成される表面処理装置を実現した。 【効果】 布帛の強度を維持しながら風合い効果を飛躍
的に高めることができ、かつ、安定した品質の製品が得
られると共に、除塵粘着ロールにより粗面ロールの交換
寿命を延ばせるので、大幅にコスト削減を図ることが可
能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粗面ロールを低速で布
帛に圧接することにより、布帛の強度を低下させること
なく布帛の表面を起毛でき、安定した品質の製品が得ら
れる布帛の表面処理方法、およびそのような起毛処理を
効率的に行える装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、布帛の表面を起毛する方法として
は、エメリーロール等の粗面ロールを高速で回転させ、
その粗面ロールに布帛を圧接させることにより、布帛の
フィラメントを高速で切断して毛羽を立てるという高速
起毛処理が採用されていた。
【0003】ところが、このような高速起毛処理を採用
している従来の起毛装置では、布帛と粗面ロールとの相
対速度が150 m/min以上の高速になり、この高速状
態で粗面ロールに布帛を圧接させると、布帛の表面に毛
羽は立つけれども、布帛のフィラメントの過剰切断によ
り布帛自体の強度が低下し、特に薄地の布帛においては
その強度を維持することは困難であった。また、布帛の
フィラメント切断時の摩擦熱によるフィラメント自体の
溶融物や布帛表面の毛羽が粗面ロール上に大量に付着す
るので、この付着を防止する手段として、毛羽吸引装置
や毛羽吹き飛ばし装置等の集塵装置を設置する必要が生
じ、起毛装置の製作コストが増大した。さらに、このよ
うな集塵装置を使用しても粗面ロール表面の目詰まりを
効果的に防止することができず、安定した起毛効果を得
ることは困難であった。
【0004】また、従来の起毛装置においては、布帛の
起毛処理後にその起毛状態の過不足を現場作業者の主観
によって判断しているので、粗面ロール表面の目詰まり
等により十分な起毛状態が得られなかった場合には起毛
処理を再度行わなければならず、そのため表面処理加工
に要する手間が増大するという欠点があった。
【0005】
【解決すべき技術的課題】本発明は、従来の起毛処理に
上記のような問題点があることに鑑みて為されたもので
あり、布帛と粗面ロールとの相対速度を従来の起毛処理
よりも低速に設定し、かつ、布帛と粗面ロールとを布帛
の長手方向に均一に圧接することにより、布帛のフィラ
メントを引出し、その一部だけを切断して毛羽を立てる
という斬新な方法を用いて、布帛の強度を低下させるこ
となく布帛の表面を起毛でき、安定した品質の製品が得
られる布帛の表面処理方法を提供することを技術的課題
とするものである。
【0006】また、本発明の技術的課題は、前記表面処
理方法を実施できる実用的な布帛の表面処理装置を提供
することにある。
【0007】さらに、本発明の技術的課題は、粗面ロー
ルの表面に付着した毛羽等を連続的に効率よく除去でき
る除塵粘着ロールを使用することにより、粗面ロールの
交換寿命を延ばすことができ、かつ、大規模な集塵装置
を設置する必要がない経済的な布帛の表面処理装置を提
供することにある。
【0008】さらに、本発明の技術的課題は、布帛の起
毛処理前後の布厚みを経時的に測定し、その測定値に基
づいて起毛制御条件を変化させて起毛状態を制御するこ
とにより、起毛処理を効率よく確実に行える布帛の表面
処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題解決のために採用した手段】本発明者が上記技術
的課題を解決するために採用した手段を、添附図面を参
照して説明すれば、次のとおりである。
【0010】即ち、本発明は、拡布状態で搬送される布
帛Fの表面に粗面ロール1を面接触させて当該布帛に表
面処理を施すにあたり、布帛Fの搬送速度と前記粗面ロ
ール1の回転周速との相対速度が5m/min〜150 m
/minの範囲内で、かつ、布帛Fと粗面ロール1との
総接触面長が布帛長手方向に30mm〜600 mmの寸法範
囲に設定することにより、布帛に表面処理を施すという
手段を採用することによって、上記方法に関する技術的
課題を解決したのである。本発明において、粗面ロール
とは、表面に粗面を有する回転部材であって、例えば、
円柱の周面を粗面に形成したロール体やエンドレスベル
トコンベヤ式の回転部材を含む。
【0011】また、本発明は、拡布状態で搬送される布
帛Fの表面に粗面ロール1を面接触させて当該布帛に表
面処理を施す表面処理装置において、布帛Fとの相対速
度が5m/min〜150 m/minになるよう回転周速
が設定された少なくとも1本の粗面ロール1と、この粗
面ロール1と布帛Fとの総接触面長が布帛長手方向に30
mm〜600 mmになるよう平衡ロール21を移動させて接
触面を調整する接触面調整手段2と、布帛Fの起毛処理
前後の布厚みを布厚み計測器31により経時的に測定し、
その測定値を布厚み比較設定器32に入力して予め設定さ
れた目標布厚みと比較することにより起毛状態を予測
し、その予測に基づいて起毛制御器33により起毛制御条
件を変化させて起毛状態を制御する起毛制御手段3と、
前記粗面ロール1に除塵粘着ロール41を連続的に当接
し、粗面ロール表面上の付着物を当該粘着ロール41に転
写させて前記付着物を連続的に除去する除塵手段4とを
連関的に組み合わせるという手段を採用することによっ
て、上記技術的課題を装置的に実現したのである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を添附図面に示す実施例に基づ
いて更に詳しく説明する。なお、図1は本発明に係る表
面処理装置の機構を連関的に示したブロック線図、図2
は本発明を適用して構成した実施例装置の全体を示す概
略説明図、図3は本発明を適用して構成した実施例装置
における粗面ロールの正面図である。
【0013】図1中、符号1で指示するものは布帛Fを
起毛するための粗面ロールであり、本実施例において
は、棒状芯体11の表面に研磨シート12としてサンドペー
パー等を螺旋状に巻き付けたエメリーロール(図3参
照)を使用している。この研磨シート12に層着する研磨
材として、金剛砂、ガラス粉、コランダム、カーボラン
ダムなどが採択可能である。また、布帛Fとして、ポリ
エステル、マイクロファイバー、ファインデニール、新
合繊などの編織物、或いは生地厚み150 μ以下の薄地織
物を使用しているけれども、編織物以外の不織布などを
使用してもよい。この布帛Fは拡布状態で布引出駆動ロ
ール51により引っ張られながら、粗面ロール1の表面に
圧接してある。この粗面ロール1と布帛Fとの相対速度
が5m/min〜150 m/minになるよう前記布帛F
の搬送速度および前記粗面ロール1の回転周速が設定さ
れる。前記粗面ロール1は通常複数本のロールから成
り、本実施例では4本のエメリーロールを用いた装置
(図2参照)を示してある。これら複数本のエメリーロ
ールは、目標とされる起毛状態に応じて、すべてのロー
ルを駆動させることは当然のことながら、一部のロール
のみを駆動させることも可能である。
【0014】図1中、符号2で指示するものは布帛Fと
粗面ロール1との接触状態を調整するための接触面調整
手段であり、具体的には図2の中央部分に図示せる平衡
ロール21と、平衡ロール移動装置22とから構成される。
この平衡ロール21は、前記布帛Fに接触した状態で複数
本の前記粗面ロール1間に配設してあり、当該平衡ロー
ル移動装置22により水平方向に移動される。この移動量
の大きさを変えることにより、前記布帛Fと粗面ロール
1との接触面長を調整できる。
【0015】図1中、符号3で指示するものは布帛Fの
起毛状態を制御するための起毛制御手段であり、布厚み
計測器31と、布厚み比較設定器32と、起毛制御器33と、
布張力検出器34とから構成される。この布厚み計測器31
は起毛処理する前と後の2箇所に配設してある。そし
て、固定ロールの表面に布帛Fを通し、この布帛Fの垂
直上方から光学式変位センサを用いて布帛Fの厚みを測
定する(図2参照)。この光学式変位センサとして、一
般的な赤色LED反射式を使用できる。当該布厚み計測
器31により布帛Fの起毛処理前後の布厚みを経時的に測
定し、その測定値を前記布厚み比較設定器32に入力して
予め設定された目標布厚みと比較することにより起毛状
態を予測する。その予測に基づいて、前記起毛制御器33
により起毛制御条件を変化させて起毛状態を制御する。
起毛制御条件としては、布帛Fと粗面ロール1との相対
速度、布帛Fと粗面ロール1との接触面長、布張力など
を挙げることができ、これらの条件を適宜調整すること
により起毛状態の精密な制御が可能になる。
【0016】図1中、符号4で指示するものは粗面ロー
ル表面上の付着物を除去するための除塵手段であり、具
体的には図2の中央部分に接触面調整手段2(=21・2
2)と対応して配置された除塵粘着ロール41と、洗浄ロ
ール42と、水槽43と、水分除去装置44とから構成され
る。この除塵粘着ロール41を前記粗面ロール1に連続的
に当接して粗面ロール表面上の付着物を当該粘着ロール
41に転写させる。その転写された付着物を洗浄ロール42
により除去して水槽43で洗い落とし、水で濡れた粘着ロ
ール41の表面を水分除去装置44により乾燥させて前記付
着物を連続的に除去する。本実施例では、除塵手段4を
各粗面ロール1にそれぞれ取り付けてあるけれども、毛
羽等の発生が少ない場合には複数本の粗面ロール1の中
の一部のロールに取り付けるだけでよい。また、前記除
塵粘着ロール41としてウレタンロールを使用しているけ
れども、その表面に粘着テープなどを螺旋状に巻いても
よい。この場合には、前記の洗浄ロール42、水槽43、水
分除去装置44を取り付ける必要がなく、この粘着テープ
を剥がして取り替えるだけでよい。また、前記洗浄ロー
ル42としてブラシロールを使用しているけれども、スポ
ンジロールやスケージなどを採用してもよい。また、前
記水分除去装置44としてエアーノズルを使用しているけ
れども、絞りロール、脱水ノズル、スケージなどを採用
してもよい。
【0017】図1中、符号5で指示するものは布帛Fの
張力を調整するための布張力調整手段であり、布引出駆
動ロール51と、布送出駆動ロール52と、パウダーブレー
キ53とから構成される。この布引出駆動ロール51を駆動
させて、布帛Fを入口スタッカS1から引出し、出口ス
タッカS2に振り落とす(図2参照)。当該布引出駆動
ロール51の回転速度よりも布送出駆動ロール52の回転速
度をパウダーブレーキ53によって若干遅く設定すると、
前記布帛Fに張力が加わり、この張力を正確に調整する
ことにより起毛処理を精度よく行うことができる。
【0018】つぎに、本発明に係る布帛の表面処理方法
を図2に基づいて説明する。まず、拡布状の布帛Fを入
口スタッカS1から導き、布引出駆動ロール51の周速度
を予め設定する。この速度が布帛Fの搬送速度になり、
当該速度に応じて布帛Fとの相対速度が5m/min〜
150 m/minの低速になるよう各粗面ロール1の回転
周速をそれぞれ設定し、かつ、各粗面ロール1を右回り
または左回りに回転させる。つぎに、予め設定した周速
度で前記布引出駆動ロール51を回転駆動させ布帛Fを引
っ張ると同時に、布張力検出器34により布帛Fの張力を
検出し、所要の張力になるよう布送出駆動ロール52また
はパウダーブレーキ53を操作する。そして、布帛Fと各
粗面ロール1との接触面が布帛Fの長手方向に均一に圧
接するように、平衡ロール移動装置22を用いて平衡ロー
ル21を各粗面ロール1に対して所要距離だけ水平方向に
移動させる。上記の操作により、各粗面ロール1と布帛
Fとの相対速度および接触面長を所定の値に維持しなが
ら、各接触面において布帛F表面のフィラメントを引出
し、その一部を切断することができる。
【0019】ここで、本発明に係る布帛の表面処理装置
を用いて実験した結果を、実験1〜実験3に基づいて示
す。最初に、相対速度および総接触面長を変えて実施し
た実験1について説明する。ここで、総接触面長とは布
帛Fが各粗面ロール1に接触している接触面長をそれぞ
れ合計した長さを意味する。布帛Fとして、十分な強度
を有するポリエステル100 %、タテ糸繊度150 d、ヨコ
糸繊度150 d、厚さ0.610 mmの厚地織物を使用してい
る。また、粗面ロール1として、棒状芯体11の表面に粒
度が#600 の研磨シート12を螺旋状に巻き付けたエメリ
ーロール(図3参照)を使用している。この条件におい
て、粗面ロール1と布帛Fとの相対速度として、0m/
min、5m/min、25m/min、50m/min、
100 m/min、150 m/min、200 m/minの7
水準を採用し、粗面ロール1と布帛Fとの総接触面長を
布帛長手方向に200 mmに設定して実験を行った結果、
表1に示すような実験データが得られた。
【0020】
【表1】
【0021】ここで、フィラメント切れの級数について
は、下記のように独自に判断した5段階の級数で記載し
てある。 5級・・・殆どフィラメント切れが無いもの 4級・・・若干フィラメント切れが認められるもの 3級・・・フィラメント切れがあるもの 2級・・・フィラメント切れが多いもの 1級・・・公知の如くフィラメント切れを十分カットし
たもの 表1から分かるように、粗面ロール1と布帛Fとの相対
速度が5m/min〜150 m/minの範囲において顕
著な起毛効果が認められる。
【0022】また、粗面ロール1と布帛Fとの総接触面
長として、布帛の長手方向に、400mm、600 mm、800
mmの3水準を採用して実験を行った結果、表2に示
すような実験データが得られた。
【0023】
【表2】
【0024】表2から分かるように、総接触面長が600
mmを超えると起毛効果が向上しないので、この長さが
限度であると考えられる。総接触面長が600 mm以内で
あれば除塵手段4によって毛羽などを除去できることを
確認した。また、本発明に係る表面処理装置において
は、最低総接触面長が30mmである。よって、粗面ロー
ル1と布帛Fとの総接触面長の有効範囲は、30mm〜60
0 mmとする。
【0025】つぎに、本願装置の除塵手段4の効果に関
する実験2について説明する。布帛Fとして、十分な強
度を有するポリエステル100 %、新合繊生地、厚さ0.42
mmの織物を使用している。また、粗面ロール1とし
て、棒状芯体11の表面に粒度が#320 の研磨シート12を
螺旋状に巻き付けたエメリーロールを使用している。こ
の条件において、粗面ロール1と布帛Fとの相対速度を
60m/minに設定し、かつ、粗面ロール1と布帛Fと
の総接触面長を布帛の長手方向に200 mmに設定し、除
塵手段4を使用しながら連続的に布帛Fの厚みを測定す
る実験を行った結果、表3に示すような実験データが得
られた。表3では、本願装置におけるデータを従来装置
におけるベスト条件でのデータと対比して示してある。
【0026】
【表3】
【0027】表3から分かるように、本願装置において
は、布処理長さが20000 mに達しても研磨紙を交換する
ことなく安定した起毛効果を得ることができたけれど
も、従来装置においては、布処理長さが10000 mに達し
た時点で安定した起毛効果を得ることが不可能になっ
た。従って、除塵手段4を有する本願装置を使用した場
合には、研磨紙を交換することなく安定した起毛効果を
得ることができる布処理長さが従来装置よりも大幅に長
いことは明白である。また、この研磨紙を交換するタイ
ミングは、前述の布厚み計測器31を用いて起毛状態を連
続的に監視することにより、判断することが可能であ
る。
【0028】さらに、薄地織物を用いて実施した実験3
について説明する。布帛Fとして、ポリエステルタフ
タ、タテ糸繊度50d、ヨコ糸繊度70d、厚さ0.090 mm
の薄地織物を使用している。また、粗面ロール1とし
て、棒状芯体11の表面に粒度が#600 または#1000の研
磨シート12を螺旋状に巻き付けたエメリーロールを使用
している。この条件において、粗面ロール1と布帛Fと
の相対速度として、20m/minと50m/minの2水
準を採用し、粗面ロール1と布帛Fとの総接触面長を布
帛長手方向に100 mmに設定して実験を行った結果、表
4に示すような実験データが得られた。
【0029】
【表4】
【0030】表4から分かるように、ポリエステルタフ
タ等の薄地織物でも、粗面ロール1と布帛Fとの相対速
度を小さくし、かつ研磨紙を適宜選択することにより、
膨らみのある実用性をもった表面処理を行うことが可能
である。
【0031】本発明の実施例は概ね上記のとおりである
が、本発明は前述の実施例に限定されるものでは決して
なく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更
が可能であって、例えば、本実施例においては、複数本
の粗面ロールが垂直方向に配設された装置が示してある
けれども、各粗面ロールが水平方向に配設された装置を
採用することも可能である。
【0032】また、本実施例においては、表面処理手段
として複数本の粗面ロールを使用した例が示してあるけ
れども、研磨布やサンドペーパー等を用いたエンドレス
ベルトコンベヤ式の粗面ロールを採用することも可能で
あり、このようなエンドレスシート状のベルトを使用す
れば、粗面ロールを複数本必要とすることなく、1本の
ベルトを用意するだけで簡単に表面処理手段を形成する
ことが可能であり、これら何れの変更態様も本発明の技
術的範囲に属することはいうまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上実施例を挙げて説明したとおり、本
発明によれば、布帛と粗面ロールとの相対速度を従来装
置よりも低速に設定することにより、布帛のフィラメン
トが余分に切断され異常な起毛処理により強度低下を生
じるため実用上起毛処理が困難であった薄地織物におい
ても、毛羽の発生が少なくフィラメントの引出し効果が
大きいため、実用上強度を維持しながら風合い効果を飛
躍的に高めることができる。また、除塵粘着ロールを有
する除塵手段を使用することにより、粗面ロールの交換
寿命を延ばすことができ、かつ、大規模な集塵装置を設
置する必要がないので、大幅にコスト削減を図ることが
できる。さらに、この除塵粘着ロールによって毛羽を効
果的に除去できるので、長時間連続運転しても安定した
起毛効果を得られる。また、起毛制御手段を用いて、布
帛の起毛処理前後の布厚みを経時的に測定し、その測定
値に基づいて起毛制御条件を変化させて起毛状態を制御
することにより、さらに安定した品質の製品を得ること
が可能になる。よって、上記のように多数の優れた効果
を奏し、産業上の実用価値は頗る大である。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表面処理装置の機構を連関的に示
したブロック線図である。
【図2】本発明を適用して構成した実施例装置の全体を
示す概略説明図である。
【図3】本発明を適用して構成した実施例装置における
粗面ロールの正面図である。
【符号の説明】
F 布帛 S1 入口スタッカ S2 出口スタッカ 1 粗面ロール 11 棒状芯体 12 研磨シート 2 接触面調整手段 21 平衡ロール 22 平衡ロール移動装置 3 起毛制御手段 31 布厚み計測器 32 布厚み比較設定器 33 起毛制御器 34 布張力検出器 4 除塵手段 41 除塵粘着ロール 42 洗浄ロール 43 水槽 44 水分除去装置 5 布張力調整手段 51 布引出駆動ロール 52 布送出駆動ロール 53 パウダーブレーキ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡布状態で搬送される布帛Fの表面に粗
    面ロール1を面接触させて当該布帛に表面処理を施すに
    あたり、布帛Fの搬送速度と前記粗面ロール1の回転周
    速との相対速度が5m/min〜150 m/minの範囲
    内で、かつ、布帛Fと粗面ロール1との総接触面長が布
    帛長手方向に30mm〜600 mmの寸法範囲に設定して処
    理することを特徴とした布帛の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 布帛Fの搬送方向と粗面ロール1におけ
    る布帛接触面の回転方向とが同一方向で接触する請求項
    1記載の布帛の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 拡布状態で搬送される布帛Fの表面に粗
    面ロール1を面接触させて当該布帛に表面処理を施すに
    あたり、布帛Fの搬送速度と前記粗面ロール1の回転周
    速との相対速度が5m/min〜150 m/minになる
    よう前記布帛Fの搬送速度および前記粗面ロール1の回
    転周速を設定し、かつ、布帛Fと粗面ロール1との総接
    触面長が布帛長手方向に30mm〜600 mmになるよう前
    記布帛Fの適宜位置を押圧して当該布帛の表面を擦過処
    理することを特徴とした布帛の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 粗面ロール1を右回りまたは左回りに回
    転させて、当該粗面ロール1と布帛Fとの相対速度が5
    m/min〜150 m/minになるよう設定してある請
    求項1記載の布帛の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 拡布状態で搬送される布帛Fの表面に粗
    面ロール1を面接触させて当該布帛に表面処理を施す表
    面処理装置において、布帛Fとの相対速度が5m/mi
    n〜150 m/minになるよう回転周速が設定された少
    なくとも1本の粗面ロール1と、この粗面ロール1と布
    帛Fとの総接触面長が布帛長手方向に30mm〜600 mm
    になるよう平衡ロール21を移動させて接触面を調整する
    接触面調整手段2と、布帛Fの起毛処理前後の布厚みを
    布厚み計測器31により経時的に測定し、その測定値を布
    厚み比較設定器32に入力して予め設定された目標布厚み
    と比較することにより起毛状態を予測し、その予測に基
    づいて起毛制御器33により起毛制御条件を変化させて起
    毛状態を制御する起毛制御手段3と、前記粗面ロール1
    に除塵粘着ロール41を連続的に当接し、粗面ロール表面
    上の付着物を当該粘着ロール41に転写させて前記付着物
    を連続的に除去する除塵手段4とを含むことを特徴とし
    た布帛の表面処理装置。
  6. 【請求項6】 粗面ロール1として、棒状芯体11に研磨
    シート12を巻き付けたエメリーロールが使用できる請求
    項5記載の布帛の表面処理装置。
  7. 【請求項7】 粗面ロール1に除塵粘着ロール41を連続
    的に当接して粗面ロール表面上の付着物を当該粘着ロー
    ル41に転写させ、その転写された付着物を洗浄ロール42
    により除去して水槽43で洗い落とし、濡れた粘着ロール
    41の表面を水分除去装置44より乾燥させて前記付着物を
    連続的に除去することにより除塵手段4が構成されてい
    る請求項5または6に記載の布帛の表面処理装置。
JP14171994A 1994-06-23 1994-06-23 布帛の表面処理方法、および表面処理装置 Withdrawn JPH0813322A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011137248A (ja) * 2009-12-25 2011-07-14 Kao Corp 起毛不織布及びその製造方法
CN109208227A (zh) * 2018-09-21 2019-01-15 浙江波罗蜜新材料有限公司 一种纺织物用的起毛机

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