JPH08133177A - 造水タンカーと該タンカーによる異なった種類の液体の輸送方法 - Google Patents

造水タンカーと該タンカーによる異なった種類の液体の輸送方法

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JPH08133177A
JPH08133177A JP30543894A JP30543894A JPH08133177A JP H08133177 A JPH08133177 A JP H08133177A JP 30543894 A JP30543894 A JP 30543894A JP 30543894 A JP30543894 A JP 30543894A JP H08133177 A JPH08133177 A JP H08133177A
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JP
Japan
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bag
water
tanker
crude oil
fresh water
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JP30543894A
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English (en)
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Kenichi Nakamura
謙一 中村
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SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO KK
Original Assignee
SANGYO GIJUTSU KENKYUSHO KK
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63BSHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; EQUIPMENT FOR SHIPPING 
    • B63B25/00Load-accommodating arrangements, e.g. stowing, trimming; Vessels characterised thereby
    • B63B25/02Load-accommodating arrangements, e.g. stowing, trimming; Vessels characterised thereby for bulk goods
    • B63B2025/022Load-accommodating arrangements, e.g. stowing, trimming; Vessels characterised thereby for bulk goods comprising flexible receptacles for bulk cargo, e.g. bladders for liquid cargo inserted in tanks

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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】オイルタンカーが原油を輸送する場合、往路航
行中は船腹の無駄をなくして、海水より真水を造水しつ
つ輸送し、帰路は原油を輸送するようにしたタンカーと
該タンカーによる異種液体の輸送方法を提供する。 【構成】海水をオゾンにより殺菌・浄化した後、逆浸透
膜により飲用水Wと無菌濃塩水S.Wとに分離する造水
プラントをタンカーに搭載し、液体貯蔵槽を多数の小型
槽3に分離して設け、各槽3内に槽の容量以上の大きさ
の真水用袋51, 濃塩水用袋52, 原油用袋53の袋の一部を
槽3の相隣る内壁に固定して、固定部分に液又は空気の
出入りする口金部61, 62を設ける。タンカー往路は海水
から分離した真水W、濃塩水S.Wを夫々専用の袋51,
52に充填して(濃塩水の需要のない時は之を廃棄しつ
つ)輸送し、需要先に提供して帰路は代りに原油用袋53
に原油Oを充填して輸送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、船倉に造水設備を備
えた原油タンカーに関し、より詳しくは原油産地までの
往路航行中は海水より真水を造水しつつ輸送し、帰路は
原油を輸送するようにしたタンカーと該タンカーによる
異種液体の輸送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、原油タンカー(オイルタンカー)
では、原油産地までの往路航行中はオイルタンクは空の
状態で、バラストタンクにバラスト水(海水)を注水し
て船体の喫水及び前後左右の傾斜を調節した状態で航行
し、産地でバラスト水を排水後、オイルタンクに原油を
積載して精油所乃至石油備蓄基地まで輸送するようにし
ていた。一方、原油タンカーが赴く産地は、一般に砂漠
地帯で雨が少く飲用水は海水を淡水化して得るようにし
ており、海水の淡水化プラントの設備投資及びその運転
に多額の費用がかかり、飲用水は原油よりも高くつく現
状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑みてなされたものであって、往路航行中の空のオイル
タンクの利用されることなく無駄に扱われている空間を
有効利用するとともに、原油産地に貴重な飲用水を、往
路航行中に海水より造水して輸送することのできる造水
タンカーと、該タンカーによる原油のみでなく異なった
種類の液体の輸送方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の造水タンカーに於ては、海水をオゾンによ
り殺菌・浄化した後、逆浸透膜により飲用水Wと無菌濃
塩水S.Wに分離する造水プラント2が搭載されてい
る。
【0005】前記造水タンカー1内には、液体貯蔵槽4
を多数の小型槽3に分離して設けると共に、各槽3内に
槽の容量以上の大きさを有する複数個の柔軟且つ強靱な
耐液性袋51, 52----- を装備し、各袋の一部を槽内壁面
に固定し、該固定部分に内溶液もしくは気体を出入せし
める一対の口金部61, 62を夫々設けると良い。
【0006】前記小型液体貯蔵槽3としては、対向する
面がそれぞれ正方形乃至短い長方形など方形六面体の内
壁部A,A’、B,B’、C,C’を備え、3組の各相
隣る一対の内壁に、夫々真水用袋51, 濃塩水用袋52, 原
油用袋53を固定すると有利である。
【0007】前記造水タンカーで異なった種類の液体を
輸送するには、原油産地までの往路航行中に、タンカー
1に搭載した造水プラント2により、海水より飲用水で
ある真水Wもしくは濃塩水S.Wを造水しながら輸送
し、帰路は原油Oを輸送する方法をとることが効果的で
ある。
【0008】
【作用】海水をオゾンにより殺菌・浄化した後、逆浸透
膜により飲用水Wと無菌濃塩水S.Wに分離する造水プ
ラント2は、海水を淡水化(真水化)する場合に、他の
蒸発法、電気透析法によるものより低コストでエネルギ
ー消費量が少くてすみ、装置自体もコンパクトに形成す
ることができるため、タンカーに好適に搭載することが
できる。通常海水を逆浸透膜により淡水化する場合は、
海水に先づ凝集沈降剤を投入して海水中の有機系無機系
の浮遊物を凝集せしめるが、本発明に於ては凝集沈降剤
に代りオゾンを使用して有機物や無機物を酸化させ之を
砂により濾過した後炭素濾過して残留するオゾンを炭素
により吸着除去する方法を取っている。この方法によれ
ば分離された濃塩水には何等薬剤が混入されていないの
で、濃塩水も原料として使用することができる特徴があ
る。之により造水タンカーは航行中に船倉内に取入れた
海水を順調に飲用水Wと無菌濃塩水S.Wに分離するこ
とができる。この際の真水Wと濃塩水S.Wの比率は
4:6である。なお、航行中は、海水を飲用水Wと無菌
濃塩水S.Wに分離して行先の状況で、濃塩水が不必要
な場合は航行途中廃棄し、必要な場合は夫々所要のタン
ク(後述する小型液体貯蔵槽)に充填する。この場合、
充填に伴い、出航当初バラストウォータータンクに注水
したバラスト水(海水)は逐次排水して、船体の喫水及
び前後左右の傾斜を調節しつつ航行することになる。
【0009】造水タンカー内に、分離して設けられた液
体貯蔵槽4の小型槽3内の槽の容量以上の大きさを有す
る柔軟且つ強靱な複数個の耐液性袋51, 52----には、各
袋の一部が固定された槽内壁面の固定部分に一対の口金
部61, 62が設けられており、その一方の口金部61から、
往航中、海水を分離した真水Wもしくは濃塩水S.Wが
入るとき他方の口金部62から袋内の空気が排出される。
之により、往航中は、分離した真水Wもしくは濃塩水は
安定して専用の袋に充填貯蔵することができる。そし
て、到着地においてポンプにより各小型槽3内に充填さ
れている真水W若しくは濃塩水S.Wを排出して、現地
に提供する一方、該小型槽3内の原油用袋に原油Oを充
填する。この場合各袋の固定部に設けられた口金部61,
62の電磁弁を適宜開閉して真水W若しくは濃塩水S.W
の排出及び原油Oの充填を行う。これにより、帰路は原
油Oを各小型槽に充填状態で輸送することができる。こ
の場合、小型槽内に設けられた袋51, 52--- は槽の容量
以上の大きさの柔軟且つ強靱な耐液性袋であるため、小
型槽3の内部空間を所要液を充填時(袋外面にかかる外
圧で畳み込まれた他の袋のスペースを除き)有効利用し
て、往航時は真水Wもしくは濃塩水S.Wを、また、帰
路は原油Oをフルに充填することができる。なお、小型
槽内の複数の耐液性袋を真水用と原油用又は濃塩水用と
原油用の2ケとすることも、真水用、濃塩水用、原油用
の3ケとすることも可能であり(図4参照)、夫々専用
の袋に液が充填されるため他の液が混入することは全く
防止される。之により同一の槽に異種の液体を充填する
場合その都度槽内を完全洗浄する手数を省くことが出来
る。
【0010】小型液体貯蔵槽3として、方形六面体の内
壁部を持つ貯蔵槽の3組の各相隣る一対の内壁部に、夫
々真水用袋51, 濃塩水用袋52, 原油用袋53を固定するこ
とにより(図3において、対向する内壁部を夫々A,
A’、B,B’、C,C’とするとき真水用袋固定面
51' はC+B’、濃塩水用袋固定面52' はB+A’、原
油用袋固定面53' はA+C’)、袋に液を入れるとき相
隣る一対の固定面により袋の膨らみ方向は両固定面の中
間方向に規制されるので、相互にからまることを防止し
て安定して液を注入することができる(図4参照)。こ
の場合、往路航行中に、真水用袋51及び濃塩水用袋52
別々の貯蔵槽3のものを利用して真水又は濃塩水を夫々
フルに注入しても良く、1つの貯蔵槽3の真水用袋51
塩水用袋52に4:6の割合で該液を注入しても良く、行
先では前記液(真水Wと濃塩水S.W)を排出して原油
用袋53に原油Oを注入することができる。
【0011】前記造水タンカーが往路航行中に、搭載し
た造水プラント2により、海水より真水Wもしくは濃塩
水S.Wを造水しつつ(場合により濃塩水S.Wは廃棄
しながら)輸送し、帰路は原油Oを輸送することによ
り、タンカー航行中の船腹の無駄をなくして、真水の乏
しい原油産地に真水Wや必要な場合は、濃塩水S.Wを
提供することができ、濃塩水は工業用原料等(ソーダ工
業の原料)に使用することができるなど、経済的効果を
上げることができる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を添付の図面に基づいて説明
する。図1は、造水タンカーの側面図で、図2は該タン
カーに搭載した造水プラントのブロック図を示す。
【0013】造水タンカー1の船倉(上甲板の下)に
は、原油、真水などを入れるための液体貯蔵槽4が多数
の小型槽3,3,3--- に分離されて、船尾部のエンジ
ンルームと居住区より前方の大部分のスペースに配置さ
れており、前方のタンク群と後方のタンク群との間の所
定区画に、上方にはポンプ室7が、下方に造水プラント
2が設けられている。そして船体の喫水や前後左右の傾
斜を調節するためのバラストウォータタンクは、図示し
ないが液体貯蔵槽4(小型槽群3,3,3----)の左右
側下方にいくつかに分割されて設けられている。なお符
号8はエンジンを示している。タンカー航行中は、海水
をポンプで造水プラント2に供給して、該プラント2で
飲用水Wと無菌濃塩水S.Wに分離して前記多数の小型
槽3,3----に逐次充填して行く。この場合、海水は飲
用水Wと無菌濃塩水S.Wとが4対6の比率で分離さ
れ、該小型槽3の夫々該当する飲用水用又は無菌濃塩水
用口金部から各小型槽内に充填される。また、行先で濃
塩水が不要の場合は充填することなく廃棄され、濃塩水
は充填されない。そして、この充填に対応してバラスト
ウォータータンクの水を排水して船体の喫水や傾斜を調
節しつつ航行して行く。
【0014】次に造水プラント2における海水の淡水化
の概要について説明する。該造水プラント2では、タン
カーの舷側11からポンプ27により海水を吸入して海水タ
ンク28に一時貯留状態としてミキサー22に連続的に供給
する。該ミキサー22には、オゾン発生器21で空気中の酸
素より放電により発生したオゾンO3が供給される。これ
によりオゾンを海水に高濃度に溶解させることができ
る。海水に溶解されたオゾンは、海水に含まれる有害な
有機物、無機物を酸化分解し、また海水中の細菌を死滅
させ殺菌、脱臭、脱色効果を発揮する。オゾンにより有
害物が酸化分解され、殺菌された海水は、濾過装置23
濾過及び精密濾過され、さらに活性炭濾過装置24を経由
せしめて残った不純物及び03を効率良く活性炭に吸着せ
しめた後、高圧ポンプ25により、100 気圧程度の圧力で
逆浸透膜ユニット26に供給される。逆浸透膜ユニット26
では溶質である塩分が透過を阻止され溶媒である真水が
透過する。そして40%の真水Wと60%の排鹹水である無
菌濃塩水S.Wとに分離される。分離した真水Wは飲用
水タンク210 に貯留され、ポンプ212 により多数の小型
槽3,3,3----の真水用袋51に送られる。一方、分離
した濃塩水S.Wは一時濃塩水タンク211 に貯留された
後、ポンプ213 により、前記小型槽3,3,3---- の濃
塩水用袋52に送られるか、又は廃棄される。
【0015】分離した真水Wもしくは無菌濃塩水S.W
を貯蔵する小型槽(小型液体貯蔵槽)3は方形六面体の
内壁部を有する。この内壁部は正六面体が望ましく、設
置箇所により側面が稍長方形の他の六面体とすることが
できる。実施例では、小型槽3の内壁部が正六面体で、
内蔵する袋が、真水用袋51、濃塩水用袋52、原油用袋53
の3種の袋を有する場合につき説明する。これ等3つの
袋は、小型槽3の正六面体の3組の各相隣る一対の内壁
に、夫々槽の容量以上の大きさを有する柔軟且つ強靱な
耐液性袋である真水用袋51, 濃塩水用袋52, 原油用袋53
が固定され、該固定部分に内溶液もしくは気体を出入せ
しめるための一対の口金部61, 62が内容液の注入用及び
排出用としてそれぞれ設けられている(図4参照)。
【0016】前記各袋の小型液体貯蔵槽3内の貼着面
は、図3の説明図で示すように、対向する正方形の内壁
面A,A’、B,B’、C,C’に対して、例えば、真
水用袋固定面51' は相隣る一対の内壁C+B’(2点鎖
線部)とし、濃塩水用袋固定面52' は相隣る一対の内壁
B+A’(1点鎖線部)とし、原油用袋固定面53' は相
隣る一対の内壁A+C’(3点鎖線部)とすることがで
きる。これにより、袋に液を入れるとき2ケ所の固定面
により該袋の膨らみ方向は、両固定面の中間方向に規制
され、他の袋にからまることは防止され、安定して液を
注入することができる。袋固定面の外壁面に設けられる
前記一対の口金部61, 62には、それぞれ電磁弁が用いら
れ、図示しないコントロールルームでの制御により、所
要の小型槽3の口金部61、口金部62に付設された所要の
電磁弁が開閉して小型槽3内に対し所要の液を注入排出
できるようになっている。
【0017】図4(A) は、小型槽3内の真水用袋51, 濃
塩水用袋52, 原油用袋53の何れにも液が入っていない状
態(小型槽作製時を含み、充填した原油等液類をポンプ
で吸引して排出した状態)を示す。全部の袋51, 52, 53
が空の状態のとき、海水から真水Wを造水して図4(B)
に示すように、真水注入口である真水用袋51の口金部61
の電磁弁を開くと共に各袋51, 52, 53の排出口である各
口金部62の電磁弁を開いて、真水注入口の口金部61より
真水Wを真水用袋51に注入すると、袋51内の空気は各袋
51, 52, 53の排出口の口金部62より排出されつつ真水W
は充填されて行き、袋の限度に達する満杯のとき注入・
排出の両電磁弁を閉じることにより該小型槽3への真水
の充填は終る。この真水の充填に際しては、多数の小型
槽3,3----への真水の充填は、直列的に逐次充填する
ようにしても、また多数一斉に充填するようにしても良
い。
【0018】図4(C) は真水Wの充填と平行して、真水
と4:6の比率で生じる濃塩水S.Wを他の小型槽へ充
填する場合を示し、前記と同様に濃塩水注入口である濃
塩水用袋52の口金部61の電磁弁を開くと共に各袋51,
52, 53の排出口である各口金部62の電磁弁を開いて濃塩
水注入口の口金部61より濃塩水S.Wを濃塩水用袋5
2に、注入することにより、各袋51, 52, 53の排出口の
口金部62より袋52内の空気は排出されて該小型槽3内に
濃塩水を充填することができる。
【0019】図4(D) はタンカーが原油産地に到着して
原油Oを小型槽3へ充填する場合を示す。この充填に先
立ち、ポンプにより真水W又は濃塩水S.Wを、それぞ
れが充填されているすべての小型槽3,3,3----の該
当する袋から排出し現地に荷卸して需要家に提供するよ
うにする。すなわち、小型槽3の真水用袋51もしくは濃
塩水用袋52の各口金部61, 62の電磁弁を操作して、ポン
プにより内溶液を吸引し真水Wもしくは濃塩水S.Wを
排出して現地に荷卸する。この場合、口金部61より内容
液を吸引して、口金部62を開いて空気が入るようにす
る。また、口金部62を閉じて口金部61より内溶液を吸引
し袋を収縮するようにしても良い。その後、該小型槽の
原油注入口である原油用袋53の口金部61の電磁弁を開
き、該袋の口金部62の電磁弁を開いて原油注入口の口金
部61より原油Oを注入する。この原油Oの注入により袋
53内の空気は前記口金部62より排出されると共に、空に
なった他の袋すなわち真水用袋51又は濃塩水用袋52内の
空気は排出されつつ(この場合それぞれの袋の排出口62
の電磁弁は開いている。)該小型槽3内に原油を充填す
ることができる。このようにして液体貯蔵槽4を原油で
満タン後帰航するのである。
【0020】上記実施例では、海水より真水もしくは濃
塩水S.Wを造水して多数の小型槽3,3、3----に充
填する場合について述べているが、この場合、タンカー
の行く先の真水Wや濃塩水S.Wの需要状況により、航
行中4:6の比率で造水される濃塩水の処理が問題とな
る。すなわち、行く先での濃塩水の需要が皆無の場合
は、原油積込先への航行中、海水より造水した真水Wの
みを小型槽3の真水用袋51に充填して、濃塩水はすべて
廃棄しつつ行先へ赴き、原油Oを積込み帰航することに
なる。行先でソーダ工業等で需要がある場合は、需要度
により該濃塩水をすべて輸送するか、又は一部を廃棄し
て必要分を輸送することになる。すなわち、輸送する相
手先の状況により多数の小型槽3,3、3----に充填す
る真水と濃塩水の比率に変動を生じる。然し乍ら、小型
槽すべてで造水した此等のものを輸送することができる
ので往路航行中の船腹の無駄を省いて経済効率を上げる
ことができる。そして、液体輸送用に、真水、濃塩水、
原油の3種の異種の液体がそれぞれ専用の袋を使用して
完全に分離して充填されているため、往路、帰路の何れ
の航行中も輸送する液体は絶対に混り合うことなく、液
体貯蔵槽の内容積をフルに利用して輸送することができ
る。また、輸送後の貯蔵槽の洗滌を要しない。
【0021】また、実施例では小型槽3内の真水用袋
51, 濃塩水用袋52, 原油用袋53の3種の袋のうち、往航
時には各小型槽3,3、3----の真水用袋51もしくは濃
塩水用袋52の各1ケの袋を使用するようにしているが、
各小型槽3内の真水用袋51と濃塩水用袋52との2つの袋
を同時使用して4:6の割合で充填することも可能であ
る。さらに、上記実施例では方形正六面体の内壁部を有
する小型槽3に、真水用袋51, 濃塩水用袋52, 原油用袋
53の3つの袋を内蔵せしめた場合について説明したが、
輸送先での需要に濃塩水が含まれず往航時、真水のみを
輸送する場合は真水用袋と原油用袋との2つの袋のみ
を、相互に対向する隣接した3方の内壁に夫々固定する
ようにしても良く、内壁部は方形正六面体でなく側面が
短かい長方形の矩形の方形六面体でも可能であり、本発
明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であ
る。
【0022】なお、濃塩水はソーダ工業の原料になる
が、その塩分濃度は海水の2倍であって、無菌濃塩水の
場合、魚類を浸漬して乾物(塩干魚)の製造用に使用す
ることができる一方、これを冷却して、大型回遊魚の鮪
の生体保存に使用することができる。すなわち、該無菌
濃塩水を0℃に冷却し、その中に捕獲直後の生きた鮪を
投入することにより、鮪を仮死状態で鰓呼吸で生存を続
けさせ、この間に鮪体内の菌を排出せしめることがで
き、0℃の無菌濃塩水に鮪を生体保存して輸送し、需要
地に新鮮にして清浄な魚肉を提供する場合に使用するこ
とができる。従って原油積込港の近隣に該当する漁港が
あれば該無菌濃塩水を供給することも可能である。ま
た、原油積込の際、無菌濃塩水を一部貯留して帰路につ
き、精油所に原油を輸送後、貯留した無菌濃塩水を味
噌、醤油の原料として該当する工場に輸送することも可
能である。
【0023】
【発明の効果】請求項1記載の発明の造水タンカーによ
れば、該タンカーが原油積込地に赴くとき、従来無駄に
使用されていた原油貯蔵タンクの空スペースを有効利用
して、往航時に積載した造水プラントにより、海水を殺
菌・浄化して飲用水と無菌濃塩水に分離して、飲料水及
び必要な場合は無菌濃塩水も貯蔵しつつ原油積込地に往
航し、一般に飲用水が欠乏してきわめて高価である現地
に飲用水を輸送供給することができ、帰路は原油を積載
・航行することができるので、運行時の経済的効果の高
いタンカーとすることができる。また、造水プラントは
オゾンと、逆浸透膜を使用するものであるため、その運
転に要するエネルギー消費量が少く、低コストであり、
プラントの装置自体もコンパクトに形成することができ
タンカーに好適に搭載することができる。
【0024】請求項2記載の発明によれば、造水タンカ
ー内の多数に分離された液体貯蔵用の各小型槽内の複数
個の耐液性袋に、該耐液性袋の固定部分に設けられた一
対の口金部を通して、往航時タンカー内の造水プラント
で海水から分離した真水や濃塩水や、帰航時充填積載す
べき原油等を、相互に混り合うことを完全に防止して、
安定して各小型槽に入替え充填することができ、また、
安定して円滑に排出させ需要者に提供することができ
る。また液排出後の洗滌を必要としない。
【0025】請求項3記載の発明によれば、小型液体貯
蔵槽に内蔵した真水用袋、濃塩水用袋、原油用袋の3種
の袋に、何れか該当する液体を充填するとき、各液体用
袋は該袋の一部が固定された相隣る一対の内壁面によ
り、袋の膨らみ方向が規制されて袋同士が相互にからま
ることなく、安定して3種の液をそれぞれ注入すること
ができる。
【0026】請求項4記載の前記造水タンカーによる異
なった種類の液体の輸送方法によれば、原油産地への往
航中に海水より真水と濃塩水とを造水して、タンカー航
行中の往路における船腹の無駄をなくして、真水の欠乏
している往航先の原油産地に真水や、需要先のある場合
は濃塩水を輸送・提供でき、帰路は原油を積載・輸送す
ることにより、タンカー運行時の経済的効果を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の造水タンカーの側面図、
【図2】搭載する造水プラントのブロック図、
【図3】各小型槽内の真水用袋、濃塩水用袋、原油用袋
の各固定面を表わす説明図、
【図4】小型液体貯蔵槽に異種液体を入れるときの原理
図である。
【符号の説明】
1…造水タンカー、 2…造水プラント、 3…小型液
体貯蔵槽(小型槽)、4…液体貯蔵槽、 51…耐液性袋
(真水用袋)、 51'…真水用袋固定面、52…耐液性袋
(濃塩水用袋)、 52'…濃塩水用袋固定面、 53…耐
液性袋(原油用袋)、 53'…原油用袋固定面、 61,
62…口金部、 W…真水(飲用水)、 S.W…無菌濃
塩水、 O…原油。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】海水をオゾンにより殺菌・浄化した後、逆
    浸透膜により飲用水と無菌濃塩水とに分離する造水プラ
    ント2を搭載した造水タンカー。
  2. 【請求項2】造水タンカー1内に、液体貯蔵槽4を多数
    の小型槽3に分離して設けると共に、各槽3内に槽の容
    量以上の大きさを有する複数個の柔軟且つ強靱な耐液性
    袋51, 52----- を装備し、各袋の一部を夫々槽内壁面に
    固定し、該固定部分に内容液もしくは気体を出入せしめ
    る一対の口金部61, 62を夫々設けたことを特徴とする請
    求項1記載の造水タンカー。
  3. 【請求項3】小型液体貯蔵槽3は、方形六面体の内壁部
    を備え、3組の各相隣る一対の内壁に、夫々真水用袋
    51, 濃塩水用袋52, 原油用袋53を固定したことを特徴と
    する請求項2記載の造水タンカー。
  4. 【請求項4】往路航行中に、搭載した造水プラント2に
    より、海水より真水Wもしくは濃塩水S.Wを造水しつ
    つ輸送し、帰路は原油Oを輸送することを特徴とする請
    求項1又は2又は3記載の造水タンカーによる異なった
    種類の液体の輸送方法。
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